JP2005281826A - 冷間加工性および被削性にすぐれた耐食鋼 - Google Patents

冷間加工性および被削性にすぐれた耐食鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】プリンターのシャフト材料として好適な、被削性にすぐれ、通常の室内環境での使用に対して十分な耐食性を有していてメッキ等の被覆を施す必要がなく、冷間鍛造性が改善された安価な耐食鋼において、とくに引抜加工後の真直性が高いものを提供する。
【解決手段】重量%で、C:0.005-0.200%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05 %以下、Cu:2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:2.0-9.0%、TiおよびZrの1種または2種を、[Ti%]+0.52[Zr%]:0.03-1.20%となるように含有し、S:0.01-0.50 %およびSe:0.01-0.40%の1種または2種、残部がFeおよび不可避な不純物からなる合金組成の耐食鋼。850-1150℃の温度範囲においてはオーステナイト単相組織であり、冷却後はフェライト+微量マルテンサイト複相組織である。圧延ままの引張強度が45-65kgf/mm2であり、熱処理を省略して圧延ままで超快削鋼と同等の冷間引抜加工性および被削性を有する。
【選択図】 なし

Description

産業上の利用分野
本発明は耐食鋼に関し、詳しくは、冷間加工性および被削性にすぐれ、プリンターのシャフトや自動車のモーターシャフトなどの用途に適した耐食鋼に関する。
OA機器のような、室内で使用される機器の部品の材料は、冷間加工性および被削性がすぐれているとともに、室内環境において使用に耐え得る程度の耐食性性を有していることが要求される。耐食性が必要な部品を製造するには、ステンレス鋼を用いるか、または構造用鋼にメッキ処理を施す。いうまでもないが、ステンレス鋼は、耐食性はよいがコストが高く、構造用鋼は、コストは低いが耐食性が十分でない。
近年、パソコンの普及に伴って、プリンターの需要も増加している。プリンターには、印刷用紙の送紙用シャフト、印字用シャフト等の複数本のシャフトが内蔵されており、プリンターのコストの低減には、シャフトのコストの低減が必要である。これらのシャフトに対する共通の要求としては、高い真直性がある。
従来のプリンターのシャフト材料を概観すると、レーザープリンターには、SUS420J2やSUS410などのステンレス鋼が使用されてきた。一方、インクジェットプリンターには、構造用鋼のうちでも、SUM24LやSUM22のような快削鋼が選択され、切削加工後にNiメッキを施したものが使用されていた。この場合は、引抜加工前の素材の硬さを制御することにより、真直性を確保する。
プリンターのシャフトは、室内環境において使用に耐え得る程度の耐食性を備えていればよいので、高価なSUS420J2やSUS410のようなステンレス鋼は、コストパフォーマンスの点からみて、適切な材料ではなかった。一方、SUM24Lのような快削鋼の機械加工品にメッキを施す場合には、メッキの膜厚や欠陥の有無によって品質にバラツキが生じやすく、製品の信頼性が低くなることがあった。メッキを行なうには、環境汚染の防止という観点から、発生する廃液の処理を考慮しなければならない。この処理の費用は高まる傾向にあり、シャフトのコストは、安価であるとはいえなくなってきた。
このような問題を解決するため、発明者らは、被削性および真直性がすぐれているとともに、通常の室内環境での使用に対して十分な耐食性を有し、しかも安価な鋼を得ることを意図して、他の共同研究者らと協力して研究した。その成果として、特定の介在物を生成させた耐食鋼が有用であることを知って、すでに開示した(特許文献1)。その耐食鋼は、C:0.005〜0.200%,Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、Cu:2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:2.0〜9.0%を含有する鋼であって、特定量のS、Se、TiおよびZrを添加することにより、(Ti,Zr)4(S,Se)22等の、CならびにSおよびSeのうちの1種または2種を含有する、Ti系化合物、Zr系化合物またはTi−Zr系化合物を鋼中に生成させたものであり、これらの化合物が鋼中に微細に分散することによって、鋼の被削性がすぐれるとともに、耐食性、冷間加工性および熱間加工性が良好な鋼である。
