JP2005275100A - マトリクス型光スイッチ及びマトリクス型光スイッチの製造方法 - Google Patents

マトリクス型光スイッチ及びマトリクス型光スイッチの製造方法 Download PDF

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直正 岡
Yuji Suzuki
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Atsushi Ogiwara
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孝明 吉原
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Abstract

【課題】光路を伝搬する光の損失を少なく抑えたマトリクス型光スイッチ及びマトリクス型光スイッチの製造方法を提供する。
【解決手段】格子状に配列された光路(溝)2の交差点に配置されたN×M個の可動式のミラーR1,1〜RN,Mと、隣接するミラーR1,1〜RN,Mの間に挿入された屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1とを有するマトリクス型光スイッチであって、可動式のミラーR1,1〜RN,Mを光路2の交差点に出し入れすることにより光路2を切り替え、屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1の屈折率はその中心軸から径方向に向かって減少している。
【選択図】図1

Description

本発明はマトリクス型光スイッチ及びマトリクス型光スイッチの製造方法に関し、特に、微小電気機械システムによるマトリクス型光スイッチ及びその製造方法に関する。
近年、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system:MEMS)による静電マイクロアクチュエータを用いた光スイッチ或いは光シャッター等の光デバイスが実用化されている。特に、格子状に配列された光路の交差部分にマトリクス状に配置されたスイッチ列からなる交差接続スイッチが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。例えば、特許文献1には、行方向に配列されたN本の入力光ファイバと、列方向に配列されたM本の出力光ファイバと、反射状態及び無反射状態を持つN×M個のミラーと、各ミラーの間の光を再集光するレンズとを備えたクロスコネクト型光スイッチが開示されている。更に、上記のレンズの一例として位置合わせが比較的に容易なボールレンズが用いられている。
特開2001−264649号公報 特開2003−195074号公報
しかし、ボールレンズを空気中で使用すると、現実的な固体材料の屈折率(1.4以上)では焦点距離の関係からボールレンズの直径は各ミラー間の距離の0.5倍以上であることが必要となる。通常、ミラーを駆動するアクチュエータのサイズは1mm以上であるため、各ミラー間の距離も1mm以上必要となる。よって、ボールレンズの直径は0.5mm以上となる。一方、ミラーのサイズは、アクチュエータの一般的なストロークから上記例で0.1mm以下にすることが望ましい。したがってボールレンズの直径はミラーのサイズに比べて5倍以上となるが、このように大きさの異なる部品を高精度で位置合わせすることは困難である。
本発明の第1の特徴は、格子状に配列された光路の交差点に配置されたN×M個の可動式のミラーと、隣接するミラーの間に挿入された屈折率分布型光ファイバとを有するマトリクス型光スイッチであって、可動式のミラーを光路の交差点に出し入れすることにより光路を切り替え、屈折率分布型光ファイバの屈折率はその中心軸から径方向に向かって減少していることを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、格子状に配列された光路の交差点に配置されたN×M個の可動式のミラーを光路の交差点に出し入れすることにより光路を切り替えるマトリクス型光スイッチの製造方法であって、屈折率が中心軸から径方向に向かって減少している屈折率分布型光ファイバを用意する段階と、軸回りの向きを揃えてミラーの間に隣接して屈折率分布型光ファイバを挿入する段階を有することを要旨とする。
本発明によれば、光路を伝搬する光の損失を少なく抑えたマトリクス型光スイッチ及びマトリクス型光スイッチの製造方法を提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係わるマトリクス型光スイッチは、格子状に配列されたN行M列の光路の交差点に配置されたN×M個の可動式のミラーR1,1〜RN,Mと、隣接するミラーR1,1〜RN,Mの間に挿入された屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1と、行方向に配列されたN個の入力光ファイバ4と、列方向に配列されたM個の出力光ファイバ5と、出力光ファイバ5に対向して列方向に配列されたM個の分岐入力(アド)光ファイバ6と、入力光ファイバ4に対向して行方向に配列されたN個の分岐出力(ドロップ)光ファイバ7と、入力光ファイバ4、出力光ファイバ5、分岐入力(アド)光ファイバ6及び分岐出力(ドロップ)光ファイバ7とミラーR1,1〜RN,Mとの間に配置された入出力結合用光学素子3とを有する。
屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1の屈折率はその中心軸から径方向に向かって徐々に減少している。屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1の屈折率については、図3を参照して後述する。
本発明の実施の形態においては、格子状に交差するN行M列の光路の一例として、4行4列の光路について説明する。したがって、4行4列の光路の交差点には、4×4個の可動式のミラーR1,1〜R4,4が配置されている。隣接するミラーR1,1〜R4,4の間には屈折率分布型光ファイバFr1,1〜Fr3,4、Fc1,1〜Fc4,3が挿入されている。行方向に4個の入力光ファイバ41〜44及び分岐出力(ドロップ)光ファイバ71〜74が配置されている。列方向に4個の出力光ファイバ51〜54と分岐入力(アド)光ファイバ61〜64が配列されている。
ミラーR1,1〜R4,4、屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1、及び入出力結合用光学素子3は、シリコン基板又はシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板からなる基板1の表面に形成された溝2の内部に挿入配置され、屈折率分布型光ファイバFr1,1〜Fr3,4、Fc1,1〜Fc4,3及び入出力結合用光学素子3は、溝2の内部に固定されている。また、溝2は、上述した4行4列の光路と同様にして4行4列の格子状に配列されており、光路は溝2の内部に形成されている。したがって、ミラーR1,1〜R4,4は4行4列の溝2の交差点にそれぞれ配置されており、ミラーR1,1〜R4,4を光路(溝2)の交差点に出し入れするアクチュエータを設けることにより格子状の光路を進行する光ビームの進路を切り替えることが出来る。
入力光ファイバ41〜44又は分岐入力(アド)光ファイバ61〜64から光が入力され、マトリクス型光スイッチにより光路が切り替えられ、出力光ファイバ51〜54又は分岐出力(ドロップ)光ファイバ71〜74から光が出力される。具体的には、入力光ファイバ41〜44又は分岐入力(アド)光ファイバ61〜64と出力光ファイバ51〜54との間で各光路が切り替えられ、入力光ファイバ41〜44と出力光ファイバ51〜54又は分岐出力(ドロップ)光ファイバ71〜74との間で各光路が切り替えられる。図2は光路の切替の一例を示す。ここでは、入力光ファイバ41と出力光ファイバ51、入力光ファイバ42と分岐出力(ドロップ)光ファイバ72、入力光ファイバ43と出力光ファイバ54、入力光ファイバ44と出力光ファイバ53、分岐入力(アド)光ファイバ62と出力光ファイバ52がそれぞれ接続される。なお、分岐入力(アド)光ファイバ61、63と64及び分岐出力(ドロップ)光ファイバ71、73と74は使用していない。なお、上述したマトリクス型光スイッチの構成において、入出力結合用光学素子3として、屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1と同様に、屈折率がその中心軸から径方向に向かって減少している屈折率分布型光ファイバを用いることが望ましい。これにより、マトリクス型光スイッチの構成が単純化される。或いは、入出力結合用光学素子3として、先球ファイバや通常のレンズを用いても構わない。
また、屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1とミラーR1,1〜R4,4の間の光路(溝2)は、屈折率マッチングオイルで満たされていることが望ましい。更には、入出力結合用光学素子3とミラーR1,1〜R4,4の間の光路(溝2)も屈折率マッチングオイルで満たされていることが望ましい。これにより、屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1及び入出力結合用光学素子3の入射端面及び出射端面における光ビームの反射を抑制することが出来る。
図3を参照して、屈折率分布型光ファイバFc1,1の詳細な構成及び屈折率分布型光ファイバFc1,1を伝播する光ビーム10の軌道を説明する。なお、他の屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,2〜FcN,M-1についても同様である。
屈折率分布型光ファイバFc1,1は、光路上を伝播する光ビーム10が通過するコア部8と、光ビーム10の進行方向に沿ってコア部8の外周を取り囲むコア部8より屈折率の低いクラッド部9と、光ビーム10が入射する入射端面と、光ビーム10が出射する出射端面とを備える。或いは、クラッド部9は必ずしもなくてもよい。屈折率分布型光ファイバFc1,1の端面(入射端面及び出射端面)は、光ビーム10の進行方向に対して略垂直に面している。屈折率分布型光ファイバFc1,1の長さ(ファイバ長L)は、入射端面と出射端面間の距離で定義され、ミラーR1,1とミラーR1,2のピッチ(ミラー間ピッチp)は、光ビーム10の中心軸、即ち屈折率分布型光ファイバFc1,1の中心軸上におけるミラーR1,1の反射面とミラーR1,2の反射面間の距離で定義される。
次に、図3を参照して、コア部8の屈折率の分布について説明する。屈折率分布型光ファイバFc1,1の中心軸におけるコア部8の屈折率をn0、コア部8の半径をr0、屈折率分布型光ファイバFc1,1の中心軸から半径方向の距離をrとした場合、コア部8内の屈折率の分布n(r)は、一例として(1)式に示すようにrを変数とする関数で表すことが出来る。

