JP2005282685A - 樹脂製プーリ - Google Patents

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Abstract

【課題】 材料の保管安定性や耐熱衝撃性が良好であるとともに、異物環境下における耐摩耗性を向上させた樹脂製プーリを提供する。
【解決手段】 本発明の樹脂製プーリは、プーリ本体1と、軸受部材2とを備えている。そして、前記プーリ本体1として、ノボラック型フェノール樹脂を樹脂母材とし、これに無機繊維と、エラストマーと、シリカ粉末と、フッ素樹脂粉末と、水酸化アルミニウムとを含有させたフェノール樹脂組成物を成形してなるものを用いるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のエンジン部品などに用いられる樹脂製プーリに関する。
近年、自動車のエンジン部品などに用いられるプーリ類としては、各種の自動車部品の小型・軽量化や低コスト化の要請に鑑みて、金属製プーリに代え、樹脂製プーリが用いられるようになっている。かかる樹脂製プーリは、通常、金属製の玉軸受などの軸受部材(アイドラ軸受ともいう)と、それに一体的に外装された環状のプーリ本体とを有する構造をしている。そして、このプーリ本体は、樹脂母材にガラス繊維等の補強材を含有させた樹脂組成物を成形してなるものが用いられている。この樹脂組成物の樹脂母材としては、寸法精度に優れていて、変形しにくく、しかも耐熱衝撃性に優れたレゾール型フェノール樹脂がよく用いられている(例えば特許文献1参照)。
ところが、レゾール型フェノール樹脂は、常温においても硬化反応が進行するので、流動性が悪くなりやすく、材料の保管安定性に難点がある。このため、かかる難点がないノボラック型フェノール樹脂を用いることが検討されている。しかし、このノボラック型フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂に比べて、加熱と冷却の繰り返しにより硬化物に割れが生じやすいことから、プーリ本体に対し必要な耐熱衝撃性を確保すべく、ニトリルゴムなどのエラストマーや有機繊維を充填材として用いることが提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2001−280449号公報(請求項1) 特開平9−217818号公報(請求項1)
上記特許文献2の樹脂製プーリは、樹脂母材としてノボラック型フェノール樹脂を用い、これにエラストマーや有機繊維を含有させていることから、材料の保管安定性がよく、しかも良好な耐熱衝撃性を確保している。また、シリカ粉末を含有させていることから、砂埃などの異物環境下における耐摩耗性も比較的良好とされている。ところが、樹脂製プーリが装着される自動車等の高性能化に伴い、さらなる改良、特に異物環境下における耐摩耗性の改良が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、材料の保管安定性や耐熱衝撃性が良好であるとともに、異物環境下における耐摩耗性を向上させた樹脂製プーリの提供をその目的とする。
本発明者らは、樹脂母材としてノボラック型フェノール樹脂を用いる樹脂製プーリの異物環境下における耐摩耗性を向上させるべく種々の実験研究を重ねていた。その過程で、シリカ粉末とともに、フッ素樹脂粉末を用い、さらに水酸化アルミニウムを用いれば、良好な材料の保管安定性や耐熱衝撃性を確保しつつ、特に異物環境下における耐摩耗性を向上させることができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂製プーリは、軸受部材と、この軸受部材に外装されたプーリ本体とを有する樹脂製プーリであって、前記プーリ本体は、ノボラック型フェノール樹脂を樹脂母材とし、これに無機繊維と、エラストマーと、シリカ粉末と、フッ素樹脂粉末と、水酸化アルミニウムとを含有させたフェノール樹脂組成物を成形してなることを特徴としている。
