JP2005283180A - X線ct撮像方法及びx線ct装置並びにx線ct用撮像装置 - Google Patents

X線ct撮像方法及びx線ct装置並びにx線ct用撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、適切な撮像条件にて撮像し、撮像画像の品質向上を図るX線CT撮像方法及びX線CT装置並びにX線CT用撮像装置を提供することにある。
【解決手段】
X線CTにより断層撮像する撮像方法であって、断層撮像のうち一部の任意の断層の撮像工程で該任意の断層を複数回測定する工程を含む。或いは、断層撮像するX線CT装置であって、断層撮像のうち一部の任意の断層を複数回測定する手段を備える。或いは、断層撮像するX線CT装置用撮像装置であって、断層撮像のうち一部の任意の断層を複数回測定する手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線CT撮像方法及びX線CT装置並びにX線CT用撮像装置に関するものである。
特許文献1には、産業用のX線CT技術が開示され、非特許文献1には、X線CT装置により撮影される断層画像の画質は測定中にセンサに入力するX線のフォトン数に依存することが開示され、良い画質を得ようとすれば、同じCT装置を使用する場合には、センサに入るフォトン数を増加するために撮影時間を長くとる必要がある。産業用X線CTが広範囲に活用され、撮影者に、撮影物の材質や内部の形状などの詳細情報が不明である場合が多く、最適な撮影条件を決められないという課題がある。
さらに、産業用X線CT装置では、高速化されても、撮像物の3次元データを取得するために数時間を要することが多い。撮像物の一部に密度の大きな材料が使われていたり、一部の寸法が大きかったりすることにより、その部分の断層像のみ画質が劣化することもある。
しかしながら、その該当部分の画質を向上するために、全断層を重ね合わせして撮影したり、全ての断層の撮影時間を延長して撮影したりすることは、大幅な撮影時間の増加を招くという課題がある。
特開2000−258542号公報 上村 博:産業用高エネルギーX線CT装置とディジタルエンジニアリングへの応用、電機学会誌、Vol.122、No.2、p100−103(2002)
本発明の目的は、適切な撮像条件にて撮像し、撮像画像の品質向上を図るX線CT撮像方法及びX線CT装置並びにX線CT用撮像装置を提供することにある。
X線CTにより断層撮像する撮像方法であって、断層撮像のうち一部の任意の断層の撮像工程で該任意の断層を複数回測定する。
本発明によると、適切な撮像条件にて撮像し、撮像画像の品質向上を図るX線CT撮像方法及びX線CT装置並びにX線CT用撮像装置を提供することにある。
産業用X線CT装置は、工業製品(例えば、鋳造品)を撮影し、内部形状を含む3次元データを取得し、それを鋳造巣の検査や製品の寸法測定に利用される。産業用X線CT装置は、金属製品の断層像を撮影することが多い。そのため、使用するX線の透過能力が高いことが望ましく、300keVを超えるX線管や、更には、1〜12MeVのX線を発生する電子線形加速器をX線源として用いることが多い。
X線CT装置により撮影される断層画像の画質は測定中にセンサに入力するX線のフォトン数に依存し、撮影物の密度が大きく、厚さが厚い場合には、撮影物によりX線が遮蔽され、センサに届くX線フォトン数が少なくなる。フォトン数が少なくなるとセンサの出力は小さくなり、フォトン数の統計的揺らぎが大きくなると共に、計測系のノイズにも影響され、計測データのS/N比が悪化する。したがって、このような撮影物で良い画質を得ようとすれば、同じCT装置を使用する場合には、センサに入るフォトン数を増加するために撮影時間を長くとる必要がある。同一断層のデータを複数回取得して重ね合わせる手段や、撮影物の回転や並進速度を遅くして測定時間を長くする手段等によって、撮影時間を長くとることができる。
