JP2005279791A - ナットホルダ及びナットホルダ付きナット - Google Patents

ナットホルダ及びナットホルダ付きナット Download PDF

Info

Publication number
JP2005279791A
JP2005279791A JP2004093847A JP2004093847A JP2005279791A JP 2005279791 A JP2005279791 A JP 2005279791A JP 2004093847 A JP2004093847 A JP 2004093847A JP 2004093847 A JP2004093847 A JP 2004093847A JP 2005279791 A JP2005279791 A JP 2005279791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
bolt
bush member
hole
holder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004093847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4023742B2 (ja
Inventor
Masahiro Kumashita
正弘 熊下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2004093847A priority Critical patent/JP4023742B2/ja
Publication of JP2005279791A publication Critical patent/JP2005279791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4023742B2 publication Critical patent/JP4023742B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)
  • Bolts, Nuts, And Washers (AREA)

Abstract

【課題】 ナットを要するボルト締め作業において、ボルト側からのみの片側作業によってダブルナット締めを実現することができるナットホルダを提供する。
【解決手段】 弾性材料からなるブッシュ部材11の中心部に、ナット装填するナット装填孔B1とボルトを貫通させるボルト孔B3とを段付きに形成し、ブッシュ部材11のボルト孔B3側の端面に固定ねじ板12を取り付ける。ナット装填孔B1に市販のナットN1を装填し、装填したナットN1をナットホルダ10Aごと被ボルト締め母材M2の所定の箇所に位置決めする。被ボルト締め母材M2の反対側からねじ込まれたボルトM1は、装填したナットN1とブッシュ部材11に固定されている固定ねじ板12との双方に螺合する。装填したナットN1が共回りすると、ナットN1と固定ねじ板12との間に両者が接近する向きの相対回転が発生し、ブッシュ部材11の一部分gを挟み込んでのダブルナット締めが実現する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ナットを必要とするボルト締め作業において、一人の作業者によるボルト側からの片側作業によって簡単にダブルナット締めを実現することができるようにしたナットホルダ及びナットホルダ付きナットに関する。
ナットを必要とするボルト締め作業に際して、作業対象である機械装置や構造物の組立て状況等により、ナットを直接又はスパナ等の工具を介して保持することができない場合が少なくない。このような場合における作業方法としては、機械装置や構造物を組み立てる以前に、ナットを必要とする箇所にナットを接着する簡易な手段、又は、ナットを溶接付けする等の強固な手段によって、前もってナットを固定しておく方法が採られる。
ナットを前もって必要な箇所に固定しておく方法は、特にナットを強固に固定する手段を採用する場合において、固定するナットの数が多いときには、それ自体相当の作業手数となってしまうとともに、事前にナットを固定する箇所が完全に確定されることが必要で、正確な設計作業が前提となる。したがって、現場の状況によって臨機応変な対応が必要とされることが多い土木建築の分野では、採用し難い場合が生じるとともに、機械装置や構造物の設計変更や事後的に生じるボルト締めの必要には応じられないという問題がある。一方、ナットを固定するのに簡易な手段を採用した場合において、ナットが共回りするときには、ボルトを締め込むことも抜き取ることもできない極めて不都合な事態が発生する。そして、このような事態は、正常に締め込んだボルトが被ボルト締め材料の変形等に起因して事後的に緩んだときにも多発する。
なお、ナットの緩み防止に対しては、ダブルナット締めが極めて有効であることが知られている。ダブルナット締めは、同一のボルトに螺合させた一対のナットを互いに接近する向きに相対回転させて強固に締め付けることにより、ボルトに対するナットの回転動作を不能とする施工方法であり、一対のナットそれぞれにスパナを掛けて反対回しする煩雑な作業内容であるところから、ボルト側からの片側作業では実施することはできない。
