JP2005279398A - 浄化方法 - Google Patents

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善孝 伊藤
Shigekazu Suzuki
繁和 鈴木
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Abstract

【課題】従来の汚染土壌及び地下水の浄化方法の中で、本願に関係するバイオレメデエーション法は、環境に左右されて最適期間内に浄化することができない場合があり不安定なものであった。
【解決手段】汚染領域を掘削して汚染土壌に炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩と水分と生分解性カプセルに充填した嫌気性微生物を十分混合してスラリー状にスラリー調整槽で行ったうえで、生物の反応槽でスラリー状の汚染土壌を嫌気性微生物により分解し、固液分離槽でスラリー状の浄化された土壌を沈殿させ、浄化された土壌を元の場所に埋め戻すまたは、リサイクルすることができる。
【選択図】図1

Description

この発明はバイオレメデエーション法を用いて、嫌気性微生物を活性化して有機塩素系化合物で汚染された土壌と、好気性微生物を活性化して油分を短期間に浄化する技術に関するものである。
従来、土壌及び地下水の汚染の浄化設備とその浄化方法として、真空抽出法、揚水曝気法、石灰法、鉄粉法、土壌掘削置換法、土壌湿気式洗浄法、不溶化処理法、気・液混合井戸方法、エアースパージング方式、バイオレメディエーション法と、浄化に関して様々な方法が用いられるが、短期間で、土壌及び地下水の汚染の浄化ができる方法は、鉄粉法とバイオレメディエーション法である。
原位置での生物学的処理が可能で、炭素数が10以上の脂肪酸、炭素数が12以上のアルコール、炭素数が14以上の直鎖状飽和脂肪酸と1価アルコールのエステル、炭素数が14以上の直鎖状飽和脂肪酸と多価アルコールのエステル、炭素数が16以上の脂肪酸とグリセリンのエステルなどを土壌中に埋設して、土壌や地下水の硝酸態窒素及び揮発性有機化合物を低減させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とし、特に粒径100mm以内の粒子状に成形し、主に廃水処理に用いる脱窒素促進剤およびこの脱窒素促進剤を用いた水処理方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−370085号公報(第4〜14頁、第1〜3図) 特開2000−334492号公報(第3〜9頁、第1〜4図)
しかしながら、このような従来の土壌及び地下水の汚染の浄化設備とその浄化方法では、鉄粉法は土壌を掘削してゼロ化鉄粉を注入する方法で、化学反応により短期間に土壌浄化するが、現状では汚染領域を絞って掘削する方法が主流の為、汚染領域全てを最適期間内に浄化することができなく、しかも高額な施工費用がかかる。またバイオレメデエーション法は、環境に左右され最適期間内に浄化することができない場合もあり不安定である。
さらに浄化処理剤についても、従来の栄養塩類では、(例えばポリ乳酸エステル)水に対する溶解度が高く、この場合供給した栄養塩(の消費量)の地下水への溶出が早く(多く)、したがって頻繁に栄養塩の追加(継続)投与が必要であった。また、炭素数が10以上の脂肪酸は土壌中の水分への溶出が遅く、汚染土壌での最適量の溶出が管理できない。
したがって、ここに、浄化処理剤の溶解度が最適で、常時処理が安定し、メンテナンスが楽なものが切望されていた。また、汚染土壌を掘削しないバイオレメデエーション法では、地下の汚染土壌浄化の状態が判断しにくく、さらに汚染土壌を掘削しても、その汚染土壌を廃棄物として処理する場合には特別管理産業廃棄物となり、莫大な費用とエネルギーが必要となる等の課題が多かった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、有機塩素系化合物で汚染された汚染土壌を掘削して、栄養塩と生分解性カプセルに充填した嫌気性微生物と水を添加し、
十分に混合してスラリー状に調整した後に反応槽に移し、嫌気性微生物を短期間に安定して増殖・活性化させ浄化処理・管理を最適化し、かつ各浄化処理の設備・施設を簡略化し、
かつ各浄化処理の設備・施設を簡略化し、さらに、限られた場所で有効に有機塩素系化合
物での汚染土壌を浄化する方法及び、油分で汚染された汚染土壌を掘削して、栄養塩と水
を添加し、十分に混合してスラリー状に調整した後に反応槽に移し、好気性微生物を短期
