JP2005277300A - 真空処理装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】被処理物品の搬送部材或いはそれを兼ねる物品ホルダをベローズを用いて昇降機構により昇降させる真空処理装置であって、昇降機構における駆動部が容量の小さいもので足り、物品搬送部材を位置精度よく停止させることができ、物品搬送部材を衝撃少なく停止させることができ、さらに停電時等において搬送部材の落下等を防止できるものを提供する。
【解決手段】少なくとも、処理室(成膜室10)の内圧が減圧雰囲気設定時の内圧であるとき昇降機構ELの駆動部(モータ7等)に加わる負荷及び成膜室10の内圧が該減圧雰囲気設定時の内圧より予め定めた高圧(例えば大気圧)であるとき該駆動部に加わる負荷をそれぞれ相殺する反力を発生させるカウンタバランス機構CBを備えている膜形成装置(真空処理装置例)。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマCVD装置等のCVD装置、真空蒸着装置、イオンプレーティング装置、スパッタリング装置等のPVD装置といった各種成膜装置、イオンエッチング装置等のエッチング装置、イオン注入やイオンドーピングを行うイオン注入装置、各種半導体装置或いはその部品や液晶表示装置或いはその部品等の製造装置のように、減圧雰囲気下で被処理物品に目的とする処理を施す真空処理装置に関する。
真空処理装置は被処理物品に目的とする処理を施すための処理室を備えており、該処理室には通常物品ホルダが設けられている。また、被処理物品を、それを処理するための第1位置とこの第1位置とは異なる第2位置、例えば処理室内外間で被処理物品の搬入搬出処理を行うための位置との間で移動させるための搬送部材が設けられ場合があり、さらに、該搬送部材は物品ホルダそれ自身の場合もある。
いずれにしても該搬送部材は、多くの場合、昇降により被処理物品を前記第1、第2の位置のうちいずれかに配置するようになっており、この場合、通常、搬送部材を昇降させる昇降機構が設けられる。
かかる昇降機構の例として伸縮ベローズを採用したものを挙げることができる。その代表例として、物品搬送部材を支持するとともに処理室壁を昇降可能に貫通する搬送部材用支持部材と、該搬送部材用支持部材のうち処理室外側に出た部分の端部に設けられたベローズ支持部材と、一端部が該処理室に、他端部が該ベローズ支持部材にそれぞれ気密に接続されるとともに前記搬送部材用支持部材のうち処理室外側に出た部分を気密に囲繞する伸縮ベローズと、該搬送部材用支持部材を昇降駆動する駆動部とを含むものを挙げることができる(例えば特開平9−22899号公報、特開平9−13172号公報参照)。
なお、ベローズを用いる真空処理装置において、ベローズ内外間の気圧差によりベローズが座屈することを防止するために伸縮方向中央部の内径を両端部より大径とすることも提案されている(特開2000−234673号公報)。
特開平9−22899号公報 特開平9−13172号公報 特開2000−234673号公報
しかしながら、従来の真空処理装置における物品搬送部材の昇降機構によると、例えば処理室内が目的とする処理を実施するための所定の減圧雰囲気に設定されると、処理室内外の気圧の差圧がベローズ支持部材のうちベローズの口径相当部分に加わってベローズを収縮させようとする。これに逆らって物品搬送部材を移動させるときには前記駆動部に大きい負荷がかかる。
また、例えば処理室内が処理室内外間での被処理物品の搬入搬出処理のために開放されるなどして大気圧となるというように、前記減圧雰囲気における処理室内圧より高圧となると、ベローズ内外間の気圧差は減少し或いは無くなり、ベローズが気圧差で収縮する方向に押されることはなくなってくるものの、搬送部材、その支持部材、ベローズ支持部材、或いはさらに搬送部材上の被処理物品等の部材重力に逆らって物品搬送部材を移動させるとき、該部材重力のために前記駆動部に大きい負荷がかかってくる。
例えば、液晶表示ガラス基板上にTFT形成のための結晶性シリコン薄膜を形成する真空処理装置を例にとると、今日の液晶表示装置の大型化の要請により該ガラス基板も大型化しており、従って前記物品搬送部材、或いは物品搬送部材を兼ねる基板ホルダも大型化し、ひいてはそれらを支持する支持部材及びこれを囲繞するベローズも大型化してきている。
このようにベローズが大型化してくると、ベローズ口径(ベローズ断面積)も大きくなり、例えば処理室内が目的とする処理を実施するための減圧雰囲気に設定されると、処理室内外の気圧の差圧によりベローズ支持部材加わる力はかなり大きいものとなり、これに逆らって物品搬送部材を移動させるときには前記駆動部にかなり大きい負荷がかかる。
また、物品搬送部材等の大型化により部材重力が大きくなり、処理室内圧が大気圧のように減圧雰囲気における処理室内圧より高圧となったときに該部材重力に逆らって物品搬送部材を移動させるとときには、該部材重力のために駆動部にかなり大きい負荷がかかる。
このように駆動部に大きい負荷がかかると、物品搬送部材を昇降させるために駆動部の容量、換言すれば駆動部による物品搬送部材の昇降駆動力や構造の頑丈さ等を大きくしなければならず、それだけ駆動部が高価なものとなり、ひいては真空処理装置全体も高価なものとなる。
