JP2004061671A - 光デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】球状レンズが有する球面収差を小さくして、光学部品との結合効率を高めるとともに、光学設計の簡略化、コストの低廉化を有効に図る。
【解決手段】球レンズ12と、該球レンズ12に光学的に結合される光学部品としての光ファイバ14とを有し、特に、球レンズ12と光ファイバ14との間に屈折率整合部材としての接着剤16を充填する。接着剤16は、球レンズ12の屈折率と光ファイバ14の屈折率との間の範囲±αの屈折率を有する。例えば光ファイバの屈折率を1.45、球レンズの屈折率を1.5としたとき、屈折率1.4〜1.55の接着剤16を選定する。
【選択図】図1
【解決手段】球レンズ12と、該球レンズ12に光学的に結合される光学部品としての光ファイバ14とを有し、特に、球レンズ12と光ファイバ14との間に屈折率整合部材としての接着剤16を充填する。接着剤16は、球レンズ12の屈折率と光ファイバ14の屈折率との間の範囲±αの屈折率を有する。例えば光ファイバの屈折率を1.45、球レンズの屈折率を1.5としたとき、屈折率1.4〜1.55の接着剤16を選定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに用いられる光デバイスに関し、例えば、球状レンズを有するコリメータアレイに用いて好適な光デバイスに関する。ここで、球状レンズとは、外形が球体のものや、一部が欠けた形状、あるいはドラムレンズ等を含む意であり、特に、外形が球体のレンズを球レンズと記す。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気通信回線のデータ容量が急激に増加している。これに対応するため、既存の光ファイバを利用した波長多重(WDM)伝送方式の導入が進められ、前記WDM伝送方式の光デバイスとして、光クロスコネクト(OXC)スイッチに対するニーズが高まりつつある。
【0003】
前記OXCスイッチの中でも、例えば、MEMS(Micro Electro MechanicalSystem)型の光スイッチは、マイクロマシン技術を用いて作製され、かつ、量産化も容易であると考えられている。そのため、将来的に有望な光デバイスである。
【0004】
このような光デバイスは、複数の光入力と光出力とを有し、レンズ等の複数の光学素子がアレイ(レンズアレイ)として構成されている多心型の光デバイスである。この場合、空間にビームを飛ばす必要があるため、コリメータアレイが使われる。
【0005】
コリメータアレイに用いられるレンズとしては、非球面型のレンズ、平板型のマイクロレンズ、ロッドレンズ等がある。しかしながら、これらのレンズは高価であり、特に、単レンズである非球面型のレンズとロッドレンズとは、外形上の中心位置とレンズの光学的中心とが一致しない。そのため、非球面型のレンズ又はロッドレンズによってコリメータアレイを構成したときに、高精度のビームを得ることが極めて困難であるという問題があった。
【0006】
これに対して、外形が球体である球レンズは安価であると共に、外形上の中心位置とレンズの光学的中心とが一致しているため、球レンズでコリメータアレイを構成しても、高精度のビームが得られやすいという利点がある。球レンズが球形状に高精度に加工されていればいるほど、上記した利点が得られやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、球レンズは、基本的に球面収差を持っているため、要求仕様によっては、他の光学部品との結合効率等に所望の特性を満たすことができない場合があり、問題となっていた。
【0008】
また、光学部品の端面等での反射による戻り光の侵入を防ぐために、前記端面を光軸に対して斜めにする方法が考えられるが、この場合、前記端面での屈折で光路が変わるため、光学設計が複雑になるおそれがある。このため、前記端面を斜めではなく光軸に対して直角にし、更に、端面にARコートを施す方法が考えられるが、ファイバアレイとなった状態でARコートを施す必要から、コスト的に高価になる。
【0009】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、球状レンズが有する球面収差を小さくすることができ、光学部品との結合効率を高めることができる光デバイスを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、光学設計の簡略化、コストの低廉化を有効に図ることができる光デバイスを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般に、球レンズは、その材質の屈折率と球面状の屈折率界面で特性が決まる。単純な球面で焦点位置が最適化されていないレンズであるため、収差が大きくなる。この現象は、特に、球レンズに対する光の入射面と出射面の2面で屈折するために大きくなるとも捉えることができる。この考察から、本発明者は、球レンズの一面のみを積極的に使用するという考えに到った。
【0012】
即ち、本発明に係る光デバイスは、球状レンズと、該球状レンズに光学的に結合される光学部品とを有する光デバイスにおいて、前記球状レンズと前記光学部品との間が屈折率整合され、前記球状レンズのうち、前記光学部品と対向する部分と反対側の部分における光の透過有効エリアが屈折率整合されていないことを特徴とする。
【0013】
ここで、整合とは、球状レンズと光学部品との間の屈折率を、球状レンズの屈折率と光学部品の屈折率との間の範囲±αにすることを示す。例えば光学部品の屈折率を1.45、球状レンズの屈折率を1.5としたとき、その間の範囲は1.45〜1.5であるが、球状レンズと光学部品との間の屈折率は、前記範囲に対してある程度の幅を設定し、1.4〜1.55にする。
【0014】
そして、球状レンズ自身は、物理的にガラスの界面を持つが、その面に接する部分の屈折率を、球状レンズの屈折率と整合させることで、光学的には界面がなくなることになる。球状レンズの出射面が空気等の層と接するのであれば、該出射面において屈折率界面を持つため、レンズとして機能することとなる。つまり、本発明は、球状レンズの片面(この場合、例えば出射面)だけをレンズとして使用する。
【0015】
その結果、球状レンズの収差を小さくすることができ、光学部品との結合効率を高めることができる。
【0016】
また、本発明は、反射防止にも優れた機能を有する。一般に、ファイバアレイなどの光学部品での反射や球状レンズでの反射が元の光学部品に戻ると、光源に悪影響を与えることはよく知られている。
【0017】
しかし、本発明の場合、光学部品と球状レンズとの間が屈折率整合されているため、両者の界面では反射が発生しない。これは、光学部品の端面を光軸に対して斜めにしたり、光学部品の端面を光軸に対して直角にして、かつ、該端面にARコートを施すなどの処置をしなくても反射は抑えられることを示しており、その結果、光学設計が簡便になり、コスト等の面でも優れる。
【0018】
もちろん、光学部品における球状レンズと対向する端面を光軸に対して斜めにしても、直角にしても、反射の問題はないということは、端面の角度の選定について制約がなくなるため、設計の自由度を広げられることにつながる。
【0019】
そして、前記球状レンズは、前記光学部品と対向する部分に端面を有するようにしてもよい。これにより、光学部品との位置決めを簡単化することが可能となる。
【0020】
前記球状レンズと前記光学部品との間に屈折率整合部材が介在してもよい。この場合、屈折率整合部材としては、接着剤やバルク材、あるいはバルク材と接着剤との組合せ等がある。特に、球状レンズと光学部品間の距離が長い場合には、前記屈折率整合部材としてバルク材を有するようにすれば、接着剤のみを使用した場合と比して、製造上の面や特性上の面等で有利となる。
【0021】
球状レンズと屈折率整合部材とは光学的に界面がないことから、前記球状レンズ及び屈折率整合部材の各端面は、光軸に対して直角であってもよい。この場合、面合わせをしながら位置調整を行うことができ、位置決め工程の簡略化を図ることができる。また、端面が斜めの場合に生じていた光路の曲がりという問題はなく、しかも、球状レンズと屈折率整合部材との距離、あるいは球状レンズと光学部品との距離を設計値どおりに確保することができる。
【0022】
また、屈折率整合部材及び光学部品の各端面は、光軸に対して所定の角度だけ傾斜していてもよい。この場合、反射防止の点で有利であり、前記所定の角度として光路の曲がりが光学設計に影響しない程度の角度を選定することで、端面を斜めにすることによる不都合点を回避することができる。
【0023】
また、前記構成において、前記球状レンズを固定する基板を有するようにし、前記基板の表面に、少なくとも2つのV溝を交差して設け、これら2つのV溝の交差部に形成された4つの稜における所定の点で前記球状レンズを支持して、前記基板上に位置決め固定するようにしてもよい。
【0024】
これにより、球状レンズの固定の問題、即ち、例えば自重によって、簡単に位置決め箇所から別の箇所に移動してしまうという問題を解決することができ、球状レンズを用いた光デバイスの製造工程、特に、位置決め工程を簡単化することができる。
【0025】
また、本発明に係る光デバイスは、球状レンズと、該球状レンズに光学的に結合される光学部品とを有する光デバイスにおいて、前記球状レンズは、前記光学部品と対向する部分に端面を有するようにしてもよい。これにより、球状レンズと光学部品との位置決めを簡単化することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光デバイスの実施の形態例を図1〜図16を参照しながら説明する。
【0027】
まず、第1の実施の形態に係る光デバイス10Aは、図1に示すように、球レンズ12と、該球レンズ12に光学的に結合される光学部品としての光ファイバ14とを有し、特に、球レンズ12と光ファイバ14との間に屈折率整合部材としての接着剤16が充填されている。なお、図1では、外部からの平行光Lが、球レンズ12に入射され、該球レンズ12において収束されて光ファイバ14に入射している様子を示す。
