以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
<<アドレス情報共用システムの構成>>
図1は、本発明に係る情報処理装置を備えたアドレス情報共用システムを示す概略図である。このアドレス情報共用システム1は、画像入力端末3と、画像処理端末6と、無線端末7とがネットワーク9に接続されて構成されている。画像入力端末3、画像処理端末6、および無線端末7の何れも、CPU(Central Processing Unit )やメモリなどを有して構成された情報処理装置としてのコンピュータ装置の一例であり、装置に保存された電子データ、または、コンピュータ装置上で生成される電子データを、ネットワーク9で接続された他のコンピュータ装置(複数でもよい)に、ネットワークを介して送受信することができるようになっている。
コンピュータ装置としては、パーソナルコンピュータ装置(パソコン)、ファイルサーバ、WWW(World Wide Web)サーバ、電子メール送信サーバ、電子メール受信サーバなどのサーバ装置、プリンタ装置、スキャナ装置、ファックス装置、およびこれらの複合機などのオフィス機器、あるいは動画や音声の取込装置や再生装置など、種々の機器を含み得る。
また、アドレス情報共用システム1が取り扱うデータとしては、ワードプロセッサや表計算ソフトなどにより作成された文書ファイルや、コンピュータのプログラムファイル、さらにはスキャナ装置やFAX受信装置などから生成される画像データファイル、さらには、動画や音声の取込装置などから生成される動画や音声のデータストリームなどを含み得る。
たとえば、画像入力端末3は、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを作成し、あるいは編集などの処理をする、たとえばパソコン(パーソナルコンピュータ)3a、カラースキャナ3b、デジタルカメラ3c、またはハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などのデータ格納装置3d、さらにはFAX装置3eなど、任意数の画像入力ソースを含み得る。データ格納装置3dは、WWWサーバ3hとして機能させることもできる。
画像処理端末6は、たとえば複写機能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能などの複合機能を備えた複合機(マルチファンクション機)として構成された画像形成装置であり、デジタルプリント装置として構成されている。
画像入力端末3のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末3側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像処理端末6で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNG、TIFFなど)で記述される。またたとえば、パソコン3aで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像処理端末6に送られる。
PDLで作成されているデータ(PDLデータ)は、ページ内の任意位置の画像、図形、文字を表現する描画命令およびデータを任意の順で配置した命令およびデータ列で構成されている。このPDLデータを受け取った画像処理端末6は、印字前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してからプリンタエンジン部にそのラスタデータを出力する。
画像処理端末6は、大まかに、画像を読み取る画像読取装置4と、所定の出力媒体(たとえば印刷用紙)上に可視画像として形成するあるいは電子データとして所定の出力媒体に格納する画像形成装置5とを有して構成されている。
画像読取装置4は、データの送受信先を特定可能なアドレス情報など所定の情報を表す付加情報が埋め込まれている画像を印刷媒体(たとえばスキャンして取り込む)や電子データ(たとえばデジタルカメラで撮像)として取り込み、この付加情報が埋め込まれている画像から付加情報を復号し、この復号した付加情報を利用して所定の情報処理を行なう機能を有している。
画像形成装置5は、付加情報の埋込処理が可能に構成されている。画像形成装置5は、画像処理端末6における情報処理を行なうため、付加情報部分の元画像などをWWWサーバ3hに格納しておく。
画像処理端末6は、接続ケーブルを介して、それぞれ有線あるいは無線により一般の通信回線や専用回線などのネットワーク9に接続可能になっている。たとえば、接続ケーブルは、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LAN9aという)によりパソコン3aなどの画像入力端末3に接続される。
あるいは一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )9bを介してFAX装置3eなどの画像入力端末3に接続される。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
また、画像処理端末6は、屋内ネットワーク網として、無線あるいは有線により画像処理端末6との間でデータの送受信を可能とする有線ネットワーク網として一般に用いられている、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3fやUSB(Universal Serial Bus)2.0規格のデバイス3gなどとも接続可能となっており、これらのデバイス3f,3gからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイス3f,3gを介してリモートで画像処理端末6を制御することもできるようになっている。
また、画像処理端末6は、表示装置や印刷装置(プリンタ)を出力デバイスとして利用することで、処理済みの画像を出力する。出力された画像は、画像処理端末6において、2次利用(再利用)され得る。たとえば、取り込んだ画像に基づき可視画像を表示出力装置8aで表示出力する。また、必要に応じて(たとえばユーザからの指示を受けて)、取り込んだ画像に基づき可視画像を画像形成装置5や他のプリンタなどの出力装置8bで印刷用紙上に印刷出力する。
また画像処理端末6は、無線基地と無線通信するコンピュータ装置の一例である無線端末7と接続されることも可能である。無線端末7としては、たとえば、使用者によって携帯される携帯電話7aやPDA(Personal Digital Assistance ;移動携帯端末器)7bなどのモバイル機器(Mobile Computing)と言われる通信端末を利用することができる。
携帯電話7aには、電話番号を登録したり編集したりするアドレス管理ソフトウェアが組み込まれている。また、PDA7bには、スケジュール管理、住所録、メモ、アラームなどの個人で使う情報を総合的に管理するソフトウェアであるPIM(Personal Information Manager)が組み込まれている。各モバイル機器にそれぞれアドレス管理ソフトやPIMソフトを組み込み、各モバイル機器間やパソコンとの間でデータ連携を行なうことで、携帯電話7aやPDA7bに登録されるアドレス情報などの本来的には個人で使用する情報を、グループ単位など、相互に共有できる。
たとえば無線端末7は、画像入力端末3や画像処理端末6などのコンピュータ装置との間で、有線もしくは無線にて直接接続することもできるし、ネットワーク9を経由して接続することもできる。たとえば、無線端末7がネットワーク9に接続できないものであっても、無線基地を介することなく所定の端末用コネクタおよびケーブルを介して画像処理端末6と接続されることも可能である。または、ケーブルの代わりに、IrDA(Infrared Data Association )形式などの赤外線やその他の波長の光で接続されるようにしてもよい。
あるいは、屋内ネットワーク網として、無線あるいは有線により画像処理端末6との間でデータの送受信を可能とする適宜の屋内近距離無線通信網にて接続されてもよい。屋内近距離無線通信網としては、赤外線や微弱電波などを利用した無線通信システム、たとえばBlueTooth規格準拠システムやWireless1394規格準拠システムあるいはIEEE802.11規格準拠の無線LANシステムなどを利用すればよい。これらBlueTooth規格準拠システムなどの、ネットワーク9を経由して画像処理端末6と無線端末7とを接続するシステム構成とその規格は、公知のものであるので、各規格などについての詳細な説明は割愛する。
画像入力端末3や画像処理端末6は、データの送受信先を示すアドレス情報を保持している。また、携帯電話7aなどの無線端末7は、個人手帳のような特性を持っており、メモ代わりに電子メールアドレス・URL・URI・FAX番号などのアドレス情報を保持している。
アドレス情報共用システム1は、画像入力端末3や画像処理端末6あるいは無線端末7と言ったコンピュータ装置に保持されているアドレス情報を、一方のコンピュータ装置から他方のコンピュータ装置にデータの掃出し(push)形式でもしくは吸出し(pull)形式で、相互に転送し合うことで、共用することができるようになっている。
<<アドレス情報共用システムの情報処理の概要>>
図2は、図1に示したアドレス情報共用システム1における情報処理の一例を説明する図である。たとえば図2(A)に示す形態では、利用者は、ネットワーク接続可能なカラースキャナ(ネットワークスキャナ)3bを操作し、ネットワーク9を介して当該カラースキャナ3bと接続された画像処理端末6としてのネットワークプリンタを利用し、カラースキャナ3bにて生成されたデータをネットワークプリンタに送って印刷出力させる。
また、図2(B)に示す形態では、利用者は、画像処理端末6としてのネットワーク接続可能なネットワークスキャナを操作し、カラースキャナ3bにて生成されたデータを、ネットワーク9を介して当該ネットワークスキャナと接続された画像入力端末3としてのWWWサーバ3hに送って保持させる。
また、図2(C)に示す形態では、利用者は、画像処理端末6としてのネットワーク接続可能なネットワークプリンタを操作し、画像入力端末3としてのWWWサーバ3hに保存されているデータを取り込み、この取り込んだデータ、すなわちWWWサーバ3hにて保存されていたデータに基づいて印刷出力させる。
ここで、このような情報処理を行なう場合、利用者は、データを送受信する対象装置のアドレスを入力する必要がある。本実施形態では、このアドレス入力の操作を簡易にするべく、詳細は後述するが、他種類かつ多数のアドレス情報の中から、処理時点のデータ送受信に関わるアドレス情報のみを抽出してユーザに提示するようにしている。
