JP2005277787A - 通信端末装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大型化を抑えつつ、アンテナを用いる複数の機能を快適に利用可能な通信端末装置を提供する。
【解決手段】 非通話時には、スイッチ部103をオンさせ、各チューナー102のなかで受信信号の出力が大きいほうを受信選択部801に選択させる。それにより、より鮮明なTV映像、より高品質な音声をユーザーに視聴させる。通話時には、通話用にアンテナAT1を用いるために、スイッチ部103をオフさせ、チューナーB102が出力する受信信号を受信選択部801に選択させる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、無線で通話が行える携帯電話機等の通信端末装置に関する。
携帯電話機やPHSに代表される通話が可能な移動通信端末装置(以降「通信端末」と略記)は現在、社会に広く普及している。近年、その通信端末には、半導体技術の進歩もあって、様々な機能が搭載されている。それにより、現在では幅広い用途に用いられるようになっている。
一方、放送関係では、様々な魅力があるとされる地上デジタル放送が開始されている。その魅力とは、鮮明な画像と奥行きのある音声、多チャンネル放送、データ放送と双方向サービス、モバイル(通信端末)向け放送、などである。そのモバイル向け放送が行われることから、メーカではその放送用の放送受信機能を搭載した通信端末装置の開発が進められている。
放送受信機能を搭載した通信端末装置では、通話(電話機能)と放送(放送受信機能)をユーザーが同時に楽しむという使い方に対応させる必要があると考えられる。そのような使い方に対応させる場合、アンテナは2つ以上、搭載させなければならない。
同じ通信端末装置に搭載しても、装置内に各アンテナが置かれた環境は多少は異なる。そのことを無視したとしても、装置が使用される時の周りの環境や装置で利用している別の機能などにより、各アンテナが受信している無線信号の受信状態に違いや変化が発生するのが普通である。
このようなことから、アンテナを複数、搭載させる場合、それらのなかで無線信号の受信状態の良好なアンテナを割り当てる、所謂ダイバーシティ受信方式を採用することが考えられる。しかし、搭載するアンテナの数が多くなるほど装置の大型化を招くことから、その数を抑えることも考慮すべきと云える。また、アンテナは放送受信機能の他に電話機能でも用いられることから、アンテナの割り当てでは、アンテナを用いる複数の機能をユーザーが快適に利用できるようにすることを重要視すべきであると云える。
特開平7−147601号公報 特開2003−168992号公報
本発明の課題は、大型化を抑えつつ、アンテナを用いる複数の機能を快適に利用可能な通信端末装置を提供することにある。
本発明の通信端末装置は、無線で通話が行えることを前提とし、無線信号を受信するための複数のアンテナと、無線信号として音声信号を送受信することにより通話を実現させる通話処理手段と、無線信号として送信される放送波を処理する放送波処理手段と、通話処理手段、及び放送波処理手段のうちの少なくとも一方の処理手段に処理される無線信号を、複数のアンテナがそれぞれ受信する無線信号のなかから選択するための信号選択手段と、通話処理手段、及び放送処理手段の動作状態、並びに複数のアンテナがそれぞれ受信する無線信号の受信状態に基づいて、一方の処理手段に処理させる無線信号を信号選択手段により動的に変更する信号管理手段と、を具備する。
なお、上記一方の処理手段は放送波処理手段であり、通話時に信号管理手段は、通話処理手段による無線信号の処理を優先させて、放送波処理手段に処理させる無線信号を受信するアンテナを複数のアンテナのなかから信号選択手段により選択する、ことが望ましい。
また、信号選択手段は、通話処理手段、及び放送波処理手段のそれぞれに処理さる無線信号を、複数のアンテナがそれぞれ受信する無線信号のなかから選択でき、通話時に信号管理手段は、信号選択手段を用いて、複数のアンテナのなかで通話処理手段が処理対象とする無線信号の受信状態が良好なアンテナが受信した無線信号を該通話処理手段に処理させる、ことが望ましい。
本発明は、複数のアンテナを搭載し、動作にアンテナが必要な複数の機能(処理手段)のうちの少なくとも一つに、他の機能の動作(利用)状態、及び複数のアンテナそれぞれの無線信号の受信状態を考慮して複数のアンテナのなかの一つを動的に選択して割り当てる。