また、処理室内外間の気圧の差によりベローズを収縮させる力が加わっている状態で、これに抗しつつ物品搬送部材を移動させ、その後駆動部による駆動を停止したり、或いは、部材重力に抗しつつ物品搬送部材を移動させ、その後駆動部による駆動を停止する場合に、物品搬送部材を所定の位置に精度よく停止させることが困難なことがあり、特に、ベローズの口径が大きくなり、また、それに伴って物品搬送部材等も大型化して重量が増してくると、物品搬送部材を所定位置に精度よく停止させることは困難になってくる。
さらに、駆動部としてブレーキ機能を備えないものを採用していると、また、停電時に働くブレーキを備えたものを採用していても、例えば処理室が減圧雰囲気より高圧(例えば大気圧)になっている状態で停電等により駆動部による駆動が停止されると、物品搬送部材が落下して損傷したり、さらには該搬送部材上の被処理物品が位置ずれしたり、損傷したりすることがある。
そこで本発明は、処理室と、被処理物品を搬送するための、該処理室に配置された搬送部材と、被処理物品を該物品に目的とする処理を施すための第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動させるために該搬送部材を昇降させる昇降機構とを有し、該昇降機構は、該搬送部材を支持するとともに該処理室壁を昇降可能に貫通する搬送部材用支持部材と、該搬送部材用支持部材のうち前記処理室外側に出た部分の端部に設けられたベローズ支持部材と、一端部が該処理室に、他端部が該ベローズ支持部材にそれぞれ気密に接続されるとともに該搬送部材用支持部材のうち前記処理室外側に出た部分を気密に囲繞する伸縮ベローズと、該搬送部材用支持部材を昇降駆動する駆動部とを含み、前記第1位置に被処理物品を配置し、前記処理室内を物品処理に応じた減圧雰囲気に設定して該被処理物品に目的とする処理を施す真空処理装置であって、次の利点を有するものを提供することを課題とする。
(1) 昇降機構における駆動部が容量の小さいもので足り、それだけ全体を安価にすることができる。
(2) 物品搬送部材を位置精度よく停止させることができ、昇降機構における駆動部としてブレーキ機能を備えていない駆動部を採用しても、物品搬送部材を位置精度よく停止させることができる。
(3) 物品搬送部材を衝撃少なく停止させることができ、ひいては該物品搬送部材に保持される被処理物品の損傷を抑制することができる。
また、本発明は、かかる真空処理装置であって、停電等により駆動部による駆動が停止しても物品搬送部材の落下或いは飛び上がりを防止でき、ひいては該物品搬送部材に保持される被処理物品の損傷を抑制することができる真空処理装置を提供することを課題とする。
本発明は次の真空処理装置を提供する。すなわち、
処理室と、被処理物品を搬送するための、該処理室に配置された搬送部材と、被処理物品を該物品に目的とする処理を施すための第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動させるために該搬送部材を昇降させる昇降機構とを有し、
該昇降機構は、該搬送部材を支持するとともに該処理室壁を昇降可能に貫通する搬送部材用支持部材と、該搬送部材用支持部材のうち前記処理室外側に出た部分の端部に設けられたベローズ支持部材と、一端部が該処理室に、他端部が該ベローズ支持部材にそれぞれ気密に接続されるとともに該搬送部材用支持部材のうち前記処理室外側に出た部分を気密に囲繞する伸縮ベローズと、該搬送部材用支持部材を昇降駆動する駆動部とを含み、
前記第1位置に被処理物品を配置し、前記処理室内を物品処理に応じた減圧雰囲気に設定して該被処理物品に目的とする処理を施す真空処理装置である。
この真空処理装置はカウンタバランス機構を備えている。
該カウンタバランス機構は、少なくとも、前記処理室内圧が前記減圧雰囲気設定時の内圧であるとき前記駆動部に加わる第1負荷及び前記処理室内圧が該減圧雰囲気設定時の内圧より予め定めた高圧であるとき前記駆動部に加わる第2負荷をそれぞれ相殺する反力を発生させるものである。
この真空処理装置によると、処理室内に搬入した被処理物品を昇降機構にて駆動される搬送部材により物品処理のための第1の位置に配置し、該処理室内を物品処理に応じた減圧雰囲気に設定して該被処理物品に目的とする処理を施すことができる。
処理後の物品は昇降機構により搬送部材を移動させることで該第1位置とは異なる第2の位置、例えば、処理室内外間の被処理物品の搬入搬出処理を行う位置に移動させ、次の処理(例えば処理後物品の搬出処理、或いは新たな被処理物品の搬入処理)を行うことができる。
該搬送部材は、例えば被処理物品を物品処理位置である前記第1の位置に保持するための定位置の物品ホルダに対し昇降できるものでも、該物品ホルダを兼ねるものでもよい。後者の場合、該物品ホルダが物品搬送のために昇降機構により昇降せしめられる。
このような物品処理において、前記カウンタバランス機構は、少なくとも、前記処理室内圧が前記減圧雰囲気設定時の内圧であるとき昇降機構の駆動部に加わる第1の負荷及び該処理室内圧が該減圧雰囲気設定時の内圧より予め定めた高圧であるとき該駆動部に加わる第2の負荷をそれぞれ相殺する反力を発生させる。
