JP2005275636A - 自動車のペダル装置 - Google Patents
自動車のペダル装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005275636A JP2005275636A JP2004085856A JP2004085856A JP2005275636A JP 2005275636 A JP2005275636 A JP 2005275636A JP 2004085856 A JP2004085856 A JP 2004085856A JP 2004085856 A JP2004085856 A JP 2004085856A JP 2005275636 A JP2005275636 A JP 2005275636A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pedal
- inclination angle
- pedal plate
- support bracket
- automobile
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Mechanical Control Devices (AREA)
- Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
- Braking Elements And Transmission Devices (AREA)
Abstract
【課題】
ペダル板の初期傾斜角度を任意の角度に設定して様々な運転姿勢に応じたペダル板の初期傾斜角度を設定することができるとともに、運転による疲労を低減させることができる自動車のペダル装置を提供する。
【解決手段】
運転席よりも前側に位置するとともに車体フロアに設置された支持ブラケット20と、この支持ブラケット20に下端部30Aが回動自在に支持されて傾動可能なペダル板30とを有するペダルユニット40を備え、ペダル板30が車両前側上方に向けて傾斜した状態で支持ブラケット20に保持された自動車のペダル装置10において、ペダルユニット40が、ペダル板30の初期傾斜角度αを任意の角度に設定することができる傾斜角度調節機構Kであるリンク部材50を備えている。
【選択図】図1
ペダル板の初期傾斜角度を任意の角度に設定して様々な運転姿勢に応じたペダル板の初期傾斜角度を設定することができるとともに、運転による疲労を低減させることができる自動車のペダル装置を提供する。
【解決手段】
運転席よりも前側に位置するとともに車体フロアに設置された支持ブラケット20と、この支持ブラケット20に下端部30Aが回動自在に支持されて傾動可能なペダル板30とを有するペダルユニット40を備え、ペダル板30が車両前側上方に向けて傾斜した状態で支持ブラケット20に保持された自動車のペダル装置10において、ペダルユニット40が、ペダル板30の初期傾斜角度αを任意の角度に設定することができる傾斜角度調節機構Kであるリンク部材50を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、踏み込み自在なペダル板の初期傾斜角度を任意に設定することができる自動車のペダル装置に関するものである。
従来、図9に示すような自動車のペダル装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
この自動車のペダル装置1は、車内に設置された支持ブラケット2と、この支持ブラケット2に下端部3Aが回動自在に支持されたペダル板3とを有するペダルユニット4を備えている。
支持ブラケット2は、車両前後方向に延びるとともに車両前方側の端部が起立した、いわゆる長靴形状を呈している。そして、車両後方側の端部近傍にペダル板3が設けられている。また、この支持ブラケット2は、車両前後方向に沿って配置されたブラケット案内部材5上に設けられ、このブラケット案内部材5に沿って移動可能となっている。
なお、ブラケット案内部材5にはラックレール6が設けられ、このラックレール5に支持ブラケット2の底面に設けられた図示しない歯車が噛み合わさっている。この歯車がラックレール6に噛み合いながら回転することによって、支持ブラケット2はブラケット案内部材5に沿って移動することとなる。
ペダル板3は、上端部3Bが車両前方に向かって傾斜した状態で保持され、支持ブラケット2によって反踏み込み方向に付勢されている。
このような自動車のペダル装置1では、ペダル板3を踏み込んで下端部3Aを回動させ、車両速度を上げたり、ブレーキをかけたりしている。また、ペダルユニット4の支持ブラケット2をブラケット案内部材5の任意の位置で固定することにより、ペダルユニット4の車両前後方向の位置を設定している。
特開2003−335146公報(図1、段落0010、0016)
ところで、一般に、ペダルユニット4の操作性は、シート座面を低く設定してシートバッグを比較的倒したいわゆるスポーツカータイプの車両における運転姿勢では、ペダル板3の初期傾斜角度が小さく垂直に近い(立ち気味)方がよく、シート座面を高く設定してシートバッグを比較的立てたいわゆる乗用車やバンのような車両における運転姿勢では、ペダル板3の初期傾斜角度が大きいく水平に近い(寝かせ気味)方がよい。