n(r)=n0(1−α2/2r0 2) ・・・(1)

このとき、屈折率分布型光ファイバFc1,1の開口数NAは、ほぼ(2)式で表される。

NA=n0・r0・α ・・・(2)

ここで、シングルモードの光伝搬を考えると、構造の対称性から屈折率分布型光ファイバFc1,1の入射端面及び出射端面における光ビーム10の径が等しくなる必要があり、このために屈折率分布型光ファイバFc1,1の長さLは、ほぼ(3)式により表される。

L=π/α ・・・(3)

実際には、(3)式で規定される長さLの前後20%の範囲内で屈折率分布型光ファイバFc1,1の長さLを選択すればよい。また、ミラー間ピッチpは、ファイバ長Lよりも長くなければいけない(p>L)。よって、特定の屈折率分布型光ファイバFc1,1に対するミラー間ピッチpの下限値が定まる。
ところで、ガウシアンビームの伝搬理論より、光ビーム10の中心軸上におけるミラーR1,1の反射面の位置に相当する光ビーム10の最小半径w1について(4)式の関係式が成り立つ。ここで、λは真空中の光ビーム10の波長、n1は屈折率分布型光ファイバFr1,1〜FrN-1,M、Fc1,1〜FcN,M-1とミラーR1,1〜R4,4の間の光路(溝2)の屈折率、換言すれば、各屈折率分布型光ファイバ間媒質の屈折率を示す。

1=(n0α/n1) 2sin2(αL)+(πn11 2/λ)2{cos(αL)+[n0α(p−L) /2n1]sin(αL)}2
・・・(4)

光ビーム10が入射する屈折率分布型光ファイバFc1,1の入射端面における光ビーム10の直径を2w12とした場合、ほぼ(5)式が成り立つ。

(w12/w1)2=1+{λ(p−L)/2πn11 2} 2 ・・・(5)

屈折率分布型光ファイバFc1,1内を光ビーム10がシングルモード性を保ちながら光パワーを損失なく伝搬するためには、屈折率分布型光ファイバFc1,1に入射する光ビーム10の径は、屈折率分布型光ファイバFc1,1のコア部8の径よりも小さくなければいけない。具体的には、屈折率分布型光ファイバFc1,1の入射端面における光ビーム10の半径(w12)はコア部8の半径(r0)よりも小さくなければならない。したがって、(5)式から(6)式が導き出せる。

p<2πn11 2/λ(r0 2/w1 2−1)1/2+L ・・・(6)