産業用X線CT装置が、広範囲の分野に活用されるようになり、撮影者とCT画像データを利用する人、たとえば、設計者とは異なる場合が増加している。この場合、撮影者には撮影物の外形,寸法はわかるが、撮影物の材質や内部の形状などの詳細情報はわからない場合が多く、最適な撮影条件を決められない。さらに、最近は撮影物の数断層をCT撮影するのではなく、撮影物の内部も含む3次元データを取得するために非常に多数の断層を撮影することが多くなってきた。この場合には1つの撮影物で数百枚の断層撮影が行われることが多い。産業用X線CT装置では高速の装置でも1断層を撮影するのに10秒程度はかかることから、3次元データを取得するためには数時間を要することが多い。このような場合には、撮像物の一部に密度の大きな材料が使われていたり、一部の寸法が大きかったりすることにより、その部分の断層像のみ画質が劣化することもある。しかしながら、その該当部分の画質を向上するために、全断層を重ね合わせして撮影したり、全ての断層の撮影時間を延長して撮影したりすることは、大幅な撮影時間の増加を招く。撮影者が撮影物を熟知していれば、全断層のうち必要な一部分のみの撮影条件をあらかじめ変更することで対応することはできるが、前述のように現実的ではない。
解決しようとする問題は、撮影条件を設定する段階においてあらかじめ撮像物の内部情報を利用した最適な撮影条件設定が困難な点である。
本発明の実施の形態では、撮像物の内部情報を利用して撮影条件を自動設定するために、各断層撮影で測定データの品質があらかじめ設定した閾値を超えるまで同一断層を複数回測定し測定データを重ね合わせることを最も主要な特徴とする。また、撮像物の内部情報を利用して撮影条件を自動設定するために、CT撮影前に撮影した撮影物全体の透過画像を検査し、あらかじめ設定したX線減衰率を越えるX線減衰率を示す断層部分は同一断層を複数回測定し測定データを重ね合わせることを最も主要な特徴とする。
本発明の実施の形態では、撮影者があらかじめ撮影物の内部情報を知らなくても、最適なCT断層撮影条件を決定するという目的を、断層撮像時の測定データもしくは断層撮像前の透過画像データを用いてX線CT装置を自動的に制御する。
本発明の実施の形態でのX線CT装置は、断層撮像ごとに測定データの品質があらかじめ設定された値以上になるように自動的に重ね合わせを行うので、撮影者に撮影物の材質や内部形状の詳細情報がわからなくても、撮影条件を各断層で変更でき撮影を自動的に行えるという利点がある。透過画像データを基に断層撮影開始前に各断層の重ね合わせ回数を決定できるので、撮影者に撮影物の材質や内部形状の詳細情報がわからなくても、断層撮影前に各断層の撮影条件を決定でき撮影を自動的に行えるという利点がある。
図1から図7を用い、本発明を具体的に説明する。図2は本実施例の産業用X線CT装置の構成を示す。
X線CT装置は、X線ファンビーム102を出力する電子線加速器101と、被検体
114を設置するスキャナ103,被検体114を透過してきたX線を検出するX線センサ4−1から4−500と、X線センサ104のS/N比を向上させるためX線センサ
104への散乱X線の入射を抑える役割をするコリメータ105,センサの出力信号を増幅し、デジタル信号に変換する信号処理装置110、および信号処理装置からのデジタルデータを収集すると共に装置全体を制御する制御装置106,制御用画面を表示する表示装置112,撮影者が撮影条件を入力するためのキーボード113,断層画像の再構成を行う画像再構成装置111,画像再構成により作成された画像やその他の情報を表示する表示装置108,制御装置106からの制御指令により電子線加速器101,スキャナ
103、及び信号処理装置110の動作を制御するコントローラ109を備えている。
本実施例のX線CT装置は、被検体を回転させて1断層を撮影する第3世代のX線CT装置を示しており、スキャナ103は回転機能のほかに、被検体の各高さの断層撮影を行うために上下に動作する機能を持つ。電子線加速器101は、制御用ケーブル116によりコントローラ109に接続され、該コントローラによりX線ファンビームの発生・停止が制御される。スキャナ103も同様に制御ケーブル115で該コントローラ109に接続され、スキャナの回転・上下位置の調整が行われる。X線センサ104はファンビーム102の発生点を見込むように一列に配置され、センサ数が多いほど撮影解像度が向上するが、本実施例では500個が設置されている。該X線センサは、電子線加速器101からスキャナの回転と同期して一定角度ごとにX線パルスが出力される毎に、被検体を透過してきたX線を検出する。該X線センサ104から出力されたX線量に対応する信号は、増幅されデジタル信号に変換された後、信号ケーブル117を通して制御装置106を経由して画像再構成装置111に送られ、CT画像の再構成に用いられる。
