JP2005281788A - 硬質炭化物層の形成方法、並びにこの形成方法により得られたローラーチェーン及びサイレントチェーン - Google Patents

硬質炭化物層の形成方法、並びにこの形成方法により得られたローラーチェーン及びサイレントチェーン Download PDF

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Abstract

【課題】鍛造時の割れの発生を防止すべく、各構成部材の素材中の炭素量を予め過度に高めることなく、硬質炭化物層の厚みを十分に確保し、硬度を高めて耐久性を向上できる、硬質炭化物層の形成方法、並びにこの形成方法を提供する。
【解決手段】鍛造成形した素材の表面に硬質炭化物層を形成するにあたり、上記素材にカーボンポテンシャルが1.1%以上の高濃度浸炭処理を行い、次いで拡散浸透処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、硬質炭化物層の形成方法、並びにこの形成方法により得られたローラーチェーン及びサイレントチェーンに係り、特に、各種チェーンの構成部材同士による摩耗に起因するチェーンの伸びを防止し、これにより、チェーンの耐久性を向上させた各種チェーンの製造技術に関する。
自動車及び産業機械等には、各種のチェーンが使用される。これらのチェーンとしては、カムシャフト駆動チェーン、オイルポンプ駆動チェーン、バランサーシャフト駆動チェーン等が挙げられ、種々の特性向上に関する技術開発がなされている。
チェーンに関する種々の特性向上のうち、特に、構成部材同士の摩耗抑制による耐久性の向上についての技術が数多く報告されている。例えば、極端に劣化した酸化度の高い潤滑油とともに使用された場合であっても、異常摩耗による伸びが発生することなく、長期に亘って円滑に屈曲摺動するチェーンが報告されている。上記チェーンのうち、ローラーチェーンについては、ブッシュに、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、高炭素クロム軸受鋼及び合金工具鋼から選ばれる1種に熱硬化処理を施した部材を使用する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、上記チェーンのうち、サイレントチェーンについては、インナーリンクプレートに、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、高炭素クロム軸受鋼及び合金工具鋼から選ばれる1種に熱硬化処理を施した部材を使用する技術が開示されている(特許文献2参照)。
さらに、上記各種チェーンに使用されるピンについては、高面圧下での耐摩耗性を向上すべく、チェーン用ピンの母材となる鋼の最表部に、バナジウム炭化物を主成分とし且つ少量のクロム炭化物を含む炭化物層を形成し、当該炭化物層と母材との間の境界領域において、バナジウム炭化物の含有率が急激に減少し且つクロム炭化物の含有量が急激に増加している境界層(クロムリッチ層)を形成する技術が開示されている(特許文献3参照)。
特開2003−301889号公報(要約書) 特開2003−301888号公報(要約書) 特開2002−195356号公報(要約書)
上記特許文献1〜3に記載の技術を含む従来技術によって、チェーンの各構成部材を製造する場合には、先ず、中炭素鋼からなる素材を用意し、これを鍛造した後、拡散浸透処理を施し、次いで浸炭焼き入れ、焼き戻しを行っていた。しかしながら、このような手法により厚みが非常に小さいローラーチェーンのブッシュを製造した場合には、拡散浸透処理において、例えば、母材表面にCr炭化物からなる硬質炭化物層を5μmを超えて形成することが困難であった。このため、通常の使用に耐え得る程度の厚みを有する硬質炭化物層の形成ができず、結果的に耐久性の高いローラーチェーンを得ることができなかった。また、ブッシュは薄肉且つ円管形状をなすことから、肉厚に対して表面積が大きい。このため、拡散浸透処理時に内外面の双方に硬質炭化物層が形成される際には、母材中の炭素が多量に両表面に析出する。従って、炭素とCrとの化合時に、母材中の炭素量が著しく減少し、母材が低炭素化され、この結果、焼き入れによる母材硬化が十分に実現されず、ひいては耐久性の高いローラーチェーンを得ることができなかった。