間に安定して増殖・活性化させ浄化処理・管理を最適化し、かつ各浄化処理の設備・施設
を簡略化し、かつ各浄化処理の設備・施設を簡略化し、さらに、限られた場所で有効に油
分での汚染土壌を浄化する方法提供することを目的とする。
つまり、施工費用が比較的安いバイオレメデエーション法に注目し、特定の栄養塩を選
定した嫌気性微生物処理又は好気性微生物処理によって土壌の汚染の浄化を促進せしめ、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩(カプロン酸、ペンタ
ンカルボン酸、ブチル酢酸、エナント酸、エナンチル酸、ヘキサンカルボン酸、ペンチル
酢酸、カプリル酸、ヘプタンカルボン酸、ヘキシル酢酸、ペラルゴン酸、オクタンカルボ
ン酸、ヘプチル酢酸等)を汚染領域の上流側に注入することにより、掘削した汚染土壌全
てを、最適期間内に安定して浄化できる工法を用いた浄化方法を提供する。
本発明の汚染土壌の浄化方法は、上記目的を達成するために、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩と水を汚染土壌に添加し、前記汚染土壌を十分の混合しスラリー状に調整した後、前記汚染土壌の汚染物質に応じて嫌気性又は好気性の反応槽に投入し、嫌気性微生物又は好気性微生物を増殖かつ活性化させ、前記汚染土壌の有機塩素系化合物や油分を分解処理する工法を用いたものである。
本発明は、汚染領域を掘削等により状況把握した後、掘削した汚染土壌に含まれる汚染物質を分析し、掘削した汚染土壌をスラリー調整槽において炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩と生分解性カプセルに充填した嫌気性微生物と水分を添加して、汚染土壌を十分に混合してスラリー状に調整した後、調整後のスラリーを攪拌装置の具備された反応装置に移行して、嫌気性微生物を短期間に安定して増殖・活性化させることにより、スラリー状の汚染土壌に含有する有機塩素系化合物をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができ、最適の工期間で汚染土壌全体を浄化することができ、反応装置のスラリー状の浄化された土壌を固液分離槽で沈殿させて水分と土壌に分離させることにより土壌を再利用することができ、水分はスラリー調整槽に戻すことで再利用できる。
また、本発明は、汚染領域を掘削等により状況把握した後、掘削した汚染土壌に含まれる汚染物質を分析し、掘削した汚染土壌をスラリー調整槽において炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩と水分を添加して、汚染土壌を十分に混合してスラリー状に調整した後、調整後のスラリーを攪拌装置及び曝気装置の具備された反応装置に移行して、好気性微生物を短期間に安定して増殖・活性化させることにより、スラリー状の汚染土壌に含有する油分をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができ、最適の工期間で汚染土壌全体を浄化することができ、反応装置のスラリー状の浄化された土壌を固液分離槽で沈殿させて水分と土壌に分離させることにより土壌を再利用することができ、水分はスラリー調整槽に戻すことで再利用できる。
本発明によれば、汚染領域を掘削等により状況把握した後、掘削した汚染土壌に含まれる汚染物質を分析し、掘削した汚染土壌をスラリー調整槽において炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩と生分解性カプセルに充填した嫌気性微生物と水分を添加して、汚染土壌を十分に混合してスラリー状に調整した後、調整後のスラリーを攪拌装置の具備された反応装置に移行して、嫌気性微生物を短期間に安定して増殖・活性化させることにより、スラリー状の汚染土壌に含有する有機塩素系化合物をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができ、有機塩素系化合物を低分子化させ、最適の工期間で水と二酸化炭素に完全分解でき、汚染土壌全体を浄化することができ、反応装置のスラリー状の浄化された土壌を固液分離槽で沈殿させて水分と土壌に分離させることにより土壌を再利用又は元の場所に埋め戻すことができ、水分はスラリー調整槽に戻すことで再利用することにより、限られた場所においても環境に優しいゼロエミッション型の浄化ができる。
