JP2005280600A - 作業車の旋回制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 直進状態から左旋回状態や右旋回状態に切換えるときの違和感の発生を抑制できる作業車の旋回制御装置を提供する
【解決手段】 伝動状態切換手段(A)が、直進用の無段変速装置(7)の変速出力及び前記旋回用の無段変速装置(8)の変速出力の夫々を左右一対の走行装置(1L、1R)の夫々に伝達する、又は、直進用の無段変速装置(7)の変速出力を左右一対の走行装置(1L、1R)の夫々に伝達し且つ旋回用の無段変速装置(8)の変速出力を左右一対の走行装置(1L、1R)のうちの旋回方向側の走行装置に伝達する旋回予備状態に切換え自在に構成され、制御手段(H)が、旋回指令手段(56)にて左旋回が指令されると、旋回予備状態に一旦操作する左旋回用旋回予備制御処理を実行したのち、左旋回制御処理を実行し、且つ、旋回指令手段(56)にて右旋回が指令されると、旋回予備状態に一旦操作する右旋回用旋回予備制御処理を実行したのち、右旋回制御処理を実行する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、直進用の無段変速装置の変速出力を左右一対の走行装置の夫々に伝達する直進用伝動状態、前記直進用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達し且つ旋回用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達する左旋回用伝動状態、及び、前記直進用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達する右旋回用伝動状態に切り換え自在な伝動状態切換手段と、
前記旋回用の無段変速装置の変速用の被操作体を変速操作する変速操作手段と、
前記直進用の無段変速装置を手動操作にて変速するための手動操作式の変速操作具と、
直進、右旋回、及び、左旋回を指令する旋回指令手段と、
前記伝動状態切換手段及び前記変速操作手段の作動を制御する制御手段とが備えられ、
前記制御手段が、
前記旋回指令手段にて直進が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記直進用伝動状態に切り換えて、前記旋回用の無段変速装置が前記直進用の無段変速装置と同じ又は略同じ速度になるように、前記変速操作手段の作動を制御する直進制御処理を実行し、
前記旋回指令手段にて右旋回が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記右旋回用伝動状態に切り換えて前記旋回用の無段変速装置が旋回用の目標速度になるように前記変速操作手段の作動を制御する右旋回制御処理を実行し、且つ、前記旋回指令手段にて左旋回が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記左旋回用伝動状態に切り換えて前記旋回用の無段変速装置が旋回用の目標速度になるように前記変速操作手段の作動を制御する左旋回制御処理を実行するように構成されている作業車の旋回制御装置作業車の旋回制御装置に関する。
かかる作業車の旋回制御装置の従来の構成においては、旋回指令手段にて直進が指令されると、直進用の無段変速装置の変速出力を左右一対の走行装置の夫々に伝達する直進用伝動状態に切り換え、旋回指令手段にて右旋回が指令されると、直進用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達し且つ旋回用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達する右旋回用伝動状態に切り換え、旋回指令手段にて左旋回が指令されると、直進用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達し且つ旋回用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達する左旋回用伝動状態に切り換えるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、かかる作業車の旋回制御装置は、直進状態において、旋回用の無段変速装置を直進用の無段変速装置を同じ又は略同じ速度になるように変速制御して、直進状態から左旋回状態や右旋回状態に切換えた際に、直進用の無段変速装置の変速出力にて駆動される状態から旋回用の無段変速装置の変速出力にて駆動される状態に切り換わる走行装置の駆動速度が大きく変化しないようにすることにより、このような駆動状態が切り換わる際に走行装置の駆動速度が大きく変化した場合において発生するショック等の違和感を搭乗者に与えることを抑制できるようにしたものである。
特開2002−362403号公報
上記作業車の旋回制御装置においては、直進状態において、旋回用の無段変速装置を直進用の無段変速装置を同じ又は略同じ速度になるように変速制御することになるが、このような変速制御において、制御系の遅れ等に起因して、旋回用無段変速装置の実際の速度が直進用の無段変速装置の速度からずれを招くことは回避できないものであり、特に直進用の無段変速装置が大きく変速操作されたときなどにおいては、旋回用無段変速装置の実際の速度が直進用の無段変速装置の速度からかなり大きくずれることになる。
このように旋回用無段変速装置の実際の速度と直進用の無段変速装置の速度とがずれると、直進状態から左旋回状態や右旋回状態に切換えた際に発生するショック等による違和感を十分に回避できないものとなり、改善が望まれていた。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、直進状態から左旋回状態や右旋回状態に切換えるときの違和感の発生を抑制できる作業車の旋回制御装置を提供する点にある。
