JP2005276904A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高出力の単一波長光又は安定した多モード光を得る。
【解決手段】InPからなる共通のn型半導体基板10上の一方部に、n型クラッド層13、回折格子層14、活性層19、InPからなるp型クラッド層21が順番に積層され、活性層で生成された光のうち回折格子層の回折格子17で選択された波長の光を出力する光発振部11と、この光発振部11から出力された光が入射し、共通のn型半導体基板10上の他方部に、n型クラッド層13、活性層19、InPからなるp型クラッド層21が順番に積層されるとともに、入射した光を増幅して、反射防止膜28が形成された出射端面から出力する光増幅部12とを備えた半導体発光素子9において、n型クラッド層13をInGaAsPからなる4元組成にて構成している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、共通(同一)の半導体基板上に光を発光する光発振部とこの光発振部で発光された光を増幅する光増幅部とを設けた半導体発光素子に関する。
光通信システムに用いられる光信号は、長距離に亘って敷設された光ファイバ内を伝送されるので、この光信号の光源に用いられる半導体発光素子の特性としては高出力で低ノイズでかつ安定した特性が要求される。また、レーザ加工に用いられるレーザ光の光源に用いられる半導体発光素子の特性においても高出力特性が要求される。
このような高出力、低ノイズ、安定した特性を実現するために、共通(同一)の半導体基板上に光を発光する光発振部とこの光発振部で発光された光を増幅する光増幅部とを設けた半導体発光素子が特許文献1の「モノリシック半導体レーザ及び光増幅器」に提唱されている。
また、ファイバ内での減衰を補うために用いられる光ファイバ増幅器に於いては、高出力で低ノイズでかつ安定した特性を有する励起用光源が要求される。代表的なものとしてはエルビウム(Er)を添加したエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)が挙げられるが、増幅できる波長帯が限られているため、近年、ファイバ中で発生するラマン散乱を利用して任意の波長を増幅できるラマン増幅器が注目されている。
このようなラマン光増幅器を励起するために用いられる励起光源に要求される特性として、(a)高出力で、(b)低ノイズで、かつ、図5に示すように、(c)限られた波長帯域のみで発振し、(d)発振帯域幅の中に波長が異なる複数の光が含まれ、(e)中心波長が安定していることが挙げられる。
このように波長が異なる複数の光を含む多モード光を出力する半導体発光素子が特許文献2の「半導体レーザ装置」に提唱されている。図8に示すように、この半導体レーザ装置1においては、一つの半導体基板上に、光の伝搬方向に沿って、上流側から、レーザ発振領域2、波長選択領域3、波長可変領域4、増幅領域5が形成されている。
レーザ発振領域2は電源線6を介して直流電流が供給されると波長が異なる多数の光からなるレーザ光の発振を行う。波長選択領域3内には光の伝搬方向に配設された複数の格子からなる回折格子が組込まれており、入射したレーザ光のうち回折格子の格子間隔、屈折率等にて定まる波長が異なる複数の光(多モード光)を選択する。
波長可変領域4は、電源線7を介して供給された直流電流に応じて、波長選択領域3から入力された各光の波長を目標波長に制御する。増幅領域5は、電源線8を介して直流電流が供給されると、波長可変領域4で波長制御された波長が異なる複数の光(多モード光)からなるレーザ光を増幅して、出射端面1aから出力する。
米国特許第4,744,089号明細書 特開2002―368327号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された「モノリシック半導体レーザ及び光増幅器」においても、光通信システムに用いられる光信号の光源や、レーザ加工に用いられるレーザ光の光源としては、まだ十分な光出力が得られない問題があった。
さらに、上述した特許文献2に記載されたラマン光増幅器に対して波長が異なる複数の光を含む多モード光を供給する「半導体レーザ装置」においては、レーザ発振領域2と波長選択領域3とで一種の分布ブラッグ反射型(DBR)構造を有するレーザ発振器を構成する。