そのようにアンテナの動的な割り当てを行えるようにすることにより、複数のアンテナのうちの少なくとも一つは複数の機能で共用する形となる。その割り当てでは、他の機能の動作(利用)状態も考慮するために、ユーザーにとってより重要と考えられる機能に無線信号の受信状態がより良好なアンテナを割り当てられるようになる。つまり、ユーザーの立場でアンテナの割り当てを最適に行えるようになる。これらのことから、大型化を抑えつつ、アンテナを用いる複数の機能を快適に利用可能な通信端末装置を実現させられることとなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態による通信端末装置の構成図である。その通信端末装置(以降「通信端末」と略記)は、具体的には、携帯電話機、或いはPHSなどの移動通信端末装置である。ここでは携帯電話機であると想定する。
図2に示すように、その通信端末は、アンテナAT1を介して送受信する無線信号の周波数変換、及び変復調等を行う携帯電話用のRF(Radio Frequency)部101と、放送用の電波(放送波)のなかで設定チャンネルのものをアンテナAT1により受信して受信信号を出力するテレビジョン(以下「TV」或いは「テレビ」と略記)用のチューナー102と、アンテナAT1が受信した無線信号のチューナー102への出力を制御するためのスイッチ部103と、チューナー102が出力した受信信号を復調するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調部104と、その復調後の受信信号を復号化して、映像データ、音声データをそれぞれ出力する映像復号部105、音声復号部106と、端末全体の制御を行うCPU107と、そのCPU107が実行するプログラムや各種制御用データを格納したプログラムROM108と、CPU107がワークに用いるワークRAM109と、例えば共に液晶表示装置である2つの表示部110、及び111と、各表示部110、111に画像(映像)を表示させる表示ドライバー部112と、音声入力用のマイク113と、音声放音用のスピーカ114と、各種スイッチを有する操作部115と、外部からの電流を受電するためのACアダプタ116と、充電池117と、各部に電流を供給する電源回路118と、を備えて構成されている。受信部150は、アンテナAT1、RF部101、チューナー103、及びスイッチ部103を備えた構成となっている。
なお、特には図示していないが、マイク113から出力されるアナログの音声信号はA/D変換器によりデジタルの音声信号に変換された後、CPU107、或いはRF部101に出力される。また、スピーカ114、及びイヤホン用のジャック(不図示)には、D/A変換器により変換されたアナログの音声信号が出力される。
上記2つの表示部110、及び111は、画面の大きさが異なるものである。その画面は、表示部110のほうが大きくなっている。このことから、表示部110はメイン表示部、表示部111はサブ表示部、とそれぞれ呼ぶことにする。
上記RF部101は、携帯電話網から送信された信号を受信し処理するものである。受信した信号は復調して、CPU107、或いはスピーカ114、及びジャック(以降、前者のみを想定する)に出力する。電話による通話時には、その信号をスピーカ114に出力することにより接続先(電話がつながった電話機)からの音声を放音させる。マイク113からの音声信号は、変調してアンテナAT1を介して送信する。インターネット接続時には、復調した信号(デジタルデータ)をCPU107に出力する。CPU107からのデータは、変調してアンテナAT1を介して送信する。
チューナー102により受信するテレビ放送は、例えばデジタル放送で1セグメントが割り当てられた放送である。そのチューナー102により受信された番組のデータは、OFDM復調部104で復調され、復調後のデータが映像用、音声用に分けて各復号部105、106に送られて復号化され、その復号化によって得られた映像データはCPU107を介して表示ドライバー部112に送られることにより、メイン表示部110に表示される。その復号化によって得られた音声データは、スピーカ114に出力されることで音声として放音される。それにより、通信端末は、電話機の他に、テレビとして用いることができる受信機となっている。
チューナー102、OFDM復調部104、映像復号部105、及び音声復号部106には、消費電力を抑えるために、テレビ受信機として機能させる場合に電流を供給するようにしている。以降それらをまとめてTV部と呼び、電流を供給することをオン、それを供給しないことをオフと表現することにする。
アンテナAT1とチューナー102間に配置されたスイッチ部103は、例えばアナログスイッチ、その駆動回路を備えたものである。その駆動回路は、CPU107からの指示によりアナログスイッチを駆動する。そのようなスイッチ部103を配置したことにより、アンテナAT1からチューナー102への受信信号の供給、その解除を管理できるようしている。ここでは、チューナー103に受信信号を供給できる状態をオン、そうでない状態をオフ、と呼ぶことにする。