同様に、上記特許文献1〜3に記載した技術を含む従来技術によって、サイレントチェーンのリンクプレートを製造した場合には、拡散浸透処理において、硬質層形成時に炭素がCr等と化合することで、母材中の炭素量が減少し、母材が低炭素化されて、焼き入れによる母材硬化が十分に実現されず、耐久性の高いサイレントチェーンを得ることができなかった。従って、拡散浸透処理において炭素がCr等と化合した場合であっても、なお焼き入れによる母材硬化を十分に達成可能な程度に、母材中に十分な炭素量を確保することが必要であった。
このような事情から、上記ブッシュやリンクプレートの拡散浸透処理後にも母材中に十分な炭素量を確保すべく、母材中の炭素量を鍛造前に予め高めておくことが考えられる。しかしながら、炭素量を予め高め過ぎると、鍛造時に割れが生じるおそれがある。このため、従来、鍛造前の素材中の炭素含有量は、概して0.8質量%が上限とされていた。そこで、近年においては、鍛造時に割れが生じない程度に、素材中の炭素量を調整することを前提に、硬質炭化物層の厚みを十分に確保し、素材表面の硬度を高めて耐久性を向上させた、各種構成部材からなるチェーンの製造技術の開発が要請されていた。なお、従来は、上記拡散浸透処理等を経て得られた、チェーンの各構成部材同士、特に、ローラーチェーン(サイレントチェーン)については、ブッシュ(リンクプレート)とピンとをほぼ同じ硬度の部材としていたことから、チェーン使用時に、これらの部材同士の摩耗が著しく、結果的に十分な耐久性が得られないという問題もあった。
本発明は、以上に示した種々の事情に鑑みてなされたものであり、鍛造時の割れの発生を防止すべく、各構成部材の素材中の炭素量を予め過度に高めないことを前提に、特に、硬質炭化物層の厚みを十分に確保して素材表面の硬度を高め、これにより耐久性を向上することのできる、硬質炭化物層の形成方法、並びにこの形成方法により得られたローラーチェーン及びサイレントチェーンを提供することを目的としている。
本発明者等は、上記事情を考慮し、耐久性の高い各種チェーンについて鋭意研究を重ねた。その結果、鍛造性を損ねることを防止すべく、チェーンの各種構成部材の素材として、低中炭素鋼又は中炭素鋼(炭素含有量0.1〜0.8質量%)を用いるとともに、鍛造後に高濃度浸炭処理を施し、その後拡散浸透処理、焼き入れ、焼き戻しを順次行うことで、上記要請を満足する各種チェーンが得られるとの知見を得た。具体的には、例えば、ブッシュの肉厚を1.0mm以下とした場合であっても、十分な厚みの硬質炭化物層を形成可能であるとともに、焼き入れによる十分な母材硬化を達成し、ひいては耐久性の高いチェーンが得られるとの知見を得た。図1は、炭素鋼であるSUJ2を素材とした場合の、ブッシュの圧壊強度を調査した結果を示すグラフである。即ち、同図中Aは、鍛造後にカーボンポテンシャル1.1%の高濃度浸炭処理を行い、次いで拡散浸透処理(クロマイジング)、焼き入れ、焼き戻しを順次行った例である。これに対し、同図中Bは、鍛造後に高濃度浸炭処理を行わずに、上記拡散浸透処理(クロマイジング)等を順次行った例である。同図から明らかなように、高濃度浸炭処理を行ったAは、高濃度浸炭処理を行っていないBに比して、優れた圧壊強度を示す。これは、Aについては、高濃度浸炭処理を施しているため、その後の拡散浸透処理において、炭素がCrと化合しても、母材中になお十分な量の炭素が存在し、その結果、焼き入れによる母材硬化が十分に達成されるためである。また、図2は中炭素鋼である0.8質量%Cの炭素鋼を素材とし、鍛造、及び上記拡散浸透処理(クロマイジング)等を順次行った場合の、ブッシュ内表面付近の断面写真である。同図から明らかなように、この例では、鍛造後に高濃度浸炭処理を行っていないことから、硬質のCr炭化物層の厚みは7μm程度であり、ピンとの摩耗に耐え得る十分な厚みの硬質炭化物層が形成されていないことが判る。