【0028】
ここで、接着剤16は、球レンズ12の屈折率と光ファイバ14の屈折率との間の範囲±αの屈折率を有する。例えば球レンズ12の構成材料がBK−7であって、光ファイバ14の構成材料が石英である場合、光ファイバ14の屈折率は1.45、球レンズ12の屈折率は1.5であるため、屈折率が1.4〜1.55の接着剤16を選定する。これにより、球レンズ12と光ファイバ14との間において屈折率整合がなされることとなる。
【0029】
このように、第1の実施の形態に係る光デバイス10Aにおいては、球レンズ12と光ファイバ14との間を接着剤16にて屈折率整合するようにしたので、球レンズ12と光ファイバ14との間には、光学的に界面がなくなることになる。
【0030】
図1に示すように、外部からの平行光Lが球レンズ12にて収束されて光ファイバ14に入射する場合は、球レンズ12の光入射面が空気等の層と接するのであれば、屈折率界面を持つため、レンズとして機能する。反対に、光ファイバ14から出射した光が、球レンズ12にて平行光Lに変形されて出射する場合は、球レンズ12の光出射面がレンズとして機能することとなる。つまり、この第1の実施の形態では、球レンズ12の片面だけをレンズとして使用する。
【0031】
一般に、球レンズ12の収差は、球レンズ12に対する光の入射面と出射面の2面で屈折するために、大きくなるとも捉えることができるが、この第1の実施の形態では、球レンズ12の片面のみをレンズとして使用しているため、その分、収差が小さくなり、光ファイバ14との結合効率を高めることができる。
【0032】
また、この第1の実施の形態に係る光デバイス10Aは、反射防止にも優れた機能を有する。一般に、光ファイバ14での反射や球レンズ12での反射が元の光ファイバ14に戻ると、光源に悪影響を与えることはよく知られている。しかし、この第1の実施の形態の場合、光ファイバ14と球レンズ12との間が接着剤16にて屈折率整合されているため、両者の界面では反射が発生しない。
【0033】
これは、光ファイバ14における球レンズ12と対向する端面14aを光軸に対して斜めにしたり、前記端面14aを光軸に対して直角にして、かつ、該端面14aにARコートを施すなどの処置をしなくても反射は抑えられることを示しており、その結果、光学設計が簡便になり、コスト等の面でも優れることになる。
【0034】
もちろん、光ファイバ14の前記端面14aを光軸に対して斜めにしても、直角にしても、反射の問題はないということは、端面14aの角度の選定について制約がなくなるため、設計の自由度を広げられることにつながる。
【0035】
次に、第2の実施の形態に係る光デバイス10Bについて図2を参照しながら説明する。
【0036】
この第2の実施の形態に係る光デバイス10Bは、図2に示すように、上述した第1の実施の形態に係る光デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、球レンズ12と光ファイバ14との間に、屈折率整合部材としてのスペーサ20(バルク材によるスペーサ)が介在されている点で異なる。また、球レンズ12とスペーサ20との間には屈折率整合部材としての接着剤16が充填され、スペーサ20と光ファイバ14との間にも屈折率整合部材としての接着剤16が充填されている。
【0037】
ところで、第1の実施の形態のように、球レンズ12と光ファイバ14との間にのみ接着剤16を充填した場合、例えば光ファイバ14からの出射光の拡がり(NA)は、空気の場合より小さくなるため、その分、光ファイバ14と球レンズ12の結合距離を大きく取る必要が生じてくる。例えば、結合距離が1mm程度である場合、1mmもの空間に、均一に屈折率整合された接着剤16を充填することは容易とはいえない。
【0038】
そこで、この第2の実施の形態に係る光デバイス10Bのように、球レンズ12と光ファイバ14との間にバルク材であるスペーサ20を挿入し、これらを屈折率整合した接着剤16で固定するようにすれば、光ファイバ14と球レンズ12間の屈折率整合を容易に実現することができる。
【0039】
但し、光ファイバ14と球レンズ12とはそれぞれの屈折率が若干異なるため、微弱とはいえ反射が発生する。特に、光ファイバ14から出射された光を球レンズ12に入射させて平行光Lを得るコリメータを考えた場合、光ファイバ14の端面14aで反射が発生すると、かなりの効率で元の光ファイバ14に戻ってしまう。
【0040】
これに対し、球レンズ12におけるレンズ面での反射は結合距離の分だけ光ファイバ14から離れていることを考えると、例え、反射効率が同じであっても、元の光ファイバ14に戻る効率はかなり小さいといえる。このため、スペーサ20並びに接着剤16の各屈折率は、光ファイバ14の屈折率に合わせる方がより好ましい。
【0041】
また、接着剤16のみで屈折率整合する場合、光ファイバ14と球レンズ12との結合距離が長い場合、既述のように、かなりの距離を充填することになるため、単純に作製することができないという問題に加え、以下のような問題が生じるおそれがある。
【0042】
(1)微小な気泡の存在や、均質な硬化が難しいことから、局部的に変質部(屈折率が違う等の部分)等が生じる。この変質部等は接着剤16の欠陥として存在することから、該欠陥により、反射や損失が発生することとなる。なお、1〜2mm程度の空間を接着剤16にて均質に硬化することは非常に困難である。
【0043】
(2)接着剤16は樹脂にて構成されているため、硬化後の物性がばらつく場合がある。この硬化後の物性により、特に、偏光依存性や波長依存性という問題が発生するおそれがある。
【0044】
(3)接着剤16の透過率がmmオーダだとガラス等と比べると低いという問題がある。
【0045】
(4)硬化後においても柔軟性を有することから、ガラス等と比べると、光ファイバ14と球レンズ12間の距離が物理的に変動するという問題や、温度等による物性変動が大きいという問題がある。
【0046】
(5)接着剤16の熱膨張係数は、10−5程度と大きく、熱変動が大きいことと、石英による光ファイバ14やBK−7による球レンズ12の熱膨張率と一致していないという問題がある。
【0047】
(6)光ファイバ14あるいは球レンズ12と屈折率が完全には合わないという問題がある。
【0048】
(7)硬化収縮があるので、調心後、接着剤16の硬化中に光ファイバ14や球レンズ12が移動するおそれがある。
【0049】
(8)硬化前後で物性変化があるので、調心した状態での特性と硬化後の特性とに変動が生じるおそれがある。
【0050】
これに対し、この第2の実施の形態では、光ファイバ14と球レンズ12との間にバルク材であるスペーサ20を設置しており、特に、スペーサ20に石英を用いた場合、材料的には均質であり、偏光、波長依存、透過率、温度変動等の問題はなく、かつ、光ファイバ14に対して、熱膨張係数や屈折率が完全に一致している。また、調心した後での変動は当然ない。
【0051】
このように、第2の実施の形態に係る光デバイス10Bにおいては、球レンズ12と光ファイバ14間の結合距離が長くなる場合に、接着剤16のみを使用した場合と比して、製造上の面や特性上の面等で有利となる。
【0052】
次に、第3の実施の形態に係る光デバイス10Cについて図3〜図8を参照しながら説明する。
【0053】
この第3の実施の形態に係る光デバイス10Cは、図3に示すように、複数の光ファイバ14が配列されてなるファイバアレイ30と、複数の球レンズ12が配列されてなるレンズアレイ32とが屈折率整合部材としてのスペーサ20を介して結合されて構成されている。
【0054】
ファイバアレイ30とレンズアレイ32とは、ある所望の結合距離(焦点距離等)を確保する必要があるが、θxやθyの調整をも簡便にするという観点からスペーサ20を用いて面合わせすることにより、これらのファクターを簡便に満たすようにすることができる。
【0055】
レンズアレイ32における球レンズ12の固定は、例えば図5及び図6に示す方法によって達成することができる。即ち、固定基板40と、押さえ基板42とを用意し、これらの固定基板40と押さえ基板42とで球レンズ12を挟持固定する。以下の説明では、固定基板40と押さえ基板42とを合わせたものを組合せ基板44と記す。
【0056】
固定基板40は、例えば図6に示すように、その一主面に4本のV溝(以下、整列溝46A〜46Dと記す)が互いに平行して形成され、1本のV溝(以下、交差溝48と記す)が前記4本の整列溝46A〜46Dに対してほぼ直交して形成されている。
【0057】
そして、これら整列溝46A〜46D及び交差溝48が交差する部分(交差部50)には球レンズ12が載置固定されている。なお、複数の整列溝46A〜46Dを総称して言う場合には、単に整列溝46として記す。
【0058】
押さえ基板42は、図5及び図6に示すように、その一主面(固定基板40の一主面と対向する面)に、固定基板40の整列溝46と対向し、かつ、該整列溝46と平行なV溝52A〜52Dが形成されている。なお、複数のV溝52A〜52Dを総称して言う場合には、単にV溝52として記す。
【0059】
そして、レンズアレイ32を作製する場合は、固定基板40における交差部50の底部に接着剤54(図5参照)を塗布した後、交差部50に球レンズ12を載置する。このとき、球レンズ12は、図7に示すように、交差部50における各稜56a〜56dにおいてそれぞれ接触点58a〜58dにて支持される。従って、図3及び図4に示すように、各球レンズ12は、X方向に一直線状に並び、更に、各球レンズ12の頂部もZ方向(固定基板40の一主面から鉛直方向に立ち上がる方向)に対してほぼ揃うことになる。
【0060】
その後、押さえ基板42のV溝52の底部に接着剤60(図5参照)を塗布し、押さえ基板42のV溝52と固定基板40の交差部50とが対向するようにして、交差部50に固定されている球レンズ12を押さえ基板42で押さえ、固定する。このとき、球レンズは、図8に示すように、押さえ基板42のV溝52との接触点62a及び62bにて支持される。
