JP2005277125A - キャリア及びキャリア洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 キャリア2にウェーハ1を出し入れすることで、ウェーハ1裏面に付着している金属汚染によりキャリア2内に持ち込まれた金属汚染物5を、簡単に取り除く。
【解決手段】 ウェーハ1を支持するスロット部3Fのウェーハ1と接触する部分に取替え部4を設けた。取替え部4は、ウェーハ1を保持する部分である。接着剤6で、スロット部3F,3Bに取替え部4を固定し、取替え部4を取り外し自由にした。取替え部4を固定する接着剤として、シロキサン構造あるいは有機ポリマー構造を持つものを使用する。取替え部4を固定している接着剤6は、10%以下の低い濃度の酸薬液で(例えば、フッ酸など)で溶かし取替え部4を取り除く。取替え部4の代わりに、金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することのないよう、汚染防止膜をスロット部に積層してもよい。
【選択図】 図3
【解決手段】 ウェーハ1を支持するスロット部3Fのウェーハ1と接触する部分に取替え部4を設けた。取替え部4は、ウェーハ1を保持する部分である。接着剤6で、スロット部3F,3Bに取替え部4を固定し、取替え部4を取り外し自由にした。取替え部4を固定する接着剤として、シロキサン構造あるいは有機ポリマー構造を持つものを使用する。取替え部4を固定している接着剤6は、10%以下の低い濃度の酸薬液で(例えば、フッ酸など)で溶かし取替え部4を取り除く。取替え部4の代わりに、金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することのないよう、汚染防止膜をスロット部に積層してもよい。
【選択図】 図3
Description
本発明は、半導体に関するキャリアの汚染対策とその汚染を取り除くキャリア洗浄方法に関する。
半導体ウェーハ(以下、単に、ウェーハという)を搬送するキャリアは、ウェーハを搬送した枚数や使用回数によって純水洗浄を行ってきた。しかし、近年様々な金属材料を使ったプロセスが開発され、純水だけを使ったキャリアの洗浄だけではキャリア内に蓄積もしくは付着した金属を洗い流すことが難しくなってきている。特に、キャリア内の金属が、トランジスターを作る加工工程でウェーハに付着すると、電気特性などを劣化させることが分かっている。そこで、キャリア内の洗い流すことが困難な付着金属を除去するために、人手を介して、ウェーハを支持するスロット部のブラッシング等も行われている。
特開2001−156034号公報
金属付着したスロット部をブラッシングする際には、ブラッシング材そのものが金属汚染される為、常に新しいブラッシング材を使用しなければならず、コスト高になっていた。また、ブラッシング後のキャリア内残留金属分析の結果、完全には除去できていないことも判明した。
そこで、付着金属などを完全に除去する為に、濃度の高い酸薬液でキャリアを洗浄することも可能だが、キャリアに使用している材料、例えばポリカーボネートの表面がエッチングされたり、一部金属部品も使用されている事例もありその金属部分が溶けたりすることが課題となっていた。
また、複数の部品を組み合わせて作られたキャリアの場合、薬液がその構成部品の隙間に入り込み、純水洗浄しても完全に落ちないことから、空気中の水分を吸収して、その構成部品の一部に不具合を発生させる報告もあり、上述の課題の解決が急務であった。
そこで、付着金属などを完全に除去する為に、濃度の高い酸薬液でキャリアを洗浄することも可能だが、キャリアに使用している材料、例えばポリカーボネートの表面がエッチングされたり、一部金属部品も使用されている事例もありその金属部分が溶けたりすることが課題となっていた。
また、複数の部品を組み合わせて作られたキャリアの場合、薬液がその構成部品の隙間に入り込み、純水洗浄しても完全に落ちないことから、空気中の水分を吸収して、その構成部品の一部に不具合を発生させる報告もあり、上述の課題の解決が急務であった。
本発明は、これら前記課題を解決する為のものであり、付着した金属汚染物をブラッシングなどで除去する必要のない構造のキャリアを提供するものである。また、付着した金属汚染物を簡単に除去できる洗浄方法提供するものである。
本発明の半導体ウェーハのキャリアは、スロット部のウェーハと接触する部分に取替え部を設けたものである。すなわち、スロット部のウェーハの裏面に付着している金属汚染物が接触する部分に、ウェーハと接触する取替え部を設け、取替え部を取り外し自由にしたことを特徴とする。
また、取替え部を固定する接着剤として、シロキサン構造を持つものを使用することを特徴とする。
また、取替え部を固定する接着剤として、有機ポリマー構造を持つものを使用することを特徴とする。
本発明の半導体ウェーハのキャリアは、汚染防止膜をスロット部に積層したことを特徴とする。すなわち、ウェーハの裏面に付着している金属汚染物が接触するキャリアのスロット部に、その金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することのないよう、汚染防止膜をスロット部に積層したことを特徴とする。
また、その汚染防止膜に、シロキサン構造を持つものを使用することを特徴とする。
また、その汚染防止膜に、有機ポリマー構造を持つものを使用することを特徴とする。
本発明の半導体ウェーハのキャリア洗浄方法は、スロット部のウェーハと接触する部分に設けられた取替え部あるいは汚染防止膜を薬液で取り除くものである。
例えば、金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することのないようにスロット部に設けた取替え部あるいは汚染防止膜を取り除く為に、キャリアを10%以下の酸薬液で洗浄することを特徴とする。
例えば、金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することのないようにスロット部に設けた取替え部あるいは汚染防止膜を取り除く為に、キャリアを10%以下の酸薬液で洗浄することを特徴とする。
また、金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することのないようにスロット部に設けた取替え部あるいは汚染防止膜を取り除く為に、キャリアを10%以下のフッ酸を用いることを特徴とする。
本発明のキャリアによれば、取替え部をスロット部に固定することで金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することが無いため、キャリアそれ自身は汚染されず且つブラッシング材による再金属汚染や常に新しいブラッシング材を使用しなくて良いためコスト高にならない。
また、接着剤にシロキサン構造物質を使用することで、多孔質膜構造により、もし、金属汚染の付着した取替え部を取り除く場合、接着剤を容易に溶解させることができ、金属汚染も簡単に取り除ける。
また、接着剤に有機ポリマー構造物質を使用することで、多孔質膜構造により、もし、金属汚染の付着した取替え部を取り除く場合、接着剤を容易に溶解させることができ、金属汚染も簡単に取り除ける。
また、本発明のキャリアによれば、汚染防止膜をスロット部に積層することで金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することが無いため、キャリアそれ自身は汚染されず且つブラッシング材による再金属汚染や常に新しいブラッシング材を使用しなくて良いためコスト高にならない。
また、汚染防止膜にシロキサン構造物質を使用することで、多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点もある。また、電気特性に影響の少ないケイ素Siや酸素Oの元素で構成されている為、仮にウェーハに汚染防止膜が転写されても異常となりにくい。
また、汚染防止膜に有機ポリマー構造物質を使用することで、多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点もある。また、電気特性に影響を少なくでき、仮にウェーハに汚染防止膜が転写されても異常とならないことになる。
また、10%以下の低い濃度の酸薬液で取替え部あるいは汚染防止膜を取り除くことにより、取替え部あるいは汚染防止膜に付着した金属汚染物も洗い流すことができ、キャリアそれ自身から金属汚染を除去でき、一部キャリアに使用されている金属部品が溶けたりすることもなく、またキャリアの構成部品の隙間に入り込んだ、純水洗浄しても完全に落ちない酸薬液残りが、空気中の水分を吸収して構成部品の一部に不具合を発生させることもなくなる。
また、10%以下のフッ酸を用いることで、Si−O−Siの構造も持った接着剤あるいは汚染防止膜などが溶解しやすく、キャリアに一部使用されている金属部品が溶けたりする、またキャリアの構成部品の隙間に入り込んだ酸薬液残りが構成部品の一部に不具合を発生させることもなくなる。
実施の形態1.