上記の構成によれば、シリカ粉末とフッ素樹脂粉末とを含有しているので、主にシリカ粉末によって表面硬度が高められるとともに、主にフッ素樹脂粉末によって低摩擦係数化を図ることができる。さらに、これらとともに水酸化アルミニウムを併用することにより、樹脂製プーリの表面状態が、砂埃などの異物が存在する環境下において、非常に摩耗し難い状態となる。このため、異物環境下における耐摩耗性に優れたものとなる。また、水酸化アルミニウムをさらに用いることによって、材料の保管安定性や耐熱衝撃性が損なわれるといったこともなく、これらの特性を充分に確保したものとなる。
上記樹脂製プーリにおいて、前記樹脂組成物中のシリカ粉末、フッ素樹脂粉末および水酸化アルミニウムの含有割合が、シリカ粉末:30重量%以上40重量%以下、フッ素樹脂粉末:1重量%以上3重量%以下、水酸化アルミニウム:3重量%以上10重量%未満の範囲内に設定されているのが好ましい。この場合、シリカ粉末とフッ素樹脂粉末と水酸化アルミニウムとの含有割合が適切となって、より効果的に異物環境下における耐摩耗性を向上させることができる。
また、上記樹脂製プーリにおいて、前記樹脂組成物中の無機繊維およびエラストマーの含有割合が、無機繊維:25重量%以上30重量%以下、エラストマー:2重量%以上7重量%以下の範囲内に設定されているのが好ましい。この場合、より効果的に耐熱衝撃性や補強効果が良好になる。
上記樹脂製プーリにおいて、前記シリカ粉末が球状シリカ粉末であり、前記フッ素樹脂粉末がポリテトラフルオロエチレン粉末であるのが好ましい。この場合、球状シリカ粉末とポリテトラフルオロエチレン粉末と水酸化アルミニウムとを用いることになるので、より効果的に異物環境下における耐摩耗性を向上させることができる。
本発明によれば、樹脂母材としてノボラック型フェノール樹脂を用い、これにエラストマー、無機繊維、シリカ粉末、フッ素樹脂粉末、水酸化アルミニウムを含有させているので、良好な材料の保管安定性や耐熱衝撃性を確保しつつ、異物環境下における耐摩耗性が向上した樹脂製プーリを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の樹脂製プーリの一実施形態を示す断面図である。本実施形態に係る樹脂製プーリは、例えば自動車のタイミングベルト機構や補機駆動ベルト機構などに取り付けられて用いられるものであり、軸受部材(アイドラ軸受)としての深溝玉軸受2と、その外周面に一体的に外装された環状のプーリ本体1とを備えている。
上記深溝玉軸受2は、金属(軸受鋼)製の外輪3及び内輪4と、内外輪3,4間に複数の金属製の球5と、これらの球を転動自在に保持する保持器6と、内外輪3,4間を密閉空間とするための一対のシール部材7,8とを備えて構成されている。
一方、プーリ本体1は、特定のフェノール樹脂組成物を用いて各種の成形方法により成形されたものであり、上記深溝玉軸受2の外輪3に一体化された内筒部11と、外方に向かって形成されたギザギザの溝部12aを有する外筒部12と、上記内筒部11と外筒部12とを連結する両筒部11,12よりも細い連結部13とを有している。
上記プーリ本体1の成形材料である特定のフェノール樹脂組成物は、樹脂母材としてのノボラック型フェノール樹脂(a成分)と、無機繊維(b成分)と、エラストマー(c成分)と、シリカ粉末(d成分)と、フッ素樹脂粉末(e成分)と、水酸化アルミニウム(f成分)とを含有している。
ノボラック型フェノール樹脂(a成分)は、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂の一種であり、酸を触媒として過剰のフェノールとホルムアルデヒドとを反応させて得られるものである。このノボラック型フェノール樹脂は、寸法精度が良好で変形しにくく、しかも材料の保管安定性に優れているという利点を有している。なお、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の変性剤で変性させた変性ノボラック型フェノール樹脂を用いてもよい。また、ノボラック型フェノール樹脂は、成形方法によっても異なるが、良好な流動性を確保すべく、数平均分子量(Mn)が600〜900の範囲内に設定されているものが好ましい。さらに、ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等を用いるのが好ましく、また使用量は樹脂100重量部に対して10〜20重量部の範囲内が好ましい。