ところが、上述のような従来の自動車のペダル装置1では、ペダル板3の初期傾斜角度は常に一定であり、車種の違いや運転手の体型の違い等による運転姿勢の変化に応じた適切な角度に設定することができないという問題があった。
また、ペダル板3の初期傾斜角度が常に一定であるために、運転手は、ペダルユニット4の車両前後方向における位置を変化させたのちに足首の屈曲具合をペダル板3の初期傾斜角度に合わせて運転するか、あるいは、足首の屈曲具合を楽にするためにペダルユニット4の車両前後方向における位置を不適当な位置に設定しなければならなかった。
このような無理な運転姿勢のために運転手はストレスを感じながら運転することになり、疲労の原因になるという問題も生じていた。
そこで、この発明は、ペダル板の初期傾斜角度を任意の角度に設定して様々な運転姿勢に応じたペダル板の初期傾斜角度を設定することができるとともに、運転による疲労を低減させることができる自動車のペダル装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、運転席よりも前側に位置するとともに車体フロアに設置された支持ブラケットと、この支持ブラケットに下端部が回動自在に支持されて傾動可能なペダル板とを有するペダルユニットを備え、ペダル板が車両前側上方に向けて傾斜した状態で支持ブラケットに保持された自動車のペダル装置において、ペダルユニットが、ペダル板の初期傾斜角度を任意の角度に設定することができる傾斜角度調節機構を備えていることを特徴としている。
請求項2に記載された発明は、傾斜角度調節機構が、支持ブラケットとペダル板との間に設けられている請求項1記載の自動車のペダル装置を特徴としている。
請求項3に記載された発明は、傾斜角度調節機構が、一端がペダル板の上端部近傍に取り付けられ、他端が支持ブラケットに取り付けられるとともに、全長を変更する長さ調節機構を有するリンク部材を備え、このリンク部材の長さを調節することによってペダル板の初期傾斜角度を設定する請求項1又は2記載の自動車のペダル装置を特徴としている。
請求項4に記載された発明は、リンク部材が、ペダル板の初期傾斜角度に関わらず、支持ブラケットとリンク部材とのなす角度の初期傾斜角度が一定になるように支持ブラケットに取り付けられている請求項3に記載の自動車のペダル装置を特徴としている。
請求項5に記載された発明は、傾斜角度調節機構が、ペダル板の傾斜に連動して回転する回転部材をペダル板の下方に有し、この回転部材の回転を規制することによってペダル板の初期傾斜角度を設定する請求項1又は2記載の自動車のペダル装置を特徴としている。
請求項6に記載された発明は、傾斜角度調節機構が、一端がペダル板の上端部近傍に取り付けられ、他端が支持ブラケットに回動可能に保持された巻取部材に巻き取られたワイヤ部材をペダル板の下方に備え、このワイヤ部材の巻取り量を調節することによってペダル板の初期傾斜角度を設定する請求項1又は2記載の自動車のペダル装置を特徴としている。
このように構成された本願発明の請求項1に記載された発明によると、ペダル板の初期傾斜角度を傾斜角度調節機構によって任意の角度に設定することができるので、ペダル板の初期傾斜角度を、車種の違いや運転手の体型の違い等によって異なる様々な運転姿勢に応じた適切な角度に設定することができる。
また、運転姿勢に応じてペダル板の初期傾斜角度を適切な角度に設定することにより運転姿勢に無理がなくなって、運転手にストレスを感じさせにくくなり、運転による疲労を低減させることも可能となる。
請求項2に記載された発明では、請求項1の効果に加え、傾斜角度調節機構によってペダル板の初期傾斜角度のみを独立して調節することができる。そのため、ペダルユニットの車両前後方向、車幅方向、上下方向のいずれかの位置を調節する手段と併用した場合であっても、調節する内容が重複せず、簡易な構成によって初期傾斜角度を調節することが可能となる。
請求項3に記載された発明では、請求項1または2の効果に加え、簡易な構成によってペダル板の初期傾斜角度を適切に調節することができる。
請求項4に記載された発明では、請求項3の効果に加え、初期傾斜角度が同じ場合であっても、リンク部材の全長をより短く設定することが可能となる。そのため、ペダルユニットの上方及び車両後方の空間を広く確保することができ、これらの空間の利用性を向上させることができる。
請求項5に記載された発明では、請求項1または2の効果に加え、傾斜角度調節機構をペダル板よりも下側に設定することができ、ペダルユニットの小型化を図ることが可能となる。そのため、ペダルユニットの上方及び車両後方の空間を広く確保することができ、これらの空間の利用性を向上させることができる。
請求項6に記載された発明では、請求項1または2の効果に加え、傾斜角度調節機構をペダル板よりも下側に設定することができ、ペダルユニットの小型化を図ることが可能となる。そのため、ペダルユニットの上方及び車両後方の空間を広く確保することができ、これらの空間の利用性を向上させることができる。
