JP2005274262A - 成分濃度測定方法及び成分濃度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 周期的に現れるノイズの影響を低減させて、試料内の特定成分濃度を精度良く測定する。
【解決手段】 所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を生体Aに照射する照射サイクルを複数回繰り返すとともに、該照射サイクル毎に照射する光の波長の順序を異ならせる光照射部3と、生体Aからの戻り光を該試料外部において検出する光検出部5と、該光検出部5により検出された光のスペクトルの加算平均に基づいて、前記試料内の特定成分濃度を測定する演算部6とを備えるグルコース濃度測定装置1を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を生体Aに照射する照射サイクルを複数回繰り返すとともに、該照射サイクル毎に照射する光の波長の順序を異ならせる光照射部3と、生体Aからの戻り光を該試料外部において検出する光検出部5と、該光検出部5により検出された光のスペクトルの加算平均に基づいて、前記試料内の特定成分濃度を測定する演算部6とを備えるグルコース濃度測定装置1を提供する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、試料内に含まれている特定成分の濃度を測定する成分濃度測定方法に係り、特に、生体内におけるグルコース濃度を測定する方法に関するものである。
近赤外線の光を試料に照射させ、その戻り光に基づいて試料内の特定成分濃度を測定する技術の1つとして、例えば、特開2000−131322号公報に開示されているグルコース濃度測定方法がある。
上記特許文献1には、約1530nm〜1750nmの波長帯域にわたり、波長を変更しながら生体に順次照射させ、生体内で拡散或いは透過された光(以下「戻り光」という。)を検出し、その検出した光のスペクトルに基づいて吸光度を求めて、グルコース濃度の測定を行う技術が開示されている。
特開2000−131322号公報(図3等)
上記特許文献1には、約1530nm〜1750nmの波長帯域にわたり、波長を変更しながら生体に順次照射させ、生体内で拡散或いは透過された光(以下「戻り光」という。)を検出し、その検出した光のスペクトルに基づいて吸光度を求めて、グルコース濃度の測定を行う技術が開示されている。
従来、試料内における特定成分を測定する場合には、所定の波長帯域にわたり、光の波長を一定の順序で変更しながら試料に照射するという、照射サイクルを繰り返し行うことにより、何度も同じ順序で生体に各波長の測定光を照射し、この戻り光を検出し、採取する。そして、採取したこれらの検出データを集計、加算平均等することにより、試料内に含まれている特定成分の濃度測定を行っている。
しかしながら、上記加算平均法は、ホワイトノイズ等、周期性の乏しいノイズの低減には効果を発揮するが、周期的に現れるノイズを除去することが難しく、精度良く成分濃度を測定することができないという問題があった。
しかしながら、上記加算平均法は、ホワイトノイズ等、周期性の乏しいノイズの低減には効果を発揮するが、周期的に現れるノイズを除去することが難しく、精度良く成分濃度を測定することができないという問題があった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、周期的に現れるノイズの影響を低減させて、試料内の特定成分濃度を精度良く測定することのできる成分濃度測定方法および成分濃度測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返し、試料からの戻り光の加算平均に基づいて、試料内の特定成分濃度を測定する成分濃度測定方法であって、前記照射サイクル毎に、照射する光の波長の順序を異ならせる成分濃度測定方法を提供する。
本発明は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返し、試料からの戻り光の加算平均に基づいて、試料内の特定成分濃度を測定する成分濃度測定方法であって、前記照射サイクル毎に、照射する光の波長の順序を異ならせる成分濃度測定方法を提供する。
各波長の光を常に同じ順序で出射させている場合、時間に対して周期性を有するノイズが現れると、測定光に対して周期的にノイズが重畳される。このような場合、周期的に重畳されたノイズ成分を演算処理等により除去することは難しく、精度よく成分濃度を測定することが困難となる。
本発明の成分濃度測定方法では、照射サイクル毎に、出射させる光の波長の順番を異ならせるので、仮に、時間に対して周期的なノイズが発生したとしても各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
なお、上記照射サイクルとは、例えば、所定の波長帯域に含まれている各波長を重複することなく1回ずつ出射させる1サイクルをいう。
なお、「順序を異ならせる」の態様としては、例えば、同じ波長の並びではあるが、照射サイクル毎に開始波長を異ならせる態様や、何の規則性もなくランダムに異ならせる態様等が挙げられる。また、上記波長の並びとしては、昇降順、降下順、ランダム等が挙げられる。また、これらの態様の組み合わせにしても良い。
本発明の成分濃度測定方法では、照射サイクル毎に、出射させる光の波長の順番を異ならせるので、仮に、時間に対して周期的なノイズが発生したとしても各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
なお、上記照射サイクルとは、例えば、所定の波長帯域に含まれている各波長を重複することなく1回ずつ出射させる1サイクルをいう。