アンテナAT1は、RF部101、チューナー102に供給する無線信号の受信用とすることで共用とさせている。それにより、搭載するアンテナの数を最小限にして、通信端末の大型化を回避させている。スイッチ部103は、通信端末を携帯電話機、及びテレビ受信機の一方のみとして利用できるようにするために用いている。
操作部115は、ユーザーが操作の対象となる各種スイッチ、及び各種スイッチに対してユーザーが行った操作を検出する検出回路を備えたものである。テレビ受信機としての機能は、TVスイッチを操作して利用するようにさせている。そのスイッチは、例えばユーザーの操作により維持させる状態を変化させるものである。ここでは、テレビ受信機として動作する状態をオン状態、そうでない状態をオフ状態と呼ぶことにする。
以降は、図2〜図5に示す各処理のフローチャート、並びに図6、及び図7に示す各説明図を参照して、上記構成の通信端末の動作について詳細に説明する。なお、図2〜図5に示す各処理は、例えばCPU107が、プログラムROM108に格納されたプログラムを実行することで実現される。
図2、図3は、全体処理のフローチャートである。ユーザーが利用するために行う操作方法を限定して着目する形で、電源がオンされた後に実行する処理の全体的な流れの例を抜粋して示したものである。始めに図2、図3を参照して、その全体処理について詳細に説明する。
先ず、ステップ201では、電源がオンされたことに伴い、イニシャライズを実行し、通信端末を所定の設定状態にさせる。スイッチ部103はオフさせる。続くステップ202では、例えばプログラムROM108から読み出した待受画面をワークRAM109に確保した描画用エリアにストアし、その画面を表示ドライバー部112に送出してメイン表示部110に表示させる。サブ表示部111にも同様にして、待ち受け時の画面を表示させる。次のステップ203では、オフフックスイッチが操作されたか否か判定する。そのスイッチをユーザーが操作した場合、その旨が操作部115よりCPU107に通知されることから、判定はYESとなってステップ204に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなって図3のステップ212に移行する。
各表示部110、111に表示させる画面は、ワークRAM109にそれぞれ確保した描画用エリアに、プログラムROM108から読み出した画像データ(画面やシンボルなど)、或いは映像復号部105から送られた画像データを格納することで生成される。表示内容の変更は、その全て、或いは一部を表示ドライバー部112に送り、表示させることで実現される。
ステップ204では、電話番号入力用の番号入力画面を表示部112に表示させる。次のステップ205では、操作部115への入力操作(ダイヤルキーへの操作)に応じて、その操作により指定された電話番号を入力しメイン表示部110に表示させる。続くステップ206では、その入力操作が終了するのを待って、ユーザーが指定の電話番号を持つ電話機(以降、「接続先」或いは「相手機」、などと呼ぶ)との接続を要求する発信を行う。入力操作が終了したか否かの判定は、例えば一定時間、入力操作が行われなかったことを条件に行う。
その発信により、携帯電話網側は、指定された相手機の呼び出しを行うための処理を行い、発信した側には、そのことを知らせる呼出音を放音させる処理を行う。このことから、続くステップ207では、携帯電話網側からの指示に従い呼出音の放音を行う。その放音は、相手機と接続することで次のステップ208の判定がYESとなるまで行う。ステップ209には、そのYESの判定となって移行する。
なお、上記発信は、例えばCPU107がそれに必要な情報をRF部101に送り、それを指示することで行われる。上記呼出音は、放音用の信号をRF部101が受信して復調し、復調後の信号が直接、或いはCPU107を介してスピーカ114に出力されることで放音される。
相手機が話し中、或いは電源がオフ等の理由により電話がかけられない状態であれば、その旨を通知する信号が携帯電話網側から送信される。相手機の呼び出しは、発信の中止をユーザーが指示することで終了する。このようなことから、発信(発呼)を行わせることで相手機と必ず接続するとは限らない。しかし、そのようなことは特に重要ではないことから、ここでは省略している。これは他でも同様である。
