JP2005282091A - 大深度立坑底版部凸型接合による立坑の急速施工方法 - Google Patents

大深度立坑底版部凸型接合による立坑の急速施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 工期短縮と低コスト化を図る立坑の急速施工方法を提供する。
【解決手段】キー溝形成手段1は、底版結合位置のキー溝形状に応じて形成され、キー溝の開口部となる開口面が底版側地山に当接するように配置されるキー溝形成体3(硬化材4が内部に充填されている。)と、このキー溝形成体3を離脱可能に内包する凹所を有し前記縦溝内に建て込まれる鉄筋篭に組み付けられる鋼製枠3Aと、この鋼製枠3Aに設置され、内部に液体又は気体を供給して膨潤することにより前記キー溝形成体3を底版側に押し出す押出し装置5とを備えている。押出し装置5は、例えばゴム製であって、膨潤する際、鋼製枠3Aに形成された挿通孔3Bを通じてキー溝形成体3を底版側に押し出す。押出し装置5には注入管6の下端が連通し、注入管6は鉄筋篭内を通ってその上端が地上部に設置された液体又は気体の供給手段に連通している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、立坑の施工方法に関し、特に立坑構築時における地中壁の底版結合位置のキー溝形成方法、地中壁と底版との接合方法に関するものである。
都市機能の集中化に伴い、大都市では人々の生活の中心である地上及び地上空間に様々な施設が縦横無尽に設置されている。さらに中浅深度地下空間も、すでに地下街、地下鉄、上下水道、電気、ガス等の社会資本整備に伴う地下施設が建設されている。したがって、地上、地上空間、中浅深度地下空間の利用はすでに飽和状態となっており、都市機能の再生・整備に際しては、従来ではほとんど利用されていなかった大深度地下空間の利用が進められている。
大深度地下空間に地下構造物を建設する際には、シールド掘進機の発進又は到達立坑等の大空間を確保する必要がある。地下に大空間を建設する際は、地盤中に、例えば、円形の地中壁を構築し、ヒービング、ボイリング、盤ぶくれ等に対する対策を施して地中壁に囲まれた内部の掘削を行う。
このような工事では、地中壁に囲まれた内部の水を排水すると底版に揚圧力が作用するので、立抗の構築技術として様々な方法が採用されている。例えば、ふたも底もない井筒状の躯体を地中壁として数ブロックに分割し、地中壁に囲まれた内部の地盤を水中掘削し、沈下と躯体の構築を繰返し所定深度まで沈設するオープンケーソン工法や、不透水層下端に作用する揚圧力と、掘削底盤以深から不透水層までの土塊重量とがバランスする以深を地盤改良し、この地盤改良層まで地中壁根入れ深度を深くし、地中壁に囲まれた内部の地盤を水中掘削する地中連続壁掘削工法等である。
上記の両工法は、地中壁に囲まれた内部の掘削を水中施工で行い、掘削後、地中壁に囲まれた内部の底面に揚圧力に抵抗するための水中コンクリートや地盤改良等の仮設構造体を施工して地下水の流入を阻止し、ドライアップして底版を施工する。
そして、底版部の構築方法としては、地中壁下部の底版結合位置に予め凹凸結合となる切欠部を形成しておくことにより、その後底版となるコンクリートを水中打設することで、底版コンクリートが切欠部内に回り込み、地中壁と底盤を凹凸結合により一体化する方法がある。この切欠部を形成する方法として、次のような方法が提案されている。
地中壁を構成する縦溝内に建て込まれる鉄筋に組込んだ切欠形成手段は、底版の結合位置の切欠形状に応じて形成され、その開口面を底版側に向けた鋼製枠と、鋼製枠の開口面を覆う生分解性シートと、シートの内部に充填されることにより、シートを鋼製枠の開口面に膨出状態に保持する生分解性充填材と、鋼製枠を貫通してその下端をシートの内部に連通し、上端を地上部に突出させた注入管とを備え、鉄筋を縦溝内に建て込み、生分解性充填材をシート内に注入し、構成枠の開口面を膨出状態にし、地山と密着させた後、コンクリートを打設し、コンクリートの硬化後に、注入管を通じてシートの内部に生分解薬剤を注入充填することにより、充填材及びシートを生分解して消滅させ、鋼製枠の開口面を外部に開口させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、地中壁と底版とを接合する方法としては、次のような方法が提案されている。