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態の自動車のペダル装置を説明する。
図1〜図8に示す10は、自動車の運転席よりも前側に位置するとともに車体フロアに設けられた自動車のペダル装置である。
この自動車のペダル装置10は、車室内に設置された支持ブラケット20と、この支持ブラケット20のa点において下端部30Aが支持されたペダル板30とを有するペダルユニット40を備えている。
支持ブラケット20は、車両前後方向に延びた取付基部20aを有するとともに、この取付基部20aの車両後方側の端部20A近傍にペダル板30が設けられている。
ペダル板30は、運転手の足によって踏み込み可能な大きさの板形状を呈している。そして、このペダル板30は、上下回動可能となるように下端部30Aが支持ブラケット20に保持されるとともに、反踏み込み方向に付勢されている。これにより、ペダル板30は、a点を中心に上下に傾動可能となっている。また、このペダル板30は、車両前側上方に向かってあらかじめ所定の角度(初期傾斜角度α)で傾斜している。
なお、このペダル板30は反踏み込み方向に付勢されているので、ペダル操作をやめる(踏み込みをやめる)と、傾斜角度が初期傾斜角度αまで戻るようになっている。また、この反踏み込み方向の付勢力は、支持ブラケット20、ペダル板30、後述する傾斜角度調節機構Kのいずれかに設けられたバネ等の戻り力である。
さらに、このペダルユニット40には、ペダル板30の初期傾斜角度αを任意の角度に設定することができる傾斜角度調節機構Kを備えている。この傾斜角度調節機構Kは、支持ブラケット20とペダル板30との間に設けられている。
そして、この自動車のペダル装置10では、ペダル板30を踏み込んで傾動させて下端部30Aを回動させることにより、車両速度を上げたりブレーキをかけたりしている。なお、このペダル装置10は、車両速度を上げるためのアクセルペダル装置である。
また、ペダル板30の初期傾斜角度αは、傾斜角度調節機構Kによって任意の角度に設定され、運転姿勢に応じた適切な角度になっている。
図1及び図2は、この発明の実施の形態の実施例1の自動車のペダル装置を示す。
この実施例1の自動車のペダル装置10では、支持ブラケット20として、車両前後方向に延びるともに、取付基部20aの車両前方側が起立した起立部20bを有する支持ブラケット20が用いられている。
また、傾斜角度調節機構Kは、支持ブラケット20とペダル板30との間に設けられた棒状のリンク部材50を備えている。
リンク部材50は、車両後方側に位置する一端がペダル板30の上端部30B近傍のc点において上下方向に回動自在且つ車両前後方向に摺動可能に取り付けられ、車両前方側に他端が支持ブラケット20の起立部20bの上端部20Bのb点において上下方向に回動自在に支持されている。さらに、このリンク部材50は、b点において図示しないバネ等により上方に向かって付勢されている。これにより、c点の初期位置は、リンク部材50の摺動可能な範囲のうち、ペダル板30の回動点であるa点からもっとも離れた位置となっている。
なお、リンク部材50は、車両後方側の端部50Aがペダル板30の裏面30Cに形成されたスリット33に嵌合することにより取り付けられている。
そして、このリンク部材50の中間部には、リンク部材50の全長を変更させて任意の長さに固定する長さ調節機構51が設けられている。
この長さ調節機構51は、例えばテレスコピック状にリンク部材50を伸縮させたり、ネジを利用してリンク部材50を伸縮させたり、ジャッキのような機構を用いてリンク部材50を伸縮させたりするものである。
また、この長さ調節機構51には、リンク部材50の全長を検出する長さ検出手段(図示せず)も備えられている。
さらに、支持ブラケット20とリンク部材50との結合点であるb点近傍には、リンク部材50の回動角度を検出するアクセル開度検出手段52が設けられている。
このような自動車のペダル装置10においてペダル板30を踏み込んだ場合、ペダル板30は、支持ブラケット20との結合点であるa点を中心に車両前方に向かって傾動する。
一方、リンク部材50は、支持ブラケット20との結合点であるb点を中心に下方に向かって回動する。
そして、ペダル板30とリンク部材50との結合点であるc点は摺動し、ペダル板30及びリンク部材50が相対的に傾動して、ペダル板30とリンク部材50とがなす角度γが大きくなる。このとき、b点近傍に設けられたアクセル開度検出手段52によってリンク部材50の回動角度が検出され、運転手の意図がエンジンに伝達されて車両速度が上がることとなる。
次に、この発明の実施例1の自動車のペダル装置10の作用について説明する。
図2(a)では、ペダル板30の初期傾斜角度αが最も小さい場合(α1)を示し、図2(b)では、ペダル板30の初期傾斜角度αが最も大きい場合(α2)を示している。
ここで、ペダル板30の初期傾斜角度αは、a点とc点との距離T1及びb点とc点との距離T2に応じて一意に決まり、この長さを調節することによって任意の傾斜角度に設定することができる。
そこで、初期傾斜角度αを最も小さい場合α1から最も大きい場合α2に変更するには、リンク部材50の長さ調節機構51により、このリンク部材50の全長をΔlだけ短くなるように変化させる。
