JPH0239760B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、放射性物質、特に核反応炉からの照
射済みの燃料要素のための搬送兼貯蔵容器であつ
て、しやへい作用を有する容器本体と、しやへい
蓋及び保護蓋とから主に成つており、このしやへ
い蓋と保護蓋との間にスリツト状の検査室が配置
されている形式のものに関する。

［従来の技術］ 放射性物質を搬送及び貯蔵するための容器は多
くのものが公知である。これら公知の容器は一般
的にγ線及び中性子線のためのしやへい作用を備
えた容器本体より成つていて、この容器本体は冷
却ひれを備えていて蓋機構によつて開鎖されてい
る。この蓋機構は放射線に対するしやへい作用を
有するしやへい蓋と保護蓋とから構成されてい
る。通常、このしやへい蓋と保護蓋との間にはス
リツト状の検査室が配置されている。

照射済みの若しくは燃焼済みの燃料要素並びに
放射性の廃棄物は再利用又は最終廃棄されるまで
貯蔵されなければならない。一般的にこの貯蔵は
冷却媒体としての水を有する水槽内で行れるが、
最近は特に自然空気による空気冷却で貯蔵される
ことが提案されている（ドイツ連邦共和国特許出
願公開第2906629号明細書、ドイツ連邦共和国特
許出願公開第2913540号明細書、ドイツ連邦共和
国特許出願公開第2711405号明細書）。のために燃
焼済みの燃料要素はいわゆる貯蔵容器によつて密
閉されなければならない。しかしながら、このよ
うな形式の貯蔵容器は、冷却空気流が、容器から
の貯蔵内容物の漏れによる放射能の汚染にさらさ
れ得るという欠点がある。蓋機構を通つて容器内
部から場合によつては漏れ出る何よりもガス状の
放射性アイソトープ・クリプトン８５及びヨード
１２９に起因する放射能は容器の周囲を流れる冷
却空気によつて薄められて周辺に達する。この放
射能漏れの監視及び記録は著しく困難である。放
射能によつて汚染された冷却空気の一部はろ過装
置を介して案内されるが、このろ過装置の形成は
冷却空気量が多いので費用が高く、その効果はこ
の大きな範囲においては疑問である。容器本体と
蓋との間のシール機構における漏れが、圧力変化
を測定することによつて検出される形式の容器も
公知であるが（ベルギー国特許第881604号明細
書）、この公知の装置では放射能測定は不可能で
ある。圧力変化を測定しても、シール機構におけ
る、初めは非常に小さい漏れを正確に記録するこ
とは殆んどできない。

［発明の課題］ 従つて本発明の課題は初めに述べた形式の、放
射性物質のための搬送兼貯蔵容器で、放射性ガス
の漏れがその初期段階からすでに記録され得るよ
うなものを提供することである。

［課題を解決するための手段］ この課題は本発明によれば保護蓋内に単数又は
複数のβ線測定ゾンデが取りつけられていること
によつて解決された。β線測定ゾンデとしては有
利には比例計数管が使用される。

比例計数管は有利には保護蓋内の中空室に取り
つけられていて、この中空室はしやへい蓋と保護
蓋との間のスリツト状の検査室に対してβ線を通
す層によつて密閉されている。

［実施例］ 次に図面に示した実施例について本発明の構成
を具体的に説明する。

放射性物質が存在する、冷却ひれ５を備えた搬
送兼貯蔵容器１はしやへい蓋２と保護蓋３とによ
つて閉じられている。しやへい蓋２はシール部材
４によつて容器本体６に対してシールされてい
る。しやへい蓋２と保護蓋３との間にはスリツト
状の検査室７が存在する。保護蓋３内には放射性
β線を測定するための測定ゾンデ８が取りつけら
れていて、その供給導管９は保護蓋３から気密に
導き出されている。ガス状の放射性アイソトープ
がシール部材４を通つて容器内部１０から漏れ出
た場合、検査室７に達したβ線、例えばクリプト
ン８５及びヨード１２９が測定ゾンデ８によつて
検波される。