ここで、第1負荷とは、処理室内が物品処理のための減圧雰囲気(大気圧より減圧された雰囲気)に設定されることで、処理室内外の気圧の差により伸縮ベローズの口径(断面積)に相当するベローズ支持部材の部分に加わる力fから搬送部材、搬送部材用支持部材及びベローズ支持部材等による、搬送部材を下降させる方向に働く部材重力WFを差し引いた、ベローズを収縮させる方向の力F(=f−WF)に基づく負荷である。
第2負荷とは、処理室内圧が前記減圧雰囲気設定時の内圧より予め定めた高圧、代表例としては大気圧(大気圧そのもののほか、略大気圧である場合も含む)であるときの負荷であり、主として前記部材重力WFに基づく負荷である。
かかるカウンタバランス機構の負荷相殺作用により、昇降機構の駆動部にかかる負荷は著しく抑制され、従って該駆動部は容量(搬送部材の昇降駆動力や構造の頑丈さ等)の小さい安価なもので足りるようになり、ひいては真空処理装置もそれだけ安価に提供できる。
また、かかるカウンタバランス機構の負荷相殺作用により、駆動部は搬送部材を軽快に移動させることができ、駆動部の駆動停止に伴う搬送部材の停止も容易になり、且つ、停止時の衝撃も少なくなり、それだけ搬送部材を前記第1位置や第2位置に精度よく停止させることができるとともに、衝撃少なく停止させて該搬送部材上の被処理物品の位置ずれや損傷を抑制することができる。
ブレーキ機能を備えない駆動部を採用しても、カウンタバランス機構の負荷相殺作用により搬送部材を所定の位置に精度よく、衝撃少なく停止させることができ、ブレーキ機能を有しないリニアステッピング機構(ステッピングモータにて被駆動体を位置制御可能に直線駆動できる駆動機構)等を採用することも可能となる。
前記カウンタバランス機構の例として次のものを挙げることができる。
すなわち、前記搬送部材の支持部材に連結されたピストンロッドを有するピストンシリンダ装置と、前記第1負荷を相殺するにあたって該第1負荷を相殺するように該ピストンシリンダ装置に作動流体を供給し、前記第2負荷を相殺するにあたって該第2負荷を相殺するように該ピストンシリンダ装置に作動流体を供給するための作動流体回路とを含んでいるカウンタバランス機構である。
かかる作動流体回路は停電時においても前記ピストンシリダ装置の状態を停電直前の状態に維持できるものであることが好ましい。例えば、かかる作動流体回路を、作動流体流路を切り換える電磁切り換え弁を含むものとし、且つ、該電磁切り換え弁を非通電時には、その直前の通電時の弁位置を維持することで、停電時においても前記ピストンシリダ装置の状態を停電直前の状態に維持できるものとすればよい。
このような作動流体回路を採用することで、停電等により駆動部による駆動が停止しても物品搬送部材の部材重力による落下やベローズ支持板に気圧差が加わっている場合における飛び上がりを防止でき、ひいては該物品搬送部材に保持される被処理物品の損傷を抑制することができる。
昇降機構における駆動部としては、例えば、回転モータと、該モータの回転運動を直線運動に変換して前記搬送部材用支持部材に伝達する動力伝達機構とを含むものを挙げることができる。この場合、該回転モータとして停電時に制動力を発揮するブレーキ付きサーボモータを採用することを例示できる。
いずれにしても、本発明に係る真空処理装置は、プラズマCVD装置等のCVD装置、真空蒸着装置、イオンプレーティング装置、スパッタリング装置等のPVD装置といった各種成膜装置、イオンエッチング装置等のエッチング装置、イオン注入やイオンドーピングを行うイオン注入装置、各種半導体装置或いはその部品や液晶表示装置或いはその部品等の製造装置のように、減圧雰囲気下で被処理物品に目的とする処理を施す装置のいずれであってもよい。
以上説明したように、本発明によると、
処理室と、被処理物品を搬送するための、該処理室に配置された搬送部材と、被処理物品を該物品に目的とする処理を施すための第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動させるために該搬送部材を昇降させる昇降機構とを有し、該昇降機構は、該搬送部材を支持するとともに該処理室壁を昇降可能に貫通する搬送部材用支持部材と、該搬送部材用支持部材のうち前記処理室外側に出た部分の端部に設けられたベローズ支持部材と、一端部が該処理室に、他端部が該ベローズ支持部材にそれぞれ気密に接続されるとともに該搬送部材用支持部材のうち前記処理室外側に出た部分を気密に囲繞する伸縮ベローズと、該搬送部材用支持部材を昇降駆動する駆動部とを含み、前記第1位置に被処理物品を配置し、前記処理室内を物品処理に応じた減圧雰囲気に設定して該被処理物品に目的とする処理を施す真空処理装置であって、次の利点を有するものを提供することができる。
(1) 昇降機構における駆動部が容量の小さいもので足り、それだけ全体を安価にすることができる。
(2) 物品搬送部材を位置精度よく停止させることができ、昇降機構における駆動部としてブレーキ機能を備えていない駆動部を採用しても、物品搬送部材を位置精度よく停止させることができる。
(3) 物品搬送部材を衝撃少なく停止させることができ、ひいては該物品搬送部材に保持される被処理物品の損傷を抑制することができる。