本発明の硬質炭化物層の形成方法は、このような知見に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の硬質炭化物層の形成方法は、鍛造成形した素材の表面に硬質炭化物層を形成する方法であって、上記素材にカーボンポテンシャルが1.1%以上の高濃度浸炭処理を行い、次いで拡散浸透処理、焼き入れ、及び焼き戻しを順次行うことを特徴としている。ここで、カーボンポテンシャルとは、鋼製品を加熱する雰囲気の浸炭能力を示し、浸炭温度でガス雰囲気と平衡に達したときの鋼の表面の炭素濃度で表す。また、拡散浸透処理とは、金属材料の表面層の硬さ又は耐熱耐食性等を向上させるために、高温度の各種媒剤中で、他の元素を表面に拡散させる操作をいい、例えば、クロマイジング、シリコナイジング、及びシェラーダイジング等が挙げられる。
次に、本発明者等は、上記形成方法を使用することを前提に、従来同程度の硬度としていたチェーンの構成部材同士、例えば、ローラーチェーン(サイレントチェーン)については、ブッシュ(リンクプレート)とピンとの各表面層に硬度差を設け、これにより、チェーンの耐久性を著しく向上させることができるとの知見を得た。即ち、2つの部材が接触、摩耗する際には、比較的凹凸の多い部材の表面層を比較的軟質とする一方、比較的凹凸の少ない部材の表面層を比較的硬質とすることで、凹凸の比較的多い部材が研磨され、両者の形状が徐々になじみ合って、一定使用時間後の摩耗を抑制することができる。ローラーチェーン(サイレントチェーン)の場合には、ブッシュ(リンクプレート)の内表面に対してピンの外表面は凹凸が少ないことから、ブッシュ(リンクプレート)の内表面を比較的軟質な硬質炭化物層とする一方、ピンの表面を比較的硬質な硬質炭化物層とすることで、上記のように、チェーンの耐久性を著しく向上させることができる。以下に示す各種チェーンに関する発明は、このような知見に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明のローラーチェーンは、一対のインナープレートと、上記一対のインナープレートの一方に固定され、ピン孔を備えるブッシュと、上記一対のインナープレートの両外側に配置された一対のアウタープレートと、上記一対のアウタープレートの一方に固定され、上記ブッシュのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成したユニットを、複数個連結してなり、上記ブッシュの表面及び上記連結ピンの表面に、上述した形成方法により形成された硬質炭化物層を備え、上記連結ピンの表面硬度が上記ブッシュの表面硬度よりも高いことを特徴としている。
このようなローラーチェーンにおいては、上記ブッシュの表面に形成された硬質炭化物層がCr炭化物層であり、上記連結ピンの表面に形成された硬質炭化物層がV炭化物層、Nb炭化物層、又はTi炭化物層であることが望ましい。
また、本発明のサイレントチェーンは、ピン孔を備える複数のリンクプレートと、上記複数のリンクプレートの両外側に配置された一対のガイドプレートと、上記一対のガイドプレートの一方に固定され、上記複数のリンクプレートのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成されたユニットを、複数個連結してなり、上記リンクプレートの表面及び上記連結ピンの表面に、上述した形成方法により形成された硬質炭化物層を備え、上記連結ピンの表面硬度が上記リンクプレートの表面硬度よりも高いことを特徴としている。
このようなサイレントチェーンにおいては、上記リンクプレートの表面に形成された硬質炭化物層がCr炭化物層であり、上記連結ピンの表面に形成された硬質炭化物層がV炭化物層、Nb炭化物層、又はTi炭化物層であることが望ましい。
以上に示したように、本発明によれば、各種チェーンの構成部材の素材として、低中炭素鋼又は中炭素鋼を用いるとともに、鍛造後に高濃度浸炭処理を施し、その後拡散浸透処理、焼き入れ、焼き戻しを順次行うことで、鍛造性に優れる比較的炭素含有量の少ない炭素鋼を用いても、各種チェーンの構成部材同士の摩耗を抑制し、耐久性を著しく向上させることができる。また、特に、ローラーチェーン(サイレントチェーン)について、ブッシュ(リンクプレート)及びピンの各接触表面層に硬度差を設けることで、各種チェーンの耐久性を著しく向上させることができる。