本発明の作業車の旋回制御装置は、直進用の無段変速装置の変速出力を左右一対の走行装置の夫々に伝達する直進用伝動状態、前記直進用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達し且つ旋回用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達する左旋回用伝動状態、及び、前記直進用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達する右旋回用伝動状態に切り換え自在な伝動状態切換手段と、
前記旋回用の無段変速装置の変速用の被操作体を変速操作する変速操作手段と、
前記直進用の無段変速装置を手動操作にて変速するための手動操作式の変速操作具と、
直進、右旋回、及び、左旋回を指令する旋回指令手段と、
前記伝動状態切換手段及び前記変速操作手段の作動を制御する制御手段とが備えられ、
前記制御手段が、
前記旋回指令手段にて直進が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記直進用伝動状態に切り換えて、前記旋回用の無段変速装置が前記直進用の無段変速装置と同じ又は略同じ速度になるように、前記変速操作手段の作動を制御する直進制御処理を実行し、
前記旋回指令手段にて右旋回が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記右旋回用伝動状態に切り換えて前記旋回用の無段変速装置が旋回用の目標速度になるように前記変速操作手段の作動を制御する右旋回制御処理を実行し、且つ、前記旋回指令手段にて左旋回が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記左旋回用伝動状態に切り換えて前記旋回用の無段変速装置が旋回用の目標速度になるように前記変速操作手段の作動を制御する左旋回制御処理を実行するように構成されているものであって、
その第1特徴構成は、前記伝動状態切換手段が、前記直進用の無段変速装置の変速出力及び前記前記旋回用の無段変速装置の変速出力の夫々を前記左右一対の走行装置の夫々に伝達する、又は、前記直進用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置の夫々に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置のうちの旋回方向側の走行装置に伝達する旋回予備状態に切換え自在に構成され、
前記制御手段が、前記旋回指令手段にて左旋回が指令されると、前記旋回予備状態に一旦操作する左旋回用旋回予備制御処理を実行したのち、前記左旋回制御処理を実行し、且つ、前記旋回指令手段にて右旋回が指令されると、前記旋回予備状態に一旦操作する右旋回用旋回予備制御処理を実行したのち、前記右旋回制御処理を実行するように構成されている点にある。
第1特徴構成によれば、直進状態から左旋回状態や右旋回状態に切換えるときに、一旦伝動状態切換え手段を旋回予備状態に切換える左旋回用旋回予備制御処理や右旋回用予備制御処理が実行されたのち、左旋回制御処理や右旋回制御処理が実行されることになる。
そして、左旋回用旋回予備制御処理や右旋回用予備制御処理が実行されると、直進用の無段変速装置と旋回用の無段変速装置とが互いに伝動状態になるため、両無段変速装置のうちで高速側のものがスリップを起こして低速側になることや、両無段変速装置のうちで低速側のものが高速側のものの駆動力にて高速側になることにより、両者が同じ速度になるあるいは極めて近い速度になるのであり、引き続き左旋回制御処理や右旋回制御処理が実行されたときに、両無段変速装置の速度差に起因したショックの発生により違和感を与えることを的確に回避できるものとなる。
したがって、直進状態から左旋回状態や右旋回状態に切換えるときの違和感の発生を抑制できる作業車の旋回制御装置を提供するに至った。
本発明の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記伝動状態切換手段が、前記直進用の無段変速装置の変速出力が前記左右一対の走行装置の夫々に伝達されることを各別に断続する左右一対の直進用クラッチ、及び、前記旋回用の無段変速装置の変速出力が前記左右一対の走行装置に伝達されることを各別に断続する左右一対の摩擦式旋回用クラッチを備えて構成されている点を特徴とする。
第2特徴構成によれば、直進用伝動状態では、左右一対の直進用クラッチを入りで且つ前記左右の旋回用クラッチを切にし、左旋回用伝動状態では、右直進用クラッチ及び前記左旋回用クラッチを入りで且つ左直進クラッチ及び右旋回用クラッチを切にし、及び、右旋回用伝動状態では、左直進用クラッチ及び前記右旋回用クラッチを入りで且つ右直進クラッチ及び前記左旋回用クラッチを切にする形態で、伝動状態の切換えが行われることになり、加えて、旋回予備伝動状態では、左右の直進用クラッチ及び左右の旋回用クラッチの全てを入りにする、あるいは、左右の直進用クラッチ及び旋回側の旋回用クラッチを入りにする形態で旋回予備伝動が行われることになる。
そして、左旋回用伝動状態、右旋回用伝動状態、及び、旋回予備伝動状態のいずれの伝動状態に切換えるときも、旋回側の旋回用クラッチが摩擦式であるから、伝動状態に切換え途中におけるスリップ作用にて伝動状態の切換えをショックの発生を抑制した状態で行えるものとなるのである。
したがって、伝動状態の切換えのときのショックの発生に違和感を招くことをも回避できるものとなって、一層良好に使用できる作業車の旋回制御装置を得るに至った。