無機繊維(b成分)は、金属製プーリに比べて強度面で劣る樹脂製プーリを補強するために用いられるものであり、ガラス繊維、ボロン繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維等があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。なかでも、安価で作業性に優れている等の理由から、ガラス繊維が好ましい。特に、分散性の観点から、平均繊維径が10〜30μmの範囲内で、平均繊維長が200〜300μmの範囲内であるものが好ましい。そして、無機繊維の含有量は、フェノール樹脂組成物全体に対して25重量%以上30重量%(以下「%」と略す)以下の範囲内に設定されているのが好ましい。25%未満であると、プーリ本体1の強度や寸法安定性を充分に向上させることができないおそれがあり、逆に30%を超えると弾性が低下して相手部材であるベルトを損傷させてしまったり(ベルト攻撃性が大きくなってしまったり)、無機繊維の配向が熱収縮時に悪影響を及ぼして寸法安定性が不充分になってしまったり、相対的にエラストマーなどの配合量が少なくなってしまって耐熱衝撃性の低下を招来してしまうおそれがあるからである。
エラストマー(c成分)は、ノボラック型フェノール樹脂の欠点である耐熱衝撃性を向上させるために用いられるものであり、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム等があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。そして、エラストマーの含有量は、フェノール樹脂組成物全体に対して2%以上7%以下の範囲内に設定されているのが好ましい。少なすぎると耐熱衝撃性を向上させる効果が充分に得られないおそれがあり、逆に多すぎると強度が低下してしまって異物環境下における耐摩耗性の向上効果に悪影響を与えるおそれがあるからである。
シリカ粉末(d成分)としては、球状シリカ粉末、不定形シリカ粉末など、各種形態のものを単独であるいは2種以上併せて用いることができる。シリカ粉末は、硬い粒子からなるものであるため、砂埃などと接触してもそれ自体が摩耗して摩耗粉になりにくく、逆に砂埃を粉砕して樹脂製プーリの摩耗を防ぐ機能を有している。なかでも、分散性や金型への攻撃性などを考慮して、球状シリカ粉末が好ましい。なお、球状シリカ粉末は、各粒子表面が改質されたものであってもよい。そして、球状シリカ粉末は、平均粒径が5〜30μmの範囲内に設定されているのが好ましい。すなわち、平均粒径が30μm以下の球状シリカ粉末を用いると、より均一な分散性を確保することができる結果、異物環境下における耐摩耗性がより一層良好になるからである。但し、あまりに平均粒径が小さい微細粉であると、粉末同士の凝集等が生じ、かえって分散性が低下してしまう傾向があることから、平均粒径は5μm以上であるのが好ましい。そして、シリカ粉末の含有量は、フェノール樹脂組成物全体に対して30%以上40%以下の範囲内に設定されているのが好ましい。30%未満であると、異物環境下における耐摩耗性を充分に向上させることができないおそれがあり、逆に40%を超えると相対的にノボラック型フェノール樹脂等の含有量が少なくなって接着力が不充分となったり、シリカ粉末粒子の脱落が生じやすくなってしまったりするおそれがあるからである。
フッ素樹脂粉末(e成分)は、プーリ本体1にすべり性を付与するために用いられるものであり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末が好適に用いられる。このフッ素樹脂粉末は、平均粒径が1〜10μmの範囲内に設定されているのが好ましい。すなわち、平均粒径が10μm以下の微細な粉末を用いると、より均一な分散性を確保することができる結果、プーリ本体1表面をより低摩擦係数化することができるからである。また、粒径が大きいシリカ粉末を多量に用いた場合には、シリカ粉末の粒子間に入り込むことが可能となることから、プーリ本体1の表面状態をより良好なものにすることができる。但し、あまりに微細すぎると、粉末同士の凝集等が生じ、かえって分散性が低下してしまう傾向があることから、平均粒径が1μm以上であるのが好ましい。そして、フッ素樹脂粉末の含有量は、フェノール樹脂組成物全体に対して1%以上3%以下の範囲内に設定されているのが好ましい。あまりに少なすぎるとすべり性を付与できないおそれがあり、逆に多すぎると、通常、フッ素樹脂粉末がフェノール樹脂硬化物に比べて耐熱性が低い物質であるため、樹脂製プーリの耐熱性が不充分となってしまうおそれがあるからである。