なお、硬質炭化物層形成時のカーボンポテンシャルを1.1%以上とした理由を以下に述べる。即ち、ブッシュ等の、チェーンの構成部材表面に形成される硬質炭化物層の好適な膜厚(膜厚目標値)は約15μmである。発明者等の研究によれば、浸炭処理後、拡散浸透処理前の素材(炭素鋼)の炭素含有量を0.45質量%とした場合には、拡散浸透処理(クロマイジング)による硬質炭化物層(CrC層)の膜厚が十分ではなく、しかもその後の焼き入れによる母材の十分な硬化も実現されないことが判明した。そこで、浸炭処理時のカーボンポテンシャルを増大して、拡散浸透処理前の素材の炭素含有量を0.80質量%とすると、上記焼き入れによる母材硬化は十分に達成されるが、拡散浸透処理による硬質炭化物層の膜厚は十分でないことが判明した。そこで、上記カーボンポテンシャルをさらに増大して、拡散浸透処理前の素材の炭素含有量を1.25質量%とすると、拡散浸透処理時に形成される硬質炭化物層の膜厚を十分に確保できるととともに、焼き入れによる母材硬化も十分に達成されることがさらに判明した。これらのデータを図3に示す。この結果、拡散浸透処理後のCrC層の厚さを目標値の15μmとするには、図3から逆算して、浸炭処理後、拡散浸透処理前の素材の炭素含有量を1.12質量%以上とする必要があることが判る。発明者等の実験によれば、この条件を満たす高濃度浸炭処理時のカーボンポテンシャルは1.1%であることが判明した。このため、本発明の構成要件の臨界値として、カーボンポテンシャルの濃度を1.1%に設定した。ちなみに、同図に示すように、拡散浸透処理前の素材の炭素含有量を適宜決定することで、硬質炭化物層の目標とする膜厚を所望の値に設置することができる。例えば、上記必要な膜厚が10μmである場合には、上記素材の炭素含有量を0.8質量%とすればよい。
以下、本発明の好適な実施例を図面を参照して詳細に説明する。
1.硬質炭化物層の形成
(製造例1)
炭素含有量0.8質量%の中炭素鋼を用意し、これを鍛造してローラーチェーンのブッシュ形状の鍛造品を得た。次いで、この鍛造品に、カーボンポテンシャル1.25%の高濃度浸炭処理を施し、その後拡散浸透処理(クロマイジング)、焼き入れ、焼き戻しを順次行って、製造例1のブッシュを得た。ここで、上記高濃度浸炭処理においては、880℃まで加熱した後、20分間の均熱状態を経て、さらに270分間保持し、次いで60分間のガス冷却により40℃まで冷却した。図4に、製造例1のブッシュの表面付近の断面写真を示す。同図によれば、本発明の高濃度浸炭処理を実施したことにより、硬質炭化物層の膜厚は17μm程度にまで達しており、これにより、チェーンの耐久性を十分に発揮することができる。
(製造例2)
炭素含有量0.8質量%の中炭素鋼を用意し、これを鍛造してローラーチェーンのブッシュ形状の鍛造品を得た。次いで、この鍛造品に、高濃度浸炭処理を施さず、拡散浸透処理(クロマイジング)、焼き入れ、焼き戻しを順次行って、製造例2のブッシュを得た。図5に、製造例2のブッシュの表面付近の断面写真を示す。同図によれば、本発明の高濃度浸炭処理を施していないことにより、硬質炭化物層の膜厚は7μm程度しかなく、このためチェーンの耐久性を十分に発揮することはできない。
以上に示すように、製造例1,2の各ブッシュによれば、本発明に従い鍛造後に高濃度浸炭処理を施した製造例1のみが、硬質炭化物層の厚みを十分に確保することができ、これにより、耐久性に富むチェーンの構成部材を製造することができる。なお、本発明の形成方法によれば、鍛造後に高濃度浸炭処理を施すことで、ブッシュの炭素含有量を拡散浸透処理前に十分なものとすることができる。このため、鍛造時には、高炭素量の鍛造性に劣る炭素鋼を素材として用いる必要がない。従って、鍛造型寿命を大幅に向上させることもできる。また、このような観点から、冷間鍛造精度も併せて向上させることができる。
2.ローラーチェーンの製造
近年においては、エンジンの車体搭載性、エンジン自体の軽量化及びコンパクト化により、従来2列であったローラーチェーンを1列とする傾向がある。このような事情により、ピンとブッシュとの面圧が増大し、各構成部材のうち、硬度及び融点の低い鉄系部材からなるブッシュ側の摩耗が増大した。以下に、ピンとブッシュとの摩耗を減少させる、これらの最適な組み合わせパターンを提案する。