なお、「順序を異ならせる」の態様としては、例えば、同じ波長の並びではあるが、照射サイクル毎に開始波長を異ならせる態様や、何の規則性もなくランダムに異ならせる態様等が挙げられる。また、上記波長の並びとしては、昇降順、降下順、ランダム等が挙げられる。また、これらの態様の組み合わせにしても良い。
また、本発明は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返し、試料からの戻り光の加算平均に基づいて、試料内の特定成分濃度を測定する成分濃度測定方法であって、前記照射サイクル毎に、該照射サイクルの周期を変更する成分濃度測定方法を提供する。
本発明によれば、照射サイクル毎に、その周期を異ならせるので、照射サイクルの周期と時間的周期性を有するノイズの周期とを異ならせることができる。
これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
また、上記成分濃度測定方法において、前記各波長の光を出射している出射期間を変更することにより、前記照射サイクルの周期を変更することが好ましい。
このように、各波長の光の出射期間を変化させることにより、非常に簡単に全体としての照射サイクルの周期を変化させることが可能となる。
このように、各波長の光の出射期間を変化させることにより、非常に簡単に全体としての照射サイクルの周期を変化させることが可能となる。
また、本発明は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返し、試料からの戻り光の加算平均に基づいて、試料内の特定成分濃度を測定する成分濃度測定方法であって、前記照射サイクル毎に、各波長の光を照射させる照射タイミングを変更する成分濃度測定方法を提供する。
本発明によれば、各照射サイクルにおいて、それぞれの波長の測定光を出射させる照射タイミングを異ならせるので、各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
また、本発明は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返すとともに、該照射サイクル毎に、照射する光の波長の順序を異ならせる光照射手段と、前記試料からの戻り光を該試料外部において検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された光の加算平均に基づいて、前記試料内の特定成分濃度を測定する演算手段とを備える成分濃度測定装置を提供する。
本発明によれば、光照射手段から出射された光は、試料へ測定光として照射される。試料に照射された光は、生体内で拡散あるいは透過され、生体外部に配置されている光検出手段において検出される。光検出手段により検出された光は、演算手段において、測定光の波長に応じて加算平均等されることにより、試料内の特定成分濃度が算出される。
この場合において、光照射手段は、出射する各波長の光の順番を照射サイクル毎に異ならせるので、試料に照射される測定光は、時間的に周期性を持たないこととなる。これにより、各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。したがって、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
なお、上記照射サイクルとは、例えば、所定の波長帯域に含まれている各波長を重複することなく1回ずつ出射させる1サイクルをいう。
この場合において、光照射手段は、出射する各波長の光の順番を照射サイクル毎に異ならせるので、試料に照射される測定光は、時間的に周期性を持たないこととなる。これにより、各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。したがって、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
なお、上記照射サイクルとは、例えば、所定の波長帯域に含まれている各波長を重複することなく1回ずつ出射させる1サイクルをいう。
また、本発明は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返すとともに、該照射サイクル毎に、該照射サイクルの周期を変更する光照射手段と、前記試料からの戻り光を該試料外部において検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された光の加算平均に基づいて、前記試料内の特定成分濃度を測定する演算手段とを備える成分濃度測定装置を提供する。
本発明によれば、光照射手段から出射された光は、試料へ測定光として照射される。試料に照射された光は、生体内で拡散あるいは透過され、生体外部に配置されている光検出手段において検出される。光検出手段により検出された光は、演算手段において、測定光の波長に応じて加算平均等されることにより、試料内の特定成分濃度が算出される。
この場合において、光照射手段は、照射サイクル毎に、その周期を異ならせるので、照射サイクルの周期と時間的周期性を有するノイズの周期とを異ならせることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
この場合において、光照射手段は、照射サイクル毎に、その周期を異ならせるので、照射サイクルの周期と時間的周期性を有するノイズの周期とを異ならせることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
また、上記記載の成分濃度測定装置において、前記光照射手段が、各波長の光を照射させる照射期間を変更することにより、前記照射サイクルの周期を変更することが好ましい。
このように、各波長の光の出射期間を変化させることにより、非常に簡単に全体としての照射サイクルの周期を変化させることが可能となる。