地中壁を構成する縦溝内に建て込まれる鉄筋内の地中壁と底版との結合位置に予めジャッキを内部に備えた鉄筋籠2を建て込み、この鉄筋籠2の底版側面に鉄筋を係止配置し、地中壁の縦溝内にコンクリートを打設し、硬化させる。そして、地中壁の内部の掘削終了後、地中壁内の底面に水中コンクリートを打設する。水中コンクリート打設後、ジャッキを作動させて鉄筋を底版側に突出させる。この突出状態においては、鉄筋が地中壁と水中コンクリートとの間を跨るように、ジャッキの伸長ストロークを調整する。そして、水中コンクリートと地中壁の隙間にコンクリートを打設して、水中コンクリートと地中壁とを接合する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−328377 特開2000−336645
しかしながら、オープンケーソン工法は、立坑の内径が大きい場合や立坑深度が深い場合は、揚圧力に抵抗するために水中コンクリートを厚くする必要があり、工期・コストの面での問題点があった。
また、地中連続壁掘削工法は、地盤改良はコスト高になる場合が多く、改良体の信頼性に不安が残るという問題点があった。そして、地中壁の根入れ深さを深くすると、掘削工事の安全性は増すものの、コスト面での問題点があった
さらに、両工法とも底版部に作用する揚圧力に抵抗する仮設構造体(水中コンクリートや地盤改良)を施工後、立坑内をドライアップして底版を施工するために掘削完了から底版の施工までの工程が順番に、仮設構造体の施工、ドライアップ、底版の施工という3ステップとなっており、工期・コスト面での問題点があった。
そして、底版部の構築方法のために切欠部を形成し、生分解性シート及び生分解性ゲルを使用する方法は、生分解性プラスチック自体が高価で、かつ生分解性シート及び生分解性ゲルは二次加工が必要なためにコスト面での問題点があった。さらに、生分解性プラスチックが分解されるまで時間がかかる等の問題点があった。
また、地中壁と底版とをジャッキを利用して鉄筋コンクリートにて接合する方法は、地中壁と底版の結合位置にジャッキを設置する作業が困難である、設置後すべてのジャッキの伸張管理には大がかりな装置が必要である、ジャッキを埋め殺しにするので材料費がかかる等の問題点があった。
さらに、地上及び中浅深度地下空間の開発に比べ大深度地下空間の開発には、大きなコストがかかるが、近年の社会情勢の変化から建設費のコスト縮減が強く求められており、質の高い社会資本をできるだけ少ないコストで建設する必要があった。
そこで、本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、工期短縮と低コスト化を図る立坑の急速施工方法を提供することを主たる目的とする。
上記問題を解決する本発明の立坑の施工方法は、地中壁の底部側面における底版との結合位置に予めキー溝を形成し、このキー溝により地中壁と底版とを凹凸結合することを特徴とする(第1の発明)。
第2の発明の立坑の施工方法は、第1の発明において、前記底版結合位置のキー溝形状に応じて形成され、そのキー溝の開口面を前記底版側に向けたキー溝形成体と、前記キー溝形成体を底版側に押出す押出し装置とを備えたキー溝形成手段を、前記地中壁を構成すべく縦溝内に設けることを特徴とする。
第3の発明の立坑の施工方法は、第1又は第2の発明において、前記地中壁を構成すべく、前記キー溝形成手段を縦溝内に設けてコンクリートを打設し、このコンクリートの硬化後に、前記地中壁に囲まれた地盤の掘削を行い、この掘削完了後、前記押出し装置を駆動させて前記キー溝形成体を底版側に押出してキー溝を形成することを特徴とする。
第4の発明の立坑の施工方法は、第1〜3のいずれかの発明において、前記キー溝形成体は、その比重が水よりも小さいことを特徴とする。
第5の発明の押出し装置は、第1〜4のいずれかの発明において、液体又は気体を注入することにより膨張する袋状のゴムからなることを特徴とする。
第6の発明の押出し装置は、第1〜4のいずれかの発明において、液体又は気体を注入することにより伸縮するジャッキからなることを特徴とする。
第7の発明の立坑の施工方法は、第1〜6のいずれかの発明において、地中壁に囲まれた内部の底部において、底版として水中施工の鉄筋コンクリートを構築し、前記鉄筋コンクリートと前記キー溝との隙間を無筋コンクリートで充填し、側断面を凸状として底版と地中壁とを一体化することを特徴とする。