また、本発明によると、かかる真空処理装置であって、停電等により駆動部による駆動が停止しても物品搬送部材の落下或いは飛び上がりを防止でき、ひいては該物品搬送部材に保持される被処理物品の損傷を抑制することができる真空処理装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説朋する。図1、図2はそれぞれ本発明に係る真空処理装置の1例である膜形成装置の概略構成を示している。図1は、ここでの処理室である成膜室の内圧が大気圧で、物品ホルダが上昇位置にあるときの様子を示しており、図2は成膜室内圧が成膜圧力で、物品ホルダが下降位置にあるときの様子を示している。
図示例の膜形成装置は、膜形成に用いるガスとしてモノシランガス(SiH4 )と水素ガス(H2 )の2種類のガスを採用し、これらガスを電力印加によりプラズマ化し、該プラズマのもとで基板S上に結晶性シリコン膜を形成できるものである。
図示の膜形成装置は成膜室10を備えており、該成膜室内には被成膜物品(本例では基板S)を保持するための物品ホルダ3を配置してあり、該物品ホルダの上方には高周波放電電極1が架設されている。電極1は導体部表面が絶縁性材料(本例ではアルミナ)により被覆されている。電極1には、マッチングボックスMXを介して放電用高周波電源PWが接続されている。
物品ホルダ3は被成膜基板Sを加熱するヒータ4を備えている。物品ホルダ3については後ほどさらに説明する。物品ホルダ3は成膜室10とともに接地されている。
また、成膜室10に対してガス供給装置100が設けられている。
ガス供給装置100は、成膜室10内にシランガス(SiH4 )を供給する回路101と、水素ガスを供給する回路102とを含んでいる。
回路101は、シランガスボンベB1及びこれに順次配管接続された弁MV1、弁AV1、マスフローコントローラMFC1、弁AV2及びノズルN1を有している。さらに、弁MV1と弁AV1との間の配管に弁MV2、AV3、AV4及びノズルN2が順次配管接続されている。コントローラMFC1及び弁AV2間の配管と弁MV2及び弁AV3間の配管は互いに連通配管で接続されている。
これらの弁はいずれも通電時に開き、非通電時には閉じる電磁開閉弁であり、マスフローコントローラMFC1は、それに設定した所定流量のガスを該コントローラへの通電により流すことができるものである。ノズルN1、N2は成膜室10の天井部に設けられ、成膜室内に開口している。
弁AV3、AV4及びこれらを接続している配管部はガス溜め部GRを構成している。
回路102は、水素ガスボンベB2及びこれに順次配管接続された弁MV3、弁AV5、マスフローコントローラMFC2、弁AV6及びノズルN3を有している。さらに、弁AV5とコントローラMFC2の直列回路に対し弁MV4が並列接続されている。
これらの弁も、通電により開き、非通電時には閉じる電磁開閉弁であり、マスフローコントローラMFC2は、それに設定した所定流量のガスを該コントローラへの通電により流すことができるものである。ノズルN3は成膜室10の天井部に設けられ、成膜室内に開口している。
成膜室10には上記のほか、成膜室内から排気する排気装置EXが接続されている。排気装置EXは、排気量調整を行うコンダクタンスバルブCV、該バルブを介して成膜室10に配管接続された真空ポンプPMからなる。
成膜室10には、さらに、成膜室内圧力を検出する圧力センサPSも接続されている。
前記物品ホルダ3は昇降機構ELにより昇降可能である。該機構により、図1に示す上昇位置、すなわち、成膜室10内のホルダ3に対し図示省略のロボットにて基板Sを搬入搬出するための、開閉可能のゲート弁GVに臨む上昇位置と、図2に示す膜形成のための下降位置との間を昇降できるようになっている。成膜室外から物品ホルダ3上に搬入搭載された基板Sは物品ホルダ3の昇降により膜形成のための位置と基板搬入搬出処理のための位置との間で往復昇降できる。このことから分かるように物品ホルダ3は成膜室10内における物品搬送部材を兼ねている。
ホルダ昇降機構ELは、ホルダ3から下方へ突設され、成膜室下壁を昇降可能に貫通した支持部材41と、支持部材41の下端部に設けられたベローズ支持板6と、成膜室10の下壁とベローズ支持板6との間に渡し設けられた伸縮可能のベローズBLと、ベローズ支持板6の一側端部をボールねじ機構を介して昇降駆動するブレーキ付き電動サーボモータ7とを含んでいる。
支持部材41は本例ではロッド状部材である。モータ7は、成膜室10の下壁に連設したフレーム20に取り付けられており、停電時にブレーキがかかるものである。
ベローズBLは上端部が成膜室下壁に、下端部がベローズ支持板6にそれぞれ気密に接続されているとともに支持部材41の成膜室10外に出た部分を気密に囲繞する筒形状のものである。
ボールねじ機構は、該サーボモータ7にて回転駆動されるねじ棒71、該ねじ棒が螺合したベローズ支持板6上のナット部81及びねじ棒71の上端部を回転可能に支持する軸受け82からなっており、軸受け82はフレーム20にアーム部材を介して支持されている。これらモータ7、ボールねじ機構等はベローズ支持板6を介して支持部材41を、従物品ホルダ3を昇降駆動する駆動部の1例を構成している。
