JP2005273724A - 圧力容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化を犠牲にせずに、高圧水素を貯蔵することができる圧力容器を提供する。
【解決手段】水素タンク11は中空状のライナ12と、ライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13とを備えている。ライナ12は、円筒状に形成された高密度ポリエチレン製のライナ本体14と、ライナ本体14の一端側に固着された口金15とを備えた2個のライナユニット16a,16bを、ライナ本体14の他端側で接合することによって形成されている。ライナ本体14の内面には、部分的に金属層19が形成された樹脂フィルム20が固着されている。金属層19は格子状に隙間21を設けた状態で形成されている。樹脂フィルム20は金属層19がライナ本体14の内面側に位置する状態でライナ本体14に固着されている。金属層19はアルミニウムで形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧力容器に係り、詳しくは樹脂製のライナとその外面を覆う繊維強化樹脂層とを備えた圧力容器に関する。
近年、地球温暖化を抑制する意識が高まってきており、特に車両から排出される二酸化炭素の低減を目的として燃料電池電気自動車や水素エンジン自動車等の開発が盛んである。これらの自動車では水素を燃料としており、水素供給源としては水素タンクが一般に用いられる。そして、水素タンクには高い圧力(例えば、30〜40MPa)で水素が充填されている。また、充填圧力を高くできれば同じ容積で充填量を多くできるため、1回の充填での走行距離を長くできる。
従来、高圧ガスを収容する圧力容器の軽量化を図るため、高密度ポリエチレン等の樹脂製のライナ(内殻)と、炭素繊維強化樹脂(CFRP)製の外殻とを備えた圧力容器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図5(a)に示すように、高密度ポリエチレン製のライナ51の外側に金属メッキ皮膜52を形成してガスバリア層とし、その外側にCFRP層53を設けた圧力容器(タンク)もある。また、図5(b)に示すように、FRP層54の内側に金属メッキ層55を形成して内張ライナとした圧力容器も提案されている(特許文献2参照。)。なお、図5(a),(b)は、圧力容器の壁の部分模式断面図である。
また、高圧水素タンクとして、高密度ポリエチレン製のライナと、ライナの外側を補強するCFRP製のシェルと、ライナの内面に積層された水素バリア層を有する構成が提案されている(特許文献3参照。)。水素バリア層の材質としては、ニトリルゴム、フッ素ゴム、水素添加ニトリルゴム等の合成ゴムが挙げられている。
特開平8−285189号公報(明細書の段落[0008],[0012]、図1) 特開平10−196889号公報(明細書の段落[0003],[0015]、図3) 特開2002−188794号公報(明細書の段落[0019],[0020],[0022],[0027]、図2)
特許文献1に記載された圧力容器は、圧縮天然ガスの貯蔵用を目的としている。天然ガスは分子の大きさが水素に比較して大きく、圧力容器への満充填時の圧力が水素に比較して低い。従って、圧力容器は前記の構成でもガスの透過が少ない。しかし、この高圧容器を高圧水素タンクとして使用すると、水素の透過量が多くなる。水素の透過量を規定値以下にするには、合成樹脂層を厚くする必要があり、同体積で比較した場合に、重量増やタンク容量減少が起こる。
図5(a)に示す構成の場合は、樹脂製のライナ51の外側(図における上側)に金属メッキ皮膜52が形成されているため、水素の透過が金属メッキ皮膜52によって阻止される。しかし、CFRP層53は圧力容器内の圧力変化により膨張収縮を生じ、その割合は0.5%程度あるため、圧力容器の膨張収縮によって金属メッキ皮膜52が割れる。金属メッキ皮膜52とCFRP層53との接着性は低いため、金属メッキ皮膜52とCFRP層53との境界にも隙間が生じる。また、水素はライナ51を透過するため、ライナ51を透過した水素がライナ51と金属メッキ皮膜52との境界に溜まり、金属メッキ皮膜52がライナ51から剥離する。その結果、図5(a)の右側に示すような状態となり、矢印で示すように、水素が透過するようになる。
特許文献2に記載された圧力容器は、FRP層54の内側に金属メッキ層55が形成されている。この場合も、FRP層54は圧力容器内の圧力変化により膨張収縮を生じ、金属メッキ層55がFRP層54から剥離する。そして、金属メッキ層55の内側には層がないため、図5(b)の右側に示すように、FRP層54から剥離した金属メッキ層55の破片55aは圧力容器内に落下する。その結果、矢印で示すように、FRP層54から水素が透過する状態となるだけでなく、落下した金属メッキ層55の破片55aが水素とともに使用部へ供給されて悪影響を及ぼす虞もある。