第8の発明の立坑の施工方法は、第1〜7のいずれかの発明において、前記キー溝形成体は、底版側地山に当接し、キー溝の開口部となる開口面板と、該開口面板の上部に前記開口面板に対して所定の傾斜角を有して斜設される天板と、前記開口面板の下部に前記開口面板に対して所定の傾斜角を有して斜設される底板と、前記開口面板に平行し、前記天板と前記底板とに形設される背面板と、前記開口面板の両側部に覆設される側面板とからなり、キー溝形状に形成されることを特徴とする。
第9の発明の立坑の施工方法は、第1〜8のいずれかの発明において、地中壁に囲まれた地盤の掘削完了後から立坑の施工までの工程を、底版の施工、ドライアップの順序で行うことを特徴とする。
第10の発明の立坑の構造は、請求項1〜9のいずれかの発明で施工される立坑であって、地中壁の連壁で構築されるとともに、前記地中壁の底部側面に形成されるキー溝に凸状の底版が凹凸結合されていることを特徴とする。
第11の発明の立坑構造物は、請求項1〜9のいずれかの方法で施工される構造物であって、底部側面にキー溝を有する地中壁と凸状の底版とが凹凸結合してなることを特徴とする。
本発明によれば、地中壁の底部側面にキー溝を設け、底版を凸状にして地中壁と底版とを一体化することにより揚圧力に抗して、地中壁の根切り深度を浅くすることが可能となり、地盤改良法より低コストでの施工が可能となる。また、水中掘削を行うことにより従来の地下水位低下工法のように地盤沈下又は地下水位低下等の周辺地盤への影響を与えることが無くなる。さらに、立坑の施工方法が、従来の仮設構造体の施工、ドライアップ、底版の施工の3ステップから底版の施工、ドライアップの2ステップとなるために、工期を短くすることが可能となる。
そこで、今後、大深度地下空間利用に関する制度が整備されると、事業者等による大深度地下の使用が進められると考えられるが、その際、事業者が質の高い社会資本を低コストでかつ安全に建設できるように本施工方法を提供することが可能となる。
以下に本発明の好ましい実施例について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の第一実施例におけるキー溝形成手段の(a)地中壁内部での設置状況斜視図、(b)断面図である。図1(a)に示すとおり、キー溝形成手段1は、底版結合位置のキー溝形状に応じて形成され、キー溝の開口部となる開口面が底版側地山に当接するように配置されるキー溝形成体3(硬化材4が内部に充填されている。)と、このキー溝形成体3を離脱可能に内包する凹所を有し前記縦溝内に設けられる鉄筋篭に組み付けられる鋼製枠3Aと、この鋼製枠3Aに設置され、内部に液体又は気体を供給して膨潤することにより前記キー溝形成体3を底版側に押し出す押出し装置5とを備えている。
押出し装置5は、例えばゴム製であって、膨潤する際、鋼製枠3Aに形成された挿通孔3Bを通じてキー溝形成体3を底版側に押し出す。なお、押出し装置5は電気的又は機械的に作動するものであってもよい。
押出し装置5には注入管6の下端が連通し、注入管6は鉄筋篭内を通ってその上端が地上部に設置された液体又は気体の供給手段に連通している。
図1(b)に示すとおり、キー溝形成体3は、底版側地山と鋼製枠3Aとに当接し、キー溝の開口部となる開口面板3aと、開口面板3aの上部に開口面板3aに対して、例えば、20〜60度(本実施例では60度とする。)程度の傾斜角を有して斜設される天板3bと、開口面板3aの下部に開口面板3aに対して、例えば20〜40度(本実施例では30度とする。)程度の傾斜角を有して斜設される底板3cと、開口面板3aに平行し、天板3bと底板3cとに形設される背面板3dと、開口面板3aの両側部にキー溝形成体3を密封するように覆設される2枚の側面板3eとからなり、キー溝形状に形成される。 そして、キー溝形成体3が離脱した後、鋼製枠3Aが地中壁の底部側面における底版との結合位置に形成するキー溝の型枠となる。
底版側地山と鋼製枠3Aの上面部と(=開口面板3aと天板3bと)の形成角度が60度を超えると、地中壁用コンクリートの打設の際、コンクリートが底版側地山と鋼製枠3Aの上面部との接線付近に十分に充填できない可能性があること、また、押出し装置5によりキー溝形成体3を押出すと同時にキー溝形成体3が地中壁12に囲まれた内部に存在する水の影響による上方への浮力を受けて天板3bと鋼製枠3Aの上面部とが引っ掛かる可能性がある。そこで、底版側地山と鋼製枠3Aの上面部と(=開口面板3aと天板3bと)の形成角度を調整し、地中壁用コンクリートの充填が十分に行われ、かつキー溝形成体3がスムーズに地中壁から押出されるように底版側地山と鋼製枠3Aの上面部と(=開口面板3aと天板3bと)の形成角度を20〜60度程度としている。