スパナ等でナットを保持できない箇所におけるナットの固定問題、共回り問題、事後的な緩みの問題のいずれかに対応するものと思われる従来の技術としては、例えば、次のようなものがある。
実開昭60−75713号公報 実開昭62−24116号公報 特開平7−63211号公報
特許文献1には、袋ナットが開示されている。この袋ナットは、硬質合成ゴム製等の袋ナット本体の内部に金属製のナットをインサートし、被ボルト締め材料に面する開口部側を拡大し、この部分にリングパッキンを設けた構成を有する。リングパッキンとナットとの間には、大きな隙間が設定されており、ボルト締めに際しては、ナットが被ボルト締め材料に直接当接せず、ボルト締めによる締付け圧力は、硬質合成ゴム製等の袋ナット本体によって受け止められる。したがって、この袋ナットにおける最大締付けトルクは、非金属である袋ナット本体の挫屈又は袋ナット本体の変形によるナットの脱落を限度とすることとなり、通常のナットに加えるような大きさの締付けトルクを加えることは困難であるという問題がある。
特許文献2には、一方のナット端面にシリコンリングを付着させたナットが開示されている。このナットにおけるシリコンリングは、ナット端面に形成された環状溝に一部埋め込むように付着されており、位置ずれすることもなく有効に共回りを防止することができると考えられる。ただし、被ボルト締め材料に対する固定機能はなく、シリコンリングが被ボルト締め材料に対して所定の摩擦係合力を発揮する時点に至るまでは、直接又は間接にナットを保持する必要があり、ボルト側からのみの片側作業による締付けは困難である。また、シリコンリングを設けることによって被ボルト締め材料に溶接付けする可能性は失われる。
特許文献3には、緩み止めシールナットが開示されている。この緩み止めシールナットは、袋ナット形状の樹脂部材の開口部の周囲に鍔状のシール部を一体成形し、内部に金属ナットをインサートしてなる。また、金属ナットの奥側には、金属ナットのねじ孔に連通する態様で、金属ナットのねじ孔の内径相当のねじなし袋穴が形成されており、使用に際して金属ナットを通過したボルトの先端部は、ねじなし袋穴にねじを刻設しながら進行し、金属ナットと樹脂部材との双方に螺合することができる。ねじなし袋穴には、ねじが切ってないことから、最初のボルトを締め込む際の所要締め込みトルクが極めて大きく、このため強力に樹脂部材を保持していないと共回りしてしまうと考えられる。したがって、片側作業での締付けは、不可能である。また、ボルトに対する緩み止め効果は、同文献に記載されているように、樹脂部材とボルトとの摩擦によって生じるのであり、金属ナットと樹脂部材とがダブルナット締めを実現することによるのではない。ダブルナット締めを実現するには、2個のナットが接近する向きに相対回転することが必要であり、上記構成においては、両者は相対回転し得ないからである。
上記文献に示されるように、片側作業の実現、締付け時の共回り防止、締付け後の緩み止めのいずれかを目的とする従来のナットにおいては、ナット自体が特殊な構成を有する完成品とされており、サイズが豊富で容易に入手することができる通常規格のナットを使用することができないという問題がある。本発明は、通常規格のナットと組み合わせて使用し、又は、通常規格のナットと組み合わせたものを使用することによって、上記目的のいずれか一つ、又は、二つ以上を同時に実現することを課題とし、殊に、締付け後の緩み止めに関しては、通常の締付け作業によって自動的にダブルナット締めが実現されることを可能としたナットホルダ及びナットホルダ付きナットを提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明の請求項1に記載のナットホルダは、ナット装填するナット装填孔とボルトを貫通させるボルト孔とを段付きに一体成形した段付き孔を中心部に設けてなるブッシュ部材と、ブッシュ部材のボルト孔側の端面に固定するねじ孔付きの固定ねじ板とを備え、ブッシュ部材は、弾性材料から形成するとともに、ナット装填孔の深さは、装填するナットの厚みを超える寸法に設定し、ナット装填孔側からねじ込むボルトをブッシュ部材の一部を挟んで装填したナットと固定ねじ板との双方に螺合させることを特徴とする。
ナット装填孔の深さが装填したナットの厚みを超えるように設定したことにより、ナット装填孔にナットを装填し、被ボルト締め材料の所定箇所にブッシュ部材のナット装填孔側の端面を押し付けると、ブッシュ部材の端面は、装填したナットの厚みに障害されることなく、被ボルト締め材に弾性的に密着し、ブッシュ部材を形成している弾性材料に応じた所定の摩擦を生じる。次いで、被ボルト締め材の反対側からボルトを挿通させると、ナットはボルトに押されて段付きに形成したナット装填孔の奥側の面に押し付けられて停止し、装填したナットにボルトが螺合する。さらに、ボルトは、ボルト孔内を進行し、ボルト孔側の端面に固定された固定ねじ板のねじ孔に螺合する。したがって、この状態においては、固定ねじ板とナットとの間にブッシュ部材の一部分が挟み込まれている。そのまま、ボルトの締付け作業が継続すると固定ねじ板とナットとは、ブッシュ部材の一部分が挟み込んだ状態で被ボルト締め材料側に移動し、ナットが被ボルト締め材に押し付けられる。