ステップ209では、相手機との間で音声信号のやりとりを行うことで通話を実現させる通話処理を実行する。次のステップ210では、オンフックスイッチがオンされたか否か判定する。そのスイッチをユーザーが操作した場合、判定はYESとなり、相手機との接続の切断、つまり終話を携帯電話網側に要求する終話処理をステップ211で実行した後、上記ステップ202に戻る。そうでない場合には、判定はNOとなって上記ステップ209に戻る。それにより、終話を要求するまでの間、通話を行える状態を維持する。
上記ステップ203の判定がNOとなって移行する図3のステップ212では、TVスイッチがオフ状態からオン状態となったか否か判定する。そのスイッチをユーザーが操作してオフ状態からオン状態に移行させた場合、判定はYESとなってステップ213に移行し、そうでない場合には、判定はNOとなって図2のステップ203に戻る。
ステップ213では、スイッチ部103をオンさせる。次のステップ214では、スピーカ114に入力させる音声信号の出力先を音声復号部106(図中「TV部」と表記)に切り替える。その次のステップ215では、TV部をオンさせる。そのようにしてテレビ(番組)放送の音声を放音できるように設定してからステップ216に移行する。
ステップ216では、映像復号部105が出力した映像信号(画像データ)を表示ドライバー部112に送り、メイン表示部110に表示させる。その次のステップ217では、音声復号部106が出力した音声信号をスピーカ114に送り音声を放音させる。その後はステップ218に移行して、TVスイッチがオフ状態となったか否か判定する。そのスイッチをユーザーが操作してオン状態からオフ状態にさせた場合、判定はYESとなり、ステップ219でTV部をオフさせ、次のステップ220ではスイッチ部103をオフさせてから図2のステップ202に戻る。一方、そうでない場合には、判定はNOとなって上記ステップ216に戻る。それにより、放送された映像や音声をユーザーが視聴できる状態を維持させる。
このように、本実施の形態では、テレビ受信機として通信端末を動作させる場合のみ、つまりTV部をオンさせる場合のみスイッチ部103をオンさせる。それにより、携帯電話機としての利用を優先させる形でアンテナAT1を共用するようにしている。TV部をオンさせた状態では、ユーザーによるチャンネル設定が可能となるが、ここではその設定に係わる説明は省略している。
図6は、映像を表示させる場合の画面構成を説明する図である。その映像は、図6に示すように、その表示用エリア(ウインドウ)601を確保して、そのエリア内に表示させるようにしている。
図4、及び図5は、着信検知処理のフローチャートである。その検知処理は、電話の着信に対応するために実行されるものである。例えばその着信を検知したRF部101が発生させる割込み信号によって起動される。次に図4、及び図5を参照して、その検知処理について詳細に説明する。
先ず、ステップ401では、TV部をオン状態とさせているか否か判定する。テレビ放送の受信中に電話の着信があった場合、TV部はオンさせていることから、判定はYESとなってステップ402に移行し、そうでない場合には、判定はNOとなってステップ406に移行する。
ステップ402では、図7に示すように、着信を知らせるメッセージを配置した着信中アイコンをメイン表示部110に映像と重ねて表示させる。続くステップ403では、着信音を放音させるための音声データを例えばプログラムROM106から読み出してスピーカ114に出力することによりその着信音を放音させる。次のステップ404では、映像復号部106からの映像信号を表示ドライバー部112に送り、表示用エリア601内の着信中アイコンが重ねられていない部分に表示させる。ステップ408には、更にステップ405で音声復号部からの音声信号をスピーカ114に出力させてから移行する。ステップ401の判定がNOとなった場合には、ステップ406で着信中アイコンをメイン表示部110に表示させ、次のステップ407で着信音を放音させてからそのステップ408に移行する。
ステップ408では、オフフックスイッチがオンされたか否か判定する。そのスイッチをユーザーが操作した場合、判定はYESとなってステップ409に移行し、そうでない場合には、判定はNOとなって上記ステップ401に戻る。それにより、着信の報知を継続させる。
ステップ409では、スイッチ部103をオフさせる。次のステップ410では、スピーカ114を受話器用に設定を切り替える。それに続くステップ411では、通話中であることを通知するアイコン(図12参照)をメイン表示部110に表示させる。その後は、ステップ412で相手機との間で通話を実現させる通話処理を実行してからステップ413に移行する。その通話処理を実行することにより、RF部101が復調して出力した音声信号(データ)はスピーカ114に送られ、マイク113から入力された音声信号(A/D変換後のデジタル信号である)はRF部101に送られて送信される。