また、本発明の油分を分解する方法においても、汚染領域を掘削等により状況把握した後、掘削した汚染土壌に含まれる汚染物質を分析し、掘削した汚染土壌をスラリー調整槽において炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩と水分を添加して、汚染土壌を十分に混合してスラリー状に調整した後、調整後のスラリーを攪拌装置及び曝気装置の具備された反応装置に移行して、好気性微生物を短期間に安定して増殖・活性化させることにより、スラリー状の汚染土壌に含有する油分をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができ、油分を低分子化させ、最適の工期間で水と二酸化炭素に完全分解でき、汚染土壌全体を浄化することができ、反応装置のスラリー状の浄化された土壌を固液分離槽で沈殿させて水分と土壌に分離させることにより土壌を再利用又は元の場所に埋め戻すことができ、水分はスラリー調整槽に戻すことで再利用することにより、限られた場所においても環境に優しいゼロエミッション型の浄化ができる。
さらに、最適の工期間で汚染土壌全体をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができるため、浄化された土壌を元の場所に埋め戻すまたは、リサイクルすることができることから、特別管理産業廃棄物として廃棄する必要も無く、莫大な費用とエネルギーを削減できる。
請求項1に記載の本発明によれば、汚染土壌の状態に応じた特定の栄養塩(炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩)を選定し、生分解性カプセルに充填した嫌気性微生物(シュードモナス属)と、水分を掘削した汚染土壌に添加し、前記汚染土壌を十分に混合してスラリー状に調整するスラリー調整槽と、調整後のスラリーを攪拌装置を具備した反応装置と、反応後のスラリーを固液分離槽で分離することにより、前記汚染土壌に含有される有機塩素系化合物を分解処理する工法を用いたものであり、スラリー状の汚染土壌の浄化処理を促進せしめ、汚染土壌全体を最適期間内に安定して浄化でき、メンテナンスフリー、かつ安価格の浄化工法とすることができる。
つまり、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とする栄養塩は、水分に対して徐々に溶解するものであり、その溶出の速度は炭素数が大きいほど溶出しにくく、汚染土壌の含水率と、別に加える水分により、特定の栄養塩(例えば、カプロン酸、ペンタンカルボン酸、ブチル酢酸、エナント酸、エナンチル酸、ヘキサンカルボン酸、ペンチル酢酸、カプリル酸、ヘプタンカルボン酸、ヘキシル酢酸、ペラルゴン酸、オクタンカルボン酸)および生分解性カプセルに充填した嫌気性微生物(シュードモナス属)を十分に混合して均一にスラリー状にすることで、土粒が細かくかつ土壌中の空気(酸素)を放出することにより嫌気状態の環境をつくり、次に嫌気状態の反応槽でスラリー状の汚染土壌を攪拌機により攪拌し嫌気性微生物を増殖、活性化せしめることにより有機塩素系化合物の分解を短期間で安定・最適化の管理ができ、最適期間内に安定して浄化でき、メンテナンスフリー、かつ安価格の浄化工法とすることができ、固液分離槽の水分を分析することにより、浄化の状況が判断できる。
特に本発明を実施する場合においては、掘削した汚染土壌の一部を分析し、汚染物質を特定することと、その含水率を測定することにより汚染土壌の性質を把握し、例えば、有機塩素化合物であるトリクロロエチレンや、が含有されていて含水率が20%以下の汚染土壌においては、栄養塩をカプロン酸、ペンタンカルボン酸を主成分とする栄養塩を選択し、土着している嫌気性微生物を増殖かつ活性促進させることにより、汚染土壌に含有する有機塩素系化合物をバイオ的に安定して短期間に低分子化して二酸化化炭素と水に分解できる。
請求項2に記載の本発明によれば、汚染土壌の状態に応じた特定の栄養塩(炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩)を選定し、水分を掘削した汚染土壌に添加し、前記汚染土壌を十分に混合してスラリー状に調整するスラリー調整槽と、調整後のスラリーを攪拌装置と曝気装置を具備した反応装置と、反応後のスラリーを固液分離槽で分離することにより、前記汚染土壌に含有される油分を分解処理する工法を用いたものであり、スラリー状の汚染土壌の浄化処理を促進せしめ、汚染土壌全体を最適期間内に安定して浄化でき、メンテナンスフリー、かつ安価格の浄化工法とすることができ、
固液分離槽の水分を分析することにより、浄化の状況が判断できる。
