JP2005278471A - オーロラcの新規選択的スプライシング変異体 - Google Patents

オーロラcの新規選択的スプライシング変異体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はオーロラタンパク質の発現又は過剰発現により特徴付けられる疾患、特に癌の治療に使用を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明により、オーロラタンパクCの新規選択的スプライスバリアントポリペプチド、そのコード化核酸、及び該ポリペプチドの変異体、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体が提供される。また、本発明により、該ポリペプチドの変異体、該ポリペプチドの変異体の発現ベクター、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体を含有する医薬組成物が提供される。
【選択図】
なし

Description

本発明は、ヒトオーロラCの選択的スプライシング変異体(以下、オーロラC_ASVと記載する)ポリペプチドペプチド及び該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。
また、本発明は新規オーロラC_ASVポリペプチド、該ポリペプチドをコードするベクター、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体、及びこれらを有効成分として含有する医薬組成物等に関する。
オーロラ(Aurora)キナーゼファミリーは、酵母からヒトに至るまでそのアミノ酸配列が保存されている細胞周期依存的なセリン−スレオニンキナーゼである。出芽酵母ではIpl1p、分裂酵母ではArk1のそれぞれ1種類が存在し、ショウジョウバエではauroraとIAL、線虫ではAIR−1とAIR−2の各2種類が存在することが知られている。一方、哺乳動物では、オーロラA(オーロラ2ともいう)、オーロラB(オーロラ1ともいう)及びオーロラC(オーロラ3ともいう)の少なくとも3種類のアイソフォームが存在する(2,5,6)。
ヒトオーロラAは、ヒトの乳癌において高頻度に遺伝子増幅が起こっている第20番染色体の長腕13の領域に存在する遺伝子として同定された(Senら, 1997)。ヒトオーロラA遺伝子の増幅とmRNAの発現上昇は乳癌以外にも大腸癌等の他の細胞株でも確認されている。さらに、繊維芽細胞株NIH3T3やRat−1においてオーロラAのmRNAを過剰発現させるとこれらの細胞が癌細胞としての特徴を示すようにトランスフォームすることから、オーロラAは癌遺伝子として位置付けられている(例えば、非特許文献2参照)。オーロラA蛋白質の発現量を細胞周期の点から見た場合、オーロラA蛋白質の発現量はG2/M期に上昇し、G1期になると急速に分解される(例えば、非特許文献2参照)。それに伴い、オーロラAのキナーゼ活性もまたG2/M期に上昇し、G1期になると急速に低下する。オーロラA蛋白質はそのN末端領域にKENボックスとC末端領域に破壊ボックス(destruction box)の2つのユビキチン依存的な蛋白質分解ドメインを保有していることから、オーロラA蛋白質の分解はユビキチン化分解によるものと考えられる。実際、オーロラAがG1期以降にAPC/Fizzy−related(Cdh1)複合体によりユビキチン化分解を受けることが報告されている(Hondaら, 2000;Taguchiら, 2002)。
ヒトオーロラBは腫瘍において過剰発現されるキナーゼとして同定された(非特許文献1)因子で、細胞分裂期の数多くのプロセスにおいて必要とされる染色体パッセンジャータンパク質である。オーロラBの発現およびそのキナーゼ活性は細胞周期に依存して制御されており、発現のピークはG2/Mで、一方、キナーゼ活性は分裂期に最も高くなる(非特許文献1)。オーロラBの不活性型を過剰発現すると、多くの細胞株において、細胞質分裂の最終段階が阻害されることが報告されている(Teradaら, 1998)。また、オーロラBは、ヒストンH3をリン酸化することで、クロマチン凝縮を制御していると考えられているほか、染色体の構造の構築などにも関与することが予想されているが(非特許文献2)、その詳細は明らかにされていない。
オーロラCに関しては、現在までのところ、その機能等に関しほとんど解明が進んでいない。オーロラCは、哺乳動物においてのみ見出されており、特に、精巣において高いレベルで発現し、その発現レベルは、ある種の癌細胞株において上昇が認められている(非特許文献1〜3を参照のこと)。従って、細胞周期の進行、特に、細胞分裂期において重要な役割を担っていると考えられるオーロラCの正常な機能性が失われることにより、重篤な癌へと細胞が変貌していく可能性が示唆されている。
従って、オーロラCの活性を特異的に抑制する物質、例えば、オーロラCに特異的に抗体、又は、活性型のオーロラCと競合するドミナントネガティブな変異体などは、オーロラCの過剰発現に起因する癌の抗癌剤としての用途に使用可能であると考えられる。しかしながら、現在のところ、オーロラCの細胞内における作用機序がほとんど明らかにされていないことから、有効なオーロラCの阻害剤の取得が困難となっているのが現状である。
Kimuraら,J.Biol.Chem 274:7334−7340,1999 Bernardら,Genomics 53:406−409,1998 Tsengら,DNA Cell Biol.17:823−833, 1998
そこで、本発明は、ヒトオーロラCの新規選択的スプライスバリアント(オーロラC_ASV)ポリペプチド及び該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供することを目的とする。
また、本発明は、新規オーロラC_ASVポリペプチド、該ポリペプチドをコードポリヌクレオチドを含有するベクター、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前記ポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するベクター、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体を有効成分として含有し、オーロラCの発現又は過剰発現により特徴付けられる疾患、特に癌の治療に使用することができる医薬組成物等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、オーロラCがオーロラB及びINCENPと複合体を形成することを見出し、さらに、INCENPがオーロラCのヒストンH3リン酸化活性を活性化することを明らかにして、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(15)である。
(1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、「以下の(a)又は(b)のポリペプチドを含むポリペプチド又はその塩。
(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号2で示される配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、INCENPポリペプチド(配列番号7)との結合活性を有するポリペプチド。」である。
ここで、「INCENPポリペプチド」とは、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は、配列番号7で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、オーロラBタンパク質(配列番号6)と結合する活性を持つポリペプチドのことである。
(2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、「ヒストンH3をリン酸化することができない上記(1)に記載のポリペプチド。」である。本ポリペプチドはオーロラBポリペプチドと結合することができるにもかかわらず、不活性型であるため、本ペプチドが活性型のポリペプチドとオーロラBポリペプチドと結合に関し競合することで、活性型の活性を抑制し、活性型が関連する疾患等の治療に有効に作用する。
(3)本発明の第3の実施態様は、「配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを含む上記(2)に記載のポリペプチド。」である。
(4)本発明の第4の実施態様は、 「上記(1)乃至(3)のいずれか1に記載のポリペプチドをコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドの相補鎖。」である。
(5)本発明の第5の実施態様は、 「以下の(a)、(b)又は(c)のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
(a)配列番号1で示される塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b)配列番号1で示される塩基配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、INCENPポリペプチド(配列番号7)との結合活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
(c)(a)又は(b)のポリヌクレオチドの相補鎖。」である。
(6)本発明の第6の実施態様は、「上記(4)又は(5)に記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター。」である。
