JP2005278292A - ステータコアの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 外装ケース100Aの上部内周面には、ステータコア150の上端面側の外周縁部領域側に向けて塑性変形させることにより係合させるための塑性変形領域としてのかしめ部110が設けられている。このかしめ部110は、外装ケース100Aの他の内周部領域よりも上方に向けて突出するように設けられている。一方、外装ケース100Aの内周底面領域には、ステータコア150の下端面側の外周縁部領域をその下面側から支持するための受部領域が設けられている。
【選択図】 図2
Description
まず、図1から図3を参照して、実施の形態1におけるステータコアの固定構造について説明する。なお、図1は、本実施の形態におけるステータコアの固定構造が採用される電動機の内部構造を断面図であり、図2は、図1中Xで囲まれる領域の部分拡大図であり、(A)はかしめ加工前、(B)はかしめ加工後の状態を示す。また、図3は、図1中III線部分矢視図である。
図1を参照して、電動機1の内部構造について説明する。電動機1は、ケース100内に収容される、ロータ140とステータコア150とから構成される。ロータ140は、ケース100に対してベアリング300を介在して、回転可能に収容される。ステータコア150は、ロータ140の回転を制御するため、ロータ150の周囲を取囲むようにして、ケース100内に固定的に収容される。ケース100は、外装ケース100Aと、蓋部材100Bとを有している。ロータ140およびステータコア150は、回転軸方向から見て、略円形形状を有している。
次に、ステータコア150の固定構造について、図2(A),(B)および図3を参照して説明する。図2(A)に示すように、外装ケース100Aの上部内周面には、ステータコア150の上端面側の外周縁部領域側に向けて塑性変形させることによりステータコア150に係合させるための塑性変形領域としてのかしめ部110が設けられている。このかしめ部110は、外装ケース100Aの他の内周部領域よりも上方(ロータの回転軸が伸びる方向)に向けて突出するように設けられている。外装ケース100Aの上部内周面において、全周にこのかしめ部110を設ける構成、または、部分的に所定ピッチで所定円弧長さのかしめ部110を設ける構成のいずれの構成の採用も可能である。かしめ部110は、外装ケース100Aに対して一体成型されることが製造上は好ましいが、一体成型に制限されるものではない。
以上、本実施の形態におけるステータコア150の固定構造によれば、外装ケース100A内の所定位置にステータコア150を挿入した後、図2(B)に示すように、かしめ部110をステータコア150側に折り曲げるようにかしめることで、ステータコア150の外周縁部領域を上下から挟み込むようにして、ステータコア150の外装ケース100Aへの固定を可能とする。その結果、ステータコア150に、外方に向かって突出するような領域を設ける必要がなく、電動機の小型化を図ることが可能になる。また、受部領域111およびかしめ部110の形成は、外装ケース100A自体の簡易な設計変更で対応可能であるため、製造コストの上昇を招くこともない。さらに、かしめ部110をかしめるための装置も、簡易な機構で可能である。その結果、コストの上昇を招くことなく、電動機1全体の小型化および軽量化を実現させることが可能となる。
次に、図4を参照して、実施の形態2におけるステータコアの固定構造について説明する。なお、図4は、図1中Xで囲まれる領域に対応する部分拡大図であり、(A)はかしめ加工前、(B)はかしめ加工後の状態を示す。なお、電動機1の基本的構成、および、受部領域111の構成は、上記実施の形態1の場合と同じであるため重複する説明は繰り返さず、本実施の形態の特徴部分である塑性変形領域の構成を詳細に説明する。
図4(A)に示すように、外装ケース100Aの上部内周面には、ステータコア150の上端面よりも上側の領域に、下方に向けて開放する有底の溝穴121が設けられ、この溝穴121のステータコア150側のケース壁120が塑性変形領域を構成する。外装ケース100Aの上部内周面において、全周にこの溝穴121を設ける構成、または、部分的に所定ピッチで所定円弧長さの溝穴121を設ける構成のいずれの構成の採用も可能である。
以上、本実施の形態におけるステータコア150の固定構造によれば、外装ケース100A内の所定位置にステータコア150を挿入した後、図4(B)に示すように、この溝穴121を構成するケース壁120をステータコア150側に膨出させることにより、ステータコア150の外周縁部領域を上下から挟み込むようにして、ステータコア150の固定を可能とする。その結果、上記実施の形態1の構成と同様の作用効果を得ることが可能となる。