この時点で所定の締付けトルクでボルトを締付けることによってボルト締め作業が完了する。ここで、ボルトに対する所定の締付けトルクが達成されない間にナットが共回りしたと仮定すると、ナットが被ボルト締め材側に移動しないのに固定ねじ板のみが被ボルト締め材側に移動することとなり、両者間に挟み込まれたブッシュ部材の一部分が圧縮される。圧縮されたブッシュ部材は、結果的により強くナットを被ボルト締め材に押し付け、それ以上の共回りが抑制される。すなわち、ナットが共回りするのに応じて共回りを制止する力を増大させることができる。また、一旦締め付けられたナットは、挟み込んだブッシュ部材の一部分を介して弾性的に固定ねじ板によって押さえ込まれ、ナットが緩む方向に回転するとすれば、挟み込んだブッシュ部材の一部分をさらに圧縮しなければならないため、強力な緩み止め作用が発揮される。
本発明の請求項2に記載のナットホルダは、ナット装填孔の直径を装填するナットの六角外形に内接する内接円の直径を超え、六角外形に外接する外接円の直径を下回る範囲に設定することを特徴とする。
ナット装填孔の直径をこの範囲に設定することにより、ブッシュ部材の弾性変形を利用した容易なナットの装填と、ブッシュ部材の弾性回復力による装填されたナットの姿勢保持と、ナットホルダと装填したナットとが一体となった一部材としての簡易な取扱いが実現される。
本発明の請求項3に記載のナットホルダは、ブッシュ部材がボルト孔側の端面からナット装填孔側の端面に向けて開拡する向きのテーパ外形を有することを特徴とする。
使用時に被ボルト締め材に当接するナット装填孔側の端面の面積を増大させることができるので、両者間にブッシュ部材自体の共回りを阻止するのに必要な摩擦力を確保することが容易となる他、ナット装填孔側の端面に接着剤を付与して使用する場合には、より大きな接着面積を確保することができる。
本発明の請求項4に記載のナットホルダは、ブッシュ部材のナット装填孔側の端面に剥離紙によって被覆した感圧性接着剤による接着層を形成することを特徴とする。
この発明に係るナットホルダは、ナット装填孔にナットを装填し、剥離紙を除去して被ボルト締め材に押し付ける簡単な作業によって、被ボルト締め材の任意の箇所にナットを固定することができる。
本発明の請求項5に記載のナットホルダは、ブッシュ部材を形成する弾性材料がゴム系の弾性材であることを特徴とする。
ゴム系の弾性材料は、摩擦係数が大きいのでブッシュ部材自体の共回りが効果的に阻止されるとともに、耐薬品性も大きいので、機械油等が付着する環境下においても長期間ダブルナット締め機能を維持することができる。
本発明の請求項6に記載のナットホルダ付きナットは、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のナットホルダのナット装填孔に予めナットを装填してなる。
係るナットホルダ付きナットは、使用時にナットホルダとナットを組み合わせる作業手数を要しないので、迅速なボルト締め作業を実現することができる。
本発明のナットホルダは、ナット装填孔に通常規格のナットを装填してのボルト締め作業が可能であり、ナットホルダにナットを装填してボルト締め作業を実施した際においては、ブッシュ部材の一部を介在させた状態のナットと固定ねじ板との双方にボルトが螺合し、ナットが一時的に共回りすることによってナットと固定ねじ板とを互いに接近する向きに相対回転させることができるので、ボルトに対する単純なねじ込み作業のみによってダブルナット締めを完了することができる。
また、ナット装填孔側の端面に感圧性接着剤による接着層を備えるナットホルダは、装填したナットを被ボルト締め材の任意の箇所に簡単に固定することができるので、ボルト側からのみの片側作業の要請に極めて容易に対応することができる。
ナットホルダのナット装填孔に予めナットを装填してなる本発明のナットホルダ付きナットは、ナットホルダとナットを組み合わせる作業手数を要しないとともに、単一のナットと同様に一個の部品として取り扱うことができるので、多数本のボルト締め作業を要する場合においても、作業を能率よく進行させることができる。
以下、図面を引用しながら本発明の実施の形態を説明する。本発明に係るナットホルダ10Aは、ブッシュ部材11と固定ねじ板12とからなる(図1(A),(B))。ブッシュ部材11は、例えば、軟質ポリプロピレン、軟質ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリエーテルエーテルケトン等の弾性プラスチック材料、又は、ネオプレンゴム、ニトリルゴム等の高摩擦係数を有するゴム系弾性材料、又は、これらの発泡材料から一体成形されている。一方、固定ねじ板12は、金属板、スチールや合成樹脂製の板を円板形に打ち抜き、中心部にねじ孔B3を設けてなる。
ブッシュ部材11は、円錐台形の外形を有し、その中心部には、段付き孔Bが形成されている。段付き孔Bは、ナットN1を装填するための相対的に大径のナット装填孔B1と、ナットN1に適合するボルトを貫通させるための相対的に小径のボルト孔B2とが段11Dをなして連続したものである。ナット装填孔B1は、ブッシュ部材11の一方の端面aに開口し、ボルト孔B2は、他方の端面bに開口している。したがって、ナット装填孔B1側の端面a及びボルト孔B2側の端面bは、いずれもリング状を呈する。そして、固定ねじ板12は、ボルト孔B2側の端面bに接着することによって固定される。