加速器を用いたX線CT装置ではX線は、加速器の特性から通常、周期的に発生するパルス状X線となる。一般的な値としては5ms周期に5μs幅の強力なX線パルス(X線光子の集まり)が出力される。本従来例では、被検体を1回転する間に2000回X線パルスが照射され、データを測定する。すなわち、0.18 度ごとにX線量を測定する。
500個のセンサがあるため、1断層を再構成するための測定データは500×2000個のデータ量になる。
図3は、1断層を再構成するための測定データ20の構成を示す。0.18 度ごとにセンサの1chから500chの500個のセンサ出力測定データが測定され、最終的に
2000行×500列の計測データが求められる。この測定データ20を制御装置106が収集した後、画像再構成装置118に転送し、画像再構成装置118で画像再構成演算をすることにより断層像が表示装置108に表示される。
図4に示すように、本実施例の詳細な動作を撮影物21の3次元データを取得するための断層撮影を例に、以下に説明する。撮影物21は円筒の物体であるが、ほぼ真ん中付近は中実になっており、その上下と比べてX線が透過しにくい構造になっている。従って、たとえば、図4中のA−A′断層とB−B′断層を比較すると、B−B′断層ではX線の減衰が大きく、測定データの値が小さく、S/N比が悪いことが予想される。ただし、実際の撮影物はこのように単純な形状ではなく、内部も見えないことも多いため、撮影者にはこのような判断はつかないのが普通である。
X線CT撮影時には、撮影者はまず入力手段であるキーボード113から撮影物の撮影条件を入力し、X線CTの撮影条件を決定する。撮影条件は表示装置112に表示される撮影条件表示画面にキーボード113を用いて撮影条件を入力する。
図7に、撮影条件表示画面30を示す。撮影条件表示画面30には、断層撮像位置の指定入力であるチェックボックス32,開始位置33,終了位置34,撮像間隔35,重ね合わせ回数の指定入力36,回転走査ピッチの指定入力,計測データの保存の指定入力,保存ファイル名入力37,透過像測定指示ボタン31と透過画像表示画面39,測定開始ボタン38などが表示されている。
撮影物のどこの断層を撮影するかを決定する断層撮像位置入力は開始位置33,終了位置34,撮像間隔35を何れも入力できるようになっている。チェックボックス32にチェックを入れることにより、撮影位置は複数のブロックを指定できる。本図では1つのブロックのみを指定していることを示している。
重ね合わせ回数の指定は、自動または回数指定が可能である。回数指定では断層撮像位置での撮影は全て同一の重ね合わせ回数での断層撮影となる。本実施例の大きな特徴は重ね合わせの指定に自動モードを付加したことである。自動モードのチェックボックス36をチェックすることにより、各撮影断層の重ね合わせ回数が自動的決定される。決定方法の詳細は後述する。
回転走査ピッチも可変になっている。本実施例では前述のように通常、0.18 度ピッチでデータを測定するが、回転走査ピッチを半分0.09 度などに変更することも可能である。また、計測データを保存するための保存ファイル名を入力する保存ファイル名入力37の欄も設けてある。
X線CT装置では、撮影開始前に透過画像を撮影して、目視で撮影品の位置や内部の概略形状を確認することは良く行われる。本実施例では透過像測定ボタン31を押すことにより、透過像を測定し、透過画像表示画面39に表示させることができる。透過画像表示画面39には撮影物の透過画像が表示されると共に、断層撮像開始位置40と断層撮像終了位置41とが表示される。断層撮像開始位置40は開始位置33に、断層撮像終了位置41は終了位置34に、それぞれ対応して表示される。これにより、あらかじめ、断層撮影する位置が透過画像上で明確にできる。
さらに、透過画像表示画面39の右側には撮像状況表示部42があり、ここには測定開始ボタン38を押して撮影を開始した後に撮影状況が表示される。白い帯表示部分は1回重ね(重ね無し)で撮影したことを示し、灰色の帯表示部分44は何回か重ねて撮影したことを示している。それよりも上部は帯表示がなく、まだ撮影されていないことを示す。
以上述べたような撮影条件設定を実施した後、X線CT装置はCT撮影を開始する。図1は断層像撮影時の制御装置106の動作のフローチャートである。
