JP2005281447A - 有機物またはその炭化物のガス化方法 - Google Patents
有機物またはその炭化物のガス化方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】有機物またはその炭化物をガス化剤として水蒸気のみでガス化し、H2含有比率の高いガス化ガスを得ることである。
【解決手段】有機物またはその炭化物が投入されるガス化炉1に、高温水蒸気発生装置2からガス化剤として800℃以上の高温水蒸気のみを供給し、この高温水蒸気との接触で有機物またはその炭化物をガス化することにより、H2含有比率の高いガス化ガスを得ることができるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】有機物またはその炭化物が投入されるガス化炉1に、高温水蒸気発生装置2からガス化剤として800℃以上の高温水蒸気のみを供給し、この高温水蒸気との接触で有機物またはその炭化物をガス化することにより、H2含有比率の高いガス化ガスを得ることができるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機物またはその炭化物のガス化方法に関するものである。
草木等のバイオマスや有機系廃棄物等の有機物を再生可能なエネルギ資源として活用するために、これらの有機物原料にガス化剤として酸素または空気と水蒸気との混合ガスを供給して有機物を熱分解ガス化し、得られるガス化ガスに含まれるCOやH2を、ガスタービン用等の燃料ガスやメタノール合成用等の原料として利用する技術が注目されている。この有機物のガス化方法では、酸素や空気は酸化剤として有機物を部分燃焼させて高温に発熱させる作用をし、水蒸気はこの部分燃焼で発熱した有機物の炭素分をCOやCO2とH2とにガス化する作用をする。
このような有機物のガス化方法では、混合ガス有機物のガス化率を高めることと、ガス化ガス中の可燃成分であるCOやH2の含有比率を高めることが従来の課題であった。この課題に対して、ガス化剤の酸化剤として酸素を用い、ガス化ガス中に空気中のN2が含まれないようにするガス化方法や(例えば、特許文献1参照)、熱分解ガス化工程中にプラズマを発生させ、有機物の熱分解ガス化を促進させて、ガス化率を高めるとともに、有機物の部分燃焼によるCO2等の不活性ガスの含有比率を下げるガス化方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、近年は、燃料電池用の燃料ガス等としてH2の需要が増大しており、ガス化ガス中のH2の含有比率を高めることが望まれている。しかしながら、上述した従来の有機物のガス化方法では、ガス化剤として酸素含有ガスと水蒸気とを併用しているので、有機物の部分燃焼で生じるCOやCO2がガス化ガス中に多く含まれ、H2の含有比率を高めることができなかった。
特許文献2には、有機物を600℃以上の水蒸気のみでガス化することも提案されていると記述されているが、600℃以上程度の水蒸気では、有機物の炭素分との反応が進行せず、H2の発生率を高めることができない。なお、水蒸気のみで炭素分を有効にガス化できれば、有機物を炭化した炭化物のガス化にも適用することが考えられる。
そこで、本発明の課題は、有機物またはその炭化物をガス化剤として水蒸気のみでガス化し、H2含有比率の高いガス化ガスを得ることである。
上記の課題を解決するために、本発明は、有機物またはその炭化物を原料とし、この原料をガス化剤によりガス化する有機物またはその炭化物のガス化方法において、前記ガス化剤として800℃以上の高温水蒸気のみを用い、この高温水蒸気との接触で前記原料をガス化する方法を採用した。
本発明者らは、有機物またはその炭化物を水蒸気のみでガス化する手段を種々検討した結果、炭素分と水蒸気との以下の(1)式および(2)式の反応は、図2に示すように、いずれも雰囲気温度を約700℃以上とすると、吸熱反応から発熱反応に転じることに想到した。
C+H2O → CO+H2 (1)
C+2H2O → CO2+2H2 (2)
なお、図2のグラフ(化学工学便覧、改定六版、丸善株式会社、平成11年2月25日、93頁参照)における各化学反応の平衡定数Kは、log10Kの値が正のときに、(1)式および(2)式の反応が発熱反応となって左側から右側へ進み、逆にlog10Kの値が負のときに、吸熱反応となって右側から左側へ進むことを意味する。
C+H2O → CO+H2 (1)
C+2H2O → CO2+2H2 (2)
なお、図2のグラフ(化学工学便覧、改定六版、丸善株式会社、平成11年2月25日、93頁参照)における各化学反応の平衡定数Kは、log10Kの値が正のときに、(1)式および(2)式の反応が発熱反応となって左側から右側へ進み、逆にlog10Kの値が負のときに、吸熱反応となって右側から左側へ進むことを意味する。
このような各化学反応の平衡特性を活用して、前記ガス化剤として800℃以上の高温水蒸気のみを用い、この高温水蒸気と原料との接触でH2含有比率の高いガス化ガスを得られるようにした。高温水蒸気の温度を800℃以上としたのは、(1)式および(2)式の反応を安定した発熱反応とするためである。なお、図2中には、CH4→C+2H2の化学反応における平衡定数Kの変化も併せて示したが、このようなCH4の熱分解も高温で発熱反応となるので、ガス化ガス中のH2含有比率はさらに高くなることが期待される。
前記高温水蒸気として、電磁誘導加熱装置内の発熱体により水または水蒸気を直接加熱する高温水蒸気発生装置で発生させたものを用いることにより、800℃以上の高温水蒸気を安定して供給することができる。この高温水蒸気発生装置は、誘導コイルが巻き回された円筒状の絶縁セラミック製容器内に、複数の円盤状誘電発熱体を流体通路の隙間が形成されるように積層配置し、誘導コイルに交流電流を流して発熱体を発熱させるものであり、容器内に供給される水や水蒸気を流体通路の隙間で発熱体によって加熱し、800℃以上の高温水蒸気を発生させることができる(特開2003−336801号公報参照)。
