JP2005273127A - 磁場応答性および導電性に優れた繊維およびそれからなる製品 - Google Patents

磁場応答性および導電性に優れた繊維およびそれからなる製品 Download PDF

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Abstract

【課題】磁場応答性および導電性など繊維物性に優れた繊維およびそれからなる製品を提供する。
【解決手段】飽和磁束密度が0.5テスラ以上の球状磁性材料を含有する、繊維形成能を有するポリマからなる繊維。
【選択図】図1

Description

本発明は磁場応答性及び導電性に優れた繊維及びおよびそれからなる製品に関するものである。さらに詳しくは、磁場を印加する装置中での耐熱性および磁場応答性や、湿度が変化する際の導電性の安定性に非常に優れる、磁性及び導電性を具備する繊維と、該繊維を用いた磁場応答性素子及び該磁場応答性素子を用いてなる装置、また前記繊維を用いてなる織物、編物あるいは短繊維、それからなるブラシローラー、および該ブラシローラーを用いた電子写真装置に関するものである。
磁場あるいは電場中で粘性挙動が変化する機能性流体として磁気粘性流体(MR流体)あるいは電気粘性流体(ER流体)が注目されている。これら機能性流体の本質は、一般的に、液体中に添加せしめた微粉体が磁場あるいは電場を印加した際に連鎖状にネットワークを形成する、すなわち一種の抵抗体として作用することで液体自身の粘性挙動が変化するというものであり、磁場あるいは電場の強さあるいは微粉体の種類を選定することで容易に粘性挙動が制御可能である。ER流体については用いられる材料が安価であり簡便な装置設計が可能である点で優れており、また一方でMR流体については担いうる応力が非常に大きい点などの点で優れており、各々の機能性流体のメリットを生かした装置および用途開発が盛んに検討されている。
しかしこれら機能性流体の実用化を阻む大きな原因として流体自身の経時変化、すなわち比重が異なることに由来する液体中での微粉体の沈降という問題が存在する。そのためこれらER流体或いはMR流体の実用化が阻害されているのであるが、該経時変化が起こり難い機能性流体の代替技術が開示されている。
例えば、比抵抗値が10Ω・cm以下の導電性繊維を用いたER流体の技術が開示されている(特許文献1参照)。該技術においては確かに機能性流体としての効果は発現するものの、用いる繊維は金属被覆したものであることから、被覆の剥がれといった電気特性の経時変化が起こりやすく、またER流体で大きな力を担うには高電圧を用いる必要があることから、人体への安全性を十分確保するために装置が大がかりになりやすく、結果的に汎用性に乏しいものであった。
またスチール繊維を磁性材料として用いたMR流体に関する技術が開示されている(特許文献2参照)。該技術においては確かに磁場を印加することでMR流体としての効果は発現するものの、スチール繊維が柔軟性に乏しく常時直立していることから、磁場を印加する場合としない場合の粘度変化が小さく、またスチール繊維同志が接触する設計になっていることから擦過によりスチール繊維同志が削れるなど、結果的に経時変化が大きく実用性に乏しいものであった。
一方で磁場により影響を受ける磁性繊維についても検討されている。例えば磁性粒子の種類及び添加量を適宜選択することにより、磁気記録媒体用途あるいは衣料用途に適した磁気繊維の技術が開示されている(特許文献3参照)。まず磁気記録媒体用繊維として保磁率の高い磁性粒子を添加した繊維の例においては、磁気を帯びた繊維となすために保磁率の高い針状の磁性粒子を用いる必要があるものの、磁性粒子の形状が針状であるがゆえの形状異方性のために繊維中で磁性粒子が密に配置されにくく高濃度で繊維中に含有せしめるのが困難であったことや、あるいは用途の関係で、得られる繊維自体が光学的に不透明となることを避けるために磁性粒子の混合率を高めないことが必須であったため、結果的に該例の繊維は高濃度で磁性粒子を含有せしめることができず、磁場応答性に乏しいものであったし、もう1つの衣料用途に適した磁気繊維の例においては保磁率の低い磁性粒子を添加した繊維が示されているが、この繊維は衣料用途に用いるため、美観上、磁性粒子量を30重量%以下と可能な限り低減する必要があったほか、用途として編物と成したのちタフティング及びカットして、パイル編物を得たのち磁界で処理して、人工毛皮を作る技術であったことから、設計精度の高い機械部材用繊維としては全く適用できないものであったし、結果的に磁性粒子量が低濃度であったために繊維自身には導電性を付与できないものであった。
また、磁性材料が配合された複合繊維に関する技術が開示されている(特許文献4参照)。該技術においては磁性材料が低濃度配合された第一成分を芯、磁性材料が高濃度で配合されかつ融点が第一成分よりも低い繊維形成性重合体を用いた第二成分を鞘にそれぞれ配置した複合繊維を熱処理することにより、磁性を帯びることが可能な不織布を形成せしめるものであるが、磁性材料を高濃度配合した第二成分の繊維形成性重合体の融点が低いことから耐熱性及び剛性に劣り、また該繊維の使用中に磁性材料が剥落するなど繊維物性の経時変化も起こりやすく、結果的に長期使用時の耐久性に劣り、機械部材用繊維としては用いられないものであった。
