JP2005281296A - O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法 - Google Patents

O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005281296A
JP2005281296A JP2005040473A JP2005040473A JP2005281296A JP 2005281296 A JP2005281296 A JP 2005281296A JP 2005040473 A JP2005040473 A JP 2005040473A JP 2005040473 A JP2005040473 A JP 2005040473A JP 2005281296 A JP2005281296 A JP 2005281296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rapamycin derivative
alkylated rapamycin
producing
alkylated
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005040473A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4716280B2 (ja
Inventor
Tetsuaki Kawanishi
徹朗 川西
Masashi Isozaki
正史 磯崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2005040473A priority Critical patent/JP4716280B2/ja
Publication of JP2005281296A publication Critical patent/JP2005281296A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4716280B2 publication Critical patent/JP4716280B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Abstract

【課題】O-アルキル化工程の反応収率を改善することにより、O-アルキル化ラパマイシン誘導体を効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】有機溶媒中でラパマイシンとアルキルトリフレートとを反応させ下記一般式(1)で示されるO-アルキル化ラパマイシン誘導体を合成するにあたり、該反応をトリアルキルアミンが存在する条件下で行うことを特徴とするO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
【化1】
Figure 2005281296

(式(1)中、Rが、アルキル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アシルアミノアルキル、またはアリールである。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ラパマイシンとアルキルトリフレートとを反応させO-アルキル化ラパマイシン誘導体を製造する方法に関する。
ラパマイシンは、ストレプトマイセス・ヒグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)から産生されるマクロライド系抗生物質である。ラパマイシンは免疫抑制抑制作用を有し、さらに抗ガンおよび抗真菌性を有していることも示されている。このような有益な薬理活性を示すことよりラパマイシン誘導体の報告が数多くある(非特許文献1:Drugs of Future 1999,24(1):22-29)。
一方、ラパマイシン誘導体の合成法としては、Cottensらにより、O-アルキル化ラパマイシン誘導体の合成法が報告されており(特許文献1:WO94/09010)、この文献にはトルエン溶媒中ルチジン存在下ラパマイシンとアルキルトリフレートを反応させO-アルキル化ラパマイシン誘導体を製造する方法が開示されている。この文献では、開示されている方法についての収率が記載されていないが、本発明者ら追試を実施した(本願比較例1参照)ところ、収率23%に留まり、O-アルキル化の反応は必ずしもスムーズに進行していないことが明らかになった。また、該反応の原料であるラパマイシンは非常に高価であり、より効率のよい合成法の開発が望まれている。
Drugs of Future 1999,24(1):22-29 WO94/09010号公報
すなわち、本発明者らは、上記ラパマイシン誘導体の合成にあたって、反応性をいかに高めるかが課題であると認識し、本発明は、O-アルキル化工程の反応収率を改善することにより、O-アルキル化ラパマイシン誘導体を効率よく製造する方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、有機溶媒中で、ラパマイシンとアルキルトリフレートを反応させO-アルキル化ラパマイシン誘導体を製造する方法において、トリアルキルアミンを使用することにより反応収率が飛躍的に向上し、効率的にO-アルキル化ラパマイシンが製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記(1)〜(13)で示されるO-アルキル化ラパマイシン誘導体を効率よく製造する方法を提供する。
(1)有機溶媒中でラパマイシンとアルキルトリフレートとを反応させ下記一般式1で示されるO-アルキル化ラパマイシン誘導体を合成するにあたり、該反応をトリアルキルアミンが存在する条件下で行うものであるO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
Figure 2005281296