このように、各波長の光の出射期間を変化させることにより、非常に簡単に全体としての照射サイクルの周期を変化させることが可能となる。
また、本発明は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返すとともに、該照射サイクル毎に、各波長の光を照射する照射タイミングを変更する光照射手段と、前記試料からの戻り光を該試料外部において検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された光のスペクトルの加算平均に基づいて、前記試料内の特定成分濃度を測定する演算手段とを備える成分濃度測定装置を提供する。
本発明によれば、光照射手段から出射された光は、試料へ測定光として照射される。試料に照射された光は、生体内で拡散あるいは透過され、生体外部に配置されている光検出手段において検出される。光検出手段により検出された光は、演算手段において、測定光の波長に応じて加算平均等されることにより、試料内の特定成分濃度が算出される。
この場合において、光照射手段は、各照射サイクルにおいて、それぞれの波長の測定光を出射させる照射タイミングを異ならせるので、各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
この場合において、光照射手段は、各照射サイクルにおいて、それぞれの波長の測定光を出射させる照射タイミングを異ならせるので、各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
また、請求項5から請求項8のいずれかの項に記載の成分濃度測定装置は、生体内におけるグルコース濃度を測定するのに好適である。
本発明に係る成分濃度測定方法によれば、周期的に現れるノイズの影響を低減させて、試料内の特定成分濃度を精度良く測定することができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係る成分濃度測定方法を適用したグルコース濃度測定装置について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係るグルコース濃度測定装置の構成を示す図である。図1に示されるように、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射させる照射サイクルを繰り返し実行する光照射部(光照射手段)4と、生体A内で拡散あるいは透過した光(戻り光)を生体A外部において検出する光検出部(光検出手段)5と、該光検出部5により検出された光のスペクトルの加算平均に基づいて生体A内のグルコース濃度を算出する演算部(演算手段)6とを主な構成要素として備えている。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係るグルコース濃度測定装置の構成を示す図である。図1に示されるように、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射させる照射サイクルを繰り返し実行する光照射部(光照射手段)4と、生体A内で拡散あるいは透過した光(戻り光)を生体A外部において検出する光検出部(光検出手段)5と、該光検出部5により検出された光のスペクトルの加算平均に基づいて生体A内のグルコース濃度を算出する演算部(演算手段)6とを主な構成要素として備えている。
前記光照射部4は、生体Aに照射する光を発生する光源2と、光源2から出射された光を分光する分光部3とを備えている。
前記光源2は、例えば、グルコース濃度の測定に必要とされる近赤外光領域(波長約1400〜1700nm)の光を発生させる光源が使用される。例えば、ハロゲンランプ、波長帯域を異にする複数の広帯域光源であるASE(Amplified Spontaneous Emission)光源や、SLD(Super Luminescence Diode)光源からの光をマルチプレクサで合波した光源、あるいはこれらの組み合わせからなる光源が用いられる。ハロゲンランプによれば、簡易かつ安価に構成できる利点があり、広帯域光源からの光を合波した光源によれば、高輝度の光を効率よく伝播することができる利点がある。光源2から出射された光は、光ファイバ40によって分光部3に導かれている。この光ファイバ40は、特に制限されるものではなく、シングルモードファイバであってもマルチモードファイバであってもよい。
前記光源2は、例えば、グルコース濃度の測定に必要とされる近赤外光領域(波長約1400〜1700nm)の光を発生させる光源が使用される。例えば、ハロゲンランプ、波長帯域を異にする複数の広帯域光源であるASE(Amplified Spontaneous Emission)光源や、SLD(Super Luminescence Diode)光源からの光をマルチプレクサで合波した光源、あるいはこれらの組み合わせからなる光源が用いられる。ハロゲンランプによれば、簡易かつ安価に構成できる利点があり、広帯域光源からの光を合波した光源によれば、高輝度の光を効率よく伝播することができる利点がある。光源2から出射された光は、光ファイバ40によって分光部3に導かれている。この光ファイバ40は、特に制限されるものではなく、シングルモードファイバであってもマルチモードファイバであってもよい。
前記分光部3は、後述のフィルタ制御部8から供給される制御信号に応じて、入射された光の内の特定の波長の光のみを分光して出射する音響光学可変波長フィルタ7(AOTF:Acoust-Optic Tunable Filter、以下「AOTF」という。)と、該AOTF7に制御信号を供給するフィルタ制御部8とを備えている。
フィルタ制御部8は、所定の速度で周波数が変化する高周波を制御信号として供給する。この場合において、制御信号は、AOTF7から出射される波長の並び順(順序)が各照射サイクル毎に異なるように生成された信号である。