まず、図7で説明したように撮影者が撮影条件を入力し撮影開始ボタンを押すと、図1の撮影条件読み込み1の工程において、制御装置106は撮影条件を読み込む。撮影位置Z=Z0に移動2の工程において、撮影物の高さを撮影開始位置Z0(図7では値50)にスキャナ103を移動させる。重ね合わせ回数3の工程において、重ね合わせ回数(カウンタ)を0にリセットする。次に、重ね合わせ回数4の工程において、重ね合わせ回数にプラス1し、断層撮影開始5の工程において、断層撮影を開始する。そして、1断面分の測定データの取り込み6の工程において、前述のようにスキャナ103が1回転して、制御装置106は1断層分の測定データを取り込む。測定データのサーチ9の工程において、重ね合わせ回数が1であれば、測定データをサーチする。
測定データは、図3に示したようなデータ構成になっている。測定データ20の中の各データは、データ取り込み時のセンサの出力が大きければ大きな値を持ち、小さければ小さな値を持つ。この値自体はCT装置のシステム構成(センサの種類,プリアンプゲイン,AD変換装置、など)によっても変わるものであるが、本実施例では撮影物がスキャナ上に置かれていない場合に、センサが測定するX線フォトン数が約10000とし、その値が測定データに取り込まれるものである。したがって、測定データの最大値は約10000で最小値は0である。
X線フォトン数は、統計的なばらつきを有しているので、平均フォトン数10000の場合に測定される値は√10000の標準偏差のばらつき、すなわち1%の誤差がある。撮影物によりX線が減衰するとたとえば、フォトン数が100になれば√100、すなわち10%の測定誤差に増加する。このフォトン数によるデータのばらつきが再構成された断層画像の画質に最も大きな影響を及ぼす。
本実施例ではデータの閾値Vtを100とし、測定データ20中の値がその閾値以下である割合Rが30%をこえると重ね合わせを実施するように制御装置106はX線CT装置を自動制御する。
すなわち、測定データのサーチでは測定データ20の各値を閾値Vtと比較し、Vt以下のデータの割合(%)を求める。閾値Vt以下のデータの割合>規定値R?10の工程において、閾値Vt以下のデータの割合がR(30%)未満であるか判別する。そして、規定値R未満であれば、測定データ=(測定データ)/n撮像状況表示部更新11の工程において、測定データを重ね合わせ回数nで割って重ね合わせ無しのデータに規格化し、撮影条件表示画面30の撮像状況表示部42を更新する。断層再構成用データとして採用12の工程において、更新されたその測定データを断層再構成用データとして採用する。そして、画像再構成処理13の工程において、画像再構成装置111に測定データを転送して画像再構成処理を行わせる。
撮影終了?14の工程において、撮影位置が終了位置かどうか判別する。終了位置でなければ、Z方向ΔZ移動15の工程において、さらに撮影位置を撮像間隔ΔZだけ移動して、次の撮影を実施する。
閾値Vt以下のデータの割合>規定値R?10の工程において、閾値Vt以下のデータの割合がR(30%)を超えていると重ね合わせ処理を実施するため、再度撮影を実施する。すなわち、重ね合わせ回数4の工程において、重ね合わせ回数nを+1し、断層撮影開始5の工程において、断層撮影し、1断面分の測定データの取り込み6の工程において、測定データを取り込む。この場合には、測定データ=前回の測定データ+今回の測定データ8の工程において、nは2以上であるから前回の測定データと今回の測定データを足し合わせる。測定データのサーチ9の工程において、再度測定データのサーチを行う。
以上のように、重ね合わせの不必要な断層については重ね合わせが行われず、重ね合わせの必要な断層の撮影では、一定の測定データの品質が得られるまで自動的に重ね合わせ撮影が行われる。
図5に、撮影物21のA−A′断層22を撮影する場合の2つのセンサの測定データを模式図で示す。図5(a)は2つのセンサCh1とCh250と、電子線加速器101、及び断層22の位置関係を示している。このケースではCh1では撮影物が1回転する間中、X線の減衰はないので、図5(b)のセンサ出力に示すように、Ch1の出力はVair(=10000)であり、そのばらつきは±100程度である。また、Ch250の出力は撮影物でX線が減衰するので、Ch1よりも下がるが、閾値Vtよりも大きい。このような断層の撮影では、500個の全てのセンサの出力がほぼVtよりも大きく、制御装置106は自動的に重ね合わせなし(1回撮影)を選択する。
次に、図6には撮影物21のB−B′断層23を撮影する場合の2つのセンサの測定データを模式図で示す。図6(a)は2つのセンサCh1とCh250と、電子線加速器