水酸化アルミニウム(f成分)は、白色粉末の結晶で、約200℃まで安定している化合物である。このような水酸化アルミニウムを上記シリカ粉末やフッ素樹脂粉末とともに用いることにより、シリカ粉末およびフッ素樹脂粉末のみを用いる場合(水酸化アルミニウム非含有の場合)に比べて、プーリ本体1の表面状態を砂埃などの異物に対して非常に摩耗し難い状態に改質することができるため、異物環境下における耐摩耗性が良好になる。また、水酸化アルミニウムは、熱伝導性を有する金属水酸化物であることから、得られる樹脂製プーリに放熱性と難燃性を付与することができる。そして、水酸化アルミニウムの含有量は、フェノール樹脂組成物全体に対して3%以上10%未満の範囲内に設定されているのが好ましい。あまりに少なすぎると水酸化アルミニウムによる効果が充分に得られないおそれがあり、逆に多すぎると水酸化アルミニウム自体が比較的低硬度の化合物であることから、それ自体が粉砕して摩耗粉となってしまったり、また弾性が低下してしまったりするおそれがあるからである。
なお、上記フェノール樹脂組成物には、上記(a)〜(f)の各成分のほかに、本発明の目的を損なわない範囲で、顔料、離型剤などの各種の添加剤を任意に含有させてもよい。
上記フェノール樹脂組成物を用いた樹脂製プーリは、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、上記(a)〜(f)の各成分やその他の任意成分を混合した後、ロール、ニーダー等などを用いて加熱混練し、粉砕することによってフェノール樹脂組成物を得る。そして、得られたフェノール樹脂組成物を射出成形法、押出成形法などの公知の成形法によって所定形状に成形することにより、樹脂製プーリを得ることができる。
上記のようにして得られた本実施形態に係る樹脂製プーリは、プーリ本体1がシリカ粉末とフッ素樹脂粉末とを含有しているので、主にシリカ粉末によって表面硬度が高められたものになるとともに、主にフッ素樹脂粉末によって低摩擦係数化したものとなる。さらに、これらとともに水酸化アルミニウムを併用することにより、プーリ本体1の表面状態が、砂埃などの異物が存在する環境下において、非常に摩耗し難い状態となる。よって、異物環境下における耐摩耗性が向上したものとなる。しかも、水酸化アルミニウムをさらに用いながらも、良好な材料の保管安定性や耐熱衝撃性を確保したものとなる。また、金属水酸化物である水酸化アルミニウムを含有させたことから、難燃性や放熱性を示す樹脂製プーリになるという利点を有する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではものではない。例えば、軸受部材1としては、深溝玉軸受に限らず、各種のアイドラ軸受を用いることができる。また、プーリ本体1の形状についても特に制限はなく、Vベルトや歯付きベルトといった各種のベルト伝達部材の形状に適合する適宜の形状にすることができる。さらに、本発明の樹脂製プーリは、自動車のエンジン部品といった自動車部品としての用途に限らず、その他の種々の産業分野において利用することが可能である。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。
〔実施例1、2,比較例1〜4〕
まず、後記の表1に示す各成分を同表に示す割合(重量%)でヘンシェルミキサーを用いて混合した後、85℃に加熱した加熱ロールによって混練してシート化し、さらに粉砕することで各フェノール樹脂組成物を得た。ついで、樹脂製プーリ(図1参照)の成形用金型を準備し、この金型を射出成形機にセットするとともに、射出成形機のホッパに各フェノール樹脂組成物を供給した。なお、金型は、樹脂製プーリの形状に対応した内部空間を有しており、樹脂製プーリを構成するプーリ本体1の中央部に深溝玉軸受2の外輪3を配置できるものを用いた。その後、上記金型に外輪3をセットして型締めをし、その内部空間に射出成形機のシリンダ内で溶融・混練したフェノール樹脂組成物を射出するとともに硬化させて、外輪3の外周面に一体化された樹脂成形品を得た。その後、金型から取り出して冷却し、内輪4,玉5,保持器6,シール部材7,8を組み付けることにより、アイドラ軸受としての深溝玉軸受2にプーリ本体1が一体化された樹脂製プーリを得た。そして、得られた各樹脂製プーリに関し、異物環境下における耐摩耗性、耐熱衝撃性を下記の試験方法に従って試験を行った。その結果を後記の表1に併せて示した。