(式1中、Rが、アルキル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アシルアミノアルキル、またはアリールである。)
(2)上記トリアルキルアミンをラパマイシンに対して30モル比以上用いる(1)に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(3)上記トリアルキルアミンがN,N-ジイソプロピルエチルアミンである(1)または(2)に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(4)上記有機溶媒が、塩素を含む有機溶媒である(1)〜(3)のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(5)上記塩素を含む有機溶媒が、塩化メチレンまたはクロロホルムである(4)に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(6)上記有機溶媒をラパマイシンに対して2から6重量比用いる(1)〜(5)のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(7)上記アルキルトリフレートをO-アルキル化ラパマイシン誘導体に対して5から20モル比用いる(1)〜(6)のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(8)上記アルキルトリフレートが2-エトキシエチルトリフレートである(1)〜(7)のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(9)(1)〜(8)のいずれかの方法でO-アルキル化ラパマイシン誘導体を合成した後、引き続き、得られた該誘導体を少なくとも1種類以上の水と混和可能な溶媒と水とを含む混合溶媒へ投入、あるいは少なくとも1種類以上の水と混和可能な溶媒にあらかじめ溶解させ次いで水あるいは水を含む混合溶媒へ投入し、析出させることによってO-アルキル化ラパマイシン誘導体を精製する工程を含む(1)〜(8)のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(10)上記水と混和可能な溶媒をO-アルキル化ラパマイシン誘導体に対して2から10重量比用いる(9)に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(11)上記水をO-アルキル化ラパマイシン誘導体に対して10重量比以上用いる(9)または(10)に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(12)上記水と混和可能な溶媒がアルコール類である(9)〜(11)のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(13)上記アルコール類がメタノールである(12)に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
(14)上記析出は、O-アルキル化ラパマイシン誘導体を少なくとも1種類以上の水と混和する溶媒を含む溶媒にあらかじめ溶解させた後、水もしくは少なくとも1種類以上の水と混和する溶媒と水を含む混合溶媒に投入することにより行われるものである(9)〜(13)のいずれかに記載の製造法。
本発明で提供される製造法によりO-アルキル化工程の反応収率を改善し、O-アルキル化ラパマイシン誘導体を効率よく製造することが可能となった。
以下に本発明をより具体的に説明する。
本発明では、有機溶媒中でラパマイシンとアルキルトリフレートとを反応させO-アルキル化ラパマイシン誘導体を製造する方法において、トリアルキルアミンが存在する条件下で反応させる下記一般式1で示されるO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法を提供する。
Figure 2005281296
(式1中、Rが、アルキル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アシルアミノアルキル、またはアリールである。)
上記一般式1のO-アルキル化ラパマイシン誘導体として、R=アルコキシアルキルの具体例として、下記一般式2で示されるO-(2-エトキシエチル)-ラパマイシンなどを例示することができる。
O-(2-エトキシエチル)-ラパマイシンは、塩化メチレン中N,N-ジイソプロピルエチルアミン存在下、ラパマイシンと2-エトキシエチルトリフレートを反応させO-(2-エトキシエチル)-ラパマイシンを製造することができる。
Figure 2005281296
また、R=ヒドロキシアルキルの具体例としては、下記一般式3で示されるO-(2-ヒドロキシ)エチル-ラパマイシンなどを例示することができる。
O-(2-ヒドロキシエチル)-ラパマイシンは、塩化メチレン中N,N-ジイソプロピルエチルアミン存在下、ラパマイシンとt-ブチルジメチルシリロキシエチルトリフレートを反応させ、t-ブチルジメチルシリル基を脱保護することによりO-(2-ヒドロキシエチル)-ラパマイシンを製造することができる。
Figure 2005281296
本発明の製造法におけるO-アルキル化ラパマイシン誘導体の合成で使用されるトリアルキルアミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリ(2-メチル-n-プロピル)アミン、トリ(3-メチル-n-プロピル)アミン、N,N-ジメチルエチルアミン、N,N-ジエチルメチルアミン、N,N-ジ-n-プロピルメチルアミン、N,N-ジイソプロピルメチルアミン、N,N-ジ-n-ブチルメチルアミン、N,N-ジ(2-メチル-n-プロピル)メチルアミン、N,N-ジ(3-メチル-n-プロピル)メチルアミン、N,N-ジ-n-プロピルエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジ-n-ブチルエチルアミン、N,N-ジ(2-メチル-n-プロピル)エチルアミン、N,N-ジ(3-メチル-n-プロピル)エチルアミンなどが挙げられ、より好ましくはトリエチルアミン、N,N-ジ-n-プロピルエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジ-n-ブチルエチルアミン、N,N-ジ(2-メチル-n-プロピル)エチルアミン、N,N-ジ(3-メチル-n-プロピル)エチルアミンであり、さらに好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミンである。