このとき、ペダル板30が反踏み込み方向に付勢されているので、リンク部材50の全長が短くなることでc点が車両前方へ移動し、a点とc点との距離T1が長くなる。一方、リンク部材50の全長がΔl短くなるので、b点とc点との距離T2は短くなる。
この結果、短くされたリンク部材50に引っ張られるようにペダル板30が車両前方に向かって傾動し、初期傾斜角度αが変更される。
なお、ペダル板30の初期傾斜角度αは、長さ調節機構51に備えられた長さ検出手段によって検出されたリンク部材50の長さから検出することができる。
このように、ペダル板30の初期傾斜角度αを傾斜角度調節機構Kであるリンク部材50の全長を変更することによって任意の角度に設定することができる。そのため、このペダル板30の初期傾斜角度αを、車種の違いや運転手の体型の違い等によって異なる様々な運転姿勢に応じた適切な角度、例えばシート座面を低くするとともにシートバッグを倒したいわゆるスポーツカータイプの運転姿勢の場合には小さい初期傾斜角度α1、すなわちペダル板30を比較的起立させた状態に設定することができ、シート座面を高くするとともにシートバッグを立てたいわゆるワンボックス、トラックタイプの運転姿勢の場合には大きい初期傾斜角度α2、すなわちペダル板30を比較的寝かせた状態に設定することができる。
また、ペダル板30の初期傾斜角度αを運転姿勢に応じた適切な角度に設定することにより、運転手の嗜好に応じた無理のない運転姿勢での快適なペダル操作を提供することができる。そして、運転手にストレスを感じさせにくくなり、運転による疲労を低減させることも可能となる。
さらに、傾斜角度調節機構Kであるリンク部材50は、ペダル板30の初期傾斜角度αのみを独立して調節することができる。そのため、ペダルユニット40の車両前後方向、車幅方向、上下方向のいずれかの位置を調節する手段と併用した場合であっても、各々の手段が調節する内容が重複せず、簡易な構成によって初期傾斜角度αを調節することが可能となる。
そして、この傾斜角度調節機構Kであるリンク部材50は、中間部に設けた長さ調節手段51によってリンク部材50の全長を変更するだけでペダル板30の初期傾斜角度αを変化させることができるので、簡易な構成によってペダル板30の初期傾斜角度αを適切に調節することができる。
図3及び図4は、この発明の実施の形態の実施例2の自動車のペダル装置を示す。前記実施例1とほぼ同様な構成であるため、実施例1と同様ないし均等な部分については同一の符号を付し、相違点のみ以下に説明する。
図3及び図4に示す自動車のペダル装置10では、支持ブラケット20にリンク部材50のb点での回動角度を規制するストッパ21が設けられている。
このストッパ21は、支持ブラケット20とリンク部材50との結合点であるb点においてリンク部材50の上面に重なるように設けられ、上方に向かって回動するように付勢されたリンク部材50を所定の力で規制している。
したがって、ペダル操作をしない場合には、反踏み込み方向に付勢されたペダル板30及び上方に向かって回動するように付勢されたリンク部材50によって、ペダル板30とリンク部材50とがなす角度γが大きくなるようにリンク部材50は回動するが、リンク部材50は、前記ストッパ21により回動角度が規制されて、常に支持ブラケット20とリンク部材50との結合点であるb点での傾斜角度βが一定となる。
次に、この発明の実施例2の自動車のペダル装置10の作用について説明する。
図4(a)では、ペダル板30の初期傾斜角度αが最も小さい場合(α1)を示し、図4(b)では、ペダル板30の初期傾斜角度αが最も大きい場合(α2)を示している。
この自動車のペダル装置10において、ペダル板30を初期位置から踏み込んだ場合では、ペダル板30はa点を中心に車両前方に向かって回動し、リンク部材50はb点を中心に下方に向かって回動する。そして、両者の結合点であるc点では、ペダル板30及びリンク部材50がそれぞれ回動するとともに摺動する。
このとき、ペダル板30とリンク部材50とがなす角度γが小さいほど摺動抵抗が増し、操作しにくくなっていた。この角度γは、ペダル板30の初期傾斜角度αが小さいほど、それに伴って小さくなるので、この摺動抵抗を考慮してリンク部材50の傾斜角度を設定する必要がある。
この実施例2の自動車のペダル装置10では、リンク部材50の傾斜角度βが一定であるため、実施例1の場合と比較すると、ペダル板30とリンク部材50とがなす角度γを同じにした場合、例えば図2(a)と図4(a)の場合では、ペダル板30とリンク部材50との結合点であるc点及びリンク部材50と支持ブラケット20との結合点であるb点の位置をより低く設定することが可能となる。
そのため、よりコンパクトなペダル装置を提供することができ、ペダルユニット40の上方及び車両後方の空間を広く確保することができ、これらの空間の利用性を向上させることが可能となる。
さらに、初期傾斜角度αを最も大きい場合α2から最も小さい場合α1に変更するには、リンク部材50の長さ調節機構51により、このリンク部材50の全長をΔlだけ長くなるように変化させる。