本発明の第3特徴構成は、上記第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、
前記旋回指令手段が、前記直進を指令する直進用指令位置、その直進用指令位置に隣接位置して前記左旋回を指令しかつその直進用指令位置に対する遠近方向に設定範囲で移動して前記直進用指令位置から離れるほど低い目標速度を指令する左旋回指令位置、及び、前記直進用指令位置に隣接位置して前記右旋回を指令し且つ前記直進用指令位置に対する遠近方向に設定範囲で移動して前記直進用指令位置から離れるほど低い目標速度を指令する右旋回指令位置に操作自在に構成され、
前記制御手段が、前記左旋回制御処理及び前記右旋回制御処理において、前記旋回用の目標速度を前記旋回指令手段にて指令される目標速度に応じて変更するように構成されている点にある。
第3特徴構成によれば、旋回指令手段が、左旋回指令位置や右旋回指令位置において、直進指令位置から離れる方向に向けて大きく移動するほど旋回用の無段変速装置における旋回用の目標速度が低い速度となり、作業車の旋回半径が小さくなることとなる。
したがって、旋回指令手段の操作と作業車の旋回との感覚を一致させやすく、作業車を操作性の良いものとすることができる作業車の旋回制御装置を得るに至った。
〔第1実施の形態〕
以下、本発明に係る制御弁及び変速操作装置をコンバインにおける変速操作装置に適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1R、1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を施す脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成することによって構成されている。
次に、このコンバインの伝動構造について説明する。
図2に示すように、直進走行状態における走行速度を高低変速自在な直進用の無段変速装置7と、旋回走行時において旋回中心側に位置する走行装置の走行速度を高低変速自在な旋回用の無段変速装置8と、それらの各無段変速装置7、8からの動力が入力され、左右の走行装置1R、1Lへの動力が出力されるミッションケース9とを備えて伝動系が構成されている。
前記直進用の無段変速装置7と旋回用の無段変速装置8は、コンバインの車体に搭載されているエンジンからの動力によって駆動される可変油圧ポンプ7A、8Aと、その可変油圧ポンプ7A、8Aからの供給油で回転駆動される油圧モーター7B、8Bとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。ちなみに、エンジンの動力は、伝動ベルト10及び伝動プーリ11を介して可変油圧ポンプ7A、8Aの伝動軸12に伝達される。
前記ミッションケース9は、その内部に、前記直進用の無段変速装置7の出力軸20と、前記旋回用の無段変速装置8の出力軸21との夫々が内挿され、これら両出力軸20、21からの動力が左右一対の走行装置1R、1Lに伝達される一方、直進用の無段変速装置7の出力軸20からの動力が刈取搬送装置3に伝達される構成となっている。尚、前記旋回用の無段変速装置8の出力軸21には、右側出力ギヤ21aと左側出力ギヤ21bとが固着されている。
前記直進用の無段変速装置7の出力軸20には、副変速用の大小一対の出力ギヤ20a、20b及び刈取部駆動用の出力ギヤ20cが固着されている。副変速軸22には、前記出力ギヤ20a、20bが常時噛合する副変速用の小径ギヤ22aと大径ギヤ22bとが相対回転自在に支持され、その両ギヤ22a、22bの中間位置に、副変速軸22と一体回転する副変速用シフトギヤ22dが軸芯方向で摺動自在に外嵌されている。この副変速用シフトギヤ22dを摺動操作することで高低二段に変速操作自在な副変速装置が構成されている。又、副変速軸22には出力ギヤ22eが固着されており、この出力ギヤ22eに対して、支持軸23に一体に設けたセンターギヤ24が常時噛合する状態で設けられている。
前記支持軸23には、センターギヤ24を挾む両側に、伝動状態切換手段Aが設けられており、この伝動状態切換手段Aは、前記左側出力ギヤ21aに常時かみ合いの左側外周ギヤ部25aを備えたものと前記右側出力ギヤ21bに常時噛み合いの右側外周ギヤ部25bを備えた右側のものとの左右一対の多板式の摩擦クラッチ25、25(摩擦式旋回用クラッチの一例)と、前記センターギヤ24の両側面とこれに対向するシフトギヤ26との間に形成された左右一対の噛み合いクラッチ27、27(直進用クラッチの一例)とで構成されている。
左側の摩擦クラッチ25により、旋回用の無段変速装置8と左側の走行装置1Lとの間の伝動を遮断する状態に切り換え可能な左側のクラッチが構成され、右側の摩擦クラッチ25により、旋回用の無段変速装置8と右側の走行装置1Rとの間の伝動を遮断する状態に切り換え可能な右側のクラッチが構成されている。
前記左右のシフトギヤ26は、回転軸芯方向にシフト操作自在であって、シフト操作することにより噛み合いクラッチ27が噛み合って伝動入りとなる状態と、噛み合いクラッチ27が噛み合わない伝動を遮断する状態とに切り換え自在に構成され、また、シフトギヤ26における摩擦板がシフトギヤ26の本体部に対してシフト移動自在に構成されており、多板式の摩擦クラッチ25が圧接して伝動入りとなる状態と、多板式の摩擦クラッチ25が圧接しない伝動を遮断した状態とに切り換え自在に構成されている。
つまり、左右一対の走行装置1L、1Rへの動力伝達は、噛み合いクラッチ27が噛み合った伝動入り状態では、直進用の無断変速装置7からの動力が伝達され、摩擦クラッチ25が圧接した伝動入り状態では、旋回用の無断変速装置8からの動力が伝達され、噛み合いクラッチ27と摩擦クラッチ25の両方が伝動入り状態であれば、直進用の無断変速装置7と旋回用の無断変速装置8との両方からの動力が伝達され、噛み合いクラッチ27と摩擦クラッチ25のいずれもが伝動遮断状態であれば、直進用の無段変速装置7と旋回用の無段変速装置8とのどちらからも動力が伝達されないように構成されている。