また、本発明の製造法におけるO-アルキル化ラパマイシン誘導体の合成で使用されるトリアルキルアミンは、ラパマイシンに対して5モル比以上用いるのが好ましく、より好ましくは10モル比以上であり、さらに好ましくは30モル比以上である。
また、本発明の製造法におけるO-アルキル化ラパマイシン誘導体の合成で使用される有機溶媒は、原料および反応生成物に対する溶解力を有していれば特に限定されないが、好ましくは塩化メチレン、クロロホルムである。
また、本発明の製造法におけるO-アルキル化ラパマイシン誘導体の合成で使用される有機溶媒は、原料および反応生成物に対する溶解力を有していれば特に限定されないが、好ましくはハロゲンを含む有機溶媒、より好ましくは塩素を含む有機溶媒、さらに好ましくは塩化メチレン、クロロホルムである。
また、本発明の製造法におけるO-アルキル化ラパマイシン誘導体の合成で使用される有機溶媒の量は、ラパマイシンに対して1重量以上用いるのが好ましく、より好ましくは2から6重量比である。
また、本発明の製造法におけるO-アルキル化ラパマイシン誘導体の合成で使用されるアルキルトリフレートの量は、ラパマイシンに対して1モル比以上用いるのが好ましく、より好ましくは5から20モル比である。
また、本発明の製造法において、合成されたO-アルキル化ラパマイシン誘導体の精製は、O-アルキル化ラパマイシン誘導体をアルコール等の水混和性溶媒に溶解させ、この溶液を水中に投入して析出させて行うことができる。また、O-アルキル化ラパマイシン誘導体を少なくとも1種類以上の水と混和する溶媒と水を含む混合溶媒にあらかじめ溶解させた後、放置して析出させることによっても精製することができる。
このようにして精製されたO-アルキル化ラパマイシン誘導体は粉末状である。O-アルキル化ラパマイシン誘導体を粉末状にすることによって、後述のステントへのコーティング時における取扱性が向上し、なおかつ品質安定性や保存安定性も向上する。
また、本発明の製造法における合成されたO-アルキル化ラパマイシン誘導体の精製に使用される溶媒は、水に混和すれば特に限定されないが、好ましくはアルコールであり、さらに好ましくはメタノールである。
また、本発明の製造法における合成されたO-アルキル化ラパマイシン誘導体の精製に使用される溶媒は、O-アルキル化ラパマイシンに対して3重量以上用いるのが好ましく、より好ましくは10重量以上である。
本発明の製造法において合成されたO-アルキル化ラパマイシン誘導体は、例えばステント等の医療器具にコーティングされる。前記O-アルキル化ラパマイシン誘導体でコーティングされたステントを血管等の病変部に留置することにより、前記O-アルキル化ラパマイシンが病変部に取り込まれて再狭窄が予防される。
次に実施例によって本発明を説明する。以下の実施例に示すように、本発明の製造法はO-アルキル化ラパマイシン誘導体を、効率よく製造できる。
(実施例1)
(1)2-エトキシエチルトリフレートの合成
エトキシエタノール9.0g(100mmol)を攪拌子入りの丸底フラスコの取り、窒素バブラーに接続して内部を窒素置換した。塩化メチレン160mLを加えて、さらに2,6-ルチジン23.3ml(120mmol)を加え、氷冷下、トリフルオロメタンスルフォン酸無水物20.2mL(120mmol)を20分間かけて滴下し、1時間攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)を加え、混合物を1N塩酸(100mL)、脱イオン水(100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)で順次洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、硫酸ナトリウムを濾過して除いた後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、20%酢酸エチル−ヘキサン溶出画分より、2-エトキシエチルトリフレート15.03g(収率67.6%)を得た。
(2)40-O-[(2'-エトキシ)エチル]ラパマイシンの合成
ラパマイシン1.0 g (1.09 mmol)を攪拌子入りの丸底フラスコに取り、上部にコンデンサーを接続した後、窒素バブラーに接続して内部を窒素置換した。塩化メチレン3.5 mLを加えて溶解させ、さらにN,N-ジイソプロピルエチルアミン10 mL (57.5 mmol)を加え、激しく攪拌しながら上記(1)で合成した2-エトキシエチルトリフレート1.95 g (8.78 mmol)を加え、さらに60℃の油浴中で1時間20分攪拌を続けた。混合物を100 mLの酢酸エチルで希釈し、100 mLの1N 塩酸、100 mLの脱イオン水、80 mLの飽和食塩水で順次洗浄した。酢酸エチル相を分離し、無水硫酸ナトリウム5gを加えて20分間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾過して除いた後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、直径 4cm、高さ26 cmのシリカゲルベッドを有する、カラムクロマトグラフにて精製を行った。300 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (1:1, v/v)、1000 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (3:2, v/v)、300 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (7:3, v/v)を順次溶離液として流し、目的のフラクションを集めて濃縮し、さらにデシケーター内で真空乾燥した。494 mg (0.501 mmol)の目的物を収率46%で得た。