ベローズ支持板6の反対側の端部には案内輪61、61が設けられており、これらはフレーム20に設けた案内レール62に沿って転動する。
以上説明したホルダ昇降機構ELによると、モータ7を正転させることでねじ棒71を正転駆動し、これによりベローズ支持板6、これから立ち上がっているロッド状支持部材41及び支持部材41に支持されたホルダ3を図1に示す上昇位置にセットすることができる。
また、この状態から、モータ7を逆転させることでねじ棒71を逆転駆動し、これによりベローズ支持板6、これから立ち上がっている支持部材41及び支持部材41に支持されたホルダ3を図2に示す下降位置にセットすることができる。
ホルダ3に対してはカウンタバランス機構CBも設けられている。
カウンタバランス機構CBは、ピストンシリンダ装置5及びこれに対する作動流体回路9を含んでいる。ピストンシリンダ装置5は本例では空気圧作動のものであり、回路9は圧縮空気回路である。なお、ピストンシリダ装置5や回路5は空気以外の流体を使用するものでもよい。
ピストンシリダ装置5は複動シリンダ型のもので、そのピストンロッド52がホルダ3を支えている支持部材41下端部のねじ411にねじ継ぎ手520にて接続されることで、支持部材41を介してホルダ3に接続されている。
圧縮空気回路9は、ピストンシリンダ装置5のロッドカバー側のシリンダチューブポートに順次配管接続された3ポート2位置ダブルソレノイド型の切り換え電磁弁911、リューブリケータ(給油器)912、圧力調整弁913を含んでいる。
さらに、ピストンシリンダ装置5のヘッドカバー側のシリンダチューブポートに順次配管接続された3ポート2位置ダブルソレノイド型の切り換え電磁弁921、リューブリケータ922、圧力調整弁923を含んでいる。
圧力調整弁913、923はフィルタ901を介してコンプレッサ等の圧縮空気源90に配管接続されている。弁911に対しては消音器914が、弁921に対しては消音器924も設けられている。
電磁弁911はそのソレノイドSOL11が非通電状態、ソレノイドSOL12が通電状態のとき、図1に示すように、ピストンシリンダ装置5に圧縮空気を供給しないが、ソレノイドSOL11を通電状態、ソレノイドSOL12を非通電状態におくと、弁ポジションが切り換えられ、図2に示すように、ピストンシリンダ装置5のロッド側チューブポートに圧縮空気を供給する。
このときシリンダチューブのロッド側ポートに供給される圧縮空気圧は、圧力調整弁913にて調整されたもので、成膜室10内が膜形成のための減圧雰囲気に設定されることで、成膜室10内外の気圧の差によりベローズBLの口径(断面積)に相当するベローズ支持板6の部分に加わる力fから物品ホルダ3、支持部材41、ベローズ支持板6等による部材重力WFを差し引いた、ベローズBLを収縮させる方向に働く力F(=f−WF)を相殺する反力、換言すれば該力Fに基づいて駆動部(モータ7等)に加わる負荷を相殺する反力をピストン51に与える気圧である。なお、ソレノイドSOL11に通電されるとき切り換え電磁弁921はそのソレノイドSOL21が非通電状態におかれるとともにソレノイドSOL22が通電状態におかれ、シリンダチューブ内のヘッドカバー側にある空気は弁921及び消音器924を介して大気中へ放出される。
電磁弁921はそのソレノイドSOL21が非通電状態、ソレノイドSOL22が通電状態のとき、図2に示すように、ピストンシリンダ装置5に圧縮空気を供給しないが、ソレノイドSOL21を通電状態、ソレノイドSOL22を非通電状態におくと、弁ポジションが切り換えられ、図1に示すように、ピストンシリンダ装置5のヘッドカバー側チューブポートに圧縮空気を供給する。
このときシリンダチューブのヘッド側ポートに供給される圧縮空気圧は、圧力調整弁923にて調整されたもので、成膜室10内が大気圧におかれた場合の、物品ホルダ3、支持部材41、ベローズ支持板6等による部材重力WFを相殺する反力、換言すれば該力WFに基づいて駆動部(モータ7等)に加わる負荷を相殺する反力をピストン51に与える気圧である。なお、ソレノイドSOL21に通電されるとき切り換え電磁弁911においては、そのソレノイドSOL11が非通電状態におかれるとともにソレノイドSOL12が通電状態におかれ、シリンダチューブ内のロッドカバー側にある空気は弁911及び消音器914を介して大気中へ放出される。
図3は膜形成装置の制御回路の概略を示すブロック図である。
この制御回路はマイクロコンピュータを中心とする制御部CONTを含んでいる。高周波電源PW、真空ポンプPM、ガス供給装置100におけるマスフローコントローラや各電磁開閉弁、ホルダ昇降機構のモータ7、圧縮空気回路9における電磁切り換え弁のソレノイドSOL11〜SOL22、ゲート弁GV及び基板Sを搬入搬出する基板搬入搬出装置(図1、図2では図示省略)等はこの制御部CONTからの指示に基づいて動作する。 また、制御部CONTには前記の圧力センサPSからの成膜室内圧力情報が入力されるようになっており、膜形成開始等の必要な事項を指示する等のための操作パネルPAも接続されている。
次に、以上説明した膜形成装置による基板Sへのシリコン膜形成について、図4に示す制御部CONTの動作とともに説明する。