また、特許文献3に記載された圧力容器では、高密度ポリエチレン製ライナの内面全体に合成ゴムのバリア層を設けている。しかし、合成ゴムは分子間が金属に比較して粗であるため、水素透過量を規定値以下にするには厚くする必要があり、重量増やタンク容量減少を招く。さらに、合成ゴムのバリア層とライナとの接着強度不足による剥離も懸念される。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、軽量化を犠牲にせずに、高圧水素を貯蔵することができる圧力容器を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備えた圧力容器であって、ライナ本体は樹脂製であり、部分的に金属層が形成された樹脂フィルムが、前記金属層が前記ライナ本体の内面側に位置する状態で前記ライナ本体に固着されている。
この発明では、水素のバリアとなる金属層はライナ本体の内面と、樹脂フィルムとの間に挟まれているが、部分的にライナ本体と樹脂フィルムとが直接接着された状態となっているため、接着強度が高い。従って、ライナ本体と樹脂フィルムとの間に必ず金属層が存在する積層構造に比較して、金属層が樹脂から剥離し難い。金属層が存在しない部分は水素が透過するが、金属層が形成された部分の面積を所定量以上とすることによりライナ全体としての水素透過量を規定値内に抑制することができる。従って、軽量化を犠牲にせずに、高圧水素を貯蔵することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ライナ本体及び前記樹脂フィルムの樹脂として同じ材質が使用されている。この発明では、ライナ本体と樹脂フィルムとが別の樹脂で形成された場合に比較して、ライナ本体と樹脂フィルムとの接着強度が高くなり、耐久性が向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記樹脂フィルムは、前記ライナ本体の内面にインサート成形により一体に形成されている。この発明では、ライナ本体が形成された後に樹脂フィルムを接着剤でライナ本体の内面に接着するものに比較して、製造が容易になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記樹脂はポリエチレンである。ポリエチレン(特に高密度ポリエチレン)は、水素の透過性が他の汎用樹脂に比較して低いため、この発明では、ライナ本体及び樹脂フィルムの樹脂としてポリエチレン以外の汎用樹脂を使用した場合に比較して、水素の透過量をより少なくできる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記金属層はアルミニウム層である。この発明では、金属層をステンレスや鉄等で形成した場合に比較して軽量化が容易となる。また、ポリエチレンに対する接着性が良いため水素バリア層として好適である。
本発明によれば、軽量化を犠牲にせずに、高圧水素を貯蔵することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を圧力容器としての水素貯蔵タンク(以下、単に水素タンクと称す。)に具体化した第1の実施形態を図1及び図2に従って説明する。図1は、水素タンクの模式断面図である。
図1に示すように、水素タンク11は円筒部の両端にドーム部を有する形状に形成され、細長い中空状のライナ12と、ライナ12の外面を覆う繊維強化樹脂層13とを備えている。
繊維強化樹脂層13は、この実施形態では炭素繊維を強化繊維としたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)で構成され、水素タンク11の耐圧性(機械的強度)を確保している。繊維強化樹脂層13は、樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等)が含浸された炭素繊維束を、ヘリカル巻層、フープ巻層及びレーベル巻層を有するようにライナ12に巻き付け、樹脂を熱硬化することによって形成されている。なお、レーベル巻とは、ライナ12の中心軸とほぼ平行に近くなるように繊維をたすき掛けに巻き付ける巻付け方を意味する。
ライナ12は、ほぼ円筒状に形成された樹脂製のライナ本体14と、ライナ本体14の一端側に固着された口金15とを備えた2個のライナユニット16a,16bを、ライナ本体14の他端側で接合することによって形成されている。両ライナユニット16a,16bは同じに形成されている。ライナ本体14の材質には高密度ポリエチレン(HDPE)が使用されている。口金15の材質にはステンレスが使用されている。