この実施の形態では、ウェーハを支持するスロット部のウェーハと接触する部分に取替え部を設けたキャリアについて説明する。また、取替え部をシロキサン構造を有する物質で固定する場合と、主鎖が炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を持つ有機ポリマー構造を有する物質で固定する場合について説明する。
この実施の形態では、ウェーハを支持するスロット部のウェーハと接触する部分に取替え部を設けたキャリアについて説明する。また、取替え部をシロキサン構造を有する物質で固定する場合と、主鎖が炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を持つ有機ポリマー構造を有する物質で固定する場合について説明する。
以下、実施の形態1について、図1,図2,図3,図4及び図5を用いて説明をする。なお、各図において、各部の厚さ(図の上下方向)や汚染物は理解をしやすくするため誇張して描いている。
図1は、取替え部を取り付けたキャリアを示す全体図である。
1はウェーハである。ウェーハ(WAFER)とは、円盤状の半導体の薄板であり、集積回路の基板になるものである。
2はキャリアである。キャリア(CARRIER)とは、運搬具あるいは搬送具のことであり、ここでは、ウェーハキャリアのことであり、ウェーハを複数枚(25枚程度)等間隔に離間させて層状に配置するものである。キャリアの素材は、例えば、ポリカーボネート、あるいは、テフロン(登録商標)やPFA(Per fluoro alkoxy fluoroplastics:四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)などのフッ素樹脂である。キャリアは、ウェーハ1の径に合わせて複数のサイズが用意される。キャリア2はウェーハ1を加工装置や検査装置に搬送するものであり、また、搬送しながら、エッチング液に浸したり、洗浄液に浸したり、乾燥器にかけたりするものであり、一時保管にも使用するものである。
9は、キャリア2の胴部である。胴部9は、円筒の側面(図1の前面手前)を一部切欠いた形状をしている。この切欠いた開口部からウェーハ1を挿脱する。また、洗浄水や溶液の入出をしやすくするため、背面(奥側面)や脇面(左右側面)を切欠くようにしている。胴部9の形状は円筒形に限らず箱状、檻状、籠状のものでもよい。
3F,3Bはスロット部であり、キャリア2に開口部からウェーハ1をウェーハ1の面方向に挿入して保持する部分である。スロット部3F,3Bは、キャリア2の胴部9の内面から舌状(凸状)に突き出た突出部であり、胴部9と一体成型されている。したがって、胴部9の素材も、スロット部3F,3Bの素材も、キャリアの素材と同じである。
4は取替え部で、前記キャリア2に前記ウェーハ1を挿入し保持する部分に接着剤で取り付ける。取替え部4は、スロット部3F,3Bのウェーハ1との接触部分に設けられている。取替え部4の素材は、取り扱いを同じくするために、望ましくは、キャリアの素材と同じであるのがよい。しかし、取替え部4の素材は、キャリアの素材と異なっていてもよい。例えば、より汚染されにくい素材でできていてもよい。
図1は、取替え部を取り付けたキャリアを示す全体図である。
1はウェーハである。ウェーハ(WAFER)とは、円盤状の半導体の薄板であり、集積回路の基板になるものである。
2はキャリアである。キャリア(CARRIER)とは、運搬具あるいは搬送具のことであり、ここでは、ウェーハキャリアのことであり、ウェーハを複数枚(25枚程度)等間隔に離間させて層状に配置するものである。キャリアの素材は、例えば、ポリカーボネート、あるいは、テフロン(登録商標)やPFA(Per fluoro alkoxy fluoroplastics:四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)などのフッ素樹脂である。キャリアは、ウェーハ1の径に合わせて複数のサイズが用意される。キャリア2はウェーハ1を加工装置や検査装置に搬送するものであり、また、搬送しながら、エッチング液に浸したり、洗浄液に浸したり、乾燥器にかけたりするものであり、一時保管にも使用するものである。
9は、キャリア2の胴部である。胴部9は、円筒の側面(図1の前面手前)を一部切欠いた形状をしている。この切欠いた開口部からウェーハ1を挿脱する。また、洗浄水や溶液の入出をしやすくするため、背面(奥側面)や脇面(左右側面)を切欠くようにしている。胴部9の形状は円筒形に限らず箱状、檻状、籠状のものでもよい。
3F,3Bはスロット部であり、キャリア2に開口部からウェーハ1をウェーハ1の面方向に挿入して保持する部分である。スロット部3F,3Bは、キャリア2の胴部9の内面から舌状(凸状)に突き出た突出部であり、胴部9と一体成型されている。したがって、胴部9の素材も、スロット部3F,3Bの素材も、キャリアの素材と同じである。
4は取替え部で、前記キャリア2に前記ウェーハ1を挿入し保持する部分に接着剤で取り付ける。取替え部4は、スロット部3F,3Bのウェーハ1との接触部分に設けられている。取替え部4の素材は、取り扱いを同じくするために、望ましくは、キャリアの素材と同じであるのがよい。しかし、取替え部4の素材は、キャリアの素材と異なっていてもよい。例えば、より汚染されにくい素材でできていてもよい。
図2は、図1に示したA−A部分断面図であり、キャリア2のスロット部の一部分断面拡大図である。
6は接着剤であり、スロット部3F,3Bに取替え部4が固定されているのが分かる。取替え部4の形状は、板状の六面体(平板)である。接着剤6は、取替え部4の底面と片側側面に塗布されている。スロット部3Fの断面が示すようにスロット部3Fには階段状の段差により薄肉部と厚肉部とがあり、取替え部4は、薄肉部に接着される。薄肉部と取替え部4と接着剤6の厚さが、厚肉部の厚さと等しい。
6は接着剤であり、スロット部3F,3Bに取替え部4が固定されているのが分かる。取替え部4の形状は、板状の六面体(平板)である。接着剤6は、取替え部4の底面と片側側面に塗布されている。スロット部3Fの断面が示すようにスロット部3Fには階段状の段差により薄肉部と厚肉部とがあり、取替え部4は、薄肉部に接着される。薄肉部と取替え部4と接着剤6の厚さが、厚肉部の厚さと等しい。
図3は、キャリア内のウェーハ支持状態の一部分断面図である。
5は金属汚染物を示している。裏面が金属汚染されたウェーハ1をキャリア2に挿入し、スロット部3F,3Bに置いた状態を示している。ウェーハ1の裏面に付着している金属汚染物5は、スロット部3F,3Bの上に接着剤6で固定された取替え部4とウェーハ1の間に位置しているのが分かる。つまり、金属汚染物5と取替え部4が直接接触しているのが分かる。金属汚染物5とは、単に金属汚染ともいい、金属不純物のことであり、例えば、金属イオン、原子、金属を含む分子などをいう。具体的には、Al,Fe,Ni,Cuなどの金属汚染物をいう。
なお、図3では、金属汚染物5を示すが、汚染物には、パーティクル(微細な塵)や有機不純物などもあり、以下に述べるすべての実施の形態は、金属汚染物5以外に、パーティクル(微細な塵)や有機不純物などの除去にも有効である。例えば、キャリアの素材に使われるプラスチックの中には可塑剤としてDOP(ジエチルヘキシルフタレート)などの有機物が含まれており、この有機物が雰囲気中に放散して有機不純物となることが多く、以下に述べるすべての実施の形態は、DOP(ジエチルヘキシルフタレート)などの有機不純物の除去にも有効である。
5は金属汚染物を示している。裏面が金属汚染されたウェーハ1をキャリア2に挿入し、スロット部3F,3Bに置いた状態を示している。ウェーハ1の裏面に付着している金属汚染物5は、スロット部3F,3Bの上に接着剤6で固定された取替え部4とウェーハ1の間に位置しているのが分かる。つまり、金属汚染物5と取替え部4が直接接触しているのが分かる。金属汚染物5とは、単に金属汚染ともいい、金属不純物のことであり、例えば、金属イオン、原子、金属を含む分子などをいう。具体的には、Al,Fe,Ni,Cuなどの金属汚染物をいう。
なお、図3では、金属汚染物5を示すが、汚染物には、パーティクル(微細な塵)や有機不純物などもあり、以下に述べるすべての実施の形態は、金属汚染物5以外に、パーティクル(微細な塵)や有機不純物などの除去にも有効である。例えば、キャリアの素材に使われるプラスチックの中には可塑剤としてDOP(ジエチルヘキシルフタレート)などの有機物が含まれており、この有機物が雰囲気中に放散して有機不純物となることが多く、以下に述べるすべての実施の形態は、DOP(ジエチルヘキシルフタレート)などの有機不純物の除去にも有効である。
図4は、キャリアの金属汚染された状態図である。