(7)本発明の第7の実施態様は、「上記(6)に記載の組換えベクターを含む形質転換体。」である。
(8)本発明の第8の実施態様は、「上記(7)に記載の形質転換体を培地中で培養し、得られる培養物から上記(1)乃至(3)のいずれか1に記載のポリペプチド又はその塩を取得することを特徴とする該ポリペプチド又はその塩の製造方法。」である。
(9)本発明の第9の実施態様は、「上記(8)に記載の方法によって製造される組換えタンパク質又はその塩。」である。
(10)本発明の第10の実施態様は、「上記(1)、(2)、(3)又は(9)に記載のポリペプチド又はタンパク質に特異的に結合する抗体。」である。本抗体はオーロラCの活性を抑制することで、オーロラタンパク質が関連する疾患等の治療に有効に作用するものである。本抗体はポリペプチドクローナル抗体でも、モノクローナル抗体でもよく、また、ヒト抗体又はヒト化抗体が好ましい。また、本抗体はオーロラCのキナーゼ活性を抑制するものであれば使用可能であり、例えば、INCENPポリペプチドとの結合領域に結合しINCENPポリペプチドとの結合を阻害する抗体、オーロラCのキナーゼ領域(例えば、69番目のリジンを含む領域など)に対する抗体などであってもよい。
(11)本発明の第11の実施態様は、「上記(10)に記載の抗体を有効成分として含有する、オーロラCの発現又は過剰発現により特徴付けられる疾患の治療用医薬組成物。」である。
(12)本発明の第12の実施態様は、「上記(2)又は上記(3)に記載のポリペプチドを有効成分として含有する、オーロラタンパク質の発現又は過剰発現により特徴付けられる疾患の治療用医薬組成物。」である。
(13)本発明の第13の実施態様は、「上記(2)又は(3)に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換ベクターを有効成分として含有する、オーロラタンパク質の発現又は過剰発現により特徴付けられる疾患の治療用医薬組成物。」である。
(14)本発明の第14の実施態様は、「前記疾患が、悪性腫瘍(癌)である上記(11)乃至(13)のいずれか1に記載の医薬組成物。」である。
(15)本発明の第15の実施態様は、「前記悪性腫瘍が、下垂体腺腫、神経膠腫、聴神経鞘腫、脳腫瘍、咽頭癌、喉頭癌、胸腺腫、中皮腫、乳癌、肺癌、胃癌、食道癌、大腸癌、肝細胞癌、膵癌、膵内分泌腫瘍、胆管癌、胆嚢癌、陰茎癌、腎盂・尿管癌、腎細胞癌、精巣(睾丸)腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、外陰癌、子宮癌、子宮肉腫、絨毛性疾患、膣癌、乳癌、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、悪性黒色腫、菌状息肉症、皮膚癌、軟部肉腫、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、白血病、慢性骨髄増殖性疾患及び膵内分泌腫瘍からなる群から選択されるものである上記(14)に記載の医薬組成物。」である。
本発明により提供される医薬組成物を用いることにより、オーロラCの過剰発現により発症する癌の予防および治療において、効果が期待できる。
本発明における「オーロラC_ASVポリペプチド」とは、配列番号2で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ヒストンH3のリン酸化活性を有するポリペプチドのことである。さらに、これらのポリペプチドの部分ペプチド、断片も本発明の「オーロラC_ASVポリペプチド」に含まれる。なお、本明細書中においては、特に断らない限り、「ポリペプチド」と「タンパク質」を同義に用いることとする。
ここでは、当該ポリペプチドの取得方法、該ポリペプチドの組換体の調製方法、該ポリペプチド中オーロラBの活性化を特異的に阻害する部分の同定方法、該ポリペプチドおよびその部分を含んでなるオーロラBの活性化を阻害する医薬的組成物の調製方法等について順を追って説明していく。
1.新規オーロラC_ASVポリペプチドをコードする遺伝子のクローニング
本発明におけるオーロラC_ASVポリペプチドをコードする遺伝子は、公知のオーロラCの配列情報に基づいて作製されたPCRプライマーを用いて、cDNAライブラリー、ゲノムDNAライブラリー等からクローニングすることができる。
PCRプライマーの設計は、primer3
(Whitehead
Institute for Biomedical Research.)等のプライマー設計ソフトを用いて行うことができる。また、PCRプライマー合成は、標準的な合成技術、例えば、自動DNA合成装置などを用いて行うことができるが、商業的に入手してもよい。PCR反応によって増幅が予想される増幅産物の長さは、増幅効率およびその後のアガロースゲルによる分離能および塩基配列解析が容易であるような長さが好ましく、例えば、80〜200塩基になるようにデザインするのがよい。作成したPCRプライマーを用いて、cDNAライブラリー等を鋳型にしてPCR反応を行い、増幅産物が目的の産物であることを、配列決定を行うなどして確認する。
ここで用いられる、cDNAライブラリーはヒトを含むあらゆる動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ウシ、サル、ヒツジ、イヌ、ネコなど)の細胞、限定はしないが、例えば、免疫系細胞、血球系細胞、線維芽細胞、脾細胞、肝細胞、骨髄細胞、すい臓細胞、ランゲルハンス細胞、上皮細胞、筋細胞、神経細胞、グリア細胞、脂肪細胞、若しくはこれらの株化細胞、若しくはこれらの前駆細胞などから調製したものでもよく、又は、あらゆる動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ウシ、サル、ヒツジ、イヌ、ネコなど)の組織、限定はしないが、例えば、脳、脊髄、下垂体、胸腺、抹消血、脾臓、リンパ組織、下垂体、胃、すい臓、腎臓、生殖腺、甲状腺、胆嚢、睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などから調製したものでもよい。cDNAライブラリーの調製は、当該技術分野における通常の技術を用いて行うことができる(例えば、Sambrookら, 1989などを参照のこと)。
2.本発明のオーロラC_ASVポリペプチド
本発明のオーロラC_ASVポリペプチドは、配列番号2で表わされるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。ここで、「実質的に同一のアミノ酸配列を含むポリペプチド」とは、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、膵臓癌細胞中に存在するポリペプチドのことである。
配列番号2で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含むポリペプチドとしては、配列番号2で表わされるアミノ酸配列中の1又は2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは1〜5個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号2で表わされるアミノ酸配列に1又は2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは1〜5個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、ならびに配列番号2で表わされるアミノ酸配列中の1又は2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは1〜5個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含む、ポリペプチドが含まれる。上記アミノ酸の欠失、付加及び置換は、オーロラC_ASVポリペプチドをコードする遺伝子を、当該技術分野で公知の手法によって、改変することによって行うことができる。例えば、特定のアミノ酸残基の置換は、市販のキット(例えば、MutanTM−G(TAKARA社)、MutanTM−K(TAKARA社))等を使用し、Guppedduplex法やKunkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法によって、塩基の置換を行うことによって達成することができる。
また、本発明のオーロラC_ASVポリペプチド及びその部分ペプチドのC末端は、通常カルボキシル基(−COOH)又はカルボキシレート(−COO)であるが、当該カルボキシル基は、アミド(−CONH)やエステル(−COOR)等に化学修飾されていてもよい。ここで、エステル中のRとしては、C1−6アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル)、C3−8シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル)、C1−6アリール基(例えば、フェニル、α−ナフチル)、フェニル−C1−2アルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル)、α−ナフチル−C1−2アルキル基(例えば、α−ナフチルメチル)等が挙げられる。その他、経口用エステルとして汎用されているピバロイルオキシメチルエステルとすることも可能である。本発明のオーロラC_ASVポリペプチドがC末端以外にもそのポリペプチド鎖中にカルボキシル基を有する場合には、当該カルボキシル基がアミド化又はエステル化されているものも、本発明のポリペプチドに含まれる。この場合のエステルとしては上記の各エステルが挙げられる。同様に、本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチドのN末端は、通常アミノ基(−NH)であるが、当該アミノ基は、ホルミル基、アセチル基等のC1−6アシル基等で化学修飾されていてもよい。その他、N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したものや、分子内のアミノ酸側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な官能基(例えば、ホルミル基、アセチル等)で化学修飾されているものや糖鎖の結合しているものも本発明のポリペプチドに含まれる。