(実施例2)
ラパマイシン1.0 g (1.09 mmol)を攪拌子入りの丸底フラスコに取り、上部にコンデンサーを接続した後、窒素バブラーに接続して内部を窒素置換した。クロロホルム3.5 mLを加えて溶解させ、さらにN,N-ジイソプロピルエチルアミン10 mL (57.5 mmol)を加え、激しく攪拌しながら上記実施例1の(1)で合成した2-エトキシエチルトリフレート1.95 g (8.78 mmol)を加え、さらに60℃の油浴中で1時間20分攪拌を続けた。混合物を100 mLの酢酸エチルで希釈し、100 mLの1N 塩酸、100 mLの脱イオン水、80 mLの飽和食塩水で順次洗浄した。酢酸エチル相を分離し、無水硫酸ナトリウム5gを加えて20分間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾過して除いた後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、直径 4cm、高さ26 cmのシリカゲルベッドを有する、カラムクロマトグラフにて精製を行った。300 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (1:1, v/v)、1000 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (3:2, v/v)、300 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (7:3, v/v)を順次溶離液として流し、目的のフラクションを集めて濃縮し、さらにデシケーター内で真空乾燥した。451 mg (0.458 mmol)の目的物を収率42%で得た。
(実施例3)
ラパマイシン1.0 g (1.09 mmol)を攪拌子入りの丸底フラスコに取り、上部にコンデンサーを接続した後、窒素バブラーに接続して内部を窒素置換した。塩化メチレン3.5 mLを加えて溶解させ、さらにトリエチルアミン8 mL (57.4 mmol)を加え、激しく攪拌しながら上記実施例1の(1)で合成した2-エトキシエチルトリフレート1.95 g (8.78 mmol)を加え、さらに60℃の油浴中で1時間20分攪拌を続けた。混合物を100 mLの酢酸エチルで希釈し、100 mLの1N 塩酸、100 mLの脱イオン水、80 mLの飽和食塩水で順次洗浄した。酢酸エチル相を分離し、無水硫酸ナトリウム5gを加えて20分間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾過して除いた後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、直径 4cm、高さ26 cmのシリカゲルベッドを有する、カラムクロマトグラフにて精製を行った。300 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (1:1, v/v)、1000 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (3:2, v/v)、300 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (7:3, v/v)を順次溶離液として流し、目的のフラクションを集めて濃縮し、さらにデシケーター内で真空乾燥した。344mg (0.349 mmol)の目的物を収率32%で得た。
(実施例4)
上記実施例1で得た40-O-[(2'-エトキシエチル]ラパマイシン500 mgを2 mLのメタノールに溶解し、攪拌した脱イオン水20 mL中に滴下した。析出した固体を濾過し、少量の水で洗浄した後、減圧下40℃で10時間以上乾燥した。483 mgの白色粉末を得た。
本化合物のNMRのチャートを図1に示す。このチャートは、40-O-[(2'-エトキシ)エチル]ラパマイシン(一般式4)の構造を支持している。
Figure 2005281296
(比較例)
WO94/09010号公報に記載の合成法に従って、40-O-[(2'-エトキシ)エチル]ラパマイシンの合成を行い、収率を求めた。
ラパマイシン1.0 g (1.09 mmol)を攪拌子入りの丸底フラスコに取り、上部にコンデンサーを接続した後、窒素バブラーに接続して内部を窒素置換した。トルエン3.5 mLを加えて溶解させ、さらに2,6-ルチジン467 mg (4.36 mmol)を加え、激しく攪拌しながら上記実施例1の(1)で合成した2−エトキシエチルトリフレート1.95 g (8.78 mmol)を加え、さらに60℃の油浴中で1時間20分攪拌を続けた。混合物を100 mLの酢酸エチルで希釈し、100 mLの1N 塩酸、100 mLの脱イオン水、80 mLの飽和食塩水で順次洗浄した。酢酸エチル相を分離し、無水硫酸ナトリウム5gを加えて20分間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾過して除いた後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、直径 4cm、高さ26 cmのシリカゲルベッドを有する、カラムクロマトグラフにて精製を行った。300 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (1:1, v/v)、1000 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (3:2, v/v)、300 mLの酢酸エチル/n-ヘキサン (7:3, v/v)を順次溶離液として流し、目的のフラクションを集めて濃縮し、さらにデシケーター内で真空乾燥した。247 mg (0.251 mmol)の目的物を収率23%で得た。
図1は、本発明の製造法において、合成された化合物がO-(2-エトキシエチル)-ラパマイシンであることを示すNMRのチャートである。