たとえば、携帯電話7aに登録されている固定電話の電話番号、FAX用の電話番号(FAX番号)、ホームページアドレス(URIやURI)など、他種類かつ多数のアドレス情報の中から、装置が所定の情報処理を行なう際のデータ送受信の処理内容に関わるアドレス情報のみを抽出してユーザに提示する。
<電子計算機を利用した構成例>
図3は、アドレス情報共用システム1に使用される画像入力端末3や画像処理端末6あるいは無線端末7などのコンピュータ機器(以下情報端末100という)の一構成例を示すブロック図である。ここで示す情報端末100の構成は、CPUやメモリを利用してソフトウェア的に情報端末100を構成する、すなわちパーソナルコンピュータなどのコンピュータ(電子計算機)の機能を利用して情報端末100をソフトウェア的に実現する場合のハードウェア構成の一例を示している。
よって、アドレス情報登録処理手法やアドレス情報提示処理手法を適用した本発明に係る情報処理方法や情報処理装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。
もちろん、このようなコンピュータを用いた構成に限らず、それぞれの機能をなす専用のハードウェアの組合せにより構成することもできる。ソフトウェアにより処理を実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などを容易に変更できる利点を享受できるようになる。
電子計算機に一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込マイコンなど)、あるいは、CPU(Central Processing Unit )、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。
たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクFDを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、または半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスク装置などで構成されてもよい。または、ソフトウェアを構成するプログラムが、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
たとえば、所定の処理を行なう機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、ハードウェアにて構成する場合と同様の効果は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が所定の処理の機能を実現する。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで、処理を行なう機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって所定の処理(たとえばアドレスリストの提示に関わる一連の処理)を行なう機能が実現される場合であってもよい。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって所定の処理(たとえばアドレスリストの提示に関わる一連の処理)を行なう機能が実現される場合であってもよい。
電子計算機には、たとえば、複写アプリケーションやプリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムなど、従来の画像形成装置(たとえば印刷装置や複合機など)におけるものと同様のソフトウェアが組み込まれる。また、ネットワーク9を介して外部とのデータを送受信したりするための制御プログラムも組み込まれる。
このとき、所定の処理(たとえばアドレスリストの提示に関わる一連の処理)を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。たとえば、既存の複写装置制御ソフトやプリンタ制御ソフト(プリンタドライバ)に組み込まれるアドインソフトとして提供されてもよい。
画像処理端末6を構成するコンピュータシステム900は、コントローラー部901と、ハードディスク装置、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ、半導体メモリコントローラなどの、所定の記憶媒体からデータを読み出したり記録したりするための記録・読取制御部902とを有する。
コントローラー部901は、CPU912、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)913、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM(Random Access Memory)915、および不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)916を有している。
上記において“揮発性の記憶部”とは、画像処理端末6の電源がオフされた場合には、記憶内容を消滅してしまう形態の記憶部を意味する。一方、“不揮発性の記憶部”とは、画像処理端末6のメイン電源がオフされた場合でも、記憶内容を保持し続ける形態の記憶部を意味する。記憶内容を保持し続けることができるものであればよく、半導体製のメモリ素子自体が不揮発性を有するものに限らず、バックアップ電源を備えることで、揮発性のメモリ素子を“不揮発性”を呈するように構成するものであってもよい。また、半導体製のメモリ素子により構成することに限らず、磁気ディスクや光ディスクなどの媒体を利用して構成してもよい。
NVRAM916は、たとえば、電話帳データや電子メールアドレスなどのアドレス情報を記憶する。たとえば、NVRAM916には、本装置を共同で使用するのに際してアドレス情報を記憶するための共用記憶領域のほか、携帯電話7aやPDA7bなどから取得した私的に使用するアドレス情報や一時的に使用するアドレス情報を登録するためのプライベート記憶領域とが確保されている。プライベート記憶領域は、利用者ごとや端末ごとに管理できるようにするのがよい。
また、コンピュータシステム900は、ユーザインタフェースをなす機能部として、キーボードやマウスなどを有する指示入力部903と、操作時のガイダンス画面や処理結果などの所定の情報をユーザに提示する表示出力部904と、処理対象の画像を読み取る画像読取部(スキャナユニット)905と、画像処理端末6における処理済みの画像を所定の出力媒体(たとえば印刷用紙)に出力する画像形成部906と、各機能部との間のインタフェース機能をなすインタフェース部909とを有する。
インタフェース部909としては、処理データ(画像データを含む)や制御データの転送経路であるシステムバス991の他、たとえば、画像読取部905とのインタフェース機能をなすスキャナIF部995、画像形成部906や他のプリンタとのインタフェース機能をなすプリンタIF部996、およびインターネットなどのネットワーク9との間の通信データの受け渡しを仲介する通信IF部999を有している。
表示出力部904は、読み取った全体画像やガイダンス情報などの主要な情報を提示するためのメイン表示装置904aと、本実施形態特有の構成である、アドレス情報を必要に応じて登録もしくは提示するためのローカル表示装置904bとで構成されている。表示された情報を確認しながら所定の入力を行なう作業を効率的にできるように、メイン表示装置904aやローカル表示装置904bは、指示入力部903の近傍に配置するのがよい。
メイン表示装置904aは、たとえば、表示制御部942とCRT(Cathode Ray Tube;陰極線管)やLCD(Liquid Crystal Display;液晶)などでなるディスプレイ部944とを有する。たとえば、表示制御部942が、ディスプレイ部944上に、ガイダンス情報や画像読取部905が取り込んだ全体画像などを表示させる。なお、表示面上にタッチパネル932を有するディスプレイ部944とすることで、指先やペンなどで所定の情報を入力する指示入力部903を構成することもできる。
一方、ローカル表示装置904bとしては、操作パネルとして搭載されるものを使用することができる。なお、メイン表示装置904aとローカル表示装置904bとは、双方の機能を兼用する単一の表示装置であってもよい。また、読み取った全体画像をメイン表示装置904aにて表示することは、本願発明の実施形態としては必須の構成要素ではない。少なくとも、データ送受信に際してアドレス情報の指定を行なう際に、必要なアドレス情報に関しての操作ができるようになっていればよいからである。
画像読取部905は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤R、緑G、青Bのアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換する。
画像形成部906は、たとえば画像読取部905にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)。
このため、画像形成部906は、たとえばイエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの2値化信号などの印刷出力用データを生成する画像処理部962と、画像処理端末6をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャンベースのプリントエンジン964を備える。
このような構成において、CPU912は、システムバス991を介してシステム全体の制御を行なう。ROM913は、CPU912の制御プログラムなどを格納する。RAM915は、SRAM(Static Random Access Memory )などで構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータなどを格納する。また、RAM915は、所定のアプリケーションプログラムによって取得した電子ドキュメント(文字データのみに限らず画像データを含んでよい)や自装置に備えられている画像読取部905で取得した画像データ、さらには外部から取得した電子データなどを一時的に格納する領域を含んでいる。