ブッシュ部材11におけるボルト孔B2の直径及びナット装填孔B1の直径は、固定ねじ板12のねじ孔B3に基づいて決定されている。すなわち、ボルト孔B2の直径は、固定ねじ板12のねじ孔B3に適正に螺合するボルトを遊嵌することができる直径に設定されるとともに、ナット装填孔B1の直径は、同一のボルトに螺合するナットN1を遊挿することができる直径に設定される。また、図1(B)に示すように、ナット装填孔B1がテーパを有する場合には、ナット装填孔B1の最も小径の部分についてこの要件が充足されている。
ナット装填孔B1に装填するナットN1としては、JIS規格、ISO規格、その他市販品として容易に入手可能な通常規格品が想定され、ナット装填孔B1の深さD1は、いずれの規格のナットN1が装填される場合にも、装填するナットN1の厚みを超える寸法に設定されている。
次に、本実施の形態の使用例を説明すると、上記ナットホルダ10Aは、固定ねじ板12のねじ孔B3に螺合可能な任意のボルトM1と、ボルトM1に螺合可能な任意のナットN1とを組み合わせて使用する(図2(A),(B))。同図は、一方の被ボルト締め材(母材)M2に他方の被ボルト締め材(子材)M3をボルト締めする場合の使用例を示している。なお、一方の被ボルト締め母材M2は、後付けする被ボルト締め子材M3を止める場所となるもので、それぞれボルトM1を挿通させるための透孔H2,H3が準備されている。
被ボルト締め母材M2の透孔H2と被ボルト締め子材M3の透孔H3とを合致させるとともに、使用するナットN1をナットホルダ10Aのナット装填孔B1に装填し、被ボルト締め母材M2の裏面側に当てがう。この際、合致させた透孔H2,H3を通してナットN1のねじ孔が見通せるように位置合せする。なお、所定位置に位置決めしたナットホルダ10Aは、ボルト締め作業が両側作業可能な状況である場合には、そのまま手で押さえておればよく、両側作業ができない場合には、ブッシュ部材11のナット装填孔B1側の端面に速乾性の接着剤を塗布してその位置に仮固定するものとする。ブッシュ部材11におけるナット装填孔B1の深さD1を装填するナットN1の厚みを超えるように設定するのは、ナット装填孔B1側の端面aがナットN1の厚みに障害されることなく被ボルト締め母材M2に当接することを確実にするためである。
ボルトM1を被ボルト締め子材M3から回転させながら透孔H3に挿通する。ナットホルダ10Aに進入したボルトM1の先端は、ナットN1を段付き孔Bの段11D、つまりナット装填孔B1の奥側の壁面に押し付ける。ここでナットN1の姿勢と位置が定まり、ボルトM1はナットN1に螺合する。さらに、ボルトM1の先端は、ボルト孔B2を通過して固定ねじ板12のねじ孔B3に螺合し、ボルト孔B2の周辺部のブッシュ部材11の一部分gは、固定ねじ板12とナットN1との間に挟み込まれる(図2(B))。なお、ブッシュ部材11の一部分gとは、固定ねじ板12と接する部分であり、ナットN1がナット装填孔B1の奥側の壁面に押し付けるときの厚さ部分であり、この部分も弾性力を発揮する。
さらに、ボルトM1を締め込むと、固定ねじ板12とナットN1は、両者間にブッシュ部材11の一部分gを挟み込んだまま被ボルト締め母材M2側にねじ送り駆動され、ナットN1は、被ボルト締め母材M2に当接して停止する。このとき、ブッシュ部材11の側面cは、波打ち状態に変形し(内側に変形したり外側に変形したりする。)、ナットN1を拘束する。
所定の締付けトルクを達成するため、さらにボルトM1を締め込む。ここで、ナットN1が共回りしなければ、簡単に所定の締付けトルクが達成され、ボルト締め作業を完了することができる。ボルト締め作業におけるナットN1の共回りは、普通に見られる現象であるが、ナットホルダ10Aとの組合わせによる使用においては、変形したブッシュ部材11の側面がナットN1を拘束することにより、共回りを阻止することができる。
しかし、ブッシュ部材11の側面cによる拘束にも拘らずナットN1が共回りした場合、ブッシュ部材11に固定された固定ねじ板12のみが被ボルト締め母材M2に接近する向きに駆動される。したがって、固定ねじ板12は、挟み込んだブッシュ部材11の一部分gを介してナットN1を被ボルト締め母材M2側に押し付けるように作用し、この作用は、ナットN1が共回りを継続するに従って強まることとなる。そして、ナットN1を被ボルト締め母材M2に押し付ける力が、ナットN1が共回りしようとする力を上回った時点で共回りが制止され、ボルトM1に対する所定の締付けトルクを達成することができる。
次いで、本発明に係るナットホルダ10Aの他の実施の形態を説明する。ブッシュ部材11に形成するナット装填孔B1の直径A1は、装填するナットN1の六角外形に内接する内接円の直径を超え、六角外形に外接する外接円の直径を下回る範囲に設定することができる(図3(A),(B))。この直径A1の範囲は、ナットホルダ10Aを使用する者がナット装填孔B1に容易に市販のナットN1を装填することができ、かつ、装填したナットN1が摩擦力によってナット装填孔B1内にそのまま保持される寸法範囲である。したがって、ナットホルダ10Aの取扱い上の利便性を高められる。なお、ナット装填孔B1の深さが装填するナットN1の厚みを超える条件は、いずれの実施の形態においても維持される。
