JP2008220157A - モータとモータの製造方法 - Google Patents

モータとモータの製造方法 Download PDF

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康浩 遠藤
Yutaka Komatsu
裕 小松
Kohei Yoshikawa
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Abstract

【課題】モータにおいて、圧粉磁心製のコアがリングとの嵌合により塑性変形するのを有効に防止して、モータの歩留まりの向上を図ることである。
【解決手段】リング16の径方向厚さとヨーク18の径方向厚さとの比であるリングヨーク厚さ比に対応する、リング16とヨーク18との間でのリングヨーク間径方向締め代を、コア12にリング16を焼き嵌めにより嵌合する際にコア12が塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代と、リング16が塑性変形しない限界であるリング応力限界に対応する締め代とのうち、小さい締め代以下となるように決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、分割形状または一体形状の筒状のヨークの内周から突出する複数本のティースを有する圧粉磁心製のコアと、コアの径方向外側に締め代を持って嵌合固定するリングと、を備えるモータと、モータの製造方法とに関する。
従来から、特許文献1に記載されているように、モータを構成するステータに対応する固定子コアのヨーク部を円周方向に分割し、分割されたヨーク部を組み合わせた後、その径方向外側に、リングに対応する円筒のハウジングを嵌合固定することにより、固定子コアを構成することが知られている。固定子コアを構成するために、分割されたヨーク部を組み合わせた後、熱膨張により内径を大きくした円筒のハウジングを嵌合させ、ヨーク部部分によりハウジングを冷却することにより、ヨーク部部分の外径にハウジングを締め付けるようにしている。また、分割されたヨーク部のそれぞれに対応して、コイルが巻回されるティースを設けている。
特開2001−218429号公報
上記の特許文献1に記載されたステータに対応する、固定子コアのように、リングに対応するハウジングによりヨーク部を外径側から締め付けることにより構成する場合において、コアに対応するヨーク部およびティースを圧粉磁心により造ると、ヨーク部部分およびティースが引張り応力に対して弱くなる。このため、ヨーク部に対するハウジングの締め付け時に、ヨーク部に外周から内周に向け強い力が加わると、ティースの根元部分に作用する引張り応力によりヨーク部とティースとから構成する部分が塑性変形するのを有効に防止できない可能性がある。このため、モータの歩留まりの悪化を招き、コストが上昇する可能性がある。
これに対して、従来から、ヨーク部およびティースから構成するコアの外周に円筒状のリングを、焼き嵌めまたは圧入等の締まり嵌めにより固定して、ステータを造る場合に、リングの径方向厚さとヨークの径方向厚さとの比であるリングヨーク厚さ比に応じて、リングとヨークとの間でのリングヨーク間径方向締め代を、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際に、リングが塑性変形しない限界であるリング応力限界に対応する締め代以下とすることが考えられている。ただし、このようにしてリングヨーク間径方向締め代を決定して、ステータおよびモータを造る場合でも、コアを上記のように圧粉磁心製とする場合にはコアの引張り応力に対する強度が低下する。このため、コアの外径側にリングを、締め代を持って嵌合させると、コアの塑性変形を有効に防止できない可能性がある。このため、やはりモータの歩留まりの悪化を招き、コストが上昇する可能性がある。
本発明は、モータおよびモータの製造方法において、圧粉磁心製のコアがリングとの嵌合により塑性変形するのを有効に防止して、モータの歩留まりの向上を図ることを目的とする。
本発明に係るモータは、分割形状または一体形状の筒状のヨークの内周から突出する複数本のティースを有する圧粉磁心製のコアと、コアの径方向外側に締め代を持って嵌合固定するリングと、を備えるモータにおいて、リングの径方向厚さとヨークの径方向厚さとの比であるリングヨーク厚さ比に対応する、リングとヨークとの間でのリングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際にコアが塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代以下であることを特徴とするモータである。