ウェーハ1を1回ないし複数回キャリア2に出し入れしたことにより、ウェーハ1をキャリア2から取り出しても、キャリア2のスロット部3F,3Bに固定された取替え部4に金属汚染物5が付着し、取替え部4に汚染が蓄積した状態が分かる。
ウェーハ1を1回ないし複数回キャリア2に出し入れしたことにより、ウェーハ1をキャリア2から取り出しても、キャリア2のスロット部3F,3Bに固定された取替え部4に金属汚染物5が付着し、取替え部4に汚染が蓄積した状態が分かる。
図5は、スロット部の酸洗浄後の状態図である。
キャリア2を酸洗浄して接着剤6を溶解あるいは剥離させスロット部3F,3Bに固定されていた取替え部4を取り除くことができる。図5は、スロット部3F,3Bに固定されていた取替え部4と接着剤6とが酸洗浄により、取り除かれた状態を示している。すなわち、スロット部3F,3Bには、金属汚染物5がない状態を示している。
キャリア2を酸洗浄して接着剤6を溶解あるいは剥離させスロット部3F,3Bに固定されていた取替え部4を取り除くことができる。図5は、スロット部3F,3Bに固定されていた取替え部4と接着剤6とが酸洗浄により、取り除かれた状態を示している。すなわち、スロット部3F,3Bには、金属汚染物5がない状態を示している。
次に、図1,図2,図3,図4及び図5を使い、作用を詳しく説明をする。
半導体のウェーハ1を加工装置や検査装置に運ぶ場合、図1に示すように、キャリア2にウェーハ1を入れて搬送を行う。ウェーハ1に成膜をしたり微細加工を施す場合、ウェーハ1の裏面に金属が付着することは一般的に知られている。その金属は、別の加工工程や検査工程では、金属汚染物5となることも一般的に知られている。金属汚染されたウェーハ1を搬送するキャリア2には当然ウェーハ1からキャリア2に金属汚染物5が転写される。ウェーハ1の裏面に金属汚染物5が付着している状態を図3に示した。
半導体のウェーハ1を加工装置や検査装置に運ぶ場合、図1に示すように、キャリア2にウェーハ1を入れて搬送を行う。ウェーハ1に成膜をしたり微細加工を施す場合、ウェーハ1の裏面に金属が付着することは一般的に知られている。その金属は、別の加工工程や検査工程では、金属汚染物5となることも一般的に知られている。金属汚染されたウェーハ1を搬送するキャリア2には当然ウェーハ1からキャリア2に金属汚染物5が転写される。ウェーハ1の裏面に金属汚染物5が付着している状態を図3に示した。
次に、図2に示すように、ウェーハ1が接触するスロット部3F,3Bに取替え部4を接着剤6で固定した状態について詳しく説明をする。
SEMI規格ではE1.9に記述されているように、ウェーハ1がキャリア2に挿入されて、キャリア2内に置かれた場合、ウェーハ1の高さ位置が規定化されており、高さ寸法誤差は±0.5mmとなっている。つまり、取替え部4とウェーハ1の関係寸法が決められており、もし、取替え部4をスロット部3F,3B上に固定するのであれば、スロット部3F,3Bの例えば金型からの抜き寸法精度を、例えば0.1mm〜0.2mmと考慮し、取替え部4は0.1mm〜0.2mmの寸法精度とし、接着剤6厚みは、0.01mm程度などと考慮して固定することになる。
SEMI規格ではE1.9に記述されているように、ウェーハ1がキャリア2に挿入されて、キャリア2内に置かれた場合、ウェーハ1の高さ位置が規定化されており、高さ寸法誤差は±0.5mmとなっている。つまり、取替え部4とウェーハ1の関係寸法が決められており、もし、取替え部4をスロット部3F,3B上に固定するのであれば、スロット部3F,3Bの例えば金型からの抜き寸法精度を、例えば0.1mm〜0.2mmと考慮し、取替え部4は0.1mm〜0.2mmの寸法精度とし、接着剤6厚みは、0.01mm程度などと考慮して固定することになる。
次に、図4に示すように、この取替え部4をスロット部3F,3Bに固定した構造のキャリア2に、ウェーハ1を1回ないし複数回出し入れして金属汚染物5がキャリア2内に持ち込まれて金属汚染蓄積が発生しても、取替え部4に金属汚染物5が付着するだけありで、キャリア2自身が直接汚染されないことが分かる。
図5では、スロット部3F,3Bに固定されていた取替え部4が、薬液洗浄により接着剤が無くなることにより取り除かれて、キャリア2には全く金属汚染物5が無い状態なのが分かる。
図5では、スロット部3F,3Bに固定されていた取替え部4が、薬液洗浄により接着剤が無くなることにより取り除かれて、キャリア2には全く金属汚染物5が無い状態なのが分かる。
次に、接着剤6について、説明をする。
接着剤6に、例えばSiやOと言った元素で構成されている材料を用いる。SiやOと言った無機材料の骨格構造の主鎖を持つシロキサン構造物質(例えば、水素化シルセシキオキサンやメチルシルセスキシロキサン)を使用することで、多孔質構造に膜を形成できる。もし、取替え部4を取り外したい場合、溶液が浸透しやすく、取り外しやすい利点がある。ここで、シロキサン構造物質とは、Si−O−Si型化合物の総称である。
接着剤6に、例えばSiやOと言った元素で構成されている材料を用いる。SiやOと言った無機材料の骨格構造の主鎖を持つシロキサン構造物質(例えば、水素化シルセシキオキサンやメチルシルセスキシロキサン)を使用することで、多孔質構造に膜を形成できる。もし、取替え部4を取り外したい場合、溶液が浸透しやすく、取り外しやすい利点がある。ここで、シロキサン構造物質とは、Si−O−Si型化合物の総称である。
次に、他の接着剤6について、説明をする。
接着剤6に、例えばCやOと言った元素で構成されている材料を用いる。炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を骨格構造の主鎖に持つ有機ポリマー構造物質(例えば、ポリイミド系ポリマーやアリレンエーテル系ポリマー)を使用することで、多孔質構造に膜を形成できる。もし、取替え部4を取り外したい場合、溶液が浸透しやすく、取り外しやすい利点がある。
接着剤6に、例えばCやOと言った元素で構成されている材料を用いる。炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を骨格構造の主鎖に持つ有機ポリマー構造物質(例えば、ポリイミド系ポリマーやアリレンエーテル系ポリマー)を使用することで、多孔質構造に膜を形成できる。もし、取替え部4を取り外したい場合、溶液が浸透しやすく、取り外しやすい利点がある。
次に、取替え部4を固定している接着剤6を剥離する薬液について、説明をする。
取替え部4を固定している接着剤6について、例えば、10%以下の低い濃度の酸薬液で(例えば、フッ酸など)で取り除く。
金属汚染物5されたキャリア2を10%以下の低い濃度の酸薬液で洗浄(洗浄している状態は図示せず)すると、
−O−Si−O−Si−O−(SiO2)+酸基(+H2O)→Six−[酸基]+nH2O
となって接着剤6を薄い濃度の溶液で溶かすことができる。
10%以下のフッ酸を用いる場合は、
−O−Si−O−Si−O−(SiO2)+4HF→SiF4↑+2H2O
となる。
図4に示すように、金属汚染物5の付着した取替え部4を取り外すことにより金属汚染物5をキャリア2内から取り除くのだが、シロキサン構造の物質や有機ポリマー構造の物質は、多孔体に近い物質であり、酸薬液が接着剤6の膜内に浸透しやすく、接着剤6を薄い濃度の溶液で溶かすことができる。
例えば、シロキサン構造の物質で説明すると、同じSiとOの元素で構成される水晶や石英と言ったSiO2結晶や石英ガラスに比べてSi−O−Si骨格の密度が非常に疎であり、シリカゲルのような多孔体に近い物質であり、酸薬液が膜内に浸透しやすく、10%以下の薄い濃度の溶液で溶かすことができるのである。
有機ポリマー構造の物質についても多孔質膜構造を持つため、溶液が浸透しやすい。
フッ酸(FH)を使用する場合は、接着剤6の除去ばかりでなく、胴部9の表面にある金属汚染物の除去および有機汚染物の除去にも有効である。フッ酸(FH)は金属汚染物の溶解除去能力を有しているからである。さらに、フッ酸(FH)は、二酸化珪素膜(Si酸化膜)の溶解除去能力も有している。
フッ酸のほかに、フッ酸系洗浄溶液や塩酸過酸化水素水混合溶液や硫酸過酸化水素水混合溶液などの酸薬液でもよい。
取替え部4を固定している接着剤6について、例えば、10%以下の低い濃度の酸薬液で(例えば、フッ酸など)で取り除く。
金属汚染物5されたキャリア2を10%以下の低い濃度の酸薬液で洗浄(洗浄している状態は図示せず)すると、
−O−Si−O−Si−O−(SiO2)+酸基(+H2O)→Six−[酸基]+nH2O
となって接着剤6を薄い濃度の溶液で溶かすことができる。
10%以下のフッ酸を用いる場合は、
−O−Si−O−Si−O−(SiO2)+4HF→SiF4↑+2H2O
となる。
図4に示すように、金属汚染物5の付着した取替え部4を取り外すことにより金属汚染物5をキャリア2内から取り除くのだが、シロキサン構造の物質や有機ポリマー構造の物質は、多孔体に近い物質であり、酸薬液が接着剤6の膜内に浸透しやすく、接着剤6を薄い濃度の溶液で溶かすことができる。