ステップ413では、オンフックスイッチがオンされたか否か判定する。オンフックスイッチをユーザーが操作した場合、判定はYESとなり、図5のステップ414で終話処理を実行して接続を切断させてからステップ415に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなって上記ステップ411に戻る。それにより、通話を行える状態を維持させ、メイン表示部110に表示させる通話時間などを更新する。
ステップ415では、TV部がオン状態か否か判定する。TV部がオン状態であった場合、判定はYESとなり、スイッチ部103をオンさせ、スピーカ114に入力させる音声信号の出力先を音声復号部106に切り替え、音声復号部106が出力した音声信号をスピーカ114に送り、映像復号部105が出力した映像信号を表示のために表示ドライバー部112に送ってから(ステップ416〜9)、一連の処理を終了する。そうでない場合には、判定はNOとなり、ステップ420で待受画面をメイン表示部110に表示させるために表示ドライバー部112に送ってから一連の処理を終了する。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、1つのアンテナAT1を携帯電話機用、テレビ受信機用に共用させている。これに対し、第2の実施の形態は、アンテナAT1の他にもう一つアンテナを搭載したものである。
第2の実施の形態における通信端末の構成は、第1の実施の形態から受信部150が異なっている。受信部150以外の構成は基本的に同じである。動作では、受信部150の構成の変化によって一部、第1の実施の形態から異なっている。このようなことから、第1の実施の形態と同じ、或いは基本的に同じものには同一の符号を付して、その第1の実施の形態から異なる部分についてのみ説明する。
図8は、第2の実施の形態における受信部の構成図である。
第2の実施の形態では、図8に示すように、アンテナAT2を更に搭載し、そのアンテナAT2にチューナー102を接続させることにより、チューナー102を2つにしている。各チューナー102から出力される受信信号を選択するために受信選択部801を用意している。ここでは混乱を避けるために、スイッチ部103と接続されているもの(第1の実施の形態で搭載されていたものに相当)はチューナーA102、アンテナAT2と接続されているものはチューナーB102とそれぞれ呼ぶことにする。
受信部150をそのように構成したことにより、通話時にはアンテナAT1は携帯電話機専用とし、非通話時では、アンテナAT1、AT2のなかで放送波の受信状態の良い方をテレビ受信機用に割り当てられるようにしている。このため、非通話時ではより鮮明な映像やより奥行きのある音声をユーザーは視聴することができる。それにより、テレビ受信機の機能をユーザーはより快適に利用できることとなる。
第2の実施の形態による通信端末が実行する処理の内容は、全体処理、及び着信検知処理ともに第1の実施の形態から異なる部分がある。以降、その異なる部分について、図9〜図11に示す各フローチャートを参照して詳細に説明する。
図9は、第2の実施の形態における全体処理のフローチャートである。図2、及び図3に示す全体処理のフローチャートのなかで図3に示す部分に第1の実施の形態から異なっている部分がある。このことから、図9を参照して、その異なっている部分についてのみ説明する。第1の実施の形態から異なっていない処理ステップには同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、ステップ215の処理を実行した後ステップ901に移行する。そのステップ901では、チューナーA102の受信信号の出力(レベル)がチューナーB102のそれより大きいか否か判定する。アンテナAT1の受信状態のほうが良好であった場合、その関係となることから、判定はYESとなり、ステップ902で受信選択部801にチューナーA102を選択させてからステップ903に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなり、ステップ906で逆にチューナーB102を選択させてからそのステップ903に移行する。ステップ901の判定は、例えば受信選択部801から各チューナー102の受信信号レベルを取得して行っている。