このとき、リンク部材50のb点での傾斜角度βがストッパ21により一定になるように規制されているので、リンク部材50の全長に関わらず傾斜角度βは変化しない。そのため、c点はリンク部材50の軸線に沿いながら車両後方へ移動するとともに、同時にペダル板30の回動点であるa点に近づくように移動する。
そして、長くされたリンク部材50に押されるようにペダル板30が車両後方に向かって傾動し、初期傾斜角度αが変更される。
このように、実施例1と初期傾斜角度αが同じ場合であっても、リンク部材50の全長をより短く設定することが可能となるとともに、ペダル板30とリンク部材50との結合点であるc点及びリンク部材50と支持ブラケット20との結合点であるb点をより低い位置に設定できる。そのため、ペダルユニット40の上方及び車両後方の空間を広く確保することができ、これらの空間の利用性を向上させることができる。
さらに、ペダル板30の傾斜角度を初期傾斜角度αにまで戻すために設けられた戻りバネをリンク部材50に設定した場合では、初期傾斜角度αを小さくするほどリンク部材50の全長が長くなるとともに、図4(a)に示す運転手の踏み込み点f(ペダル板30を踏み込んだ際に最も加重が付加される点)と、ペダル板30とリンク部材50との結合点であるc点との距離が短くなる。そのため、ペダル操作に対する感度が高くなり、より運転姿勢に適したペダル操作を実現することが可能となる。
図5及び図6は、この発明の実施の形態の実施例3の自動車のペダル装置を示す。
この実施例3の自動車のペダル装置10では、支持ブラケット20として、車両前後方向に延びた板状の支持ブラケット20が用いられている。
そして、ペダル板30は、支持ブラケット20によって車両前側上方に向かって回動自在に支持されるとともに、ペダル板30の傾斜に連動して支持ブラケット20から出没するアーム部32が裏面30C側に設けられている。また、このペダル板30は反踏み込み方向に付勢されており、踏み込み操作を行わない場合、初期傾斜角度αにまで戻るようになっている。なお、この付勢力は支持ブラケット20またはペダル板30のいずれかに設けられた図示しない戻りバネによって付加されている。
アーム部32は、車両前方側に向かって突出するとともに円弧状に湾曲しており、表面に多数のアーム歯32Aが設けられている。
一方、支持ブラケット20には、傾斜角度調節機構Kとして、ペダル板30の傾斜角度に応じて回転する回転部材53が設けられている。
この回転部材53は、周面に多数の検知歯53Aを有する歯車状になっており、支持ブラケット20の上面から起立した保持ブラケット(図示せず)に回転可能に保持されている。そして、この回転部材53の検知歯53Aとアーム部32のアーム歯32Aとが噛み合わさっている。
また、この回転部材53には、周縁に沿った円弧状の開口部54が形成され、この開口部54の内側の所定位置にはピン55が嵌合されている。
ピン55は、図示しない係止手段に連結され、このピン55の位置によって回転部材53の初期回転角度が設定されるようになっている。
さらに、この回転部材53は、アクセル開度検出手段も兼ねており、ペダル板30の傾斜角度に応じたペダル操作をエンジン等の所定のユニットに伝達するようになっている。
次に、この発明の実施例3の自動車のペダル装置10の作用について説明する。
図6(a)では、ペダル板30の初期傾斜角度αが最も小さい場合(α1)を示し、図6(b)では、ペダル板30の初期傾斜角度αが最も大きい場合(α2)を示している。
この自動車のペダル装置10において、ペダル板30が踏み込まれていない初期位置では、ペダル板30は反踏み込み方向に付勢された付勢力によって起立する方向に傾動する。これにより、アーム部32は、支持ブラケット20から突出する。
一方、アーム部32のアーム歯32Aに検知歯53Aが噛み合わされた回転部材53は、時計回り方向に回転する。そして、開口部54の端部54Aとピン55とが当接することによって回転部材53の回転が規制される。
このように回転部材53の回転が規制されると、アーム部32の突出量も規制され、ペダル板30の初期傾斜角度αが設定される。
また、初期傾斜角度αを最も小さい場合α1から最も大きい場合α2に変更するには、ピン55の位置を移動させることにより、回転部材53の回転量を変化させることで行う。この回転部材53の回転量を規制することでアーム部32の突出量も規制され、結果としてペダル板30の初期傾斜角度αが変更されることとなる。つまり、図6(a)におけるピン55の位置よりも、図6(b)におけるピン55の位置の方が上側に移動している。これにより、回転部材53の制約される回転量が変化し、ペダル板30の初期傾斜角度αが、最も小さいα1から最も大きいα2にまで変化する。
さらに、ペダル板30を踏み込んだ場合では、ペダル板30に設けられたアーム部32は支持ブラケット20の内部に埋没する。このとき、回転部材53は、アーム部32のアーム歯32Aに検知歯53Aが噛み合わされているので、アーム部32の移動に伴って反時計回りに回転する。
ここで、ピン55は、円弧状の開口部54の内側に位置しているため回転部材53の回転を阻害さず、回転部材53の回転に伴って相対的に移動することとなる。