(製造例3〜5)
素材として炭素濃度0.8質量%の炭素鋼を用意し、所定形状に鍛造後、カーボンポテンシャル1.1%の高濃度浸炭処理を施し、各種拡散浸透処理を行い、次いで焼き入れ、焼き戻しを順次行ったテストピースの表面硬度を0.1スケールのビッカース硬さ試験機により測定した。なお、上記各各種拡散浸透処理としては、Cr炭化物形成処理、V炭化物形成処理、Nb炭化物形成処理、Ti炭化物形成処理をそれぞれ行った。Cr炭化物形成処理については、処理剤として50質量%Cr、50質量%Al、及び上記2成分(Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量のNHCLを用い、処理条件は900℃×10hとした。また、V炭化物形成処理については、処理剤として50質量%Fe−V、0.5質量%Cr、49.5質量%Al、及び上記3成分(Fe−V、Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量のNHCLを用い、処理条件は950℃×10hとした。さらに、Nb炭化物形成処理については、処理剤として50質量%Fe−Nb、50質量%Al、及び上記2成分(Fe−Nb及びAl)の総質量に対して0.5%量のNHCLを用い、処理条件は900℃×10hとした。加えて、Ti炭化物形成処理については、処理剤として50質量%Fe−Ti、16質量%Cr、34質量%Al、及び上記3成分(Fe−Ti、Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量の0.5NHCLを用い、処理条件は980℃×10hとした。これらの結果を図6に示す。同図から明らかなように、クロマイジングにより得られたCrCに比して、VC、NbC及びTiCはいずれも高い硬度を示す。
次に、図6に示す結果を基に、ピンとブッシュとの好適な組み合わせパターンを調査した。先ず、図6のVCコーティングを施した素材をピンに使用し、所定の拡散浸透処理を行わなかった素材をブッシュに使用したチェーンを製造例3とした。この際、ピンは素材をSUJ2とし、処理剤として50質量%Fe−V、0.5質量%Cr、49.5質量%Al、及び上記3成分(Fe−V、Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量のNHCLを用い、処理条件は950℃×10hとした。一方、ブッシュの素材は、0.8質量%炭素、1.0質量%Cr、及び残部Feとした。
また、図6のVCコーティングを施した素材をピンに使用し、図6のCrCコーティングを施した素材をブッシュに使用したチェーンを製造例4とした。この際、ピンは製造例3と同様に得た。一方、ブッシュの素材は、0.8質量%炭素、1.0質量%Cr、及び残部Feとし、処理剤として50質量%Cr、50質量%Al、及び上記2成分(Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量のNHCLを用い、処理条件は900℃×10hとした。
さらに、図6のTiCコーティングを施した素材をピンに使用し、図6のCrCコーティングを施した素材をブッシュに使用したチェーンを製造例5とした。この際、ピンの素材は、SUJ2に窒化処理を施したものとし、処理剤として50質量%Fe−Ti、16質量%Cr、34質量%Al、及び上記3成分(Fe−Ti、Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量の0.5NHCLを用い、処理条件は980℃×10hとした。一方、ブッシュの素材は、0.8質量%炭素及び1.0質量%Cr、及び残部Feとし、処理剤として50質量%Cr、50質量%Al、及び上記2成分(Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量のNHCLを用い、処理条件は900℃×10hとした。