上記につづく、他の研究者らとの共同研究の過程で、発明者らは、上記の合金組成の耐食鋼において、S量とC量との関係、C量と(Ti+Zr)量との関係、および(S+Se)量と(Ti+Zr)量との関係を特定の範囲に選択することにより、耐食性および被削性がいっそう向上し、また、冷間加工性のうちとくに冷間鍛造性が改善されるか、またはドリル穿孔性が改善されることを見出した。この改良された耐食鋼もまた、すでに提案した(特許文献2)。
特開2002−339047 特願2002−297455
さらに研究を重ねた結果、発明者らは、成分間のさらなる調整を行ない、フェライトに微量のマルテンサイトが混在する複相組織にすることによって、鋼の真直性がいっそう高いものが得られることを見出した。冷間の引き抜き加工によるシャフトの真直性を高くする条件として重要なものは、発明者らの経験によれば、鋼の引張強度であって、45〜65kgf/mm2が適切な範囲である。フェライト単相では40kgf/mm2程度の引張強度しかなく、不足である。一方、フェライトに多量のマルテンサイトが混在する二相になると、引張強度が80〜90kgf/mm2に上昇し、これは過大である。フェライト中にマルテンサイトが、その割合を測定することが困難な程度に微量であるが存在することにより、上記した適切な引張強度の範囲が実現する。
本発明の目的は、上述した発明者らの新しい知見にもとづき、これまでに提案した耐食鋼すなわち、圧延後の熱処理を行なわず引き抜き前の素材硬さを制御することで真直性の規格を満足し、メッキを施さなくても、室内の使用環境に十分耐える耐食性を有し、かつ、冷間加工性および被削性にすぐれ、ステンレス鋼よりも低コストで、シャフトの材料として好適な耐食鋼において、さらに真直性を向上させた鋼を提供することにある。
上記した課題を解決する、本発明の冷間加工性および被削性にすぐれた耐食鋼は、重量%で、重量%で、C:0.005〜0.200%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、Cu:2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:2.0〜9.0%、TiおよびZrの1種または2種を、[Ti%]+0.52[Zr%]:0.03〜1.20%となるように含有し、S:0.01〜0.50%およびSe:0.01〜0.40%の1種または2種、N:0.050%以下、ならびにO:0.030%以下を含有し、残部がFeおよび不可避な不純物からなる合金組成の鋼であって、
[Ti]=[Ti’]−8[C%]−1.5([S%]−8[C%]/3)−24[N%]/7−1.5[O%]、かつ、[Ti’]=[Ti%]+0.52[Zr%] とするとき、0<0.25[Ni%]−[Ti]+0.18<1.0 の条件を満たし、鋼中の介在物として、CならびにSおよびSeの1種または2種を含有するTi系−、Zr系−またはTi−Zr系の化合物を含有し、850〜1150℃の温度範囲においてはオーステナイト単相組織であり、冷却後はフェライト+微量マルテンサイト複相組織であって、圧延ままの引張強度が45〜65kgf/mm2であり、熱処理を省略して圧延ままで超快削鋼と同等の冷間引抜加工性および被削性を有することを特徴とする。
本発明の耐食鋼は、上記した合金組成を有することにより、これまで提案してきた耐食鋼のもつ利点である、通常の室内環境での使用に対して十分な耐食性を有し、かつ、高い被削性、熱間加工性および冷間加工性を有するという利益を享受する。介在物として(Ti,Zr)4(S,Se)22のような、CとSおよび(または)Seがともに含まれる、Ti系、Zr系および(または)Ti−Zr系の化合物が鋼中に微細に分散したものとなることが、すぐれた被削性をもたらす。熱間圧延時に組織を制御することにより、フェライトに微量のマルテンサイトが混在する複相組織が確実に得られ、それによって引張り強度が適切な範囲となり、引抜加工後の真直性がいっそうすぐれたものになる。従来のフェライト系ステンレス鋼に比べてCr含有量が少ないので安価であるうえ、表面にメッキする必要がないので、製造コストの節減と環境保護の観点からも有益である。