一方で繊維中に磁性体を分散させた磁性繊維や該繊維を用いてなる電子写真装置用のブラシローラーが開示されている(特許文献5及び6参照)。該技術開示における磁性繊維は繊維中に含有せしめた磁性体を磁化させ、電子写真装置で用いるトナーの付着を制御するのに用いられるが、トナー清掃過程あるいはトナー付着による現像過程を制御するための繊維中の磁性体量についての具体的な技術指針が示されていないことから磁性繊維の磁化特性などが不明確で、また繊維自身に導電性を付与するには別途導電性微粉末を併用する必要があるなど、結果的に該技術のみでは磁性及び導電性を両立したブラシローラー用繊維の製造及び清掃性あるいは現像性に優れたブラシローラーの製造は到底達成できないものであった。
特開2000−220610号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開平10−141400号公報(特許請求の範囲、段落[0022]) 特開昭57−167416号公報(特許請求の範囲) 特開昭59−173312号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開平2−193176号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開平2−193180号公報(特許請求の範囲、実施例)
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消し、磁場応答性、すなわち磁場の印加と同時に繊維自身も強く磁化され、かつ磁場が無くなったあと繊維自身が磁化されることがなく(磁石になりにくく)、また微小磁場であっても磁場に対して敏感に反応する、といった点で非常に優れ、また装置に組み込んだ場合の耐熱性、長期使用時の耐久性、湿度変化における安定した比抵抗値等の点で非常に優れた磁性及び導電性を有する繊維、また該繊維を用いてなる織物や編物、短繊維、衣料などの繊維製品、さらにはこれら繊維製品を用いてなる磁場応答性素子、ブラシローラーなどの製品、そして該製品を組み込んでなる様々な装置を提供することにある。
本発明は、優れた磁場応答性及び導電性を有する繊維を得るために鋭意検討を重ね、その中で特定形状・物性を有する材料を含有させた繊維となすことにより従来技術の欠点を解消でき、かつ従来技術では達成しえなかった更なるメリットをも付与しうることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、飽和磁束密度が0.5テスラ以上の球状磁性材料を含有する、繊維形成能を有するポリマからなる繊維を提供するものである。
本発明の繊維は、磁場応答性、すなわち磁場の印加と同時に繊維も強く磁化されまた磁場印加ののち磁場が無くなったあとには繊維自身が磁化されたままになることなく(つまり磁石になりにくく)、また微小磁場であっても磁場に対して敏感に反応する点で非常に優れるほか、本発明の繊維を素子あるいは装置に組み込んだ場合、高温下で変形し難い、すなわち耐熱性に優れるほか、長期使用した際にも磁場応答性や導電性が失われにくい、すなわち長期使用時の耐久性にも優れ、さらには湿度が変化した際にも安定した比抵抗値、つまり導電性を維持可能であるなど、非常に優れた磁場応答性や導電性を有し、様々な用途に採用することができるため優れている。これはすなわち本発明の繊維は球状磁性材料を用いていることから、繊維中に高濃度で球状磁性材料を含有せしめた場合に球状磁性材料が最密充填構造をとるために、高濃度で含有せしめることが可能であることに由来する。加えて本発明の繊維は、磁性材料が球状であるために繊維の切断加工時に切断刃の摩耗あるいは工程中のガイド摩耗を最低限度に抑制でき、さらに球状磁性材料と繊維を形成するポリマとの親和性が向上することから工程通過時の糸切れが非常に低減するといった繊維加工時の工程通過性にも優れるメリットも有しており、製造の観点からも大変好ましい。
本発明の繊維からなる短繊維は、前記の通り非常に優れた磁場応答性や導電性に優れる繊維からなることから、液体や固体、あるいはポリマなどに含有せしめて磁場応答性や導電性を付与しうる添加剤の役目として用いられるほかに、後述する電気植毛用の繊維としても用いられる。特に電気植毛用として用いた場合には添加する球状磁性材料の含有量を調製することで容易に所望の比抵抗値に制御できる、すなわち電気植毛のし易さを制御することが出来るため優れている。
本発明の繊維は、飽和磁束密度が0.5テスラ以上の球状磁性材料を含有する必要がある。
飽和磁束密度とは一定の強さの磁場に対する反応性(敏感さ)を表し、球状磁性材料の飽和磁束密度が0.5テスラ以上である場合、繊維が磁場に対して容易に反応(応答)するため、強い磁場を用いなくとも弱い磁場で容易に繊維の応答を制御可能であり、優れている。しかし0.5テスラ未満である場合、繊維の磁場に対する応答性が弱く、繊維を磁場中で用いる場合に強い磁場を印加する必要があり好ましくない。球状磁性材料の該飽和磁束密度は、1.0テスラ以上であることが好ましく、1.5以上であることが特に好ましい。また該球状磁性材料の飽和磁束密度の上限としては高いほど好ましいものの、4.0以下であることが好ましい。