例えば、シロキサン構造の物質で説明すると、同じSiとOの元素で構成される水晶や石英と言ったSiO2結晶や石英ガラスに比べてSi−O−Si骨格の密度が非常に疎であり、シリカゲルのような多孔体に近い物質であり、酸薬液が膜内に浸透しやすく、10%以下の薄い濃度の溶液で溶かすことができるのである。
有機ポリマー構造の物質についても多孔質膜構造を持つため、溶液が浸透しやすい。
フッ酸(FH)を使用する場合は、接着剤6の除去ばかりでなく、胴部9の表面にある金属汚染物の除去および有機汚染物の除去にも有効である。フッ酸(FH)は金属汚染物の溶解除去能力を有しているからである。さらに、フッ酸(FH)は、二酸化珪素膜(Si酸化膜)の溶解除去能力も有している。
フッ酸のほかに、フッ酸系洗浄溶液や塩酸過酸化水素水混合溶液や硫酸過酸化水素水混合溶液などの酸薬液でもよい。
次に、図6を用いて、キャリア2への取替え部4の固定剥離手順を説明する。
S11:接着剤塗布工程
キャリア2のスロット部3F,3Bと取替え部4とのいずれか又は両方に接着剤6を塗布する。
S12:取替え部取り付け工程
キャリア2のスロット部3F,3Bに取替え部4を取り付ける。
S13:乾燥工程
接着剤6が乾くまで乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。
S14:使用
使用前に、塵や汚染物を取り除くため、キャリア2全体を純水でウエット洗浄し、キャリア2全体を乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。そして、半導体のウェーハ1を加工装置や検査装置に運ぶ場合、図1に示すように、キャリア2にウェーハ1を入れて搬送を行う。ウェーハ1に成膜をしたり微細加工を施す場合、ウェーハ1の裏面に金属が付着し、金属汚染物5されたウェーハ1を搬送するキャリア2には当然金属汚染物5が転写される。
S15:薬液洗浄工程
キャリア2全体を薬液に浸し接着剤6を溶かしスロット部3F,3Bから取替え部4を取り除く。
あるいは、スロット部3F,3Bに薬液をノズルから噴射し又はシャワー状に放射して接着剤6を溶かしスロット部3F,3Bから取替え部4を取り除く。
S16:純水洗浄工程
薬液を取り除くため、キャリア2全体を純水でウエット洗浄する。
S17:乾燥工程
純水を蒸発させるために、キャリア2全体を乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。
S11:接着剤塗布工程
キャリア2のスロット部3F,3Bと取替え部4とのいずれか又は両方に接着剤6を塗布する。
S12:取替え部取り付け工程
キャリア2のスロット部3F,3Bに取替え部4を取り付ける。
S13:乾燥工程
接着剤6が乾くまで乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。
S14:使用
使用前に、塵や汚染物を取り除くため、キャリア2全体を純水でウエット洗浄し、キャリア2全体を乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。そして、半導体のウェーハ1を加工装置や検査装置に運ぶ場合、図1に示すように、キャリア2にウェーハ1を入れて搬送を行う。ウェーハ1に成膜をしたり微細加工を施す場合、ウェーハ1の裏面に金属が付着し、金属汚染物5されたウェーハ1を搬送するキャリア2には当然金属汚染物5が転写される。
S15:薬液洗浄工程
キャリア2全体を薬液に浸し接着剤6を溶かしスロット部3F,3Bから取替え部4を取り除く。
あるいは、スロット部3F,3Bに薬液をノズルから噴射し又はシャワー状に放射して接着剤6を溶かしスロット部3F,3Bから取替え部4を取り除く。
S16:純水洗浄工程
薬液を取り除くため、キャリア2全体を純水でウエット洗浄する。
S17:乾燥工程
純水を蒸発させるために、キャリア2全体を乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。
以上のように、本実施の形態では、キャリア2にウェーハ1を出し入れすることで、ウェーハ1裏面に付着している金属汚染物5が、キャリア2内に持ち込まれても、取替え部4により、キャリア自身を直接汚染せず、且つ薬液で接着剤6を取り除けば、容易に金属汚染物5を取り除け、ブラッシングなどで洗浄する必要もなく、ブラッシング材による再汚染がなくなる。
また、接着剤6に多孔質膜構造を持つシロキサン構造物質や多孔質膜構造を持つ有機ポリマー構造物質を用いることで、金属汚染物5の付着した取替え部4を取り除く場合、接着剤6を容易に溶解させることができる利点があり、金属汚染物5が簡単に取り除ける。
また、接着剤6に多孔質膜構造を持つシロキサン構造物質や多孔質膜構造を持つ有機ポリマー構造物質を用いることで、金属汚染物5の付着した取替え部4を取り除く場合、接着剤6を容易に溶解させることができる利点があり、金属汚染物5が簡単に取り除ける。
本実施の形態においては、スロット部の上部のウェーハとの接触部分に取替え部を固定する場合を説明したが、例えば、図7(a)に示すように、ウェーハ端面が接触するキャリア2の胴部9の内壁部分についても取替え部4を固定しても構わない。
また、図7(b)に示すように、スロット部3F,3Bの表面と裏面に取替え部4を固定しても構わない。
また、図7(c)に示すように、ウェーハ端面が接触する可能性があるキャリア2の胴部9の内壁部分とスロット部3F,3Bの表面と裏面とに取替え部4を固定しても構わない。
また、図示していないが、スロット部3F,3Bを包むように取替え部4を固定しても構わない。
また、本実施の形態においては、それぞれシロキサン構造体として水素化シルセシキオキサンやメチルシルセスキシロキサン、有機ポリマー構造体としてポリイミド系ポリマーやアリレンエーテル系ポリマーを例としたが、それに限る物ではない。また、シロキサン構造体と有機ポリマー構造体と組み合わせて積層することも任意である。
また、図7(b)に示すように、スロット部3F,3Bの表面と裏面に取替え部4を固定しても構わない。
また、図7(c)に示すように、ウェーハ端面が接触する可能性があるキャリア2の胴部9の内壁部分とスロット部3F,3Bの表面と裏面とに取替え部4を固定しても構わない。
また、図示していないが、スロット部3F,3Bを包むように取替え部4を固定しても構わない。
また、本実施の形態においては、それぞれシロキサン構造体として水素化シルセシキオキサンやメチルシルセスキシロキサン、有機ポリマー構造体としてポリイミド系ポリマーやアリレンエーテル系ポリマーを例としたが、それに限る物ではない。また、シロキサン構造体と有機ポリマー構造体と組み合わせて積層することも任意である。
以上のように、本実施の形態では、ウェーハを支持するスロット部の前記ウェーハと接触する部分を取替え部としたことを特徴とするキャリアを説明した。
また、取替え部をシロキサン構造を有する物質で固定することを特徴とするキャリアを説明した。
また、取替え部を主鎖が炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を持つ有機ポリマー構造を有する物質で固定することを特徴とするキャリアを説明した。
また、取替え部をシロキサン構造を有する物質で固定することを特徴とするキャリアを説明した。
また、取替え部を主鎖が炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を持つ有機ポリマー構造を有する物質で固定することを特徴とするキャリアを説明した。
本実施の形態の作用効果は、以下のとおりである。
前述したように、キャリアが汚染される理由の1つとして、ウェーハの裏面に付着している金属汚染物が、キャリアにウェーハを出し入れすることで、ウェーハが接触するスロット部に転写され、キャリアが汚染されことが分かっている。そこで、本実施の形態では、ウェーハを支持するキャリアのスロット部で、直接ウェーハが接触する部分を取り外し自由にできる取替え部とし、金属汚染されていない状態の取替え部をキャリアのスロット部に取り付ける。この構造によれば、ウェーハがキャリアに挿入され、ウェーハ裏面に付着している金属汚染物を、スロット部に固定された取替え部に金属汚染が転写しても、直接キャリア本体のスロット部に接触することはないことになる。よってキャリア自身は、直接汚染されないことになる。
また、取替え部とキャリア本体との接着に、例えばSiやOといった元素で構成されている無機材料の骨格構造の主鎖を持つシロキサン構造物質を使用すれば、前記物質は多孔質膜の構造をしており、もし、取替え部の金属汚染により交換したい場合、酸溶液が浸透しやすく、簡単に取り外しができる利点がある。