前記左右のシフトギヤ26、26は夫々、押圧スプリング29、29による押圧力にて噛み合いクラッチ27、27が噛み合う伝動入り状態に付勢されており、左右のシフトギヤ26、26の夫々を押圧スプリング29、29による押圧力に抗して遮断用油圧シリンダ31L、31Rでシフト操作することにより、噛み合いクラッチ27、27がかみ合わない伝動遮断状態に切り換え操作可能に構成されている。
そして、この伝動遮断状態において、操向用油圧シリンダ30L、30Rでシフトギヤ26における摩擦板をシフト操作することにより、摩擦クラッチ25、25が圧接する伝動入り状態に切り換え操作可能に構成されている。そして、この操向用油圧シリンダ30L、30Rおよび遮断用油圧シリンダ31L、31Rの操作は、操向用電磁弁32、33および遮断用電磁弁63、64を切り換えることにより行うように構成されている。
シフトギヤ26からはファイナルギヤ35を介して左右一対の走行装置に伝達される。このシフトギヤ26は、噛み合いクラッチ27が噛み合いしているときも噛み合いしていないときも常時走行装置への伝動系の中継ギヤ34に噛合するように構成されている。
つまり、左右の噛み合いクラッチおよび左右の摩擦クラッチを主要部として、直進用の無段変速装置7の変速出力を左右一対の走行装置1L、1Rの夫々に伝達する直進用伝動状態、前記直進用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達し且つ旋回用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達する左旋回用伝動状態、前記直進用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達する右旋回用伝動状態、前記直進用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置の夫々に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置のうちの左側の走行装置に伝達する左旋回用旋回予備状態、及び、前記直進用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置の夫々に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置のうちの右側の走行装置に伝達する右旋回用旋回予備状態に切り換え自在な伝動状態切換手段Aが構成されている。
説明を加えると、左右の噛み合いクラッチ27を伝動入り状態に切り換え、左右の摩擦クラッチ25を伝動遮断状態に切り換えることで、直進用伝動状態となり、右の噛み合いクラッチ27および右の摩擦クラッチ25を伝動入り状態に切り換え、左の噛み合いクラッチ27および左の摩擦クラッチ25を伝動遮断状態に切り換えることで、左旋回用伝動状態となり、左の噛み合いクラッチ27および左の摩擦クラッチ25を伝動入り状態に切り換え、右の噛み合いクラッチ27および右の摩擦クラッチ25を伝動遮断状態に切り換えることで、右旋回用伝動状態となり、左右の噛み合いクラッチ27を伝動入り状態に切り換え、左の摩擦クラッチ25を伝動入り状態に切り換え、右の摩擦クラッチ25を伝動遮断状態に切り換えることで、左旋回用旋回予備状態となり、左右の噛み合いクラッチ27を伝動入り状態に切り換え、右の摩擦クラッチ25を伝動入り状態に切り換え、左の摩擦クラッチ25を伝動遮断状態に切り換えることで、右旋回用旋回予備状態となるように構成されている。
前記直進用の無段変速装置7は、中立位置から正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっており、又、搭乗運転部6には、直進用の無段変速装置7を操作するための手動操作式の変速操作具としての主変速レバー14が備えられており、この主変速レバー14は、前後方向に沿って所定の前後操作範囲にわたり手動操作によって揺動可能に構成されている。そして、図3に示すように、可変油圧ポンプ7Aの直進用斜板13が油圧サーボ機構SVを介して主変速レバー14に連係され、主変速レバー14の操作指令に基づいて直進用斜板13の角度を変更することにより油圧モーター7B側の出力状態を無段階に変更するように構成されている。つまり、主変速レバー14に対する手動操作があれば、その操作に対して油圧サーボ機構SVの作用により油圧操作力にてアシスト操作を行うことにより変速操作を軽く操作することができる構成となっている。
そして、図5に示すように、主変速レバー14が中立域にあり中立状態が指令されていると、前記直進用斜板13が中立状態となり油圧モーター7Bは回転せず停止状態に維持され、主変速レバー14からの指令が前進増速側もしくは後進増速側への変速指令であると、主変速レバー14の操作指令に応じて油圧サーボ機構SVによって直進用斜板13の角度が正転方向(前進増速方向)もしく逆転方向(後進増速方向)に油圧操作力によって主変速レバー14による指令量だけ傾倒操作され、油圧モーター7Bが指令に応じた速度で正転方向又は逆転方向に回転駆動されるように変速操作される構成となっている。