たとえば、アドレスリストの提示に関わる一連の処理をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体を通じて配布される。あるいは、このプログラムは、CD−ROMではなくFDに格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカードなど、その他の記録媒体にプログラムを格納してもよい。さらに、他のサーバなどからインターネットなどのネットワーク9を経由してプログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新したりしてもよい。
なお、プログラムを提供するための記録媒体としては、FDやCD−ROMなどの他にも、DVDなどの光学記録媒体、MDなどの磁気記録媒体、PDなどの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアカードなどの半導体メモリを用いることができる。記録媒体の一例としてのFDやCD−ROMなどには、後で説明する画像処理端末6におけるアドレスリストの提示に関わる一連の処理の一部または全ての機能を格納することができる。
また、ハードディスク装置は、制御プログラムによる各種処理のためのデータを格納したり、画像読取部905で取得した画像データや外部から取得した印刷データなどを大量に一時的に格納したりする領域を含んでいる。また、ハードディスク装置、FDドライブ、あるいはCD−ROMドライブは、たとえば、CPU912にコンテンツ取得やアドレス取得あるいはアドレス設定などの処理をソフトウェアにて実行させるためのプログラムデータを登録するなどのために利用される。
なお、画像処理端末6の各機能部分の全ての処理をソフトウェアで行なうのではなく、これら機能部分の一部を専用のハードウェアにて行なう処理回路908を設けてもよい。この場合、図示するように、画像読取装置4における画像読取処理をなす読取処理部982や画像中にコード情報で埋め込まれている付加情報を復号する機能をなす復号処理部984、あるいは画像形成装置5側におけるアドレス情報などの付加情報の埋込処理機能をなす埋込処理部986や印刷出力用の画像データを生成する画像処理機能をなす画像処理部988を個別に設けてもよい。
なお、画像読取装置4と画像形成装置5とを個別に構成する場合、いうまでもなく、コンピュータシステム900は、それぞれに応じた構成とされるから、処理回路908を設ける場合にも、読取処理部982、復号処理部984、埋込処理部986、および画像処理部988を、それぞれに応じて設ける。
ソフトウェアで行なう仕組みは、並列処理や連続処理に柔軟に対処し得るものの、その処理が複雑になるに連れ、処理時間が長くなるため、処理速度の低下が問題となる。これに対して、ハードウェア処理回路で行なうことで、高速化を図ったアクセラレータシステムを構築することができるようになる。アクセラレータシステムは、処理が複雑であっても、処理速度の低下を防ぐことができ、高いスループットを得ることができる。
<<アドレス情報登録処理およびアドレス情報提示処理に着目した構成>>
図4は、情報端末100におけるアドレス情報提示機能およびアドレス情報登録機能に着目した一実施形態の機能ブロック図である。
図示するように、情報端末100は、他の情報端末100との間でデータ送信もしくはデータ受信の処理を伴う所定の情報処理を行なう情報処理部110と、データの送受信先を特定可能なアドレス情報を所定の入力ソースから取り込む(取得する)アドレス情報取得部120と、アドレス情報を保持するアドレス情報登録部の一例であるアドレス情報保持部130と、情報処理部110によるアドレス情報を用いた情報処理後の所定のタイミングで、使用したアドレス情報の消去を制御する当該アドレス情報の自端末上の登録内容や表示の消去を制御するアドレス情報消去制御部170と、利用者に関しての認証処理を行なう認証処理部180とを備えている。なお、アドレス情報消去制御部170や認証処理部180は、本願発明の実施形態としては、必須の構成要素ではなく、取り外してもよい。
また、情報端末100は、多数のアドレス情報(たとえばアドレス情報が羅列されたアドレスリスト)の中から、情報処理部110におけるデータ送受信の処理内容に関連するアドレス情報を抽出して利用者に提示する関連アドレス情報提示処理部200を備えている。
情報処理部110は、コンピュータ操作者(利用者)が選択したアドレス情報に適した送受信方法を判断する送受信方法判断部112と、送受信方法判断部112が判断した送受信方法に従って送受信処理を実行する送受信実行部114と、送信元もしくは返信希望先アドレスを送信データに添付するアドレス情報添付処理部116とを有している。この情報処理部110は、たとえばブラウザソフトや電子メールソフトなどが組み込まれ、送受信実行部114にてデータ送受信処理を行ないつつ、Web情報の提供処理やメール送受信処理など、様々な情報処理を行なう。
送受信実行部114は、指定されたアドレス情報に対応したコンピュータ装置との間で、一般的にコンピュータネットワークに用いられている通信プロトコルを用いて、通信処理を実行する。通信プロトコルとしては、たとえば、FAXであればG3/G4、電子メールであればSMTP(Simple Mail Transfer Protocol )やPOPもしくはAPOP、ファイル転送であればFTP(File Transfer Protocol)やHTTP(HyperText Transfer Protocol )、ファイルシステムであれば、NFS(Network File System )やSMB(Server Message Block)などがある。
ここで、SMTPは、インターネット上で電子メールの転送に利用されているプロトコル(通信手順)である。POPは、インターネットやイントラネット上でメールソフトなどを使ってメールサーバにアクセスし、電子メールの内容を取り出すためのプロトコルである。通常、メールの送受信にはSMTPを用いるが、非稼働のマシンでは受信できないので、メールサーバをおき、クライアントがとりに行く形をとるが、その際に使用されるプロトコルがPOPである。
なお、POPは認証用のパスワードを特に暗号化することなく通信するので、通信路を傍受されるとパスワードを盗まれる恐れがある。この問題を解消する一手法がAPOPであり、POPのセキュリティ面を強化したプロトコルである。APOPでは認証の際にパスワードを一度暗号化してから通信路に流すので、傍受されてもパスワードを盗用される危険性は低い。
FTPは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )の上位層で働くファイル転送プロトコルである。HTTPは、インターネットにおいて、WWWサーバとWWWクライアントの間でHTML文書を送受信するための通信プロトコルである。
NFSは、ネットワークを通じたファイル共有を可能とするものである。SMBは、ファイルサービスのためのSMBプロトコルに従うもので、ファイルの共有サービスやプリンタ共有サービス、コンピュータ名のブラウズ、プロセス間通信、あるいはメールスロット機能などを持つものである。このSMBプロトコルを正式にドキュメント化して、インターネット上などでファイル共有サービスとして利用できるようにしたものが、CIFS(Common Internet File System )プロトコルである。
アドレス情報消去制御部170は、アドレス情報を用いた情報処理後の所定タイミングで、当該使用したアドレス情報の記憶媒体132への登録や操作パネル部600aや表示デバイス600cの表示を自動的に消去させる。このため、アドレス情報消去制御部170は、利用者によるアドレス情報の使用が終了したことを検知する使用終了検知部172と、情報端末100と無線端末7や他の情報端末100との接続状態を監視し、監視結果を使用終了検知部172に通知する接続監視部174と、利用者がアドレス情報を決定した後の経過時間を計測する時間測定部176とを有している。
認証処理部180は、情報端末100の利用に関して、所定の認証処理を経た後に使用を許可する。機械管理者や利用者は、予め、自身の認証番号を、認証処理部180の図示しない登録部(記憶部の一例)に登録しておく。
関連アドレス情報提示処理部200は、アドレス情報取得部120が取り込むアドレス情報の種類を判別するアドレス種類判別部と、このアドレス種類判別部により判別された結果に基づいて所望のアドレス情報を選択してデータの送受信を伴う情報処理を行なう情報処理部の各機能を持っている。
具体的には、関連アドレス情報提示処理部200は、アドレス情報取得部110が取得したアドレス情報を情報処理部110におけるデータ送受信の処理内容に基づいて分類する関連アドレス情報分類部240と、アドレス情報取得部110が取得したアドレス情報に付されている目印情報(グループ分けに資する情報)を検出してアドレス情報をグループ分けするアドレス情報グループ化部250とを有している。
関連アドレス情報分類部240は、アドレス情報取得部120が取り込むアドレス情報の種類を判別してアドレス情報を分類する。アドレス情報グループ化部250は、アドレス情報のグループ属性を判別してアドレス情報を分類する。何れも、アドレス情報取得部120が取り込むアドレス情報の種類を判別するアドレス種類判別部の一例である。
また関連アドレス情報提示処理部200は、関連アドレス情報分類部240やアドレス情報グループ化部250による分類結果に基づいて所定のアドレス情報をユーザに提示するアドレス情報提示部260と、ユーザ操作を受け付けるユーザインタフェース部600とを有している。
ユーザインタフェース部600は、装置の状態をユーザに知らせたり装置使用のためのガイダンス情報やデータ送受信の対象先を示すアドレス情報やその他の種々の情報を表示させたりするとともにオペレータ(一般ユーザや管理者)ユーザからの指示入力を受け付けるタッチパネルが設けられた操作パネル部600aと、各種の機能設定キーを含み、オペレータからの装置に対する種々の指示入力を受け付けるための操作キー部600bとを有する。
操作キー部600bには、ガイダンス情報などの音声メッセージを発するスピーカなどの発音部660が設けられている。
機能設定キーとしては、出力枚数や倍率などの置数を入力するテンキー602、置数などを予め設定された標準値に戻すクリアキー620、ユーザにより指示された設定を標準設定に戻すリセットキー622、装置動作を開始させるスタートキー630、あるいは装置動作を中止させるストップキー632、その他の各種の機能設定キーを有する。
また操作キー部600bには、電話帳機能や電子メール機能などに対応してデータの送受信先のアドレス情報を登録したり検索したりする際に操作するためのアドレス情報ダイヤル670や、たとえば複写機能用としての種々の動作モードキー642〜648や設定されたモードがの状態を表示する表示LED650が設けられている。
