JP2005280621A - バーハンドル車両用操作レバー - Google Patents

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Abstract

【課題】 握り代調整手段を備えた操作レバーにおけるノッカーの小型軽量化が図れるとともに、加工コストの削減も図れるバーハンドル車両用操作レバーを提供する。
【解決手段】 ノッカー21に円柱状の駒部材24を、その回動軸をピボット18の回動軸と平行な方向に向けて回動可能に装着する。駒部材24に設けた取付孔24aにプッシュロッド5の突出端5a側を挿入するとともに、ノッカー21における握り代調整手段22の当接部21eと駒部材24とをプッシュロッド5の軸線方向に配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バーハンドル車両用操作レバーに関し、詳しくは、自動二輪車を始め、車体前部に操向用のハンドルバーを備える自動三輪車や三・四輪バギー車,スノーモービル等の各種バーハンドル車両にあって、ハンドルバーに取着される液圧マスタシリンダのシリンダボディが、中心軸をハンドルバーと直交する方向に向けて配設される縦置き型の液圧マスタシリンダに付設されるブレーキレバーやクラッチレバー等のバーハンドル車両用操作レバーに関する。
バーハンドル車両用の液圧マスタシリンダにあっては、液圧マスタシリンダに付設される操作レバーを、ハンドルバー端部のグリップの前方に配設されるレバー本体と、液圧マスタシリンダに内挿されたピストンを押動するノッカーとの2ピースに分割し、レバー本体とノッカーとの間に握り代調整手段を設けたものがある。
この操作レバーは、レバー本体の回動基部を上腕と下腕とを有する二股状に形成してノッカー挿入部とし、このノッカー挿入部にノッカーを挿入して上腕及び下腕の両回動基部間に前記ノッカーの回動基部を挟んだ状態で、液圧マスタシリンダのシリンダボディに延設された上下一対のレバーホルダの間に差し込み、双方の回動基部を1本のピボットにてレバーホルダに回動可能に枢支している。また、握り代調整手段としては、アジャストカムと一体に回動する操作ダイヤルを回動操作し、アジャストカムに設けられた複数のカム面のいずれか1つのカム面をノッカーのアジャストカム当接面に選択的に当接させることにより、レバー本体の握り操作部とグリップとの間に設定される握り代を拡縮調整できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、液圧マスタシリンダと操作レバーの位置関係において、液圧マスタシリンダの軸線と操作レバーとを直交する方向に配置し、操作レバーから押込み部材(プッシュロッド)を介してピストンを押動するように構成し、ハンドルバー端部のグリップの前方にハンドルバーに略平行な方向に配設されるレバー本体に対し、液圧マスタシリンダの軸線をハンドルバーに直交する方向に向けた縦置き型の液圧マスタシリンダ装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−180559号公報 実公平4−34157号公報
しかし、前記特許文献1に記載の構造では、ノッカーにおける握り代調整手段の当接部が、ノッカーのピストン押動部よりもレバー本体の握り操作部方向に突出した回動端となっているため、操作レバーを操作したときにノッカーに曲げ応力が加わることになり、これに耐えるだけの強度を確保しなければならず、ノッカーの大型化や重量増を招くという問題があった。一方、特許文献2に記載の構造では、操作レバーのプッシュロッド押動部がピン(ピボット)を中心として円弧状に動き、これによってプッシュロッドが液圧マスタシリンダの軸線に対して傾動する状態となるため、プッシュロッドの強度を確保する必要があるだけでなく、プッシュロッドの両端を球面で支承しなければならず、合計で4箇所を球面に加工する必要があることから加工コストも問題となる。
そこで本発明は、握り代調整手段を備えた操作レバーにおけるノッカーの小型軽量化が図れるとともに、加工コストの削減も図れるバーハンドル車両用操作レバーを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のバーハンドル車両用操作レバーは、シリンダボディの中心軸をハンドルバーと直交する方向に向けて配設した縦置き型の液圧マスタシリンダに延設されたレバーホルダに回動可能に付設される操作レバーを、ハンドルバー端部のグリップの前方に配設されるレバー本体と、前記液圧マスタシリンダに内挿されたピストンをプッシュロッドを介して押動するノッカーとに分割し、前記レバー本体の回動基部及びノッカーの回動基部を前記レバーホルダに挿通したピボットにより枢支し、前記レバー本体とノッカーとの間に握り代調整手段を設けたバーハンドル車両用操作レバーにおいて、前記ノッカーにおける握り代調整手段の当接部を前記プッシュロッドの軸線方向に配置したことを特徴としている。