また、好ましくは、リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代を、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際にリングが塑性変形しない限界であるリング応力限界に対応する締め代と、コア応力限界に対応する締め代とのうち、小さい締め代以下とする。
また、より好ましくは、リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代を、ロータの回転時にヨークに作用するトルクに耐えて回転しない限界であるトルク保持限界に対応する締め代以上とする。
また、より好ましくは、リングヨーク厚さ比を、リングヨーク間径方向締め代の許容幅が最大となるリングヨーク厚さ比とする。
また、本発明に係るモータにおいて、リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代を、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際にリングが塑性変形しない限界であるリング応力限界に対応する締め代と、コア応力限界に対応する締め代とのうち、小さい締め代以下とし、リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代を、ロータの回転時にヨークに作用するトルクに耐えて回転しない限界であるトルク保持限界に対応する締め代以上とする構成において、より好ましくは、リングヨーク厚さ比を0.18以上0.45以下とする。
また、より好ましくは、コアは、円周方向に分割された複数のコア要素を円周方向に隣り合うように配置する。
また、より好ましくは、コアまたは複数のコア要素のティース根元部分に作用する引張り応力によりコアまたはコア要素が塑性変形しない限界である引張り応力限界により、コア応力限界を規定する。
また、本発明に係るモータの製造方法は、分割形状または一体形状の筒状のヨークの内周から突出する複数本のティースを有する圧粉磁心製のコアと、コアの径方向外側に締め代を持って嵌合固定するリングと、を備えるモータの製造方法において、リングの径方向厚さとヨークの径方向厚さとの比であるリングヨーク厚さ比に対応する、リングとヨークとの間でのリングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際に、コアが塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代以下となるように、リングヨーク厚さ比とリングヨーク間径方向締め代とを決定することを特徴とするモータの製造方法である。
また、本発明に係るモータの製造方法において、好ましくは、リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際に、コアが塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代と、リングが塑性変形しない限界であるリング応力限界に対応する締め代とのうち、小さい締め代以下で、かつ、ロータの回転時にヨークに作用するトルクに耐えて回転しない限界であるトルク保持限界に対応する締め代以上となるように、リングヨーク厚さ比とリングヨーク間径方向締め代とを決定する。
また、より好ましくは、リングヨーク厚さ比を、リングヨーク間径方向締め代の許容幅が最大となるリングヨーク厚さ比とする。
また、本発明に係るモータの製造方法において、リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際に、コアが塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代と、リングが塑性変形しない限界であるリング応力限界に対応する締め代とのうち、小さい締め代以下で、かつ、ロータの回転時にヨークに作用するトルクに耐えて回転しない限界であるトルク保持限界に対応する締め代以上となるように、リングヨーク厚さ比とリングヨーク間径方向締め代とを決定する構成において、より好ましくは、リングヨーク厚さ比を0.18以上0.45以下とする。