なお、ここで示したユーザインタフェース部600の構成は一例であって、情報端末100に各種の指示を与えるための入力インタフェースは、図示した操作キー部600bの例に限らず、その他のキーやキーが配列されたキーボードなどの物理的なものの他、操作パネル部600aにキーを表示して指示を受け付ける、ソフトウェアキーボードやソフトウェアテンキーなどを利用することができる。あるいは、パネル状のものではなく、CRTや液晶などの表示デバイス600cとキーボードやマウスなどの指示入力デバイス600dとを備えるものとしてもよい。
情報処理部110がデータを送受信する際には、IPアドレス・電子メールアドレス・URL・URI・FAX番号・電話番号など、宛先となるコンピュータ装置を特定するアドレス情報が必要となる。ここで、データの送受信を行なう利用者が、データを送受信する都度、ユーザインタフェース部600で数字やアルファベットなどで示されるアドレス情報を入力する形態を採ってもよいが、数字やアルファベットの入力操作が煩雑になる。
そこで、本実施形態では、予めアドレス情報が羅列されたアドレスリストから所望のアドレス情報を選択する、という方法を用いる。一般的に、利用者は、個人的に使用するコンピュータ装置に個人的に使用するアドレス帳を保持している。アドレス情報を必要とするときに、アドレス帳から所定のアドレスリストを読み出して表示させ、表示されたアドレスリストから利用者が所望のアドレス情報を選択する。
ただし、一般的には、IPアドレス・電子メールアドレス・URL・URI・FAX番号・電話番号など、種々のアドレス情報が装置に登録されていることがある。この場合、登録されているアドレス情報の全てを利用者に提示して選択するようにすると、処理時点のデータ送受信には関係のないアドレス情報も提示されることになり、選択肢が多くなるため、たとえ「あいうえお」順あるいは「ABC」順などでソートが行なわれて提示されても、利用者が所望のアドレス情報を検索するのに手間が掛かる、接続時間が長くなる、あるいは、アドレス情報を誤選択してしまう、などの問題が起こり得る。
これらの問題を解消するため、本実施形態では、アドレスリストと言った形態で整理されて登録されているアドレス情報や、無差別に記憶保持されているアドレス情報、あるいは文書ファイルにテキストとして記述されているアドレス情報など、無線端末7を始めとする他方の情報端末100に登録されている種々のアドレス情報の中から、処理時点のデータの送受信に関係のあるアドレス情報を抽出して利用者に提示するようにする。以下具体的に説明する。
先ず、アドレス情報取得部120は、他の情報端末100や利用者が所有する無線端末7のアドレス情報を検索することで他端末のアドレス情報を取得する検索処理部122と、予め定められている書式(定型フォーマット)に従ってアドレス情報が記述されている定型データを取得しこの定型データからアドレス情報を抽出する定型データ取得部124とを有している。
また、アドレス情報取得部120は、印刷媒体に記載されたアドレス情報を読み取ることで他端末のアドレス情報を取得する読取処理部126と、アドレス情報がコード化されて付加情報(コード情報)として画像中に埋め込まれている画像を読み取り、コード化された付加情報を復号することで他端末のアドレス情報を取得する復号処理部128とを有している。
なお、本実施形態のアドレス情報取得部120は、情報処理部110の送受信処理に関連しないアドレス情報をも取得するものであってもかまわない。また、他端末のアドレス情報を取得することができればよく、検索処理部122、定型データ取得部124、読取処理部126、および復号処理部128の全てを有している必要はなく、これらの何れか1つを少なくとも有していればよい。
また、情報処理部110の送受信処理に関連したアドレス情報のみを関連アドレス情報提示処理部200がユーザに提示するものであればよく、他端末からアドレス情報を取得するアドレス情報取得部120は、情報処理部110の送受信処理に関連しないアドレス情報をも取得するものであってもよい。
ただし、アドレス情報取得部120によるアドレス情報の取得時に、予め情報処理部110の送受信処理に関連したアドレス情報のみを取得するようにすれば、ユーザにとって不要なアドレス情報の取得を省略することができ、アドレス情報の取込みに要する時間を短縮できる。ネットワーク9を介して他端末からアドレス情報を取得する構成の場合にはネットワーク負荷を軽減できる。
アドレス情報取得部120は、アドレス情報を整理したアドレスファイル(所定フォーマットの電話帳や電子メールアドレス帳など)を他端末から取得してもよいし、文書ファイルからアドレス情報を抽出してもよい。
たとえば、アドレス情報を表す文字列には、規則的に定式化された文字列が存在する。したがって、アドレス情報を含むファイル(標準的なテキストファイルやHTMLファイル、あるいは専用の文書作成ソフトで作成された独自フォーマットの文書ファイルなど)から、情報処理部110によるデータ送受信の処理内容と対応した、アドレス情報が持つ規則的に定式化された文字列の部分を抽出すればアドレス情報を取得できる。
アドレス情報取得部120は、検索処理部122などを利用して取得した他の無線端末7を始めとする他の情報端末100のアドレス情報をアドレス情報保持部130に渡すことで、他端末のアドレス情報を自装置内に登録(一時的な登録も含む)する。
これにより、アドレス情報共用システム1においては、それぞれのアドレス情報登録部内に独立して登録されているアドレス情報を、一方の情報端末100から他方の情報端末100に転送して使用することができるようになる。たとえば、自分が保有する携帯電話7aの電話帳情報や電子メールアドレスあるいはお好みのホームページアドレス(URI)を、相手側の情報端末100のアドレス情報登録部内に書き込むことが可能となる。
たとえば、昨今、携帯電話やPDAあるいはポケット(Pocket)PCなどの携帯端末が広く普及している。これら携帯端末は、所有者が常に持ち歩くことから、個人手帳のような電話帳やメモとしての機能を有している。また、昨今、ネットワークに接続し、電子メールサービスやWebサービスを利用できる機能を有している。これらのことから、電話帳には、携帯電話や固定電話の電話番号に加え、電子メールアドレス・URL・URIなどのアドレス情報が記載されている。
ネットワークに接続できない携帯端末でも、個人手帳のような特性を持っていることから、メモ代わりに電子メールアドレス・URL・URI・FAX番号などが記載されている。さらに、携帯端末の電話帳は、所有者自身が管理するため、所有者が利用する個人的な連絡先となるアドレス情報が網羅されている。
そこで、検索処理部122は、たとえば一般的なキーワード検索などを利用して、自装置内のアドレス情報保持部130が保持しているアドレス情報や、参照子がTXT、HTML、CSVなど、ホームページアドレスや電子メールアドレスなどの種々のアドレス情報(纏めて他端末アドレス情報という)が含まれている可能性のあるデータファイルを検索することで、アドレス情報を取得する。
また、検索処理部122は、自端末の他、アドレス情報共用システム1を構成するコンピュータ装置である情報端末100に接続された携帯電話7aやPDA7bなどの無線端末7、あるいはその他の情報端末100から、これらにおいて、電話帳や電子メールアドレス帳などのアドレスリストと言った形態で整理されて登録されているアドレス情報や、アドレス情報が含まれている可能性のあるデータファイルを検索することで、他端末のアドレス情報を取得する。
実現例としては、たとえば、無線端末7にて保持しているアドレス帳を取得し編集・バックアップ目的の保存を行なう市販ソフトウェアなどを利用する手法がある。たとえば、検索処理部122は、無線端末7や他の情報端末100などの他端末との間で制御コマンドをやり取りすることにより、他端末から電話番号や電子メールアドレスなどのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報と1対1に対応する記憶領域をNVRAM916に確保し、その記憶領域に他端末のアドレス情報を取り込むといった動作を行なう。なお、無線端末7などからの他端末アドレス情報の取得は、現在技術的に実現されているため、実現は容易である。そのため、ここでは詳細な説明は省略する。
また、今日では、たとえば、vCardという個人情報をやり取りするためのプレーンテキストで記述されるフォーマットが世界標準として制定されており、電話帳などのアドレス情報をアプリケーション間でやり取りすることができるようになっている。
なお、vCardは、“Electronic Business Cards ”すなわち電子名刺のことであり、バーシットコンソーシアム(現インターネットメールコンソーシアム:IMC)が推進する共通データフォーマットのことである。たとえばIMCのVer.2.1 や、RFC2425/2426で規定されるIETF(The Internet Engineering Task Force )の Vre.3.0などがある。今日、主要なPIMソフトや電子メールソフトは、このvCardに対応するようになっている。
自分のvCardデータ(拡張子:vcf)を作ったら、たとえば電子メールに添付して相手に送信することができる。こうして種々の相手とvCardを交換し合うことによって、これがアドレス帳そのものとなる。一方の端末上で入力した電話番号などのアドレス情報を簡単に他方の端末に登録することができる。
図5は、vCardで規定されている電子名刺の一例を示した図である。vCardで規定されているのは、名前や電話番号などの個人情報である。このフォーマットはテキスト形式であり、たとえば赤外線ポート経由で電話番号や住所の入ったvCardデータを交換できることはもとより、vCardデータを電子メールに添付することで、電子メールでの名刺データの交換もできるようになっている。
vCardデータは、一人につき1ファイルである。図示するように、このvCardの記述は、BEGIN:〜で始まり、END:〜で終わる行ベースのフォーマットが使われている。プレーンテキストの内容は、項目とそれに対応するデータが1行に1つ並んでいる形式となっている。行の長さ、および長い行の処理は通常の電子メールの処理と同じで、文字コードや国の表記にはインターネットで利用されているものを使う。たとえば、図示する内容をテキストエディタで書き込んで、所定のファイル名(たとえばABCDE)を付して“ABCDE.vcf”で保存することで、vCardデータが出来上がる。
図5を参照して、項目とそれに対応するデータを説明すると、以下の通りである。
L1)BEGIN:VCARD
vCardの開始宣言である。
L2)VERSION:3.0
vCardのバージョンを示す。
L3)N:奥山
氏名の名前を記述する部分である。
L4)FN:太郎