また本発明の繊維に含有される球状磁性材料は、保磁力が1000A/m以下であることが好ましい。保磁力とは、磁性材料の磁化曲線で磁化の強さをゼロにするために印加する逆向きの磁場の大きさ(抗磁力)と解され、本発明における球状磁性材料の保磁力が1000A/m以下である場合、磁石に成り難い、すなわち磁場が印加され、磁場が解放されてなくなったあとに、繊維自身は磁化されないという意味で磁場応答性に優れる。1000A/mよりも大きい保磁力の場合は、磁場が解放されてなくなったのちも繊維は磁化された状態を保つことがあるため、繊維同士がくっつき合うなどして、本発明の繊維を用いる用途によっては、例えば後述するような磁場応答性素子あるいはブラシローラーとなした場合には、清掃装置用部材あるいは現像装置用部材として使用できないこともある。該保磁力は、500A/m以下であることがより好ましく、100A/m以下であることがさらにより好ましく、20A/m以下であることが特に好ましい。また該保磁力は低い値ほど好ましく、0A/m以上であることが好ましい。
また、本発明の繊維に含有する球状磁性材料は、平均粒径が5μm以下の球状であることが好ましい。本発明の繊維は後述するように繊維形成能を有するポリマからなる合成繊維であるが、含有する磁性材料の平均粒径が5μm以下の球状である場合、球状である故に粒子の表面積が小さく繊維を形成するポリマとの濡れ性(親和性)も良好であり、また最密充填効果により繊維中に球状磁性材料が高濃度で含有される点で非常に優れているほか、繊維加工時のガイド摩耗も少なくなるといったメリットも付与しうる。特に繊維加工において、本発明の繊維を短繊維に用いる場合などでは、後述するようにトウに成した繊維をカッターで切断することにより短繊維を製造するが、球形であることでカッターの刃に与える影響が小さく、刃の摩耗が非常に小さくなり加工性に優れている。ここで球状磁性材料の平均粒径については、下記実施例のC.項記載の方法にて求めたものを平均粒径とし、また粒子の形状が球状であるか否かは、同様に下記実施例のC.項記載の方法にて球状磁性材料の各粒子自体の最大直径(R)と最小直径(r)を計測し、その比(R/r)から円形度を算出しR/rが1.5以下を球状とした。しかし磁性材料が球状でない場合、ポリマとの濡れ性(親和性)が悪く高濃度で繊維に含有せしめることが難しくなり、繊維の磁場応答性が劣る。また球状磁性材料の平均粒径は5μmよりも大きくても良いが、過度に平均粒径が大きな場合はポリマとの混和性が悪化する場合があり、また繊維の切断加工時の切断刃、あるいは工程中のガイドの摩耗が起こり易くなる場合があり、また該磁性粒子自身が繊維の欠陥部分となる場合があり、例えば後述する本発明の繊維を作る延伸工程や、繊維を用いた加工工程における断糸が発生しやすくなる場合があるなどデメリットが生じてくる場合がある。そして該球状磁性材料の平均粒径は、より高密度に球状磁性材料を繊維に含有せしめることができるという点で4μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。平均粒径の下限については、小さいほど好ましいものの、安定して繊維に含有せしめるという点で、0.001μm以上であることが好ましく、0.005μm以上であることがより好ましく、0.01μm以上であることがさらにより好ましい。また球状磁性材料粒子の表面には、発明の主旨を損ねない範囲で、粒子の粒径の10分の1以下の深さおよび/または10分の1以下の大きさの溝、凹凸部、あるいは球状磁性材料自身の磁性あるいは導電性を損ねない範囲のコーティング部などがあっても良い。ここで該コーティング部の厚さは球状磁性材料の直径の10分の1以下であることが好ましい。
本発明の繊維に含有される球状磁性材料は、繊維自体が導電性を有することが可能という点で、導電性を有していることが好ましい。球状磁性材料の導電性の性能は繊維を形成するポリマよりも高い導電性、すなわちその指標としてより小さな比抵抗値(換言すると体積抵抗率)を有するものであれば良いものの、より優れた導電性能を繊維に付与しうるという点で、該球状磁性材料の比抵抗値は5000Ω・cm以下であることが好ましく、1Ω・cm以下であることがより好ましく、100μΩ・cm以下であることがさらにより好ましい。また比抵抗値の下限については、小さいほど好ましく、特に制限されるものではないものの、1nΩ・cm以上であることが好ましい。
本発明の繊維に含有される球状磁性材料については、上記の通り、飽和磁束密度が0.5テスラ以上の球状磁性材料であれば特に制限されるものではなく、例えば純鉄、純ニッケル、純コバルト、純モリブデンなどの単一金属種からなる材料のほか、ケイ素鋼やあるいは、鉄、ニッケル、コバルト、およびモリブデンの中から複数種選ばれてなるパーマロイ、スーパーマロイ、パーメンジュール、などからなる球状の磁性材料を挙げることができ適宜採用できる。そしてこれら球状磁性材料の中でも、さらに保磁力が小さくかつ飽和磁束密度が非常に大きい点で、純度95%以上の鉄、コバルト、ニッケルが好ましく、純度98%以上のいわゆる純鉄、純ニッケル、純コバルトがより好ましい。特にカルボニル法により製造される純鉄あるいは純ニッケルは、通常、純度99%以上で球状を有することから特に好ましい。この純鉄、純ニッケルあるいは純コバルトは純度が高いほど好ましく、純度100%までのものが好適に用いられる。これら球状磁性材料は1種を単独で用いても良くあるいは目的に応じて、発明の主旨を損ねない範囲で複数種を併用しても良い。