ここで回折格子の結合係数κについて説明する。
波長選択領域3等の回折格子が存在する光伝搬路において光が伝搬する場合に、光の一部は格子の存在に起因して反射して逆方向に伝搬する。回折格子が組込まれた光伝搬路を光が単位距離だけ伝搬する期間に、この伝搬される光のうち反射される光の割合をこの回折格子の結合係数κと称する。この結合係数κが大きいと、回折格子内で光の反射が多発して、それぞれ固有の波長の光の集合と見なせる多くの共振モードが生じる。
したがって、波長選択領域3で効果的に所定レベル以上を有した複数の光を含む多モード光を得るためには、結合係数κが大きいことが重要である。しかしながら、特許文献2に記載された「半導体レーザ装置」においては、十分な大きさの結合係数κが得られなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、単一波長光源として使用する場合においては簡単な構成で高出力が得られ、またラマン光増幅器へ多モード光を供給する光源として使用する場合においては、大きな結合係数が得られ、安定した多モード光が得られ、さらに、出力レベルを変化させても中心波長が変化しない半導体発光素子を提供することを目的とする。
上記課題を解消するために、本発明は、InPからなる共通のn型半導体基板上の一方部に、n型クラッド層、回折格子層、活性層、InPからなるp型クラッド層が順番に積層され、活性層で生成された光のうち回折格子層の回折格子で選択された波長の光を出力する光発振部と、この光発振部から出力された光が入射し、共通のn型半導体基板上の他方部に、n型クラッド層、活性層、InPからなるp型クラッド層が順番に積層されるとともに、入射した光を増幅して、反射防止膜が形成された出射端面から出力する光増幅部とを備えた半導体発光素子であって、n型クラッド層は、InGaAsPにて構成されている。
先ず、このように構成された半導体発光素子において高出力が得られる理由を説明する。一般的に、光発振部及び光増幅部において、光は、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層を伝搬する。光の強度分布において、相対屈折率が大きい活性層部分が最も光強度が高く、相対屈折率が小さいn型クラッド層及びp型クラッド層部分は低くなる。
ここで、p型クラッド層においては、価電子帯間吸収(IVBA)と呼ばれる効果によって光吸収が生じるため、光の導波損失は一般に5cm-1以上となって、大きな光出力が得られない。
そこで、本発明においては、InPからなるp型クラッド層に対して、n型クラッド層をInGaAsPの4元組成で構成している。InPからなるp型クラッド層の相対屈折率より、InGaAsPからなるn型クラッド層の相対屈折率の方が大きいので、p型クラッド層部分を伝搬する光の量(強度)より、n型クラッド層部分を伝搬する光の量(強度)が大きくなる。その結果、p型クラッド層に吸収される光の絶対量が低下ずるので、この半導体発光素子から出力される光の出力レベルが上昇する。
また別の発明は、上述した発明の半導体発光素子の光発振部における回折格子層の回折格子は互いに異なる波長を有する複数の光を選択して、光発振部から多モード光として出力する。
したがって、このように構成された半導体発光素子をラマン光増幅器用の光源として用いることが可能である。
また別の発明は、上述した発明の半導体発光素子における光発振部は分布帰還形型(DFB)構造を有し、回折格子の光の伝搬方向の長さLに結合係数κを乗算した規格化結合係数κLが2以上である。
このように構成された半導体発光素子をラマン光増幅器へ波長が異なる複数の光(多モード光)を供給する光源として用いた場合における大きな結合係数が得られる理由を説明する。
この半導体発光素子に組込まれた光発振部においては、回折格子が形成された回折格子層は、n型クラッド層内又はn型クラッド層と活性層との間に形成されている。前述したように、回折格子の結合係数κは、回折格子が組込まれた光伝搬路を光が単位距離だけ伝搬する期間に反射される光の割合を示す。