氏名の苗字(First Name)を記述する部分である。
L5)SORT-STRING:オクヤマタロウ
ふりがなを記述する部分である。
L6〜L8)TEL;TYPE=PREF;WORK:0312345678、など
電話番号を記述する部分である。“TYPE= ”でアイコン属性を指定することができる。たとえばL6では“PREF; ”とし、優先順位を第1位に設定するとともに、“WORK”とし「会社の電話番号」に設定している。L7では“CELL”としアイコン属性を「携帯電話」に設定しており、またL8では“PCS ”としアイコン属性を「PHS(Personal Handy-phone System) 」に設定している。“HOME: ”にすることで「自宅の電話番号」に設定できるし、“FAX: ”にすることで「ファックス番号」にも設定できる。
L9〜L11)X-REDUCTION:001、など
L6〜L8に記述した電話番号のメモリ番号を記述する部分である。
L12,L13)EMAIL;TYPE=PREF;INTERNET:okuyama@work.com、など
電子メールアドレスを記述する部分である。“TYPE= ”でアイコン属性を指定することができる。たとえばL12では“PREF; ”とし、優先順位を第1位に設定するとともに、“INTERNET”としインターネット上の電子メールアドレスを設定している。
L14)ADR;TYPE=WORK:;%%事業所;***430;足柄上郡@@@;神奈川県;259-0157;日本
住所を記述する部分である。
L15)URL:http://www.work.com/
ホームページアドレスであるであるURLを記述する部分である。
L16)CLASS:PRIVATE
プライベート設定をする部分である。正規の利用者以外に対しては、データの相互利用を認めないようにすることができる。
L17)REV:20030930T090814Z
作成日時を記述する部分である。
L18)X-GNO:1
グループ番号を記述する部分である。
L19)CATEGORIES:$$$$株式会社
グループ番号に対応したカテゴリ名を記述する部分である。この例では会社名でグループ分けしているが、たとえばオフィス用途、個人用途など、自由なグループ分けが可能である。
L20)NOTE:192.168.0.1
メモ欄であり、コメントを自由に記述できる。
L21)END:VCARD
vCardの終了宣言である。
なお、この図5は、項目とそれに対応するデータの一例を示したものであり、項目はこの例に限らない。また、端末の機能に応じて拡張項目を設定することもできる。
図4に戻って説明を続ける。定型データ取得部124は、上記vCardで記述された名刺データを、たとえば赤外線通信規格のIrDA1.0/1.1をベースとした通信方式であるIrMC(Infrared Mobile Communication )に従って、赤外線ポート経由で無線端末7との間で相互に交換する。非常に簡単にアドレス情報を共有し合うことができる。なお、vCardで記述された名刺データは、情報端末100が無線端末7からプル(pull)するようにしてもよいし、無線端末7側でのボタン操作により情報端末100側へプッシュ(push)してもよい。
定型データ取得部124は、定型フォーマットに従ってアドレス情報が記述されている定型データからアドレス情報を抽出するものであればよく、定型フォーマットはvCardに限定されない。
たとえば、PIMソフトや電子手帳などの間で相互にデータをやり取りする際に一般的に用いられる、データの項目ごとにカンマで区切って羅列するファイル形式(CSV形式)を利用することができる。この場合、一方の機器においてはアドレス情報をCSV形式に変換してファイルに出力(エクスポート;Export)し、他方の機器においては、CSV形式のアドレス帳データを取り込んで(インポート;Import)して、自装置で取扱い可能な形式に変換すればよい。
また、定型化されたフォーマットに従った電子データを利用するものであればよく、vCardやCSV形式などの電子データの形態でデータのやり取りをするものに限定されない。たとえば、通常、名刺の記載フォーマットは会社ごとに異なるが、同一会社の範囲では統一させることができる。この場合、後述する読取処理部126と同様に、定型データ取得部124は、OCR(Optical Character Reader)処理を利用して名刺のアドレス情報を表した文字部分を読み取り、読み取った画像を解析することでアドレス情報を抽出するようにしてもよい。記載内容が定型化されているので、後述する読取処理部126とは異なり、登録項目と登録内容の修正作業は不要と考えてよい。
<定型データ取得部を備えた構成の特有の処理>
本実施形態において、アドレス情報取得部120に定型データ取得部124を設けることで、vCardを携帯電話などモバイル機器からコンピュータ装置へ送信してアドレス情報を取得するアドレス情報入手方式の仕組みを構築することができる。
ここで、コンピュータ装置としての情報端末100は、vCardに含まれる1つもしくは複数のアドレス情報を表示手段の一例である操作パネル部600aにて表示し、コンピュータ操作者(利用者)がどのアドレスへデータを送信したいかの指示を受け付ける。 ユーザインタフェース部600は、ユーザがあるアドレスを選択したことを検知すると、選択されたアドレス情報を送受信方法判断部112に通知する。送受信方法判断部112は、電子メールやFAXなど、選択されたアドレス情報に適した送信方法を判断して、この判断結果を送受信実行部114に通知する。送受信実行部114は、この送受信方法判断部112が判断した送受信方法に従って通信処理を実行する。
また、vCardを携帯電話などモバイル機器からコンピュータ装置へ送信してアドレス情報を取得するアドレス情報入手方式とする場合において、vCardには、送信先アドレスだけでなく、送信元もしくは返信希望先アドレスを含むようにしてもよい。
この場合、情報処理部110がデータを相手先に電子ファイルとして送信する場合(電子メール)には、アドレス情報添付処理部116は、送信元もしくは返信希望先のアドレスを添付する。送受信実行部114は、この送信元もしくは返信希望先アドレスが添付されたデータを相手先のコンピュータ装置(受信先端末)に送付する。
この送付を受けた相手先のコンピュータ装置は、受け取った電子ファイルに基づいて印字出力(FAX出力)する場合には、添付されている送信元もしくは返信希望先のアドレスを、送付状の所定位置に、あるいは出力用紙の通常画像が形成される領域外の余白部分(たとえば上下左右何れかの縁縁部)に追加印字出力する。この余白部分は、印刷内容に拘らず、一定の印字画像領域が割り当てられ、その領域の外側に設定されるもので、一般的には、上部の余白をヘッダ、下部の余白をフッタ、などと称しているものである。
また、読取処理部126は、OCR(Optical Character Reader)処理を利用して、アドレス情報が記載された紙文書や名刺などのアドレス情報を表した文字部分をスキャナ(画像読取装置)で読み取り、読み取った画像を解析してコンピュータ上で加工編集が可能な文字データに変換する。そして、アドレス情報が持つ規則的に定式化された文字列の部分を抽出することで、アドレス情報を自動的に取得する。このようなOCR処理の仕組みは、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を割愛する。
なお、OCR処理の文字認識率は100%ではなく、通常、多少の誤認識があるので、必要に応じて、利用者は認識結果を修正するのがよい。また、名刺の記載フォーマットは会社ごとに異なり、記載される項目にもばら付きを持つので、登録項目と登録内容の修正が必要になることもある。
また復号処理部128は、アドレス情報が付加情報として埋め込まれた画像を読み取ってアドレス情報を取得する。画像データに対し1次元バーコードや2次元バーコード(QRコードなど)などの付加情報を画像に埋め込んでおき、この付加情報を利用する仕組みや、付加情報を人間の目には認識し難いような形式で付加する電子透かし技術は、たとえば特開2002−135556号公報や特開平11−205580号公報などに記載されている。このような仕組みは、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を割愛する。
アドレス情報保持部130は、自装置にて利用者により入力されたアドレス情報や、アドレス情報取得部120にて取得された他端末アドレス情報を、情報端末100内の記憶媒体132に保持する。記憶媒体132としては、NVRAM916やハードディスク装置134を利用することができる。
これにより、記憶媒体132には、電話番号や氏名、住所などの電話帳情報や、電子メールアドレス、あるいはホームページアドレス(URL)などのアドレス情報が登録される。アドレス情報は、記憶媒体132内において、たとえば「あいうえお」順あるいは「ABC」順などのソートが行なわれて登録される。
また、情報処理部110のデータ送受信に際して、所定の呼出操作が行なわれることによって、記憶媒体132に登録されたアドレス情報の呼出しが行なわれる。つまり、NVRAM916などからなる記憶媒体132には、各端末にて登録されているアドレス情報と1対1に対応して各端末のアドレス情報を登録することができる。また、こうして登録されたアドレス情報を、該当する他の端末が接続されている場合に呼び出すといったパーソナルサービス機能を実現できる。
なお、アドレス情報保持部130は、アドレス情報の登録の際、情報端末100を共同で使用するのに対応した共用アドレス情報に関しては共用記憶領域に記憶し、私的に使用するアドレス情報や一時的に使用するアドレス情報(纏めてプライベートアドレス情報という)に関してはプライベート記憶領域に記憶する。プライベート記憶領域は、利用者ごとや端末ごとに管理するとともに、各自の電話帳情報などが適正に保全されるようにセキュリティ処理を施すのがよい。
アドレス情報の保持は、個々のアドレス情報やアドレス帳データを情報端末100の内部記憶装置の一例であるNVRAM916に展開すれば実現できる。内部記憶装置の他の一例であるハードディスク装置に格納してもよい。
内部記憶装置に展開されたアドレス情報は、コンピュータ装置である情報端末100の基本ソフト(OS:Operating System)によって管理する。たとえば、共用記憶領域に展開されたアドレス情報は、認証手続きを要せずにオールフリーで相互利用を可能にする。
一方、プライベート記憶領域に展開されたアドレス情報に対しては、セキュリティ処理を施して保護する。利用者ごとや機器ごとに特定のアドレス情報について秘密保持するセキュリティレベルの設定を可能にするのがよい。セキュリティレベルは、各端末のアドレス情報の全体に設定してもよいし、個々のアドレス情報について個別に設定してもよい。