したがって、(4)式及び(6)式を満たすように、各パラメータ(n0、n1、w1、w12、NA、L、p)を選択すれば、屈折率分布型光ファイバFc1,1内を光がシングルモード性を保ちながらほぼ損失なく光ビーム10の光パワーを伝搬させることが出来る。
例えば、ミラー間ピッチpを0.5〜10mmとして、光ファイバのコア部8の径(r0)が50〜110μmであって、光ファイバのクラッド部9の外径が125μmであるマルチモードの光ファイバを用いた場合、光ファイバの長さ(L)を0.2〜9.9mmとすることにより、光ビーム10の光パワーの挿入損失を2dB以下に抑えることが出来る。
更に具体的に、一般的なマルチモード光ファイバとして、光ファイバのコア部の直径(2r0)を62.5μm、光ファイバの中心軸におけるコア部8の屈折率(n0)を1.49、光ファイバの開口数(NA)を0.274とする屈折率分布型光ファイバFc1,1を選択した場合について考える。光ビーム10の空気中の波長が1.55μmであり、各屈折率分布型光ファイバ間媒質が空気(屈折率n1=1)であり、ミラー間ピッチpが1.5mmであり、ファイバ長Lが0.57mmとした場合、ミラーR1,1の反射面の位置に相当する光ビーム10の最小半径(w1)は16μmとなり、屈折率分布型光ファイバFc1,1の入射端面における光ビーム10の半径(w12)は21.5μmとなり、シングルモードの光ビーム10を屈折率分布型光ファイバFc1,1のコア部8内に伝搬させることが出来る。屈折率分布型光ファイバFc1,1の外径、即ち、クラッド部9の外径は通常125μmで非常に精密に制御されているので、これを基準として基板1の溝2内部に配置することで高精度の位置合わせが可能である。
なお、各屈折率分布型光ファイバ間の媒質として空気の代わりに、屈折率が1.47〜1.49のマッチングオイルを用いる、即ち、屈折率分布型光ファイバFc1,1とミラーR1,1、R1,2の間の光路が屈折率マッチングオイルで満たされていても構わない。この場合、屈折率分布型光ファイバFc1,1の入射端面及び出射端面における光ビーム10の反射を抑制することが出来る。このとき、各光ファイバの位置ずれがそれぞれ2μm以内であれば、例えば、4行4列のマトリクス型光スイッチにおける光挿入損失を2dB以下に抑えることが出来る。
但し、マルチモード光ファイバ及びその配置は上記の数値例に限定されるものではない。例えば、ミラー間ピッチpを広げたとき、マルチモードの光ファイバに入射する光ビーム10の径(w12)がコア部8の半径(r0)よりも大きくなってしまう場合には、光パワーの損失が生じてしまうが、これに対して、隣接するミラーR1,1、R1,2の間の光路上に2個以上のマルチモードの光ファイバを適当な間隔をおいて配置すれば、マルチモードの光ファイバに入射する光ビーム10の径(w12)を小さくすることが出来る。また、マッチングオイルを使用することによっても光ビーム10の径(w12)を小さくすることが出来る。
また、入出力光ファイバ41〜44、51〜54及び分岐入出力光ファイバ61〜64、71〜74との結合にも、図3を参照して説明した屈折率分布型光ファイバFc1,1と同じものを用いることができる。例えば、入出力光ファイバ41〜44、51〜54として、モードフィールド直径10.4μmの一般的なシングルモードの屈折率分布型光ファイバを用いた場合、シングルモードの光ファイバとマルチモードの光ファイバとの間隔を0.19mm、マルチモードの光ファイバの長さを0.4mm、マルチモードの光ファイバからミラーを介して次のマルチモードの光ファイバまでの間隔を0.53mmとすることで、良好な光パワーの結合が得られる。
更に、実施の形態では、シングルモードの光伝搬に本発明を適用する場合について示したが、本発明はこれに限定されることなく、マルチモードのマトリクス型光スイッチにも適用することが出来る。
以上説明したように、屈折率分布型光ファイバの焦点距離は屈折率分布の大きさと長さによって決まるので、ミラー間ピッチpに対してかなり広い自由度で設計できる。また、屈折率分布型光ファイバの直径は焦点距離によらずに選択できる。