光伝搬路をn型クラッド層、回折格子層、活性層、p型クラッド層で構成されるとすると、InPからなるp型クラッド層に対して、n型クラッド層をInGaAsPの4元組成で構成しているので、n型クラッド層内又はその近傍に形成された回折格子層を伝搬する光の量(強度)が大きくなる。その結果、光伝搬路を伝送される光に対して格子の存在に起因して反射される光の割合、すなわち回折格子の結合係数κが大きくなる。
回折格子の結合係数κが大きくなると、分布帰還形型(DFB)構造を有した光発振部において、効率的に所定レベル以上を有した複数の光を含む多モード光を得ることが可能となる。
逆に、回折格子の結合係数κを小さく設定すると、分布帰還形型(DFB)構造を有した光発振部において、効率的に単一波長の光を得ることが可能となる。
回折格子の長さLに結合係数κを乗算した規格化結合係数κLが2以上であると所定レベル以上を有した複数の光を含む多モード光を得ることができることが図5、図6に示す実験結果で実証されている。
本発明の半導体発光素子によれば、InPからなるp型クラッド層に対して、n型クラッド層をInGaAsPの4元組成で構成している。したがって、n型クラッド層側に光の分布をシフトできるので、p型クラッド層で発生する光損失を低減できる。
その結果、単一波長光源として使用する場合においては簡単な構成で高出力が得られ、かつラマン光増幅器へ多モード光を供給する光源として使用する場合においては、大きな結合係数が得られ、安定した多モード光が得られ、さらに、出力レベルを変化させても中心波長が変化しない、優れた特性を得ることができる。
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係わる半導体発光素子の外観を示す斜視図であり、図2は、図1の半導体発光素子9を光の伝搬方向に沿って切断した場合の断面図である。図3は図1の半導体発光素子9をA―A’線で切断して矢印方向に見た場合の断面図である。
この第1実施形態の半導体発光素子9は、n型のInPからなる共通(同一)のn型半導体基板10上に形成された光を発光する光発振部11とこの光発振部11で発光された光を増幅する光増幅部12とで構成されている。
光発振部11は分布帰還型(Distributed Feedback DFB)構造を有しており、この光発振部11において、n型InPからなる共通のn型半導体基板10上に、組成0.95μmのn型InGaAsPの4元組成からなるn型クラッド層13、同じくn型InGaAsPからなる回折格子層14が形成されている。回折格子層14は、複数の格子15と格子相互間に存在する複数の隙間16とを有する回折格子17で構成され、n型InPで埋め込まれている。この回折格子層14の上方に、それぞれ適当な組成のInGaAsPからなる、下側SCH層18、MQW層からなる活性層19、上側SCH層20が形成されている。
この上側SCH層20の上面には、p型InPからなるp型クラッド層21が形成されている。p型InPからなるp型クラッド層21の上面に、p型InGaAsからなるコンタクト層(図示せず)を介して、専用のp電極22が取付けられ、n型半導体基板10の下面には共通のn電極23が取付けられている。なお、この光発振部11の素子長、すなわち回折格子長はLである。
図3の断面図に示すように、n型半導体基板10の上部、n型クラッド層13、回折格子層14、下側SCH層18、活性層19、上側SCH層20、p型クラッド層21の一部はメサ型に形成されている。そして、メサの両側には、下側から、p型InPからなるp型埋込層24、n型InPからなるn型埋込層25が形成されている。なお、この実施形態の光発振部11においては、活性層19の幅は全光の伝搬方向に亘って3μm一定に設定されている。n電極23はn型半導体基板10の下面の全面に亘って形成されている。さらに、この光発振部11の端面には反射膜26が形成されている。
一方、この光発振部11に隣接する光増幅部12において、n型InPからなる共通のn型半導体基板10上に、組成0.95μmのn型InGaAsPの4元組成からなるn型クラッド層13、それぞれ適当な組成のInGaAsPからなる、下側SCH層18、MQW層からなる活性層19、上側SCH層20が形成されている。なお、光増幅部12においては光発振部11で採用された回折格子層14は形成されていなくて、回折格子層14に相当する領域はn型クラッド層13が形成されている。なお、n型クラッド層13と下側SCH層18との間には、ごく薄いn型InP層が介在する。