具体的には、AOTF7は、当該制御信号の周波数に応じた光を分光して出射するものであるから、高周波の周波数がランダムに変更された信号が制御信号として、フィルタ制御部8からAOTF7へ供給されることとなる。
なお、前記照射サイクルとは、各波長の光を重複することなく1回ずつ出射する1サイクルをいう。
また、フィルタ制御部8は、AOTF7に対して制御信号を供給するのと同期して、該高周波を後述する演算部6に供給するようになっている。
上記AOTF7は、フィルタ制御部8から供給される制御信号に応じて特定波長の光を分光して出射する。
フィルタ制御部8は、所定の速度で周波数が変化する高周波を制御信号として供給する。この場合において、制御信号は、AOTF7から出射される波長の並び順(順序)が各照射サイクル毎に異なるように生成された信号である。
具体的には、AOTF7は、当該制御信号の周波数に応じた光を分光して出射するものであるから、高周波の周波数がランダムに変更された信号が制御信号として、フィルタ制御部8からAOTF7へ供給されることとなる。
なお、前記照射サイクルとは、各波長の光を重複することなく1回ずつ出射する1サイクルをいう。
また、フィルタ制御部8は、AOTF7に対して制御信号を供給するのと同期して、該高周波を後述する演算部6に供給するようになっている。
上記AOTF7は、フィルタ制御部8から供給される制御信号に応じて特定波長の光を分光して出射する。
AOTF7から出力された光は、光ファイバ11、15によって装置本体24の出口まで導かれるようになっている。このAOTF7の出口に配置された光ファイバ11は、特に制限されるものではないが、AOTF7の出力角度に変動が生じても、その光を全て光ファイバ11の端面から入射させることができるように、比較的コア径の大きなマルチモードファイバが採用されることが好ましい。マルチモードファイバによれば、光学系の機械的なズレや変形によって光路が変動する場合にも、AOTF7から出射される光を漏れなく入射させることが可能である。
また、この光ファイバ11、15の間には、AOTF7から入射されてきた光を2方向に分岐させる光分岐部12が設けられている。この光分岐部12は、例えば、図2に示されるように、光ファイバ11の端面に対向して配置されたコリメートレンズ13と、該コリメートレンズ13によりコリメートされた光を2方向に分岐させるビームスプリッタ14と、分岐されたコリメート光を2本の光ファイバ15、16に集光させる2つの集光レンズ17、18とを備えている。
分岐後の一方の光ファイバ15は、前記装置本体24の出口に接続され、もう一方の光ファイバ16は、後述する参照光検出器19に分岐された光を導くように構成されている。光分岐部12におけるビームスプリッタ14の分岐比率は、例えば、装置本体24の出口側に向かう測定光が95%、参照光検出器19に向かう参照光が5%程度となるように設定されている。
装置本体24の出口にはコネクタ23が設けられており、前記光分岐部12において分岐された一方の光ファイバ15が接続されている。また、装置本体24の外側には、生体A組織表面に接触させられる測定プローブ25が設けられ、該測定プローブ25と前記コネクタ23とが照射用光ファイバ24によって接続されている。コネクタ23における光ファイバ15、24の接続は、同径のコアを有する光ファイバ15、24の端面どうしを突き当てるように配置することにより行われている。光ファイバ15、24の端面は、例えば、PC研磨されており、一方の光ファイバ15の端面から発せられた測定光を効率よく他方の光ファイバ24内に引き渡すことができるようになっている。
前記測定プローブ25には、その先端面25aに、図3に示されるように、中心に1本の照射用光ファイバ24が配置され、その周囲に間隔をあけて複数本の受光用光ファイバ34が配置されている。すなわち、測定プローブ25の先端面25aを生体A組織表面に密着させた状態で装置を作動させることにより、測定プローブ25の中心から出射された測定光は、生体A内に入射され、拡散あるいは透過させられた後に、生体A表面に戻り、照射用光ファイバ25の周囲に配置されている受光用光ファイバ34によって信号光として受光されるようになっている。
各受光用光ファイバ34と照射用光ファイバ24との間の距離は、照射用光ファイバ24から出射された測定光が、所定の光路長を経て受光用光ファイバ34に受光されるような距離に設定されている。本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の場合には、グルコースを多く含む真皮領域にまで測定光が進達するように、約0.4〜0.8mmの距離をあけて配置されている。これにより、受光用光ファイバ34により受光される信号光は、生体A組織内を真皮の深さまで進達した光を多く含んでいるようになる。受光用光ファイバ34は、束ねられることによりファイババンドルを形成し、コネクタ35により装置本体24内部に戻されるようになっている。
前記光検出器5、19は、例えば、PbSセンサ、あるいは、InGaAsセンサである。一方の参照光検出器19は、上述したように、光分岐部12において分岐された一方の光ファイバ16の端面に対向配置されており、該光ファイバ16から出射されてきた参照光を検出して検出信号を出力するようになっている。また、他方の信号光検出器5は、前記ファイババンドル34の端面に対向して配置されており、光ファイバ34により受光され伝播されてきた反射光および透過光を検出して検出信号を出力するようになっている。