本発明の繊維において、球状磁性材料を含有せしめる方法としては特に制限されるものではなく、繊維形成能を有するポリマ成分に添加する任意の方法が採用できる。具体的に例示すると、(A)不活性気体の雰囲気下、ポリマを溶融し、球状磁性材料を添加し、エクストルーダやスタティックミキサーのような混練機により常圧もしくは減圧下で混練する方法、(B)通常のポリマの重合反応において、重合反応が停止する以前の任意の段階で球状磁性材料を含有せしめて混練する方法、などが挙げられるが、簡便に混練が達成できかつ球状磁性材料とポリマ成分とがより微細に混練されることから、好ましくは(A)の方法が採用される。特にエクストルーダに関しては1軸あるいは2軸以上の多軸エクストルーダを好適に用いることができるものの、ポリマと球状磁性材料とを混練した際に球状磁性材料が微細混練するという点で、2軸以上の多軸エクストルーダを採用することが好ましい。そしてエクストルーダの軸の長さ(l)および軸の太さ(w)の比l/wについては特に制限されるものではないが、混練性向上の点でl/wは10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、30以上であることが更により好ましい。また球状磁性材料の添加は、エクストルーダに供給する以前の段階で乾式ブレンドしておいても良く、あるいはエクストルーダに配設したサイドフィーダーを用いて溶融ポリマとエクストルーダ中にて混合しても良い。また特にスタティックミキサーに関しては、例えば溶融ポリマの流路を2つあるいはそれ以上の複数に分割して再度合一するという作業(この分割から合一までの作業1回を1段とする)がなされる静置型の混練素子であれば特に制限されるものではないものの、より混練性が優れるという点でスタティックミキサーの段数は5段以上であることが好ましく、10段以上であることが更により好ましい。また流路の必要長さにも依るものの50段以下であることが好ましい。
本発明の繊維は、繊維形成能を有するポリマからなる。繊維とは細く長い形状を指し、一般的に言われる長繊維(フィラメント)であっても長さ0.05〜150mmの短繊維(ステープル)であってもよく、あるいは電気植毛加工などに用いられる通常10mm以下の長さの短繊維であってもよく、これらの繊維形状となしうる繊維形成能を有するポリマであれば本発明の繊維に適用でき、特に制限されない。特に繊維長に関しては目的とする使用方法あるいは用途に応じて適宜選択すればよいものの、電気植毛加工に用いる短繊維の繊維長は0.1〜10mmであることが好ましく、0.2〜5mmであることがより好ましい。
特に短繊維は、電気植毛加工がより効率的に行えるという点では、比抵抗値が10〜10Ω・cmであることが好ましい。本発明の繊維は球状磁性材料を高濃度で含有していることから、繊維長が0.1〜10mmの短繊維に切断した際に、後述の通り切断前の繊維と同じ比抵抗値を有するため比抵抗値が通常10Ω・cm未満である場合があるため、そこで電気植毛用繊維として用いる場合には、比抵抗値は10〜10Ω・cm、好ましくは10〜10Ω・cmである。そしてこれら好ましいとされる比抵抗値の値を有する短繊維とせしめるために導電調製剤等で処理することが好ましい。該導電調製剤としては特に制限されるものではないものの、例えばシリカ系粒子が混合された水系溶剤あるいは有機系溶剤を挙げることができ、その際のシリカ系粒子の粒径としては通常1nm〜200μmの大きさの粒子が用いられ、3nm〜100μmの大きさの粒径が好ましい。
本発明の繊維に用いられる繊維形成能を有するポリマとしては、例えば、ポリエステル系ポリマ、ポリアミド系ポリマ、ポリイミド系ポリマ、ポリオレフィン系ポリマやその他ビニル基の付加重合により合成される例えばポリアクリロニトリル系ポリマなどのビニル系ポリマ、フッ素系ポリマ、セルロース系ポリマ、シリコーン系ポリマ、芳香族あるいは脂肪族ケトン系ポリマ、天然ゴムや合成ゴムなどのエラストマー、その他多種多様なエンジニアリングプラスチックなどを挙げることができる。
繊維形成能を有するポリマとしてより具体的には、例えば、ビニル基を有したモノマーが、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などの付加重合反応によりポリマが生成する機構により合成されるポリオレフィン系ポリマやその他のビニル系ポリマとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリシアン化ビニリデン、などが挙げられるが、これらは例えばポリエチレンのみ、あるいはポリプロピレンのみのように単独重合によるポリマであっても良いし、あるいは複数のモノマー共存下に重合反応を行うことで形成される共重合ポリマであっても良く、例えばスチレンとメチルメタクリレート存在下での重合を行うとポリ(スチレン−メタクリレート)という共重合したポリマが生成するが、発明の主旨を損ねない範囲において、このような共重合体であるポリマであっても良い。