以上に示す製造例3〜5の各ローラーチェーンについて、その駆動時間に伴う伸び率を測定した。当該測定は、歯数18(8000rpm)のスプロケットと、歯数36(4000rpm)のスプロケットとの回りにチェーンを噛み合わせ、チェーン張力を1860Nとするとともに、給油剤として、コンタミ油を用いた。コンタミ油は、通常使用されるエンジンオイルに、16質量%のカーボンブラック、2質量%のフェライト系酸化物、4質量%のPV樹脂、及び78質量%のストレートミネラルオイルからなるコンタミナントを所定量混合したものとした。このようにコンタミ油を用いたのは、極端に劣化した酸化度の高い潤滑油を用いた場合であっても、本発明のチェーンが優れた耐久性を示すことを実証するためである。また、実際のチェーン駆動時に必要な給油量は、1.0L/minであるが、本測定においては、給油量の少ない状態であっても、本発明のチェーンが耐久性に優れることを実証するため、潤滑油の給油量を0.20L/minとした。その結果を図7に示す。
図7によれば、製造例3は、駆動時間150(Hr)を過ぎると、伸びが急激に大きくなり、好適でない。これに対し、製造例4,5については、駆動時間200(Hr)まで、優れた結果を示すことが判明した。従って、ピンとブッシュとの組み合わせは、ピンの表面にV炭化物層或いはTi炭化物層を形成するとともに、ブッシュの内表面にCr炭化物層を形成した組み合わせが好適であるといえる。また、これらの結果と図6とを考慮すれば、ピンの表面にNb炭化物層を形成するとともに、ブッシュの内表面にCr炭化物層を形成した組み合わせも好適であることが推測される。
3.サイレントチェーンの製造
近年においては、エンジンの車体搭載性、エンジン自体の軽量化及びコンパクト化により、サイレントチェーンの幅狭化が加速している。これにより、ピンとリンクとの面圧が増大し、各構成部材のうち、硬度及び融点の低い鉄系部材からなるリンク側の摩耗が増大した。以下に、ピンとリンクとの摩耗を減少させる、これらの最適な組み合わせパターンを提案する。
(製造例6〜8)
図6に示す結果を基に、ピンとリンクとの好適な組み合わせパターンを調査した。先ず、図6のVCコーティングを施した素材をピンに使用し、所定の拡散浸透処理を行わずに、焼き入れ操作にオーステンパを採用した素材をリンクに使用したチェーンを製造例6とした。この際、ピンは素材をSUJ2とし、処理剤として50質量%Fe−V、0.5質量%Cr、49.5質量%Al、及び上記3成分(Fe−V、Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量のNHCLを用い、処理条件は950℃×10hとした。一方、リンクの素材は、S50Cとした。
また、図6のTiCコーティングを施した素材をピンに使用し、所定の拡散浸透処理を行わずに、焼き入れ操作にオーステンパを採用した素材をリンクに使用したチェーンを製造例7とした。この際、ピンは素材をSUJ2に窒化処理を施したものとし、処理剤として50質量%Fe−Ti、16質量%Cr、34質量%Al、及び上記3成分(Fe−Ti、Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量の0.5NHCLを用い、処理条件は980℃×10hとした。一方、リンクの素材は、S50Cとした。
さらに、図6のTiCコーティングを施した素材をピンに使用し、図6のCrCコーティングを施した素材をリンクに使用したチェーンを製造例8とした。この際、ピンは製造例7と同様にして得た。一方、リンクは素材をS50Cとし、処理剤として50質量%Cr、50質量%Al、及び上記2成分(Cr及びAl)の総質量に対して0.5%量のNHCLを用い、処理条件は900℃×10hとした。
以上に示す製造例6〜8の各サイレントチェーンについて、その駆動時間に伴う伸び率を測定した。当該測定は、歯数23(6000rpm)のスプロケットと、歯数46(3000rpm)のスプロケットとの回りにチェーンを噛み合わせ、チェーン張力を1730Nとするとともに、給油剤として、実施例2で使用したコンタミ油を用いた。また、潤滑油の給油量についても、実施例2と同様の理由から、0.20L/minとした。その結果を図8に示す。