Claims (14)

  1. 有機溶媒中でラパマイシンとアルキルトリフレートとを反応させ下記一般式1で示されるO-アルキル化ラパマイシン誘導体を合成するにあたり、該反応をトリアルキルアミンが存在する条件下で行うことを特徴とするO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
    Figure 2005281296

    (式1中、Rが、アルキル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アシルアミノアルキル、またはアリールである。)
  2. 上記トリアルキルアミンをラパマイシンに対して30モル比以上用いる請求項1に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  3. 上記トリアルキルアミンがN,N-ジイソプロピルエチルアミンである請求項1または2に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  4. 上記有機溶媒が、塩素を含む有機溶媒である請求項1〜3のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  5. 上記塩素を含む有機溶媒が、塩化メチレンまたはクロロホルムである請求項4に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  6. 上記有機溶媒をラパマイシンに対して2から6重量比用いる請求項1〜5のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  7. 上記アルキルトリフレートをO-アルキル化ラパマイシン誘導体に対して5から20モル比用いる請求項1〜6のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  8. 上記アルキルトリフレートが2-エトキシエチルトリフレートである請求項1〜7のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  9. 請求項1〜8のいずれかの方法でO-アルキル化ラパマイシン誘導体を合成した後、引き続き、得られた該誘導体を少なくとも1種類以上の水と混和可能な溶媒と水とを含む混合溶媒へ投入、あるいは少なくとも1種類以上の水と混和可能な溶媒にあらかじめ溶解させ次いで水あるいは水を含む混合溶媒へ投入し、析出させることによってO-アルキル化ラパマイシン誘導体を精製する工程を含む請求項1〜8のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  10. 上記水と混和可能な溶媒をO-アルキル化ラパマイシン誘導体に対して2から10重量比用いる請求項9に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  11. 上記水をO-アルキル化ラパマイシン誘導体に対して10重量比以上用いる請求項9または10に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  12. 上記水と混和可能な溶媒がアルコール類である請求項9〜11のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  13. 上記アルコール類がメタノールである請求項12に記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。
  14. 上記析出は、O-アルキル化ラパマイシン誘導体を少なくとも1種類以上の水と混和する溶媒を含む溶媒にあらかじめ溶解させた後、水もしくは少なくとも1種類以上の水と混和する溶媒と水を含む混合溶媒に投入することにより行われるものである請求項9〜13のいずれかに記載のO-アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法。

JP2005040473A 2004-03-01 2005-02-17 O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法 Active JP4716280B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005040473A JP4716280B2 (ja) 2004-03-01 2005-02-17 O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004056233 2004-03-01
JP2004056233 2004-03-01
JP2005040473A JP4716280B2 (ja) 2004-03-01 2005-02-17 O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008130382A Division JP4267053B2 (ja) 2004-03-01 2008-05-19 O−アルキル化ラパマイシン誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005281296A true JP2005281296A (ja) 2005-10-13
JP4716280B2 JP4716280B2 (ja) 2011-07-06

Family

ID=35180065

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005040473A Active JP4716280B2 (ja) 2004-03-01 2005-02-17 O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4716280B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008065887A1 (fr) 2006-11-27 2008-06-05 Terumo Kabushiki Kaisha Procédé de fabrication d'un dérivé de rapamycine o-alkylé, et dérivé de rapamycine o-alkylée
JP2016505048A (ja) * 2013-01-22 2016-02-18 バイオセンサーズ インターナショナル グループ、リミテッド ラパマイシン誘導体の低温合成
JP2016523246A (ja) * 2013-06-20 2016-08-08 ノバルティス アーゲー アルキルフルオロアルキルスルホネートによるアルキル化
JP2019089848A (ja) * 2013-03-15 2019-06-13 バイオセンサーズ インターナショナル グループ、リミテッド ラパマイシン誘導体の精製

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001500126A (ja) * 1996-09-09 2001-01-09 アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレイション アルキル化ラパマイシン誘導体
WO2001014387A1 (en) * 1999-08-24 2001-03-01 Ariad Gene Therapeutics, Inc. 28-epirapalogs