また繊維形成能を有するポリマとしては、例えば、カルボン酸あるいはカルボン酸クロリドと、アミンの反応により形成されるポリアミド系ポリマを挙げることができ、具体的にはナイロン6、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン6,9、ナイロン6,12、ナイロン5,7およびナイロン5,6などが挙げられるほか、本発明の主旨を損ねない範囲で他の芳香族、脂肪族、脂環族ジカルボン酸と芳香族、脂肪族、脂環族ジアミン成分が、あるいは芳香族、脂肪族、脂環族などの1つの化合物がカルボン酸とアミノ基を両方有したアミノカルボン酸化合物が単独で用いられていてもよく、あるいは第3、第4の共重合成分が共重合されているポリアミド系ポリマであっても良い。
また繊維形成能を有するポリマとしては、例えば、カルボン酸とアルコールのエステル化反応により形成されるポリエステル系ポリマを挙げることができる。具体的には、本発明で用いられるポリエステル系ポリマとしては、例えばジカルボン酸化合物とジオール化合物のエステル結合から形成される重合体を挙げることができ、これらにかかるポリマとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート(ポリトリメチレンテレフタレートとも言う)、ポリブチレンテレフタレート(ポリテトラメチレンテレフタレートとも言う)、ポリエチレンナフタレートおよびポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、あるいは芳香族ヒドロキシカルボン酸を主成分とする溶融液晶性を有する液晶ポリエステルなどが挙げられる。
そして、特に制限されるものではないものの、ジカルボン酸化合物とジオール化合物のエステル結合から形成されるポリエステル系ポリマには、本発明の主旨を損ねない範囲で他の成分が共重合されていても良く、例えばジカルボン酸化合物を共重合せしめることができる。該ジカルボン酸化合物として例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、5ーナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、といった芳香族、脂肪族、脂環族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシ、アリル、アリール、アミノ、イミノ、ハロゲン化物などの誘導体、付加体、構造異性体および光学異性体を挙げることができ、これらジカルボン酸化合物のうち1種を単独で用いても良いし、または発明の主旨を損ねない範囲で2種以上を組み合わせて用いても良い。
またポリエステル系ポリマの共重合成分としては、ジオール化合物を共重合せしめることができ、該ジオール化合物として例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシビフェニル、ナフタレンジオール、アントラセンジオール、フェナントレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビスフェノールS、といった芳香族、脂肪族、脂環族ジオール化合物およびそれらのアルキル、アルコキシ、アリル、アリール、アミノ、イミノ、ハロゲン化物などの誘導体、付加体、構造異性体および光学異性体を挙げることができ、これらジオール化合物のうち1種を単独で用いても良いし、または発明の主旨を損ねない範囲で2種以上を組み合わせて用いても良い。
またポリエステル系ポリマの共重合成分としては、1つの化合物に水酸基とカルボン酸を具有する化合物、すなわちヒドロキシカルボン酸を挙げることができ、該ヒドロキシカルボン酸としては、例えば乳酸、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシブチレートバリレート、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヒドロキシアントラセンカルボン酸、ヒドロキシフェナントレンカルボン酸、(ヒドロキシフェニル)ビニルカルボン酸といった芳香族、脂肪族、脂環族ジオール化合物およびそれらのアルキル、アルコキシ、アリル、アリール、アミノ、イミノ、ハロゲン化物などの誘導体、付加体、構造異性体および光学異性体を挙げることができ、これらヒドロキシカルボン酸のうち1種を単独で用いても良いし、または発明の主旨を損ねない範囲で2種以上を組み合わせて用いても良い。
またポリエステル系ポリマとしては、芳香族、脂肪族、脂環族などの1つの化合物がカルボン酸と水酸基を両方有したヒドロキシカルボン酸化合物を主たる繰り返し単位とする重合体であっても良く、これらヒドロキシカルボン酸からなる重合体としては、例えばポリ乳酸、ポリ(3−ヒドロキシプロピオネート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレートバリレート)、といったポリ(ヒドロキシカルボン酸)を挙げることができ、その他にも、これらポリ(ヒドロキシカルボン酸)には、本発明の主旨を損ねない範囲で芳香族、脂肪族、脂環族ジカルボン酸、あるいは芳香族、脂肪族、脂環族ジオール成分が用いられていてもよく、あるいは複数種のヒドロキシカルボン酸が共重合されていても良い。