また、底版側地山と鋼製枠3Aの下面部と(=開口面板3aと底板3cと)の形成角度が40度を超えると、地中壁用コンクリートの打設の際、コンクリートが地盤と底板3cとの接線付近に十分に充填できない可能性がある。そこで、底版側地山と鋼製枠3Aの下面部と(=開口面板3aと底板3cと)の形成角度を調整し、地中壁用コンクリートの充填が十分に行われ、かつ、キー溝形成体3がスムーズに地中壁から押出されるように底版側地山と鋼製枠3Aの下面部と(=開口面板3aと底板3cと)の形成角度を20〜40度程度としている。
キー溝形成体3の開口面板3aと天板3bとの形成角度及び開口面板3aと底板3cとの形成角度は天板3b・底板3cの摩擦係数、キー溝形成体3の比重(後述する)、押出し装置5の押出し能力(後述する)等に応じて適宜、それぞれの形成角度を上記に示した範囲内で変更する必要がある。
キー溝形成体3の内部に比重が水よりも小さい硬化材4を充填し、キー溝形成体3の比重を水よりも小さくする。本実施例では、例えば、硬化材に発泡スチロールを、外殻形成材に鋼板を用いたが、キー溝形成体3が比重が水よりも小さくなれば他の硬化材、外殻形成材を用いてもよい。また、硬化材4を用いずに外殻形成材のみからなる中空体としてもよいし、外殻を構成する材料(例えば、プラスチック等)により成形される中実体としてもよい。
キー溝形成体3の背面板3dに当接する押出し装置5は、内部に液体又は気体を充填することによりゴムが膨張してキー溝形成体3を底版側に押出す。
押出し装置5は、キー溝形成体3の重心と同深度の立坑の中心とキー溝形成体3の重心とを結ぶ直線の延長上で背面板3dに交差する位置に設置することが望ましいが、本実施例ではキー溝形成体3の形状等を考慮してキー溝形成体3の重心位置より若干深度の浅い位置に押出し装置5を設置する。
押出し装置5は1つのキー溝形成体3に対して複数個使用することも可能である。ただし、上述した理由により押出し装置5の設置位置はキー溝形成体3の開口面板3aと天板3bとの形成角度、開口面板3aと底板3cとの形成角度、厚み等に応じて設置位置を適宜変更する必要がある。
ここで、キー溝形成体3の飛び出し防止のために、開口面板3aの上端及び下端と地中壁との境界部分に押出し装置5の押出し力よりも弱くて押出し装置5の機能を阻止しない程度の耐力を有するばね付き飛び出し防止板(図示せず)を取り付けることも可能である。
また、図1(c)に示すとおり、鋼製枠3Aを使用せずにキー溝形成体3を単体で縦溝内に建て込むことも可能である。この場合においては、キー溝形成体3の外周面に潤滑材を塗布することにより、押出し装置5にて容易に押し出すことが可能となる。
図2は本発明の第一実施例におけるキー溝形成手段により形成された地中連壁の概略図である。図2に示すとおり、キー溝形成手段1を使用して形成されたキー溝を有する地中壁の一片9は、例えば、円周方向の幅は2.8〜3.6m程度、高さは土留めの安定に最低限必要な長さ、厚さは1.5m程度であり、キー溝10は円周方向の幅は1m程度、高さは5m程度、奥行きは0.75m程度である。地中壁の一片9の幅、高さ、厚さは立坑の直径及び土留めの安定に必要な強度によって適宜変更する。また、キー溝10部分の大きさも揚圧力によって適宜変更する。
次に、キー溝10の形成方法及びキー溝10を利用した底版の施工方法を示す。
図3は本発明の第一実施例におけるキー溝形成手段を用いた底版の施工手順図である。また、図4は本発明の第一実施例におけるキー溝形成手段を用いた底版の施工手順のフロー図である。以下、鋼製枠3Aについては図示を省略する。
まず、図3(a)及び図4(a)に示すように、キー溝形成体3は泥水が満たされた地中壁の縦溝11内にキー溝の開口部となる開口面板3aが底版側地山に当接するように鋼製枠3A内に離脱可能に設けられる。この状態で注入管6の一端を地上に突出させておく。地中壁の根入れは土留めの安定に最低限必要な深さとする。