上記いずれかのオーロラC_ASVポリペプチド中の部分アミノ酸配列を含むペプチド(部分ペプチドともいう)も本発明の範囲に含まれる。すなわち、本発明の部分ペプチドは、配列番号2で表されるアミノ酸配列と同一又は実質的に同一なアミノ酸配列の一部のアミノ酸配列を含むものである限り、いずれのものであってもよい。
本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドは、必要に応じて塩の形態、好ましくは生理学的に許容される酸付加塩の形態で提供され得る。そのような塩としては、無機酸、限定はしないが、例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸などの塩、有機酸、限定はしないが、例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの塩等が挙げられる。また、無機塩基、限定はしないが、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属などとの塩、有機塩基、限定はしないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどとの塩が挙げられる。
本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその塩は、本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチドを発現しているヒトや動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ウシ、サル、ヒツジ、イヌ、ネコなど)の培養細胞又は組織から、当該分野における通常の技術により抽出・分離することができ、あるいは後述のように本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチドをコードするDNAを含む形質転換体を培養することにより、該培養物から抽出・分離することによっても製造することができる。ヒトや動物の組織又は細胞から製造する場合、ヒトや動物の組織又は細胞をホモジナイズ後、酸等で抽出を行い、得られた抽出液を疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィーを組み合わせることにより単離精製することができる。
また、本発明の部分ペプチド又はその塩は、公知のペプチド合成法又は前記オーロラC_ASVポリペプチドを適当なペプチダーゼ(例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ)で切断することによって製造することができる。ペプチド合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによってもよい。すなわち、本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる(例えば、Bodanszkyら, 1996;Schroederら, 1965を参照のこと)。合成反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを単離精製することができる。
上記の方法で得られる新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換することができる、塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。
3.本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチド
本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、上記2のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドをコードする塩基配列(DNA又はRNA)又はその相補鎖を含有するものであれば如何なるものであってもよい。該ポリヌクレオチドとしては、本発明のオーロラC_ASVポリペプチドをコードするDNA、mRNA等のRNAが挙げられ、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNA又はDNAとRNAとのハイブリッドでもよい。
本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドをコードするDNAは、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前述のcDNAライブラリーから調製したもの、あるいは合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、所望の細胞又は組織から調製した全RNA又はmRNA画分を用いて直接、RT−PCR法(Reverse Transcriptase Polymerase
Chain Reaction)によって増幅することもできる。具体的には、本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、配列番号1で表わされる塩基配列を含有するポリヌクレオチドが挙げられるが、これらのいずれかのポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本発明のオーロラC_ASVポリペプチドと実質的に同質の活性を有するオーロラC_ASVポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであればいずれのものであってもよい。
配列番号1で表わされる塩基配列を含有するポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、配列番号1で表わされる塩基配列と好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%,81%,82%,83%,84%,85%,86%,87%,88%,89%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%最も好ましくは約99%のポリヌクレオチド配列相同性を有する塩基配列を含有するDNA等が挙げられる。ここで、「ストリンジェントな条件」とは、核酸ハイブリダイゼーション及びクローニングに関する技術分野において周知の技術常識により決定され(例えば、Sambrook等, 1989などを参照のこと)、一般的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な条件である。例えば、ナトリウム濃度が約20〜40mM、好ましくは約20〜25mM、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件などである。
本発明の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、上述の本発明の部分ペプチドをコードする核酸配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前述の細胞又は組織由来のcDNA、前述の細胞又は組織由来のcDNAライブラリーより、当該技術分野において公知の方法により単離されたもの、合成DNAのいずれでもよい。
4.組換えベクター及び形質転換体の作製
(1)組換えベクターの作製
本発明を行なうにあたり使用される組換えベクターは、適当なベクターに本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分をコードするDNAを連結することにより得ることができる。本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分をコードするDNA配列を挿入するためのベクターは、クローニング用に供される場合には、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されない。また、本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分を発現するためのベクターとしては、宿主中で複製可能なものであって、該ポリペプチド又はその部分をコードするDNA断片を発現させることができるプロモーターを有するものが使用可能である。
使用可能なベクターとしては、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられる。プラスミドDNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19、pCBD−C等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5、pC194等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13、YEp24、YCp50、YIp30等)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ等が挙げられる。さらに、レトロウイルス、ワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルス、トガウイルスなどの昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであれば特に限定されない。