次に、図4を参照して、図1に示したマトリクス型光スイッチの製造方法について説明する。
(イ)先ず、シリコン基板又はSOI基板からなる基板1を用意し、基板1の表面をフォトリソグラフィ法及びICP(誘導結合プラズマエッチング)法でエッチングして、ミラー及び屈折率分布型光ファイバを配置するため角型の溝2をN行M列の格子状に形成する。即ち、ミラー及び屈折率分布型光ファイバを配置するための溝2は基板1上に一体で形成される。これにより、ミラー及び屈折率分布型光ファイバを高精度に配置することが可能となる。
なお、図4(c)に示すように、溝2の内部に光ファイバを押さえる複数のバネ12を設けても構わない。バネ12により光ファイバを容易に位置精度よく固定することが出来る。また、エッチング方法は、KOHなどを用いてウェットエッチングを行っても構わない。更に、溝2の断面形状は、図4(d)に示すように角型の形状である場合に限らずに、図4(e)に示すようにV字形状であっても構わない。そして、必要に応じて、ミラーの反射面に金などの反射材を堆積する。
(ロ)次に、屈折率が中心軸から径方向に向かって減少している屈折率分布型光ファイバであって、例えば外径125μmのマルチモードの光ファイバを用意する。そして、屈折率分布型光ファイバを所定の長さ(L)にダイサーを用いて切断し、軸回りの向きを揃えてミラーの間に隣接して屈折率分布型光ファイバを基板1上の溝2の内部に挿入する。
なお、屈折率分布型光ファイバが挿入配置されていない部分の溝2をマッチングオイルで満たしたり、屈折率分布型光ファイバの入射端面及び出射端面の少なくとも何れか一方に無反射コーティングを施しても構わない。更に、図4(a)に示すように屈折率分布型光ファイバの入射端面及び出射端面の少なくとも何れか一方を凸型に加工したり、或いは図4(b)に示すように屈折率分布型光ファイバの入射端面及び出射端面の少なくとも何れか一方を光路の方向に対して傾斜させても構わない。これらにより、屈折率分布型光ファイバの端面における光ビーム10の反射を抑えることで光ビーム10の挿入損失を抑えることが出来る。また、屈折率分布型光ファイバの光軸の偏芯の影響を抑えるため、切断後の屈折率分布型光ファイバを軸回りの向きを揃えて各ミラー間に隣接して挿入配置してもよい。
(変形例)
図1のマトリクス型光スイッチは、行方向に配列された4個の分岐出力(ドロップ)光ファイバ71〜74及び列方向に配列された4個の分岐入力(アド)光ファイバ61〜64を有する。これに対して、図5に示すように、実施の形態の変形例に係わるマトリクス型光スイッチは、分岐出力(ドロップ)光ファイバ71〜74及び分岐入力(アド)光ファイバ61〜64を有さない点が、図1のマトリクス型光スイッチと異なる。その他の構成要素については、実施の形態の変形例に係わるマトリクス型光スイッチは、図1のマトリクス型光スイッチと同じであり、説明を省略する。
図5のマトリクス型光スイッチにおいて、入力光ファイバ41〜44から光が入力され、マトリクス型光スイッチにより光ビームの光路が切り替えられ、出力光ファイバ51〜54から光が出力される。具体的には、入力光ファイバ41〜44と出力光ファイバ51〜54との間で各光路が切り替えられる。図6は光路の切替の一例を示す。ここでは、入力光ファイバ41と出力光ファイバ51、入力光ファイバ42と出力光ファイバ52、入力光ファイバ43と出力光ファイバ54、入力光ファイバ44と出力光ファイバ53がそれぞれ接続される。これらの光路の切替制御は、ミラーR1,1〜R4,4をそれぞれ個別に光路(溝2)の交差点に出し入れすることにより実現される。
(比較例)
屈折率分布型光ファイバの替わりに背景技術で述べた特許文献1に開示されたボールレンズ14を空気中で使用する場合について説明する。ボールレンズ14の焦点距離をf、ミラーR1-R2間ピッチを等間隔でpとすると、空気中(屈折率=1)では周期的に光が伝搬していく条件から、一般的に(7)式に示す関係が必要となる。