さらに、本発明のバーハンドル車両用操作レバーは、前記ノッカーに、円柱状の駒部材を、その回動軸を前記ピボットの回動軸と平行な方向に向けて回動可能に装着し、該駒部材に設けた取付孔に前記プッシュロッドの突出端側を挿入するとともに、該ノッカーにおける前記握り代調整手段の当接部と前記駒部材とを前記プッシュロッドの軸線方向に配置したことを特徴としている。
本発明のバーハンドル車両用操作レバーによれば、ノッカーの回動端を握り代調整手段とプッシュロッドとの間に位置する部分までにすることができ、従来に比べてピボット挿通部からの長さを短くできる。また、ノッカーにはほとんど曲げ応力が加わらないので、必要とされる強度も小さくなる。これらにより、ノッカーの小型軽量化が図れる。さらに、ノッカーに駒部材を回動可能に装着し、プッシュロッドの突出端を挿入して支持することにより、プッシュロッドの突出端を球面で支承する必要がなくなり、加工性が向上して加工コストを低減できる。しかも、プッシュロッドの両端を球面で支承する場合に比べて、突出端側が駒部材に挿入支持されているので、プッシュロッドに必要とされる強度も小さくすることができ、プッシュロッドを従来よりも細く形成することが可能となる。
また、ノッカーに駒部材を回動可能に装着し、前述のようにノッカーのピストン押動部より先端側の回動端を握り代調整手段で押圧する構造の場合、操作レバーの入力方向に過大な荷重が作用したとき、その荷重が握り代調整手段からノッカーの回動端に伝わり、駒部材を回動可能に装着している部分に駒部材を締め付けるような応力が加わり、これが原因で駒部材の円滑な回動が損なわれてしまうおそれがあるが、上述のように、握り代調整手段の当接部と駒部材とを前記プッシュロッドの軸線方向に配置することにより、操作レバーの入力方向に過大な荷重が作用したときでも、駒部材を締め付けるような応力が発生せず、駒部材の円滑な回動が損なわれることはない。
図1乃至図3は、本発明のバーハンドル車両用操作レバーをバーハンドル車両のフロントブレーキ用縦置き型液圧マスタシリンダ装置に適用した一形態例を示すもので、図1は本発明の一形態例を示す液圧マスタシリンダ装置の要部断面図、図2は同じく液圧マスタシリンダ装置をハンドルバーに取り付けた状態の正面図、図3は図2のIII−III断面図を示している。
まず、液圧マスタシリンダ装置1は、車体前部で図示しない前輪を操向するハンドルバー2に取着される液圧マスタシリンダ3と、該液圧マスタシリンダ3に付設される操作レバー4と、これらの間に介装されるプッシュロッド5とを備えている。
液圧マスタシリンダ3は、ハンドルバー2と直交方向に配設されたシリンダボディ3aに有底のシリンダ孔3bを車体前部側に開口して穿設し、該シリンダ孔3bにピストン6を内挿した縦置き型のマスタシリンダであって、シリンダボディ3aと一体のブラケット半体3cと、別途の半割体ブラケット7とでハンドルバー端部のアクセルグリップ8の近傍を包持し、これらをボルト9,9で締結してハンドルバー2の車体前部側に取り付けられている。
シリンダ孔3bには、上述のピストン6がカップシール10,11を用いて液密且つ移動可能に内挿され、このピストン6とシリンダ孔3bの底壁との間に液圧室12が画成されている。シリンダ孔3bの底壁とピストン6との間にはリターンスプリング13が縮設されており、ピストン6は、リターンスプリング13の弾発力によってシリンダ孔3bの開口部方向へ常時付勢されている。ピストン6の非作動時の後退限は、プッシュロッド5により規制されている。
シリンダボディ3aの周壁には、リリーフポート14とサプライポート15とがシリンダ孔3bに連通して設けられている。両ポート14,15は、コネクタ16からホースを介してリザーバ(図示せず)に接続されており、シリンダ孔3bとリザーバとの間を作動液が流通するようにしている。シリンダボディ3aの前端には、上下一対のレバーホルダ3d,3dが所定の間隙をおいて突設されており、前記操作レバー4は、このレバーホルダ3d,3dにカラー17とピボット18とを用いて回動可能に軸着されている。