例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、CMVプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、HSV−TKプロモーター等が挙げられる。
宿主が大腸菌である場合には、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPプロモーター、lppプロモーター等が、宿主が枯草菌である場合には、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等が挙げられる。
宿主が酵母である場合には、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター等が挙げられる。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
本発明に使用される組換えベクターには新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分のコード配列、プロモーター以外にも、エンハンサー、選択マーカー、ターミネーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配列)、SV40複製起点(SV40ori)などを連結することができる。
選択マーカーとしては、限定はしないが、ハイグロマイシン耐性マーカー(Hyg)、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(dhfr)、アンピシリン耐性遺伝子(Amp)、カナマイシン耐性遺伝子(Kan)、ネオマイシン耐性遺伝子(Neo, G418)などが利用可能である。
また、組換えタンパク質の単離・精製を容易にするなどの目的で、本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分のN末端側に適当なシグナル配列を付加してもよい。
宿主が大腸菌である場合にはアルカリホスファターゼシグナル、OmpAシグナルなどが利用可能であり、宿主が枯草菌である場合にはα−アミラーゼシグナル配列、ズブチリスシグナル配列などが利用可能であり、宿主が酵母である場合には、α因子シグナル配列、インベルターゼシグナル配列などが利用可能であり、宿主が動物細胞である場合には、例えば、インシュリンシグナル配列、α−インターフェロンシグナル配列、抗体分子シグナル配列などが利用可能である。
上述のベクターに対して本発明の新規オーロラC_ASV遺伝子又はその断片を挿入するには、上記1においてクローニングされた新規オーロラC_ASVポリペプチドをコードするDNA又はその断片をそのまま、又は所望により制限酵素で消化して、リンカーを付加し、ベクターDNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入することにより行うことができる。連結するDNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGA又はTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。連結するDNAは、当該DNA中にコードされている本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分が宿主細胞中で発現されるようにベクターに組み込まれることが必要である。
以上の方法により、本発明のオーロラC_ASVポリペプチドをコードするDNA配列を含むベクターを構築することができる。
(2)形質転換体の作製
本発明の形質転換体は、本発明の組換え発現ベクターを、目的遺伝子又はその断片を発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。ここで、宿主としては、本発明のDNAを発現できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、大腸菌(Escherichia coli)等のエシェリヒア属、枯草菌(Bacillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属、リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)等の酵母、サル細胞COS−7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスL細胞、マウスAtT−20、ヒトGH3、ヒトFL細胞等の動物細胞、あるいはSf9、Sf21等の昆虫細胞が挙げられる。
大腸菌への組換えベクターの導入方法としては、カルシウムイオンを用いる方法(Cohenら, 1972)、エレクトロポレーション法(Shigekawa及びDower, 1988)等が利用可能である。酵母への組換えベクターの導入方法としては、エレクトロポレーション法(Beckerら, 1990)、スフェロプラスト法(Hinnenら, 1978)、酢酸リチウム法(Itohら,
1983)等が利用可能である。動物細胞又は動物細胞への組換えベクターの導入方法としては、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法(Chen及びOkayama,
1988)、カチオン性脂質による方法(Elroy-Stein及びMoss, 1990)等が挙げられる。
以上のようにして、本発明のオーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドをコードDNAが挿入された発現ベクターを含む形質転換体を得ることができる。
5.本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドの製造
本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドは、上記4において得られる形質転換体を培養し、その培養物から採取することにより製造することができる。「培養物」とは、培養上清、あるいは培養細胞若しくは培養菌体又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が用いられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー等が用いられる。無機塩類としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が用いられる。
培養は、宿主細胞に適した条件下で行う。
例えば、大腸菌を培養する際の培地としては、LB培地、M9培地等が好ましい。所望によりプロモーターを効率よく働かせるために、イソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトシド、3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。大腸菌の場合、培養は通常約15〜37℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿主が枯草菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。
酵母培養するための培地としては、SD培地、YPD培地があげられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞又は昆虫である形質転換体を培養する際、培地としては、ウシ血清を含むグレース昆虫培地等が挙げられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地、DMEM培地、RPMI 1640培地等が用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。以上のようにして、形質転換体の細胞膜等に本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドを生成させることができる。上記培養物から本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドを分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうことができる。
本発明の新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチーム及び/又は凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により新規オーロラC_ASVポリペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジン等のタンパク質変性剤や、トリトンX−100などの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドが分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られた培養上清又は抽出液中に含まれる新規オーロラC_ASVポリペプチド又はその部分ペプチドの精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、及びSDS−PAGE等の主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