また、取替え部とキャリア本体との接着に、例えば炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を骨格構造の主鎖に持つ有機ポリマー構造物質を使用すれば、前記物質は多孔質膜の構造をしており、もし、取替え部の金属汚染により交換したい場合、酸溶液が浸透しやすく、簡単に取り外しができる利点がある。
前述したように、キャリアが汚染される理由の1つとして、ウェーハの裏面に付着している金属汚染物が、キャリアにウェーハを出し入れすることで、ウェーハが接触するスロット部に転写され、キャリアが汚染されことが分かっている。そこで、本実施の形態では、ウェーハを支持するキャリアのスロット部で、直接ウェーハが接触する部分を取り外し自由にできる取替え部とし、金属汚染されていない状態の取替え部をキャリアのスロット部に取り付ける。この構造によれば、ウェーハがキャリアに挿入され、ウェーハ裏面に付着している金属汚染物を、スロット部に固定された取替え部に金属汚染が転写しても、直接キャリア本体のスロット部に接触することはないことになる。よってキャリア自身は、直接汚染されないことになる。
また、取替え部とキャリア本体との接着に、例えばSiやOといった元素で構成されている無機材料の骨格構造の主鎖を持つシロキサン構造物質を使用すれば、前記物質は多孔質膜の構造をしており、もし、取替え部の金属汚染により交換したい場合、酸溶液が浸透しやすく、簡単に取り外しができる利点がある。
また、取替え部とキャリア本体との接着に、例えば炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を骨格構造の主鎖に持つ有機ポリマー構造物質を使用すれば、前記物質は多孔質膜の構造をしており、もし、取替え部の金属汚染により交換したい場合、酸溶液が浸透しやすく、簡単に取り外しができる利点がある。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点について説明する。
実施の形態1においては、スロット部を階段状にして平板の取替え部4を固定する場合を説明したが、例えば、図8(a)に示すように、取替え部4を半球形状にしても構わない。図8(a)に示す場合は、ウェーハ面が、取替え部4と接触する面積が小さくなる(理論的には、円接触になる)利点がある。
また、図8(b)に示すように、取替え部4を三角錐形状や円錐形状にしても構わない。図8(b)に示す場合は、ウェーハ面が、取替え部4と接触する面積がさらに小さくなる利点がある。理論的には、1点接触になる。
また、図8(c)に示すように、取替え部4をスロット部3F,3Bの先端から内壁面に向かって厚みが薄くなる斜面を形成する三角柱形状にしても構わない。
また、図8(d)に示すように、取替え部4を内壁面からスロット部3F,3Bの先端に向かって斜面を形成した三角柱形状にしても構わない。図8(c)に示す場合は、取替え部4がウェーハ端面の外周で接触するので、ウェーハの盤面において取替え部4が接触することがなく、好ましい。
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点について説明する。
実施の形態1においては、スロット部を階段状にして平板の取替え部4を固定する場合を説明したが、例えば、図8(a)に示すように、取替え部4を半球形状にしても構わない。図8(a)に示す場合は、ウェーハ面が、取替え部4と接触する面積が小さくなる(理論的には、円接触になる)利点がある。
また、図8(b)に示すように、取替え部4を三角錐形状や円錐形状にしても構わない。図8(b)に示す場合は、ウェーハ面が、取替え部4と接触する面積がさらに小さくなる利点がある。理論的には、1点接触になる。
また、図8(c)に示すように、取替え部4をスロット部3F,3Bの先端から内壁面に向かって厚みが薄くなる斜面を形成する三角柱形状にしても構わない。
また、図8(d)に示すように、取替え部4を内壁面からスロット部3F,3Bの先端に向かって斜面を形成した三角柱形状にしても構わない。図8(c)に示す場合は、取替え部4がウェーハ端面の外周で接触するので、ウェーハの盤面において取替え部4が接触することがなく、好ましい。
このように、取替え部4を取り付ける領域及び取替え部4の形状は任意に設定できる。
また、図示しないが、取替え部4を接着剤で固定するのではなく、粘着剤や両面テープで固定してもよい。また、取替え部4をスナップイン構造や雄雌構造やメカニカル構造により、ワンタッチでスロット部3F,3Bに着脱できるようにしてもよい。
また、図示しないが、取替え部4を接着剤で固定するのではなく、粘着剤や両面テープで固定してもよい。また、取替え部4をスナップイン構造や雄雌構造やメカニカル構造により、ワンタッチでスロット部3F,3Bに着脱できるようにしてもよい。
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1と異なる点について説明する。
図9は、胴部9に開口部8を設ける場合を示している。そして、スロット部3Fを取替え部4と兼用させて、スロット部3F(取替え部4)を開口部8の外部から内部に向けて挿入し、スロット部3F(取替え部4)を胴部9の内壁に舌状に突出させる場合を示している。
図9(a)は、断面が凸形状のスロット部3Fを開口部8の外部から内部に向けて挿入する斜視図である。スロット部3F自身が取り替え可能であるためスロット部3Fが取替え部4を兼ねていることになる。
図9(b)は、スロット部3F(取替え部4)を胴部9の内壁に舌状に突出させ接着剤6で固定した場合を示している。図9(b)では、接着剤6は、スロット部3F(取替え部4)と胴部9との接触面全てに塗布されている例を示している。
図9(c)も、スロット部3F(取替え部4)を胴部9の内壁に舌状に突出させ接着剤6で固定した場合を示している。図9(c)では、接着剤6は、胴部9の外壁面のみに塗布されている例を示している。
図9(d)は、平板の取替え部4を胴部9の内壁のスロット部3Fに沿わせて舌状に突出させ平板の取替え部4の底面を胴部9のスロット部3Fの上面と接着剤6で固定した場合を示している。
図9(e)は、図9(a)のスロット部3F(取替え部4)の下面に接着剤6を塗布せず、上面に接着剤6を塗布した場合を示している。
図9(f)はスロット部3F(取替え部4)が上部に角(つの)状又はプリズム状又は三角錐状の突起99を設けている場合を示している。
図9(b),(e),(f)の場合は、スロット部3F(取替え部4)が矢印A方向に離脱する場合でも金属汚染物5がキャリア2の胴部9に付着する可能性が少なくなり、図9(c),(d)の場合よりも望ましい構造である。
このように、開口部8に金属汚染物5が接触しない空間(抜き部)を設けることにより、洗浄効果が更に高まる。
実施の形態3では、実施の形態1と異なる点について説明する。
図9は、胴部9に開口部8を設ける場合を示している。そして、スロット部3Fを取替え部4と兼用させて、スロット部3F(取替え部4)を開口部8の外部から内部に向けて挿入し、スロット部3F(取替え部4)を胴部9の内壁に舌状に突出させる場合を示している。
図9(a)は、断面が凸形状のスロット部3Fを開口部8の外部から内部に向けて挿入する斜視図である。スロット部3F自身が取り替え可能であるためスロット部3Fが取替え部4を兼ねていることになる。
図9(b)は、スロット部3F(取替え部4)を胴部9の内壁に舌状に突出させ接着剤6で固定した場合を示している。図9(b)では、接着剤6は、スロット部3F(取替え部4)と胴部9との接触面全てに塗布されている例を示している。
図9(c)も、スロット部3F(取替え部4)を胴部9の内壁に舌状に突出させ接着剤6で固定した場合を示している。図9(c)では、接着剤6は、胴部9の外壁面のみに塗布されている例を示している。
図9(d)は、平板の取替え部4を胴部9の内壁のスロット部3Fに沿わせて舌状に突出させ平板の取替え部4の底面を胴部9のスロット部3Fの上面と接着剤6で固定した場合を示している。
図9(e)は、図9(a)のスロット部3F(取替え部4)の下面に接着剤6を塗布せず、上面に接着剤6を塗布した場合を示している。
図9(f)はスロット部3F(取替え部4)が上部に角(つの)状又はプリズム状又は三角錐状の突起99を設けている場合を示している。
図9(b),(e),(f)の場合は、スロット部3F(取替え部4)が矢印A方向に離脱する場合でも金属汚染物5がキャリア2の胴部9に付着する可能性が少なくなり、図9(c),(d)の場合よりも望ましい構造である。
このように、開口部8に金属汚染物5が接触しない空間(抜き部)を設けることにより、洗浄効果が更に高まる。
このように、胴部9に開口部8を設け、取替え部4を胴部9の外側から固定できるようにしたので、取替え部4の取り付け作業が大幅に簡略化される。
実施の形態4.