ナットホルダ10Aを構成するブッシュ部材11のナット装填孔B1側の端面aには、剥離紙13aによって被覆した感圧性接着剤による接着層13を形成することができる(図3(A),(B))。接着層13は、リング状を呈するナット装填孔B1側の端面aの全面に形成されている。感圧性接着剤の接着メカニズムは、粘着に近いものであり、ナット装填孔B1にナットN1を装填した後、剥離紙13を除去して被ボルト締め母材M2にブッシュ部材11を押し付ける簡単な操作によって、被ボルト締め母材M2の任意の箇所にナットN1を固定することができるので、両側作業ができない被ボルト締め母材M2に使用する場合において極めて便利である(図4)。ただし、被ボルト締め母材M2には、ボルトM1を通すための透孔H2を準備しておく必要はある。
ナットホルダ10Aのブッシュ部材11は、側面cの断面形状を変化させることによって、ボルト締め作業に際しての側面cの変形形態をコントロールすることができる(図5(A),(B))。同図に示すブッシュ部材11は、側面cの外側に断面形状が台形の環状溝dを形成したものである。この形態のブッシュ部材11は、軸方向の圧縮応力が加わると、側面cが内側に膨出するように無理なく変形し、装填したナットN1を安定に拘束することができるとともに、側面cの変形が容易であるので、所定の締付けトルクが達成するに至るまでの途中におけるボルトM1に対する回転操作を軽快なものとすることができる。
固定ねじ板12は、ブッシュ部材11のボルト孔B2側の端面bに接着する手段に代えて、嵌め込む手段によって固定することができる(図6)。ブッシュ部材11のボルト孔B2側の端面bの周囲には、固定ねじ板12の厚み相当のリング溝eが形成され、固定ねじ板12の外周部は、このリング溝eにブッシュ部材11を一時的に変形させることによって嵌め込まれている。ブッシュ部材11に対する固定ねじ板12の接着作業及び位置決め作業を省略することができるので、コストを削減することができる外、ブッシュ部材11の素材として、接着剤に対して親和性を示さない素材を選択することが可能となる。
市販のフランジナットN2をそのまま固定ねじ板12としてブッシュ部材11に固定して用いることができる(図7)。この場合、ブッシュ部材11に対するフランジナットN2の固定は、上記実施の形態におけると同様に、フランジナットN2のフランジfをリング溝eに嵌め込んで固定すれば足りる。ボルトM2に対する固定ねじ板12としての螺合量が多いので、強力な締付けトルクが必要とされるボルト締め作業にも十分耐えることができる。
本発明に係るナットホルダ付きナット20Aは、上記いずれかの形態又はその他の形態のナットホルダ10Aのナット装填孔B2にナットN1を装填してなる(図3(A),(B))。したがって、ナットホルダ付きナット20Aは、そのまま1個のナットと同様の要領によって使用することによって簡単にダブルナット締めを完了することができる。なお、ブッシュ部材11のナット装填孔B2側の端面aには、片側作業をすることができるように接着層13が設けられている。また、ナット装填孔B2は、装填するナットN1の六角外形に緊密に密着する六角穴として形成され、ナットN1は、相当のセット圧力で、ナット装填孔B2内に圧入されている。したがって、簡単には脱落しない。この場合、ブッシュ部材11の側面cは、ナットN1の存在によって変形し難くなるので、ナット装填孔B2の深さD1は、装填するナットN1の厚みを僅かに超える程度に設定されている。
なお、ナットホルダ付きナット20Aにおいては、利用者においてナットN1を装填する必要がないので、装填するナットN1は、市販品である必要はなく、提供者側において専用に設計したものを用いることができる。
本発明のナットホルダの一実施の形態を示し、(A)は全体の斜視図、(B)は中央縦断面図である。 上記一実施の形態における動作説明図であり、(A)は変形前の中央縦断面図、(B)は変形後の中央縦断面図である。 本発明のナットホルダの他の実施の形態を示し、(A)は中央縦断面図、(B)は底面図である。 上記実施の形態における使用状態説明図である。 本発明のナットホルダの他の実施の形態を示し、(A)は変形前の中央縦断面図、(B)は変形後の中央縦断面図である。 本発明のナットホルダの他の実施の形態を示す中央縦断面図である。 本発明のナットホルダの他の実施の形態を示す中央縦断面図である。 本発明のナットホルダ付きナットの一実施の形態を示し、(A)は中央縦断面図、(B)は底面図である。
符号の説明
A1 ナット装填孔の直径
M2 被ボルト締め母材(一方の被ボルト締め材)
M3 被ボルト締め子材(他方の被ボルト締め材)
N1 ナット
N2 フランジナット
B 段付き孔
B1 ボルト孔
B2 ナット装填孔
B3 ねじ孔
D1 ナット装填孔の深さ
10A ナットホルダ
11 ブッシュ部材
12 固定ねじ板
13 接着層
13a 剥離紙
a ナット装填孔側の端面
b ボルト孔側の端面
c 側面
g ブッシュ部材の一部
20A ナットホルダ付きナット