図8によれば、製造例6,7は、駆動時間100(Hr)を過ぎると、伸びが急激に大きくなり、好適でない。これに対し、製造例8については、駆動時間200(Hr)まで、優れた結果を示すことが判明した。従って、ピンとリンクとの組み合わせは、ピンの表面にTi炭化物層を形成するとともに、リンクの内表面にCr炭化物層を形成したものが好適であるといえる。また、これらの結果と図6とを考慮すれば、ピンの表面にV炭化物層或いはNb炭化物層を形成するとともに、リンクの内表面にCr炭化物層を形成した組み合わせも好適であることが推測される。
以上説明したように、本発明によれば、鍛造時の割れの発生を防止すべく、各構成部材の素材中の炭素含有量を予め過度に高めないことを前提に、特に、硬質炭化物層の厚みを十分に確保し、素材の表面硬度を高めて耐久性を向上できる、硬質炭化物層の形成方法、並びにこの形成方法により得られたローラーチェーン及びサイレントチェーンを提供することができる。よって、本発明は、周辺部材の今後益々の複雑高度化等に伴い耐久性の向上が要請される各種チェーンの製造に有用である。
炭素鋼であるSUJ2を素材とした場合の、ブッシュの圧壊強度を調査した結果を示すグラフである。 中炭素鋼である0.8質量%Cの炭素鋼を素材とし、鍛造、拡散浸透処理(クロマイジング)、焼き入れ、焼き戻しを順次行った場合の、ブッシュ内表面付近の断面写真である。 CrC厚みと素材の炭素濃度との関係を示すグラフである。 製造例1のブッシュの表面付近の断面写真である。 製造例2のブッシュの表面付近の断面写真である。 各テストピースの表面硬度を測定した結果を示すグラフである。 各種ローラーチェーンについて、その駆動時間に伴う伸び率を測定した結果を示すグラフである。 各種サイレントチェーンについて、その駆動時間に伴う伸び率を測定した結果を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 鍛造成形した素材の表面に硬質炭化物層を形成するにあたり、前記素材にカーボンポテンシャルが1.1%以上の高濃度浸炭処理を行い、次いで拡散浸透処理、焼き入れ、及び焼き戻しを順次行うことを特徴とする硬質炭化物層の形成方法。
  2. 一対のインナープレートと、前記一対のインナープレートの一方に固定され、ピン孔を備えるブッシュと、前記一対のインナープレートの両外側に配置された一対のアウタープレートと、前記一対のアウタープレートの一方に固定され、前記ブッシュのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成したユニットを、複数個連結してなるローラーチェーンにおいて、
    前記ブッシュの表面及び前記連結ピンの表面に、請求項1に記載の形成方法により形成された硬質炭化物層を備え、前記連結ピンの表面硬度が前記ブッシュの表面硬度よりも高いことを特徴とするローラーチェーン。
  3. 前記ブッシュの表面に形成された硬質炭化物層がCr炭化物層であり、前記連結ピンの表面に形成された硬質炭化物層がV炭化物層、Nb炭化物層、又はTi炭化物層であることを特徴とする請求項2に記載のローラーチェーン。
  4. ピン孔を備える複数のリンクプレートと、前記複数のリンクプレートの両外側に配置された一対のガイドプレートと、前記一対のガイドプレートの一方に固定され、前記複数のリンクプレートのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成されたユニットを、複数個連結してなるサイレントチェーンにおいて、
    前記リンクプレートの表面及び前記連結ピンの表面に、請求項1に記載の形成方法により形成された硬質炭化物層を備え、前記連結ピンの表面硬度が前記リンクプレートの表面硬度よりも高いことを特徴とするサイレントチェーン。
  5. 前記リンクプレートの表面に形成された硬質炭化物層がCr炭化物層であり、前記連結ピンの表面に形成された硬質炭化物層がV炭化物層、Nb炭化物層、又はTi炭化物層であることを特徴とする請求項4に記載のサイレントチェーン。
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