一方、旋回用の無段変速装置8も前記直進用の無段変速装置7と同様に、正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっている。しかし、この旋回用の無段変速装置8は手動操作で変速を行うのではなく、可変油圧ポンプ8Aの旋回用斜板15(変速用の被操作体の一例)が油圧式の旋回用操作機構16(変速操作手段の一例)に連係され、この旋回用操作機構16により斜板角を変更することにより油圧モーター8B側の出力状態を変更するように構成されている。この旋回用操作機構16は、図3に示すように、旋回用の無段変速装置8における旋回用斜板15に連動連結された複動型の変速用油圧シリンダ17(流体圧シリンダの一例)と、この変速用油圧シリンダ17に対する作動油の給排状態を切り換え操作する油圧制御ユニットVU(流体圧制御機構の一例)とを備えて構成されている。前記変速用油圧シリンダ17は、中立位置から正方向並びに逆方向夫々に操作自在な複動型に構成されており、内装される左右一対のバネ17a、17bの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。
次に、前記油圧制御ユニットVUの構成について説明する。
この油圧制御ユニットVUは、図4に示すように、変速用油圧シリンダ17を中立変速位置から正方向及び逆方向夫々に駆動すべく油圧供給状態を制御する油圧パイロット式の制御弁36を備えて構成されている。この制御弁36は、中立位置から正方向に移動した正方向出力位置、及び、前記中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動操作自在なスプール37と、そのスプール37を前記中立位置に復帰付勢する付勢手段としての一対のコイルバネ38、39と、パイロット油路用のリリーフ弁49とを備えて構成されている。
又、この制御弁36には、前記スプール37を正方向に移動させるために作動油が供給される正転用の圧力操作部40、及び、前記スプール37を逆方向に移動させるために作動油が供給される逆転用の圧力操作部41が夫々備えられ、正転用の圧力操作部40に対する作動油の供給状態を制御するパイロット圧制御用の正転用電磁弁42と、逆転用の圧力操作部41に対する作動油の供給状態を制御するパイロット圧制御用の逆転用電磁弁43が、作動油を供給する供給状態と作動油を排出する排出状態とに切り換え自在で且つ排出状態に復帰付勢される状態で設けられている。
つまり、前記一対のパイロット圧制御用の電磁弁42、43は、図示しない油圧ポンプから供給される作動油を前記各圧力操作部40、41に供給する供給状態と油圧ポンプからの供給を停止して圧力操作部40、41を排油路44に接続する排出状態との二位置に切り換え自在な二位置切り換え式の電磁弁で構成され、これらのパイロット圧制御用の電磁弁42、43はバネ45、46により前記排出状態に復帰付勢される構成であり、ソレノイド47、48に通電して励磁することでバネ45、46の付勢力に抗して弁体を操作して前記供給状態に切り換える構成となっている。従って、このパイロット圧制御用の電磁弁42、43は通電を停止すると常に排出状態になりその状態を維持することになる。
そして、前記制御弁36には、変速用の油圧シリンダ17の一対の作動油室17A、17B(流体室の一例)に各別に接続される一対の出力ポートOP1、OP2が設けられ、図4に示すような中立位置では、一対の出力ポートOP1、OP2の夫々を入力ポートIP及び排出ポートDPのいずれにも接続されない状態となるように構成されている。従って、変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持する状態となる。
そして、前記スプール37が前記正方向出力位置となると、一対の出力ポートOP1、OP2のうちの変速用油圧シリンダ17の正方向操作用の作動油室17Aに接続される一方の正方向出力ポートOP1を入力ポートIPに接続し、且つ、変速用油圧シリンダ17の逆方向操作用の作動油室17Bに接続される逆方向出力ポートOP2を排出ポートDPに接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17は正方向(前進増速方向)に移動操作されることになる。
また、前記スプール37が前記逆方向出力位置となると、前記正方向出力ポートOP1を排出ポートDPに接続し、且つ、前記逆方向出力ポートOP2を入力ポートIPに接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17は逆方向(後進増速方向)に移動操作される。
上記したような無段変速装置7、8の変速動作について説明を加えると、例えば図5に示すように、斜板13、15の変速位置が直進用指令位置Nを含む所定幅を有する中立域にあれば変速出力(走行速度)は零となり、斜板13、15の変速位置がその中立域から所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が無段階に増速操作され、斜板13、15が中立域から所定方向と反対方向に操作されると後進方向への走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
搭乗運転部6には、前記直進を指令する直進用指令位置N、その直進用指令位置に隣接位置して前記左旋回を指令しかつその直進用指令位置に対する遠近方向に設定範囲で移動して前記直進用指令位置から離れるほど低い目標速度を指令する左旋回指令位置、及び、前記直進用指令位置に隣接位置して前記右旋回を指令し且つ前記直進用指令位置に対する遠近方向に設定範囲で移動して前記直進用指令位置から離れるほど低い目標速度を指令する右旋回指令位置にわたり移動操作自在な旋回レバー56(旋回指令手段の一例)が設けられている。図3に示すように、その旋回レバー56の操作位置を検出する回転式のポテンショメータからなる旋回レバーセンサ57(旋回指令手段の一例)、一対の無段変速装置7、8夫々の出力回転速度を前記出力ギヤ22e及び右側出力ギヤ21aの歯数をカウントすることにより検出する回転センサ58、59、前記直進用の無段変速装置7の直進用斜板13の斜板角を検出するポテンショメータ式の直進用変速位置センサ60、前記旋回用の無段変速装置8の斜坂角を検出するポテンショメータ式の旋回用変速位置センサ61、ダイヤル操作により旋回モードを3段階に切り換える旋回モード切換え操作具62等が備えられ、これらの入力情報に基づいて旋回用操作機構16及び操向用油圧シリンダ30R、30L、遮断用油圧シリンダ30R、31Lの動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置Hが備えられている。