本発明に係るモータおよびモータの製造方法の場合、リングの径方向厚さとヨークの径方向厚さとの比であるリングヨーク厚さ比に対応して、リングとヨークとの間でのリングヨーク間径方向締め代を、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際にコアが塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代以下とする、またはこのようなリングヨーク間径方向締め代となるように、リングヨーク厚さ比とリングヨーク間径方向締め代を決定するので、リングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを嵌合する際にコアが塑性変形するほどに大きくならない。このため、コアを圧粉磁心製とすることによりコアの強度が低下するのにもかかわらず、コアが塑性変形するのを有効に防止して、モータの歩留まりの向上を図れる。
また、コアまたは複数のコア要素のティース根元部分に作用する引張り応力によりコアまたはコア要素が塑性変形しない限界である引張り応力限界によりコア応力限界を規定する構成によれば、コアが、リングとの嵌合により塑性変形するのをより有効に防止できる。すなわち、コアにリングを嵌合する場合、コアに働く応力は、ティースの根元部分で特に増加する。また、コアを構成する圧粉磁心は圧縮には強いが、引張りには弱い。このため、コアまたはコア要素の引張り応力限界をコア応力限界とすれば、コアがリングとの嵌合により塑性変形するのをより有効に防止できる。このため、コアの強度が不必要な部分で無駄に大きくなることを抑制できる。
また、リングヨーク厚さ比を、リングヨーク間径方向締め代の許容幅が最大となるリングヨーク厚さ比とする構成によれば、リングの内径とヨークの外径とのそれぞれで製造許容公差を大きくできる。このため、モータの製造コストを低減しやすくなる。
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図4は、本実施の形態を示している。図1は、本実施の形態のモータを構成するステータ10の全体斜視図を、図2はステータ10のコア12(図1)を構成するコア要素14の1つを取り出して示す拡大斜視図を、図3は図1のA−A断面図を、図4はステータ10を構成するリング16(図1)とコア12(図1)との寸法を決定するためのリングヨーク間径方向締め代zとリングヨーク厚さ比T1/T2との関係を表す図を示している。
図1に示すように、モータを構成するステータ10は、円周方向に分割された分割形状のコア12と、コア12の径方向外側に嵌合固定した円筒状のリング16とを備える。コア12は、外径側に設けた分割形状の円筒状のヨーク18と、ヨーク18の内周面の円周方向複数個所から径方向に突出した複数本のティース20とを備える。ティース20には図示しないコイルが巻回される。
このようなコア12の径方向外側には略円筒状のリング16を、締め代を持って嵌合固定することにより、ステータ10を構成する。このために、コア12の径方向外側にリング16を、焼き嵌めにより嵌合固定している。例えば、リング16を加熱し熱膨張によりその内径を大きくした状態で、リング16をヨーク18の外側に嵌合させ、自然冷却により、リング16の直径を収縮させている。そして、ヨーク18にリング16を締め付けるようにして、コア12にリング16を焼き嵌めにより嵌合固定している。
また、ステータ10の内側に、図示しない回転軸と一体化させ、内部に複数の磁石を埋め込むことにより構成したロータを配置するとともに、ステータ10とロータとを組み合わせることにより、永久磁石型のモータを構成する。モータの使用時には、例えば、ステータ10のティース20に巻回した図示しないコイルに電流を流すことにより磁界を形成し、形成した磁界によりロータの磁石に対して吸引力が生じるようにすることにより、ロータを回転駆動する。なお、モータは、このような永久磁石型のモータとする場合に限定するものではなく、本実施の形態と同様のステータ10を備えるものであれば、同期モータ等の他のモータとすることもできる。
また、本実施の形態の場合、リング16の内側に嵌合固定するコア12を、円周方向に分割した複数個のコア要素14を円周方向に隣接するように配置することにより構成している。複数個のコア要素14は、それぞれ図2に示すように、外径側(図2の左側)に位置する略平板状のヨーク要素22と、内径側(図2の右側)に位置するティース20とを、圧粉磁心により一体成形することにより構成している。すなわち、ヨーク要素22の内側面(図2の表側面)の円周方向(図2の左右方向)中間部からティース20を突出形成している。このようなヨーク要素22は、鉄、フェライト等の粉体を図示しない型の内側で加圧成形し、場合により焼結することにより製造する。