その他に本発明の繊維で用いられる繊維形成能を有するポリマとしては、アルコールと炭酸誘導体のエステル交換反応により形成されるポリカーボネート系ポリマ、カルボン酸無水物とジアミンの環化重縮合により形成されるポリイミド系ポリマ、ジカルボン酸エステルとジアミンの反応により形成されるポリベンゾイミダゾール系ポリマや、そのほかにもポリスルホン系ポリマ、ポリエーテル系ポリマ、ポリフェニレンスルフィド系ポリマ、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマ、ポリエーテルケトンケトン系ポリマ、脂肪族ポリケトンなどのポリマの他、セルロース系ポリマや、キチン、キトサンおよびそれらの誘導体など、天然高分子由来のポリマなども挙げられる。
本発明の繊維は、その用途の1つとして後述する磁場応答性素子として機能する際に、特に機械中に組み込まれて高温中で用いられることもあり、高温での形状変化が小さい、すなわち耐熱性に優れることが好ましく、融点が150℃以上のポリエステル系ポリマおよび/またはポリアミド系ポリマおよび/またはポリオレフィン系ポリマおよび/またはポリアクリロニトリル系ポリマからなることが好ましく、融点が200℃以上のポリエステル系ポリマおよび/またはポリアミド系ポリマからなることが好ましい。ここで融点とは下記実施例のB.項記載の方法にて測定されるピーク温度を指す。融点が150℃以上のポリエステル系ポリマおよび/またはポリアミド系ポリマおよび/またはポリオレフィン系ポリマとしては特に制限されるものではないものの、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート(ポリトリメチレンテレフタレートとも言う)、ポリブチレンテレフタレート(ポリテトラメチレンテレフタレートとも言う)、ポリエチレンナフタレートおよびポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステルおよび/またはこれらの共重合ポリエステル、あるいはナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン6,9、ナイロン6,12、ナイロン5,7およびナイロン5,6などのポリアミドおよび/またはこれらの共重合ポリアミド、あるいはポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどを挙げることができ、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリマ、ナイロン6および/またはその共重合ポリマであることがより好ましい。特にポリエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリマは吸湿性が低く、後述する電子写真装置の中に組み込まれて使用される場合に、湿度変化などの環境変化に対して殆ど比抵抗値の変化が無く安定して所望の比抵抗値を維持することが可能であるため優れている。
そして本発明の繊維においては上記の中から選ばれるポリマを1種類を単独で用いても良く、また発明の主旨を損ねない範囲において複数種のポリマを併用しても良い。
本発明の繊維で好ましいとするポリマは、通常合成繊維に供する粘度のポリマを使用することができる。特に制限されるものではないものの、例えば、ポリエステル系ポリマは、ポリエチレンテレフタレートであれば、固有粘度(IV)が0.4〜1.5であることが好ましく、0.5〜1.3であることがより好ましい。また、ポリプロピレンテレフタレートであれば、IV0.7〜2.0であることが好ましく、0.8〜1.8であることがより好ましい。あるいは、ポリブチレンテレフタレートであれば、IV0.6〜1.5であることが好ましく、0.7〜1.4であることがより好ましい。またポリアミド系ポリマは、例えばナイロン6であれば極限粘度[η]が1.9〜3.0であることが好ましく、2.1〜2.8であることがより好ましい。
また本発明の繊維で用いられるポリマの溶融粘度は、特に制限されるものではなく、用いるポリマの溶融紡糸温度で、剪断速度が10sec−1の剪断粘度が10〜100,000ポイズのポリマが通常用いられ、好ましくは100〜50,000ポイズである。
本発明の繊維は、球状磁性材料を均一に含有せしめた単一成分からなる繊維であっても良いが、磁場に対する応答性および導電性が優れることと、繊維の加工にかかる工程通過性あるいは取り扱い性が優れることを両立せしめるためにそれぞれの効果を分担して担わせた繊維、すなわち20〜90重量%の球状磁性材料を含有する磁性層と、球状磁性材料の含有量が20重量%未満である保護層とからなる複合繊維であることが好ましい。複合繊維中の磁性層は高濃度で球状磁性材料を含有することから主として繊維自身が有する磁場に対する応答性あるいは導電性を担う成分であり、保護層は球状磁性材料を含有しないあるいは少量含有して、本発明の繊維を用いて加工する際の工程通過性を良好せしめるあるいは繊維を取り扱う場合に不都合のない程度の繊維物性を担う成分である。そして得られる繊維の磁場応答性が非常に優れるあるいは高い導電性を有するという点で、本発明の繊維の磁性層は、30〜85重量%の球状磁性材料を含有することが好ましく、40〜80重量%の球状磁性材料を含有することが特に好ましく、また保護層は、上記工程通過性および本発明の繊維自身の破断強度あるいは破断伸度などの物性がより優れるという点で球状磁性材料の含有量が10重量%以下であることが好ましく、球状磁性材料を含有しないことが特に好ましい。