そして、直進用変速位置センサ60は、直進用の無断変速装置7における直進用斜板13の角度(傾倒位置)に応じた電圧が出力されるものであり、その電圧がA/D変換されて直進用検出値として制御装置Hに入力され、旋回用変速位置センサ61は、旋回用の無断変速装置8における旋回用斜板15の角度(傾倒位置)に応じた電圧が出力されるものであり、その電圧がA/D変換されて旋回用検出値として制御装置Hに入力されるように構成されている。
次に、制御装置Hによる旋回制御について説明を加えると、図6のフローチャートに示すように、旋回レバー56が直進用指令位置N内に位置していると、制御手段Hは、直進が指令されたものと判断し、伝動状態切換手段Aを直進用伝動状態に切り換えて、旋回用の無段変速装置8が直進用の無段変速装置7と同じ又は略同じ速度になるように、前記各回転センサ58、59の検出情報に基づいて旋回用操作機構16の作動を制御する直進制御処理を実行する。
そして、旋回レバー56が直進用指令位置Nから左旋回指令位置に移動されると、制御手段Hは、左旋回が指令されたものと判断し、左旋回用旋回予備状態に一旦操作する左旋回用旋回予備制御処理を実行したのち、伝動状態切換手段Aを左旋回用伝動状態に切り換えて旋回用の無段変速装置8が旋回用の目標速度になるように旋回用操作機構16の作動を制御する左旋回制御処理を実行する。
又は、旋回レバー56が直進用指令位置Nから右旋回指令位置に移動されると、制御手段Hは、右旋回が指令されたものと判断し、右旋回用旋回予備状態に一旦操作する右旋回用旋回予備制御処理を実行したのち、伝動状態切換手段Aを右旋回用伝動状態に切り換えて旋回用の無段変速装置8が旋回用の目標速度になるように旋回用操作機構16の作動を制御する右旋回制御処理を実行する。
このように旋回予備制御処理を実行したのち、旋回制御処理を実行することにより、旋回用の無段変速装置8の実際の速度が直進用の無段変速装置7の速度から制御系の遅れ等に起因するずれを生じていたとしても、直進用の無段変速装置7と旋回用の無段変速装置8とが互いに伝動状態になるため、両者が同じ速度になるあるいは極めて近い速度になり、直進走行しているときに旋回操作を行なう際に、両無段変速装置7、8の速度差に起因したショックの発生を回避することができる。
旋回用の無段変速装置8が旋回用の目標速度になるように旋回用操作機構16の作動を制御する処理について説明を加えると、旋回レバー56が、左旋回指令位置や右旋回指令位置において、直進指令位置Nから離れる方向への移動量と旋回半径に対応する速度比率との関係が図7に示すように二次関数に対応する関係として定めて記憶されている。一方、前記直進用変速位置センサ60からの直進用検出値と、図7に示すような関係の関数とから、旋回用の無段変速装置8の目標速度としての目標変速位置すなわち目標斜板位置を求めるのである。そして、旋回用変速位置センサ61からの旋回用検出値が目標変速値になるように旋回用操作機構16の作動を制御して変速操作を行う。ちなみに、直進用の無段変速装置7は変速レバー14に対する手動操作にて変速位置が調整されることになる。
図7に基づいて説明を加えると、図7のラインL1は基準となる直進側の無段変速装置の速度を示し、ラインL2は緩旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL3は信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL4は超信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示しており、前記旋回モード切換え操作具62にて指定された旋回モードが選択されることになる。説明を加えると、ラインL2にて示す緩旋回モードでは、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置が反対側の走行装置の走行速度Vの約1/3の速度にまで減速されるように、旋回レバー56の操作位置に対する、左右の走行装置1R、1Lの速度比率の変化特性が予め設定されている。ラインL3で示す信地旋回モードにおいては、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が零となるまで減速されるように、旋回レバー56の操作位置に対する左右の走行装置1R、1Lの速度比率が予め設定されている。又、ラインL4に示す超信地旋回モードにおいては、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が反対側の走行装置の駆動回転方向とは逆回転方向で、反対側の走行装置の速度と同速度になるように、旋回レバー56の操作位置に対する左右の走行装置1R、1Lの速度比率が予め設定されている。
前記旋回用の無段変速装置8を変速操作するときの前記旋回用操作機構16の作動を制御する処理について説明する。例えば、旋回レバー56の操作に伴って旋回用の無段変速装置8を前進増速方向に変速させるときには、前記制御弁36におけるスプール37を正方向出力位置に移動操作させる。具体的には、正転用の圧力操作部40に対するパイロット圧制御用の電磁弁42におけるソレノイド47に設定周期毎にオンとオフとを繰り返すパルス電流を供給するようにしており、そのデューティ比に応じて電磁弁42が供給状態と排出状態に切り換え操作される。そのことによりスプール37が電磁力によってバネ39の付勢力に抗して移動操作され、正方向出力位置に移動するのである。旋回用の無段変速装置8を後進増速方向に変速させるときには、前記制御弁36におけるスプール37を逆方向出力位置に移動操作させるが、このときは、逆転用の圧力操作部41に対するパイロット圧制御用の電磁弁43を同様にして制御することになる。