以下、本実施の形態4について、図10から図13を用いて説明をする。
図10は、汚染防止膜7を積層したキャリア2を示す全体図である。
1はウェーハであり、2はキャリアである。3F,3Bはスロット部であり、キャリア2にウェーハ1を挿入し、保持する部分である。7は汚染防止膜である。
以下、本実施の形態4について、図10から図13を用いて説明をする。
図10は、汚染防止膜7を積層したキャリア2を示す全体図である。
1はウェーハであり、2はキャリアである。3F,3Bはスロット部であり、キャリア2にウェーハ1を挿入し、保持する部分である。7は汚染防止膜である。
図11は、図10に示したA−A部分断面図であり、キャリアのスロット部の一部分断面拡大図である。
スロット部3F,3Bの上面に汚染防止膜7が積層されているのが分かる。
スロット部3F,3Bの上面に汚染防止膜7が積層されているのが分かる。
図12は、キャリア内のウェーハ支持状態図である。
5は金属汚染物を示している。図12は、裏面が金属汚染されたウェーハ1をキャリア2に挿入し、スロット部3F,3Bに置いた状態を示す。ウェーハ1の裏面に付着している金属汚染物5は、スロット部3F,3Bの上に積層された汚染防止膜7とウェーハ1の間に位置しているのが分かる。
5は金属汚染物を示している。図12は、裏面が金属汚染されたウェーハ1をキャリア2に挿入し、スロット部3F,3Bに置いた状態を示す。ウェーハ1の裏面に付着している金属汚染物5は、スロット部3F,3Bの上に積層された汚染防止膜7とウェーハ1の間に位置しているのが分かる。
図13は、キャリアの金属汚染された状態図である。
ウェーハ1を1回ないし複数回キャリア2に出し入れしたことにより、キャリア2のスロット部3F,3Bに金属汚染物5が付着し、金属汚染物5が蓄積した状態となることを示している。
ウェーハ1を1回ないし複数回キャリア2に出し入れしたことにより、キャリア2のスロット部3F,3Bに金属汚染物5が付着し、金属汚染物5が蓄積した状態となることを示している。
図10から図13を使い、作用を詳しく説明をする。
半導体のウェーハ1を加工装置や検査装置に運ぶ場合、図10に示すように、キャリア2にウェーハ1を入れて搬送を行う。ウェーハ1に成膜をしたり微細加工を施す場合、ウェーハ1の裏面に金属が付着することは一般的に知られている。その金属汚染物5されたウェーハ1を搬送するキャリア2にも当然金属汚染物5が転写される。ウェーハ1の裏面に金属汚染物5が付着した状態を図12に示した。
半導体のウェーハ1を加工装置や検査装置に運ぶ場合、図10に示すように、キャリア2にウェーハ1を入れて搬送を行う。ウェーハ1に成膜をしたり微細加工を施す場合、ウェーハ1の裏面に金属が付着することは一般的に知られている。その金属汚染物5されたウェーハ1を搬送するキャリア2にも当然金属汚染物5が転写される。ウェーハ1の裏面に金属汚染物5が付着した状態を図12に示した。
次に、図11に示すように、ウェーハ1が接触するスロット部3F,3Bに汚染防止膜7を積層した状態について詳しく説明をする。
SEMI規格ではE1.9に記述されているように、ウェーハ1がキャリア2に挿入されて、キャリア2内に置かれた高さ位置が規定化されており、±0.5mmとなっている。つまり、スロット部3F,3Bとウェーハ1の関係寸法が決められており、もし、汚染防止膜7をスロット部3F,3B上に積層するのであれば、スロット部3F,3Bの例えば金型からの抜き寸法精度を、例えば0.1mm〜0.2mmと考慮して、0.1mm〜0.2mm積層することが可能となる。
SEMI規格ではE1.9に記述されているように、ウェーハ1がキャリア2に挿入されて、キャリア2内に置かれた高さ位置が規定化されており、±0.5mmとなっている。つまり、スロット部3F,3Bとウェーハ1の関係寸法が決められており、もし、汚染防止膜7をスロット部3F,3B上に積層するのであれば、スロット部3F,3Bの例えば金型からの抜き寸法精度を、例えば0.1mm〜0.2mmと考慮して、0.1mm〜0.2mm積層することが可能となる。
次に、図13に示すように、この汚染防止膜7を積層した構造のキャリア2に、ウェーハ1を1回ないし複数回出し入れして金属汚染物5がキャリア2内に持ち込まれても、汚染防止膜7によりキャリア2自身が直接汚染されないことが分かる。
本実施の形態の汚染防止膜7について、説明をする。
汚染防止膜7に、例えば、SiやOと言った元素で構成されている材料を用いることは、SiやOと言った無機材料の骨格構造の主鎖を持つシロキサン構造物質、例えば水素化シルセシキオキサンやメチルシルセスキシロキサンを使用することで、多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜7を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点があるからである。
汚染防止膜7に、例えば、SiやOと言った元素で構成されている材料を用いることは、SiやOと言った無機材料の骨格構造の主鎖を持つシロキサン構造物質、例えば水素化シルセシキオキサンやメチルシルセスキシロキサンを使用することで、多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜7を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点があるからである。
本実施の形態の他の汚染防止膜7について、説明をする。
汚染防止膜7に、例えばCやOと言った元素で構成されている材料を用いることは、炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を骨格構造の主鎖に持つ有機ポリマー構造物質、例えばポリイミド系ポリマーやアリレンエーテル系ポリマーを使用することで、多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点があるからである。
汚染防止膜7に、例えばCやOと言った元素で構成されている材料を用いることは、炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を骨格構造の主鎖に持つ有機ポリマー構造物質、例えばポリイミド系ポリマーやアリレンエーテル系ポリマーを使用することで、多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点があるからである。
本実施の形態の汚染防止膜7の洗浄除去について、図12から図14で説明をする。
図14は、スロット部の金属汚染洗浄後の状態図である。
図14のスロット部3F,3Bには汚染防止膜7が積層されていない状態を示す。図14は、金属汚染物5がキャリア2のスロット部3F,3Bに直接接触することのないようにスロット部3F,3Bに積層した汚染防止膜7を、10%以下の低い濃度の酸薬液で取り除いた状態である。
図12は、金属汚染物5の付着したウェーハ1がキャリア2に挿入され、例えばシロキサン構造を持つ汚染防止膜7に汚染を転写している概念図である。図12の状態は、ウェーハ1を1回ないし複数回出し入れすることでキャリア2内に金属汚染物5が蓄積し、キャリア2を洗浄して金属汚染物5を取り除く直前の状態とする。
図14は、スロット部の金属汚染洗浄後の状態図である。
図14のスロット部3F,3Bには汚染防止膜7が積層されていない状態を示す。図14は、金属汚染物5がキャリア2のスロット部3F,3Bに直接接触することのないようにスロット部3F,3Bに積層した汚染防止膜7を、10%以下の低い濃度の酸薬液で取り除いた状態である。
図12は、金属汚染物5の付着したウェーハ1がキャリア2に挿入され、例えばシロキサン構造を持つ汚染防止膜7に汚染を転写している概念図である。図12の状態は、ウェーハ1を1回ないし複数回出し入れすることでキャリア2内に金属汚染物5が蓄積し、キャリア2を洗浄して金属汚染物5を取り除く直前の状態とする。
次に、この金属汚染物5されたキャリア2を10%以下の低い濃度の酸薬液で洗浄(洗浄している状態は図示せず)すると、
−O−Si−O−Si−O−(SiO2)+酸基(+H2O)→Six−[酸基]+nH2O
となって汚染防止膜7が分解されて溶解し、付着していた金属汚染物5もキャリア2から剥離される。この時シロキサン構造の物質は、同じSiとOの元素で構成される水晶や石英と言ったSiO2結晶や石英ガラスに比べてSi−O−Si骨格の密度が非常に疎であり、シリカゲルのような多孔体に近い物質であり、酸薬液が膜内に浸透しやすく、10%以下の薄い濃度の溶液で溶かすことができるのである。
例えば、金属汚染物5の付着した汚染防止膜7を取り除く為に、10%以下のフッ酸を用いることが好ましい。金属汚染物5の付着した汚染防止膜7を取り除く為に、10%以下のフッ酸を用いる場合は、