(異物環境下における耐摩耗性試験)
各樹脂製プーリと金属製プーリとの間で、プーリ本体1の溝12aに対応した凹凸を有するゴム製ベルトを架け渡した後、異物環境(ダスト量1kg/m、ダスト流速1m/s)下において、各樹脂製プーリを回転数8000rpmで1000時間、連続回転させた。そして、プーリ本体1の溝12aの傾斜面の摩耗量(mm)を測定した。
(耐熱衝撃性試験)
120℃で30分間加熱した後、−40℃で30分間冷却する処理を1サイクルとし、これを各樹脂製プーリに対して1000サイクル行った。そして、各樹脂製プーリのプーリ本体にクラックが発生したか否かを観察し、クラックが発生しなかったものを○、クラックが発生したものを×として評価した。
Figure 2005282685
表1の結果より、実施例1および実施例2の樹脂製プーリは、球状シリカ粉末とPTFE粉末と水酸化アルミニウムとを組み合わせて用いているので、摩耗量が0.2mm、0.4mmとなっており、いずれも異物環境下における耐摩耗性が良好であることがわかる。特に、実施例1の樹脂製プーリは、球状シリカ粉末36%とPTFE粉末2%と水酸化アルミニウム5%とを含有させているので、実施例2の樹脂製プーリよりも異物環境下における耐摩耗性が良好であることがわかる。また、実施例1および実施例2の樹脂製プーリは、ノボラック型フェノール樹脂を用いていながらも、エラストマーなどを含有させているので、良好な耐熱衝撃性を確保していることがわかる。また、評価項目として記載していないが、実施例1および実施例2は、いずれも材料の保管安定性が良好であったことを確認している。
これに対して、比較例1および比較例3の樹脂製プーリは水酸化アルミニウムを含有させておらず、また比較例2および比較例4の樹脂製プーリはPTFE粉末を含有させていないので、摩耗量がいずれも0.6mmを超えており、いずれも異物環境下における耐摩耗性に劣ることがわかる。特に、比較例3および比較例4は、それぞれ比較例1および比較例2に比べて水酸化アルミニウムとPTFE粉末とを増量させているが、それでも異物環境下における耐摩耗性に劣っていることがわかる。
本発明の樹脂製プーリの一実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 プーリ本体
2 深溝玉軸受(軸受部材)

Claims (4)

  1. 軸受部材と、この軸受部材に外装されたプーリ本体とを有する樹脂製プーリであって、
    前記プーリ本体は、ノボラック型フェノール樹脂を樹脂母材とし、これに無機繊維と、エラストマーと、シリカ粉末と、フッ素樹脂粉末と、水酸化アルミニウムとを含有させたフェノール樹脂組成物を成形してなることを特徴とする樹脂製プーリ。
  2. 前記樹脂組成物中のシリカ粉末、フッ素樹脂粉末および水酸化アルミニウムの含有割合が、
    シリカ粉末 :30重量%以上40重量%以下。
    フッ素樹脂粉末 :1重量%以上3重量%以下。
    水酸化アルミニウム:3重量%以上10重量%未満。
    の範囲内に設定されている請求項1記載の樹脂製プーリ。
  3. 前記樹脂組成物中の無機繊維およびエラストマーの含有割合が、
    無機繊維 :25重量%以上30重量%以下。
    エラストマー :2重量%以上7重量%以下。
    の範囲内に設定されている請求項1または2記載の樹脂製プーリ。
  4. 前記シリカ粉末が球状シリカ粉末であり、前記フッ素樹脂粉末がポリテトラフルオロエチレン粉末である請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂製プーリ。
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