JP2005279512A - 軟水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 再結晶化した塩が水位センサへ付着することによる水位センサの誤作動を防止する。
【解決手段】 イオン交換樹脂を収容する樹脂収容部2と、前記イオン交換樹脂を再生するための塩水を貯留する塩水タンク3とを備え、前記樹脂収容部2と前記塩水タンク3とを塩水供給ライン15で接続し、前記塩水供給ライン15に前記塩水タンク3内の水位を検出する水位検出手段4を設ける。また、前記塩水タンク3への補給水を前記水位検出手段4を介して供給させる構成とする。
【選択図】 図1


Description

この発明は、水中の硬度成分をイオン交換して軟水を供給する軟水装置,とくに誤作動を防止した軟水装置に関する。
産業用の熱源として広く利用されている蒸気ボイラは、水を加熱して蒸気を発生させるものであり、この水には水道水,工業用水,地下水などの原水が使用される。これらの原水は、通常、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの硬度成分を含んでいる。硬度成分を含む原水を加熱すると、蒸気ボイラの伝熱面に難溶性のスケールが析出し、効率の低下や破損などの不具合をもたらすため、あらかじめ原水中の硬度成分を除去する必要がある。
原水中の硬度成分の除去には、一般的に、陽イオン交換樹脂を筒状の樹脂収容部に収容した軟水器が汎用されている。この軟水器は、陽イオン交換樹脂を定期的に再生して能力を回復させるための塩水タンクを備えている。この塩水タンクは、再生剤である塩(たとえば、塩化ナトリウム)の貯蔵部およびこの塩を水に溶解させた塩水の貯留部を兼ねている。そして、軟水器の再生作動時に塩水を樹脂収容部へ通液することにより、陽イオン交換樹脂の再生が行われる。
陽イオン交換樹脂の再生により塩水が消費されると、次回の再生に備えて再び塩を水に溶解させて塩水を調製する必要がある。そこで、再生作動時の補水工程において、塩水タンクへ水の補給が行われる。
ここで、塩水タンクには、この塩水タンク内の所定位置まで水が補給されたことを検出するため、水位センサが設けられている。たとえば、特許文献1には、フロートと連動した弁が補給水を遮断する機構の水位センサが記載されている。また、特許文献2には、フロート式スイッチ,電極式,光学式および超音波式などの水位センサが例示されている。
塩水タンクは、前記したように塩の貯蔵部も兼ねているため、貯蔵された塩が水位センサへ付着することによる誤作動を防止する目的で、水位センサの周囲は、筒状部材などで保護されている。この構成において、正しい水位を検出するためには、筒状部材の内外における水位を同じに保つことが必要である。そこで、筒状部材の全体,あるいは筒状部材の一部分は、透水性の部材で形成される。このため、塩水タンク内の構造が複雑になり易く、製造やメンテナンスの工数を増加させる一因となっている。
しかも、従来、水位センサを塩水タンク内に設けた構造では、筒状部材などで水位センサを保護したとしても、周囲の温度変化により塩水中の水分が蒸発し、結晶化した塩が水位センサへ付着する場合があった。たとえば、フロート式水位センサは、可動部に塩が付着すると、塩水消費時にフロートが下がらなくなることがある。このような状態になると、塩水タンク内に水があると誤認する原因となり、補水工程時に正常に水が補給されない可能性がある。また、電極式水位センサは、電極に水分を含んだ塩が付着すると、塩水消費時にも導通したままになることがある。このような状態になると、塩水タンク内に水があると誤認する原因となり、補水工程時に正常に水が補給されない可能性がある。このような水位センサの誤作動があると、陽イオン交換樹脂の再生が十分に行えないため、結果的に処理水中に硬度成分が残留して蒸気ボイラなどの機器で不具合を生じる。
特開昭52−39957号公報 特開2001−149799号公報