−O−Si−O−Si−O−(SiO2)+4HF→SiF4↑+2H2O
となり、汚染防止膜7を溶解するからである。
−O−Si−O−Si−O−(SiO2)+酸基(+H2O)→Six−[酸基]+nH2O
となって汚染防止膜7が分解されて溶解し、付着していた金属汚染物5もキャリア2から剥離される。この時シロキサン構造の物質は、同じSiとOの元素で構成される水晶や石英と言ったSiO2結晶や石英ガラスに比べてSi−O−Si骨格の密度が非常に疎であり、シリカゲルのような多孔体に近い物質であり、酸薬液が膜内に浸透しやすく、10%以下の薄い濃度の溶液で溶かすことができるのである。
例えば、金属汚染物5の付着した汚染防止膜7を取り除く為に、10%以下のフッ酸を用いることが好ましい。金属汚染物5の付着した汚染防止膜7を取り除く為に、10%以下のフッ酸を用いる場合は、
−O−Si−O−Si−O−(SiO2)+4HF→SiF4↑+2H2O
となり、汚染防止膜7を溶解するからである。
このように、本実施の形態では、キャリア2にウェーハ1を出し入れすることで、ウェーハ1裏面に付着している金属汚染物5が、キャリア2内に持ち込まれても、ウェーハ1が接触するスロット部3F,3Bに積層された汚染防止膜7により、キャリア自身を直接汚染せず、且つ薬液で接着剤6を取り除けば、容易に金属汚染物5を取り除け、ブラッシングなどで洗浄する必要もなく、ブラッシング材による再汚染がなくなる。
また、汚染防止膜7にシロキサン構造の物質を用いることで多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点もある。
また、汚染防止膜7に有機ポリマー構造の物質を用いることで多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点もある。
また、汚染防止膜7を酸溶液で洗い流すことにより、汚染防止膜7に付着した金属汚染物5も同時に洗い流すことができる。
また、汚染防止膜7をフッ酸で洗い流すことにより、汚染防止膜7に付着した金属汚染物5も同時に洗い流すことができる。
また、汚染防止膜7にシロキサン構造の物質を用いることで多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点もある。
また、汚染防止膜7に有機ポリマー構造の物質を用いることで多孔質膜を形成できる。もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点もある。
また、汚染防止膜7を酸溶液で洗い流すことにより、汚染防止膜7に付着した金属汚染物5も同時に洗い流すことができる。
また、汚染防止膜7をフッ酸で洗い流すことにより、汚染防止膜7に付着した金属汚染物5も同時に洗い流すことができる。
次に、図15を用いて、キャリア2への汚染防止膜7の積層剥離手順を説明する。
S21:汚染防止膜塗布工程
キャリア2のスロット部3F、3Bに汚染防止膜7となる溶剤を塗布する。
S22:乾燥工程
汚染防止膜7となる溶剤が乾くまで乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。乾燥により汚染防止膜7が積層される。汚染防止膜7の所望の厚さを得る場合には、汚染防止膜塗布工程S21と乾燥工程S22とを繰り返す。また、汚染防止膜7を異なる素材により積層形成する場合には、汚染防止膜塗布工程S21と乾燥工程S22とを繰り返す。
S23:使用
使用前に、塵や汚染物を取り除くため、キャリア2全体を純水でウエット洗浄し、キャリア2全体を乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。そして、半導体のウェーハ1を加工装置や検査装置に運ぶ場合、図10に示すように、キャリア2にウェーハ1を入れて搬送を行う。ウェーハ1に成膜をしたり微細加工を施す場合、ウェーハ1の裏面に金属が付着し、金属汚染物5されたウェーハ1を搬送するキャリア2には当然金属汚染物5が転写される。
S24:薬液洗浄工程
キャリア2全体を酸薬液に浸し汚染防止膜7を溶かしスロット部3F,3Bから汚染防止膜7を取り除く。
あるいは、スロット部3F,3Bに酸薬液をノズルから噴射し又はシャワー状に放射して汚染防止膜7を溶かしスロット部3F,3Bから汚染防止膜7を取り除く。
S26:純水洗浄工程
酸薬液を取り除くため、キャリア2全体を純水でウエット洗浄する。
S27:乾燥工程
純水を蒸発させるために、キャリア2全体を乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。
S21:汚染防止膜塗布工程
キャリア2のスロット部3F、3Bに汚染防止膜7となる溶剤を塗布する。
S22:乾燥工程
汚染防止膜7となる溶剤が乾くまで乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。乾燥により汚染防止膜7が積層される。汚染防止膜7の所望の厚さを得る場合には、汚染防止膜塗布工程S21と乾燥工程S22とを繰り返す。また、汚染防止膜7を異なる素材により積層形成する場合には、汚染防止膜塗布工程S21と乾燥工程S22とを繰り返す。
S23:使用
使用前に、塵や汚染物を取り除くため、キャリア2全体を純水でウエット洗浄し、キャリア2全体を乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。そして、半導体のウェーハ1を加工装置や検査装置に運ぶ場合、図10に示すように、キャリア2にウェーハ1を入れて搬送を行う。ウェーハ1に成膜をしたり微細加工を施す場合、ウェーハ1の裏面に金属が付着し、金属汚染物5されたウェーハ1を搬送するキャリア2には当然金属汚染物5が転写される。
S24:薬液洗浄工程
キャリア2全体を酸薬液に浸し汚染防止膜7を溶かしスロット部3F,3Bから汚染防止膜7を取り除く。
あるいは、スロット部3F,3Bに酸薬液をノズルから噴射し又はシャワー状に放射して汚染防止膜7を溶かしスロット部3F,3Bから汚染防止膜7を取り除く。
S26:純水洗浄工程
酸薬液を取り除くため、キャリア2全体を純水でウエット洗浄する。
S27:乾燥工程
純水を蒸発させるために、キャリア2全体を乾燥機で乾燥させる。あるいは、自然乾燥させる。
本実施の形態において、それぞれシロキサン構造として水素化シルセシキオキサンやメチルシルセスキシロキサン、有機ポリマー構造としてポリイミド系ポリマーやアリレンエーテル系ポリマーを例としたが、それに限る物ではない。また、組み合わせて積層することも任意である。
本実施の形態においては、スロット部の上部のウェーハとの接触部分に汚染防止膜7を積層するとしたが、例えば、図16(a)に示すように、スロット部3F,3Bの表面と裏面に汚染防止膜7を形成しても構わない。
また、図16(b)に示すように、ウェーハ端面が接触するキャリア2の胴部9の内壁部分とスロット部3F、3Bの表面と裏面とに汚染防止膜7を形成しても構わない。
また、図16(c)に示すように、キャリア2の胴部9の内壁部分すべてに汚染防止膜7を形成しても構わない。
また、図16(b)に示すように、ウェーハ端面が接触するキャリア2の胴部9の内壁部分とスロット部3F、3Bの表面と裏面とに汚染防止膜7を形成しても構わない。
また、図16(c)に示すように、キャリア2の胴部9の内壁部分すべてに汚染防止膜7を形成しても構わない。
以上のように、ウェーハ端面が接触する部分、もしくはウェーハが万一キャリア内で破損してチッピングし、その破片が接触する可能性のある部分についても汚染防止膜7を積層しても構わず、汚染防止膜7を積層する胴部9の内壁の領域は任意に設定できる。
以上のように、本実施の形態では、ウェーハを支持するスロット部の前記ウェーハと接触する部分に汚染防止膜を前記スロット部に積層したことを特徴とするキャリアを説明した。
また、汚染防止膜にシロキサン構造を持つ物質を使用したことを特徴とするキャリアを説明した。
また、汚染防止膜に主鎖が炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を持つ有機ポリマー構造を持つ物質を使用したことを特徴とするキャリアを説明した。
また、キャリアを10%以下の酸薬液で洗浄することを特徴としたキャリア洗浄方法を説明した。
また、酸薬液にフッ酸を用いることを特徴としたキャリア洗浄方法を説明した。
また、汚染防止膜にシロキサン構造を持つ物質を使用したことを特徴とするキャリアを説明した。
また、汚染防止膜に主鎖が炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を持つ有機ポリマー構造を持つ物質を使用したことを特徴とするキャリアを説明した。