つまり、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とする栄養塩は、水分に対して徐々に溶解するものであり、その溶出の速度は炭素数が大きいほど溶出しにくく、汚染土壌の含水率と、別に加える水分により、特定の栄養塩(例えば、カプロン酸、ペンタンカルボン酸、ブチル酢酸、エナント酸、エナンチル酸、ヘキサンカルボン酸、ペンチル酢酸、カプリル酸、ヘプタンカルボン酸、ヘキシル酢酸、ペラルゴン酸、オクタンカルボン酸)を十分に均一的にスラリー状にしたのち、好気状態の反応槽でスラリー状の汚染土壌を攪拌機により攪拌しながら散気管より空気を供給することにより、土着している好気性微生物を増殖、活性化せしめることにより油分の分解を短期間で安定・最適化の管理ができ、最適期間内に安定して浄化でき、メンテナンスフリー、かつ安価格の浄化工法とすることができる。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の有機塩素系化合物での汚染土壌の浄化の概要を示すフロー図である。
図1において、汚染領域の土壌を掘削し、掘削した汚染土壌1に栄養塩と水分と生分解性カプセルに充填した嫌気性微生物を添加してスラリー調整槽2に投入し、十分に混合してスラリー状に調整した後に、生物の反応槽3にスラリー状の前記汚染土壌1に移し、前記反応槽3に備わったプロペラ攪拌翼を備えた攪拌機により、スラリー状の前記汚染土壌1を攪拌して、嫌気性微生物を増殖、活性化させ、スラリー状の前記汚染土壌1を嫌気性微生物の働きによって低分子化させた後、固液分離槽4(デカンタ又は沈殿槽)で水分と浄化土壌5に分離させ、前記浄化土壌5は、元の掘削した場所に埋め戻したり又は再利用することができる。
分離された水分は前記スラリー調整槽2内の前記汚染土壌1に添加する水分として利用でき、環境に優しいゼロエミッションの汚染土壌の浄化が可能である。
また、前記固液分離槽4で分離された水分を一部抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより浄化の状態が判断できる。
前記汚染土壌1には、有機塩素化合物、揮発性有機化合物VOC(例えば、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ホルムアルデヒド、トルエン、ベンゼン、キシレン等)が含有されている。これらは化学的に安定していて分解しにくい性質があり、産業界で種々の用途に普及した反動として、今や特に土壌及び地下水の汚染の原因ともなっている。
栄養塩は、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩を特定し、前記汚染土壌5内の好気性微生物群を増殖かつ活性化させる栄養剤となる。
具体的には、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸には、例えばカプロン酸、ペンタンカルボン酸、ブチル酢酸、エナント酸、エナンチル酸、ヘキサンカルボン酸、ペンチル酢酸、カプリル酸、ヘプタンカルボン酸、ヘキシル酢酸、ペラルゴン酸、オクタンカルボン酸、ヘプチル酢酸等を主成分とするものが上げられ、前記汚染土壌5の含水率により適宜選択される。
栄養塩のカルボン酸としては、炭素数が6以上であることが必須であり、炭素数が6未満(例えば、ギ酸、酪酸)では浸出水に対する溶解度が大きすぎるため、浸出水に炭素数が6未満(例えば、ギ酸、酪酸)の基質成分の殆どが溶解し、雑菌の繁殖等による悪臭、水質の不安定化という課題がある。
また、炭素数の上限は特に設ける必要はないが、工業的に大量に入手可能なものとしては炭素数が18程度までと考えられる(が必ずしも、炭素数が18以下のものに限られるものではないことは言うまでもない)。炭素数が大き過ぎると、水溶解性が更に悪く(溶解に時間がかかり)なり、栄養塩としての効果(実効性)が低くなるのは上述したとおりである。
また、本願のカルボン酸は、直鎖状構造を有し、さらには、飽和モノカルボン酸であることが好ましい(これらの基本的な内容等については、特開2000−334492号公報に記載されている)。
前述のとおり炭素数が大きい栄養塩の場合、前記汚染土壌1への溶解に時間がかかり、栄養塩としての効果が低くなる(遅効性)が、例えば、本願のカルボン酸(高級脂肪酸)にアルコール(グリセリン)を加えてエステル(油脂)としても良い。つまり、カルボン酸をグリセリンによってエステル結合となし、カルボン酸の水溶性が増すことになり、カルボン酸による浄化の補助的な寄与が期待できることになる(これらの内容等については、特開2002−370085号公報に記載されている)。