上側SCH層20の上面には、p型InPからなるp型クラッド層21が形成されている。p型InPからなるp型クラッド層21の上面に、p型InGaAsからなるコンタクト層(図示せず)を介して、専用のp電極27が取付けられ、n型半導体基板10の下面には共通のn電極23が取付けられている。
図1の斜視図における光増幅部12の光の出射端面に示すように、n型半導体基板10の上部、n型クラッド層13、下側SCH層18、活性層19、上側SCH層20、p型クラッド層21の一部はメサ型に形成されている。そして、メサの両側には、下側から、p型InPからなるp型埋込層24、n型InPからなるn型埋込層25が形成されている。
なお、この実施形態の光増幅部12においては、活性層19の幅は一定でなく光の伝搬方向に沿って増加している。そして、活性層19の幅は、光発振部11に接する部分において3μmであり、光の出射端面においては9μmに設定されている。また、p電極27はp型クラッド層21の上面におけるメサに対向する部分のみに形成されている。共通のn電極23はn型半導体基板10の下面の全面に亘って形成されている。さらに、この光増幅部12の光の出射端面には反射防止膜28が形成されている。
上記した半導体発光素子では、n型クラッド層13を構成するInGaAsPの組成波長を0.95μmとしていたが、これは本発明を限定するものではない。ただし、活性層19への光閉じ込め係数にもよるが一般的な高出力レーザにおいてInGaAsPの組成波長を0.98μmより大きくすると、導波モードが存在できなくなるのでn側クラッド層13を構成するInGaAsPの組成波長は0.98μm以下にするのが望ましい。
このような構成を有する半導体発光素子9を、通常の光通信に用いられる光信号やレーザ加工に用いられるレーザ光の光源等の単一波長光源として使用する場合には、光発振部11における回折格子層14の回折格子17における格子15と隙間16の寸法、格子15と隙間16の体積比、格子15と隙間16との相対屈折率、回折格子17の伝搬方向の長さL等を、前述した規格化結合係数κLが例えば1.8になるように設定する。
このように規格化結合係数κLを2より小さい値に設定した回折格子17が組込まれた光発振部11におけるp電極22に直流電流を供給すると、この光発振部11は、回折格子17における格子間隔や相対屈折率や印加された電流値に応じて波長が定まる単一波長光を発振して、隣接する光増幅部12へ入射する。図6に、規格化結合係数κLを1.8に設定した場合に光発振部11から出力される単一波長光の波長分布特性を示す。この単一波長光の波長はp電極22に印加する直流電流値を変更することによって調整可能である。
また、このような構成を有する半導体発光素子9を、ラマン光増幅器へ多モード光を供給する光源として使用する場合においては、光発振部11における回折格子層14の回折格子17における格子15と隙間16の寸法、格子15と隙間16の体積比、格子15と隙間16との相対屈折率、回折格子17の伝搬方向の長さL等を、規格化結合係数κLが例えば3.6になるように設定する。
このように規格化結合係数κLを2より大きく設定した回折格子17が組込まれた光発振部11におけるp電極22に直流電流を供給すると、この光発振部11は、回折格子17における格子間隔や相対屈折率や印加された電流値に応じて中心波長が定まる、規定波長帯域内で波長が異なる複数の光からなる多モード光を発振して、隣接する光増幅部12へ入射する。図5に、規格化結合係数κLを3.6に設定した場合に光発振部11から出力される多モード光の波長分布特性を示す。この多モード光の中心波長はp電極22に印加する直流電流値を変更することによって調整可能である。
光増幅部12において、p型電極27に直流電流を印加すると、光発振部11から入射された前述した単一波長光又は多モード光は、n型クラッド層13、下側SCH層18、活性層19、上側SCH層20、p型クラッド層21からなる光伝搬路を伝搬される過程で増幅される。増幅された単一波長光又は多モード光は光の出射端面に形成された反射防止膜28を介して出力光29として、この半導体発光素子9から出力される。