また本発明の繊維で好ましいとする複合繊維の複合形態について例示すると、磁性層と保護層を張り合わせるバイメタル型複合繊維、磁性層が一部繊維表層に露出していて芯を形成し保護層が磁性層の該露出部分を除いて磁性層を覆っている、あるいは保護層が一部繊維表層に露出していて芯を形成し、磁性層が保護層の該露出部分を除いて保護層を覆っている、半芯鞘型複合繊維、磁性層が芯で保護層が鞘として磁性層を完全に覆っているあるいは保護層が芯で磁性層が鞘として保護層を完全に覆っている芯鞘型複合繊維、磁性層が島をなし保護層が海として複数の島を完全に覆っているあるいは保護層が島をなし磁性層が海として複数の島を完全に覆っている海島型複合繊維や、あるいは磁性層を形成する成分と保護層を形成する成分を混練してなるブレンド複合繊維などが挙げられるが、得られた繊維の工程通過性および加工性がより優れるという点で、磁性層が芯で保護層が鞘として磁性層を完全に覆っている芯鞘型複合繊維か、あるいは磁性層が島をなし保護層が海として複数の島を完全に覆っている海島型複合繊維が好ましく、より製造が簡便であるという点で、磁性層が芯で保護層が鞘として磁性層を完全に覆っている芯鞘型複合繊維が特に好ましい。また芯鞘型複合繊維の構造は、鞘が芯を完全に包含している構造であれば特に制限されるものではなく、同心円状芯鞘型であっても偏心型芯鞘型であってもよいが同心円状芯鞘型が好ましい。さらに該芯鞘型複合繊維における複合比率は、磁場応答性および導電性がより優れるという点で、磁性層が5〜95体積%であることが好ましく、30〜90体積%であることがより好ましく、50〜85体積%であることが特に好ましい。
本発明の繊維は、特に制限されるものではないが、含有する球状磁性材料の比重が大きく、得られる繊維の比重も大きくなりやすいことから、例えば、後述する電気植毛用繊維として採用する場合など、使用方法あるいは用途に応じては適正な繊維比重と成す必要が生じる場合がある。そこで適正な繊維比重と成すために、本発明の主旨を損ねない範囲において、繊維の内部に繊維軸方向に連通した中空部、あるいは連通していない空隙を設けても良い。中空部あるいは空隙を設ける方法としては、例えば紡糸時にスリットの入った円のような中空を形成しうるような特殊な吐出孔形状の口金を用いて繊維に中空部を設けたり、水、熱水や有機溶剤に易溶性の成分を共に紡糸して該易溶性の成分を溶出せしめて中空部もしくは空隙を生成せしめたり、あるいは繊維を高倍率で延伸することで繊維を形成するポリマと球状磁性材料とを剥離させ空隙を生成せしめる方法などが挙げられる。特に該易溶性の成分は、水、熱水、その他の有機および/または無機化合物を溶解した水溶液、あるいは有機溶剤、あるいはこれらの中から選ばれる複数種からなる混合液体などを用いて溶出除去することが好ましく、水、熱水、その他の有機および/または無機化合物を溶解した水溶液で溶出することがより好ましい。
ここで該溶出成分として好ましいものは、例えば、易アルカリ溶解性ポリエステル、熱水可溶性ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、水溶性熱可塑性ポリビニルアルコールあるいはエチレン−ビニルアルコールコポリマー、多糖系化合物、などが挙げられ、本発明の主旨を損ねない範囲において適宜採用できる。そして溶融紡糸における取り扱いが簡便である点から、易アルカリ溶解性ポリエステルや熱水に容易に溶解する熱水可溶性ポリエステルが好ましい。
本発明の繊維は、使用時の環境によっては50℃以上の高温に曝される場合もあることから、耐熱性に優れるという点で、98℃沸騰水中で15分間保持した際の収縮率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることが特に好ましい。低いほど好ましく0%までのものが好適に用いられる。ここで該収縮率は、下記実施例E.項の方法にて測定したものを採用する。
本発明の繊維は、使用時の変形が小さいという点で、残留伸度が5〜30%以上であることが好ましく、5〜15%であることが特に好ましい。ここで該残留伸度は、下記実施例D.項の方法にて測定したものを採用する。
本発明の繊維は、磁場中で使用する際、瞬時の大きな応力に抵抗しうるという点で、初期引張弾性率が15cN/dtex以上であることが好ましく、20cN/dtex以上であることが特に好ましい。そして高いほど好ましく、1000cN/dtex以下のものが好適に用いられる。ここで該初期引張弾性率は、下記実施例D.項の方法にて測定したものを採用する。
本発明の繊維は、様々な用途で形状あるいは特性を安定して満足するために、破断強度が0.3cN/dtex以上であることが好ましく、0.5cN/dtex以上であることがより好ましく、1.0cN/dtex以上であることが更により好ましい。そして高いほど好ましく、25cN/dtex以下のものが好適に用いられる。ここで該破断強度は、下記実施例D.項の方法にて測定したものを採用する。
本発明の繊維は、含有せしめた球状磁性材料の含有量によって繊維自体の比抵抗値が制御され、用途あるいは目的によって該比抵抗値は適宜設定しうるものの、前述の残留伸度あるいは破断強度など安定した繊維物性を確保しうるあるいは後述するような用途、例えば電子写真装置に組み込む際に安定した導電特性を保持しうるという点で、本発明の繊維の比抵抗値は10〜10Ω・cmであることが好ましく、10〜10Ω・cmであることがより好ましい。ここで該比抵抗値は下記実施例G.項の方法にて測定したものを採用する。