特に、本実施の形態においては、リングヨーク厚さ比T1/T2と、リングヨーク間径方向締め代zとを次のようにして決定している。ここで、「リングヨーク厚さ比」とは、図3に示すように、リング16を構成する円筒状の本体部24の径方向厚さT1と、コア12を構成するヨーク18の径方向厚さT2との比(=T1/T2)である。また、「リングヨーク間径方向締め代」とは、リング16とヨーク18との間での径方向締め代であり、ヨーク18の径方向外側にリング16を焼き嵌めにより嵌合する場合に、ヨーク18が径方向に圧縮される幅である。リングヨーク間径方向締め代zが大きいほど、リング16がヨーク18に大きな力で締め付けられることになる。
先ず、リングヨーク厚さ比T1/T2と、リングヨーク間径方向締め代zとを決定するために、図4に示すような関係から、本実施の形態のモータの寸法成立条件を規定する。図4は、横軸で、リングヨーク間径方向締め代z(=(ヨークの外径(atRT))−(リングの内径(atRT)))の許容値を、縦軸で、リングヨーク厚さ比T1/T2を表している。ここで、「atRT」は、室温下において、を表している。
なお、リングヨーク間径方向締め代zの許容値は、実際には次のようにして決まる。すなわち、リング16の内径dの公差に対応する最小値がA(例えば−0.1)で、最大値がB(例えば+0.1)であると仮定する。この場合、リング16の内径dの設計基準値αに対して、製造公差を考慮した実際に得られるリング16の内径値α´は次のようになる。
α+A≦α´≦α+B
また、ヨーク18の外径の公差に対応する最小値がC(例えば−0.1)で、最大値がD(+0.1)であると仮定する。この場合、ヨーク18の外径の設計基準値βに対して、製造公差を考慮した実際に得られるヨーク18の外径値β´は次のようになる。
β+C≦β´≦β+D
したがって、公差を考慮した実際に得られるリングヨーク間径方向締め代zの最大許容値zmaxは、次のようになる。
zmax=(β+D)−(α+A)
また、公差を考慮した実際に得られるリングヨーク間径方向締め代zの最小許容値zminは、次のようになる。
zmin=(β+C)−(α+B)
このように実際に得られるリングヨーク間径方向締め代zの最大許容値zmaxと最小許容値zminとには、リング16とヨーク18との寸法公差が大きく影響する。このため、後述するように、リングヨーク間径方向締め代zの許容幅L(図4参照)を大きくすることで、リング16とヨーク18とのそれぞれの公差を大きくできるようにして、得られるモータの低コスト化を図れるようにすることが好ましい。
一方、図4では、△印により、コア12へのリング16の焼き嵌め時に、リング16が塑性変形しない限界であるリング16応力限界を表している。すなわち、上記の焼き嵌め時において、ヨーク18の径方向厚さT2が一定でリング16の径方向厚さT1(図3)が所定値以上に大きければ、リングヨーク間径方向締め代zが大きくなり、リング16がコア12を大きな力で圧縮した場合でも、リング16がコア12からの反力に耐えることができ、リング16が塑性変形することはない。ただし、リング16の厚さT1が過度に小さくなると、リング16がコア12を大きな力で圧縮すると、コア12からの反力に耐えることができず、塑性変形してしまう。△印の線はこのような関係から得られるリング16応力限界を表している。
また、図4では、○印により、モータを構成した場合のロータの定格トルクでの回転時に、ロータの回転と逆方向にヨーク18(図3)に作用するロータからの反力に基づくトルクに耐えて回転しない限界である、トルク保持限界を表している。すなわち、ヨーク厚さT2が一定でリング16厚さT1が所定値以上に大きければ小さい締め代、すなわち小さい締め付け力でも、ヨーク18のトルクに耐える力を確保できる、すなわちヨーク18がリング16に対して回転しないようにできる。ただし、リング16厚さT1が過度に小さい場合には大きい締め代、すなわち大きい締め付け力でないとヨーク18のトルクに耐える力を確保できず、ヨーク18がリング16に対して回転してしまう。○印の線はこのような関係から得られるトルク保持限界を表している。従来はこのような△印の線と○印の線とに囲まれる範囲にモータの寸法成立条件がある、すなわち、この囲まれる範囲内の任意の点が表す、リングヨーク厚さ比T1/T2とリングヨーク間径方向締め代zとを満たすように、リング16とコア12との寸法を規定することが考えられていた。この場合、締め代zは、公差を考慮した許容限界値を含む。
なお、図4の、リングヨーク間径方向締め代zとリングヨーク厚さ比T1/T2と、リング16およびコア12の寸法成立条件との関係は1例を示すものであり、モータの定格トルク、すなわちモータの大小により変化するが、変化した場合でも傾向は図4の場合と同様である。図4に示す例においては、ハイブリッド車の走行用モータとして使用する、外径が264mmであるモータの場合を示している。