このような構成の光増幅部12においては、単一波長光又は多モード光からなる出力光29の出力レベル(増幅率)はp型電極27に印加する直流電流値を変更することによって調整可能である。さらに、光増幅部12において、出射端面に反射防止膜28が形成されているので、p型電極27に印加する直流電流値を変更したとしても、単一波長光の波長又は多モード光の中心波長が変化することはない。
すなわち、上述した構成の光発振部11及び光増幅部12が組込まれた半導体発光素子9から出力される単一波長光の波長又は多モード光の中心波長は、光発振部11のp電極22に印加する直流電流値で決まり、半導体発光素子9から出力される単一波長光又は多モード光の出力レベルは光増幅部12のp型電極27に印加する直流電流値で決まるので、たとえ出力レベルを変更したとしても、単一波長光の波長又は多モード光の中心波長は変化しない。よって、出力光29の出力レベルと波長とを独立して個別に制御可能である。
また、同一のn型半導体基板10上に光を発光する光発振部11とこの光発振部11で発光された光を増幅する光増幅部12とを形成しているので、出力される単一波長光又は多モード光に含まれるノイズを低減できる。
さらに、このような半導体発光素子9において、光発振部11におけるn型クラッド層13、回折格子層14、下側SCH層18、活性層19、上側SCH層20、p型クラッド層21からなる光伝搬路を伝搬される光の強度分布特性を図4に示す。前述したように、相対屈折率が大きい活性層19部分が最も光強度が高く、相対屈折率が小さいn型クラッド層13部分及びp型クラッド層21部分は低くなる。
強度分布特性Bは、n型クラッド層13としてn型InPを採用し、p型クラッド層21としてp型InPを採用した従来の一般的な光発振器の特性である。これに対して、強度分布特性Aは、n型クラッド層13としてn型InGaAsPの4元組成を採用し、p型クラッド層21としてp型InPを採用した実施形態の光発振部11の特性である。
InPからなるp型クラッド層21の相対屈折率より、InGaAsPからなるn型クラッド層13の相対屈折率の方が大きいので、p型クラッド層21部分を伝搬する光の量(強度)より、n型クラッド層13部分を伝搬する光の量(強度)が大きくなる。すなわち、光の強度分布特性Bがn型クラッド層13部分側へシフトした強度分布特性Aとなる。その結果、p型クラッド層21に吸収される光の絶対量が低下するので、この光発振部11から光増幅部12へ出力される単一波長光又は多モード光の光強度レベルが上昇する。
例えば、n型クラッド層をバンドギャップ波長0.97μm組成のInGaAsPとすることで、吸収損失は3.0cm-1以下まで低減される。この場合、n型InGaAsP層の厚さとしては、7μm以上の厚さがあれば十分な効果が得られる。
光増幅部12におけるn型クラッド層13とp型クラッド層21との関係は、光発振部11におけるn型クラッド層13とp型クラッド層21との関係と同じであるので、この光増幅部12から半導体発光素子9の外部へ出力される単一波長光又は多モード光の出力光29の出力レベルが上昇する。
次に、この半導体発光素子9をラマン光増幅器へ多モード光を供給する光源として使用する場合における結合係数κについて同じく図4を用いて説明する。光伝搬路をn型クラッド層13、回折格子層14、下側SCH層18、活性層19、上側SCH層20、p型クラッド層21で構成されるとすると、InPからなるp型クラッド層21に対して、n型クラッド層13をInGaAsPの4元組成で構成しているので、従来の光の強度分布特性Bがn型クラッド層13部分側へシフトした強度分布特性Aへ変化する。
その結果、回折格子層14の回折格子17を伝搬する光の量(強度)が大きくなるので、光伝搬路を伝送される光に対して格子15の存在に起因して反射される光の割合、すなわち回折格子17の結合係数κが大きくなる。
回折格子17の結合係数κが大きくなると、前述したように光発振部11において、効率的に所定レベル以上を有した複数の光からなる多モード光を得ることが可能となる。
図5は、結合係数κ=60cm-1、回折格子長L=600μm、すなわち、規格化結合係数κL=3.6に設定した回折格子17が組込まれた光発振部11から出力される多モード光の波長分布特性を示す。
図6は、同じく結合係数κ=60cm-1で、回折格子長Lを1/2の300μmに短縮した、すなわち、規格化結合係数κL=1.8に設定した回折格子17が組込まれた光発振部11から出力される単一波長光の波長分布特性を示す。