本発明の耐食鋼においては、上記した基本的な合金成分に加えて、必要により、下記のグループに属する元素の1種または2種以上を添加することができる。
(1)Mo:0.1〜4.0%およびW:0.1〜3.0%の1種または2種
(2)Pb:0.01〜0.30%,Te:0.005〜0.100%およびBi:0.01〜0.20%の1種または2種以上
(3)Ca,Mg,BおよびREMの1種または2種以上:0.005〜0.010%
(4)Nb,V,TaおよびHfの1種または2種以上:0.01〜0.50%
以下に、本発明の基本的な合金組成をもつ耐食鋼の合金成分およびその含有量を、上記のように特定した理由を説明する。
C:0.005〜0.200%、好ましくは0.010〜0.100%
Cは、被削性を改善する化合物を構成する、重要な元素である。その含有量が0.005%に満たないと被削性を改善する化合物が十分な量生成しない。C含有量が0.200%を超えると、単体の炭化物が多量に生成し、それらが被削性を損なう。C量は、被削性を向上させる化合物を構成する他の元素の量に応じて適正量を添加しなければならない。好ましい範囲は、0.010〜0.100%である。
Si:1.0%以下
Siは、脱酸剤として添加する元素である。多量に添加すると、固溶化熱処理後の鋼の硬さが高くなって、冷間加工性が低下し、さらにδ一フェライトの生成量が増加して熱間加工性が悪くなり、耐食性も低下する。そこで、含有量の上限を1.0%と定めた。被削性および真直性をとくに重視する場合には、Si含有量を0.15%以下にする。
Mn:2.0%以下
Mnは、脱酸剤であるとともに、SやSeとの化合物を作ることにより、被削性を改善する。しかし、Sと結合して生成したMnSは、耐食性を著しく低下させるとともに、冷間加工性および真直性を低下させるので、Mn含有量の上限を2.0%とする。耐食性および冷間加工性を重視する場合には、0.40%以下にすることが好ましい。
P:0.05%以下
Pは不純物であり、粒界に偏析して粒界腐食感受性を高めるほか、靱性の低下を招くので、少ないほどよい。しかし、極端にPを低減することはコストの上昇を招くので、0.05%を許容限度とする。好ましくは、0.030%以下にする。
Cu:2.0%以下
Cuは、耐食性とくに還元性酸環境中での耐食性を向上させるのに有効な元素である。過剰に含有させると熱間加工性が低下するので、その含有量の上限を2.0%にする。
Ni:2.0%以下
Niは、耐食性を向上させる元素であり、Crの添加のみでは十分でない耐食性を高めるために必要な成分である。多量の添加はコストの上昇を招くので、2.0%までの添加とする。十分な耐食性と良好な真直性を得るためには、その含有量を0.3〜0.8%の範囲にすることが望ましい。
Cr:2.0〜9.0%
Crは、耐食性を向上させる元素である。その含有量が2.0%より少ないと十分な耐食性が得られず、また9.0%より多くなると、真直性、加工性および被削性が低下し、コストも上昇する。耐食性とコストのバランスからみて適切な含有量の範囲は、6.0〜9.0%である。
TiおよびZrの1種または2種:[Ti%]+0.52[Zr%]として0.03〜1.20%
TiおよびZrは、CおよびSもしくはSeと、またはSもしくはSeと共存することにより、(Ti,Zr)4(S,Se)22、(Ti,Zr)(S,Se)等の化合物を形成して、被削性の向上に寄与する。とくに前者は、耐食性を低下させることなく、また微細に分散するために冷間鍛造性を損なうことがなく、被削性の向上に寄与する。こうした効果を得るためには、[Ti%]+0.52[Zr%]として0.03%以上を含有させる必要があるが、1.20%を超える過剰な量になると、硬質な介在物であるTiNやTiO2が生成し、マトリクスの硬さが上昇して被削性が低下する。
S:0.01〜0.50%およびSe:0.01〜0.40%の1種または2種
SおよびSeは、上記のように、CとTiおよびZrと共存することにより、(Ti,Zr)4(S,Se)22、(Ti,Zr)(S,Se)等の化合物を形成して、被削性の向上に寄与する。これらの化合物を望ましい量生成させるためには、Sを0.01%以上、Seを0.01%以上含有させる必要があるが、含有量が過剰になると熱間加工性および靱性が損なわれるので、その含有量の上限を、Sでは0.50%、Seでは0.40%にする。