この発明が解決しようとする課題は、再結晶化した塩が水位センサへ付着することによる水位センサの誤作動を防止することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、イオン交換樹脂を収容する樹脂収容部と、前記イオン交換樹脂を再生するための塩水を貯留する塩水タンクとを備え、前記樹脂収容部と前記塩水タンクとを塩水供給ラインで接続し、 前記塩水供給ラインに前記塩水タンク内の水位を検出する水位検出手段を設けたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、前記水位検出手段を前記塩水タンクから分離して塩水供給ラインに設けるようにしたので、水位センサが濃厚な塩水に直接触れることがなく、前記水位センサに塩が付着することを効果的に防止することができる。
さらに、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記塩水タンクへの補給水を前記水位検出手段を介して供給させる構成としたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記水位検出手段を補給水で洗浄するように構成したので、水位センサに塩が付着することをより効果的に防止することができる。
この発明によれば、水位センサが濃厚な塩水に直接触れないように水位検出手段と塩水タンクを分離して設けたので、水位センサの誤動作を防止することができる。さらに、水位検出手段を補水工程時に補給水で洗浄するように構成したので、水位センサの誤動作をより確実に防止することができる。したがって、水位センサを筒状部材などで保護する必要がなくなるため、塩水タンクは、部品点数が減少するとともに、内部構造が簡素になる。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明に係る軟水装置は、水道水,地下水,工業用水などの原水中の硬度成分を陽イオン交換樹脂のイオン交換作用により除去可能に構成されている。また、この軟水装置は、硬度成分をイオン交換作用により吸着したのち、能力の低下した前記陽イオン交換樹脂を塩水を用いて再生可能に構成されている。そして、この軟水装置は、樹脂収容部と、塩水タンクと、前記塩水タンク内の水位を検出するための水位検出手段とを主に備えている。
前記樹脂収容部は、たとえば一端が閉鎖され,かつ他端が開口した円筒形状の容器であり、内部に陽イオン交換樹脂が収容されている。前記樹脂収容部の開口部には、蓋部材が装着されている。この構成においては、前記蓋部材には供給水を前記樹脂収容部内へ導入するための流入路と、処理水を前記樹脂収容部内から導出するための流出路とが形成されている。前記流出路は、前記樹脂収容部内へ開口している側に、陽イオン交換樹脂層を通過した水を集合させるための集水管が接続されている。この集水管は、前記樹脂収容部の底部へ向かって延びており、端部に陽イオン交換樹脂の流出を防止するためのフィルタが装着されている。
また、前記樹脂収容部は、両端が開口した円筒形状の容器内に陽イオン交換樹脂を収容し、それぞれ開口部に蓋部材が装着されている構成でもよい。この構成においては、前記蓋部材の一側には供給水を前記樹脂収容部内へ導入するための流入路が形成され、前記蓋部材の他側には処理水を前記樹脂収容部内から導出するための流出路が形成されている。前記流入路および前記流出路は、前記樹脂収容部内へ開口している側に、それぞれ陽イオン交換樹脂の流出を防止するためのフィルタが装着されている。
さらに、前記樹脂収容部は、軟水装置の通水作動の流路と再生作動の流路とを切り換えるための機構,すなわち複数の開閉弁から構成されるコントロールバルブを備えているこことが好ましい。前記コントロールバルブを備えない場合は、電磁弁や電動弁などを複数個用いて、流路を切り換えるように構成することもできる。
前記塩水タンクは、その内部に陽イオン交換樹脂の再生に使用する塩を貯蔵するとともに、この塩を水に溶解させた塩水を貯留しておくためのものである。このため、この塩水タンクの内部は、透水性の多孔板や網材などで上下に区分され、上部が塩の貯蔵部として、また下部が塩水の貯留部として使用される。