6.抗オーロラC_ASV抗体
本発明には係、オーロラC_ASVポリペプチドと特異的に結合する抗オーロラC_ASV抗体も含まれる。
本発明において使用される「抗体」には、オーロラC_ASVに対するモノエピトープ特異的抗オーロラC_ASV抗体、ポリエピトープ特異的抗オーロラC_ASV抗体、単一鎖抗体、及びこれらの断片が含まれる。これらの抗体には、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化又はヒト抗体などが含まれる。特に、ヒト化又はヒト抗体は、制癌化合物をコンジュゲートして、オーロラCポリペプチドを過剰発現しているような標的癌病巣に該制癌化合物を送達する場合、又はオーロラCのキナーゼ活性領域若しくはINCENPポリペプチドとの結合領域を特異的に標的するために使用する場合に好ましい。
(1)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、例えば、哺乳類宿主動物に対して、免疫原及びアジュバントの混合物をインジェクトすることにより調製することができる。通常は、免疫原及び/又はアジュバントを宿主動物の皮下又は腹腔内へ複数回インジェクトする。免疫原にはオーロラC_ASV及びその異種ポリペプチドとの融合体又はこれらの断片が含まれる。アジュバントの例には、完全フロイト及びモノホスホリル脂質A合成−トレハロースジコリノミコレオート(MPL−TDM)が含まれる。免疫応答を増強するために、免疫原は、キーホールインペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシチログロブリン及び大豆トリプシンインヒビターなどの免疫原性を有するタンパク質に結合させたのち、インジェクトしてもよい。
免疫後、免疫動物から試験的に採取した抗血清を用いて力価をモニターしながら、所望の力価を示した段階で抗血清の採取を開始する。採取した抗血清から、定法に従って、目的の抗体を精製することができる。
あるいは、IgY分子を産生するニワトリを用いて調製してもよい(Schadeら,
1996)。
抗体産生方法の詳細は、例えば、Ausubelら, 1987又はHarlow及びLane, 1988を参照のこと。
(2)モノクローナル抗体
抗オーロラC_ASVモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法を用いて調製される(Milstein及びCuello, 1983)。
この方法には以下に示す4つの工程が含まれる:(i)宿主動物又は、宿主動物由来のリンパ球を免疫する、(ii)モノクローナル抗体分泌性(又は潜在的に分泌性)のリンパ球を回収する、(iii)リンパ球を不死化細胞に融合させる、(iv)所望のモノクローナル抗体(抗オーロラC_ASV)を分泌する細胞を選択する。
マウス、ラット、モルモット、ハムスター、又は他の適当な宿主動物が、免疫動物として選択され免疫原がインジェクトされる。あるいは、免疫動物から取得したリンパ球をin vitroで免疫化してもよい。ヒト細胞が望ましい場合には、末梢血リンパ球(PBLs)が一般に使用される。しかしながら、他の哺乳類由来の脾臓細胞又はリンパ球がより一般的で好ましい。免疫原は典型的にはオーロラC_ASV及びその異種ポリペプチドとの融合体又はこれらの断片が含まれる。
免疫後、宿主動物から得られたリンパ球はハイブリドーマ細胞を樹立するために、ポリエチレングリコールなどの融合剤を用いて不死化細胞株と融合される(Goding, 1996)。トランスフォーメーションによって不死化された齧歯類、ウシ、又はヒトのミエローマ細胞が使用されるか、ラットもしくはマウスのミエローマ細胞株が使用される。細胞融合を行った後、融合しなかったリンパ球及び不死化細胞株の成長又は生存を阻害する一又は複数の基質を含む適切な培地中で細胞を生育させる。通常の技術では、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠く親細胞を使用する。この場合、ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンがHGPRT欠損細胞の成長を阻害し、ハイブリドーマの成長を許容する培地(HAT培地)に添加される。
モノクローナル抗体の調製にあたり、好ましい不死化細胞株はマウスミエローマ株で、アメリカンタイプカルチャーコレクション(Manassas, VA)より入手可能である。ヒトミエローマ及びマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株による、ヒトモノクローナル抗体産生に関しては、Kozborら, 1984;Schook, 1987を参照のこと。
ハイブリドーマ細胞は細胞外に抗体を分泌するため、オーロラC_ASVに対するモノクローナル抗体の産生の有無を培養液を用いて確認することができる。産生されたモノクローナル抗体の結合特異性は、ラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)などの免疫沈降又はin vitroでの結合アッセイにより評価することができる(Harlow及びLane, 1988;Harlow及びLane, 1999)。
抗オーロラC_ASVモノクローナル抗体分泌性ハイブリドーマ細胞は、限界希釈法及びサブカルチャーにより単一クローンとして単離され得る(Goding, 1996)。適切な培地にはダルベッコ改変イーグル培地、RPMI−1640、場合によっては、タンパク質を含まない培地若しくは無血清培地などが含まれる(例えば、Ultra DOMA PF 又はHL−1;Biowhittaker, Walkersville, MD)。あるいは、イブリドーマ細胞は、適切な宿主動物の腹水中で増殖させてもよい。
モノクローナル抗体は、培地又は腹水からプロテインAセファロース、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、硫安沈殿又はアフィニティークロマトグラフィー(Harlow及びLane, 1988;Harlow及びLane, 1999)などの当業者にとって周知の方法によって単離及び精製される。
また、モノクローナル抗体は遺伝子組換え技術によっても作製することができる(米国特許第4166452号)。抗オーロラC_ASV抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株から目的のモノクローム抗体ポリペプチドをコードする遺伝子を同定するに、例えば、マウスの重鎖及び軽鎖抗体遺伝子と特異的に結合するオリゴヌクレオチドプローブを用いてもよい。その結果、抗体重鎖及び軽鎖遺伝子が取得された場合は、その遺伝子の配列を決定することにより目的の抗体遺伝子を同定することができる。単離されたDNA断片は、モノクローナル抗体を発現させるために、適当な発現ベクターの抗体遺伝子を導入し、該ベクターを他のIgタンパク質を生産しないsimian COS−7細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はミエローマ細胞などのホスト細胞中へトランスフェクトさせる。単離されたDNA断片は、例えば、ヒト重及び軽鎖定常ドメインに対するコード化配列を相同なマウス配列の代わりに置換することにより(米国特許第4816567号;Morrisonら, 1987)、又は非Igポリペプチドをコードする配列の全て又は一部に対するIgコード化配列を融合することにより、修飾することができる。そのような非Igポリペプチドは、キメラ二価抗体を創作するために、抗体の定常ドメインと置換することが可能であり、又は一抗原結合部位の定常ドメインと置換することができる。
(3)ヒト化及びヒト抗体
抗オーロラC_ASV抗体には、ヒト化又はヒト抗体が含まれる。非ヒト抗体のヒト化型は、非ヒトIg由来の最小配列を含むキメラIgs、Ig鎖又は断片(Fv,Fab’,F(ab’)又は他の抗体の抗原結合領域など)である。
一般に、ヒト化抗体は、非ヒト由来のIgから導入された一又は複数のアミノ酸残基を持つ。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合、可変ドメインから選ばれる。ヒト化抗体は、例えばマウスのCDRs又はCDR配列と対応するヒト抗体配列とを置換することにより作製することができる(Jonesら, 1986;Riechmannら, 1988;Verhoeyenら, 1988)。つまり、ヒト化抗体とは、典型的には、特定のCDR残基がマウス由来の抗体中の相当部位由来の残基と置換されているヒト抗体のことである。ヒト化抗体には、マウス、ラット又はウサギなどの非ヒト種のCDRであって、抗原に対する所望の特異的親和性を持つ残基により、レシピエント(ヒトIg)の相補性決定領域(CDR)由来の残基が置換されるヒトIgs(レシピエント抗体)が含まれる。また、非ヒト由来の残基によって、ヒトIgのFvフレームワーク残基が置換される場合もある(Jonesら, 1986;Presta, 1992;Riechmannら, 1988)。
7.医薬組成物
オーロラC_ASVポリペプチド、その部分ペプチド、又はそれらの発現ベクターなどは、薬学的に受容可能な担体と共に、生体に対して悪影響を及ぼさない医薬組成物の形態で治療剤として使用され得る。
「薬学的に受容可能な坦体」は、溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、アイソトニックに作用して吸着を遅らせる薬剤及びその類似物を含み、薬剤的投与に適するもののことである(Gennaroら, 2000)。該担体及び該担体を希釈するために好ましいものの例には、限定はしないが、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、及び5%のヒト血清アルブミンが含まれる。また、リポソーム及び不揮発性油などの非水溶性媒体も用いられる。さらに、本発明のオーロラCポリペプチド、その部分ペプチド又はそれらの発現ベクターの活性を保護又は促進するような、特定の化合物が含有されてもよい。