図4から明らかなように、従来から考えられている条件により、リング16とコア12との寸法を決定する場合には、リングヨーク厚さ比T1/T2が大きくなるほど、リングヨーク間径方向締め代zの許容値の最小値と最大値との幅(例えば図4の矢印イで示す範囲)を大きく確保できる。ただし、この場合には、リング16応力限界は考慮されるが、コア12へのリング16の焼き嵌め時に、コア12が塑性変形しない限界は考慮されない。このため、従来考えられている寸法成立条件を満たしても、リング16の焼き嵌め時にコア12がリング16に、図2の矢印ロで示す方向、すなわち径方向内側に圧縮されることにより、特に、ティース20の根元部分に作用する、図2の矢印ハで示す方向の引張り応力に対して耐えられない可能性がある。このため、コア12が塑性変形する可能性がある。したがって、歩留まりの悪化の原因となり、モータのコストが上昇する可能性がある。なお、本発明者が行ったシミュレーションの結果によると、図2に斜格子で示す部分で引張り応力が最も大きくなることが分かった。本実施の形態はこのような引張り応力等の応力がコア12に作用することによる不都合を解消するために発明したものである。このために、図4の□印に示す線のように、コア12応力限界である、コア12引張り応力限界を規定している。
ここで、「コア12引張り応力限界」とは、コア12にリング16を締まり嵌めである、焼き嵌めにより嵌合する際に、コア12を構成する複数のコア要素14のティース20根元部分に作用する引張り応力によりコア要素14が塑性変形しない限界である。すなわち、上記の焼き嵌め時には、コア12がリング16により径方向外側から圧縮されると、コア要素14のティース20の根元部分が上記の図2に示すように、図2の矢印ハ方向に引っ張られる。この場合に作用する応力は、リング16厚さT1とリングヨーク間径方向締め代zとから決まる。そして、焼き嵌め時に、コア要素14がティース20の根元部分に作用する引張り応力により塑性変形しない限界を、図4の□印の線で表すコア12引張り応力限界として、リングヨーク厚さ比T1/T2に対応するリングヨーク間径方向締め代zの許容値を、コア12引張り応力限界に対応する締め代以下としている。
そして、図4の△印の線と○印の線と□印の線とに囲まれる図4の斜線部分を、モータの寸法成立条件としている。すなわち、モータに関して、リングヨーク厚さ比T1/T2とリングヨーク間径方向締め代zとが、図4の斜線部分の範囲にあるように、リング16とコア12との寸法を規定している。この場合、リングヨーク厚さ比T1/T2に対応するリングヨーク間径方向締め代zが、△印の線が表すリング16応力限界に対応する締め代と□印の線が表すコア12応力限界に対応する締め代とのうちの、小さい締め代以下となる。また、リングヨーク厚さ比T1/T2に対応するリングヨーク間径方向締め代zが、○印の線が表すトルク保持限界に対応する締め代以上となる。
また、好ましくは、リングヨーク厚さ比T1/T2を、上記の図4の斜線で示すようにトルク保持限界とコア12応力限界とリング16応力限界とにより仕切られた範囲で、リングヨーク間径方向締め代zの許容幅が最大となるリングヨーク厚さ比T1/T2またはその近傍(上下にプラスマイナス5%ずれた値を含む範囲)とする。例えば、図4に示す例の場合には、リングヨーク厚さ比T1/T2を0.27または0.95×0.27以上1.05×0.27以下の範囲とする。また、この場合において、図4に示す例の場合で、より好ましくは、リングヨーク間径方向締め代zの許容上限値を、図4に矢印ニで示す、0.4〜0.55の範囲とする。
また、好ましくは、リングヨーク厚さ比T1/T2を、上記の図4に示す例の場合で、上記の図4の斜線で示す、トルク保持限界とコア12引張り応力限界とリング16応力限界とに囲まれる範囲で、0.18以上0.45以下の斜格子で示す範囲内とする。この場合、リングヨーク厚さ比T1/T2が0.18の場合と、0.45の場合とで、リングヨーク間径方向締め代zの許容幅、すなわち図4の矢印ホに示す範囲と矢印ヘに示す範囲との大きさがほぼ一致する。また、この場合において、より好ましくは、リングヨーク間径方向締め代zの許容上限値を、やはり図4に矢印ニで示す、0.4〜0.55の範囲とする。