そして、回転部材53のアクセル開度検出手段によって、ペダル板30の傾斜角度が検知されペダル操作量が所定のユニット等に伝達される。
このように、ペダル板30の初期傾斜角度αを設定するためのアーム部32及び回転部材53が、ペダル板30の裏面30C側に設けられているので、傾斜角度調節機構Kをペダル板30よりも下側に設定することができ、ペダルユニット40の小型化を図ることが可能となる。そのため、ペダルユニット40の上方及び車両後方の空間を広く確保することができ、これらの空間の利用性を向上させることができる。
さらに、このような構成によりペダル板30の傾斜初期角度αを非常に大きくすることが可能となり、運転手の車両昇降時において、ペダル板30を車両前方に向かって大きく倒しこむことが可能となる。そのため、運転手の昇降をしやすくすることができる。
図7及び図8は、この発明の実施の形態の実施例4の自動車のペダル装置を示す。
この実施例4の自動車のペダル装置10では、支持ブラケット20として、車両前後方向に延びた板状の支持ブラケット20が用いられている。
そして、ペダル板30は、支持ブラケット20によって下端部30Aが車両前方に向かって回動自在に支持されるとともに、図示しない戻りバネ等によって反踏み込み方向に付勢されている。これにより、踏み込み操作を行わない場合、初期傾斜角度αにまで戻るようになっている。なお、この付勢力は支持ブラケット20またはペダル板30のいずれかに設けられた図示しない戻りバネによって付加されている。
また、ペダル板30の下端部31B近傍には、アクセル開度検出手段52が設けられている。
さらに、このペダルユニット40には、傾斜角度調節機構Kとして、一端がペダル板30の上端部30B近傍に取り付けられ、他端が支持ブラケット20に回動可能に保持された巻取部材56に巻き取られたワイヤ部材57が設けられている。
ここで、ワイヤ部材57は、図7(b)に示すように、ペダル板30に取り付けられた先端部57Aが環状に形成され、この環状に形成された先端部57Aがペダル板30の裏面30C側に形成されたフック31と嵌合している。これにより、ワイヤ部材57の先端部57Aは回動自在となっている。
また、巻取部材56はドラム形状を呈しており、ワイヤ部材57の長さを調節するとともに、ワイヤ部材57の長さ変化を検出する長さ検出手段(図示せず)も備えている。さらに、この巻取部材56は、ワイヤ部材57が所定長さで保持されるようにバネ等で巻取り力が調整されており、ペダル操作を行わないときはワイヤ部材57が一定の長さになるようになっている。
そして、このワイヤ部材57の長さに応じて、ペダル板30の傾斜角度が変化するようになっている。つまり、ワイヤ部材57によってペダル板30の反踏み込み方向に向かう付勢力が規制され、ペダル板30の初期傾斜角度αが設定されることとなる。
次に、この発明の実施例4の自動車のペダル装置10の作用について説明する。
図8(a)では、ペダル板30の初期傾斜角度αが最も小さい場合(α1)を示し、図8(b)では、ペダル板30の初期傾斜角度αが最も大きい場合(α2)を示している。
この自動車のペダル装置10において、ペダル板30を踏み込んだ場合、ペダル板30の傾斜角度をアクセル開度検出手段52によって検出し、この傾斜角度に応じたペダル操作をエンジン等の所定のユニットに伝達するようになっている。
このとき、ワイヤ部材57はペダル板30の傾動に応じてたるみ、ペダル板30の動きを妨げることはない。また、巻取部材56によってたるんだワイヤ部材57を巻き取っても良い。この場合、踏み込み操作終了時に、たるんだワイヤ部材57が再び復帰するように巻取部材56を回転させる。
また、ペダル板30の初期傾斜角度αは、ワイヤ部材57の長さを所定の長さにすることで任意の傾斜角度に設定することができる。
そこで、初期傾斜角度αを最も小さい場合α1から最も大きい場合α2に変更するには、巻取部材56を回転させ、ワイヤ部材57をΔlだけ短くなるようにする。このときペダル板30は、反踏み込み方向に付勢されているのでワイヤ部材57を伸ばそうとする方向に回動する。この方向に反してワイヤ部材57が短くなるので、このワイヤ部材57に引っ張られるようにペダル板30が車両前方に向かって傾動し、初期傾斜角度αが変更される。
ここで、ワイヤ部材57は環状に形成された先端部57Aがペダル板30に回動自在に取り付けられており、ペダル板30が傾動した際に回動してワイヤ部材57が傷つきにくくすることができる。
なお、このワイヤ部材57の先端部57Aが回動しなくてもペダル板30の傾動は妨げられず、ペダル板30の初期傾斜角度αは任意の角度に設定することができる。
このように、ペダル板30の初期傾斜角度αを設定するための巻取部材56及びワイヤ部材57が、ペダル板30の裏面30C側に設けられているので、傾斜角度調節機構Kをペダル板30よりも下側に設定することができ、ペダルユニット40の小型化を図ることが可能となる。そのため、ペダルユニット40の上方及び車両後方の空間を広く確保することができ、これらの空間の利用性を向上させることができる。