(1)医薬組成物の調製
本発明の医薬組成物は、静脈内、経口への投与、胃への直接投与を含む、治療上適切な投与経路に適合するように製剤化される。静脈内への投与、又は胃への直接投与に使用される溶液又は懸濁液には、限定はしないが、注射用の水などの滅菌的希釈液、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒、ベンジルアルコール又は他のメチルパラベンなどの保存剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなどの無痛化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などの緩衝剤、塩化ナトリウム又はデキストロースなど浸透圧調製のための薬剤を含んでもよい。
pHは塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非径口的標品はアンプル、ガラスもしくはプラスチック製の使い捨てシリンジ又は複数回投与用バイアル中に収納される。
(2)注射可能な製剤
注射に適する医薬組成物には、滅菌された注射可能な溶液又は分散媒であって、使用時に調製するための滅菌水溶液(水溶性の)又は分散媒及び滅菌されたパウダー(凍結乾燥されたタンパク質、核酸などを含む)が含まれる。静脈内の投与に関し、適切な担体には生理食塩水、静菌水、CREMOPHOR ELTM(BASF, Parsippany, N.J.)、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。注射剤として使用する場合、組成物は滅菌的でなくてはならず、また、シリンジを用いて投与されるために十分な流動性を保持していなくてはならない。該組成物は、調剤及び保存の間、化学変化及び腐食等に対して安定でなくてはならず、細菌及び真菌などの微生物由来のコンタミネーションなどが生じてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及び適切な混合物を含む溶媒又は分散媒培地を使用することができる。例えば、レクチンなどのコーティング剤を用い、分散媒においては必要とされる粒子サイズを維持し、界面活性剤を用いることにより適度な流動性が維持される。種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、及びチメロサールなどは、微生物のコンタミネーションを防ぐために使用可能である。また、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール及び塩化ナトリウムのような等張性を保つ薬剤が組成物中に含まれてもよい。吸着を遅らせることができる組成物には、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤が含まれる。
滅菌的な注射可能溶液は、必要な成分を単独で又は他の成分と組み合わせた後に、適切な溶媒中に必要量の活性化合物を加え、滅菌することで調製される。一般に、分散媒は、基本的な分散培地及び上述したその他の必要成分を含む滅菌的媒体中に活性化合物を取り込むことにより調製される。滅菌的な注射可能な溶液の調製のための滅菌的なパウダーの調製方法には、活性な成分及び滅菌溶液に由来する何れかの所望な成分を含むパウダーを調製する真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。
(3)経口組成物
通常、経口組成物には、不活性な希釈剤又は体内に取り込んでも害を及ぼさない担体が含まれる。経口組成物には、例えば、ゼラチンのカプセル剤に包含されるか、加圧されて錠剤化される。経口的治療のためには、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、錠剤、トローチ又はカプセル剤の形態で使用される。また、経口組成物は、流動性担体を用いて調製することも可能であり、流動性担体中の該組成物は経口的に適用される。さらに、薬剤的に適合する結合剤、及び/又はアジュバント物質などが包含されてもよい。
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤及びその類似物は以下の成分又は類似の性質を持つ化合物の何れかを含み得る:微結晶性セルロースのような賦形剤、アラビアゴム、トラガント又はゼラチンなどの結合剤;スターチ又はラクトース、アルギン酸、PRIMOGEL、又はコーンスターチなどの膨化剤;ステアリン酸マグネシウム又はSTRROTESなどの潤滑剤;コロイド性シリコン二酸化物などの滑剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリシル酸又はオレンジフレイバーなどの香料添加剤。
(5)全身投与
また、全身投与は経粘膜的又は経皮的に行なうことができる。経粘膜的又は経皮的投与について、標的のバリアーを透過することができる浸透剤が選択される。経粘膜浸透剤は界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が含まれる。経鼻スプレー又は坐薬は経粘膜的な投与に対して使用することができる。経粘膜的投与に対して、活性化合物はオイントメント、軟膏、ジェル又はクリーム中に製剤化される。
また、化合物は、直腸への送達に対して、坐薬(例えば、ココアバター及び他のグリセリドなどの基剤と共に)又は滞留性の浣腸の形態で調製することもできる。
(6)担体
本発明のオーロラCポリペプチド、その部分ポリペプチド、又はそれらの発現ベクターは、植込錠及びマイクロカプセルに封入された送達システムなどの制御放出製剤として、体内から即時に除去されことを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。エチレンビニル酢酸塩、ポリエチレングリコール、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。このような材料は、ALZA Corporation(Mountain View, CA)およびNOVA Pharmaceuticals, Inc.(Lake Elsinore, CA)から入手することが可能で、また、当該技術分野の専門家によって容易に調製することもできる。また、リポソームの懸濁液も薬学的に受容可能な坦体として使用することができる。有用なリポソームは、限定はしないが、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導ホスファチジルエタノール(PEG−PE)を含む脂質組成物として、使用に適するサイズになるように、適当なポアサイズのフィルターを通して調製され、逆相蒸発法によって精製される。例えば、抗体のFab’断片などは、ジスルフィド交換反応を介して、リポソームに結合させてもよい(MartinおよびPapahadjopoulos, 1982)。詳細な調製方法は、例えば、Eppsteinら, 1985;Hwangら, 1980中の記載を参照のこと。
(7)投与量
本発明のオーロラCポリペプチド、その部分ポリペプチド、又はそれらの発現ベクター等による特定の疾患の治療又は予防において、適切な投与量レベルは、投与される患者の状態、投与方法等に依存するが、当業者であれば、容易に最適化することが可能である。
注射投与の場合は、例えば、一日に患者の体重あたり約0.1μg/kgから500mg/kgを投与するのが好ましく、一般に一回又は複数回に分けて投与され得るであろう。好ましくは、投与量レベルは、一日に約0.1μg/kgから約250mg/kgであり、より好ましくは一日に約0.5〜約100mg/kgである。
経口投与の場合は、組成物は、好ましくは1.0から1000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供され、好ましくは治療されるべき患者に対する投与量に含まれる有効活性成分は、1.0,5.0,10.0,15.0,20.0,25.0,50.0,75.0,100.0,150.0,200.0,250.0,300.0,400.0,500.0, 600.0,750.0,800.0,900.0および1000.0mgである。化合物は1日に1〜4回の投与計画で、好ましくは1日に1回又は2回投与される。
(8)単位投与量
医薬組成物又は製剤は、一定の投与量を保障すべく、均一単位投与量により構成されなくてはならない。単位投与量とは、患者の治療に有効な一回の投与量を含み、薬学的に受容可能な担体と共に製剤化された一単位のことである。本発明の単位投与量を決定する場合には、製剤化される化合物(例えば、オーロラC_ASVポリペプチドなど)の物理的、化学的特徴、期待される治療上の効果、及び該化合物に特有な製剤化における留意事項等により影響を受ける。
8.遺伝子治療組成物
本発明において開示される核酸分子(例えば、オーロラC_ASVポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが挿入されたベクターなど)を患者の細胞に導入するために、in vivoおよびex vivoという2つの主要な方法がある。in vivo送達においては、治療が必要とされる患者の部位に直接注入される。ex vivo処理では、治療が必要とされる患者の部位の細胞を単離し、単離された細胞に製剤化した核酸分子を導入し、導入された細胞を患者に直接、又は、例えば、患者に埋め込まれる多孔性膜にカプセル化して投与することができる(米国特許第4,892,538号および第5,283,187号参照)。核酸分子を生細胞に導入するために利用可能な技術は、培養細胞等にin vitroで導入するか、又は患者にin vivoで導入するかに依存して選択される。哺乳動物細胞にin vitroで核酸分子を導入するのに適した技術としては、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、トランスフェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン法、リン酸カルシウム法などが挙げられる。トランスフェクションには、組換えウイルス(好ましくはレトロウイルス)粒子の細胞レセプターとの結合、次いで粒子に含まれる核酸分子の細胞への導入が含まれる。遺伝子のex vivo送達に通常用いられるベクターはレトロウイルスである。