101、及び断層23の位置関係を示している。このケースではCh1では撮影物が1回転する間中、X線の減衰はないので、図6(b)に示すように、Ch1の出力はVair(=10000)であり、そのばらつきは±100程度である。また、Ch250の出力L4は撮影物が中実で厚いのでX線が大きく減衰し、閾値Vtよりも小さくなる。そのほかの多くのChもCh250の出力よりは大きいが、ほぼ同程度の値になる。Ch250の平均値が30であるとすれば、1回測定のデータでは30±6のばらつきが発生する。しかし、4回重ねることにより、Ch250の出力L6は120±11のばらつきに抑えられ、これを1回測定にあわせるように平均すれば、その出力L8は30±3となる。従って、4回重ねでばらつきは半分に減少し(N回重ねで1/√Nに減少する)、このデータを用いて再構成する断層画像の品質を向上できる。
断層撮像のうち一部の任意の断層の撮像工程でその任意の断層を複数回測定する手段によって、その工程が実施でき、適切な撮像条件を設定可能となり、任意の部位の画像の品質向上が図れる。また、断層撮像で測定データの品質があらかじめ設定した閾値を超えるまで同一断層を複数回測定する手段と、その測定データを重ね合わせ前記断層の断層像を再構成する手段とを備えているので、その工程が実施でき、適切な撮像条件を設定して、任意の部位の画像の品質向上が図れる。また、撮影物の透過画像を撮像する手段と、該透過画像からあらかじめ設定した閾値を越えるX線減衰率を示す断層部分を求める手段と、該断層部分の断層撮像で該断層部分を複数回測定する断層撮像手段と、複数回測定された該断層部分の測定データに基づき断層像を再構成する手段とを備えているので、その工程が実施でき、適切な撮像条件を設定して、任意の部位の画像の品質向上が図れる。なお、断層撮像のうち一部の任意の断層の測定回数と、該任意の断層とは異なる断層の測定回数とを異ならしめる手段を備えているので、撮像物に対して適切な撮像条件を設定することが可能となる。
以上のように、本実施例においては、1断層の測定データごとに測定データの品質があらかじめ設定された値以上になるように自動的に重ね合わせを行うので、撮影物の材質や内部形状の詳細情報がわからなくても、最適な撮影を自動的に行えるという利点がある。また、重ね合わせの必要な部分を自動的に認識して重ね合わせ撮影でき、そのほかの部分は通常の高速撮影(重ね合わせ無し)をするので、撮像時間がむやみに長くなることを防止できる。
なお、測定データの閾値や閾値以下のデータの割合は、実施するCT装置や要求される断層像の画質により、変更することができる。
また、本実施例では生の測定データを評価して重ね合わせ回数を決定していたが、測定データを用いてX線の減衰率を計算し、減衰率から重ね合わせから重ね合わせ回数を決定するようにしても良い。ちなみに、X線の減衰率は撮影物のない場合のセンサ出力を測定時のセンサ出力で除し、対数をとることで求められる。
また、本実施例では、測定データを評価して重ね合わせ回数を決定しているが、測定データから断層画像を再構成した後、その断層画像の品質から重ね合わせるかどうかを自動的に判断するようにしても良い。
以上のように、本実施例のX線CT装置は、断層撮像ごとに測定データの品質があらかじめ設定された値以上になるように自動的に重ね合わせを行うので、撮影者に撮影物の材質や内部形状の詳細情報がわからなくても、撮影条件を各断層で変更でき撮影を自動的に行えるという利点がある。また、本実施例のX線CT装置は透過画像データを基に断層撮影開始前に各断層の重ね合わせ回数を決定できるので、撮影者に撮影物の材質や内部形状の詳細情報がわからなくても、断層撮影前に各断層の撮影条件を決定でき撮影を自動的に行えるという利点がある。
次に、図8、と図9を用いて他の一実施例を説明する。X線CT装置の構成は実施例1の図2と同様であり、制御装置106の制御方法が異なる。
図8は他の一実施例における断層像撮影時の制御装置106の動作を示すフローチャートである。撮影者が撮影条件表示画面70(後述)に撮影条件を入力し透過像測定ボタンを押すと、制御装置106は透過像を自動的に測定する(50)。透過画像の各画素のX線減衰率を計算する(51)。X線減衰率は、前述のように撮影物のない場合のセンサ出力を透過画像測定時のセンサ出力(透過画像の各画素に対応する値)で除し、対数をとることで求められる。次に減衰率があらかじめ設定される閾値を超える画素をサーチし、閾値を超える画素のある断層位置を撮影条件表示画面70に表示する(52)。