前記水位検出手段は、前記塩水タンク内の水位を検出するためのものであり、水位センサを備えている。前記水位センサには、電極式,フロート式,圧力式,光学式,超音波式,あるいはマイクロ波式などの種々の検出方式が適用できる。とくに、電極式レベルスイッチ,フロート式レベルスイッチおよび圧力式レベルセンサが安価に入手,あるいは製作でき、メンテナンスも容易であるので好ましい。
また、前記水位検出手段は、前記水位センサを固定するとともに、前記塩水タンクと連通させたときに内部に水面を形成可能な保持容器を備えていてもよい。この保持容器は、再生作動時に塩水と触れるため、合成樹脂や合成ゴムなど、耐食性の材質で形成するのが好ましい。とくに、エチレンプロピレンゴムやシリコンゴムなどの合成ゴムで成型すると、多数個を安価に製造できるとともに、前記水位センサを固定するときのシール性を向上できる。
さて、前記樹脂収容部は、前記塩水タンクと塩水供給ラインで接続されている。この塩水供給ラインは、再生作動時に前記塩水タンクに貯留されている塩水を前記樹脂収容部内へ供給するための流通路であるとともに、補給水を前記塩水タンクへ供給するための流通路である。そして、前記塩水供給ラインには、前記水位検出手段が設けられている。
前記塩水供給ラインにおける前記水位検出手段の取付け位置は、前記水位センサの検出方式により選択する。前記水位センサとして、電極式,フロート式,あるいは光学式レベルスイッチを用いる場合は、補給水の供給を停止させようとする前記塩水タンク内の水位と同じ高さに前記各レベルスイッチの検出部を位置させる。また、前記水位センサとして、圧力式レベルセンサを用いる場合は、補給水の供給を停止させようとする前記塩水タンク内の水位よりも低い位置に前記圧力式レベルセンサの検出部を位置させる。さらに、前記水位センサとして、超音波式,あるいはマイクロ波式レベスイッチを用いる場合は、補給水の供給を停止させようとする前記塩水タンク内の水位よりも高い位置に前記各レベルスイッチの検出部を位置させる。
つぎに、前記軟水装置の運転動作について説明する。前記軟水装置は、制御器により通水作動および再生作動を繰り返し行いながら軟水を供給している。
前記通水作動は、原水を前記樹脂収容部内に収容された陽イオン交換樹脂に通水して軟化し、得られた軟水を蒸気ボイラなどの水使用機器へ供給する。
前記再生作動は、前記陽イオン交換樹脂の能力を回復させるためのもので、通常、つぎの逆洗工程,塩水導入工程,押出工程,洗浄工程および補水工程をこの順で行う。
逆洗工程は、原水を前記陽イオン交換樹脂層に対して上昇流で流し、前記陽イオン交換樹脂層をほぐしながら堆積した汚濁物質を洗い流す工程である。
塩水導入工程は、前記塩水タンクに貯留した塩水を前記塩水供給ラインを介して前記樹脂収容部内へ供給し、必要に応じて原水または軟水で希釈しながら前記陽イオン交換樹脂層に対して下降流で流す工程である。そして、前記陽イオン交換樹脂に吸着している硬度成分をナトリウムイオンに置換させる。
押出工程は、前記塩水導入工程において前記陽イオン交換樹脂層に流入させた塩水を原水または軟水にて下降流で押し出しながら、引き続き前記陽イオン交換樹脂に吸着している硬度成分をナトリウムイオンに置換させる工程である。
洗浄工程は、原水または軟水を前記陽イオン交換樹脂層に対して下降流で流し、前記樹脂収容部内に残留している塩分を完全に洗い流す工程である。
補水工程は、次回の再生に備えて再び塩水を生成させるために、前記塩水供給ラインを介して前記塩水タンクへ補給水を供給する工程である。
前記軟水装置は、前記塩水供給ラインに前記水位検出手段を設けているため、前記補水工程おいて、補給水は、前記水位検出手段を通過しながら前記塩水タンクへ供給される。このため、前記水位センサに付着した塩分は、補給水により再生作動のたびに定期的に洗浄される。そして、前記補水工程が終了すると、前記水位センサは、補給水に接触させた状態で保持される。