さらに、このような構成によりペダル板30の傾斜初期角度αを非常に大きくすることが可能となり、運転手の車両昇降時において、ペダル板30を車両前方に向かって大きく倒しこむことが可能となる。そのため、運転手の昇降をしやすくすることができる。
10 自動車のペダル装置
20 支持ブラケット
30 ペダル板
30A 下端部
30B 上端部
40 ペダルユニット
50 リンク部材
K 傾斜角度調節機構
α 初期傾斜角度
20 支持ブラケット
30 ペダル板
30A 下端部
30B 上端部
40 ペダルユニット
50 リンク部材
K 傾斜角度調節機構
α 初期傾斜角度
Claims (6)
- 運転席よりも前側に位置するとともに車体フロアに設置された支持ブラケットと、該支持ブラケットに下端部が回動自在に支持されて傾動可能なペダル板とを有するペダルユニットを備え、前記ペダル板が車両前側上方に向けて傾斜した状態で前記支持ブラケットに保持された自動車のペダル装置において、
前記ペダルユニットは、前記ペダル板の初期傾斜角度を任意の角度に設定することができる傾斜角度調節機構を備えていることを特徴とする自動車のペダル装置。 - 前記傾斜角度調節機構は、前記支持ブラケットと前記ペダル板との間に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のペダル装置。
- 前記傾斜角度調節機構は、一端が前記ペダル板の上端部近傍に取り付けられ、他端が前記支持ブラケットに取り付けられるとともに、全長を変更する長さ調節機構を有するリンク部材を備え、該リンク部材の長さを調節することによって前記ペダル板の初期傾斜角度を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のペダル装置。
- 前記リンク部材は、前記ペダル板の初期傾斜角度に関わらず、前記支持ブラケットと前記リンク部材とのなす角度の初期傾斜角度が一定になるように、前記支持ブラケットに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の自動車のペダル装置。
- 前記傾斜角度調節機構は、前記ペダル板の傾斜に連動して回転する回転部材を前記ペダル板の下方に有し、該回転部材の回転を規制することによって前記ペダル板の初期傾斜角度を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のペダル装置。
- 前記傾斜角度調節機構は、一端が前記ペダル板の上端部近傍に取り付けられ、他端が前記支持ブラケットに回動可能に保持された巻取部材に巻き取られたワイヤ部材を前記ペダル板の下方に備え、該ワイヤ部材の巻取り量を調節することによって前記ペダル板の初期傾斜角度を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のペダル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004085856A JP2005275636A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 自動車のペダル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004085856A JP2005275636A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 自動車のペダル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005275636A true JP2005275636A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=35175271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004085856A Pending JP2005275636A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 自動車のペダル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005275636A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100816002B1 (ko) | 2006-10-04 | 2008-03-21 | 주식회사 동희산업 | 차량용 오르간 타입 가속페달 장치 |
KR100911560B1 (ko) | 2008-06-02 | 2009-08-10 | 현대자동차주식회사 | 오르간 타입 가속페달 장치 |
US7895915B2 (en) | 2007-12-15 | 2011-03-01 | Kia Motors Corporation | Organ type accelerator pedal assembly |
KR101255198B1 (ko) * | 2010-11-24 | 2013-04-23 | 대우버스(주) | 풋 플레이트의 각도 조절이 되는 버스 전자식 가속페달 |