プライベート記憶領域に登録したアドレス情報の使用時には、認証情報の照合を行なうことで、正規の利用者のみがアドレス情報を参照できるようにする。たとえば、パスワード登録を行なうことによって、正規の利用者以外に対しては、秘密を保持して相互利用を禁止し、あるいは削除や訂正などが行なわれないようにする。
このため、アドレス情報共用システム1においては、コンピュータ機器がネットワーク9を介して相互に接続されていても、通常の操作では、プライベート記憶領域に展開されたアドレス情報の漏洩の危険はないと考えてよい。一方、共用記憶領域に展開されたアドレス情報は、認証手続きを要せずに相互利用が可能になる。
また、アドレス情報は、装置内部の記憶装置に限らず、フレキシブルディスクや磁気テープあるいは各種規格に準拠した半導体メモリなどの外部記憶媒体に展開して記憶することもできる。この場合、アドレス情報を暗号化して保持することで、情報漏洩を防止するようにする。復号化できなければ意味をなさないデータとなり、アドレス情報の漏洩の危険を防止できる。なお、暗号化や復号化の各手法としては、種々の方法が公知であるので、ここではその詳細な説明を割愛する。
ただし、パスワードなどの認証情報の管理が不十分である場合や、コンピュータ機器についての高度な技能を持った利用者の操作や、解読ソフトなどを使用した利用者の操作により、アドレス情報の漏洩が起こり得る。また、パスワードなどの認証情報の入力を受け付け、個人的なアドレス情報の漏洩が起こらないようにすると、装置使用の都度認証情報の入力が必要となり、入力の手間が増える。本実施形態では、これらの問題を解決するため、アドレス情報消去制御部170が設けられている。
アドレス情報消去制御部170は、アドレス情報取得部120にて取得した個々のアドレス情報やアドレス帳などの他端末アドレス情報に正規の利用者以外がアクセスできないようにするために、所定の条件の元に、他端末アドレス情報を消去することで、他端末アドレス情報が、ネットワークや外部記憶媒体を介して漏洩することを確実に防止する。
他の端末から取り込んだ他端末アドレス情報については、使用後に常に消去処理を自動的に行なうことで、プライベートなアドレス情報が確実に保全されるようにするのがよい。この場合、個人的なアドレス情報の漏洩が起こらないようにするに際して、装置使用の都度認証情報の入力をする必要性がなく、使い勝手がよい。認証情報の管理不十分や、高度な技能を持った利用者の操作や、解読ソフトなどを使用した利用者の操作などによるアドレス情報の漏洩は起こらない。
なお、認証情報の入力の手間が増えるが、不正な消去が行なわれないよう、認証処理部180による認証処理と協働して、消去処理を許可する利用者を制限して、登録済みのアドレス情報が適正に保全されるようにするセキュリティ対策を講じてもよい。
他端末アドレス情報の消去は、先ず、内部記憶装置や外部記憶装置にて保持している他端末アドレス情報の記憶装置上のアドレスを消去したり、FAT(File Allocation Table )などのファイルシステムの内容を更新したりすることで実現できる。
ただし、これらの場合、物理的には以前として他端末アドレス情報が記憶媒体に記録されているので、コンピュータ機器についての高度な技能を持ったものの操作やデータ復元ソフトなどを使用した利用者の操作により、他端末アドレス情報の漏洩が起こり得る。
このため、他端末アドレス情報の消去の他の形態として、記憶媒体の他端末アドレス情報が記録されていた領域に、“0”だけの数列やランダム整数などの無意味な情報を書き込むことで、さらに隠蔽の危険を避けるようにする。
なお、操作パネル部600aなどのユーザインタフェース画面にて、他端末アドレス情報を表示している場合は、画面情報を消去し、あるいは“0”だけの数列やランダム整数などの無意味な情報の表示に切り替えることで、他端末アドレス情報が表示媒体を介して漏洩することも確実に防止する。
ここで、アドレス情報消去制御部170が、他端末アドレス情報を消去する条件としては、情報処理部110におけるデータ送受信処理時に利用者がアドレス情報を特定したことをもってアドレス情報の使用を終了したと判断し他端末アドレス情報を消去する第1の条件、情報端末100と無線端末7や他の情報端末100との間の通信接続が切れたことをもってアドレス情報の使用を終了したと判断し他端末アドレス情報を消去する第2の条件、あるいは、アドレス情報の使用終了に関わる利用者からの明示的な要求に伴ってアドレス情報の使用を終了したと判断し他端末アドレス情報を消去する第3の条件、さらには利用者がアドレス情報を決定した後、一定時間が経過した時点で使用終了と判断し他端末アドレス情報を消去する第4の条件、あるいはこれら4つの条件の組合せなどを採用できる。
たとえば、アドレス情報消去制御部170は、利用者が情報端末100を使用後にアドレス情報を確実に消去するため、利用者による他端末アドレス情報の使用が終了したことを使用終了検知部172が検知すると、アドレス情報の使用終了と判断し、アドレス情報保持部130に対して、他端末アドレス情報の消去を命じる。
使用終了検知部172は、たとえば、利用者がデータの受信先となる他の無線端末7を始めとする他の情報端末100を特定しデータの送受信を開始させた時点で、もしくは情報端末100の使用終了の通知を利用者から受けた時点やアドレス情報の消去要求を利用者から受けた時点で、アドレス情報の使用終了と判断する。
また、アドレス情報消去制御部170は、利用者が情報端末100を使用後にアドレス情報を確実に消去するため、たとえば利用者が所有する携帯電話7aなどの無線端末7と利用者が使用している情報端末100の通信接続が切れたことを接続監視部174が検知すると、アドレス情報の使用終了と判断し、アドレス情報保持部130に対して、他端末アドレス情報の消去を命じる。
あるいは、アドレス情報消去制御部170は、利用者がアドレス情報を特定した後の経過時間を時間測定部176により測定している。この測定結果が予め定められた一定時間に達すると、使用終了検知部172は、アドレス情報の使用終了と判断し、アドレス情報保持部130に対して、他端末アドレス情報の消去を命じる。
また、本実施形態の情報端末100においては、関連アドレス情報分類部240とアドレス情報グループ化部250とを備えている点に特徴を有している。なお、関連アドレス情報分類部240とアドレス情報グループ化部250は、少なくとも何れか一方を備えていればよい。
また、両者を備える構成の場合、関連アドレス情報分類部240とアドレス情報グループ化部250の処理順は、どちらが先でもよく、最終的にアドレス情報保持部130に保持されるアドレス情報の状況や、利用者に提示されるアドレス情報には、なんら変わりはない。
アドレス情報提示部260は、関連アドレス情報分類部240による分類結果やアドレス情報グループ化部250によるグループ化結果を加味して、所定の条件に合致するアドレス情報、具体的には、処理時点のデータ送受信に関わるアドレスリストを、操作パネル部600aや表示デバイス600cにて利用者に提示する。
ユーザインタフェース部600は、この提示結果を受けて利用者により選択されたアドレス情報を受け付け、情報処理部110へ通知する。関連アドレス情報分類結果やアドレス情報グループ化結果を参照するのは、たとえば、それぞれのフラグ情報を参照すればよい。
アドレス情報提示部260は、たとえば、ユーザインタフェース(UI)画面を、ホームページを作成するときに使われるページ記述言語であるHTML(Hypertext Markup Language )とHTMLブラウザで構成し、アドレスリストの各アドレス情報をHTMLのリンクとしておく。利用者が所望のアドレス情報が記述されているリンクを選択することで、アドレス情報を決定することができる。
ここで、アドレス情報提示部260は、アドレスリストを提示するときには、処理時点のデータの送受信に関係のあるアドレス情報を抽出して利用者に提示すればよく、その一例として、データ送受信の処理内容に関連しないアドレス情報を隠して提示すればよい。関係のないアドレス情報が提示されていないので、選択対象範囲が狭くなり、検索が簡単になるし、誤選択も起こり難い。検索が簡単になることで、ネットワーク9への接続時間を短くすることができ、接続コストを低減できる。
あるいは、他の一例として、関連しないアドレス情報を提示するが選択できないようにしてもよい。視覚的には選択対象範囲は従来の提示手法と変りがないが、関係のないアドレス情報を誤選択することは起こらないし、ネットワーク9への接続時間を短くでき、接続コストを低減できる。
なお、アドレス情報提示部260によるこれらのアドレス情報を提示する手法は一例であって、処理時点のデータの送受信に関係のあるアドレス情報を抽出して利用者に提示するものある限り、その他の公知の技術を任意に適用して種々の変更が可能である。
アドレス情報を表す文字列には、情報処理部110によるデータ送受信の処理内容と対応して規則的に定式化された文字列が存在する。したがって、アドレス情報を含むファイル(アドレス帳やテキストファイルやHTMLファイルなど)から、アドレス情報が持つ規則的に定式化された文字列の部分を抽出すればアドレス情報を取得できる。
アドレス情報取得部120は、アドレス情報を整理したアドレスファイル(所定フォーマットの電話帳や電子メールアドレス帳など)を他端末から取得してもよいし、文書ファイルからアドレス情報を抽出してもよい。
たとえば、アドレス情報を表す文字列には、規則的に定式化された文字列が存在する。したがって、アドレス情報を含むファイル(標準的なテキストファイルやHTMLファイル、あるいは専用の文書作成ソフトで作成された独自フォーマットの文書ファイルなど)から、アドレス情報が持つ規則的に定式化された文字列の部分を抽出すればアドレス情報を取得できる。
関連アドレス情報分類部240は、アドレス情報が持つ前記の性質に着目し、利用者が所有する無線端末7から検索処理部122や定型データ取得部124が取得したアドレス情報やアドレス情報を含むアドレスファイル、紙文書をOCR処理にて読み取ったテキスト部分から読取処理部126にて取得したアドレス情報、または、コード情報を復号処理部128にて復号して得たアドレス情報など、アドレス情報取得部120にて取得した多数のアドレス情報(アドレス情報保持部130に保持しておいたものも含む)から、所定の条件に合致する規則的な記号(定式化された文字列)を抽出し、情報処理部110における処理時点のデータ送受信の処理内容に関連するアドレスか否かを判断する。