本発明の有機物またはその炭化物のガス化方法は、ガス化剤として800℃以上の高温水蒸気のみを用い、この高温水蒸気との接触で有機物またはその炭化物をガス化するようにしたので、H2含有比率の高いガス化ガスを得ることができる。
前記高温水蒸気として、電磁誘導加熱装置内の発熱体により水または水蒸気を直接加熱する高温水蒸気発生装置で発生させたものを用いることにより、800℃以上の高温水蒸気を安定して供給することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明に係る有機物またはその炭化物のガス化方法を適用したガス化装置を示す。このガス化装置は、有機物またはその炭化物が原料として投入されるガス化炉1と、ガス化炉1に800℃以上の高温水蒸気のみをガス化剤として供給する高温水蒸気発生装置2とで基本的に構成されている。
前記ガス化炉1は、側部に原料の投入口3が設けられるとともに、底部に高温水蒸気の供給口4が設けられ、上部に生成されたガス化ガスの排出口5が設けられており、排出口5から排出されたガス化ガスはタンク6に貯蔵されるようになっている。
また、高温水蒸気発生装置2は、円筒状の絶縁セラミック製容器7に、交流電流が流される誘導コイル8が巻き回され、容器7内に複数の円盤状誘電発熱体(図示省略)を流体通路の隙間が形成されるように積層配置したものであり、水蒸気の供給口9が容器7の底部に設けられ、発生した高温水蒸気の排出口10が天井部に設けられている。
上述したガス化装置を用いて、ガス化炉に原料として草木等のバイオマスを投入し、ガス化炉に供給する高温水蒸気の温度を変化させて、原料のガス化率とガス化ガスの組成を調査した。この調査結果を表1に示す。実施例として高温水蒸気の温度を800℃、900℃、1000℃とした場合と、比較例として600℃、700℃とした場合とについて比較調査した。
この調査結果から分かるように、高温水蒸気の温度を800℃以上とした実施例の場合は、ガス化ガス中のH2含有比率が50体積%以上と高くなり、かつ、ガス化率も90%近くの高い値となっている。これに対して比較例の場合は、H2含有比率が高々40体積%程度で、ガス化率も80%以下である。なお、ガス化していない成分は、タールと固形残渣である。ちなみに、不純物のない有機物や炭化物を水蒸気で完全にガス化したときの理論H2含有比率は67体積%であるので、実機ベースで50体積%以上のH2含有比率が得られた各実施例は、非常に高い水準のものと言える。
上述した実施形態では、ガス化剤としての高温水蒸気を高温水蒸気発生装置から供給するようにしたが、高温水蒸気は他の種類の装置から供給するようにしてもよい。また、上述した実施例では、原料として草木等のバイオマスを用いたが、本発明に係るガス化方法は、他の有機物や炭化物を原料とすることもできる。
1 ガス化炉
2 高温水蒸気発生装置
3 投入口
4 供給口
5 排出口
6 タンク
7 容器
8 誘導コイル
9 供給口
10 排出口
2 高温水蒸気発生装置
3 投入口
4 供給口
5 排出口
6 タンク
7 容器
8 誘導コイル
9 供給口
10 排出口
Claims (2)
- 有機物またはその炭化物を原料とし、この原料をガス化剤によりガス化する有機物またはその炭化物のガス化方法において、前記ガス化剤として800℃以上の高温水蒸気のみを用い、この高温水蒸気との接触で前記原料をガス化するようにしたことを特徴とする有機物またはその炭化物のガス化方法。
- 前記高温水蒸気として、電磁誘導加熱装置内の発熱体により水または水蒸気を直接加熱する高温水蒸気発生装置で発生させたものを用いた請求項1に記載の有機物またはその炭化物のガス化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004096141A JP2005281447A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | 有機物またはその炭化物のガス化方法 |
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Publications (1)
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JP2004096141A Pending JP2005281447A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | 有機物またはその炭化物のガス化方法 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006321945A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Osu:Kk | ガス化装置 |
JP2007126300A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | マイクロ波を用いた固体炭素質材料からの水素発生方法及び水素発生装置 |
JP2007126301A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 木質系バイオマスからの水素製造方法 |
JP2007284476A (ja) * | 2006-04-12 | 2007-11-01 | Osu:Kk | ガス化炉 |
JP2008063169A (ja) * | 2006-09-05 | 2008-03-21 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 炭化物及び分解生成物の製造方法 |
JP2011514923A (ja) * | 2008-02-28 | 2011-05-12 | クロネス アーゲー | 炭素原材料を変換するための方法および装置 |
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2004
- 2004-03-29 JP JP2004096141A patent/JP2005281447A/ja active Pending
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