当初は、電源PW、ポンプPM、ガス供給装置100におけるマスフローコントローラや各電磁開閉弁、モータ7、圧縮空気回路9における電磁切り換え弁のソレノイドS0L11〜SOL22は全てオフ状態にあり、ゲート弁GVは閉じられており、成膜室10内は大気圧下にある。
かかる状態で操作パネルから膜形成の指示があると、先ず、圧力センサPSから制御部CONTへの圧力情報が大気圧を示している状態で圧縮空気回路9における切り換え電磁弁911のソレノイドSOL11がオフ、SOL12がオンされるとともに、弁921のソレノイドSOL21がオン、SOL22がオフされる(図4のステップS1)。
これによりピストンシリンダ装置5のヘッドカバー側ポートに物品ホルダ3等による部材重力WFを相殺し得る反力を発生する圧縮空気が供給され、かくしてモータ7への部材重力WFに基づく負荷を相殺する状態でモータ7を正転させてホルダ3を上昇させ、ゲート弁GVに臨む上昇位置に配置する(図4のS2)。
次いでゲート弁GVを開き、物品ホルダ3に被処理基板Sを搭載し、再びゲート弁GVを閉じる(図4のS3)。次いでモータ7の逆転にて物品ホルダ3を下降させ、それに保持された基板Sを成膜位置に配置する(図4のS4)。この物品ホルダの下降時にも、モータ7にかかる部材重力WFに基づく負荷はピストンシリンダ装置5により相殺されている。
このように成膜室10内が大気圧に置かれている状態での物品ホルダ3の昇降は、部材重力WFを相殺する反力を発生させて、駆動部、特にモータ7にかかる負荷を相殺する状態でなされるので、物品ホルダ3の昇降は、該モータ7のトルクが小さくても行うことができ、また、モータトルクが小さくても済むからボールねじ機構もそれだけ簡易なもので足り、これらによりモータ7等からなる駆動部を容量の小さい安価なもので済ますことができ、それだけ膜形成装置も安価に済ませることができる。
また、物品ホルダ3の昇降は駆動部にかかる負荷を相殺する状態でなされるので、ホルダ3の昇降動作を軽快に行わせることができ、モータ停止に伴うホルダ3の停止が容易になり、且つ、停止時の衝撃も少なくなり、それだけホルダ3を所定の下降位置に精度よく停止させることができるとともに、衝撃少なく停止させて基板Sの位置ずれや、損傷を抑制することができる。
さらに、停電時には、圧縮空気回路9における切り換え電磁弁911、921のポジションが停電直前のものに維持されるので、物品ホルダ3の落下を防止でき、ホルダ3に支持された基板Sの位置ずれや、損傷を防止できる。
基板Sがこのように成膜位置に配置されると、ポンプPMをオンして成膜室10から排気を開始し、また、ガス供給装置100においてシランガス供給回路101におけるマスフローコントローラMFC1は未だオフしたまま弁AV1、AV2、AV3、AV4をオンして開きガス抜きし、さらに水素ガス供給回路102におけるマスフローコントローラMFC2も未だオフしたまま弁AV5、AV6をオンして開きガス抜きする(図4のS5)。弁MV4はメインテナンス時に開いてガス抜きに使用できる。
その後、圧力センサPSからの圧力情報が大気圧より低いが成膜圧よりは高圧の所定の負圧Po以下を示すのを待って(図4のS6)、弁AV1、AV2、AV3、AV4、AV5、AV6をオフして閉じる。また、成膜室10内圧が成膜のための減圧雰囲気設定時のものにおける物品ホルダ3の昇降駆動に備え、圧縮空気回路9における切り換え電磁弁911のソレノイドSOL11をオン、SOL12をオフするとともに、弁921のソレノイドSOL21をオフ、SOL22をオンする(図4のS7)。
これによりピストンシリンダ装置5のロッドカバー側ポートに、ベローズBLを収縮させる方向に働く前記力F(=f−WF)を相殺する反力を発生し得る圧縮空気が供給され始める。かくしてモータ7への力Fに基づく負荷が相殺され得る状態でモータ7を運転してホルダ3を昇降させ得る状態とする。
次にシランガス供給回路101において弁MV1、MV2、AV3をオンして開き、ガス溜め部GRにシランガスを充填して溜め、その後弁MV2、AV3を閉じる(図4のS8、S9)。ひき続き弁AV1、AV2を開いてガス抜きし、再びこれらを閉じる(図4のS10、S11)。
次に高周波放電電源PWをオンして放電電極1に高周波電力を印加開始するとともに、シランガス供給回路101における弁AV4を開いてガス溜め部GRに溜められたシランガスを一挙に、換言すればパルス的に成膜室10内に供給し、これと同時にマスフローコントローラMFC1をオンし、弁AV1、AV2を開いてシランガスをコントローラMFC1にて制御された流量で成膜室10内に供給し、さらに同時に、水素ガス供給回路102においてもマスフローコントローラMFC2をオンし、弁MV3、弁AV5、AV6を開き、水素ガスをコントローラMFC2で制御された流量で成膜室10内に供給開始する(図4のS12)。
かくして成膜室内に導入されたガスが高周波電力印加のもとにプラズマ化され、このプラズマのもとで基板Sにシリコン膜が形成されていく。
ここでの、高周波電力の印加は高周波電極1からの放電により誘導結合方式によりなされるが、容量結合方式を採用することも可能である。
この膜形成においては、シランガス(SiH4 )については膜形成開始に先立ってガス溜め部GRに溜められ、膜形成開始にあたり、該ガス溜め部から一挙に、換言すればパルス的に成膜室10内へ供給される。