前記演算部6は、前記信号光検出器5の検出信号および前記参照光検出器19の検出信号をそれぞれ増幅するアンプ36と、該アンプ36から出力された電気信号から特定の周波数の信号のみを抽出するロックイン検波器37と、該ロックイン検波器37から出力された電気信号をディジタル信号に変換するA/D変換器38と、該A/D変換器38から出力されたディジタル信号に基づいてグルコース濃度を算出するコンピュータ39とを備えている。
前記ロックイン検波器37は、前記フィルタ制御部8から供給された高周波を受信して、アンプ36からの電気信号から、高周波の周波数に一致する周波数成分の電気信号のみを抽出するようになっている。
また、コンピュータ39は、ロックイン検波器37により抽出された電気信号をA/D変換した出力信号、及び前記フィルタ制御部8から供給された高周波の周波数に対応してAOTF7から発せられる光の波長信号が入力されるようになっている。
また、コンピュータ39は、ロックイン検波器37により抽出された電気信号をA/D変換した出力信号、及び前記フィルタ制御部8から供給された高周波の周波数に対応してAOTF7から発せられる光の波長信号が入力されるようになっている。
これにより、コンピュータ39においては、フィルタ制御部8から得られる波長信号と、A/D変換器38から得られた複数の出力信号とに基づいて、特定の波長領域、例えば、波長1600nm近傍の領域における出力信号を加算平均等することによりグルコース濃度が演算されるようになっている。
なお、コンピュータ39には、ディスプレイ(図示略)が備えられており、コンピュータ39において演算されたグルコース濃度値が表示されるようになっている。
なお、コンピュータ39には、ディスプレイ(図示略)が備えられており、コンピュータ39において演算されたグルコース濃度値が表示されるようになっている。
このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の作用について、以下説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内の体液のグルコース濃度を測定するには、測定プローブ25の先端面25aを生体A、例えば、指先の表面に密着させる。なお、測定部位は、指先の他、掌、前腕等でもよい。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内の体液のグルコース濃度を測定するには、測定プローブ25の先端面25aを生体A、例えば、指先の表面に密着させる。なお、測定部位は、指先の他、掌、前腕等でもよい。
この状態で、光源2を作動させ、光源2から発せられた光を光ファイバ40に入射させる。光ファイバ40によって伝播された光はAOTF7に入射される。AOTF7を作動させるには、AOTF7により分光する測定光の波長に対応する周波数の高周波からなる制御信号をフィルタ制御部8からAOTF7に供給する。
この場合において、制御信号は、照射サイクル毎に、周波数が不規則に(ランダムに)変更される高周波信号となっている。従って、AOTF7からは、この制御信号に応じた光が出射される。即ち、照射サイクル毎に、波長の並び順が異なる測定光が出射される(図4のステップS1)。これにより、時間的に周期性を有するノイズが発生していたとしても、各波長に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。
この場合において、制御信号は、照射サイクル毎に、周波数が不規則に(ランダムに)変更される高周波信号となっている。従って、AOTF7からは、この制御信号に応じた光が出射される。即ち、照射サイクル毎に、波長の並び順が異なる測定光が出射される(図4のステップS1)。これにより、時間的に周期性を有するノイズが発生していたとしても、各波長に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。
AOTF7から出射された測定光は、光ファイバ11を介して光分岐部12に送られ、光分岐部12においてその一部を参照光として分岐される。分岐された参照光は、参照用光ファイバ16の端面に対向配置されている参照光検出器19によりそのまま検出されることになる。
参照光を分離された残りの測定光は、集光レンズ17(図2参照)によって、光ファイバ15内に入射されて、コネクタ23により接続されている測定プローブ25の照射用光ファイバ24に入射させられ、更に、測定プローブ25の先端面25aから生体Aへ入射されることになる(図4のステップS2)。
生体A内に入射された測定光は、生体A内を進行する間に、生体A組織に衝突して拡散される。測定光は、通過する生体A組織や体液の成分に応じて、特定の波長領域の光を吸収される。したがって、生体A内で拡散されることにより生体Aの表面に戻って生体A外に出射された信号光(戻り光)は、通過した生体A組織や体液に応じた特定の波長領域の光量が低下していることになる。
参照光を分離された残りの測定光は、集光レンズ17(図2参照)によって、光ファイバ15内に入射されて、コネクタ23により接続されている測定プローブ25の照射用光ファイバ24に入射させられ、更に、測定プローブ25の先端面25aから生体Aへ入射されることになる(図4のステップS2)。
生体A内に入射された測定光は、生体A内を進行する間に、生体A組織に衝突して拡散される。測定光は、通過する生体A組織や体液の成分に応じて、特定の波長領域の光を吸収される。したがって、生体A内で拡散されることにより生体Aの表面に戻って生体A外に出射された信号光(戻り光)は、通過した生体A組織や体液に応じた特定の波長領域の光量が低下していることになる。
受光用光ファイバ34は、上述したように照射用光ファイバ25との間の距離を一定に固定されているので、その距離に応じた深さまで進達した光を多く含む信号光を受光する。本実施形態の場合には、測定光は真皮領域まで進達した後に、信号光として受光用光ファイバ34に受光されるので、受光される信号光はグルコースの情報を多く含んでいることになる。