【0061】
球レンズ12は、交差部50に載置しただけで安定に固定されており、その後、押さえ基板42で加重(一方向の加重)をかけるだけで、X方向、Y方向及びZ方向の3軸の方向が決まるため、組立て後でもサブミクロンの精度を得ることができる。
【0062】
このようなレンズアレイ32で第3の実施の形態に係る光デバイス10Cを構成する場合は、組合せ基板44とスペーサ20との面合わせによる組立てが、精度的にも、また、位置決めの簡便さからも好ましい。
【0063】
次に、第4の実施の形態に係る光デバイス10Dについて図9及び図10を参照しながら説明する。
【0064】
この第4の実施の形態に係る光デバイス10Dは、図9及び図10に示すように、上述した第3の実施の形態に係る光デバイス10Cとほぼ同様の構成を有するが、レンズアレイ32に球レンズ12ではなく、半球レンズ70が固定されている点で異なる。
【0065】
即ち、各半球レンズ70は、スペーサ20と対向する部分に端面70aを有し、かつ、該端面70aは、スペーサ20の端面20aと同様に、光軸に対して直角とされ、更に、各端面70aが組合せ基板44の端面44a(スペーサ20側の端面)に沿って揃っている。
【0066】
ところで、上述した第3の実施の形態に係る光デバイス10C(図3参照)において、球レンズ12とファイバアレイ30の光ファイバ14間の結合距離は、組合せ基板44のスペーサ20側の端面44aから球レンズ12までの距離jと、スペーサ20の幅kとの合計の長さとなり、2つのファクターを必要とする。そこで、球レンズ12をスペーサ20に当接するようにした場合は、各球レンズ12の位置がまちまちとなり、面合わせによる利点が損なわれるおそれがある。
【0067】
これに対して、この第4の実施の形態に係る光デバイス10Dでは、各半球レンズ70の端面70aが組合せ基板44の端面44aに沿って揃っているため、スペーサ20に対して組合せ基板44を面合わせするだけで、各半球レンズ70もスペーサ20に面合わせされ、半球レンズ70の高精度な位置決めが簡単に達成される。
【0068】
上述のように、結合時の調整を考慮すると、半球レンズ70の端面70aのみを基準面としてもよいが、組合せ基板44の端面44aも含めて基準面とすることが好ましい。これらを考慮すると、まず、上述のように、球レンズ12(例えば図3参照)を組合せ基板44にて整列させ、その後、組合せ基板44と一緒に各球レンズ12がそれぞれ半球レンズ70となるところまで削ればよい。この手法であれば、図9に示すように、組合せ基板44の端面44aと半球レンズ70の端面70aがそれぞれ一致した一つの面となるので好適である。
【0069】
この場合、半球レンズ70の片側は平面なので、レンズ形状の面としては、スペーサ20とは反対の面(半球側の面)のみとなる。従って、使用形態によっては、収差を改善することができる。このようなことから、この第4の実施の形態に係る光デバイス10Dの変形例10Daとして、図11に示すように、スペーサ20を外した構成のものを実用化することも可能である。
【0070】
しかし、半球レンズ70の一部が平面であっても、入射光あるいは出射光は屈折することから、光路が変わり、場合によってはそれほどの改善(収差の改善)が得られないおそれがある。従って、第4の実施の形態に係る光デバイス10Dのように、半球レンズ70の場合でも、反射等を考慮すると、平面側に屈折率整合部材としてのスペーサ20を配置して、光ファイバ14に対して屈折率整合した方が好ましい。なお、スペーサ20とファイバアレイ30との間、並びにスペーサ20とレンズアレイ32との間にも屈折率整合部材としての接着剤16を充填してもよい。
【0071】
次に、第5の実施の形態に係る光デバイス10Eについて図12及び図13を参照しながら説明する。
【0072】
この第5の実施の形態に係る光デバイス10Eは、図12及び図13に示すように、上述した第4の実施の形態に係る光デバイス10Dとほぼ同様の構成を有するが、半球レンズ70の代わりに、球レンズ12の一部が削られて、半球レンズ70よりもレンズ部分が多い球状レンズ80である点と、スペーサ20のファイバアレイ30と対向する端面20bとファイバアレイ30の端面30aとが互いに光軸に対して斜めになっている点で異なる。
【0073】
各球状レンズ80の削られた部分は端面80aとされ、スペーサ20と対向するように位置決めされている。また、各端面80aは、スペーサ20の端面20aと同様に、光軸に対して直角とされ、更に、各端面80aが組合せ基板44の端面44a(スペーサ20側の端面)に沿って揃っている。
【0074】
これにより、半球レンズ70(図9参照)の場合よりも、球状レンズ80を固定基板40の交差部50並びに押さえ基板42のV溝52に対して安定に固定することができ、製造過程での球状レンズ80の脱落や位置ずれを回避することができる。これは、製造工程の簡略化につながる。
【0075】
これについて図7及び図8に基づいて説明する。即ち、固定基板40と押さえ基板42との間に球レンズ12を設置した場合、図7に示すように、交差部50と球レンズ12の接触点58a〜58dは、上から見て、球レンズ12の中心から四方に等間隔で離れた位置となり、図8に示すように、押さえ基板42のV溝52と球レンズ12の接触点62a及び62bは、球レンズ12の中心を通り、V溝52の延在方向と直交する線上であって、球レンズ12の中心から等間隔で離間した位置となるため、球レンズ12を例えば切断線mに沿って正確な半球レンズ70とすると、半球レンズ70とV溝52との接触点62a及び62bを削ってしまうおそれがある。半球レンズ70が交差部50やV溝52に対して接着剤で固定されたとはいえ、V溝52との接触点62a及び62bを削ってしまうことは好ましくない。
【0076】
従って、正確に半球化するのではなく、球レンズ12を例えば別の切断線nに沿って切断して、V溝52との接触点62a及び62bが残る状態、好ましくは、交差部50との4つの接触点58a〜58dが残る状態で平面化して球状レンズ80を作製するとよい。これにより、球状レンズ80を組合せ基板44内に安定して固定させることができる。
【0077】
また、この第5の実施の形態では、図13に示すように、スペーサ20の端面20bとファイバアレイ30の端面30aとが互いに光軸に対して斜めになっている。その結果、以下のような利点を得ることができる。
【0078】
即ち、スペーサ20や接着剤16にて屈折率整合するといっても、厳密には屈折率がずれてしまうことは否めない。例えば石英製の光ファイバ14の屈折率1.45に対し、接着剤16の屈折率が1.47とすると、ファイバアレイ30の端面30aが直角の場合、反射が43dB程度発生する。場合によっては、50dB以上は確保したいので、43dBだと若干大きいことになる。
【0079】
そこで、この第5の実施の形態のように、ファイバアレイ30の端面30a及びスペーサ20のファイバアレイ30側の端面20bを斜めにして反射の戻りを抑えることが好ましいが、斜めにすると光路が曲がるため光学系の設計の複雑さが増すという問題がある。しかし、上記条件であれば、光路の曲がりは0.1°程度なので、問題になるレベルではなく、やはり反射防止の観点から、上述の端面30a及び20bは斜めである方がよい。
【0080】
また、上述のように、斜めにするのはファイバアレイ30の端面30a及びスペーサ20のファイバアレイ30側の端面20bであり、レンズアレイ32の端面44a及びスペーサ20のレンズアレイ32側の端面20aは直角でもよい。球状レンズ80がBK−7とすると、屈折率が1.50なので、屈折率1.47の接着剤16から入射すると、40dBの反射が発生する。しかし、ファイバアレイ30の端面30aからmmオーダ離れているため、40dBの反射が発生しても、ファイバアレイ30に戻る成分としては50dB以上が確保できる。
【0081】
ここで、第5の実施の形態に係る光デバイス10Eの作製手順を考える。まず、ファイバアレイ30にスペーサ20を貼り付けて固定し、その後に、レンズアレイ32を調心する。この場合、調心を行うもの同士の端面20a及び44aは直角であるため、ファイバアレイ30の端面30a及びスペーサ20のファイバアレイ30側の端面20bが斜めでも、直角による調心の利点を得ることができる。
【0082】
仮に、調心するもの同士の端面20a及び44aが斜めだと、面合わせを行った際に、Z軸方向に加重を掛けた場合、Y及びZ軸方向に動く力に自由度があり、相対的にずれてしまうおそれがある。つまり、面合わせによる3軸調整ができなくなる。
【0083】
これに対し、調心するもの同士の端面20a及び44aが光軸に対して直角だと、面合わせしながら3軸調整はスペーサ20で確保し、残り3軸を調心すればよい。
【0084】
なお、上述のように、スペーサ20の一方の端面20bを光軸に対して斜めとし、他方の端面20aを光軸に対して直角にしてもよいが、台形形状であるため、一方の端面20bが上下方向に斜めとなっている場合、上下方向に位置がずれるとZ方向の距離(レンズアレイ32とファイバアレイ30間の距離)もずれてしまうこととなる。
【0085】
厳密に光路の曲がりを回避したり、Z軸方向の距離を確保するためには、スペーサ20の貼り付け位置を正確に配置する必要があるため、図14に示す第6の実施の形態に係る光デバイス10Fのように、スペーサ20の両端面20a及び20bは光軸に対して直角であることがより好ましい。
【0086】
これは、現時点での市場から一般的に購入できる接着剤では若干の屈折率差があるので難しいが、より厳密に屈折率整合した接着剤は、現時点でも高価ではあるが入手は可能であり、将来的には、より一般的になると考えられる。このようなことから、厳密な屈折率整合が実現すれば、スペーサ20の端面20bは直角とした方が、光路曲がりの問題解決やZ軸方向の距離の確保が簡便になるのでより好ましい。
【0087】
【実施例】
次に、第5の実施の形態に係る光デバイス10Eを8チャネルのレンズアレイを有する光デバイスに適用した実施例(以下、実施例に係る光デバイス10Gと記す)について図6、図12、図15A〜図15C及び図16も参照しながら説明する。なお、図6及び図12は、4チャネルのレンズアレイ32を示しているが、基本構造は8チャネルのレンズアレイと同じである。