口金15はドーム部の一部を形成する形状に形成されるとともに、中心部に外側に突出するボス部15aを有し、ボス部15aにはその中心を貫通するように、ライナ12の内側と外部とを連通させるねじ孔が形成されている。一方のライナユニット16aの口金15にはバルブ17が螺合されている。バルブ17はレギュレータを内蔵するとともに、水素タンク11の使用状態が水素放出状態と水素充填状態とに切換可能となっている。水素放出状態とは、水素タンク11内の水素がバルブ17を介して外部へ放出可能、かつ外部から水素タンク11内への水素の供給が不能な状態を意味する。また、水素充填状態とは、水素タンク11内の水素をバルブ17を介して外部へ放出不能、かつ外部から水素タンク11内への水素の供給が可能な状態を意味する。バルブ17と口金15の端面との間にはシールリング(図示せず)が介装されている。他方の口金15には埋栓18が螺合されている。埋栓18と口金15との間にもシールリング(図示せず)が介装されている。
ライナ本体14の内面には、部分的に金属層19が形成された樹脂フィルム20が固着されている。金属層19は格子状に隙間21を設けた状態で形成されている。樹脂フィルム20は金属層19がライナ本体14の内面側に位置する状態でライナ本体14に固着されている。この実施形態では金属層19はアルミニウム層である。金属層19はアルミニウムの蒸着により形成されている。なお、金属層19は樹脂フィルム20とライナ本体14との間に存在するが、図1では分かり易くするため破線ではなく実線で図示している。
樹脂フィルム20はライナ本体14の径が一定の部分にのみ固着されている。樹脂フィルム20の材質には高密度ポリエチレンが使用されている。即ち、ライナ本体14及び樹脂フィルム20の樹脂として同じ材質が使用されている。
樹脂フィルム20は、ライナ本体14の内面にインサート成形により一体に形成されている。
次に前記のように構成された水素タンク11の製造方法を説明する。水素タンク11を製造する際は、先ず口金15が加工される。また、格子状に隙間21を設けた状態でアルミニウムが蒸着されたポリエチレン製の樹脂フィルム20が作製される。次に口金15及び樹脂フィルム20が射出成形用の金型内に配置された状態でインサート成形が行われ、ライナユニット16a,16bがそれぞれ別々に形成される。なお、樹脂フィルム20は金属層19が、注入される樹脂側に面するように配置される。
次に両ライナユニット16a,16bのライナ本体14を当接させた状態で熱溶着で樹脂製のライナ本体14同士を接合する。次に接合されたライナ12をフィラメントワインディング装置にセットして、フィラメントワインディングを行い、ライナ12の外面に樹脂含浸炭素繊維束をヘリカル巻層、レーベル巻層及びフープ巻層が所定層数形成されるまで巻き付ける。フープ巻層は主にライナ12の円筒部に形成される。次に、樹脂含浸繊維束が巻き付けられたライナ12をフィラメントワインディング装置から取り外し、加熱炉に入れて、樹脂を加熱硬化させる。次にバリ等の除去を行った後、耐圧及び気密試験を行い、合格品はバルブ17及び埋栓18を取り付けて水素タンク11の製造が完了する。
水素タンク11は、例えば燃料電池自動車の燃料電池の水素源として使用される。水素タンク11は図示しない配管がバルブ17に連結された状態で使用され、水素ガスの充填時には充填用の配管から水素ガスが水素タンク11に充填される。水素タンク11内には例えば数十MPaの圧力になるように水素ガスが充填される。充填が完了した水素タンク11は供給用の配管に接続される。そして、水素ガスが所定の圧力に減圧されて燃料電池の燃料極(水素極)へ供給される。
水素タンク11に水素ガスが充填されると水素タンク11内が高圧となる。そして、水素タンク11内外の圧力差により、水素タンク11内の水素がライナ12を透過しようとする。金属層19は水素透過性が樹脂製の樹脂フィルム20やライナ本体14に比較して非常に小さく、金属層19を透過する水素の量は無視しても差し支えない量となる。従って、樹脂製のライナ本体14全体に占める水素透過可能な面積が金属層19の存在により小さくなる。そして、金属層19の面積を変更することにより、ライナ本体14の水素透過量が変化する。
水素透過量Q[cm/hr・L]は次の(1)式で表される。
Q={HTR・P/(t・V)}・S・(1−XAL)・・・(1)
但し、XAL=SAL/S
水素透過係数 HTR[cm・mm・m−2・hr−1・atm−1
ライナ内面積 S[m
金属層面積 SAL[m
ライナ本体の厚さ t[mm]
タンク内容積 V[L]
タンク内圧 P[atm]
従って、タンクの水素透過許容量TV[cm/hr・L]と、ライナ本体14の厚さtと、ライナ本体14の内面積に対する金属層19の割合XALとの関係は次式(2)で表される。
t={HTR・P/(TV・V)}・S・(1−XAL)・・・(2)
縦軸をt、横軸をXALとして(2)式を示すと図2のようになる。即ち、タンク内容積、タンク内圧、タンクの水素透過許容量が設定されると、ライナ本体14として必要な厚さtは、図2のtとXALとの関係を示す直線Lより上の範囲となる。そして、図2のハッチングを施した範囲であれば、ライナ本体14の厚さtは、金属層19を設けない場合に比較して薄くなる。例えば、金属層19の面積をライナ本体14の内面積の1/2にすると、XAL=1/2となりライナ本体14の厚さは、金属層19が無い場合の1/2となる。また、金属層19の面積をライナ本体14の内面積の3/4にすると、XAL=3/4となりライナ本体14の厚さは、金属層19が無い場合の1/4となる。