操作レバー4は、アクセルグリップ8の車体前方に配設される鋳物製のレバー本体20と、プッシュロッド5を押動するノッカー21とに分割された2ピースタイプであり、レバー本体20とノッカー21との間に握り代調整手段22が設けられている。レバー本体20は、前記ピボット18によってレバーホルダ3d,3d間に回動可能に軸支される回動基部20aと、アクセルグリップ8の車体前方に略沿って配設される握り操作部20bと、握り代調整手段22を配設するための凹部20cとを有している。
回動基部20aは、上下に二股状に離間した板状の上腕20d及び下腕20eと、これらの車体前部側を連結する連結部20fとによって車体後部側が開口した断面コ字状に形成されており、連結部20fは車体前部側に膨出するように形成されている。前記上腕20d,下腕20e,連結部20fにより、ノッカー挿入部20gが画成され、該ノッカー挿入部20gに連続して、前記凹部20cが前記連結部20fに形成されている。さらに、上下両腕20d,20eには、前記ピボット18とカラー17の装着孔が同軸上に穿設されている。
ノッカー21は、レバー本体20のノッカー挿入部20gに挿入されて上腕20dと下腕20eとの間に挟まれた状態で設けられており、ピボット18に回動可能に軸支される回動基部21aと、回動基部21aからシリンダボディ上方に延出される作用腕21bと、ノッカー21の回動量を規制するためのストッパー片21cとを備えている。
前記回動基部21aには、カラー17を介してピボット18を差し込むためのピボット挿通部21dが穿設されている。また、作用腕21bには、レバー本体20の凹部20cと向き合う握り代調整手段22の当接部21eと、シリンダ孔3bの開口部と向き合う円形のボス孔21fとが、プッシュロッド5の軸線方向に配設されている。前記当接部21eには、補強用の断面T字状のリテーナ23が装着されるとともに、ボス孔21fには、円柱状の駒部材24が装着され、該駒部材24の回動軸は、前記ピボットの回動軸と平行な方向に向けて回動可能に設けられる。また、該駒部材24には、プッシュロッド5の突出端部5aを装着するための取付孔24aが凹設されている。
握り代調整手段22は、レバー本体20の凹部20cに挿入されるカム軸部22aと、レバー本体20の上面に配置される操作ダイヤル22bとを有するアジャストピン22cを備えており、カム軸部22aには、中心軸から不等距離に設定された複数のカム面22dが設けられている。この握り代調整手段22は、操作ダイヤル22bを回動操作して複数のカム面22dのいずれか1つのカム面をノッカー21の当接部21eに選択的に当接させることにより、レバー本体20の握り操作部20bとアクセルグリップ8との間に設定される握り代を拡縮調整できるようにしている。
また、レバー本体側のストッパー片21cとレバー本体20の回動基部20aの先端部との間には、スプリング25が縮設されており、当接部21eに当接するカム面22dを任意に選択しても、このスプリング25の弾発力によってカム面22dが当接部21eに常に圧接した状態となるので、レバー本体20のガタ付きが抑えられる。
レバー本体20とノッカー21とは、レバーホルダ3d,3dに装着する前に、レバー本体20の回動基部20aの上腕20dと下腕20eとの間のノッカー挿入部20gにノッカー21の回動基部21aを差し込み、両回動基部20a,21aの装着孔とピボット挿通部21dとを位置合わせしてカラー17を挿入することにより、操作レバー4として仮組みされる。この状態で双方の回動基部20a,21aをレバーホルダ3d,3d間に差し込み、カラー17とレバーホルダ3d,3dに形成した挿通孔とを位置合わせし、ピボット18を装着することによってレバー本体20及びノッカー21がピボット18回りに回動可能に軸支された状態となる。
このように装着された操作レバー4と液圧マスタシリンダ3のピストン6との間には、前述のプッシュロッド5が介装される。プッシュロッド5は、軸部5bの基端に球状部5cを有しており、この球状部5cをピストン6の後端に形成された半球状係合孔6aに回動可能に係合させるとともに、軸部5bの突出端部5aをノッカー21に装着された駒部材24の取付孔24aに挿入して装着される。
このように液圧マスタシリンダ3に装着された操作レバー4には、液圧室12内部のリターンスプリング13の弾発力がピストン6及びプッシュロッド5を通して常時作用し、操作レバー4の非作動時の位置は、ノッカー21のストッパー片21cとシリンダボディ3aの一側壁との当接及び握り代調整手段22で選択したカム面22dによって設定され、レバー本体20の握り操作部20bとアクセルグリップ8と間に所定の握り代が形成される。