受光された信号光は、受光用光ファイバ34を介して装置本体24内に戻され、受光用光ファイバ34の端面に対向配置されている信号光検出器5により検出される(図4のステップS3)。
受光された信号光は、受光用光ファイバ34を介して装置本体24内に戻され、受光用光ファイバ34の端面に対向配置されている信号光検出器5により検出される(図4のステップS3)。
信号光検出器5および参照光検出器19からの出力信号は、演算部6に入力されると、アンプ36によってそれぞれ増幅される。信号光検出器5により検出される信号光の大きさは、生体Aに入射される光、すなわち、AOTF7から発せられた測定光の強度の変動とともに変動する。したがって、生体Aへの入射前の測定光の一部を参照光として参照光検出器19により検出しておき、後述するコンピュータ39において受光された信号光から差し引くことにより、AOTF7から発せられる測定光の強度変動による信号光強度の変動を除去することが可能となる。本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1においては、光分岐部12における分岐比率が、測定光95%、参照光5%程度に設定されているので、測定光が生体A内で減衰されて得られる信号光と参照光とのレベルを同等にして測定光の強度変動による信号光強度の変動を効果的に除去することができる。この場合に、コンピュータ39においては、参照光検出器19からの出力信号に所定の係数をかけることにより、信号レベルを調整してもよい。
アンプ36において増幅された各検出器5、19からの出力信号は、それぞれロックイン検波器37を通過させられる。これにより、フィルタ制御部8からAOTF7に入力された高周波に対応する波長の光に関する出力信号のみが抽出される。したがって、抽出された出力信号には、生体Aに入射された測定光と波長を同じくする生体Aからの散乱光の情報のみが含まれ、他の波長の光、例えば、外来光に関する情報は除かれている。その結果、外来光等によるノイズの発生を抑制することができる。
そして、ロックイン検波器37において抽出された出力信号(検出データ)は、それぞれA/D変換器38によってディジタル信号に変換させられてコンピュータ39に入力される。また、コンピュータ39には、フィルタ制御部8から制御信号が順次供給される。この制御信号は、AOTF7に供給されている制御信号と同一のものである。
したがって、コンピュータ39においては、出力信号と波長信号との関係を示す波長特性が求められていくことになる。
本実施形態においては、照射サイクル毎に、測定光の波長の並び順が異なっている。したがって、まず、コンピュータ39では、前記波長信号に基づいて、出力信号を所定の並び順、例えば、波長が短い方から順に規則的に並ぶように、出力信号を並び替える処理が行われる(図4のステップS4)。
そして、このように測定光の波長に基づいて出力信号を並びかえることにより、実際には周期的に現れていたノイズをホワイトノイズとして取り扱うことが可能となる。そして、並び替え後の出力信号をそれぞれ加算平均することにより、ノイズの影響を効果的に低減させることができる。そして、ノイズが低減された信頼性の高い出力信号に基づいて、生体A内部のグルコース濃度が演算される(図4のステップS5)。
したがって、コンピュータ39においては、出力信号と波長信号との関係を示す波長特性が求められていくことになる。
本実施形態においては、照射サイクル毎に、測定光の波長の並び順が異なっている。したがって、まず、コンピュータ39では、前記波長信号に基づいて、出力信号を所定の並び順、例えば、波長が短い方から順に規則的に並ぶように、出力信号を並び替える処理が行われる(図4のステップS4)。
そして、このように測定光の波長に基づいて出力信号を並びかえることにより、実際には周期的に現れていたノイズをホワイトノイズとして取り扱うことが可能となる。そして、並び替え後の出力信号をそれぞれ加算平均することにより、ノイズの影響を効果的に低減させることができる。そして、ノイズが低減された信頼性の高い出力信号に基づいて、生体A内部のグルコース濃度が演算される(図4のステップS5)。
以上説明したように、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、光照射手段は、出射する各波長の光の並び順を照射サイクル毎に異ならせるので、生体Aに照射される測定光の各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは無関係にすることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理によって、ノイズを低減することが可能となり、ノイズの影響を極めて低減させた高精度な成分濃度測定を実現させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、フィルタ制御部8は、何の規則性を持たずにランダムにAOTF7から出射される波長の順序を決定していたが、この態様に代わって、例えば、同じ波長の並びではあるが、照射サイクル毎に開始波長を異ならせる態様を採用しても良い。また、上記波長の並びとしては、昇降順、降下順、ランダム等が挙げられる。また、これらの態様の組み合わせにしても良い。
例えば、フィルタ制御部8は、何の規則性を持たずにランダムにAOTF7から出射される波長の順序を決定していたが、この態様に代わって、例えば、同じ波長の並びではあるが、照射サイクル毎に開始波長を異ならせる態様を採用しても良い。また、上記波長の並びとしては、昇降順、降下順、ランダム等が挙げられる。また、これらの態様の組み合わせにしても良い。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るグルコース濃度測定装置について説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置では、フィルタ制御部8の制御内容が上述した第1の実施形態と異なる。