Claims (6)

  1. 被ボルト締め材をボルトとナットによりボルト締めするに際して使用されるナットホルダであり、
    ナット装填するナット装填孔とボルトを貫通させるボルト孔とを段付きに一体成形した段付き孔を設けてなるブッシュ部材と、ブッシュ部材のボルト孔側の端面に固定するねじ孔付きの固定ねじ板とを備え、
    ブッシュ部材は、弾性材料から形成するとともに、ナット装填孔の深さは、装填するナットの厚みを超える寸法に設定し、ナット装填孔側からねじ込むボルトをブッシュ部材の一部を挟んで装填したナットと固定ねじ板との双方に螺合させることを特徴とするナットホルダ。
  2. ナット装填孔の直径を装填するナットの六角外形に内接する内接円の直径を超え、六角外形に外接する外接円の直径を下回る範囲に設定することを特徴とする請求項1に記載のナットホルダ。
  3. ブッシュ部材がボルト孔側の端面からナット装填孔側の端面に向けて開拡する向きのテーパ外形を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナットホルダ。
  4. ブッシュ部材のナット装填孔側の端面に剥離紙によって被覆した感圧性接着剤による接着層を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のナットホルダ。
  5. ブッシュ部材を形成する弾性材料がゴム系の弾性材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のナットホルダ。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のナットホルダのナット装填孔にナットを装填してなるナットホルダ付きナット。
JP2004093847A 2004-03-26 2004-03-26 ナットホルダ及びナットホルダ付きナット Expired - Fee Related JP4023742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004093847A JP4023742B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 ナットホルダ及びナットホルダ付きナット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004093847A JP4023742B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 ナットホルダ及びナットホルダ付きナット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005279791A true JP2005279791A (ja) 2005-10-13
JP4023742B2 JP4023742B2 (ja) 2007-12-19