N:0.050%以下
Nは不純物のひとつである。Nは、被削性を向上させる化合物を構成するのに必要なTiおよびZrと結合して、被削性を阻害する窒化物を生成するので、その含有量をできるだけ少なくする必要がある。しかし、極端にN量を低減することはコストの上昇を招くので、許容限度として0.050%を設ける。好ましくは0.025%以下、より好ましくは0.010%以下にする。
O:0.030%以下
Oも不純物のひとつである。Oは、被削性を向上させる化合物を構成するのに必要なTiおよびZrと結合して、被削性を害する酸化物を生成するので、これもできるだけ少なくする必要がある。しかし、極端なO量の低減もまたコストの上昇を招くので、許容限度として0.030%を定めた。好ましくは、0.010%以下にする。
本発明の耐食鋼において、任意に添加してよい成分のはたらきと、その組成範囲の限定理由は、つぎのとおりである。
Mo:0.1〜4.0%およびW:0.1〜3.0%の1種または2種
MoおよびWはいずれも、本発明の鋼に添加することにより、耐食性を一層向上させる元素である。この効果を得るには、鋼が、MoおよびWの一方または両方を、0.1%以上含有する必要がある。多量に加えると熱間加工性を損なううえにコストの上昇を招くので、その含有量の上限を、Moでは4.0%、Wでは3.0%とする。
Pb:0.01〜0.30%,Te:0.005〜0.100%およびBi:0.01〜0.20%の1種または2種以上
Pb、TeおよびBiは、被削性をいっそう向上させる元素である。その効果を得るためには、Pbを0.01%以上,Teを0.005%以上、またBiを0.01%以上添加する必要がある。多量に加えると熱間加工性を損なうので、その含有量の上限を、Pbでは0.30%、Teでは0.100%、Biでは0.20%にする。
Ca,Mg,BおよびREMの1種または2種以上:0.005〜0.010%
Ca,Mg,BおよびREMは、鋼の熱間加工性を向上させる元素である。その効果を得るには、これらを単独で、または併用して(併用の場合は合計量で)0.005%以上含有させる必要がある。過剰に加えると、逆に熱間加工性を低下させるので、0.010%までの添加に止める。
Nb,V,TaおよびHfの1種または2種以上:0.01〜0.50%
Nb,V,TaおよびHfは、鋼の結晶粒を微細化し、靱性を高める元素である。この効果を得るには、これらを単独で、または併用して(併用の場合は合計量で)0.01%以上添加する必要がある。過剰に加えると、逆に靱性を低下させるので、0.50%までの添加に止める。
[Ti]=[Ti’]−8[C%]−1.5([S%]−8[C%]/3)−24[N%]/7−1.5[O%]、かつ、[Ti’]=[Ti%]+0.52[Zr%]とするとき、0<0.25[Ni%]−[Ti]+0.18<1.0 の条件を満たすこと
この条件は、前記した組織の条件、すなわち850〜1150℃の温度範囲においてはオーステナイト単相であり、冷却後はフェライト+微量のマルテンサイト複相であるようにするために満たすべき条件である。
下記の表1(実施例)および表2(比較例)に示す合金組成の鋼を溶製し、インゴットに鋳造した。これらのインゴットを155mm角の鋼片に分塊圧延し、その後、この鋼片を線材圧延して、9.5mm径の線材にした。
この線材を焼鈍し、スケールを除去した後、コンバインドマシーンで線材から直棒にし、センタレスグラインダーで直径8mmの丸棒に仕上げ、これを供試材とした。次に、上記供試材から直径8mm、長さ400mmおよび1000mmの試験片を切り出した。それらの試験片を用いて、下記の方法で耐食性、被削性、および真直性を測定した。
[耐食性]
各試験片を、温度60℃、湿度95%RHの高温多湿の雰囲気中に240時間保存し、目視で発錆の有無を観察した。
[被削性]
旋削性は、下記の条件で、500個のサンプルの外周を切削し、工具刃先の摩耗量を測定することによって評価した。
工具:超硬バイト
切削速度:150mm/min
送り:0.05mm/rev
切込み:1mm
ドリル穿孔性は、下記の条件で、500個のサンプルに孔開け加工を実施し、工具刃先の摩耗量を測定することによって評価した。
工具:ハイスドリル