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9221220D0 (en) * 1992-10-09 1992-11-25 Sandoz Ag Organic componds
CA2175215C (en) * 1993-11-19 2008-06-03 Yat Sun Or Semisynthetic analogs of rapamycin (macrolides) being immunomodulators

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001500126A (ja) * 1996-09-09 2001-01-09 アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレイション アルキル化ラパマイシン誘導体
WO2001014387A1 (en) * 1999-08-24 2001-03-01 Ariad Gene Therapeutics, Inc. 28-epirapalogs

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008065887A1 (fr) 2006-11-27 2008-06-05 Terumo Kabushiki Kaisha Procédé de fabrication d'un dérivé de rapamycine o-alkylé, et dérivé de rapamycine o-alkylée
US7812155B2 (en) 2006-11-27 2010-10-12 Terumo Kabushiki Kaisha Process for preparing an o-alkylated rapamycin derivative and o-alkylated rapamycin derivative
JP5456321B2 (ja) * 2006-11-27 2014-03-26 テルモ株式会社 O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造方法およびo−アルキル化ラパマイシン誘導体
JP2016505048A (ja) * 2013-01-22 2016-02-18 バイオセンサーズ インターナショナル グループ、リミテッド ラパマイシン誘導体の低温合成
JP2019089848A (ja) * 2013-03-15 2019-06-13 バイオセンサーズ インターナショナル グループ、リミテッド ラパマイシン誘導体の精製
US11046711B2 (en) 2013-03-15 2021-06-29 Biosensors International Group, Ltd. Purification of rapamycin derivatives using temperature induced phase separation
US11780850B2 (en) 2013-03-15 2023-10-10 Biosensors International Group, Ltd. Purification of rapamycin derivatives using temperature induced phase separation
JP2016523246A (ja) * 2013-06-20 2016-08-08 ノバルティス アーゲー アルキルフルオロアルキルスルホネートによるアルキル化

Also Published As

Publication number Publication date
JP4716280B2 (ja) 2011-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4267053B2 (ja) O−アルキル化ラパマイシン誘導体
EP3077399B1 (en) Methods useful in the synthesis of halichondrin b analogs
JP5456321B2 (ja) O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造方法およびo−アルキル化ラパマイシン誘導体
EP2640730B1 (en) Processes for preparation of everolimus and intermediates thereof
JP2010539101A (ja) インテグラーゼ阻害剤の調製のためのプロセスおよび中間体
EP1740593A1 (en) Processes for the preparation of clopidogrel hydrogen sulfate polymorphic form i
ES2608860T3 (es) Proceso e intermedios para preparar inhibidores de la integrasa
US9765088B2 (en) Process for the preparation of rifamycin derivatives
US20040242556A1 (en) Novel crystalline form of cefdinir
JP4716280B2 (ja) O−アルキル化ラパマイシン誘導体の製造法
CN112047888A (zh) 一种合成恩杂鲁胺的方法
CN106977415B (zh) 一种沙库必曲的中间体及其制备方法
EP3105231A1 (en) A process for preparation of (2s,5r)-6-sulphooxy-7-oxo-2-[((3r)-piperidine-3-carbonyl)-hydrazinocarbonyl]-1,6-diaza-bicyclo[3.2.1] octane
WO2021050977A1 (en) Processes for the synthesis of valbenazine
WO2009075776A1 (en) Process for the preparation of retapamulin and its intermediates
CN117062820A (zh) 生物素的制造方法、以及生物素的l-赖氨酸盐及其制造方法
CN102367216A (zh) 一种二硒代氨基甲酸酯衍生物的制备方法
CN100418972C (zh) 一种头孢烯类鎓盐化合物及其制备方法和用它制备头孢吡肟的应用
CN107540640A (zh) 一种改性还原剂及其制备方法和应用
AU2003249262B2 (en) Process for the preparation of imidazo(1,2-a)pyridine-3-acetamides
CN108530381B (zh) 一种由酰胺酯制备二胺衍生物的方法
CN115368319A (zh) 一种苄肼类化合物的制备方法
CN117658900A (zh) 一种四氢萘啶类化合物的制备方法及其中间体
CN111138333A (zh) 一种(r)-2-(2,5-二氟苯基)-吡咯烷的制备方法
CN115385840A (zh) 制备3-甲氧基氮杂环丁烷盐酸盐的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250