図6の単一波長光の発振波長が、図5の波長が異なる複数の光からなる多モード光の発振波長帯に含まれることから、図5における複数の発振を回折格子によって制御されていることが理解できる。
このように、規格化結合係数κLを2以上に設定すると、安定した多モード光が得られることが実証された。
(第2実施形態)
図7は本発明の第2実施形態に係わる半導体発光素子9aの上面図である。図1〜図3に示す第1実施形態の半導体発光素子9と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
この第2実施形態に係わる半導体発光素子9aにおいては、第1実施形態の半導体発光素子9における光増幅部12を、MMI(Multi Mode Interferometer)型光増幅器12aに置き換えている。このMMI型光増幅器12aにおいては、光の伝搬方向に対して一部分だけ幅広部分が形成された形状を有するメサ部が組込まれている。そして、光発振部11から入射した、単一波長光又は多モード光をほぼ円形の放射形状30に集光して、反射防止膜28を介して、出力光29として出力する。
このように、MMI型光増幅器12aを採用することにより、出力光29の放射パターンをほぼ円形に近似できるので、この半導体発光素子9aの出力光29を簡単に光ファイバへ導くことができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。各実施形態においては、分布帰還型(DFB)構造の光発振部11を採用したが、分布ブラッグ反射型(DBR)構造の光発振部11を採用することも可能である。
本発明の第1実施形態に係わる半導体発光素子の外観を示す斜視図 同実施形態に係わる半導体発光素子の光の伝搬方向に沿って切断した場合の断面図 図1の半導体発光素子をA―A’線で切断して矢印方向に見た場合の断面図 同実施形態の半導体発光素子における光強度分布特性を示す図 同実施形態の半導体発光素子から出力される多モード光の波長分布特性を示す図 同実施形態の半導体発光素子から出力される単一波長光の波長分布特性を示す図 本発明の第2実施形態に係わる半導体発光素子の上面図 従来の半導体レーザの外観を示す斜視図
符号の説明
9,9a…半導体発光素子、10…n型半導体基板、11…光発振部、12…光増幅部12a…MMI光増幅器、13…n型クラッド層、14…回折格子層、15…格子、16…隙間、17…回折格子、18…下側SCH層、19…活性層、20…上側SCH層、21…p型クラッド層、22,27,27a…p型電極、23…n型電極、24…p型埋込層、25…n型埋込層25、26…反射膜、28…反射防止膜、29…出力光、30…放射形状

Claims (3)

  1. InPからなる共通のn型半導体基板(10)上の一方部に、n型クラッド層(13)、回折格子層(14)、活性層(19)、InPからなるp型クラッド層(21)が順番に積層され、前記活性層で生成された光のうち前記回折格子層の回折格子(17)で選択された波長の光を出力する光発振部(11)と、
    この光発振部から出力された光が入射し、前記共通のn型半導体基板(10)上の他方部に、n型クラッド層(13)、活性層(19)、InPからなるp型クラッド層(21)が順番に積層されるとともに、前記入射した光を増幅して、反射防止膜(28)が形成された出射端面から出力する光増幅部(12)と
    を備えた半導体発光素子(9)であって、
    前記n型クラッド層は、InGaAsPにて構成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記光発振部における前記回折格子層の回折格子は互いに異なる波長を有する複数の光を選択して、前記光発振部から多モード光として出力することを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記光発振部は分布帰還形型(DFB)構造を有し、前記回折格子の光の伝搬方向の長さ(L)に結合係数(κ)を乗算した規格化結合係数(κL)が2以上であることを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子。
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