関連アドレス情報分類部240は、この判断結果に基づき、情報処理部110のデータ送受信の処理内容に関連するアドレス情報のみを抽出して、データ送受信の処理内容に関連しているか否かを特定可能な識別情報をアドレス情報に追記してアドレス情報保持部130やアドレス情報グループ化部250に渡す。
これにより、処理時点のデータの送受信には関係のないアドレス情報の提示を止めることで、選択肢を少なくし、利用者が所望のアドレス情報を検索する作業を簡易にするとともに、アドレス情報の誤選択を防止する。
また、利用者は、無線端末7の利便性を向上させるために、あるアドレス情報が何に対するアドレス情報なのかを示す目印、たとえば、アイコン情報をアドレス情報に付加していることがある。このような目印は、アドレス情報をグループ分けするのに資する情報である。
なお、アドレス情報にこのような目印情報を付しておくことは、特開2001−357060号公報に記載のように、予め分類ごとに区分して記事情報をサーバ装置に登録しておくということとは異なる概念である。目印情報を利用するけれども、予め区分して登録している訳ではないからである。
そこで、アドレス情報グループ化部250は、このアドレス情報をグループ分けするのに資する情報(前例の目印情報)を検出し、多数のアドレス情報を目印情報に基づいてグループ分けし、グループを特定可能なグループ識別情報(グループフラグ)をアドレス情報に追記してアドレス情報保持部130に渡す。
関連アドレス情報分類部240やアドレス情報グループ化部250によるこれらの処理は、情報処理部110におけるデータ送受信の都度行なってもよいし、情報処理部110の処理に関わらず、アドレス情報取得部120がアドレス情報を取得しアドレス情報保持部130にアドレス情報を登録するときに(データ送受信の事前に)行なっておいてもよい。
アドレス情報保持部130は、関連アドレス情報分類部240やアドレス情報グループ化部250から渡されたアドレス情報を保持する。アドレス情報提示部260は、ユーザインタフェース部600を介してアドレス情報の提示を利用者より要求されたら、アドレス情報保持部130から所定のアドレス情報やアドレス情報を整理したアドレスリストを読み出し、操作パネル部600aに表示することで、アドレス情報を利用者に提示する。
このとき、アドレス情報保持部130が保持しているアドレス情報には、データ送受信の処理内容に関連しているか否かの識別情報が関連アドレス情報分類部240によってアドレス情報に追記されているので、アドレス情報提示部260は、処理時点のデータ送受信の処理内容に関連するアドレス情報だけを読み出して利用者に提示することができる。
また、アドレス情報グループ化部250によってグループ識別情報がアドレス情報に追記されている場合は、アドレス情報提示部260は、アドレス情報をグループに分類して、利用者に提示することができる。
利用者は、提示されたアドレス情報の中から、所望のアドレス情報を選択すればよい。このとき、提示された全てのアドレス情報を流し読みする、あるいは一覧検索や氏名などのキーワード入力によるワード検索などの適宜の方法によって検索操作を行なってもよい。この場合でも、処理時点の送受信処理に関わるアドレス情報のみをユーザに提示するようにしているので、アドレス情報の指定などの検索処理は簡便となる。
ユーザインタフェース部600は、ユーザにより選択されたアドレス情報を情報処理部110へ通知する。情報処理部110は、通知されたアドレス情報のコンピュータ装置と通信を行ない、データの送受信を実施する。
たとえば、アドレス情報提示部260は、提示するアドレス情報に、ホームページやその他のデータファイル(たとえば所定のプログラムファイル)へのリンクを貼り付けておく。情報処理部110は、提示したアドレス情報の中からデータの送受信先がユーザによりクリックされたことをユーザインタフェース部600を介して受け付けると、選択されたホームページデータを保持しているWebサーバにアクセスしてデータをロードしブラウザ画面に表示したり、その他のデータファイルを保持しているFTPサーバにアクセスしてデータをダウンロードして、自端末内の所定の記憶部にセーブしたりする。
あるいは、アドレス情報提示部260は、電子メールのアドレス選択メニューとしてアドレス情報を提示する。情報処理部110は、提示したアドレス情報の中からメールの送信先がユーザによりクリックされたことをユーザインタフェース部600を介して受け付けると、選択されたアドレス情報を、メール作成画面中の宛先欄に自動的に挿入する。
なお、ここで述べたアドレス情報提示部260によるアドレス情報の提示態様は一例であって、公知の様々な提示態様を採用することができる。何れにしても、関連アドレス情報提示処理部200として、多数あるアドレス情報の中から、処理時点の情報処理部110におけるデータ送受信の処理内容に関連したアドレス情報を抽出し、この抽出したアドレス情報をユーザに提示するようにすればよい。ここでは、提示態様の具体的な図の提示を割愛する。
<関連アドレス情報分類部の詳細>
図6は、関連アドレス情報分類部240の動作を説明する図である。関連アドレス情報分類部240は、アドレス情報取得部120が取得した個々のアドレス情報やアドレス情報が整理されたアドレスリストから、定式された文字列を抽出することで情報処理部110の処理内容(具体的には通信方法)に関わるアドレス情報を峻別する。これにより、処理時点のデータ送受信の処理内容に関連するアドレス情報のみを抽出してユーザに提示できるようにする。
通常、アドレス情報は、送受信する通信方法によって、記述が定式化されている。たとえば、FAXの電話番号は10桁の数字列、携帯電話の電話番号は11桁の数字列であり、電子メールアドレスは“***@***.***”のように必ず@(アットマーク)が文字列の中に含まれ、URLやURIは“***://*****”のように、「://」という連続した文字列が必ず含まれ、IPアドレスは、“***.***.***.***”のように1〜3桁の数値が「.」を区切りとして4つ(バージョン4)もしくは6つ(バージョン6)並んでいる。
このような定式を、たとえばテーブルによって保持し、アドレス情報と照らし合わせることで、アドレス情報取得部120が取得したアドレス情報を、情報処理部110におけるデータ送受信の処理内容に基づいて分類することができる。分類結果に基づきアドレス情報を選別すれば、ある時点におけるデータ送受信の処理内容に関連するアドレス情報のみを検出(抽出)することができる。
分類結果としては、アドレス情報にデータ送受信の処理内容に関連するかどうかを示すフラグ情報を付与し、たとえば“0”のときは関連しない、“1”のときは関連するとして、どちらかの数値を入力すればよい。または、関連しないアドレス情報をアドレスリストから削除してもよい。
また、コンピュータ装置によっては、送受信する通信方法が異なるが、定式のテーブルを通信方法に適応させて作成することで対応することができる。たとえば、FAXが受信できないプリンタ装置にはFAX番号はデータ送受信の処理内容に関連しないアドレス情報になる。
さらに、同じ通信方法でも、データ送受信の処理内容に関連するアドレス情報と、関連しないアドレス情報とに分類できる場合がある。たとえば、データ送受信は一般的に大きなサイズのデータを扱うことから、携帯電話の電子メール機能では受信できない。この場合も先ほどと同様に、携帯端末の電子メールアドレスをデータ送受信の処理内容に関連しないアドレス情報としてテーブルに記述すれば、正しく検出できる。
アドレス情報提示部260は、関連アドレス情報分類部240による分類結果に基づいて、アドレス情報取得部120が取得したアドレス情報(アドレス情報保持部130に保存しておいたものも含む)の中から、情報処理部110がデータ送受信を行なう時点における処理内容に関連するアドレス情報のみを抽出して操作パネル部600aや表示デバイス600cに提示する。
<アドレス情報グループ化部の詳細>
アドレス情報グループ化部250は、アドレスリストがvCard形式で示されたものである場合や、各携帯端末独自のフォーマットであるときに用いると好適である。たとえば図5に示したように、vCard形式で示されたアドレス情報には、アドレスリストの利便性を向上させるために、あるアドレス情報が何に対するアドレス情報なのかを示す目印情報、たとえば、アイコン情報が付加されている。前述のように、vCardでは「TYPE」属性としてアイコン情報が表現されている。
アドレス情報グループ化部250は、アドレス情報のグループ化に際して、この目印情報が同じとなるアドレス情報を一纏めにすることで、グループ化を実現する。グループ化は目印情報をテーブルにて保持し、アドレス情報と照らし合わせることで、目印情報を抽出し、目印情報が同じであるアドレス情報を、同じグループのアドレス情報としてグループ化する。グループ化結果としては、アドレス情報にグループ用のフラグ情報を付与し、同じグループのアドレス情報には同じ数値を割り当てることで、実現できる。たとえば、グループが5つある場合は、1〜5の数値をフラグ情報として与える。
アドレス情報提示部260は、アドレス情報グループ化部250による分類結果に基づいて、アドレス情報取得部120が取得したアドレス情報(アドレス情報保持部130に保存しておいたものも含む)の中から、情報処理部110がデータ送受信を行なう時点における処理内容に関連するアドレス情報のみを抽出して操作パネル部600aや表示デバイス600cに提示する。
関連アドレス情報分類部240とアドレス情報グループ化部250の両者を備えている構成の場合には、アドレス情報提示部260は、関連アドレス情報分類部240とアドレス情報グループ化部250の各分類結果に基づいて、アドレス情報取得部120が取得したアドレス情報(アドレス情報保持部130に保存しておいたものも含む)の中から、情報処理部110がデータ送受信を行なう時点における処理内容に関連するアドレス情報のみを抽出して操作パネル部600aや表示デバイス600cに提示する。
たとえば、「個人用」の電子メールの送信処理を行なう場合であれば、関連アドレス情報分類部240の分類結果に基づき「電子メールアドレス」のみを抽出し、またアドレス情報グループ化部250の分類結果に基づき「個人用」のアドレスのみを抽出し、両者に合致する、「個人用」の「電子メールアドレス」のみを抽出して、たとえばリスト状に提示する。なお、各分類結果に基づいて、直接に「個人用」の「電子メールアドレス」のみを抽出してもよい。
また、関連アドレス情報分類部240とアドレス情報グループ化部250の両者を備えている構成の場合には、あるいは、アドレス情報提示部260は、先ず関連アドレス情報分類部240による分類結果に基づいてアドレス情報取得部120が取得したアドレス情報(アドレス情報保持部130に保存しておいたものも含む)の中から、情報処理部110がデータ送受信を行なう時点における処理内容に関連するアドレス情報のみを抽出し、この抽出したアドレス情報をさらにアドレス情報グループ化部250による分類結果に基づいてグループ分けして提示するようにしてもよい。