そして、増速操作によって旋回用の無段変速装置8の出力回転速度が目標回転速度になると、前記スプール37を前記中立位置に移動させる。その結果、変速用油圧シリンダ17から作動油が排出されなくなり変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持するのである。尚、逆方向保持位置で保持させる場合にもこのような正方向保持位置での操作を同様な処理を行う。
〔第2実施の形態〕
以下、本発明に係る作業車の旋回制御装置を、旋回用操作機構の油圧制御ユニットにおける制御弁のスプールが前記中立位置に移動すると、一対の出力ポートの夫々が排出ポートに接続される状態となるように構成されている場合について図面に基づいて説明する。
尚、上記第1実施の形態と同様に構成されるものについては、第1実施の形態と同じ符号を付け、説明は省略する。
前記制御弁36は、図8に示すような中立位置では、一対の出力ポートOP1、OP2の夫々が排出ポートDPに接続される状態となるように構成されており、変速用油圧シリンダ17は中立位置に復帰する状態となる。
前記旋回用の無段変速装置8を変速操作するときの前記旋回用操作機構16の作動を制御する処理について説明する。例えば、旋回レバー56の操作に伴って旋回用の無段変速装置8を前進増速方向に変速させるときには、前記制御弁36におけるスプール37を正方向出力位置に移動操作させる。具体的には、正転用の圧力操作部40に対するパイロット圧制御用の電磁弁42におけるソレノイド47に設定周期毎にオンとオフとを繰り返すパルス電流を供給するようにしており、そのデューティ比を設定値以上の大きい値に変更調整する。そのことによりスプール37が電磁力によってバネ39の付勢力に抗して移動操作され、正方向出力位置に移動するのである。旋回用の無段変速装置8を後進増速方向に変速させるときには、前記制御弁36におけるスプール37を逆方向出力位置に移動操作させるが、このときは、逆転用の圧力操作部41に対するパイロット圧制御用の電磁弁43を同様にして制御することになる。
そして、増速操作によって旋回用の無段変速装置8の出力回転速度が目標回転速度になると、前記スプール37を前記正方向保持位置に移動させる。つまり、前記ソレノイド47に対するパルス電流のデューティ比を前記設定値よりも小さい保持用のデューティ比になるように変更調整するのである。そのことにより、ソレノイド47の電磁力とバネ39の付勢力とが釣り合ってスプール37はその位置で保持されることになる。その結果、変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持するのである。尚、逆方向保持位置で保持させる場合にもこのような正方向保持位置での操作を同様な処理を行う。
旋回用の無段変速装置8を中立位置に戻すときは、前記各パイロット圧制御用の電磁弁42、43に対するソレノイド47、48を夫々無通電状態に切り換えて、スプール37をバネ38、39の付勢力によって中立位置に復帰させるのである。この中立位置では、変速用油圧シリンダ17の各作動油室17A、17Bが共に排油状態となって、変速用油圧シリンダ17は、前記バネ17a、17bの付勢力並びに旋回用の無段変速装置8の直進用斜板15の中立復元力によって中立位置に復帰することになる。
〔別実施の形態〕
(1)上記実施の形態では、前記制御弁が、パイロット油圧によりスプールが移動操作される状態で油圧パイロット操作式に構成され、正転用の圧力操作部や逆転用の圧力操作部に作動用流体としての作動油が供給されるものを例示したが、作動油を供給するものに限らず空気圧にて操作されるもの等、他の流体を用いて操作するものでもよく、又、作動用流体を用いるものに限らず、ソレノイド等を用いて電磁力にてスプールを移動操作させるようにしてもよい。
(2)上記実施の形態では、旋回レバーの移動操作量をポテンショメータにて検出して、旋回レバーの操作に伴って旋回用の無段変速装置を無段階に変速操作させる構成としたが、このような構成に限らず、例えば、旋回レバーの移動操作量の変位を複数のスイッチで段階的に検出するようにしたり、旋回指令用のスイッチを押し操作する時間で旋回半径を異ならせるように指令する構成等、各種の形態で実施してもよい。
(3)上記実施の形態では、前記制御弁を、旋回用の無段変速装置を変速操作する変速操作装置に適用したものを例示したが、前記制御弁は、複動型の被制御対象、例えば流体圧シリンダ等を切り換え制御するものであれば、変速操作装置に限らずどのような装置にも適用することができる。
(4)上記実施の形態では、左右一対の直進用クラッチを、左右一対の噛み合いクラッチとして構成したものを例示したが、これに代えて右一対の直進用クラッチを、多板式の摩擦クラッチとして構成してもよい。
(5)上記実施の形態では、旋回用旋回予備状態として、前記直進用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置の夫々に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置のうちの旋回側の走行装置に伝達するものを例示したが、これに代えて、前記直進用の無段変速装置の変速出力及び前記前記旋回用の無段変速装置の変速出力の夫々を前記左右一対の走行装置の夫々に伝達するものとして構成してもよい。