従って、膜形成開始時には、ガス溜め部GRから一挙に供給されるシランガスが成膜室内10に一挙に行きわたりやすく、それだけ、膜形成開始時においても成膜室内のプラズマ密度は所定のものに、或いはそれに近いものとなる。
また、本例では、ガス溜め部GRからのシランガス供給と同時的に、シランガス及び水素ガスのそれぞれがマスフローコントローラMFC1、MFC2で制御された流量で成膜室10内へ供給開始され、その後もひき続きシランガス及び水素ガスが制御された流量で成膜室10内へ供給されるので、膜形成開始時のプラズマ密度は一層確実に所定のものに、或いはそれに近いものになり、その後も所定のプラズマ密度が維持される。
これらにより、被成膜基板Sへの膜形成が円滑に開始され、またそれにより、その後形成される膜部分も含め、良質の膜を形成できる。
その後、所定時間の膜形成、換言すれば所定厚さの膜形成が終了すると(図4のS13)、電源PW、ポンプPM及びマスフローコントローラMFC1、MFC2をオフし、弁MV1、MV3、弁AV1、AV2、AV4、AV5、AV6を閉じ(図4のS14)、モータ7を正転させてホルダ3を上昇させ(図4のS15)、ゲート弁GVを開いて膜形成済基板Sの搬出にとりかかる(図4のS16)。
物品ホルダ3を上昇させるとき、成膜室10の内圧が未だ減圧された状態にあるときは、ベローズBLを収縮させる方向の前記力F(=f−WF)が働いているが、既に、ピストンシリンダ装置5のロッドカバー側ポートに該力Fを相殺する反力を発生する圧縮空気が供給されており、モータ7への力Fに基づく負荷が相殺される状態にある。
従って、物品ホルダ3の上昇は、モータ7のトルクが小さくても行うことができ、また、軽快に行え、モータ停止に伴うホルダ3の上昇位置での停止が容易になり、且つ、停止時の衝撃も少なくなり、それだけホルダ3を所定の上昇位置に精度よく停止させることができるとともに、衝撃少なく停止させて膜形成済基板Sの位置ずれや損傷を抑制することができる。
さらに、停電時には、圧縮空気回路9における切り換え電磁弁911、921のポジションが停電直前のものに維持されるので、物品ホルダ3の飛び上がりをを防止でき、ホルダ3に支持された膜形成済基板Sの位置ずれや損傷を防止できる。
また、何らかの都合で、前記力Fが働いている状態で物品ホルダ3を下降させるにあたっても、その下降は軽快円滑に行わせることができ、所望の位置に精度よく、衝撃少なく停止させることも可能である。
膜形成済基板Sの搬出のためにゲート弁GVを開くことで圧力センサPSからの圧力情報が前記所定の負圧Poより大きくなると(図4のS17)、圧縮空気回路9における切り換え電磁弁911のソレノイドSOL11をオフ、SOL12をオンするとともに、弁921のソレノイドSOL21をオン、SOL22をオフして(図4のステップS18)、部材重力WFを相殺する反力をピストンシリンダ装置5に発生させる。
基板搬出後、モータ7の逆転にてホルダ3を下降させ、ゲート弁GVを閉じ(図4のS19)、さらに圧縮空気回路9における電磁切り換え弁のソレノイドSOL12、SOL21をオフする(図4のS20)。
なお、ひき続き膜形成を行う場合には、膜形成後の基板を搬出したあと、ひき続き空いた物品ホルダ3に新たな基板Sを搭載して、膜形成を続行してもよい。
また、例えば、ゲート弁GVを間にして成膜室10にロード・アンロードロック室LRを設け、ホルダ3に対し基板Sを搬入する際には、ゲート弁GVは閉じてチャンバ10内を所定の成膜圧に維持したまま、室LRを開いてそこに配置したロボットに基板Sを受け取らせたのち、該室を閉じて成膜室内圧まで排気したのち、ゲート弁GVを開いてホルダ3に該ロボットから基板Sを渡すようにし、膜形成された基板搬出の際には、室LR内圧を成膜室内圧に設定して弁GVを開き、膜形成済基板をホルダ3から室LR内へ受け取り、次いで弁GVを閉じた後、室LRを開き、該室から膜形成済基板を取り出すようにする等してもよい。この場合でも、成膜室10内が大気圧とされることがあるから、カウンタバランス機構を設けておくことが望ましい。
次に、以上説明した膜形成装置によるシリコン膜形成の実験例及び同膜形成装置においてガス溜め部GRを使用しない比較実験例について説明する。
<実験例>
膜形成条件は次のとおりであった。
高周波電力:60MHz、4000W
ガス溜め部GRに溜めたシランガス(SiH4
の圧力及び量:圧力0.07MPa 量 100cc〜300ccから選択できるが 実験例では231cc
マスフローコントローラMFC1によるシランガス供給量:1sccm
マスフローコントローラMFC2による水素ガス供給量 :150sccm
成膜圧:0.67Pa(5×10-3Torr)
成膜室容量:1.5m3
被成膜基板:無アルカリガラス基板
成膜温度:430℃
成膜膜厚:500Å
<比較実験例>
膜形成条件はガス溜め部GRを用いなかった点を除いて実験例と同じ。
かかる条件のもとに基板上にシリコン膜を形成し、UV(紫外線)反射率測定による基板界面でのUV反射面強度及び膜表面でのUV反射面強度を測定した。ここでUV反射面強度とは、日立製作所製のHitachi UV-3500 Spectrophotometer を用いたUV反射率測定結果であり、該反射率(UV反射面強度)が高いということは自由電子が多いことであり、結晶化していることを示す。