また、キャリアを10%以下の酸薬液で洗浄することを特徴としたキャリア洗浄方法を説明した。
また、酸薬液にフッ酸を用いることを特徴としたキャリア洗浄方法を説明した。
本実施の形態の作用効果は、以下のとおりである。
前述したように、キャリアが汚染される理由の1つとして、ウェーハの裏面に付着している金属汚染物が、キャリアにウェーハを出し入れすることで、ウェーハが接触するスロット部に転写され、キャリアが汚染されことが分かっている。そこで、ウェーハを支持するキャリアのスロット部で直接ウェーハが接触する部分に、汚染防止膜を積層しておく。ウェーハ裏面に付着している金属汚染物は、ウェーハがキャリアに挿入されてスロット部の上に乗せられても、直接キャリアのスロット部に接触することなく、汚染防止膜に付着することになる。
よって、キャリア自身は、この汚染防止膜により直接汚染されないことになる。
また、その汚染防止膜に、例えばSiやOといった元素で構成されている無機材料の骨格構造の主鎖を持つシロキサン構造物質を使用する。シロキサン構造の物質は、多孔質膜を形成でき、もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点があるからである。
また、その汚染防止膜に、例えば炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を骨格構造の主鎖に持つ有機ポリマー構造物質を使用する。有機ポリマー構造の物質は、多孔質膜を形成でき、もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点があるからである。
また、金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することのないようにスロット部に積層した汚染防止膜を、10%以下の低い濃度の酸薬液で取り除き、併せて汚染防止膜に付着した金属汚染物も洗い流すことができる為、キャリアから完全に金属汚染を除去できることになる。
この時、金属汚染物の付着させる汚染防止膜にシロキサン構造物質もしくは有機ポリマー構造物質を用いていると、例えばシロキサン構造物質は、同じSiとOの元素で構成される水晶や石英と言ったSiO2結晶や石英ガラスに比べてSi−O−Si骨格の密度が非常に疎であり、シリカゲルのような多孔体に近い物質なので、溶液がよく浸透し、薄い濃度の酸溶液で溶かすことができるのである。
また、金属汚染物の付着した汚染防止膜を取り除く為に、10%以下のフッ酸を用いるのは同じSi−O−Siの構造も持ったガラスが溶解しやすいからである。
前述したように、キャリアが汚染される理由の1つとして、ウェーハの裏面に付着している金属汚染物が、キャリアにウェーハを出し入れすることで、ウェーハが接触するスロット部に転写され、キャリアが汚染されことが分かっている。そこで、ウェーハを支持するキャリアのスロット部で直接ウェーハが接触する部分に、汚染防止膜を積層しておく。ウェーハ裏面に付着している金属汚染物は、ウェーハがキャリアに挿入されてスロット部の上に乗せられても、直接キャリアのスロット部に接触することなく、汚染防止膜に付着することになる。
よって、キャリア自身は、この汚染防止膜により直接汚染されないことになる。
また、その汚染防止膜に、例えばSiやOといった元素で構成されている無機材料の骨格構造の主鎖を持つシロキサン構造物質を使用する。シロキサン構造の物質は、多孔質膜を形成でき、もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点があるからである。
また、その汚染防止膜に、例えば炭素−炭素結合もしくは炭素−酸素結合を骨格構造の主鎖に持つ有機ポリマー構造物質を使用する。有機ポリマー構造の物質は、多孔質膜を形成でき、もし、汚染防止膜を除去する場合、溶解させる溶液が浸透しやすい利点があるからである。
また、金属汚染物がキャリアのスロット部に直接接触することのないようにスロット部に積層した汚染防止膜を、10%以下の低い濃度の酸薬液で取り除き、併せて汚染防止膜に付着した金属汚染物も洗い流すことができる為、キャリアから完全に金属汚染を除去できることになる。
この時、金属汚染物の付着させる汚染防止膜にシロキサン構造物質もしくは有機ポリマー構造物質を用いていると、例えばシロキサン構造物質は、同じSiとOの元素で構成される水晶や石英と言ったSiO2結晶や石英ガラスに比べてSi−O−Si骨格の密度が非常に疎であり、シリカゲルのような多孔体に近い物質なので、溶液がよく浸透し、薄い濃度の酸溶液で溶かすことができるのである。
また、金属汚染物の付着した汚染防止膜を取り除く為に、10%以下のフッ酸を用いるのは同じSi−O−Siの構造も持ったガラスが溶解しやすいからである。
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態1から4と異なる点について説明する。
図17は、複数のスロット部3Fを櫛歯状(下駄の歯状)に一部品で形成した例を示している。この櫛歯状の部品は、接着剤6で胴部の内面に固定される取替え部4となるものである。さらに、櫛歯状の部品の表面に、汚染防止膜7を積層してから、櫛歯状の部品を接着剤6で胴部9の内面に固定してもよい。
実施の形態5では、実施の形態1から4と異なる点について説明する。
図17は、複数のスロット部3Fを櫛歯状(下駄の歯状)に一部品で形成した例を示している。この櫛歯状の部品は、接着剤6で胴部の内面に固定される取替え部4となるものである。さらに、櫛歯状の部品の表面に、汚染防止膜7を積層してから、櫛歯状の部品を接着剤6で胴部9の内面に固定してもよい。
実施の形態6.
実施の形態1から5では、キャリアについて説明したが、保管庫(ストッカ)でも構わない。あるいは、ポッドと呼ばれるウェーハを密封して搬送するボックスでも構わない。あるいは、防塵が必要な薄板や基盤を収納する収納個でも構わない。
実施の形態1から5では、キャリアについて説明したが、保管庫(ストッカ)でも構わない。あるいは、ポッドと呼ばれるウェーハを密封して搬送するボックスでも構わない。あるいは、防塵が必要な薄板や基盤を収納する収納個でも構わない。
1 ウェーハ、2 キャリア、3B スロット部、3F スロット部、4 取替え部、5 金属汚染物、6 接着剤、7 汚染防止膜、8 開口部、9 胴部。
Claims (5)
- ウェーハを搬送するキャリアにおいて、
ウェーハを支持するスロット部と、
スロット部のウェーハと接触する部分に取替え可能に設けられた取替え部と
を備えたことを特徴とするキャリア。 - 前記取替え部をシロキサン構造を有する物質又は有機ポリマー構造を有する物質で取り付けることを特徴とする請求項1記載のキャリア。
- ウェーハを搬送するキャリアにおいて、
ウェーハを支持するスロット部と、
スロット部のウェーハと接触する部分に設けられた汚染防止膜と
を備えたことを特徴とするキャリア。 - ウェーハを支持するスロット部に取替え部を取り付けたキャリアを薬液で洗浄することにより取替え部を取り除くことを特徴とするキャリア洗浄方法。
- ウェーハを支持するスロット部に汚染防止膜を形成したキャリアを薬液で洗浄することにより汚染防止膜を取りくことを特徴とするキャリア洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004088527A JP2005277125A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | キャリア及びキャリア洗浄方法 |
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JP2004088527A JP2005277125A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | キャリア及びキャリア洗浄方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2013201248A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板収容容器および異物除去方法 |
WO2023077737A1 (zh) * | 2021-11-08 | 2023-05-11 | 苏州迈为科技股份有限公司 | 载板的清洗方法及其应用 |
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2004
- 2004-03-25 JP JP2004088527A patent/JP2005277125A/ja active Pending
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