(6)上記実施の形態では、旋回用の無段変速装置8が旋回用の目標速度になるように旋回用操作機構16の作動を制御する処理として、旋回用斜板15の斜板位置から目標速度を求めたものを例示したが、これに代えて、回転センサ59の出力回転速度から目標速度を求めるように構成してもよい。
(7)上記実施の形態では、変速操作装置が備えられる車両としてコンバインを例示したが、コンバインに限らず、トラクターやその他の農作業機でもよく建設用作業車等であってもよい。
第1実施の形態におけるコンバインの全体側面図 第1実施の形態における伝動構造を示す概略構成図 第1実施の形態における制御ブロック図 第1実施の形態における油圧制御ユニットの構成を示す図 第1実施の形態における変速位置と変速出力との関係を示す図 第1実施の形態における制御動作のフローチャート 第1実施の形態における旋回レバーの操作位置と速度比率との関係を示す図 第2実施の形態における油圧制御ユニットの構成を示す図
符号の説明
1L 左側の走行装置
1R 右側の走行装置
7 直進用の無段変速装置
8 旋回用の無段変速装置
14 変速操作具(主変速レバー)
15 被操作体(旋回用斜板)
16、50 変速操作手段(旋回用操作機構)
56 旋回指令手段(旋回レバー)
25、25 左右一対の摩擦式旋回用クラッチ(左右一対の多板式の摩擦クラッチ)
27、27 左右一対の直進用クラッチ(左右一対の噛み合いクラッチ)
A 伝動状態切換手段
H 制御手段
N 直進用指令位置

Claims (3)

  1. 直進用の無段変速装置の変速出力を左右一対の走行装置の夫々に伝達する直進用伝動状態、前記直進用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達し且つ旋回用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達する左旋回用伝動状態、及び、前記直進用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達する右旋回用伝動状態に切り換え自在な伝動状態切換手段と、
    前記旋回用の無段変速装置の変速用の被操作体を変速操作する変速操作手段と、
    前記直進用の無段変速装置を手動操作にて変速するための手動操作式の変速操作具と、
    直進、右旋回、及び、左旋回を指令する旋回指令手段と、
    前記伝動状態切換手段及び前記変速操作手段の作動を制御する制御手段とが備えられ、
    前記制御手段が、
    前記旋回指令手段にて直進が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記直進用伝動状態に切り換えて、前記旋回用の無段変速装置が前記直進用の無段変速装置と同じ又は略同じ速度になるように、前記変速操作手段の作動を制御する直進制御処理を実行し、
    前記旋回指令手段にて右旋回が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記右旋回用伝動状態に切り換えて前記旋回用の無段変速装置が旋回用の目標速度になるように前記変速操作手段の作動を制御する右旋回制御処理を実行し、且つ、前記旋回指令手段にて左旋回が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記左旋回用伝動状態に切り換えて前記旋回用の無段変速装置が旋回用の目標速度になるように前記変速操作手段の作動を制御する左旋回制御処理を実行するように構成されている作業車の旋回制御装置であって、
    前記伝動状態切換手段が、前記直進用の無段変速装置の変速出力及び前記前記旋回用の無段変速装置の変速出力の夫々を前記左右一対の走行装置の夫々に伝達する、又は、前記直進用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置の夫々に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を前記左右一対の走行装置のうちの旋回方向側の走行装置に伝達する旋回予備状態に切換え自在に構成され、
    前記制御手段が、前記旋回指令手段にて左旋回が指令されると、前記旋回予備状態に一旦操作する左旋回用旋回予備制御処理を実行したのち、前記左旋回制御処理を実行し、且つ、前記旋回指令手段にて右旋回が指令されると、前記旋回予備状態に一旦操作する右旋回用旋回予備制御処理を実行したのち、前記右旋回制御処理を実行するように構成されている作業車の旋回制御装置。
  2. 前記伝動状態切換手段が、前記直進用の無段変速装置の変速出力が前記左右一対の走行装置の夫々に伝達されることを各別に断続する左右一対の直進用クラッチ、及び、前記旋回用の無段変速装置の変速出力が前記左右一対の走行装置に伝達されることを各別に断続する左右一対の摩擦式旋回用クラッチを備えて構成されている請求項1記載の作業車の旋回制御装置。
  3. 前記旋回指令手段が、前記直進を指令する直進用指令位置、その直進用指令位置に隣接位置して前記左旋回を指令しかつその直進用指令位置に対する遠近方向に設定範囲で移動して前記直進用指令位置から離れるほど低い目標速度を指令する左旋回指令位置、及び、前記直進用指令位置に隣接位置して前記右旋回を指令し且つ前記直進用指令位置に対する遠近方向に設定範囲で移動して前記直進用指令位置から離れるほど低い目標速度を指令する右旋回指令位置に操作自在に構成され、
    前記制御手段が、前記左旋回制御処理及び前記右旋回制御処理において、前記旋回用の目標速度を前記旋回指令手段にて指令される目標速度に応じて変更するように構成されている請求項1又は請求項2に記載の作業車の旋回制御装置。
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