f>p/2 ・・・(7)

一方、ボールレンズ14の半径をR、レンズ材料の屈折率をnとすると、焦点距離fは(8)式により表される。

f=nR/2(n−1) ・・・(8)

したがって、(7)式及び(8)式から(9)式が成り立つ。

R>(n−1)p/n ・・・(9)

現実的な固体材料の屈折率nは1.4より大きいので、(9)式は(10)式となる。

R>0.28p ・・(10)

通常、ミラーR1、R2を駆動するアクチュエータのサイズは1mm以上であるため、ミラーR1-R2間の距離も1mm以上必要となる。よって、ボールレンズ14の直径(2R)は0.56mm以上となる。一方、ミラーR1、R2のサイズは、アクチュエータの一般的なストロークから上記例で0.1mm以下にすることが望ましい。したがって、ボールレンズ14の直径(2R)はミラーR1、R2のサイズに比べて5倍以上となる。このように大きさの異なる部品を高精度で位置合わせすることは困難であり、位置ずれがあった場合、伝搬する光パワーの損失につながり、望ましくない。
これに対して、図1乃至図6に示した本発明の実施の形態及びその変形例に係わるマトリクス型光スイッチによれば、ミラー及びミラー間に配置される光ファイバを高精度に配置することができ、光パワーの挿入損失を低く抑えることが出来る。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は、1つの実施の形態及びその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の実施の形態に係わるマトリクス型光スイッチを示す平面図である。 図1のマトリクス型光スイッチにおける光路の切替の一例を示す図である。 屈折率分布型光ファイバの詳細な構成及び屈折率分布型光ファイバを伝播する光ビームの軌道を示す模式図である。 図4(a)は屈折率分布型光ファイバの入射端面及び出射端面を凸型に加工した場合を示し、図4(b)は屈折率分布型光ファイバの入射端面及び出射端面を光路の方向に対して傾斜させた場合を示し、図4(c)は溝の内部に光ファイバを押さえる複数のバネ12を設けた場合を示し、図4(d)は溝の断面形状が角型の形状である場合を示し、図4(e)は溝の断面形状がV字形状である場合を示す。 実施の形態の変形例に係わるマトリクス型光スイッチを示す平面図である。 図5のマトリクス型光スイッチにおける光路の切替の一例を示す図である。 比較例に係わるボールレンズ及びボールレンズを伝播する光ビームの軌道を示す模式図である。
符号の説明
1…基板
2…溝(光路)
3…入出力結合用光学素子
4、41〜44…入力光ファイバ
5、51〜54…出力光ファイバ
6、61〜64…分岐入力光ファイバ
7、71〜74…分岐出力光ファイバ
8…コア部
9…クラッド部
10…光ビーム
12…バネ
14…ボールレンズ
L…ファイバ長
1,1〜R4,4…ミラー
p…ミラー間ピッチ

Claims (9)

  1. 格子状に配列された光路の交差点に配置されたN×M個の可動式のミラーと、
    隣接する前記ミラーの間に挿入された屈折率分布型光ファイバとを有し、
    前記ミラーを前記交差点に出し入れすることにより前記光路を切り替え、前記屈折率分布型光ファイバの屈折率はその中心軸から径方向に向かって減少していることを特徴とするマトリクス型光スイッチ。
  2. 前記屈折率分布型光ファイバに入射する光ビームの径は、前記屈折率分布型光ファイバのコア径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のマトリクス型光スイッチ。
  3. 前記屈折率分布型光ファイバと前記ミラーの間の前記光路は、屈折率マッチングオイルで満たされていることを特徴とする請求項1に記載のマトリクス型光スイッチ。
  4. 前記屈折率分布型光ファイバの端面に無反射コーティングが施されていることを特徴とする請求項1に記載のマトリクス型光スイッチ。
  5. 前記屈折率分布型光ファイバの端面は凸形状に加工されていることを特徴とする請求項4に記載のマトリクス型光スイッチ。
  6. 前記屈折率分布型光ファイバの端面は前記光路の方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項4に記載のマトリクス型光スイッチ。
  7. 行方向に配列されたN個の入力光ファイバと、
    列方向に配列されたM個の出力光ファイバと、
    前記出力光ファイバに対向して前記列方向に配列されたM個の分岐入力光ファイバと、
    前記入力光ファイバに対向して前記行方向に配列されたN個の分岐出力光ファイバとを更に有し、
    前記入力光ファイバ、前記出力光ファイバ、前記分岐入力光ファイバ及び前記分岐出力光ファイバと前記ミラーとの間に前記屈折率分布型光ファイバを更に配置したことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項に記載のマトリクス型光スイッチ。
  8. 前記ミラー及び前記屈折率分布型光ファイバを配置するための溝は基板上に一体で形成されていることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項に記載のマトリクス型光スイッチ。
  9. 格子状に配列された光路の交差点に配置されたN×M個の可動式のミラーを前記交差点に出し入れすることにより前記光路を切り替えるマトリクス型光スイッチの製造方法において、
    屈折率が中心軸から径方向に向かって減少している屈折率分布型光ファイバを用意し、
    軸回りの向きを揃えて前記ミラーの間に隣接して前記屈折率分布型光ファイバを挿入する
    ことを特徴とするマトリクス型光スイッチの製造方法。
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