次に、図3(b)及び図4(b)に示すように、縦溝11内にコンクリートを打設して泥水と置換えることにより、地中壁が完成する。コンクリート固化後、地中壁12に囲まれた内部13を水中掘削することにより、キー溝形成体3の開口面板3aが露出する。
そして、図3(c)及び図4(c)に示すように、外周に洗浄用ブラシを取り付けたアタッチメント式のドラム14を例えば、拡幅ハイドロ機15に取り付けて地上部より降下させ、ドラム14を回転させて開口面板3aと隣の開口面板3aとの間の地中壁12の側面部分を洗浄する。
そして、図3(d)及び図4(d)に示すように、注入管6を通じて地上部より加圧した液体又は気体を押出し装置5内部に注入することで、キー溝形成体3の背面板3dに密着していたゴムが膨張してキー溝形成体3を地中壁12に囲まれた内部13に押出す。鉄筋籠2にキー溝形成体3を組込む際に、キー溝形成体3の外周面に潤滑材を塗布することにより、キー溝形成体3を容易に押出すことが可能である。そして、キー溝形成体3が押出されることにより地中壁12の底部側面にキー溝10が形成される。
押出されたキー溝形成体3は比重が水よりも小さいために地中壁12に囲まれた内部13に浮上し、容易に回収が可能である。
キー溝10の形成状況、清掃面の清掃状況は、水中カメラ等で確認する。
そして、図3(e)及び図4(e)に示すように、地中壁12に囲まれた内部13の底盤に鉄筋コンクリート16を水中打設するか、又は地上で製作された鉄筋コンクリート16を吊り降ろして底盤に設置する。そして、鉄筋コンクリート16の外周端部とキー溝10との間にコンクリートを水中打設し、底版17を凸状にして地中壁12と底版17とを強固に一体化する。FEM解析によって、地中壁12と底版17との接合部の検討を行った結果、一定条件下では無筋コンクリートでも安全である知見を得ている。
最後に、コンクリート硬化後、図3(f)及び図4(f)に示すように、地中壁12に囲まれた内部13の水を排水して底版17の仕上げを行う。そして、底版17の仕上げ作業終了後、側壁の工事を開始する。
底版17を凸状にして地中壁12と底版17とを強固に一体化することにより、底版17に作用する揚圧力に対して、底版17の自重、地中壁12の自重、地中壁12と地山との摩擦力によって抵抗できる。しかし、揚圧力が大きく抵抗力が不足する場合においては地中壁12側面の面外方向にリブを設ける節付き連壁工法を用いる。
図5は本発明の第二実施例におけるキー溝形成体の除去手段を示す図である。第一実施例と同じ部材を使用する場合においては同符号を付け、説明は省略する。図5に示すように、拡幅ハイドロ機15に、例えば、アタッチメント式の直方体の磁石18を取り付けて地中連壁8側面の洗浄時と同様に地上部より降下させ、磁石18をキー溝形成体3の開口面板3aに接近させる。そこで、磁力によりキー溝形成体3が磁石18に引きつけられ、地中壁12からキー溝形成体3が除去されることによりキー溝10が形成される。キー溝形成体3は、拡幅ハイドロ機15の磁石18に接着させた状態で上昇させて回収するか、又は水中で磁力を開放し、キー溝形成体3の浮力を利用して浮上させて回収する。
図6は本発明の第三実施例におけるキー溝形成体の除去手段を示す図である。図6に示すように、地中壁12底部に設置されたジャッキ付き押出し装置20は、キー溝形成体3の背面板3dに当接するスライド箱21と、スライド箱21を地中壁12に囲まれた内部13側に押出すジャッキ22と、スライド箱21を押出す際にジャッキ22が反力を取る反力箱23と、一端がジャッキ22に接続され他端が地上の油圧発生装置に接続されている油圧ホース24とを備えている。
第一実施例と同様に地中壁12の清掃終了後、地上の油圧発生装置(図示せず)を作動させ、ジャッキ22を伸張し、キー溝形成体3を地中壁12に囲まれた内部13に押出してキー溝10を形成する。
第二及び第三実施例にて形成されたキー溝10は第一実施例と同様にして底版17を凸状にして地中壁12と底版とを強固に一体化する。
本発明の第一実施例におけるキー溝形成手段の(a)地中壁内部での設置状況斜視図、(b)断面図である。 本発明の第一実施例におけるキー溝形成手段により形成された地中連壁の概略図である。 本発明の第一実施例におけるキー溝形成手段を用いた底版の施工手順図である。 本発明の第一実施例におけるキー溝形成手段を用いた底版の施工手順のフロー図である。 本発明の第二実施例におけるキー溝形成体の除去手段を示す図である。 本発明の第三実施例におけるキー溝形成体の除去手段を示す図である。