以上の実施の形態によれば、水位センサへ再結晶化した塩が付着することを効果的に抑制でき、水位センサの誤作動をより確実に防止することができる。さらに、塩水タンクの内部構造が簡素になり、組立性やメンテナンス性が向上する。
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の第一実施例の概略構成図である。
図1に示す軟水装置1は、原水中の硬度成分をイオン交換する陽イオン交換樹脂(図示省略)を収容した樹脂収容部2と、前記陽イオン交換樹脂を再生するときの塩水供給源である塩水タンク3と、この塩水タンク3内の水位を検出するための水位検出手段4とを主に備えている。
前記樹脂収容部2には、原水を前記樹脂収容部2内へ供給するための第一給水ライン5と、軟水を蒸気ボイラなどの水使用機器(図示省略)へ供給するための第二給水ライン6とが接続されている。前記第一給水ライン5には、第一開閉弁7が設けられており、また前記第二給水ライン6には、第二開閉弁8が設けられている。前記第一開閉弁7の原水流入側は、前記第二開閉弁8の軟水流出側とバイパスライン9で接続されている。そして、このバイパスライン9には、第三開閉弁10が設けられている。
さらに、前記樹脂収容部2の前記第二給水ライン6が接続されている側には、第一排水ライン11が接続されており、この第一排水ライン11には、第四開閉弁12が設けられ
ている。前記樹脂収容部2の前記第一給水ライン5が接続されている側は、前記第一排水ライン11の開放端側と第二排水ライン13で接続されており、この第二排水ライン13には、第五開閉弁14が設けられている。
前記塩水タンク3は、前記樹脂収容部2の前記第一給水ライン5が接続されている側と塩水供給ライン15で接続されている。この塩水供給ライン15は、前記樹脂収容部2側から順に、第六開閉弁16,オリフィス17,前記水位検出手段4および塩水供給ポンプ18を備えている。前記オリフィス17は、再生作動時に塩水供給流量および補給水供給流量を調節するためのものであり、また前記塩水供給ポンプ18は、再生作動時に前記塩水タンク3から塩水を前記樹脂収容部2へ供給するためのものである。
前記水位検出手段4は、前記塩水タンク3内の水位を検出するためのものであり、電極式レベルスイッチ19と、合成ゴムで形成された保持容器20とにより構成されている。この保持容器20の上部は、前記塩水タンク3とエア抜きライン21で接続されている。
ここで、前記保持容器20内は、前記塩水タンク3内と前記塩水供給ライン15を介して連通され,かつ前記エア抜きライン21を介して前記塩水タンク3内で大気開放されているため、前記塩水タンク3内の水位に相当する水面を前記保持容器20内に形成可能になっている。そして、前記保持容器20内には、前記塩水タンク3内の補給水停止水位に相当する位置に前記電極式レベルスイッチ19の先端部が固定されている。
つぎに、前記軟水装置1の運転動作について説明する。前記軟水装置1は、原水を前記陽イオン交換樹脂に通水して得られた軟水を蒸気ボイラなどの水使用機器へ供給する通水作動と、塩水を前記陽イオン交換樹脂に通液し、この陽イオン交換樹脂の能力回復を行う再生作動とを繰り返しながら運転している。
前記通水作動は、前記第一開閉弁7および前記第二開閉弁8を開状態とするとともに、前記第三開閉弁10,前記第四開閉弁12,前記第五開閉弁14および前記第六開閉弁16を閉状態とする。原水は、前記第一給水ライン5を介して前記樹脂収容部2内へ供給され、前記陽イオン交換樹脂層を下降流で流れながら軟水となる。そして、軟水は、前記第二給水ライン6を介して前記水使用機器へ供給される。
前記通水作動により、前記陽イオン交換樹脂の能力がなくなると、制御器(図示省略)からの信号にしたがい前記再生作動を行う。前記再生作動は、逆洗工程,塩水導入工程,押出工程,洗浄工程および補水工程を含んでおり、前記各工程をこの順で行うように制御される。