具体的には、上述した第1の実施形態においては、各照射サイクルにおいて波長の並び順を異ならせることによって周期的に現れるノイズの影響を回避していたのに対し、本実施形態においては、並び順ではなく、周期自体を変えることによりノイズ低減を図るものである。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、フィルタ制御部8は、各波長を生体Aに照射させる照射期間が照射サイクル毎にそれぞれ異なるように制御信号を生成しAOTF7へ出力する。これにより、照射時間が長い程、照射サイクルの周期が長くなる。このように、照射期間を変化させることにより各照射サイクルの周期を異ならせるので、各波長に重畳されるノイズ成分を異ならせることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るグルコース濃度測定装置について説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置では、フィルタ制御部8の制御内容が上述した第1の実施形態と異なる。
具体的には、上述した第1の実施形態においては、各照射サイクルにおいて波長の並び順を異ならせることによって周期的に現れるノイズの影響を回避していたのに対し、本実施形態においては、並び順ではなく、周期自体を変えることによりノイズ低減を図るものである。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、フィルタ制御部8は、各波長を生体Aに照射させる照射期間が照射サイクル毎にそれぞれ異なるように制御信号を生成しAOTF7へ出力する。これにより、照射時間が長い程、照射サイクルの周期が長くなる。このように、照射期間を変化させることにより各照射サイクルの周期を異ならせるので、各波長に重畳されるノイズ成分を異ならせることができる。
また、図6に示すように、照射サイクルにおける波長の順序および周期を変化させずに、出射タイミングのみを異ならせるように制御信号を生成するようにしても良い。
また、照射サイクルにおいて、実際のAOTF7の動作には関係のない擬似信号を適宜挿入させることにより、各特定波長の出射タイミングをずらすようにすることも可能である。この場合には、出射タイミングに関する情報をフィルタ制御部8からコンピュータ39へ供給することにより、上述の第1の実施形態で説明した手法により、グルコース濃度を演算することが可能である。
また、照射サイクルにおいて、実際のAOTF7の動作には関係のない擬似信号を適宜挿入させることにより、各特定波長の出射タイミングをずらすようにすることも可能である。この場合には、出射タイミングに関する情報をフィルタ制御部8からコンピュータ39へ供給することにより、上述の第1の実施形態で説明した手法により、グルコース濃度を演算することが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置によれば、出射サイクルの周期自体を異ならせる、又は、出射タイミングを異ならせることにより、各波長の測定光に重畳されるノイズ成分を照射サイクルの周期とは異ならせることができる。これにより、測定光中のノイズがホワイトノイズ化されるので、コンピュータ39が、戻り光をそれぞれの測定光の波長に応じて加算平均する処理を行うことにより、ノイズを低減することが可能となり、正確な検出データに基づく特定成分濃度測定を実現させることができる。
なお、上述の各実施態様を組み合わせることも可能である。具体的には、フィルタ制御部8は、波長の並び順、照射時間、及びタイミングを全て不規則に決定することにより、全く時間的な周期性を持たずに各波長の光をAOTF7から出射させることが可能となる。この結果、より効果的に周期的に現れるノイズを低減することが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
第1に、分光器3として、AOTF7を採用したが、これに代えて、グレーティングとスキャンミラーとを組み合わせたもの等を採用してもよい。この場合、光検出器としてはリニアアレイセンサを採用することが好ましい。
第2に、光分岐部12として、コリメートレンズ、集光レンズおよびビームスプリッタを組み合わせたものを例示して説明したが、これに代えて、ファイバカプラ(図示略)により分岐する構造のものにしてもよい。
また、信号光検出器5および参照光検出器19からの出力信号をそれぞれ別個のアンプ36で増幅し、別個のロックイン検波器37およびA/D変換器38を介してコンピュータ39に入力し、該コンピュータ39において差分処理を行うこととしたが、これに代えて、差動アンプに入力することにより、得られた差分信号を単一のロックイン検波器37およびA/D変換器38を介してコンピュータ39に入力することにしてもよい。
第1に、分光器3として、AOTF7を採用したが、これに代えて、グレーティングとスキャンミラーとを組み合わせたもの等を採用してもよい。この場合、光検出器としてはリニアアレイセンサを採用することが好ましい。
第2に、光分岐部12として、コリメートレンズ、集光レンズおよびビームスプリッタを組み合わせたものを例示して説明したが、これに代えて、ファイバカプラ(図示略)により分岐する構造のものにしてもよい。
また、信号光検出器5および参照光検出器19からの出力信号をそれぞれ別個のアンプ36で増幅し、別個のロックイン検波器37およびA/D変換器38を介してコンピュータ39に入力し、該コンピュータ39において差分処理を行うこととしたが、これに代えて、差動アンプに入力することにより、得られた差分信号を単一のロックイン検波器37およびA/D変換器38を介してコンピュータ39に入力することにしてもよい。