次に、図5から図8を参照して、実施の形態3におけるステータコアの固定構造について説明する。なお、図5は、図1中Xで囲まれる領域に対応する部分拡大図であり、(A)はかしめ加工前、(B)はかしめ加工後の状態を示す。また、図6は、図5中の矢視VI(A)、VI(B)に対応する部分矢視図であり、(A)はかしめ加工前、(B)はかしめ加工後の状態を示す。また、図7は、他の形態における、図5(B)に相当する状態を示す部分拡大断面図であり、図8は、さらに他の形態における図5(A),(B)に相当する状態を示す部分拡大断面図である。なお、電動機1の基本的構成、および、受部領域111の構成は、上記実施の形態1の場合と同じであるため重複する説明は繰り返さず、本実施の形態の特徴部分である塑性変形領域の構成を詳細に説明する。
図5(A)に示すように、外装ケース100Aの上部内周面には、上記実施の形態2の場合と同様の、下方に向けて開放する有底の溝穴121が設けられ、この溝穴121のステータコア150側のケース壁120が塑性変形領域を構成する。また、テータコア150の、溝穴121のケース壁120に対応する位置には、内方に向かって凹む凹部領域151が形成されている。溝穴121および凹部領域151は、外装ケース100Aの上部内周面において、全周にこの溝穴121および対応する凹部領域151を設ける構成、または、図6に示すように、部分的に所定ピッチで所定円弧長さの溝穴121および対応する凹部領域151を設ける構成のいずれの構成の採用も可能である。
以上、本実施の形態におけるテータコア150の固定構造によれば、外装ケース100A内の所定位置にステータコア150を挿入した後、図5(B)および図6(B)に示すように、この溝穴121を構成するケース壁120をステータコア150側に膨出させることにより、ステータコア150の外周縁部領域を上下から挟み込むようにして、ステータコア150の固定を可能とする。その結果、上記実施の形態1の構成と同様の作用効果を得ることが可能となる。さらに、図6に示すように、ステータコア150に凹部領域151を部分的に設けることにより、ステータコア150に生じる回転反力(回転トルク)を、この凹部領域151で受けることが可能となり、ステータコア150の回転をより確実に阻止することが可能となる。
次に、図9〜図12を参照して、実施の形態4におけるステータコアの固定構造について説明する。なお、図9は、実施の形態1におけるステータコアの固定構造に、縦型ステータコア250を適用した場合を示し、図10〜図12は、実施の形態3の図5、図7および図8に示すステータコアの固定構造に、縦型ステータコア250を適用した場合を示している。
上述の実施の形態1〜3において用いたステータコア150は、環状の電磁鋼板を積層した構成であるのに対して、本実施の形態においては、電動機のロータ140に対して、所定幅の帯状部材からなる電磁鋼板を円筒状に巻き付けた、いわゆる縦型のステータコア250を採用した場合を示している。
本実施の形態におけるステータコア250の固定構造によれば、上記各実施の形態と同様の作用効果が得られる。さらに、縦型ステータコア250を採用することにより、回転軸方向に沿った挟み込み構造を適用した場合であっても、ステータコア250の軸方向の変位量を小さくすることができるため、ステータコア250を強固にかつ高精度に挟持することが可能となる。
Claims (6)
- ケース内に収容されるステータコアを前記ケースに固定する、ステータコアの固定構造であって、
前記ステータコアを、前記ケース内に固定するため、前記ステータコアの一端面側の外周縁部領域をその一端面側から支持するため、前記ケースの内側に設けられる受部領域と、
前記ケースに設けられ、前記ステータコアの他方端面側の外周縁部領域側に向けて塑性変形させることにより係合させ、前記ステータコアを前記受部領域との間において挟み込むようにして、前記ステータコアを前記ケース内に固定するための塑性変形領域と、
を備える、ステータコアの固定構造。 - 前記塑性変形領域が係合する前記ステータコアの他方端面側の外周縁部領域には、凹部領域が設けられ、
前記塑性変形領域は、前記凹部領域に係合する、請求項1に記載のステータコアの固定構造。 - 前記塑性変形領域は、前記ケースに設けられる溝穴を含み、前記溝穴を構成する前記ケース壁を、前記凹部領域側に膨出させることを特徴とする、請求項1または2に記載のステータコアの固定構造。
- 塑性変形後の前記溝穴が、充填材によって満たされていることを特徴とする、請求項3に記載のステータコアの固定構造。
- 前記溝穴を構成する前記ケース壁を、前記凹部領域側に膨出させるための部材が、そのまま前記溝穴に保持されていることを特徴とする、請求項3に記載のステータコアの固定構造。
- 前記ステータコアは、電動機のロータに対して、所定幅の帯状部材からなる電磁鋼板を円筒形状に巻き付けた形態を有する、請求項1から5のいずれかに記載のステータコアの固定構造。
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