【0088】
この実施例に係る光デバイス10Gにおいて、図12に示すように、レンズアレイ32における球状レンズ80の配列ピッチは1mmとした。また、使用したファイバアレイ30の外寸は幅10mm×長さ10mm×厚み3mmである。球状レンズ80の基となる球レンズ12はBK−7製であってφ0.8mmのものを用いた。
【0089】
ここで、レンズアレイ32について詳しく説明する。球状レンズ80の整列のために、図15Aに示すように、固定基板40として、配列ピッチが1mmの8本の整列溝46とこれら整列溝46に対して直交する1本の交差溝48が形成されたものを使用し、押さえ基板42として、配列ピッチが1mmの8本のV溝52が形成されたものを使用した。
【0090】
これにより、固定基板40における8つの交差部50では、それぞれ整列溝46と交差溝48の交差によって形成される4つの稜の各接触点に球状レンズ80(図15Aの状態は、まだ端面研削を行っていないため、球レンズ12の状態である)が接する状態とした。交差部50における4つの接触点での接触で、理論的には、球状レンズ80のX方向、Y方向及びZ方向の位置が決まるが、特に、Z方向の整列が容易となる点が大きな利点である。X方向及びY方向の整列は、基本的に押さえ基板42側で確保する考え方である。
【0091】
固定基板40に対する整列溝46の加工は、固定基板40の側面40c(図6参照)を基準に、該側面40cと平行にマイクログラインダーで行った。次に、図6及び図15Aに示すように、固定基板40の側面40cと直交する端面40a及び40bのうち、スペーサ20側と反対の端面40aを基準に、これと平行に交差溝48を加工した。これにより、交差溝48は、前記端面40aと高精度に平行であり、かつ整列溝46に対してもほぼ直角なV溝として形成された。従って、固定基板40の前記端面40aは、交差溝48の基準面となる。
【0092】
次に、レンズアレイ32の組立てを行った。即ち、図15Aに示すように、固定基板40の各交差部50に球レンズ12を固定し、更に、押さえ基板42で球レンズ12を上方から押さえるようにして固定した。この段階で、組合せ基板44内に8つの球レンズ12が配列固定された形態となる。このとき、固定基板40における交差溝48の基準面40aが押さえ基板42の対応する端面42aよりはみ出る形態にしておいた。
【0093】
その後、球レンズ12を固定基板40の交差部50に設置し、押さえ基板42を球レンズ12上に設置した。この際、球レンズ12が固定基板40の端面40aよりは引っ込み、押さえ基板42の端面42aより一部はみ出る位置になるように押さえ基板42を配置した。この段階で、固定基板40と押さえ基板42との重ね合わせによる組合せ基板44が構成される。
【0094】
この状態で、図15Bに示すように、組合せ基板44のうち、球レンズ12が出ていない側の端面40b及び42bから接着剤16を塗布することで、球レンズ12の方向に接着剤16が流れ、押さえ基板42の端面42aから球レンズ12が一部露出している部分で前記接着剤16の流れは止まる。つまり、球レンズ12が露出している部分よりも端面40aの方向には接着剤16が流れ込まず、屈折率整合しない状態が確保できた。この状態で、接着剤16を紫外線照射により硬化した。なお、この実施例では、固定基板40側は球レンズ12が突き出ないようにした。これは交差溝48により接着剤16の流れがある程度止まるからである。しかし、接着剤16の充填を確実にしたい場合には、接着剤16を充填する際における球レンズ12の光透過面への接着剤16の回り込みを防止するために、固定基板40も押さえ基板42と同様に、該固定基板40の端面40aから球レンズ12の一部が突き出るような形態にしてもよい。
【0095】
その後、図15Cに示すように、球レンズ12の一部が平面になるように、球レンズ12を0.3mmだけ削り、長さが0.5mmとなるまで、球レンズ12の一部を組合せ基板44ごと平面研削盤で加工した。このとき、球レンズ12が配置されている交差溝48と平行に端面44aを加工するため、交差溝48の基準面40aを基準に加工を行った。これにより、前記球レンズ12は、一部に研削面(端面80a)を有する球状レンズ80となった。
【0096】
上述の加工により、前記球状レンズ80の端面80aは、交差溝48に対して、正確に平行に加工することができた。つまり、球状レンズ80の端面80aと球状レンズ80の整列方向が精度よく平行となった。これは、以降の工程で、結合距離を揃える上で非常に重要な利点となる。平面研削盤を用いたのは、球レンズ12を基準面40aを基準に正確に平面加工が行えるからである。最後に、球状レンズ80の端面80a並びに組合せ基板44の研削面(端面44a)を、共にバフ研磨のみで最終仕上げ研磨を施した。
【0097】
なお、レンズアレイ32の組合せ基板44の外寸は幅10mm×長さ2mm×厚み3mmとした。また、組合せ基板44の材質は、球状レンズ80に合わせBK−7とした。スペーサ20は、石英製の光ファイバ14と屈折率を合わせるために、石英を用いた。外寸は幅10mm×長さ1mm×厚み3mmとした。つまり、球状レンズ80の中心と光ファイバ14の結合距離は1.1mmである。その後、ファイバアレイ30に対してスペーサ20を石英と屈折率が同じ1.45の接着剤16で固定した。
【0098】
次に、調心・固定方法について説明する。まず、図16に示すように、スペーサ20の端面20bに上述と同じ接着剤16を塗布し、ファイバアレイ30からスペーサ20を通じて出射される光を撮像し、該出射光の画像を観察して、出射光の中心位置をコンピュータのメモリに記憶した。その後、スペーサ20とレンズアレイ32の研磨面(球状レンズ80の端面80aが露出している面)とを面合わせし、X方向、Y方向及びθzを調整し、前記メモリに記憶した中心位置とコリメート光の中心が一致するようにした。その後、紫外線を照射して接着剤16を硬化し、本実施例に係る光デバイスを完成させた。
【0099】
作製した2つの実施例に係る光デバイスを距離30mm離して結合した結果、全てのチャネルが損失1dB以下でクロストーク50dB以上と、良好な結果を得た。
【0100】
なお、この発明に係る光デバイスは、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光デバイスによれば、球状レンズが有する収差を小さくすることができ、光学部品との結合効率を高めることができる。また、光学設計の簡略化、コストの低廉化を有効に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る光デバイスを示す構成図である。
【図2】第2の実施の形態に係る光デバイスを示す構成図である。
【図3】第3の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球レンズを露出させて示す平面図である。
【図4】第3の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球レンズを露出させて示す側面図である。
【図5】第3の実施の形態に係る光デバイスにおけるレンズアレイを示す断面図である。
【図6】第3の実施の形態に係る光デバイスにおけるレンズアレイを示す分解斜視図である。
【図7】固定基板の交差部に球レンズを載置した状態を示す説明図である。
【図8】押さえ基板のV溝と球レンズとの位置関係を示す説明図である。
【図9】第4の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、半球レンズを露出させて示す平面図である。
【図10】第4の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、半球レンズを露出させて示す側面図である。
【図11】第4の実施の形態に係る光デバイスの変形例を示し、特に、半球レンズを露出させて示す側面図である。
【図12】第5の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球状レンズを露出させて示す平面図である。
【図13】第5の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球状レンズを露出させて示す側面図である。
【図14】第6の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球状レンズを露出させて示す側面図である。
【図15】図15Aは実施例に係る光デバイスにおいて、固定基板の交差部に球レンズを載置し、更に押さえ基板を重ね合わせて組合せ基板とした状態を示す説明図であり、図15Bは組合せ基板の一方の端面から接着剤を塗布した状態を示す説明図であり、図15Cは組合せ基板の端面を研削加工した状態を示す説明図である。
【図16】実施例に係る光デバイスを示し、特に、球状レンズを露出させて示す側面図である。
【符号の説明】
10A、10B、10C、10D、10Da、10E、10F、10G…光デバイス
12…球レンズ 14…光ファイバ
16…接着剤 20…スペーサ
30…ファイバアレイ 32…レンズアレイ
40…固定基板 42…押さえ基板
44…組合せ基板 46…整列溝
48…交差溝 50…交差部
52…V溝 70…半球レンズ
80…球状レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに用いられる光デバイスに関し、例えば、球状レンズを有するコリメータアレイに用いて好適な光デバイスに関する。ここで、球状レンズとは、外形が球体のものや、一部が欠けた形状、あるいはドラムレンズ等を含む意であり、特に、外形が球体のレンズを球レンズと記す。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気通信回線のデータ容量が急激に増加している。これに対応するため、既存の光ファイバを利用した波長多重(WDM)伝送方式の導入が進められ、前記WDM伝送方式の光デバイスとして、光クロスコネクト(OXC)スイッチに対するニーズが高まりつつある。
【0003】
前記OXCスイッチの中でも、例えば、MEMS(Micro Electro MechanicalSystem)型の光スイッチは、マイクロマシン技術を用いて作製され、かつ、量産化も容易であると考えられている。そのため、将来的に有望な光デバイスである。
【0004】
このような光デバイスは、複数の光入力と光出力とを有し、レンズ等の複数の光学素子がアレイ(レンズアレイ)として構成されている多心型の光デバイスである。この場合、空間にビームを飛ばす必要があるため、コリメータアレイが使われる。
【0005】
コリメータアレイに用いられるレンズとしては、非球面型のレンズ、平板型のマイクロレンズ、ロッドレンズ等がある。しかしながら、これらのレンズは高価であり、特に、単レンズである非球面型のレンズとロッドレンズとは、外形上の中心位置とレンズの光学的中心とが一致しない。そのため、非球面型のレンズ又はロッドレンズによってコリメータアレイを構成したときに、高精度のビームを得ることが極めて困難であるという問題があった。
【0006】
これに対して、外形が球体である球レンズは安価であると共に、外形上の中心位置とレンズの光学的中心とが一致しているため、球レンズでコリメータアレイを構成しても、高精度のビームが得られやすいという利点がある。球レンズが球形状に高精度に加工されていればいるほど、上記した利点が得られやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、球レンズは、基本的に球面収差を持っているため、要求仕様によっては、他の光学部品との結合効率等に所望の特性を満たすことができない場合があり、問題となっていた。
【0008】
また、光学部品の端面等での反射による戻り光の侵入を防ぐために、前記端面を光軸に対して斜めにする方法が考えられるが、この場合、前記端面での屈折で光路が変わるため、光学設計が複雑になるおそれがある。このため、前記端面を斜めではなく光軸に対して直角にし、更に、端面にARコートを施す方法が考えられるが、ファイバアレイとなった状態でARコートを施す必要から、コスト的に高価になる。
【0009】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、球状レンズが有する球面収差を小さくすることができ、光学部品との結合効率を高めることができる光デバイスを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、光学設計の簡略化、コストの低廉化を有効に図ることができる光デバイスを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般に、球レンズは、その材質の屈折率と球面状の屈折率界面で特性が決まる。単純な球面で焦点位置が最適化されていないレンズであるため、収差が大きくなる。この現象は、特に、球レンズに対する光の入射面と出射面の2面で屈折するために大きくなるとも捉えることができる。この考察から、本発明者は、球レンズの一面のみを積極的に使用するという考えに到った。
【0012】
即ち、本発明に係る光デバイスは、球状レンズと、該球状レンズに光学的に結合される光学部品とを有する光デバイスにおいて、前記球状レンズと前記光学部品との間が屈折率整合され、前記球状レンズのうち、前記光学部品と対向する部分と反対側の部分における光の透過有効エリアが屈折率整合されていないことを特徴とする。
【0013】
ここで、整合とは、球状レンズと光学部品との間の屈折率を、球状レンズの屈折率と光学部品の屈折率との間の範囲±αにすることを示す。例えば光学部品の屈折率を1.45、球状レンズの屈折率を1.5としたとき、その間の範囲は1.45〜1.5であるが、球状レンズと光学部品との間の屈折率は、前記範囲に対してある程度の幅を設定し、1.4〜1.55にする。
【0014】
そして、球状レンズ自身は、物理的にガラスの界面を持つが、その面に接する部分の屈折率を、球状レンズの屈折率と整合させることで、光学的には界面がなくなることになる。球状レンズの出射面が空気等の層と接するのであれば、該出射面において屈折率界面を持つため、レンズとして機能することとなる。つまり、本発明は、球状レンズの片面(この場合、例えば出射面)だけをレンズとして使用する。
【0015】
その結果、球状レンズの収差を小さくすることができ、光学部品との結合効率を高めることができる。
【0016】
また、本発明は、反射防止にも優れた機能を有する。一般に、ファイバアレイなどの光学部品での反射や球状レンズでの反射が元の光学部品に戻ると、光源に悪影響を与えることはよく知られている。
【0017】
しかし、本発明の場合、光学部品と球状レンズとの間が屈折率整合されているため、両者の界面では反射が発生しない。これは、光学部品の端面を光軸に対して斜めにしたり、光学部品の端面を光軸に対して直角にして、かつ、該端面にARコートを施すなどの処置をしなくても反射は抑えられることを示しており、その結果、光学設計が簡便になり、コスト等の面でも優れる。
【0018】
もちろん、光学部品における球状レンズと対向する端面を光軸に対して斜めにしても、直角にしても、反射の問題はないということは、端面の角度の選定について制約がなくなるため、設計の自由度を広げられることにつながる。
【0019】
そして、前記球状レンズは、前記光学部品と対向する部分に端面を有するようにしてもよい。これにより、光学部品との位置決めを簡単化することが可能となる。
【0020】
前記球状レンズと前記光学部品との間に屈折率整合部材が介在してもよい。この場合、屈折率整合部材としては、接着剤やバルク材、あるいはバルク材と接着剤との組合せ等がある。特に、球状レンズと光学部品間の距離が長い場合には、前記屈折率整合部材としてバルク材を有するようにすれば、接着剤のみを使用した場合と比して、製造上の面や特性上の面等で有利となる。
【0021】
球状レンズと屈折率整合部材とは光学的に界面がないことから、前記球状レンズ及び屈折率整合部材の各端面は、光軸に対して直角であってもよい。この場合、面合わせをしながら位置調整を行うことができ、位置決め工程の簡略化を図ることができる。また、端面が斜めの場合に生じていた光路の曲がりという問題はなく、しかも、球状レンズと屈折率整合部材との距離、あるいは球状レンズと光学部品との距離を設計値どおりに確保することができる。
【0022】
また、屈折率整合部材及び光学部品の各端面は、光軸に対して所定の角度だけ傾斜していてもよい。この場合、反射防止の点で有利であり、前記所定の角度として光路の曲がりが光学設計に影響しない程度の角度を選定することで、端面を斜めにすることによる不都合点を回避することができる。
【0023】
また、前記構成において、前記球状レンズを固定する基板を有するようにし、前記基板の表面に、少なくとも2つのV溝を交差して設け、これら2つのV溝の交差部に形成された4つの稜における所定の点で前記球状レンズを支持して、前記基板上に位置決め固定するようにしてもよい。
【0024】
これにより、球状レンズの固定の問題、即ち、例えば自重によって、簡単に位置決め箇所から別の箇所に移動してしまうという問題を解決することができ、球状レンズを用いた光デバイスの製造工程、特に、位置決め工程を簡単化することができる。
【0025】
また、本発明に係る光デバイスは、球状レンズと、該球状レンズに光学的に結合される光学部品とを有する光デバイスにおいて、前記球状レンズは、前記光学部品と対向する部分に端面を有するようにしてもよい。これにより、球状レンズと光学部品との位置決めを簡単化することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光デバイスの実施の形態例を図1〜図16を参照しながら説明する。
【0027】
まず、第1の実施の形態に係る光デバイス10Aは、図1に示すように、球レンズ12と、該球レンズ12に光学的に結合される光学部品としての光ファイバ14とを有し、特に、球レンズ12と光ファイバ14との間に屈折率整合部材としての接着剤16が充填されている。なお、図1では、外部からの平行光Lが、球レンズ12に入射され、該球レンズ12において収束されて光ファイバ14に入射している様子を示す。
【0028】
ここで、接着剤16は、球レンズ12の屈折率と光ファイバ14の屈折率との間の範囲±αの屈折率を有する。例えば球レンズ12の構成材料がBK−7であって、光ファイバ14の構成材料が石英である場合、光ファイバ14の屈折率は1.45、球レンズ12の屈折率は1.5であるため、屈折率が1.4〜1.55の接着剤16を選定する。これにより、球レンズ12と光ファイバ14との間において屈折率整合がなされることとなる。
【0029】
このように、第1の実施の形態に係る光デバイス10Aにおいては、球レンズ12と光ファイバ14との間を接着剤16にて屈折率整合するようにしたので、球レンズ12と光ファイバ14との間には、光学的に界面がなくなることになる。
【0030】
図1に示すように、外部からの平行光Lが球レンズ12にて収束されて光ファイバ14に入射する場合は、球レンズ12の光入射面が空気等の層と接するのであれば、屈折率界面を持つため、レンズとして機能する。反対に、光ファイバ14から出射した光が、球レンズ12にて平行光Lに変形されて出射する場合は、球レンズ12の光出射面がレンズとして機能することとなる。つまり、この第1の実施の形態では、球レンズ12の片面だけをレンズとして使用する。
【0031】
一般に、球レンズ12の収差は、球レンズ12に対する光の入射面と出射面の2面で屈折するために、大きくなるとも捉えることができるが、この第1の実施の形態では、球レンズ12の片面のみをレンズとして使用しているため、その分、収差が小さくなり、光ファイバ14との結合効率を高めることができる。
【0032】