A 生体
1 グルコース濃度測定装置
2 光源
3 分光器
4 光照射部(光照射手段)
5 光検出部(光検出手段)
6 演算部(演算手段)
7 AOTF
8 フィルタ制御部
1 グルコース濃度測定装置
2 光源
3 分光器
4 光照射部(光照射手段)
5 光検出部(光検出手段)
6 演算部(演算手段)
7 AOTF
8 フィルタ制御部
Claims (9)
- 所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返し、試料からの戻り光の加算平均に基づいて、試料内の特定成分濃度を測定する成分濃度測定方法であって、
前記照射サイクル毎に、照射する光の波長の順序を異ならせる成分濃度測定方法。 - 所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返し、試料からの戻り光の加算平均に基づいて、試料内の特定成分濃度を測定する成分濃度測定方法であって、
前記照射サイクル毎に、該照射サイクルの周期を変更する成分濃度測定方法。 - 各波長の光を照射する照射期間を異ならせることにより、前記照射サイクルの周期を変更する請求項2に記載の成分濃度測定方法。
- 所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返し、試料からの戻り光の加算平均に基づいて、試料内の特定成分濃度を測定する成分濃度測定方法であって、
前記照射サイクル毎に、各波長の光を照射する照射タイミングを変更する成分濃度測定方法。 - 所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返すとともに、該照射サイクル毎に、照射する光の波長の順序を異ならせる光照射手段と、
前記試料からの戻り光を該試料外部において検出する光検出手段と、
該光検出手段により検出された光の加算平均に基づいて、前記試料内の特定成分濃度を測定する演算手段と
を備える成分濃度測定装置。 - 所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返すとともに、該照射サイクル毎に、該照射サイクルの周期を変更する光照射手段と、
前記試料からの戻り光を該試料外部において検出する光検出手段と、
該光検出手段により検出された光の加算平均に基づいて、前記試料内の特定成分濃度を測定する演算手段と
を備える成分濃度測定装置。 - 前記光照射手段が、各波長の光を照射する照射期間を異ならせることにより、前記照射サイクルの周期を変更する請求項6に記載の成分濃度測定装置。
- 所定の波長帯域にわたり、波長を変更しながら測定光を試料に照射する照射サイクルを複数回繰り返すとともに、該照射サイクル毎に、各波長の光を照射する照射タイミングを変更する光照射手段と、
前記試料からの戻り光を該試料外部において検出する光検出手段と、
該光検出手段により検出された光の加算平均に基づいて、前記試料内の特定成分濃度を測定する演算手段と
を備える成分濃度測定装置。 - 特定成分濃度がグルコース濃度である請求項5から請求項8のいずれかの項に記載の成分濃度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004086213A JP2005274262A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 成分濃度測定方法及び成分濃度測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family
ID=35174103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004086213A Withdrawn JP2005274262A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 成分濃度測定方法及び成分濃度測定装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005274262A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017199721A1 (ja) * | 2016-05-16 | 2017-11-23 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | 吸収分光測定用の光吸収測定装置およびこれを用いた吸収分光測定システム |
WO2021167248A1 (ko) * | 2020-02-21 | 2021-08-26 | (주)오상헬스케어 | 형광염료의 종류에 따라 촬영방식을 선택하는 크로마토그래피 검사장치 및 그 제어방법 |
TWI791974B (zh) * | 2019-04-19 | 2023-02-11 | 日商富士金股份有限公司 | 濃度測定裝置 |
-
2004
- 2004-03-24 JP JP2004086213A patent/JP2005274262A/ja not_active Withdrawn
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JPWO2017199721A1 (ja) * | 2016-05-16 | 2019-06-06 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 | 吸収分光測定用の光吸収測定装置およびこれを用いた吸収分光測定システム |
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