たとえば、情報処理部110が電子メールの送信処理を行なう場合であれば、関連アドレス情報分類部240の分類結果に基づき電子メールアドレスのみを抽出し、この抽出した電子メールアドレスを、アドレス情報グループ化部250の分類結果に基づき、たとえば「個人用」と「会社用」などに分類してリスト状に提示する。
ただし、アドレス情報取得部120が取得するアドレス情報の全てにグループ分けに資する情報が記述されているとは限らない。この場合、アドレス情報グループ化部250は、そのアドレス情報を、グループ分け不可能なグループに割り当てればよい。
なお、図5に示した例では、L18にグループ番号を記述し、L19にグループ番号に対応したカテゴリ名を記述しているが、グループ番号やカテゴリ名の割振り方は利用者や端末機種に依存するものである。したがって、利用者や端末機種によっては、同じグループ属性に対して、グループ番号やカテゴリ名を異なるものとして割り振ることも起こり得る。たとえば、一方の端末ではグループ番号に数字を用いて登録しているが、他方の端末ではグループ番号に英字を用いて登録してことがある。また、グループ属性としては「会社」であるものに対してカテゴリ名を、一方の端末では“WORK”、他方の端末では“OFFICE”と登録しているようなこともある。
このような場合、アドレス情報グループ化部250は、グループ番号やカテゴリ名の割振り方を、形態素解析(単語切り)処理や構文解析処理を利用して解析し、同じグループ属性として取り扱い得るものについては、独自にグループ番号やカテゴリ名を付与してグループ分けする。このようにして、アドレス情報グループ化部250は、利用者や端末機種による割振り方の影響を排除する。なお、形態素解析処理や構文解析処理は、公知の技術であるので、その詳細な説明は割愛する。
<処理手順の概要>
図7は、上記構成の情報端末100におけるアドレス情報登録処理およびアドレス情報提示処理に着目した処理手順の概要を示したフローチャートである。
ユーザは、アドレス情報取得部120の検索処理部122に対して、まず情報端末100自体のアドレス情報保持部130を対象とした検索操作を指示して、情報処理部110からデータを送受信する対象装置のアドレス情報の検索を行なう(S110)。
なお、情報端末100のアドレス情報保持部130内に目的とするアドレス情報が登録されていないことが明白な場合には、直接アドレス情報共用システム1内の他の無線端末7を始めとする他の情報端末100の検索を行なうようにしてもよい(S120)。あるいは、アドレス情報がテキストもしくはコード情報で記載された文書をスキャナで読み取り、OCR処理や復号化処理を行なってアドレス情報を取得してもよい(S130)。
検索指示を受け付けた検索処理部122は、検索機能を用いてアドレス情報保持部130内に目的とするアドレス情報が登録されているか否かを検索する(S112)。たとえば、全ての登録情報を流し読みする一覧検索や氏名などのワード入力によるワード検索などの適宜の方法によって検索操作を行なう。
アドレス情報保持部130内に目的のアドレス情報が登録されている場合には(S112−YES)、検索処理部122は、取得したアドレス情報を関連アドレス情報分類部240へ渡す(S138)。
一方、アドレス情報保持部130内に目的のアドレス情報が登録されていない場合には(S112−NO)、検索処理部122や定型データ取得部124は、ネットワーク9を介してたとえばファクシミリ電話機や複合機、あるいはユーザが使用している無線端末7と接続して、これら他の端末に登録されたアドレス情報を検索する(S120)。
このとき、各端末独自のアドレス情報が適正に保全されるように、必要に応じて、認証処理部180は、無線端末7を始めとする他方の情報端末100に備えられている認証処理部180との間でセキュリティレベルを照合し合うことで認証処理を行なう(S122)。
検索処理部122や定型データ取得部124は、セキュリティレベル上問題ない範囲内で、無線端末7を始めとする他方の情報端末100のアドレス情報保持部130から登録済みのアドレス情報を抽出する(S124)。
また、アドレス情報保持部130内に目的のアドレス情報が登録されていない場合には(S112−NO)、読取処理部126や復号処理部128は、アドレス情報がテキストもしくはコード情報で記載された文書をスキャナで読み取り、OCR処理を行なう(S130)。読み取った画像中にアドレス情報がテキスト情報として記述されている場合(S132−YES)、読取処理部126は、テキスト情報からアドレス情報を抽出する(S134)。また、読み取った画像中にアドレス情報が符号情報として埋め込まれている場合(S132−NO)、復号処理部128は、そのコード情報を解読してアドレス情報を取得する(S136)。
このようにして、アドレス情報取得部120の各機能部によって、当該情報端末100に接続された無線端末7や他の情報端末100、アドレスリストが記述された紙文書、もしくはアドレスリストがコード情報として埋め込まれた画像からアドレス情報を取得すると、アドレス情報取得部120は、取得したアドレス情報を関連アドレス情報分類部240へ渡す(S138)。
関連アドレス情報分類部240は、アドレス情報取得部120から渡されたアドレス情報から、情報処理部110におけるデータ送受信の処理内容に関連するアドレス情報を検出し(S140)、分類結果をアドレス情報に追記して(S142)、アドレス情報グループ化部250へ渡す(S144)。なお、アドレス情報グループ化部250を備えていない構成の場合、関連アドレス情報分類部240は、分類結果を追記したアドレス情報をアドレス情報保持部130へ渡す。
アドレス情報グループ化部250は、関連アドレス情報分類部240から渡されたアドレス情報からグループ分けに資する目印情報を検出し(S150)、分類結果としてグループ識別情報をアドレス情報に追記して(S152)、アドレス情報保持部130へ渡す(S154)。アドレス情報保持部130は、関連アドレス情報分類部240やアドレス情報グループ化部250から渡されたアドレス情報を記憶媒体132に一旦保持する。
この後、アドレス情報提示部260は、ユーザインタフェース部600を介して利用者よりアドレス情報の提示を要求されると、アドレス情報保持部130に登録済みのアドレス情報を読み出して利用者に提示する。
このとき、アドレス情報にはデータ送受信の処理内容に関連しているか否かの識別情報(フラグ)が関連アドレス情報分類部240によってアドレス情報に追記されているので、この識別情報を参照してアドレス情報提示部260は、情報処理部110におけるデータ送受信の処理内容に関連するアドレス情報だけを記憶媒体132から読み出す(S160)。
アドレス情報にグループ識別情報がアドレス情報グループ化部250によって追記されていない場合は、アドレス情報提示部260は、データ送受信の処理内容に関連するアドレス情報を操作パネル部600aや表示デバイス600cに表示する(S162−NO,S166)。
また、アドレス情報グループ化部250によってグループ識別情報(グループフラグ)がアドレス情報に追記されている場合は(S162−YES)、ユーザインタフェース部600は、グループ識別情報を参照してアドレス情報をグループに分類する(S164)。この後、アドレス情報提示部260は、データ送受信の処理内容に関連するアドレス情報を、グループに分類して操作パネル部600aや表示デバイス600cに表示する(S166)。
たとえば、IPアドレス・電子メールアドレス・URL・URI・FAX番号・電話番号などの他種類かつ多数のアドレス情報が取得されている状況下において、電子メールの送信処理時には電子メールアドレスのみを抽出して利用者に提示する。あるいは、同様の状況下において、インターネット上のホームページを閲覧中であればURLやURIのみを抽出して利用者に提示する。また、ファイル転送する場合には、IPアドレスのみを抽出して利用者に提示する。また、FAX送信時であれば、FAX番号のみを抽出して利用者に提示する。
ユーザインタフェース部600は、提示したアドレス情報から所望のアドレス情報が利用者により選択されると(S170−YES)、選択されたアドレス情報を情報処理部110へ通知する(S172)。情報処理部110は、通知されたアドレス情報のコンピュータ装置と通信を行ない、データの送受信を実施する(S174)。
アドレス情報消去制御部170は、利用者によるアドレス情報の使用が終了したことを検知すると(S180−YES)、この際のアドレス情報の参照が一時的なものである場合やプライベートなものである場合には(S182−YES)、ユーザに提示したアドレス情報の表示や登録分を消去する(S184)。
上記手順に依れば、一方のコンピュータ装置に保存されているデータや当該一方のコンピュータ装置にて生成したデータを、他方のコンピュータ装置に送付する、または、他方のコンピュータ装置から受信する際に、モバイル端末を含む所望のコンピュータ装置のアドレス情報を用いて手間なくアドレス情報を入力することができ、データ送受信の利便性が向上する。
また、アドレス情報の種類を判断し、この判断結果に基づいて自動的に所望のアドレス情報を選択してデータの送受信を伴う情報処理を行ない得るようにしているので、複数種類のアドレス情報を受付け可能になるし、入力ソースが複数種類のアドレス情報を有している場合であっても、そのアドレス情報の入力ソースから適切なアドレス情報を装置内に取り込んで当該装置が持つ情報処理機能を不都合なくかつ十分に発揮することができる。
また、多数のアドレス情報を、その際のデータ送受信の処理内容に関連したアドレス情報と関係のないアドレス情報とに分類し、データ送受信の処理内容に関連したアドレス情報のみをユーザに提示するようにしたので、選択肢が少なくなり、利用者は無駄なアドレス情報を見る必要がなくなるので、利用者が所望のアドレス情報を検索する効率を高めることができる。また、データ送受信に関係のないアドレス情報を排除することができるため、データの送受信に関係のないアドレス情報を誤選択してしまうことを避けることもできる。
また、ユーザに提示したアドレス情報が一時的な利用に供されるものである場合には、使用後に消去するようにしたので、プライベートなアドレス情報を、漏洩の危険にさらすことなく利用することができる。不特定多数の利用者が使用するような公共目的、または、営利目的にコンピュータ装置を設置しても、安全にデータ送受信サービスを利用することができる。
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