バーハンドル車両の走行時に、ライダーが操作レバー4を握り操作すると、レバー本体20とノッカー21とがピボット18を支点に一体となって作動方向(アクセルグリップ8方向)へ回動し、ノッカー21の作用腕21bが駒部材24を介してプッシュロッド5を押動し、プッシュロッド5がピストン6をシリンダ孔3bの底部方向へ押し込む。これにより、液圧室12の作動液が昇圧してフロントブレーキに供給され、前輪の制動作用が行われる。
上述のように、本形態例の操作レバー4によれば、ノッカー21の回動端を握り代調整手段22とプッシュロッド5との間に位置する部分までにすることができ、従来に比べてピボット挿通部21dからの長さを短くできる。また、ライダーの操作力は、レバー本体20から握り代調整手段22のアジャストピン22cを介してノッカー21の作用腕21bに伝達され、さらにノッカー21から駒部材24、プッシュロッド5を介してピストン6に伝達され行くが、このとき、ノッカー21にはほとんど曲げ応力が加わらないので、必要とされる強度も小さくなる。これらにより、ノッカー21の小型軽量化が図れる。
さらに、ノッカー21に駒部材24を回動可能に装着し、プッシュロッド5の突出端部5aを挿入して支持することにより、プッシュロッド5の突出端部5aを球面で支承する必要がなくなり、加工性が向上して加工コストを低減できる。しかも、プッシュロッド5の両端を球面で支承する場合に比べて、突出端部側が駒部材24に挿入支持されているので、プッシュロッド5に必要とされる強度も小さくすることができ、プッシュロッド5を従来よりも細く形成することが可能となる。また、上述のように、握り代調整手段22の当接部21eと駒部材24とをプッシュロッド5の軸線方向に配置することにより、操作レバー4の入力方向に過大な荷重が作用したときでも、駒部材24を締め付けるような応力が発生せず、駒部材24の円滑な回動が損なわれることはない。
尚、上述の形態例では握り代調整手段は、レバー本体の凹部に挿入されるカム軸部のカム面とノッカーの当接部とを選択的に当接させて握り代を調整するカム式のものに限らず、操作レバー側に設けたアジャストボルトの先端をノッカーの当接部に当接させ、該アジャストボルトを回動させることによって握り代を調整するネジ式ものにも適用できる。
本発明の一形態例を示す液圧マスタシリンダ装置の要部拡大断面図である。 同じく液圧マスタシリンダ装置をハンドルバーに取り付けた状態を示す正面図である。 図2のIII−III断面図である。
符号の説明
1…液圧マスタシリンダ装置、2…ハンドルバー、3…液圧マスタシリンダ、3a…シリンダボディ、3b…シリンダ孔、3c…ブラケット半体、3d…レバーホルダ、4…操作レバー、5…プッシュロッド、5a…突出端部、6…ピストン、17…カラー、18…ピボット、20…レバー本体、20a…回動基部、20b…握り操作部、20c…凹部、20d…上腕、20e…下腕、20f…連結部、20g…ノッカー挿入部、21…ノッカー、21a…回動基部、21b…作用腕、21c…ストッパー片、21d…ピボット挿通部、21e…当接部、21f…ボス孔、22…握り代調整手段、22a…カム軸部、22b…操作ダイヤル、22c…アジャストピン、22d…カム面、23…リテーナ、24…駒部材、24a…取付孔、25…スプリング

Claims (2)

  1. シリンダボディの中心軸をハンドルバーと直交する方向に向けて配設した縦置き型の液圧マスタシリンダに延設されたレバーホルダに回動可能に付設される操作レバーを、ハンドルバー端部のグリップの前方に配設されるレバー本体と、前記液圧マスタシリンダに内挿されたピストンをプッシュロッドを介して押動するノッカーとに分割し、前記レバー本体の回動基部及びノッカーの回動基部を前記レバーホルダに挿通したピボットにより枢支し、前記レバー本体とノッカーとの間に握り代調整手段を設けたバーハンドル車両用操作レバーにおいて、前記ノッカーにおける握り代調整手段の当接部を前記プッシュロッドの軸線方向に配置したことを特徴とするバーハンドル車両用操作レバー。
  2. 前記ノッカーに、円柱状の駒部材を、その回動軸を前記ピボットの回動軸と平行な方向に向けて回動可能に装着し、該駒部材に設けた取付孔に前記プッシュロッドの突出端側を挿入するとともに、該ノッカーにおける前記握り代調整手段の当接部と前記駒部材とを前記プッシュロッドの軸線方向に配置したことを特徴とする請求項1記載のバーハンドル車両用操作レバー。
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