仮に、端的に汚染の浄化処理期間の観点から見れば、短期〜中期〜長期等があり、例えば、短期とすれば、炭素数が小さくカルボン酸、かつ、カルボン酸をグリセリンによってエステル化した栄養塩とすることが考えられる。逆に長期とすれば、炭素数が大きいカルボン酸(例えば、ステアリン酸)、グリセリンを使用しない栄養塩とすること等が考えられる。つまり、カルボン酸の炭素数やグリセリンの添加量を自在に選択し、その添加量等の・最適の浄化処理条件を制御でき、限られた場所での対応が自在にできることになる。
以上の説明により、バイオ工法分類の中の一つである「バイオスラリー」は既に知られた工法であるが、本願の特徴は、この栄養塩を特定することにより、新たに特異な効果を生じることになる。
図2は、本発明の油分での汚染土壌の浄化の概要を示すフロー図である。
なお、実施例1との差異については、汚染物質の違いにより、好気処理となるものであり、汚染領域の土壌を掘削し、掘削した汚染土壌1に栄養塩と水分を添加してスラリー調整槽2に投入し、十分に混合してスラリー状に調整した後に、生物の反応槽3にスラリー状の前記汚染土壌1に移し、前記反応槽3に備わったプロペラ攪拌翼を備えた攪拌機により、スラリー状の前記汚染土壌1を攪拌するとともに、前記反応槽3に備わった曝気装置の散気管から空気を強制給気して、好気性微生物を増殖、活性化させ、スラリー状の前記汚染土壌1を好気性微生物の働きによって低分子化させた後、固液分離槽4(デカンタ又は沈殿槽)で水分と浄化土壌5に分離させ、前記浄化土壌5は、元の掘削した場所に埋め戻したり又は再利用することができる。
分離された水分は前記スラリー調整槽2内の前記汚染土壌1に添加する水分として利用でき、環境に優しいゼロエミッションの汚染土壌の浄化が可能である。
また、前記固液分離槽4で分離された水分を一部抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析することにより浄化の状態が判断できる。
実施例1と実施例2は汚染物質が、有機塩素化合物であるか廃油等の油分であるかの違いにより、嫌気性処理の為の構成であるか好気性処理の為の構成であるかの差異のため、用
途としては上述の実施例1と同様である(説明は省略する)。
以上、2つの実施例について述べたが、現場の汚染状況に対応させて、夫々の実施例を適宜に組み合せたりして、多様化して展開することは自明のことである。
上述のとおり、特に限られたスペースでの浄化に対して本実施例では、汚染土壌を掘削し、掘削した汚染土壌に栄養塩と水を添加し、十分混合してスラリー状にした後、バイオリアクター等の生物の反応槽により、微生物の働きで汚染土壌の浄化処理をするものであり、浄化スペースが小さい場所での対応や特別管理産業廃棄物として廃棄する必要も無いため、町店舗であるクリーニング店等の土壌浄化にも容易に適用できることになる。
本発明の有機塩素系化合物での汚染土壌の浄化の概要を示すフロー図 本発明の油分での汚染土壌の浄化の概要を示すフロー図
符号の説明
1 汚染土壌
2 スラリー調整槽
3 反応槽
4 固液分離槽
5 浄化土壌

Claims (2)

  1. 炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩と、生分解性カプセルに充填した嫌気性微生物と、水分を汚染土壌に添加し、前記汚染土壌を十分に混合してスラリー状に調整するスラリー調整槽と、調整後のスラリーを攪拌装置を具備した反応装置と、反応後のスラリーを固液分離槽で分離することにより、前記汚染土壌に含有される有機塩素系化合物を分解処理する工法を用いた浄化方法。
  2. 炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩と、水分を汚染土壌に添加し、前記汚染土壌を十分に混合してスラリー状に調整するスラリー調整槽と、調整後のスラリーを攪拌装置と曝気装置を具備した反応装置と、反応後のスラリーを固液分離槽で分離することにより、前記汚染土壌に含有される油分を分解処理する工法を用いた浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007229601A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Kubota Corp 揮発性の塩素系有機化合物に汚染された粘性土壌の浄化方法

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