ステップ903では、映像復号部105が出力した映像信号を表示ドライバー部112に送り、メイン表示部110に表示させる。次のステップ904では、音声復号部106が出力した音声信号をスピーカ114に送り音声を放音させる。その後はステップ905に移行して、TVスイッチがオフ状態となったか否か判定する。そのスイッチをユーザーが操作してオン状態からオフ状態にさせた場合、判定はYESとなってステップ219に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなって上記ステップ901に戻る。それにより、各チューナー102の受信信号レベル(アンテナAT1、AT2の受信状態)を監視して、受信信号を出力させるチューナー102の選択を必要に応じて切り替えることにより、より望ましい映像と音声をユーザーに視聴させる。
図10、及び図11は、着信検知処理のフローチャートである。次に図10、及び図11を参照して、第2の実施の形態における着信検知処理について詳細に説明する。ここでも同様に、第1の実施の形態から異なっていない処理ステップには同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、ステップ408の判定がYESとなった場合にステップ1001に移行する。そのステップ1001では、アンテナAT1は携帯電話機用に割り当てるために、受信選択部801にチューナーB102を選択させる。続くステップ1002では、スピーカ114を受話器用に設定を切り替える。その次のステップ1003では、着信中アイコンをメイン表示部110から消去させる。図11のステップ1004にはその後に移行する。
ステップ1004では、通話中であることを通知するアイコンをメイン表示部110に表示させる。次のステップ1005では、通話処理を実行する。その実行後はステップ1006に移行して、TV部がオン状態か否か判定する。そのTV部がオン状態であった場合、判定はYESとなり、ステップ1007で映像復号部105からの映像信号をメイン表示部110に表示させた後、ステップ1008に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなり、次にそのステップ1008に移行する。
このように、第2の実施の形態では、TV部がオン状態のときに通話が開始すると、図12に示すように、映像をメイン表示部110に表示させるようにしている。それにより、通話時にも映像を楽しめるようにさせている。
ステップ1008では、オンフックスイッチがオンされたか否か判定する。オンフックスイッチをユーザーが操作した場合、判定はYESとなり、ステップ1009で終話処理を実行した後、ステップ1110に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなって上記ステップ1004に戻る。それにより、通話を行える状態を維持させ、TV部がオン状態であれば、メイン表示部110への映像の表示を継続して行う。
ステップ1110では、TV部がオン状態か否か判定する。TV部がオン状態であった場合、判定はYESとなり、次にステップ417に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなってステップ420に移行する。
<第3の実施の形態>
上記第2の実施の形態では、2つのアンテナAT1、AT2のうち、アンテナAT2を携帯電話機専用とし、テレビ受信機用のアンテナは、通話状態か否か、及びそれらの放送波の受信状態を考慮して割り当てるようにしている。これに対し、第2の実施の形態は、携帯電話機用としてアンテナAT1、AT2の何れも割り当てられるようにしたものである。
アンテナAT1、AT2の何れも携帯電話機用に割り当てられるようにしたことで、ユーザーはより高品質の音声で通話が行えるようになる。このため、第2の実施の形態と比較して、ユーザーは携帯電話機の機能もより快適に利用できることとなる。
第3の実施の形態における通信端末の構成は、第2の実施の形態と同様に、第1の実施の形態から受信部150が異なっている。受信部150以外の構成は基本的に同じである。動作では、受信部150の構成の変化によって一部、第1、及び第2の実施の形態から異なっている。このようなことから、第1の実施の形態と同じ、或いは基本的に同じものには同一の符号を付して、第2の実施の形態から異なる部分についてのみ説明する。
図13は、第3の実施の形態における受信部の構成図である。
第3の実施の形態では、図13に示すように、アンテナAT2にRF部101を接続させ、そのRF部101が出力する受信信号、及びアンテナAT1に接続させたRF部101が出力する受信信号のうちの一方を受信選択部1301に選択させるようになっている。各アンテナAT1、AT2にRF部101をそれぞれ接続させたことから、アンテナAT2とチューナーB102間にスイッチ部103を配置している。それにより、TV部がオン状態のときに通話が行われる場合には、通話受信選択部1301で受信信号を選択するRF部101に応じて、アンテナAT1とチューナーA102間、或いはアンテナAT2とチューナーB102間の接続を解除できるようにさせている。ここでも混乱を避けるために、アンテナAT1と接続されているRF部101はRF部A101、アンテナAT2と接続されているRF部101はRF部B101とそれぞれ呼ぶことにする。