in vivo核酸移入技術で好ましいのは、ウイルス又は非ウイルスベクター(アデノウイルス、レンチウイルス、単純ヘルペスIウイルス、又はアデノ関連ウイルス(AAV))、およびカチオン性脂質ベースの系(遺伝子の脂質媒介移入に有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPE、及びDC−Cho1である;例えば、Tonkinsonら, Cancer Investigation, 14(1): 54-65 (1996) 参照)を利用した系が含まれる。遺伝子治療で使用するために最も好ましいベクターはウイルスであり、その中でも、最も好ましくはアデノウイルス、AAV、レンチウイルス又はレトロウイルスである。レトロウイルスベクター等のウイルスベクターには、少なくとも1つの転写プロモーター/エンハンサー又は位置決定因子などが含まれる。さらに、レトロウイルスベクター等のウイルスベクターは、例えば、オーロラCポリペプチドをコードする遺伝子を含んだ状態で転写される場合、該コード化遺伝子の翻訳を可能とするシスエレメント、即ち翻訳開始配列として機能する核酸配列を含む。このようなベクター構築物は、用いるウイルスに適したパッケージングシグナル、末端反復配列(LTR)又はその一部を含む。場合によっては、ベクター構築物は、ポリアデニル化並びに翻訳終結配列も含む。例えば、5’LTR、tRNA結合部位、パッケージングシグナル、DNA合成の開始点、及び3’LTR又はその一部を含む。非ウイルス性の他のベクターは、例えばカチオン性脂質、ポリリジン、及びデンドリマーを用いることもできる。
場合によっては、治療に用いる核酸を目的の細胞にターゲティングする試薬、例えば、細胞表面膜タンパク質を特異的な抗体などと共に提供するのが望ましい。現在知られている遺伝子標識化及び遺伝子治療プロトコールの概説については、Andersonら, Science, 256:808-813 (1992)を参照のこと。好適な遺伝子治療及びレトロウイルス粒子及び構造タンパク質の作成方法は、米国特許第5,681,746号を参照のこと。
9.医薬組成物に関するキット
医薬組成物はキット、容器、パック中に投与の説明書と共に含めることができる。本発明に係る医薬組成物がキットとして供給される場合、該医薬組成物のうち異なる構成成分が別々の容器中に包装され、使用直前に混合される。このように構成成分を別々に包装するのは、活性構成成分の機能を失うことなく、長期間の貯蔵を可能ならしめるためである。
(1)容器
キット中に含まれる試薬は、構成成分が活性を長期間有効に持続し、容器の材質によって吸着されず、変質を受けないような何れかの種類の容器中に供給される。例えば、封着されたガラスアンプルは、窒素ガスのような中性で不反応性ガスの下において包装されたバッファーを含む。アンプルは、ガラス、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの有機ポリマー、セラミック、金属、又は試薬を保持するために通常用いられる他の何れかの適切な材料などから構成される。他の適切な容器の例には、アンプルなどの類似物質から作られる簡単なボトル、及び内部がアルミニウム又は合金などのホイルで裏打ちされた包装材が含まれる。他の容器には、試験管、バイアル、フラスコ、ボトル、シリンジ、又はその類似物が含まれる。容器は、皮下用注射針で貫通可能なストッパーを有するボトルなどの無菌のアクセスポートを有する。
(2)使用説明書
また、キットには使用説明書も添付される。当該医薬組成物からな成るキットの使用説明は、紙又は他の材質上に印刷され、及び/又はフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、Zipディスク、ビデオテープ、オーディオテープなどの電気的又は電磁的に読み取り可能な媒体として供給されてもよい。詳細な使用説明は、キット内に実際に添付されていてもよく、あるいは、キットの製造者又は分配者によって指定され又は電子メール等で通知されるウェッブサイトに掲載されていてもよい。
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
結果
オーロラC_ASVのクローニング
本発明のオーロラC_ASVをコードするDNAは、当業者が容易に行い得る既存の技術を用いて取得することができる(例えば、Sambrookら, 1989を参照のこと)。
簡潔に説明すると、ヒトオーロラC_ASVは、ヒト精巣のcDNAライブラリー(Clontech社)から、オーロラBのcDNA(配列番号5)(Niggら, 2001;Adamsら, 2001)を用いてハイブリダイゼーションを行い(42℃で12時間)スクリーニングした。すでに報告されているオーロラCとはそのアミノ酸配列が相違することから、オーロラCの新規選択的スプライスバリアントであると考えられる。得られたオーロラC_ASVのcDNA全長配列及びその予想されるアミノ酸配列を、各々、配列番号1及び配列番号2として示した。
オーロラCとオーロラBの相互作用
オーロラBに対するモノクローナル抗体を用いてHeLa細胞の抽出液に対して免疫沈降を行なったところ、その免疫沈降産物中にオーロラCの存在が確認されが、オーロラAの存在は確認されなかった(図1、レーン4)。
また、gluタグ化オーロラB(Sugiyamaら, 2002)を単独、又はオーロラC(mycタグ化)と共にCOS細胞(ダルベッコ修正イーグル培地(DMEM、Sigma社)、10%FCS(Sigma社)中、5%CO存在下で培養)中にトランスフェクトした後(DEAEデキストラン法(Uranoら, 1996))、抗gluモノクローナル抗体で免疫沈降を行った。gluオーロラCは、glu/pMT3(Uranoら, 1996)により実施例1で取得したcDNAを発現可能に挿入して得られた発現ベクターを用いて以下の実験を行なった。
得られた沈降物に対して抗myc抗体でイムノブロットを行ったところオーロラCが検出された(図2、レーン7)。さらに、オーロラCのキナーゼ活性を欠いた変異体(KN、配列番号3、定法に従い、二重PCR突然変異導入法にて点突然変異を導入し、69番目のリジンをアルギニンに置換した変異体)も野生型(配列番号2)と同様に沈降物中に存在することが確認された(図2、レーン8)。従って、細胞内において、オーロラCはオーロラBと直接又は間接的な相互作用を介して複合体を形成しているものと考えられる。また、キナーゼ活性を欠いた変異体のオーロラC(KN)も複合体を形成する能力を有することが示唆された。
オーロラCの生化学的な解析
ヒトオーロラBの活性制御に関しては、プロテインホスファターゼがキナーゼ活性化のネガティブレギュレーターとして機能することが既に報告されている(Sugiyamaら, 2002)。そこで、プロテインホスファターゼ阻害剤であるオカダ酸がヒトオーロラCの活性に影響を及ぼすか否か検討した。
COS細胞にgluタグ化オーロラC、又はその変異体を導入し、抗gluタグ抗体を用いて免疫沈降を行ない、沈降産物中に存在するオーロラC又はその変異体のヒストンH3リン酸化活性を調べた(図3)。オーロラCのキナーゼ活性は、以下の組成を有する反応液中(30μl)で、30℃、20分間インキュベートして行った(以下、インビトロにおけるキナーゼ活性は同様な方法で行なった);20mMTris−HCl(pH7.5)、10mMMgCl2、0.5mMDTT、0.1mMEDTAの組成に、50μM ATP、0.3μCiの[γ−32P]ATP及び酵素、基質を含んだもの。
ヒトオーロラCはヒストンH3(10番目と28番目のセリン残基)をリン酸化し、その活性はオカダ酸(0.4μM)によって増強されることが明らかとなった(図3の上図、レーン1と3、レーン7と9を比較のこと)。これに対し、細胞を分裂期に停止させるノコダゾールで処理(400ng/ml)しても、オーロラCのヒストンH3リン酸化活性は増強されない(図3、レーン2及びレーン8を参照)ことから、分裂前中期への移行だけでは、オーロラCを活性化するには充分でないことが示唆された。また、不活性型の変異体であるKNおよびT195A(活性化ループ領域に存在する195番目のスレオニンをアラニンに置換した変異体(配列番号4))は活性化されなかった。
INCENPによるオーロラCの活性化
次に、INCENPがオーロラCと結合するかどうか検討を行なった。COS細胞中でgluタグ化オーロラCをmycタグ化INCENPと共発現させ、抗gluタグ抗体で免疫沈降を行い、沈降産物中のオーロラCのINCENPの存否を確認したところ、INCENPの存在が検出されたことから、オーロラCとINCENPが結合してCOS細胞中に存在することが示唆された(図4下から2番目の図、レーン3)。また、INCENPと結合したオーロラCのヒストンH3キナーゼ活性は、オカダ酸によって誘導される活性化レベルを超える程度にまで強く活性化された(図4上図、レーン2〜4を参照)。これに対し、キナーゼ活性を欠くオーロラCの変異体(KN)は、INCENPと結合はするものの(図4下から2番目の図、レーン6)、そのキナーゼ活性は検出されなかった(図4上図、レーン5〜7を参照)。