Family

ID=35178717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004093847A Expired - Fee Related JP4023742B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 ナットホルダ及びナットホルダ付きナット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4023742B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007327579A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Koyo Kizai Kk 取り外し防止具
CN101737835B (zh) * 2008-11-26 2011-06-29 博西华电器(江苏)有限公司 吸油烟机
JP2014035870A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Toyota Industries Corp 蓄電装置
DE202014103714U1 (de) 2014-08-11 2015-11-12 Wera-Werk Hermann Werner Gmbh & Co. Kg An einer Umfangsfläche eines Schraubenkopfes drehmomentübertragend angreifende Schraubvorrichtung
JP2016061356A (ja) * 2014-09-17 2016-04-25 満宏 磯 ボルト・ナットカバー
CN113916520A (zh) * 2021-10-08 2022-01-11 河南航天精工制造有限公司 无耳托板自锁螺母锁紧试验工装

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007327579A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Koyo Kizai Kk 取り外し防止具
JP4725852B2 (ja) * 2006-06-08 2011-07-13 イイファス株式会社 取り外し防止具
CN101737835B (zh) * 2008-11-26 2011-06-29 博西华电器(江苏)有限公司 吸油烟机
JP2014035870A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Toyota Industries Corp 蓄電装置
DE202014103714U1 (de) 2014-08-11 2015-11-12 Wera-Werk Hermann Werner Gmbh & Co. Kg An einer Umfangsfläche eines Schraubenkopfes drehmomentübertragend angreifende Schraubvorrichtung
JP2016061356A (ja) * 2014-09-17 2016-04-25 満宏 磯 ボルト・ナットカバー
CN113916520A (zh) * 2021-10-08 2022-01-11 河南航天精工制造有限公司 无耳托板自锁螺母锁紧试验工装
CN113916520B (zh) * 2021-10-08 2024-05-17 河南航天精工制造有限公司 无耳托板自锁螺母锁紧试验工装

Also Published As

Publication number Publication date
JP4023742B2 (ja) 2007-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3421562A (en) Tension stressed structure
US4772167A (en) Blind fastener with deformable drive nut
US6343904B1 (en) Fastener assembly for preventing corotation during tightening
US20150010370A1 (en) Fastener and method of installing same
JP2002519598A (ja) 締付荷重を決定可能なねじ締付具
EP2647851B1 (en) Fastener and method of installing same
JP2010537139A (ja) ブラインドファスナとその据え付け用のノーズアセンブリ
JP5413995B2 (ja) ボルト
JP2002323026A (ja) ブラインドファスナー、ドライブナット及びファスナー装置の組立て方法
US5350264A (en) Blind fastener with reinforced containment sleeve
JP4023742B2 (ja) ナットホルダ及びナットホルダ付きナット
JP6757101B2 (ja) 緩み止め締結構造
US20180372144A1 (en) Fastening element
AU2017276239B2 (en) Fastening device
JP5436315B2 (ja) ワンサイドボルト
US3431960A (en) Threaded fastener with deformable anchoring portion
US9903403B2 (en) Fastener and method of installing same
WO2019082984A1 (ja) ブラインドボルト
JP6016652B2 (ja) 部材の二段接合方法、及び、該方法に用いる部材一段接合用ナット
JP2020112263A (ja) 緩み止め締結構造
JP2011226625A (ja) ワンサイドボルト
JP2000074031A (ja) 外周ネジ付きナット材を用いた高力ボルト接合方法
JP2500549Y2 (ja) 管継手
KR101497462B1 (ko) 배관의 플랜지용 가스켓 장착 지그
KR200275591Y1 (ko) 파이프 마개

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20070410

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070507

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20070501

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20070928

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees