JP2005274492A - 回転体の物理量検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転体に組付けられる検出回路が仮に重量物であっても、検出回路が回転体の回転に与える悪影響を小さなものとすること。
【解決手段】 ハブ側回転体31とホイール側回転体32が相対変位可能であり、この相対変位に基づくタイヤ作用力を検出する検出器Aが、ハブ側回転体31とホイール側回転体32の相対変位に基づくタイヤ作用力を電気的な出力に変換する検出素子と、この検出素子に電気的に接続されて同検出素子からの電気的な出力を入力する検出器本体35を備えている。ハブ側回転体31とホイール側回転体32とを相対変位可能に連結する軸受33a,33bより半径方向内側に、ハブ側回転体31とホイール側回転体32の回転中心に対して略同軸の収容空間Rが形成されていて、この収容空間Rに検出器本体35が同軸的に配置されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転体の物理量検出装置に係り、特に、第1回転体と第2回転体が相対変位可能であり、この相対変位に基づく物理量を検出する検出器が、前記第1回転体と前記第2回転体の相対変位に基づく物理量を電気的な出力に変換する検出素子と、この検出素子に電気的に接続されて同検出素子からの電気的な出力を入力する検出回路を備えている回転体の物理量検出装置に関する。
この種の回転体の物理量検出装置の一つとして、前記第1回転体と前記第2回転体が車輪を保持するハブと車輪のホイール間に介装されていて、前記第1回転体と前記第2回転体の相対変位に基づく物理量が前記ホイールに装着されたタイヤに作用するタイヤ作用力であるものがあり、例えば、下記特許文献1に示されている。
特開2003−14563号公報
上記した特許文献1に記載されているタイヤ作用力(物理量)検出装置では、第1回転体または第2回転体がホイール側回転体とされ、第2回転体または第1回転体がハブ側回転体とされていて、ホイール側回転体とハブ側回転体が、これらの相対変位時に弾性変形可能な連結体を用いて、機械的に連結されている。また、上記した弾性変形可能な連結体には、ハブ側回転体に対するホイール側回転体の中立状態から一方への相対変位に基づく前記連結体の一方への弾性変形により歪んで一方へのタイヤ作用力を電気信号に変換して出力する一方の検出素子(歪みゲージ)と、ハブ側回転体に対するホイール側回転体の中立状態から他方への相対変位に基づく前記連結体の他方への弾性変形により歪んで他方へのタイヤ作用力を電気信号に変換して出力する他方の検出素子(歪みゲージ)がそれぞれ一体的に組付けられている。
また、上記した特許文献1に記載されているタイヤ作用力検出装置では、ハブ側回転体とホイール側回転体の相対変位に基づくタイヤ作用力を電気信号に変換して出力する検出素子の配置についての記載はあるものの、同検出素子に電気的に接続されて同検出素子からの電気的な出力を入力する検出回路の配置についての記載はない。
ところで、この種の検出装置において採用されている検出回路は、一般に、検出素子に比して重量が大きくて、検出回路の配置が回転体の回転に悪影響を与えるおそれがある。また、検出回路はそれ自体が水に弱いものであるため、検出回路の配置如何によって耐水性を高める必要があり、コストアップの要因となる。
本発明は、上記した問題に対処すべくなされたものであって、第1回転体と第2回転体が相対変位可能であり、この相対変位に基づく物理量を検出する検出器が、前記第1回転体と前記第2回転体の相対変位に基づく物理量を電気的な出力に変換する検出素子と、この検出素子に電気的に接続されて同検出素子からの電気的な出力を入力する検出回路を備えている回転体の物理量検出装置において、前記第1回転体と前記第2回転体とを相対変位可能に連結する連結体より半径方向内側に、前記検出回路が前記第1回転体と前記第2回転体の回転中心に対して同軸的に配置されていることに特徴がある。
この場合において、前記第1回転体または前記第2回転体に前記検出回路を収容する収容空間が形成され、前記第2回転体または前記第1回転体に前記収容空間を内包するハウジング部が形成されていて、前記ハウジング部には同ハウジング部内に侵入した水を遠心力にて同ハウジング部外へ排出する排水手段が設けられていることも可能である。また、前記第1回転体と前記第2回転体は車輪を保持するハブと車輪のホイール間に介装されていて、前記第1回転体と前記第2回転体の相対変位に基づく物理量は前記ホイールに装着されたタイヤに作用するタイヤ作用力であることも可能である。
上記した物理量検出装置においては、前記第1回転体と前記第2回転体とを相対変位可能に連結する連結体より半径方向内側に、前記検出回路が前記第1回転体と前記第2回転体の回転中心に対して同軸的に配置されている。このため、検出回路の重心を第1回転体と第2回転体の回転中心に略一致させることが可能であり、仮に検出回路が重量物であっても、検出回路が回転体の回転に与える悪影響を小さなものとすることが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記第1回転体または前記第2回転体に前記検出回路を収容する収容空間が形成され、前記第2回転体または前記第1回転体に前記収容空間を内包するハウジング部が形成されていて、前記ハウジング部には同ハウジング部内に侵入した水を遠心力にて同ハウジング部外へ排出する排水手段が設けられている場合には、収容空間を内包するハウジング部にて収容空間への水の浸入を抑制することが可能であって、収容空間に配置されている検出回路への水の付着を抑制することが可能であるとともに、仮に、ハウジング部内に水が浸入しても、その水は遠心力にて同ハウジング部外へ排出する排水手段により自動的に排水されるため、検出回路を水から的確に保護することが可能である。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は本発明による回転体の物理量検出装置をタイヤ作用力検出装置に実施した実施形態を示していて、この実施形態のタイヤ作用力検出装置は、車両の各車輪10側に組付けられる検出器Aと、車体側に組付けられる演算器B(図4参照)とを含むように構成されており、複数の車輪10を備えるとともに各車輪10を一体的に回転可能に保持する保持体としてのハブ20を備えた車両に搭載されて使用される。
各車輪10は、金属製のホイール11の外周にゴム製のタイヤ12が装着されて構成されており、図1および図2にて示したように、ホイール11にてハブ20に検出器Aを介して同軸でトルク伝達可能に装着されている。ホイール11は、ディスク部11aとリム部11bからなり、リム部11bにはタイヤ12内に加圧空気を充填するためのエアーバルブ13が組付けられている。
各検出器Aは、タイヤ12からハブ20に至る荷重伝達系に設けられてタイヤ12に作用するタイヤ作用力(回転駆動力または回転制動力)を検出するものであり、図1および図2に示すように、ハブ20とホイール11間にて着脱可能に装着されていて、ハブ20とホイール11との間における回転力の伝達を担う状態で車両に搭載されている。
また、各検出器Aは、ハブ20とホイール11間にて回転方向に所定量相対変位可能な第1回転体および第2回転体すなわちハブ側回転体31とホイール側回転体32を備えるとともに、正方向の荷重伝達時(ホイール側回転体32がハブ側回転体31に対して図3の時計方向に相対回転してトルクを伝達するとき)に動作する4個の第1検出素子S1と、逆方向の荷重伝達時に動作する4個の第2検出素子S2を備えている。
ハブ側回転体31は、図2および図3に示すように、保持体側部材31aとホイール側部材31bによって構成されていて、ハウジング部31Aと4個の取付部31Bを有しており、各取付部31Bに形成した取付孔31cに挿通されるボルト(図示省略)を用いてハブ20に一体的かつ脱着可能に組付けられる。また、ハブ側回転体31のホイール側部材31bには、ハウジング部31A内に侵入した水を遠心力にて同ハウジング部31A外へ排出する排水手段Dが設けられている。
排水手段Dは、図2に示すように、ホイール側部材31bに形成した連通孔38と、この連通孔38内に介装したチェック弁39によって構成されている。連通孔38は、L字状に形成されていて、内端にてハウジング部31A内の外周縁部に連通し、外端にて大気に連通している。チェック弁39は、連通孔38の内端から外端への流体の流れを許容し逆流を阻止するものであり、遠心力によっても開くように配置されている。
ホイール側回転体32は、ハブ側回転体31のハウジング部31A内にて一対の軸受33a,33b介して回転可能かつ径方向および軸方向に移動不能に支持された円筒部32aと、この円筒部32aの外周から径外方に向けて十字状に延びる4本のアーム部32bと、これら各アーム部32bの先端部分からホイール11に向けて軸方向に延びる4個の軸部32cを有していて、各軸部32cの先端小径部に形成したねじ32c1にはナット(図示省略)を用いてホイール11が一体的かつ脱着可能に組付けられる。
各軸部32cは、ハブ側回転体31のホイール側部材31bに設けた通孔31dを環状のシール部材34を介して貫通していて、通孔31d内にて回転方向に所定量相対変位可能である。各シール部材34は、通孔31dに組付けられていて、弾性変形可能であり、ハブ側回転体31とホイール側回転体32間をシールしてハブ側回転体31のハウジング部31A内を密封空間とする機能を有するとともに、ハブ側回転体31に対してホイール側回転体32を回転方向の中立状態に復帰させる中立復帰手段としての機能を有している。
各第1検出素子S1は、ホイール側回転体32における各アーム部32bの回転方向一側に組付けられていて、ハブ側回転体31に対するホイール側回転体32の中立状態から一方への相対回転変位に基づいてハブ側回転体31のホイール側部材31bとの係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力するものであり、その出力は検出器本体35に伝わるように結線されている。なお、結線のための挿通孔が各アーム部32bと円筒部32aに設けられている。
各第2検出素子S2は、ホイール側回転体32における各アーム部32bの回転方向他側に組付けられていて、ハブ側回転体31に対するホイール側回転体32の中立状態から他方への相対回転変位に基づいてハブ側回転体31のホイール側部材31bとの係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力するものであり、その出力は検出器本体35に伝わるように結線されている。なお、結線のための挿通孔が各アーム部32bと円筒部32aに設けられている。
検出器本体35は、図4にブロック図で概念的に示したように、検出信号処理回路35a、送信器35b、電源35c等を含んでいて、図1および図2に示したように、ホイール側回転体32の円筒部32a内に形成されている筒状の収容空間Rに、同軸的に組付けられて移動しないように固定されている。収容空間Rは、軸受33a,33bの半径方向内側にて、ハブ側回転体31およびホイール側回転体32の回転中心に対して略同軸に形成されている。
検出信号処理回路35aは、各検出素子S1,S2からの出力(電気信号)を送信器35bに供給するものである。送信器35bは、その供給された各検出素子S1,S2からの出力(電気信号)を電波として演算器Bの受信器41に送信するものである。電源35cは、各検出素子S1,S2、検出信号処理回路35a、送信器35b等の作動に必要な電力を供給するものである。
一方、演算器Bは、図4にブロック図で概念的に示したように、受信器41、信号処理装置42等を含んでいて、車体側に組付けられており、車両制御装置Cに接続されている。受信器41は、送信器35bから受信した各検出素子S1,S2からの出力(電気信号)を信号処理装置42に供給するものである。
信号処理装置42は、受信器41から供給される各検出素子S1,S2からの出力(電気信号)に基づいて演算処理された種々な出力を車両制御装置Cに供給するものである。車両制御装置Cは、車両の状態を制御するアクチュエータ(図示しない)と、そのアクチュエータを駆動するとともにその駆動状態を制御するコントローラ(図示しない)とを含むように構成されている。
上記のように構成したこの実施形態においては、ハブ側回転体31とホイール側回転体32を相対変位可能に連結する軸受33a,33bより半径方向内側に形成されている収容空間Rが、ハブ側回転体31およびホイール側回転体32の回転中心に対して略同軸であり、この収容空間Rに検出器本体35が同軸的に配置されていて、軸受33a,33bより半径方向内側にて、検出器本体35がハブ側回転体31とホイール側回転体32の回転中心に対して同軸的に配置されている。このため、検出器本体35の重心をハブ側回転体31およびホイール側回転体32の回転中心に略一致させることが可能であり、仮に検出器本体35が重量物であっても、検出器本体35がハブ側回転体31およびホイール側回転体32の回転に与える悪影響を小さなものとすることが可能である。
また、この実施形態においては、ホイール側回転体32に収容空間Rが形成され、ハブ側回転体31に収容空間Rを内包するハウジング部31Aが形成されていて、ハウジング部31Aには同ハウジング部31A内に侵入した水を遠心力にて同ハウジング部31A外へ排出する排水手段Dが設けられている。
このため、収容空間Rを内包するハウジング部31Aにて収容空間Rへの水の浸入を抑制することが可能であって、収容空間Rに配置されている検出器本体35への水の付着を抑制することが可能であるとともに、仮に、ハウジング部31A内に水が浸入しても、その水は遠心力にて同ハウジング部31A外へ排出する排水手段Dにより自動的に排水されるため、検出器本体35を水から的確に保護することが可能である。
上記した実施形態においては、車輪10とハブ20間にて伝達される荷重が車軸の回転方向すなわちトルク(回転力)である場合について説明したが、車輪10とハブ20間にて伝達される荷重が車軸の軸方向または径方向である場合においても本発明は上記実施形態と同様にまたは適宜変更して実施可能である。
本発明を実施したタイヤ作用力検出装置の要部縦断正面図である。 図1の要部拡大断面図である。 図2に示した検出器の側面図である。 図1〜図3に示した検出器を含むタイヤ作用力検出装置の電気的な構成を概略的に示すブロック図である。
符号の説明
10…車輪、11…ホイール、11a…ディスク部、11b…リム部、12…タイヤ、20…ハブ、31…ハブ側回転体、31A…ハウジング部、31B…取付部、32…ホイール側回転体、33a,33b…軸受(連結体)、34…シール部材、35…検出器本体、35a…検出信号処理回路、38…連通孔、39…チェック弁、S1…第1の検出素子、S2…第2の検出素子、A…検出器、B…演算器、D…排水手段、R…収容空間

Claims (3)

  1. 第1回転体と第2回転体が相対変位可能であり、この相対変位に基づく物理量を検出する検出器が、前記第1回転体と前記第2回転体の相対変位に基づく物理量を電気的な出力に変換する検出素子と、この検出素子に電気的に接続されて同検出素子からの電気的な出力を入力する検出回路を備えている回転体の物理量検出装置において、前記第1回転体と前記第2回転体とを相対変位可能に連結する連結体より半径方向内側に、前記検出回路が前記第1回転体と前記第2回転体の回転中心に対して同軸的に配置されていることを特徴とする回転体の物理量検出装置。
  2. 請求項1に記載の回転体の物理量検出装置において、前記第1回転体または前記第2回転体に前記検出回路を収容する収容空間が形成され、前記第2回転体または前記第1回転体に前記収容空間を内包するハウジング部が形成されていて、前記ハウジング部には同ハウジング部内に侵入した水を遠心力にて同ハウジング部外へ排出する排水手段が設けられていることを特徴とする回転体の物理量検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の回転体の物理量検出装置において、前記第1回転体と前記第2回転体は車輪を保持するハブと車輪のホイール間に介装されていて、前記第1回転体と前記第2回転体の相対変位に基づく物理量は前記ホイールに装着されたタイヤに作用するタイヤ作用力であることを特徴とする回転体の物理量検出装置。
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