第3の実施の形態による通信端末が実行する処理の内容は、全体処理、及び着信検知処理ともに第2の実施の形態から異なる部分がある。以降、処理別に具体的に説明する。
全体処理では、ステップ213、220が第2の実施の形態から異なっている。第3の実施の形態では、スイッチ部103が2つあることから、ステップ213では2つのスイッチ部103を共にオンさせ、ステップ220では2つのスイッチ部103を共にオフさせるようになっている。他は第2の実施の形態と同じか、或いは基本的に同じである。
次に、第3の実施の形態における着信検知処理について、図14、及び図15に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。ここでも、第2の実施の形態から異なっていない処理ステップには同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、ステップ408の判定がYESとなった場合にステップ1401に移行する。そのステップ1401では、スピーカ114を受話器用に設定を切り替える。次のステップ1402では、着信中アイコンをメイン表示部110から消去させる。その後に移行するステップ1403では、RF部Aを選択しているか否か判定する。RF部Aが出力する受信信号を受信選択部1301に選択させていた場合、判定はYESとなり、ステップ1404でチューナーB102が出力する受信信号を受信選択部801に選択させた後、図15のステップ1406に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなり、ステップ1405で逆にチューナーA102が出力する受信信号を受信選択部801に選択させた後、そのステップ1406に移行する。
第3の実施の形態では、例えば一定時間間隔で発生する割込み信号により図16に示すタイマインタラプト処理を実行するようになっている。そのインタラプト処理では、RF部A101の受信信号の出力(レベル)がRF部B101のそれより大きいか否か判定し(ステップ1601)、RF部A101のほうが大きければ受信選択部1301にそれが出力する受信信号を選択させ(ステップ1601YES→ステップ1602)、RF部B101のほうがそれ以上であれば受信選択部1301にRF部B101が出力する受信信号を選択させる(ステップ1601NO→ステップ1603)。
このようなインタラプト処理を実行することにより、RF部101が処理対象とする無線信号のアンテナAT1、AT2の受信状態を監視し、その受信状態の良いほうをその無線信号の受信用に選択するようにしている。それにより、常により高品質の音声で通話が行えるようにさせている。
図15のステップ1406では、通話中であることを通知するアイコンをメイン表示部110に表示させる。次のステップ1407では、通話処理を実行する。その実行後はステップ1408に移行して、TV部がオン状態か否か判定する。そのTV部がオン状態であった場合、判定はYESとなってステップ1409に移行し、そうでない場合には、判定はNOとなってステップ1415に移行する。
ステップ1409では、チューナーB102を選択しているか否か判定する。チューナーB102が出力する受信信号を受信選択部801に選択させていた場合、判定はYESとなってステップ1410に移行し、そうでない場合には、判定はNOとなってステップ1412に移行する。
ステップ1410では、RF部B101を選択しているか否か判定する。そのRF部B101を選択していた場合、判定はYESとなり、ステップ1411でチューナーA102を選択した後、ステップ1414に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなってそのステップ1414に移行する。
ステップ1411でのチューナーA102の選択は、受信選択部801にそれが出力する受信信号を選択させるとともに、RF部B101に受信信号を出力するアンテナAT1と接続されているスイッチ部103はオフ、アンテナAT2とチューナーA102に接続されているスイッチ部103はオンさせることで行われる。
一方のステップ1412では、RF部A101を選択しているか否か判定する。そのRF部A101を選択していた場合、判定はYESとなり、ステップ1413でステップ1411と同様にしてチューナーB102を選択した後、ステップ1414に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなってそのステップ1414に移行する。