また、本実施の形態のモータの製造方法は、リングヨーク厚さ比T1/T2に対応するリングヨーク間径方向締め代zが、図4の□印の線で示すコア12応力限界に対応する締め代と図4の△印の線で示すリング16応力限界に対応する締め代とのうち、小さい締め代以下で、かつ、図4の○印の線で示すトルク保持限界に対応する締め代以上となるように、リングヨーク厚さ比T1/T2と、リング16の直径に対するリングヨーク間径方向締め代zとを決定する。また、好ましくは、リングヨーク厚さ比T1/T2を、リングヨーク間径方向締め代zの許容幅が最大となるリングヨーク厚さ比T1/T2またはその近傍(上下にプラスマイナス5%ずれた値を含む範囲)とする。また、リングヨーク厚さ比T1/T2を、上記の図4に示す例の場合で、上記の図4の斜線で示す、トルク保持限界とコア12引張り応力限界とリング16応力限界とにより囲まれる範囲で、0.18以上0.45以下の斜格子で示す範囲内とする。また、好ましくは、リングヨーク間径方向締め代zの許容上限値を、図4に矢印ニで示す、0.4〜0.55の範囲とする。
上記のように構成する本実施の形態のモータおよびモータの製造方法の場合、リングヨーク厚さ比T1/T2に対応するリングヨーク間径方向締め代zを、コア12引張り応力限界に対応する締め代以下とする、またはこのようなリングヨーク間径方向締め代zとなるように、リングヨーク厚さ比T1/T2とリングヨーク間径方向締め代zとを決定している。このため、リングヨーク間径方向締め代zが、コア12にリング16を嵌合する際にコア12が塑性変形するほどに大きくならない。このため、コア12を圧粉磁心製とすることによりコア12の強度が低下するのにもかかわらず、コア12が塑性変形するのを有効に防止して、モータの歩留まりの向上を図れる。
また、複数のコア要素14のティース20根元部分に作用する引張り応力によりコア要素14が塑性変形しない限界である引張り応力限界により、コア12応力限界を規定している。このため、コア12が、リング16との嵌合により塑性変形するのをより有効に防止できる。すなわち、コア12にリング16を嵌合する場合、コア12に働く応力は、ティース20の根元部分で特に増加する。また、コア12を構成する圧粉磁心は圧縮には強いが、引張りには弱い。このため、コア要素14の引張り応力限界をコア12応力限界とすることにより、コア12がリング16との嵌合により塑性変形するのをより有効に防止でき、コア12の強度が不必要な部分で無駄に大きくなることを抑制できる。
また、リングヨーク厚さ比T1/T2を、リングヨーク間径方向締め代zの許容幅(最小値から最大値まで)が最大となるリングヨーク厚さ比T1/T2(図4に示す例の場合で0.27)またはその近傍の範囲内とする場合には、リング16の内径とヨーク18の外径とのそれぞれで製造許容公差を、リングヨーク厚さ比T1/T2のうちで最大または最大に近くできる。このため、得られるモータの製造コストを低減しやすくなる。例えば、リングヨーク厚さ比T1/T2を0.27とすれば、リングヨーク間径方向締め代zの許容幅を、約0.4mmと十分に大きくできる。このため、リング16の内径とコア12の外径とのそれぞれで、公差を十分に大きくして、すなわちラフにできて、得られるモータの製造コストを低減しやすくなる。
さらに、図4に示す例の場合で、図4の斜線の範囲、すなわち、リングヨーク間径方向締め代zを、コア12応力限界に対応する締め代とリング16応力限界に対応する締め代とのうちの小さい締め代以下とする場合で、リングヨーク間径方向締め代zの許容上限値を、図4に矢印ニで示す、0.4〜0.55の範囲とする場合には、リングヨーク間径方向締め代zの公差をより大きくしやすくできる。このため、リング16とヨーク18との公差をより大きくしやすくでき、寸法に高精度が要求されなくなるので、製造コストをより低減しやすく、すなわちより安価にしやすい。
なお、コア12とリング16とを備えるステータ10の構造は、本実施の形態に限定するものではない。例えば、図5に示す別例のように、ヨーク18の高さ方向(図5の上下方向)中間部からティース20を径方向内側(図5の左側)に突出させたものとすることもできる。
また、本実施の形態の場合、コア12にリング16を焼き嵌めする場合について説明したが、本発明はこのような場合に限定するものではなく、例えば、リング16の内側にコア12を圧入することにより、コア12の径方向外側に締め代を持ってリング16を嵌合固定することにより、ステータ10を構成する場合も、上記と同様にして、ステータ10を構成するリング16とコア12との寸法を決定できる。また、本発明において、コア12は、上記の各実施の形態のように分割形状とする場合に限定せず、コア12を一体成形された一体形状とすることもできる。