前記逆洗工程は、前記第二開閉弁8,前記第三開閉弁10および前記第五開閉弁14を開状態とするとともに、前記第一開閉弁7,前記第四開閉弁12および前記第六開閉弁16を閉状態とする。原水は、前記第一給水ライン5から前記バイパスライン9を介して前記樹脂収容部2内へ供給され、前記陽イオン交換樹脂層を上昇流で流れる、そして、原水は、前記陽イオン交換樹脂層をほぐしながら堆積した懸濁物を洗い流し、前記第二排水ライン13を介して系外へ排水される。
前記塩水導入工程は、前記第一開閉弁7,前記第三開閉弁10,前記第四開閉弁12および前記第六開閉弁16を開状態とするとともに、前記第二開閉弁8および前記第五開閉弁14を閉状態とする。そして、前記塩水供給ポンプ18を作動させる。原水は、前記第一給水ライン5を介して前記樹脂収容部2内へ流れる。一方、前記塩水タンク3内に貯留されている塩水は、前記塩水供給ライン15を介して前記樹脂収容部2内へ供給されるとともに、その一部が前記エア抜きライン21を介して前記塩水タンク3へ還流される。前
記樹脂収容部2内へ供給された塩水は、原水で希釈されながら前記陽イオン交換樹脂層を下降流で流れながら前記陽イオン交換樹脂を再生し、能力を回復させる。前記陽イオン交換樹脂層を通過した塩水は、前記第一排水ライン11を介して系外へ排水される。この塩水導入工程において、前記塩水タンク3内の水位は、塩水の消費にともなって下降する。
前記押出工程は、前記塩水導入工程の状態から前記塩水供給ポンプ18を停止させるとともに、前記第六開閉弁16を閉状態とする。原水は、前記第一給水ライン5を介して前記樹脂収容部2内へ供給され、前記陽イオン交換樹脂層内に滞留している塩水を下降流で押し出しながら前記陽イオン交換樹脂層の最下層まで通過させ、前記陽イオン交換樹脂を十分に再生させる。前記陽イオン交換樹脂層を通過した塩水は、前記第一排水ライン11を介して系外へ排水される。
前記洗浄工程は、前記第一開閉弁7,前記第三開閉弁10および前記第四開閉弁12を開状態とするとともに、前記第二開閉弁8,前記第五開閉弁14および前記第六開閉弁16を閉状態とする。原水は、前記第一給水ライン5を介して前記樹脂収容部2内へ供給され、前記陽イオン交換樹脂層を下降流で流れながら残留している塩分を完全に洗い流す。前記陽イオン交換樹脂層を通過した洗浄水は、前記第一排水ライン11を介して系外へ排水される。
前記逆洗工程から前記洗浄工程までの前記各工程においては、原水の一部が前記バイパスライン9を介して前記第二給水ライン6へ流れるようになっている。これは、再生作動中に前記水使用機器を停止させないためであるが、前記水使用機器が蒸気ボイラの場合、原水を供給することは好ましくないため、通常、前記第二給水ライン6に電磁弁(図示省略)などを設けて原水の供給を遮断する。
前記補水工程は、前記第一開閉弁7,前記第二開閉弁8および前記第六開閉弁16を開状態とするとともに、前記第三開閉弁10,前記第四開閉弁12および前記第五開閉弁14を閉状態とする。この補水工程においては、前記陽イオン交換樹脂の能力が回復しているため、通水作動時と同様に軟水が得られる状態になっている。また、原水の一部は、補給水として前記塩水供給ライン15を介して前記塩水タンク3内へ供給される。このとき、補給水は、前記オリフィス17で流量が絞られ、前記保持容器20内を満たすことなく、内壁に沿って流れる。そして、補給水は、前記保持容器20の内壁や前記電極式レベルスイッチ19などに付着した塩分を洗い流しながら前記塩水タンク3へ向かって流れる。前記塩水タンク3内の水位は、補給水の供給にともなって上昇するが、前記塩水タンク3内と前記保持容器20内は連通されているため、前記保持容器20内の水位も上昇する。そして、前記保持容器20内の水面が前記電極式レベルスイッチ19の先端部に達すると、前記第六開閉弁16を閉状態とする。
前記再生作動が終了すると、前記軟水装置1は再び通水作動となるが、前記塩水タンク3では貯蔵された塩が溶解して塩分濃度が増加する。しかしながら、前記水位検出手段4においては、前記保持容器20内に補給水を貯留した状態で保持しているので、塩分濃度の上昇が抑制される。