ステップ1414では、映像復号部105からの映像信号を図12に示すようにメイン表示部110に表示させる。次のステップ1415では、オンフックスイッチがオンされたか否か判定する。そのスイッチをユーザーが操作した場合、判定はYESとなってステップ1009に移行する。そうでない場合には、判定はNOとなって上記ステップ1406に戻る。それにより、通話を行える状態を維持させ、TV部がオン状態であれば、図16に示すタイマインタラプト処理の実行によるRF部101の選択切り替えに対応しつつ、メイン表示部110への映像の表示を継続して行う。
なお、第2、及び第3の実施の形態では、携帯電話機用の機能を優先させる形でアンテナAT1、AT2のテレビ受信機用の機能への割り当てを行っているが、その逆とさせても良い。或いはそれらの機能のうちで優先させるほうをユーザーに選択させるようにしても良い。
また、アンテナを用いる機能としては2つだけとなっているが、その機能の数はそれ以上であっても良い。アンテナの数(各機能で割り当て可能な数を含む)は、機能の数、同時に利用可能な機能の数、装置の大きさ、機能の重要性、想定する通信端末の使用環境などを考慮して任意に決定しても良い。
第1の実施の形態による通信端末装置の構成図である。 全体処理のフローチャートである。 全体処理のフローチャートである(続き)。 着信検知処理のフローチャートである。 着信検知処理のフローチャートである(続き)。 映像を表示させる場合の画面構成を説明する図である。 映像を表示させている場合の着信時における画面構成を説明する図である。 第2の実施の形態における受信部の構成図である。 全体処理のフローチャートである(第2の実施の形態:抜粋)。 着信検知処理のフローチャートである(第2の実施の形態)。 着信検知処理のフローチャートである(第2の実施の形態:続き)。 映像を表示させている場合の通話時における画面構成を説明する図である。 第3の実施の形態における受信部の構成図である。 着信検知処理のフローチャートである(第3の実施の形態)。 着信検知処理のフローチャートである(第3の実施の形態:続き)。 タイマインタラプト処理のフローチャートである。
符号の説明
101 RF部
102 チューナー
103 スイッチ部
104 OFDM復調回路
105 映像復号部
106 音声復号部
107 CPU
108 プログラムROM
109 ワークRAM
110、111 表示部
112 表示ドライバー部
113 マイク
114 スピーカ
115 操作部
150 受信部
801、1301 受信選択部
AT1、AT2 アンテナ


Claims (3)

  1. 無線で通話が行える通信端末装置において、
    無線信号を受信するための複数のアンテナと、
    前記無線信号として音声信号を送受信することにより前記通話を実現させる通話処理手段と、
    前記無線信号として送信される放送波を処理する放送波処理手段と、
    前記通話処理手段、及び前記放送波処理手段のうちの少なくとも一方の処理手段に処理される無線信号を、前記複数のアンテナがそれぞれ受信する無線信号のなかから選択するための信号選択手段と、
    前記通話処理手段、及び前記放送処理手段の動作状態、並びに前記複数のアンテナがそれぞれ受信する無線信号の受信状態に基づいて、前記一方の処理手段に処理させる無線信号を前記信号選択手段により動的に変更する信号管理手段と、
    を具備することを特徴とする通信端末装置。
  2. 前記一方の処理手段は前記放送波処理手段であり、
    前記通話時に前記信号管理手段は、前記通話処理手段による無線信号の処理を優先させて、前記放送波処理手段に処理させる無線信号を受信するアンテナを前記複数のアンテナのなかから前記信号選択手段により選択する、
    ことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
  3. 前記信号選択手段は、前記通話処理手段、及び前記放送波処理手段のそれぞれに処理さる無線信号を、前記複数のアンテナがそれぞれ受信する無線信号のなかから選択でき、
    前記通話時に前記信号管理手段は、前記信号選択手段を用いて、前記複数のアンテナのなかで前記通話処理手段が処理対象とする無線信号の受信状態が良好なアンテナが受信した無線信号を該通話処理手段に処理させる、
    ことを特徴とする請求項1、または2記載の通信端末装置。


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