測定ゾンデとしてはβ線のためのすべての適し
た検波器、例えば特殊な半導体検波器及び特殊な
シンチレーシヨン検波器が使用され得るが、β線
測定ゾンデとして比例計数管が設けられていれば
有利である。何故ならば、比例計数管はγ線には
感応せず、その測定ゾンデ面は任意の大きさに形
成され得るからである。これによつて、一方では
最も小さい放射性漏れも検査室７で確実かつ即座
に検波され、他方ではしやへい蓋２を介する所定
のγ残留線がこの検波を妨害することもない。

比例計数管１１が保護蓋３の中空室１２内に組
み込まれていて、この中空室１２がβ線を通す層
１３によつて、スリツト状の検査室７に対して閉
鎖されていれば有利である。このβ線を通す層１
３は、フオイル例えば薄い金属薄板フオイルある
いは金属をかぶせた合成樹脂フオイルを気密に張
設することによつて形成されるか、又は保護蓋３
を機械処理して中空室１２を形成する際にこの保
護蓋３の材料を薄い層として残すことよつて形成
され得る。中空室１２の絶縁体１５にはカウンタ
ワイヤ１４が固定されていて、このカウンタワイ
ヤ１４は保護蓋３内で導線１６によつて絶縁され
て電圧供給装置若しくは前置増幅器及び判読装置
と接続されている。

保護蓋３は測定ガス供給のための供給及び導出
部２１を有しており、この場合、場合によつて
は、貫流する又は圧力下にある測定ガスが使用さ
れる。

β線を通す層１３は場合によつては同時に付加
的な圧力測定のための圧力ダイヤフラムとして使
用されていても良いが、保護蓋３内に圧力測定の
ための所属の装置１８と測定導線１９とを備えた
ダイヤフラム１７が付加的に取りつけられていれ
ば有利である。

比例計数管１１の作用制御及び記録若しくは監
視は中央の監視所で行われる。中空室１２内に校
正標準としての放射性α線放射体が配置されてい
れば有利である。例えば検量規格としてはPu−
238又はラジウム−プレパラートも適している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による放射性物質のための搬送
兼貯蔵容器の第１実施例の概略的な部分的断面
図、第２図は第２実施例の概略的な部分断面図で
ある。 １……貯蔵容器、２……しやへい蓋、３……保
護蓋、４……シール部材、５……冷却ひれ、６…
…容器本体、７……検査室、８……測定ゾンデ、
９……供給導管、１０……容器内部、１１……比
例計数管、１２……中空室、１３……層、１４…
…カウンタワイヤ、１５……絶縁体、１６……導
線、１７……ダイヤフラム、１８……装置、１９
……測定導線、２０……放射性α線放射体、２１
……供給及び導出部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 放射性物質のための搬送兼貯蔵容器であつ
   て、しやへい作用を有する容器本体としやへい蓋
   と保護蓋とから主になつており、該しやへい蓋と
   保護蓋との間にスリツト状の検査室が配置されて
   いる形式のものにおいて、保護蓋３内に単数又は
   複数のβ線測定ゾンデ８が取りつけられているこ
   とを特徴とする、放射性物質のための搬送兼貯蔵
   容器。 ２ β線測定ゾンデ８として比例計数管が取りつ
   けられている、特許請求の範囲第１項記載の搬送
   兼貯蔵容器。 ３ 比例計数管１１が保護蓋３内の中空室１２内
   に取りつけられていて、該中空室１２がしやへい
   蓋２と保護蓋３との間のスリツト状の検査室７に
   対して、β線を通す層１３によつて密閉されてい
   る、特許請求の範囲第２項記載の搬送兼貯蔵容
   器。 ４ 中空室１２内に校正標準としてα線放射体２
   ０が配置されている、特許請求の範囲第１項から
   第３項までのいずれか１項記載の搬送兼貯蔵容
   器。