以上のように、この第一実施例によれば、前記電極式レベルスイッチ19(水位センサの一例)へ塩が付着することを効果的に抑制でき、水位検出の誤作動をより確実に防止することができる。さらに、前記水位検出手段4を前記塩水タンク3から分離して設けているため、前記塩水タンク3の内部構造を簡素にすることができる。
つぎに、この発明の第二実施例を図2に基づいて詳細に説明する。図2は、この発明の
第二実施例の概略構成図である。この第二実施例において、前記第一実施例を示す図1において使用した符号と同一の符号は、同一の部材を表しており、その詳細な説明は省略する。
第二実施例における軟水装置1は、前記第一実施例と同じく前記塩水供給ライン15に前記水位検出手段4を備えている。この水位検出手段4は、前記塩水タンク3内の水位を検出するためのものであり、第二実施例においては圧力式レベルセンサ22である。前記塩水供給ライン15において、前記圧力式レベルセンサ22と前記オリフィス17の間は、前記塩水タンク3とエア抜きライン21で接続されている。
ここで、前記圧力式レベルセンサ22は、前記塩水タンク3と前記塩水供給ライン15を介して連通され,かつ前記エア抜きライン21を介して前記塩水タンク13内で大気開放されているため、前記塩水タンク3の水面から前記圧力式レベルセンサ22までの水位に相当する圧力を検出可能になっている。
つぎに、前記軟水装置1の運転動作を説明するが、通水作動および補水工程を除く再生作動(逆洗工程,塩水再生工程,押出工程および洗浄工程)は、前記第一実施例で説明したとおりであるので省略する。
前記補水工程は、前記第一開閉弁7,前記第二開閉弁8および前記第六開閉弁16を開状態とするとともに、前記第三開閉弁10,前記第四開閉弁12および前記第五開閉弁14を閉状態とする。この補水工程において、原水の一部は、補給水として前記塩水供給ライン15を介して前記塩水タンク3内へ供給される。このとき、補給水は、前記オリフィス17で流量が絞られ、前記塩水供給ライン15の流路断面を満たすことなく、内壁に沿って流れる。そして、補給水は、前記圧力式レベルセンサ22の検出部などに付着した塩分を洗い流しながら前記塩水タンク3へ向かって流れる。前記塩水タンク3内の水位は、補給水の供給にともなって上昇するが、同時に前記塩水供給ライン15内の水位も上昇する。そして、前記圧力式レベルセンサ22の検出圧力があらかじめ設定されている値に達すると、前記第六開閉弁16を閉状態とする。
再生作動が終了すると、前記軟水装置1は再び通水作動となるが、前記塩水タンク3では貯蔵している塩が溶解して塩分濃度が増加する。しかしながら、前記圧力式レベルセンサ22における検出部の周囲は、前記塩水供給ライン15内に補給水を貯留した状態で保持しているので、塩分濃度の上昇が抑制される。
以上のように、この第二実施例によれば、圧力式レベルセンサ22(水位センサの一例)へ塩が付着することを効果的に抑制でき、水位検出の誤作動をより確実に防止することができる。さらに、前記水位検出手段4を前記塩水タンク3から分離して設けているため、前記塩水タンク3の内部構造を簡素にすることができる。
この発明の第一実施例の概略構成図である。 この発明の第二実施例の概略構成図である。
符号の説明
1 軟水装置
2 樹脂収容部
3 塩水タンク
4 水位検出手段
15 塩水供給ライン

Claims (2)

  1. イオン交換樹脂を収容する樹脂収容部2と、前記イオン交換樹脂を再生するための塩水を貯留する塩水タンク3とを備え、
    前記樹脂収容部2と前記塩水タンク3とを塩水供給ライン15で接続し、
    前記塩水供給ライン15に前記塩水タンク3内の水位を検出する水位検出手段4を設けたことを特徴とする軟水装置。
  2. 前記塩水タンク3への補給水を前記水位検出手段4を介して供給させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の軟水装置。

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