撮影条件表示画面70の撮影条件を読み込み、断層撮影位置を確認し、重ね合わせ撮影を考慮した撮影時間を撮影条件表示画面70に表示する(53)。撮影者が撮影条件表示画面70の測定開始ボタンを押すと、断層撮影を開始する(54)。
スキャナを撮影開始位置に移動(55)し、撮影位置で減衰率が閾値を超える断層であればN回重ね撮影(57)、そうでなければ1回重ね(重ね合わせ無し)撮影(58)を実施する。本実施例ではNは固定で4回としている。
1枚の断層撮像が終わると撮影条件表示画面70中の残り測定時間を更新し(59)、測定データを画像再構成装置111に出力し、画像再構成処理を行わせる(60)。撮影条件の全ての断層を撮影し終わったら終了、そうでない場合にはスキャナ位置を移動(62)し、次の断層撮影を継続する。
図9は表示装置112の撮影条件表示画面70の表示内容を示す。撮影条件表示画面
70には、断層撮像位置の指定入力であるチェックボックス72,開始位置73,終了位置74,撮像間隔75,重ね合わせ回数の指定入力76,回転走査ピッチの指定入力,計測データの保存の指定入力,保存ファイル名入力77,透過像測定開始ボタン71と透過画像表示画面79,測定開始ボタン78などが表示されている。
撮影物のどこの断層を撮影するかを決定する断層撮像位置入力は開始位置73,終了位置74,撮像間隔75を何れも入力できるようになっている。チェックボックス72にチェックを入れることにより、撮影位置は複数のブロックを指定できる。本図では1つのブロックのみを指定していることを示している。
重ね合わせ回数の指定は自動または回数指定が可能である。回数指定では断層撮像位置での撮影は全て同一の重ね合わせ回数での断層撮影となる。本実施例の大きな特徴は重ね合わせの指定に自動モードを付加したことである。自動モードのチェックボックス76をチェックすることにより、透過画像から各撮影断層の重ね合わせが自動的に決定される。
本実施例では透過像測定開始ボタン71を押すことにより、透過像を測定し、透過画像表示画面79に表示させることができる。透過画像表示画面79には撮影物の透過画像が表示されると共に、断層撮像開始位置80と断層撮像終了位置81とが表示される。断層撮像開始位置80は開始位置73の値に、断層撮像終了位置81は終了位置74にそれぞれ対応して表示される。これによりあらかじめ、断層撮影する位置が透過画像上で明確にできる。
さらに、透過画像表示画面79の右側には撮像条件表示部82があり、ここには透過像測定開始ボタン71を押して透過画像が測定されると、測定領域のうち重ね合わせ撮影部分が灰色表示83される。さらに残り測定時間85には測定開始前には、測定に必要な合計時間が、測定中には残り時間が表示される。本実施例では重ね合わせ無しで1断層あたり12秒、4枚重ねで48秒を要する。本図では撮像物21の透過像が表示されており、そのうちの一部に重ね合わせの灰色表示83が表示されている。
本図のように50ミリから150ミリまで1.0 ミリピッチで100枚撮影する場合で、重ね合わせの部分が10枚あるとすれば、撮影時間は12秒×90枚+48秒×10枚=1560秒である。透過像測定が終了し、測定開始ボタンを押す前の状態では残り測定時間85にはこの値が表示される。本図では、測定中断層位置表示線84で現在の撮影位置が示されており、30枚が撮影完了とすると、残り測定時間85は1200秒が表示されているわけである。
以上述べたように、実施例2ではX線CT装置は透過画像データを基に断層撮影開始前に各断層の重ね合わせ回数を決定できるので、撮影物の材質や内部形状の詳細情報がわからなくても、最適な撮影を自動的に行えるという利点がある。
実施例2ではX線減衰率の閾値を1つとし、透過像の中でそれを超える画素の位置に対応する断層像は4回重ねで測定することにしたが、無論重ねる回数は適当に決めることができる。
また、閾値を複数として減衰率の大きさに応じて重ねる回数を変化させることも良い。このようにすればさらにきめの細かな断層像の画質向上策となる。
また、実施例2では一方向からの透過像を用いているが、この場合には撮影物の厚い部分を見逃す可能性がある。これを解決するためには複数方向からの透過像を用いるのが良い。
適切な撮像条件にて撮像し、撮像画像の品質向上を図るX線CT撮像方法及びX線CT装置並びにX線CT用撮像装置を提供できる。
断層像撮影時の制御装置の動作のフローチャートを示す。 産業用X線CT装置の構成図。 1断層を再構成するための測定データの構成図。 撮影物の一例を示す図。 撮影物の一例のA−A′断層を撮影する場合の2つのセンサの測定データを示す模式図。 撮影物の一例のB−B′断層を撮影する場合の2つのセンサの測定データを示す模式図。 表示装置に表示される撮影条件表示画面を示す図。 断層像撮影時の制御装置の動作を示すフローチャートを示す図。 表示装置の撮影条件表示画面を示す図。