また、この第1の実施の形態に係る光デバイス10Aは、反射防止にも優れた機能を有する。一般に、光ファイバ14での反射や球レンズ12での反射が元の光ファイバ14に戻ると、光源に悪影響を与えることはよく知られている。しかし、この第1の実施の形態の場合、光ファイバ14と球レンズ12との間が接着剤16にて屈折率整合されているため、両者の界面では反射が発生しない。
【0033】
これは、光ファイバ14における球レンズ12と対向する端面14aを光軸に対して斜めにしたり、前記端面14aを光軸に対して直角にして、かつ、該端面14aにARコートを施すなどの処置をしなくても反射は抑えられることを示しており、その結果、光学設計が簡便になり、コスト等の面でも優れることになる。
【0034】
もちろん、光ファイバ14の前記端面14aを光軸に対して斜めにしても、直角にしても、反射の問題はないということは、端面14aの角度の選定について制約がなくなるため、設計の自由度を広げられることにつながる。
【0035】
次に、第2の実施の形態に係る光デバイス10Bについて図2を参照しながら説明する。
【0036】
この第2の実施の形態に係る光デバイス10Bは、図2に示すように、上述した第1の実施の形態に係る光デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、球レンズ12と光ファイバ14との間に、屈折率整合部材としてのスペーサ20(バルク材によるスペーサ)が介在されている点で異なる。また、球レンズ12とスペーサ20との間には屈折率整合部材としての接着剤16が充填され、スペーサ20と光ファイバ14との間にも屈折率整合部材としての接着剤16が充填されている。
【0037】
ところで、第1の実施の形態のように、球レンズ12と光ファイバ14との間にのみ接着剤16を充填した場合、例えば光ファイバ14からの出射光の拡がり(NA)は、空気の場合より小さくなるため、その分、光ファイバ14と球レンズ12の結合距離を大きく取る必要が生じてくる。例えば、結合距離が1mm程度である場合、1mmもの空間に、均一に屈折率整合された接着剤16を充填することは容易とはいえない。
【0038】
そこで、この第2の実施の形態に係る光デバイス10Bのように、球レンズ12と光ファイバ14との間にバルク材であるスペーサ20を挿入し、これらを屈折率整合した接着剤16で固定するようにすれば、光ファイバ14と球レンズ12間の屈折率整合を容易に実現することができる。
【0039】
但し、光ファイバ14と球レンズ12とはそれぞれの屈折率が若干異なるため、微弱とはいえ反射が発生する。特に、光ファイバ14から出射された光を球レンズ12に入射させて平行光Lを得るコリメータを考えた場合、光ファイバ14の端面14aで反射が発生すると、かなりの効率で元の光ファイバ14に戻ってしまう。
【0040】
これに対し、球レンズ12におけるレンズ面での反射は結合距離の分だけ光ファイバ14から離れていることを考えると、例え、反射効率が同じであっても、元の光ファイバ14に戻る効率はかなり小さいといえる。このため、スペーサ20並びに接着剤16の各屈折率は、光ファイバ14の屈折率に合わせる方がより好ましい。
【0041】
また、接着剤16のみで屈折率整合する場合、光ファイバ14と球レンズ12との結合距離が長い場合、既述のように、かなりの距離を充填することになるため、単純に作製することができないという問題に加え、以下のような問題が生じるおそれがある。
【0042】
(1)微小な気泡の存在や、均質な硬化が難しいことから、局部的に変質部(屈折率が違う等の部分)等が生じる。この変質部等は接着剤16の欠陥として存在することから、該欠陥により、反射や損失が発生することとなる。なお、1〜2mm程度の空間を接着剤16にて均質に硬化することは非常に困難である。
【0043】
(2)接着剤16は樹脂にて構成されているため、硬化後の物性がばらつく場合がある。この硬化後の物性により、特に、偏光依存性や波長依存性という問題が発生するおそれがある。
【0044】
(3)接着剤16の透過率がmmオーダだとガラス等と比べると低いという問題がある。
【0045】
(4)硬化後においても柔軟性を有することから、ガラス等と比べると、光ファイバ14と球レンズ12間の距離が物理的に変動するという問題や、温度等による物性変動が大きいという問題がある。
【0046】
(5)接着剤16の熱膨張係数は、10−5程度と大きく、熱変動が大きいことと、石英による光ファイバ14やBK−7による球レンズ12の熱膨張率と一致していないという問題がある。
【0047】
(6)光ファイバ14あるいは球レンズ12と屈折率が完全には合わないという問題がある。
【0048】
(7)硬化収縮があるので、調心後、接着剤16の硬化中に光ファイバ14や球レンズ12が移動するおそれがある。
【0049】
(8)硬化前後で物性変化があるので、調心した状態での特性と硬化後の特性とに変動が生じるおそれがある。
【0050】
これに対し、この第2の実施の形態では、光ファイバ14と球レンズ12との間にバルク材であるスペーサ20を設置しており、特に、スペーサ20に石英を用いた場合、材料的には均質であり、偏光、波長依存、透過率、温度変動等の問題はなく、かつ、光ファイバ14に対して、熱膨張係数や屈折率が完全に一致している。また、調心した後での変動は当然ない。
【0051】
このように、第2の実施の形態に係る光デバイス10Bにおいては、球レンズ12と光ファイバ14間の結合距離が長くなる場合に、接着剤16のみを使用した場合と比して、製造上の面や特性上の面等で有利となる。
【0052】
次に、第3の実施の形態に係る光デバイス10Cについて図3〜図8を参照しながら説明する。
【0053】
この第3の実施の形態に係る光デバイス10Cは、図3に示すように、複数の光ファイバ14が配列されてなるファイバアレイ30と、複数の球レンズ12が配列されてなるレンズアレイ32とが屈折率整合部材としてのスペーサ20を介して結合されて構成されている。
【0054】
ファイバアレイ30とレンズアレイ32とは、ある所望の結合距離(焦点距離等)を確保する必要があるが、θxやθyの調整をも簡便にするという観点からスペーサ20を用いて面合わせすることにより、これらのファクターを簡便に満たすようにすることができる。
【0055】
レンズアレイ32における球レンズ12の固定は、例えば図5及び図6に示す方法によって達成することができる。即ち、固定基板40と、押さえ基板42とを用意し、これらの固定基板40と押さえ基板42とで球レンズ12を挟持固定する。以下の説明では、固定基板40と押さえ基板42とを合わせたものを組合せ基板44と記す。
【0056】
固定基板40は、例えば図6に示すように、その一主面に4本のV溝(以下、整列溝46A〜46Dと記す)が互いに平行して形成され、1本のV溝(以下、交差溝48と記す)が前記4本の整列溝46A〜46Dに対してほぼ直交して形成されている。
【0057】
そして、これら整列溝46A〜46D及び交差溝48が交差する部分(交差部50)には球レンズ12が載置固定されている。なお、複数の整列溝46A〜46Dを総称して言う場合には、単に整列溝46として記す。
【0058】
押さえ基板42は、図5及び図6に示すように、その一主面(固定基板40の一主面と対向する面)に、固定基板40の整列溝46と対向し、かつ、該整列溝46と平行なV溝52A〜52Dが形成されている。なお、複数のV溝52A〜52Dを総称して言う場合には、単にV溝52として記す。
【0059】
そして、レンズアレイ32を作製する場合は、固定基板40における交差部50の底部に接着剤54(図5参照)を塗布した後、交差部50に球レンズ12を載置する。このとき、球レンズ12は、図7に示すように、交差部50における各稜56a〜56dにおいてそれぞれ接触点58a〜58dにて支持される。従って、図3及び図4に示すように、各球レンズ12は、X方向に一直線状に並び、更に、各球レンズ12の頂部もZ方向(固定基板40の一主面から鉛直方向に立ち上がる方向)に対してほぼ揃うことになる。
【0060】
その後、押さえ基板42のV溝52の底部に接着剤60(図5参照)を塗布し、押さえ基板42のV溝52と固定基板40の交差部50とが対向するようにして、交差部50に固定されている球レンズ12を押さえ基板42で押さえ、固定する。このとき、球レンズは、図8に示すように、押さえ基板42のV溝52との接触点62a及び62bにて支持される。
【0061】
球レンズ12は、交差部50に載置しただけで安定に固定されており、その後、押さえ基板42で加重(一方向の加重)をかけるだけで、X方向、Y方向及びZ方向の3軸の方向が決まるため、組立て後でもサブミクロンの精度を得ることができる。
【0062】
このようなレンズアレイ32で第3の実施の形態に係る光デバイス10Cを構成する場合は、組合せ基板44とスペーサ20との面合わせによる組立てが、精度的にも、また、位置決めの簡便さからも好ましい。
【0063】
次に、第4の実施の形態に係る光デバイス10Dについて図9及び図10を参照しながら説明する。
【0064】
この第4の実施の形態に係る光デバイス10Dは、図9及び図10に示すように、上述した第3の実施の形態に係る光デバイス10Cとほぼ同様の構成を有するが、レンズアレイ32に球レンズ12ではなく、半球レンズ70が固定されている点で異なる。
【0065】
即ち、各半球レンズ70は、スペーサ20と対向する部分に端面70aを有し、かつ、該端面70aは、スペーサ20の端面20aと同様に、光軸に対して直角とされ、更に、各端面70aが組合せ基板44の端面44a(スペーサ20側の端面)に沿って揃っている。
【0066】
ところで、上述した第3の実施の形態に係る光デバイス10C(図3参照)において、球レンズ12とファイバアレイ30の光ファイバ14間の結合距離は、組合せ基板44のスペーサ20側の端面44aから球レンズ12までの距離jと、スペーサ20の幅kとの合計の長さとなり、2つのファクターを必要とする。そこで、球レンズ12をスペーサ20に当接するようにした場合は、各球レンズ12の位置がまちまちとなり、面合わせによる利点が損なわれるおそれがある。
【0067】
これに対して、この第4の実施の形態に係る光デバイス10Dでは、各半球レンズ70の端面70aが組合せ基板44の端面44aに沿って揃っているため、スペーサ20に対して組合せ基板44を面合わせするだけで、各半球レンズ70もスペーサ20に面合わせされ、半球レンズ70の高精度な位置決めが簡単に達成される。
【0068】
上述のように、結合時の調整を考慮すると、半球レンズ70の端面70aのみを基準面としてもよいが、組合せ基板44の端面44aも含めて基準面とすることが好ましい。これらを考慮すると、まず、上述のように、球レンズ12(例えば図3参照)を組合せ基板44にて整列させ、その後、組合せ基板44と一緒に各球レンズ12がそれぞれ半球レンズ70となるところまで削ればよい。この手法であれば、図9に示すように、組合せ基板44の端面44aと半球レンズ70の端面70aがそれぞれ一致した一つの面となるので好適である。
【0069】
この場合、半球レンズ70の片側は平面なので、レンズ形状の面としては、スペーサ20とは反対の面(半球側の面)のみとなる。従って、使用形態によっては、収差を改善することができる。このようなことから、この第4の実施の形態に係る光デバイス10Dの変形例10Daとして、図11に示すように、スペーサ20を外した構成のものを実用化することも可能である。
【0070】
しかし、半球レンズ70の一部が平面であっても、入射光あるいは出射光は屈折することから、光路が変わり、場合によってはそれほどの改善(収差の改善)が得られないおそれがある。従って、第4の実施の形態に係る光デバイス10Dのように、半球レンズ70の場合でも、反射等を考慮すると、平面側に屈折率整合部材としてのスペーサ20を配置して、光ファイバ14に対して屈折率整合した方が好ましい。なお、スペーサ20とファイバアレイ30との間、並びにスペーサ20とレンズアレイ32との間にも屈折率整合部材としての接着剤16を充填してもよい。
【0071】
次に、第5の実施の形態に係る光デバイス10Eについて図12及び図13を参照しながら説明する。
【0072】
この第5の実施の形態に係る光デバイス10Eは、図12及び図13に示すように、上述した第4の実施の形態に係る光デバイス10Dとほぼ同様の構成を有するが、半球レンズ70の代わりに、球レンズ12の一部が削られて、半球レンズ70よりもレンズ部分が多い球状レンズ80である点と、スペーサ20のファイバアレイ30と対向する端面20bとファイバアレイ30の端面30aとが互いに光軸に対して斜めになっている点で異なる。
【0073】
各球状レンズ80の削られた部分は端面80aとされ、スペーサ20と対向するように位置決めされている。また、各端面80aは、スペーサ20の端面20aと同様に、光軸に対して直角とされ、更に、各端面80aが組合せ基板44の端面44a(スペーサ20側の端面)に沿って揃っている。
【0074】
これにより、半球レンズ70(図9参照)の場合よりも、球状レンズ80を固定基板40の交差部50並びに押さえ基板42のV溝52に対して安定に固定することができ、製造過程での球状レンズ80の脱落や位置ずれを回避することができる。これは、製造工程の簡略化につながる。
【0075】
これについて図7及び図8に基づいて説明する。即ち、固定基板40と押さえ基板42との間に球レンズ12を設置した場合、図7に示すように、交差部50と球レンズ12の接触点58a〜58dは、上から見て、球レンズ12の中心から四方に等間隔で離れた位置となり、図8に示すように、押さえ基板42のV溝52と球レンズ12の接触点62a及び62bは、球レンズ12の中心を通り、V溝52の延在方向と直交する線上であって、球レンズ12の中心から等間隔で離間した位置となるため、球レンズ12を例えば切断線mに沿って正確な半球レンズ70とすると、半球レンズ70とV溝52との接触点62a及び62bを削ってしまうおそれがある。半球レンズ70が交差部50やV溝52に対して接着剤で固定されたとはいえ、V溝52との接触点62a及び62bを削ってしまうことは好ましくない。
【0076】
従って、正確に半球化するのではなく、球レンズ12を例えば別の切断線nに沿って切断して、V溝52との接触点62a及び62bが残る状態、好ましくは、交差部50との4つの接触点58a〜58dが残る状態で平面化して球状レンズ80を作製するとよい。これにより、球状レンズ80を組合せ基板44内に安定して固定させることができる。
【0077】
また、この第5の実施の形態では、図13に示すように、スペーサ20の端面20bとファイバアレイ30の端面30aとが互いに光軸に対して斜めになっている。その結果、以下のような利点を得ることができる。
【0078】
即ち、スペーサ20や接着剤16にて屈折率整合するといっても、厳密には屈折率がずれてしまうことは否めない。例えば石英製の光ファイバ14の屈折率1.45に対し、接着剤16の屈折率が1.47とすると、ファイバアレイ30の端面30aが直角の場合、反射が43dB程度発生する。場合によっては、50dB以上は確保したいので、43dBだと若干大きいことになる。
【0079】
そこで、この第5の実施の形態のように、ファイバアレイ30の端面30a及びスペーサ20のファイバアレイ30側の端面20bを斜めにして反射の戻りを抑えることが好ましいが、斜めにすると光路が曲がるため光学系の設計の複雑さが増すという問題がある。しかし、上記条件であれば、光路の曲がりは0.1°程度なので、問題になるレベルではなく、やはり反射防止の観点から、上述の端面30a及び20bは斜めである方がよい。
【0080】
また、上述のように、斜めにするのはファイバアレイ30の端面30a及びスペーサ20のファイバアレイ30側の端面20bであり、レンズアレイ32の端面44a及びスペーサ20のレンズアレイ32側の端面20aは直角でもよい。球状レンズ80がBK−7とすると、屈折率が1.50なので、屈折率1.47の接着剤16から入射すると、40dBの反射が発生する。しかし、ファイバアレイ30の端面30aからmmオーダ離れているため、40dBの反射が発生しても、ファイバアレイ30に戻る成分としては50dB以上が確保できる。
【0081】
ここで、第5の実施の形態に係る光デバイス10Eの作製手順を考える。まず、ファイバアレイ30にスペーサ20を貼り付けて固定し、その後に、レンズアレイ32を調心する。この場合、調心を行うもの同士の端面20a及び44aは直角であるため、ファイバアレイ30の端面30a及びスペーサ20のファイバアレイ30側の端面20bが斜めでも、直角による調心の利点を得ることができる。
【0082】
仮に、調心するもの同士の端面20a及び44aが斜めだと、面合わせを行った際に、Z軸方向に加重を掛けた場合、Y及びZ軸方向に動く力に自由度があり、相対的にずれてしまうおそれがある。つまり、面合わせによる3軸調整ができなくなる。
【0083】
これに対し、調心するもの同士の端面20a及び44aが光軸に対して直角だと、面合わせしながら3軸調整はスペーサ20で確保し、残り3軸を調心すればよい。
【0084】
なお、上述のように、スペーサ20の一方の端面20bを光軸に対して斜めとし、他方の端面20aを光軸に対して直角にしてもよいが、台形形状であるため、一方の端面20bが上下方向に斜めとなっている場合、上下方向に位置がずれるとZ方向の距離(レンズアレイ32とファイバアレイ30間の距離)もずれてしまうこととなる。
【0085】
厳密に光路の曲がりを回避したり、Z軸方向の距離を確保するためには、スペーサ20の貼り付け位置を正確に配置する必要があるため、図14に示す第6の実施の形態に係る光デバイス10Fのように、スペーサ20の両端面20a及び20bは光軸に対して直角であることがより好ましい。
【0086】
これは、現時点での市場から一般的に購入できる接着剤では若干の屈折率差があるので難しいが、より厳密に屈折率整合した接着剤は、現時点でも高価ではあるが入手は可能であり、将来的には、より一般的になると考えられる。このようなことから、厳密な屈折率整合が実現すれば、スペーサ20の端面20bは直角とした方が、光路曲がりの問題解決やZ軸方向の距離の確保が簡便になるのでより好ましい。
【0087】
【実施例】
次に、第5の実施の形態に係る光デバイス10Eを8チャネルのレンズアレイを有する光デバイスに適用した実施例(以下、実施例に係る光デバイス10Gと記す)について図6、図12、図15A〜図15C及び図16も参照しながら説明する。なお、図6及び図12は、4チャネルのレンズアレイ32を示しているが、基本構造は8チャネルのレンズアレイと同じである。
【0088】
この実施例に係る光デバイス10Gにおいて、図12に示すように、レンズアレイ32における球状レンズ80の配列ピッチは1mmとした。また、使用したファイバアレイ30の外寸は幅10mm×長さ10mm×厚み3mmである。球状レンズ80の基となる球レンズ12はBK−7製であってφ0.8mmのものを用いた。
【0089】
ここで、レンズアレイ32について詳しく説明する。球状レンズ80の整列のために、図15Aに示すように、固定基板40として、配列ピッチが1mmの8本の整列溝46とこれら整列溝46に対して直交する1本の交差溝48が形成されたものを使用し、押さえ基板42として、配列ピッチが1mmの8本のV溝52が形成されたものを使用した。
【0090】
これにより、固定基板40における8つの交差部50では、それぞれ整列溝46と交差溝48の交差によって形成される4つの稜の各接触点に球状レンズ80(図15Aの状態は、まだ端面研削を行っていないため、球レンズ12の状態である)が接する状態とした。交差部50における4つの接触点での接触で、理論的には、球状レンズ80のX方向、Y方向及びZ方向の位置が決まるが、特に、Z方向の整列が容易となる点が大きな利点である。X方向及びY方向の整列は、基本的に押さえ基板42側で確保する考え方である。
【0091】
固定基板40に対する整列溝46の加工は、固定基板40の側面40c(図6参照)を基準に、該側面40cと平行にマイクログラインダーで行った。次に、図6及び図15Aに示すように、固定基板40の側面40cと直交する端面40a及び40bのうち、スペーサ20側と反対の端面40aを基準に、これと平行に交差溝48を加工した。これにより、交差溝48は、前記端面40aと高精度に平行であり、かつ整列溝46に対してもほぼ直角なV溝として形成された。従って、固定基板40の前記端面40aは、交差溝48の基準面となる。