水素のバリア層となる金属層19はライナ本体14の内面と、樹脂フィルム20との間に挟まれているが、部分的にライナ本体14と樹脂フィルム20とが直接接着された状態となっているため、接着強度が高い。従って、ライナ本体14と樹脂フィルム20との間に必ず金属層19が存在する積層構造に比較して、金属層19が樹脂から剥離し難くなる。
この実施形態では以下の効果を有する。
(1)水素タンク11は、樹脂製のライナ本体14の内面に、部分的に金属層19が形成された樹脂フィルム20が、金属層19がライナ本体14の内面側に位置する状態で固着されている。従って、ライナ本体14と樹脂フィルム20との間に必ず金属層19が存在する積層構造に比較して、金属層19が樹脂から剥離し難い。金属層19が存在しない部分は水素が透過するが、金属層19が形成された部分の面積を所定量以上とすることにより、ライナ12全体としての水素透過量を規定値内に抑制することができる。その結果、軽量化を犠牲にせずに、高圧水素を貯蔵することができる。所定量とは、(2)式から求められる値である。
(2)ライナ本体14及び樹脂フィルム20の樹脂として同じ材質が使用されている。従って、ライナ本体14と樹脂フィルムとが別の樹脂で形成された場合に比較して、ライナ本体14と樹脂フィルム20との接着強度が高くなり、耐久性が向上する。
(3)樹脂フィルム20は、ライナ本体14の内面にインサート成形により一体に形成されている。従って、ライナ本体14が形成された後に樹脂フィルム20を接着剤でライナ本体14の内面に接着されたものに比較して、製造が容易になる。
(4)ライナ本体14及び樹脂フィルム20の樹脂としてポリエチレンが使用されている。ポリエチレン(特に高密度ポリエチレン)は、水素の透過性が他の汎用樹脂に比較して低いため、ライナ本体14及び樹脂フィルム20の樹脂としてポリエチレン以外の汎用樹脂を使用した場合に比較して、水素の透過量をより少なくできる。
(5)金属層19としてアルミニウム層が設けられているため、金属層19をステンレスや鉄等で形成した場合に比較して軽量化が容易となる。また、アルミニウムはポリエチレンに対する接着性が良いため水素バリア層として好適である。
(6)金属層19は格子状の隙間21を設けた状態で形成されている。従って、ライナ本体14の内面積に対する金属層19全体の割合が同じで、金属層19の無い部分が連続せず、金属層19全体が連続している場合に比較して、仮に金属層19に割れが生じた場合でも割れが伸展し難い。
(7)金属層19はライナ本体14の径が一定の部分にのみ形成され、ドーム部の一部を構成する径が変化する部分には形成されていない。従って、樹脂フィルム20をインサート成形する際に、樹脂フィルム20を皺のない状態に金型内にセットするのが容易になる。
(8)ライナ12は口金15と樹脂製のライナ本体14とがインサート成形で一体に形成されたライナユニット16a,16bを、ライナ本体14の端部を接合することで形成されている。従って、口金15とライナ本体14との間の気密性を確保した状態でライナ12を形成するのが、インサート成形ではなく、別部材のライナ本体14と口金15とを組み付ける構成に比較して容易になる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図3に従って説明する。この実施形態は、金属層19の形状が前記第1の実施形態と異なっており、その他の構成は同じである。前記第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。図3は水素タンクの模式断面図である。
樹脂フィルム20に形成された金属層19は、所定の隙間を開けて同じ大きさに形成された四角形がマトリックス状に配置された構成ではなく、樹脂フィルム20の全面に形成された金属層19の一部が除去された形状に形成されている。除去された部分、即ち金属層19の存在しない部分20aは、全て同じ大きさの円形に形成されている。部分20aはマトリックス状に配置されている。なお、金属層19は樹脂フィルム20とライナ本体14との間に存在するため、各部分20aの外形(輪郭)は破線で表すべきであるが、分かり易くするため破線ではなく実線で図示している。
この実施形態では第1の実施形態の(1)〜(5),(7),(8)と同様な効果を有する。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
〇 図4に示すように、ライナ12を、1個の円筒状体に形成されたライナ本体14と、その両端に嵌合された口金22とで構成してもよい。ライナ本体14の内面には樹脂フィルム20が固着されている。このライナ12を製造する場合は、ライナ本体14の内面に樹脂フィルム20を固着した後、口金22をライナ本体14の両端に固定する。なお、金属層19は樹脂フィルム20とライナ本体14との間に存在するが、図1と同様に、分かり易くするため破線ではなく実線で図示している。