切削速度:15m/min
送り:0.07mm/rev
穴深さ:10mm
[真直性]
その間隔を400mmまたは1000mmに設定した2個の支点の上に試験片を置き、試験片を回転させて、ダイヤルゲージで中央部の振れを測定した。単位は振れの幅「μm/400mm」または「μm/1000mm」である。
[冷間鍛造性]
直径12mm×高さ18mmの円柱状の試験片を用い、600トン油圧プレスにより一気圧縮試験を行ない、限界圧縮率(割れが観察されない最大の圧縮率)の値で評価した。
測定の結果を、下記の表3(実施例)および表4(比較例)に示す。本発明の耐食鋼は、フェライト中に微量のマルテンサイトが混在する複相組織とし、引張強度を適切な範囲に調整することによって、とくに高い真直性を得ることが可能になった。真直性の値(単位はμm。この値は軸のフレの度合いをあらわすから、当然に小さいほうがよい)を実施例と比較例について対比してみると、つぎのとおりであって、本発明による格段の改善が明らかである。
400mm真直性 1000mm真直性
最小値 最大値 平均値 最小値 最大値 平均値
実施例 1 5 2.8 13 49 30.7
比較例 2 48 10.5 53 143 74.7
































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Figure 2005281826

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Claims (7)

  1. 重量%で、C:0.005〜0.200%、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、Cu:2.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:2.0〜9.0%、TiおよびZrの1種または2種を、[Ti%]+0.52[Zr%]:0.03〜1.20%となるように含有し、S:0.01〜0.50%およびSe:0.01〜0.40%の1種または2種、N:0.050%以下、ならびにO:0.030%以下を含有し、残部がFeおよび不可避な不純物からなる合金組成の鋼であって、
    [Ti]=[Ti’]−8[C%]−1.5([S%]−8[C%]/3)−24[N%]/7−1.5[O%]、かつ、[Ti’]=[Ti%]+0.52[Zr%] とするとき、0<0.25[Ni%]−[Ti]+0.18<1.0 の条件を満たし、鋼中の介在物として、CならびにSおよびSeの1種または2種を含有するTi系−、Zr系−またはTi−Zr系の化合物を含有し、850〜1150℃の温度範囲においてはオーステナイト単相組織であり、冷却後はフェライト+微量マルテンサイト複相組織であって、圧延ままの引張強度が45〜65kgf/mm2であり、熱処理を省略して圧延ままで超快削鋼と同等の冷間引抜加工性および被削性を有することを特徴とする冷間引抜加工性および被削性にすぐれた耐食鋼。
  2. 請求項1の耐食鋼において、前記の合金成分に加え、重量%で、Mo:0.1〜4.0%およびW:0.1〜3.0%の1種または2種を含有する耐食鋼。
  3. 請求項1または2の耐食鋼において、前記の合金成分に加え、重量%で、Pb:0.01〜0.30%,Te:0.005〜0.100%およびBi:0.01〜0.20%の1種または2種以上を含有する耐食鋼。
  4. 請求項1ないし3のいずれかの耐食鋼において、前記の合金成分に加え、重量%で、Ca,Mg,BおよびREM:0.005〜0.010%の1種または2種以上を含有する耐食鋼。
  5. 請求項1ないし4のいずれかの耐食鋼において、前記の合金成分に加え、重量%で、Nb,V,TaおよびHf:0.01〜0.50%の1種または2種以上を含有する耐食鋼。
  6. 請求項1ないし5のいずれかの耐食鋼において、微量マルテンサイトの生成量は1〜20%、好ましくは1〜10%である耐食鋼。
  7. 請求項1ないし6のいずれかの耐食鋼で製造した、冷間引抜加工後または矯正加工後の真直性が≦50μm/1000mmであるプリンターシャフトまたはモーターシャフト。
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