かかるUV反射率測定結果を図5に示す。図5から、実験例において形成されたシリコン膜は膜の界面側、表面側のいずれにおいても比較実験例の膜よりUV反射面強度が高く、より良質の結晶性シリコン膜であることが分かる。
本発明は、処理室内における被処理物品の移動、停止、位置決め等をそのための駆動部の負荷を抑制して円滑に安全に行える種々の真空処理装置の提供に利用することができる。
本発明に係る真空処理装置の1例である膜形成装置の概略構成を、物品ホルダを上昇位置において示す図である。 図1に示す膜形成装置を、物品ホルダを下降位置において示す図である。 図1の膜形成装置の制御回路の概略を示すブロック図である。 図3に示す制御部の動作の概略を示すフローチャートである。 実験例、比較実験例で形成した膜のUV反射面強度を示す図である。
符号の説明
S 基板 EL 昇降機構
10 成膜室 41 物品ホルダのロッド状支持部材1 高周波放電電極 411 ねじ
MX マッチングボックス 6 ベローズ支持板
PW 放電用高周波電源 BL ベローズ
3 物品ホルダ 20 フレーム
4 ヒータ 7 ブレーキ付き電動サーボモータ
71 ねじ棒
100 ガス供給装置 81 ナット部
101 シランガス供給回路 82 軸受け
B1 シランガスボンベ 61、62 案内輪
MFC1 マスフローコントローラ 62 案内レール
MV1、MV2、AV1〜AV4 電磁開閉弁
N1、N2 ノズル CB カウンタバランス機構
GR ガス溜め部 5 ピストンシリンダ装置
102 水素ガス供給回路 51 ピストン
B2 水素ガスボンベ 52 ピストンロッド
MFC2 マスフローコントローラ 520 ねじ継ぎ手
MV3、MV4、AV5、AV6 電磁開閉弁 9 作動流体回路
N3 ノズル 911、921 切り換え電磁弁
SOL11 、SOL12 、SOL21 、SOL22
EX 排気装置 ソレノイド
CV コンダクタンスバルブ 912、922 リューブリケータ
PM 真空ポンプ 913、923 圧力調整弁
914、924 消音器
PS 圧力センサ 901 フィルタ
GV ゲート弁 90 圧縮空気源
LR ロード・アンロードロック室
CONT 制御部
PA 操作パネル

Claims (8)

  1. 処理室と、被処理物品を搬送するための、該処理室に配置された搬送部材と、被処理物品を該物品に目的とする処理を施すための第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動させるために該搬送部材を昇降させる昇降機構とを有し、
    該昇降機構は、該搬送部材を支持するとともに該処理室壁を昇降可能に貫通する搬送部材用支持部材と、該搬送部材用支持部材のうち前記処理室外側に出た部分の端部に設けられたベローズ支持部材と、一端部が該処理室に、他端部が該ベローズ支持部材にそれぞれ気密に接続されるとともに該搬送部材用支持部材のうち前記処理室外側に出た部分を気密に囲繞する伸縮ベローズと、該搬送部材用支持部材を昇降駆動する駆動部とを含んでおり、
    前記第1位置に被処理物品を配置し、前記処理室内を物品処理に応じた減圧雰囲気に設定して該被処理物品に目的とする処理を施す真空処理装置において、
    少なくとも、前記処理室内圧が前記減圧雰囲気設定時の内圧であるとき前記駆動部に加わる第1負荷及び前記処理室内圧が該減圧雰囲気設定時の内圧より予め定めた高圧であるとき前記駆動部に加わる第2負荷をそれぞれ相殺する反力を発生させるカウンタバランス機構を備えていることを特徴とする真空処理装置。
  2. 前記搬送部材は被処理物品を前記第1位置に保持するための物品ホルダを兼ねている請求項1記載の真空処理装置。
  3. 前記減圧雰囲気設定時の処理室内圧より予め定めた高圧は大気圧である請求項1又は2記載の真空処理装置。
  4. 前記カウンタバランス機構は、前記搬送部材用支持部材に連結されたピストンロッドを有するピストンシリンダ装置と、前記第1負荷を相殺するにあたって該第1負荷を相殺するように該ピストンシリンダ装置に作動流体を供給し、前記第2負荷を相殺するにあたって該第2負荷を相殺するように該ピストンシリンダ装置に作動流体を供給するための作動流体回路とを含んでいる請求項1、2又は3記載の真空処理装置。
  5. 前記作動流体回路は停電時においても前記ピストンシリダ装置の状態を停電直前の状態に維持できるものである請求項4記載の真空処理装置。
  6. 前記ピストンシリンダ装置は空気圧作動のピストンシリンダ装置であり、前記作動流体回路は圧縮空気回路である請求項4又は5記載の真空処理装置。
  7. 前記駆動部は、回転モータと、該モータの回転運動を直線運動に変換して前記搬送部材用支持部材に伝達する動力伝達機構とを含んでいる請求項1から6のいずれかに記載の真空処理装置。
  8. 前記回転モータはブレーキ付きサーボモータである請求項7記載の真空処理装置。
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