符号の説明
21…撮影物、30…撮影条件表示画面、32,36,72,76…チェックボックス、33,73…開始位置、34,74…終了位置、35,75…撮像間隔、37,77…保存ファイル名入力、38,78…測定開始ボタン、39…透過画像表示画面、40,
80…断層撮像開始位置、41,81…断層撮像終了位置、42…撮像状況表示部、43…白い帯表示部分、44…灰色の帯表示部分、70…撮影条件表示画面、71…透過像測定開始ボタン、79…透過画像表示画面、82…撮像条件表示部、83…灰色表示、84…測定中断層位置表示線、85…残り測定時間、101…電子線加速器、103…スキャナ、104…X線センサ、105…コリメータ、106…制御装置、108,112…表示装置、109…コントローラ、110…信号処理装置、111…画像再構成装置、113…キーボード。

Claims (14)

  1. X線CTにより断層撮像する撮像方法であって、
    断層撮像のうち一部の任意の断層の撮像工程で該任意の断層を複数回測定する工程を含むX線CT撮像方法。
  2. X線CTによる断層撮像工程で、測定データの品質があらかじめ設定した閾値を超えるまで同一断層を複数回測定し、その測定データを重ね合わせ前記断層の断層像を再構成することを特徴とするX線CT撮像方法。
  3. 撮影物の透過画像を撮像する工程と、該透過画像からあらかじめ設定した閾値を越えるX線減衰率を示す断層部分を求める工程と、該断層部分の断層撮像で該断層部分を複数回測定する断層撮像工程と、複数回測定された該断層部分の測定データに基づき断層像を再構成する工程とを含む特徴とするX線CT撮像方法。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載のX線CT撮像方法において、
    断層撮像の際に、撮像物を回転させて1断層を撮影することを特徴とするX線CT撮像方法。
  5. 請求項1〜請求項3の何れかに記載のX線CT撮像方法において、
    断層撮像の際に、加速器から周期的に発生するパルス状X線により撮像するX線CT撮像方法。
  6. 請求項1〜請求項3の何れかに記載のX線CT撮像方法において、
    断層撮像時に、任意の断層部分の測定回数を設定して撮像するX線CT撮像方法。
  7. 断層撮像するX線CT装置であって、
    断層撮像のうち一部の任意の断層を複数回測定する手段を備えたX線CT装置。
  8. 断層撮像するX線CT装置であって、
    断層撮像で測定データの品質があらかじめ設定した閾値を超えるまで同一断層を複数回測定する手段と、その測定データを重ね合わせ前記断層の断層像を再構成する手段とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
  9. 撮影物の透過画像を撮像する手段と、該透過画像からあらかじめ設定した閾値を越えるX線減衰率を示す断層部分を求める手段と、該断層部分の断層撮像で該断層部分を複数回測定する断層撮像手段と、複数回測定された該断層部分の測定データに基づき断層像を再構成する手段とを含む特徴とするX線CT装置。
  10. 請求項7〜請求項9の何れかに記載のX線CT装置において、
    撮像物を回転させて1断層を撮影する手段を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  11. 請求項7〜請求項9の何れかに記載のX線CT装置において、
    加速器から周期的に発生するパルス状X線により撮像する手段を備えたX線CT装置。
  12. 請求項7〜請求項9の何れかに記載のX線CT装置において、
    任意の断層部分の測定回数を設定する手段を備えたX線CT装置。
  13. 断層撮像するX線CT装置であって、
    断層撮像のうち一部の任意の断層の測定回数と、該任意の断層とは異なる断層の測定回数とを異ならしめる手段を備えたX線CT装置。
  14. 断層撮像するX線CT装置用撮像装置であって、
    断層撮像のうち一部の任意の断層を複数回測定する手段を備えたX線CT装置用撮像装置。

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