【0092】
次に、レンズアレイ32の組立てを行った。即ち、図15Aに示すように、固定基板40の各交差部50に球レンズ12を固定し、更に、押さえ基板42で球レンズ12を上方から押さえるようにして固定した。この段階で、組合せ基板44内に8つの球レンズ12が配列固定された形態となる。このとき、固定基板40における交差溝48の基準面40aが押さえ基板42の対応する端面42aよりはみ出る形態にしておいた。
【0093】
その後、球レンズ12を固定基板40の交差部50に設置し、押さえ基板42を球レンズ12上に設置した。この際、球レンズ12が固定基板40の端面40aよりは引っ込み、押さえ基板42の端面42aより一部はみ出る位置になるように押さえ基板42を配置した。この段階で、固定基板40と押さえ基板42との重ね合わせによる組合せ基板44が構成される。
【0094】
この状態で、図15Bに示すように、組合せ基板44のうち、球レンズ12が出ていない側の端面40b及び42bから接着剤16を塗布することで、球レンズ12の方向に接着剤16が流れ、押さえ基板42の端面42aから球レンズ12が一部露出している部分で前記接着剤16の流れは止まる。つまり、球レンズ12が露出している部分よりも端面40aの方向には接着剤16が流れ込まず、屈折率整合しない状態が確保できた。この状態で、接着剤16を紫外線照射により硬化した。なお、この実施例では、固定基板40側は球レンズ12が突き出ないようにした。これは交差溝48により接着剤16の流れがある程度止まるからである。しかし、接着剤16の充填を確実にしたい場合には、接着剤16を充填する際における球レンズ12の光透過面への接着剤16の回り込みを防止するために、固定基板40も押さえ基板42と同様に、該固定基板40の端面40aから球レンズ12の一部が突き出るような形態にしてもよい。
【0095】
その後、図15Cに示すように、球レンズ12の一部が平面になるように、球レンズ12を0.3mmだけ削り、長さが0.5mmとなるまで、球レンズ12の一部を組合せ基板44ごと平面研削盤で加工した。このとき、球レンズ12が配置されている交差溝48と平行に端面44aを加工するため、交差溝48の基準面40aを基準に加工を行った。これにより、前記球レンズ12は、一部に研削面(端面80a)を有する球状レンズ80となった。
【0096】
上述の加工により、前記球状レンズ80の端面80aは、交差溝48に対して、正確に平行に加工することができた。つまり、球状レンズ80の端面80aと球状レンズ80の整列方向が精度よく平行となった。これは、以降の工程で、結合距離を揃える上で非常に重要な利点となる。平面研削盤を用いたのは、球レンズ12を基準面40aを基準に正確に平面加工が行えるからである。最後に、球状レンズ80の端面80a並びに組合せ基板44の研削面(端面44a)を、共にバフ研磨のみで最終仕上げ研磨を施した。
【0097】
なお、レンズアレイ32の組合せ基板44の外寸は幅10mm×長さ2mm×厚み3mmとした。また、組合せ基板44の材質は、球状レンズ80に合わせBK−7とした。スペーサ20は、石英製の光ファイバ14と屈折率を合わせるために、石英を用いた。外寸は幅10mm×長さ1mm×厚み3mmとした。つまり、球状レンズ80の中心と光ファイバ14の結合距離は1.1mmである。その後、ファイバアレイ30に対してスペーサ20を石英と屈折率が同じ1.45の接着剤16で固定した。
【0098】
次に、調心・固定方法について説明する。まず、図16に示すように、スペーサ20の端面20bに上述と同じ接着剤16を塗布し、ファイバアレイ30からスペーサ20を通じて出射される光を撮像し、該出射光の画像を観察して、出射光の中心位置をコンピュータのメモリに記憶した。その後、スペーサ20とレンズアレイ32の研磨面(球状レンズ80の端面80aが露出している面)とを面合わせし、X方向、Y方向及びθzを調整し、前記メモリに記憶した中心位置とコリメート光の中心が一致するようにした。その後、紫外線を照射して接着剤16を硬化し、本実施例に係る光デバイスを完成させた。
【0099】
作製した2つの実施例に係る光デバイスを距離30mm離して結合した結果、全てのチャネルが損失1dB以下でクロストーク50dB以上と、良好な結果を得た。
【0100】
なお、この発明に係る光デバイスは、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光デバイスによれば、球状レンズが有する収差を小さくすることができ、光学部品との結合効率を高めることができる。また、光学設計の簡略化、コストの低廉化を有効に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る光デバイスを示す構成図である。
【図2】第2の実施の形態に係る光デバイスを示す構成図である。
【図3】第3の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球レンズを露出させて示す平面図である。
【図4】第3の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球レンズを露出させて示す側面図である。
【図5】第3の実施の形態に係る光デバイスにおけるレンズアレイを示す断面図である。
【図6】第3の実施の形態に係る光デバイスにおけるレンズアレイを示す分解斜視図である。
【図7】固定基板の交差部に球レンズを載置した状態を示す説明図である。
【図8】押さえ基板のV溝と球レンズとの位置関係を示す説明図である。
【図9】第4の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、半球レンズを露出させて示す平面図である。
【図10】第4の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、半球レンズを露出させて示す側面図である。
【図11】第4の実施の形態に係る光デバイスの変形例を示し、特に、半球レンズを露出させて示す側面図である。
【図12】第5の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球状レンズを露出させて示す平面図である。
【図13】第5の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球状レンズを露出させて示す側面図である。
【図14】第6の実施の形態に係る光デバイスを示し、特に、球状レンズを露出させて示す側面図である。
【図15】図15Aは実施例に係る光デバイスにおいて、固定基板の交差部に球レンズを載置し、更に押さえ基板を重ね合わせて組合せ基板とした状態を示す説明図であり、図15Bは組合せ基板の一方の端面から接着剤を塗布した状態を示す説明図であり、図15Cは組合せ基板の端面を研削加工した状態を示す説明図である。
【図16】実施例に係る光デバイスを示し、特に、球状レンズを露出させて示す側面図である。
【符号の説明】
10A、10B、10C、10D、10Da、10E、10F、10G…光デバイス
12…球レンズ 14…光ファイバ
16…接着剤 20…スペーサ
30…ファイバアレイ 32…レンズアレイ
40…固定基板 42…押さえ基板
44…組合せ基板 46…整列溝
48…交差溝 50…交差部
52…V溝 70…半球レンズ
80…球状レンズ
Claims (9)
- 球状レンズと、該球状レンズに光学的に結合される光学部品とを有する光デバイスにおいて、
前記球状レンズと前記光学部品との間が屈折率整合され、
前記球状レンズのうち、前記光学部品と対向する部分と反対側の部分における光の透過有効エリアが屈折率整合されていないことを特徴とする光デバイス。 - 請求項1記載の光デバイスにおいて、
前記光学部品のうち、前記球状レンズと対向する端面が光軸に対して直角であることを特徴とする光デバイス。 - 請求項1又は2記載の光デバイスにおいて、
前記球状レンズは、前記光学部品と対向する部分に端面を有することを特徴とする光デバイス。 - 請求項1記載の光デバイスにおいて、
前記球状レンズと前記光学部品との間に屈折率整合部材が介在されていることを特徴とする光デバイス。 - 請求項4記載の光デバイスにおいて、
前記屈折率整合部材がバルク材を有することを特徴とする光デバイス。 - 請求項5記載の光デバイスにおいて、
前記球状レンズにおける前記屈折率整合部材と対向する部分が端面であって、かつ、前記屈折率整合部材における前記球状レンズと対向する部分が端面である場合に、
前記球状レンズ及び屈折率整合部材の各端面は、光軸に対して直角であることを特徴とする光デバイス。 - 請求項5又は6記載の光デバイスにおいて、
前記屈折率整合部材における前記光学部品と対向する部分が端面であって、かつ、前記光学部品における前記屈折率整合部材と対向する部分が端面である場合に、
前記屈折率整合部材及び光学部品の各端面は、光軸に対して所定の角度だけ傾斜していることを特徴とする光デバイス。 - 請求項1記載の光デバイスにおいて、
前記球状レンズを固定する基板を有し、
前記基板の表面には、少なくとも2つのV溝が交差して設けられ、これら2つのV溝の交差部に形成された4つの稜における所定の点で前記球状レンズが支持されて、前記基板上に位置決め固定されていることを特徴とする光デバイス。 - 球状レンズと、該球状レンズに光学的に結合される光学部品とを有する光デバイスにおいて、
前記球状レンズは、前記光学部品と対向する部分に端面を有することを特徴とする光デバイス。
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2002
- 2002-07-25 JP JP2002217328A patent/JP2004061671A/ja active Pending
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