さらに、オーロラC、オーロラB及びINCENPが同じ複合体内に存在するかどうか検討した。HeLa細胞(ノコダゾールの存在下又は非存在下で培養)の抽出液から抗オーロラB抗体を用いて免疫沈降を行い、その沈降物に対して、抗INCENP抗体及び抗オーロラ抗体でイムノブロットを行った。その結果、オーロラBはINCENP及びオーロラCと複合体を形成しており、この複合体中にオーロラAは存在しないことが明らかとなった(図5、レーン3、4)。また、抗INCENP抗体を用いて免疫沈降を行なった場合も、同様の結果を得ることができた(図5、レーン5、6)。以上のことから、オーロラCは、細胞内においてINCENP及びオーロラBと複合体を形成していることが示唆された。
また、オーロラCの活性化に必要なINCENPの領域に関し、flag−INBox(INCENPの783番目から918番目までのアミノ酸領域)をオーロラCとインビトロにおいて共発現させて、オーロラCとの結合の有無及びオーロラCのヒストンH3キナーゼ活性の活性化を誘導するかどうか検討した。
オーロラCをmyc抗体で免疫沈降したところ、沈降物中にINCENPのINBox部分が存在することが確認され(図6の下から2番目の図、レーン3)、さらに、ヒストンH3キナーゼ活性も検出された(図6上図、レーン3)。従って、INBoxのオーロラCへの直接的な結合が、オーロラCの活性化において必要十分であることが明らかとなった(図6、レーン2及び3)。
オーロラC_ASVのドミナントネガティブ変異体
mycタグ化オーロラC単独、又はEGFP−INCENPと共にCOS細胞へトランスフェクトした後、リン酸化活性について検討した。トランスフェクト後、抗リン酸化ヒストンH3(10番目のセリン残基)抗体を用いて蛍光染色を行なった結果、オーロラC及びINCENPの両方を発現している細胞の90%以上が、抗リン酸化ヒストンH3抗体により染色された(図7、左から7番目のレーン)。一方、オーロラCの変異体(KN)をINCENPと共発現した場合には、トランスフェクトされた細胞の1%未満しか抗リン酸化ヒストンH3抗体により染色されたかった(図7、左から8番目のレーン)従って、オーロラCの変異体(KN)は、細胞内においてINCENPと結合はするものの(図4、レーン6も参照のこと)、キナーゼ活性の活性化が誘導されないドミナントネガティブ変異体として機能することが示唆された。
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本発明は、オーロラCの過剰発現により発症する癌の予防および治療、並びに、その予防および治療に効果的な製剤の開発において、産業上の利用可能性を有する。
抗オーロラB抗体(αAurora−B)を用いてHeLa細胞抽出液から免疫沈降を行い、抗オーロラ抗体(αpan−Aurora)を用いてオーロラCとオーロラBとの相互作用について検討した結果を示す(IB:イムノブロッティング、IP:免疫沈降、を各々意味する。本明細書中において同じ)。 タグ化したオーロラB及びCをCOS細胞中で発現させ、その相互作用を検討した結果を示す(glu−Aurora−Bは、gluタグ化オーロラBを、myc−Aurora−C及びC(KN)は、各々、mycタグ化オーロラCおよびオーロラCの変異体(KN)を示す)。 gluタグ化オーロラCの野生型(wt)又は不活性型(KN)、(T195A;195番目のスレオニンをアラニンに置換した変異体)をCOS細胞中で一過的に発現させ、オーロラCのキナーゼ活性に対するオカダ酸の影響を示す(autoradiograph:オートラジオグラフィー、coomassie:クマジー染色、GST−H3(5−15):ヒストンH3の5番目から15番目までのアミノ酸のGSTタグ化ペプチド、glu−Aurora−C:gluタグ化オーロラC、N:ノコダゾール添加、OA:オカダ酸)。 mycタグ化INCENP、gluタグ化オーロラCの野生型(wt)又は不活性型(KN)をCOS細胞中で一過的に発現させ、オーロラCのキナーゼ活性化に対するINCENPの影響を検討した結果を示す(autoradiograph:オートラジオグラフィー、GST−H3(5−15):ヒストンH3の5番目から15番目までのアミノ酸のGSTタグ化ペプチド、glu−Aurora−C:gluタグ化オーロラC、myc−INCENP:mycタグ化INCENP)。 細胞内においてINCENPがオーロラB及びオーロラCと相互作用していることを示す。抗オーロラB抗体(αAB)及び抗INCENP抗体(αINCENP)を用いて、対数増殖期(−)又はノコダゾール処理(+)のHeLa細胞抽出液から免疫沈降を行い、沈降物に対し、抗INCENP抗体(αINCENP)、抗オーロラ抗体(αpan−Aurora)でイムノブロットを行なった。 INCENPのINBox領域がオーロラCと直接結合しオーロラCの活性化に必要十分であることを示す結果である。インビトロでトランスレートしたmycタグ化オーロラCを抗myc抗体(αmyc)で免疫沈降し、その沈降物をインビトロキナーゼアッセイにより解析した(autoradiograph:オートラジオグラフィー、coomassie:クマジー染色、GST−H3(5−15):ヒストンH3の5番目から15番目までのアミノ酸のGSTタグ化ペプチド、myc−Aurora−C:mycタグ化オーロラC、flag−INBox:flagタグ化INBox)。 抗リン酸化ヒストンH3(10番目のセリンがリン酸化されたもの)抗体を用いてCOS細胞を蛍光染色した後、染色像が得られた細胞の割合を示す。縦軸は、ポジティブな染色像が得られた細胞の割合を%で示した。結果は、200以上の細胞に対して少なくとも3回行なった実験から得られた値を、値±標準誤差として示している。

Claims (15)

  1. 以下の(a)又は(b)のポリペプチドを含むポリペプチド又はその塩。
    (a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (b)配列番号2で示される配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、INCENPポリペプチド(配列番号7)との結合活性を有するポリペプチド。
  2. ヒストンH3をリン酸化することができない請求項1に記載のポリペプチド
  3. 配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを含む請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は該ポリヌクレオチドの相補鎖。
  5. 以下の(a)、(b)又は(c)のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
    (a)配列番号1で示される塩基配列からなるポリヌクレオチド
    (b)配列番号1で示される塩基配列からなるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、INCENPポリペプチド(配列番号7)との結合活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    (c)(a)又は(b)のポリヌクレオチドの相補鎖
  6. 請求項4又は5に記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター。
  7. 請求項6に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
  8. 請求項7に記載の形質転換体を培地中で培養し、得られる培養物から請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリペプチド又はその塩を取得することを特徴とする該ポリペプチド又はその塩の製造方法。
  9. 請求項8に記載の方法によって製造される組換えタンパク質又はその塩。
  10. 請求項1、2、3又は9に記載のポリペプチド又はタンパク質に特異的に結合する抗体。
  11. 請求項10に記載の抗体を有効成分として含有する、オーロラCの発現又は過剰発現により特徴付けられる疾患の治療用医薬組成物。
  12. 請求項2又は3に記載のポリペプチドを有効成分として含有する、オーロラタンパク質の発現又は過剰発現により特徴付けられる疾患の治療用医薬組成物。
  13. 請求項2又は3に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換ベクターを有効成分として含有する、オーロラタンパク質の発現又は過剰発現により特徴付けられる疾患の治療用医薬組成物。
  14. 前記疾患が、悪性腫瘍(癌)である請求項11乃至13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  15. 前記悪性腫瘍が、下垂体腺腫、神経膠腫、聴神経鞘腫、脳腫瘍、咽頭癌、喉頭癌、胸腺腫、中皮腫、乳癌、肺癌、胃癌、食道癌、大腸癌、肝細胞癌、膵癌、膵内分泌腫瘍、胆管癌、胆嚢癌、陰茎癌、腎盂・尿管癌、腎細胞癌、精巣(睾丸)腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、外陰癌、子宮癌、子宮肉腫、絨毛性疾患、膣癌、乳癌、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、悪性黒色腫、菌状息肉症、皮膚癌、軟部肉腫、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、白血病、慢性骨髄増殖性疾患及び膵内分泌腫瘍からなる群から選択されるものである請求項14に記載の医薬組成物。
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