本発明の実施の形態のモータを構成するステータの全体斜視図である。 コアを構成するコア要素の1つを取り出して示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 リングとコアとの寸法を決定するためのリングヨーク間径方向締め代zとリングヨーク厚さ比T1/T2との関係を表す図である。 本発明の実施の形態のステータの別例を示す、図3に対応する図である。
符号の説明
10 ステータ、12 コア、14 コア要素、16 リング、18 ヨーク、20 ティース、22 ヨーク要素、24 本体部。

Claims (11)

  1. 分割形状または一体形状の筒状のヨークの内周から突出する複数本のティースを有する圧粉磁心製のコアと、
    コアの径方向外側に締め代を持って嵌合固定するリングと、
    を備えるモータにおいて、
    リングの径方向厚さとヨークの径方向厚さとの比であるリングヨーク厚さ比に対応する、リングとヨークとの間でのリングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際にコアが塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代以下であることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際にリングが塑性変形しない限界であるリング応力限界に対応する締め代と、コア応力限界に対応する締め代とのうち、小さい締め代以下であることを特徴とするモータ。
  3. 請求項2に記載のモータにおいて、
    リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代が、ロータの回転時にヨークに作用するトルクに耐えて回転しない限界であるトルク保持限界に対応する締め代以上であることを特徴とするモータ。
  4. 請求項3に記載のモータにおいて、
    リングヨーク厚さ比を、リングヨーク間径方向締め代の許容幅が最大となるリングヨーク厚さ比としていることを特徴とするモータ。
  5. 請求項3に記載のモータにおいて、
    リングヨーク厚さ比が0.18以上0.45以下であることを特徴とするモータ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1に記載のモータにおいて、
    コアは、円周方向に分割された複数のコア要素を円周方向に隣り合うように配置していることを特徴とするモータ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1に記載のモータにおいて、
    コアまたは複数のコア要素のティース根元部分に作用する引張り応力によりコアまたはコア要素が塑性変形しない限界である引張り応力限界により、コア応力限界を規定していることを特徴とするモータ。
  8. 分割形状または一体形状の筒状のヨークの内周から突出する複数本のティースを有する圧粉磁心製のコアと、
    コアの径方向外側に締め代を持って嵌合固定するリングと、
    を備えるモータの製造方法において、
    リングの径方向厚さとヨークの径方向厚さとの比であるリングヨーク厚さ比に対応する、リングとヨークとの間でのリングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際に、コアが塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代以下となるように、リングヨーク厚さ比とリングヨーク間径方向締め代とを決定することを特徴とするモータの製造方法。
  9. 請求項8に記載のモータの製造方法において、
    リングヨーク厚さ比に対応するリングヨーク間径方向締め代が、コアにリングを締まり嵌めにより嵌合する際に、コアが塑性変形しない限界であるコア応力限界に対応する締め代と、リングが塑性変形しない限界であるリング応力限界に対応する締め代とのうち、小さい締め代以下で、かつ、ロータの回転時にヨークに作用するトルクに耐えて回転しない限界であるトルク保持限界に対応する締め代以上となるように、リングヨーク厚さ比とリングヨーク間径方向締め代とを決定することを特徴とするモータの製造方法。
  10. 請求項9に記載のモータの製造方法において、
    リングヨーク厚さ比を、リングヨーク間径方向締め代の許容幅が最大となるリングヨーク厚さ比とすることを特徴とするモータの製造方法。
  11. 請求項9に記載のモータの製造方法において、
    リングヨーク厚さ比を0.18以上0.45以下とすることを特徴とするモータの製造方法。
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