符号の説明
1 キー溝形成手段 2 鉄筋籠
3 キー溝形成体
3A 鋼製枠 3B 挿通孔
3a 開放面板 3b 天板
3c 底板 3d 背面板
3e 側面板
4 硬化材 5 押出し装置
6 注入管 8 地中連壁
10 キー溝 11 縦溝
12 地中壁 14 ドラム
15 拡幅ハイドロ機 16 鉄筋コンクリート
17 底版 18 磁石
20 ジャッキ付き押出し装置
21 スライド箱 22 ジャッキ
23 反力箱 24 油圧ホース

Claims (11)

  1. 地中壁の底部側面における底版との結合位置に予めキー溝を形成し、このキー溝により地中壁と底版とを凹凸結合することを特徴とする立坑の施工方法。
  2. 前記底版結合位置のキー溝形状に応じて形成され、そのキー溝の開口面を前記底版側に向けたキー溝形成体と、前記キー溝形成体を底版側に押出す押出し装置とを備えたキー溝形成手段を、前記地中壁を構成すべく縦溝内に設けることを特徴とする請求項1に記載の立坑の施工方法。
  3. 前記地中壁を構成すべく、前記キー溝形成手段を縦溝内に設けてコンクリートを打設し、このコンクリートの硬化後に、前記地中壁に囲まれた地盤の掘削を行い、この掘削完了後、前記押出し装置を駆動させて前記キー溝形成体を底版側に押出してキー溝を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の立坑の施工方法。
  4. 前記キー溝形成体は、その比重が水よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の立坑の施工方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の立坑の施工方法に用いられる押出し装置であって、液体又は気体を注入することにより膨張する袋状のゴムからなることを特徴とする押出し装置。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の立坑の施工方法に用いられる押出し装置であって、液体又は気体を注入することにより伸縮するジャッキからなることを特徴とする押出し装置。
  7. 地中壁に囲まれた内部の底部において、底版として水中施工の鉄筋コンクリートを構築し、前記鉄筋コンクリートと前記キー溝との隙間を無筋コンクリートで充填し、側断面を凸状として底版と地中壁とを一体化することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の立坑の施工方法。
  8. 前記キー溝形成体は、底版側地山に当接し、キー溝の開口部となる開口面板と、
    該開口面板の上部に前記開口面板に対して所定の傾斜角を有して斜設される天板と、
    前記開口面板の下部に前記開口面板に対して所定の傾斜角を有して斜設される底板と、
    前記開口面板に平行し、前記天板と前記底板とに形設される背面板と、
    前記開口面板の両側部に覆設される側面板とからなり、キー溝形状に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の立坑の施工方法。
  9. 地中壁に囲まれた地盤の掘削完了後から立坑の施工までの工程を、底版の施工、ドライアップの順序で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の立坑の施工方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の施工方法で施工される立坑であって、地中壁の連壁で構築されるとともに、前記地中壁の底部側面に形成されるキー溝に凸状の底版が凹凸結合されていることを特徴とする立坑の構造。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の施工方法で施工される構造物であって、底部側面にキー溝を有する地中壁と凸状の底版とが凹凸結合してなることを特徴とする立坑構造物。
JP2004096551A 2004-03-29 2004-03-29 大深度立坑底版部凸型接合による立坑の急速施工方法 Expired - Lifetime JP4449532B2 (ja)

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