〇 樹脂フィルム20に金属層19を形成する方法は蒸着に限らない。例えばメッキで形成したり、金属薄膜をラミネートしてもよい。第2の実施形態のように金属層19全体が連続する構成の場合はラミネートで容易に形成できる。
〇 金属層19の形状は線状の隙間21により四角形以外の形状、例えば三角形や六角形に区画された形状としてもよい。また、全体が連続するとともに金属層19の存在しない部分20aの形状が円形以外の形状、例えば、三角形、四角形等の多角形に形成されたものであってもよい。
〇 金属層19全体の面積が同じ場合、金属層19が多くの領域に区画され、各領域の面積が小さい方が、少ない領域に区画されて各領域が大きい場合に比較して、仮に金属層19に割れが生じても、割れが伸展し難い。
〇 金属層19の材質はアルミニウムに限らないが、軽量化や蒸着し易さ等の点からアルミニウムが好ましい。
〇 樹脂フィルム20をライナ本体14の内面に固着する方法として、金属層19が形成された樹脂フィルム20をライナ本体14の内面に接着剤を介して固着したり、加熱圧着で固着したりしてもよい。
〇 ライナ本体14の内面全面に樹脂フィルム20を固着してもよい。
〇 ライナ本体14及び樹脂フィルム20の材質は、ポリエチレンに限らず他の樹脂、例えばポリアミド(ナイロン)や液晶ポリマーで形成してもよい。
〇 ライナ本体14の材質と樹脂フィルム20の材質とは同じでなくてもよい。しかし、同じ材質の方が接着強度が高くなり、剥離が起こり難い。
○ ライナ本体14の材質及び樹脂フィルム20の材質の少なくとも一方は、金属層19に対する接着性がポリエチレンと同等以上が好ましい。
〇 第1の実施形態において、口金15の材質はステンレスに限らず、他の金属、例えば、アルミニウム合金やアルミニウムを用いてもよい。
○ ライナ12は両端部に口金15,22を備える構成に限らず、片側のみに口金15,22を備える構成でもよい。
○ 水素タンク11は燃料電池自動車の水素源として搭載されて使用するものに限らず、例えば、水素エンジンの水素源やヒートポンプ等に適用してもよい。また、家庭用電源の燃料電池の水素源として使用してもよい。
○ 圧力容器として水素を貯蔵する水素タンクに限らず、例えば窒素、圧縮天然ガス等の他のガスを貯蔵す圧力容器に適用してもよい。
○ 繊維強化樹脂の強化繊維は炭素繊維に限らず、ガラス繊維や炭化ケイ素系セラミック繊維やアラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の一般に高弾性・高強度といわれるその他の繊維を強化繊維として使用してもよい。しかし、炭素繊維が使用実績も多く、強度も高いため好ましい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記金属層は格子状の隙間を設けた状態で形成されている。
(2)請求項1〜請求項5及び前記技術的思想(1)のいずれか一項に記載の発明において、前記金属層は蒸着によって形成されている。
(3)請求項1〜請求項5及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか一項に記載の発明において、前記ライナ本体及び前記樹脂フィルムを形成する樹脂の少なくとも一方は、前記金属層に対する接着性がポリエチレンと同等以上である。
第1の実施形態の水素タンクの模式断面図。 ライナ本体の厚さと、ライナ本体内面積に対する金属層の割合との関係を示す図。 第2の実施形態の水素タンクの模式部分断面図。 別の実施形態の水素タンクの模式断面図。 (a),(b)は従来技術の圧力容器の部分模式断面図。
符号の説明
11…圧力容器としての水素タンク、12…ライナ、13…繊維強化樹脂層、14…ライナ本体、19…金属層、20…樹脂フィルム。

Claims (5)

  1. 中空状のライナと、前記ライナの外面を覆う繊維強化樹脂層とを備えた圧力容器であって、
    ライナ本体は樹脂製であり、部分的に金属層が形成された樹脂フィルムが、前記金属層が前記ライナ本体の内面側に位置する状態で前記ライナ本体に固着されている圧力容器。
  2. 前記ライナ本体及び前記樹脂フィルムの樹脂として同じ材質が使用されている請求項1に記載の圧力容器。
  3. 前記樹脂フィルムは、前記ライナ本体の内面にインサート成形により一体に形成されている請求項1又は請求項2に記載の圧力容器。
  4. 前記樹脂はポリエチレンである請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧力容器。
  5. 前記金属層はアルミニウム層である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の圧力容器。
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