JP2016508924A (ja) * | 2013-03-08 | 2016-03-24 | ウッドワード, インコーポレーテッドWoodward, Inc. | 多自由度の並進調節ペダル |
CN112061091A (zh) * | 2020-07-31 | 2020-12-11 | 盐城工学院 | 新能源汽车制动系统 |
CN115385272A (zh) * | 2022-08-30 | 2022-11-25 | 杭叉集团股份有限公司 | 一种操作机构可调的前移式叉车及其控制方法 |
-
2004
- 2004-03-24 JP JP2004085856A patent/JP2005275636A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100816002B1 (ko) | 2006-10-04 | 2008-03-21 | 주식회사 동희산업 | 차량용 오르간 타입 가속페달 장치 |
US7895915B2 (en) | 2007-12-15 | 2011-03-01 | Kia Motors Corporation | Organ type accelerator pedal assembly |
KR100911560B1 (ko) | 2008-06-02 | 2009-08-10 | 현대자동차주식회사 | 오르간 타입 가속페달 장치 |
US7946192B2 (en) | 2008-06-02 | 2011-05-24 | Hyundai Motor Company | Organ type accelerator pedal apparatus |
KR101255198B1 (ko) * | 2010-11-24 | 2013-04-23 | 대우버스(주) | 풋 플레이트의 각도 조절이 되는 버스 전자식 가속페달 |
JP2016508924A (ja) * | 2013-03-08 | 2016-03-24 | ウッドワード, インコーポレーテッドWoodward, Inc. | 多自由度の並進調節ペダル |
CN112061091A (zh) * | 2020-07-31 | 2020-12-11 | 盐城工学院 | 新能源汽车制动系统 |
CN112061091B (zh) * | 2020-07-31 | 2023-04-07 | 盐城工学院 | 新能源汽车制动系统 |
CN115385272A (zh) * | 2022-08-30 | 2022-11-25 | 杭叉集团股份有限公司 | 一种操作机构可调的前移式叉车及其控制方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7086700B2 (en) | Automobile seat | |
US8069750B2 (en) | Compact pedal assembly with improved noise control | |
US20080238068A1 (en) | Vehicle steering column structure | |
WO2006104288A1 (ja) | 自動車用シ-トの高さ調整装置 | |
JP2003118436A (ja) | 車両用シート | |
JP2008285025A (ja) | 車両用シート装置 | |
JP2008062828A (ja) | 車両用シートの操作レバー | |
JP4825612B2 (ja) | 車両用シート装置 | |
JP2005275636A (ja) | 自動車のペダル装置 | |
US10040375B2 (en) | Unlocking lever for a seat adjuster of a vehicle seat, and vehicle seat | |
US20020194947A1 (en) | Adjustable foot-lever assembly | |
JP4560731B2 (ja) | 車両用シート | |
KR102552156B1 (ko) | 차량의 기기 거치형 콘솔 암레스트 | |
JP5159384B2 (ja) | 手動高さ調節機構を備えた座席シート | |
JP4501581B2 (ja) | 自動車の運転姿勢調整装置 | |
JP2006273021A (ja) | 自動車のシート位置調整装置 | |
JP2007015532A (ja) | 車両用収納式シートの収納移動構造 | |
JP5428711B2 (ja) | 車両用運転姿勢調整装置 | |
JP5556103B2 (ja) | 車両用運転姿勢調節装置 | |
KR101372108B1 (ko) | 시트 높이 조절 연동형 슬라이딩 레버장치 | |
US7823479B2 (en) | Vehicle steering column structure | |
JP6960360B2 (ja) | 乗り物用シート | |
JP4661123B2 (ja) | 自動車の運転姿勢調整装置 | |
JP2002254965A (ja) | 車両用シート装置 | |
JPH0420281Y2 (ja) |