以下、本発明の繊維の好ましい製造方法を例示する。
本発明の繊維は、溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸、あるいは乾湿式紡糸などの溶液紡糸など、種々の合成繊維の紡糸方法を採用して製造でき、例えば前述のポリアクリロニトリル系ポリマを用いる場合には溶液紡糸を採用できるものの、繊維中に高濃度で球状磁性材料を含有せしめることが容易かつ可能であり、また繊維形状を精密に制御可能であることから溶融紡糸により好適に製造される。そして球状磁性材料を含有する成分を単独で溶融紡糸するか、あるいは前述の好ましいとする形態の複合繊維においては高濃度で球状磁性材料を含有する磁性層と球状磁性材料を含有しないもしくは少量含有する保護層とをそれぞれ別々に溶融し、口金孔から吐出される以前の段階で磁性層が芯/保護層が鞘を形成する芯鞘複合型の溶融紡糸あるいは磁性層が島/保護層が海を形成する海島複合型の溶融紡糸を行い、口金孔から繊維が吐出される。
そして吐出された繊維はガラス転移温度(Tg)以下に冷却され、処理しないかもしくは処理剤を付着せしめた後、100〜10000m/分の引取速度で、好ましくは4000m/分以下、より好ましくは3000m/分以下、更により好ましくは2500m/分以下、特に好ましくは2000m/分以下の引取速度で引き取る。また生産性を考慮すると50m/分以上の引取速度で引き取る。ここで口金孔から吐出される繊維一束の本数(糸条の繊維本数)は目的とする使用方法あるいは用途に応じて適宜選択すればよく、1本のモノフィラメントの状態であっても、3000本以下の複数糸条からなるマルチフィラメントでも良いものの、諸物性の安定した繊維が得られるという点で、4〜500本が好ましく、6〜150本が特に好ましい。また付着せしめる処理剤は繊維の用途に応じて適宜用いることができ、含水系あるいは非含水系の処理剤がここに採用されうるものの、本発明における球状磁性材料が劣化することを防止するために非含水系の処理剤であることが好ましい。
引き取った後、巻き取ることなくもしくは一旦巻き取った後、繊維を構成するポリマのガラス転移温度(Tg)+100℃以下の温度に加熱して、より好ましくはガラス転移温度Tg−20℃〜Tg+80℃の温度範囲に加熱して、延伸糸の残留伸度が5〜30%となる倍率で、好ましくは延伸糸の残留伸度が5〜15%となる倍率で延伸する。ここで紡糸した繊維においては、磁性層を構成するポリマのガラス転移温度(Tga)+100℃以下の温度に加熱して、より好ましくは磁性層を構成するポリマのガラス転移温度Tga−20℃〜Tga+80℃の温度範囲に加熱して延伸を施すことが好ましい。また、一旦延伸したのち(すなわち1段目の延伸を終えた後)、さらに1倍以上2倍以下の倍率で、2段目の延伸を施してもよい。
延伸したのち、繊維はTg+10℃以上融点(Tm)以下の温度で熱処理することが好ましく、Tg+50℃以上Tm−10℃以下の温度で熱処理することが特に好ましい。延伸後に高温で熱処理を施すことで、より耐熱性に優れた繊維となすことができるのである。ここで紡糸した繊維においては、磁性層を構成するポリマのガラス転移温度Tga+10℃以上保護層を構成するポリマの融点(Tmb)以下の温度で熱処理することが好ましく、磁性層を構成するポリマの融点(Tma)以上Tmb以下の温度で熱処理することが特に好ましい。
上記延伸方法あるいは延伸後の熱処理方法としては特に制限されるものではなく、加熱されたピン状物、ローラ状物、プレート状物などの接触式ヒーターや加熱した液体を用いた接触式バス、あるいは加熱気体、加熱蒸気、電磁波などを用いた非接触式加熱媒体などを採用することが可能であるものの、加熱されたピン状物、ローラ状物、プレート状物などの接触式ヒーターや加熱した液体を用いた接触式バスなどは装置が簡便で加熱効率が高いことから好ましく、加熱されたローラ状物が特に好ましい。
本発明の繊維は、織物あるいは編物、さらには様々な衣料用途に用いる場合には仮撚り加工を施しても良い。仮撚り加工において繊維は、延伸糸あるいは未延伸糸を加熱することなくもしくは加熱されたピン状物、ローラー状物、プレート状物、あるいは非接触型のヒーターなどにより加熱した後、ディスク状物あるいはベルト状物によって仮撚り加工される。延伸仮撚り加工された繊維は、そのままもしくは特に制限されるものではないものの熱セットされた後に巻き取られることが好ましい。
本発明の繊維の単繊維直径に関しては特に制限されるものではないが、球状磁性材料を高濃度で含有せしめかつ様々な用途に採用が可能であるという点で単繊維直径は1000μm以下であることが好ましく、0.1〜100μmであることがより好ましく、0.5〜50μmであることがさらに好ましく、後述するブラシローラーに用いる場合で帯電装置に組み込む場合には帯電性能が優れるという点で0.5〜10μmであることが特に好ましい。また繊維の断面形状についても特に制限されるものではなく、丸形であれば均一な繊維物性を有するため好ましく、また繊維を前述の磁場応答性素子に組み込んで使用する際、あるいはブラシローラーに短繊維あるいは織物あるいは編物あるいは不織布の形状で組み込み、使用する用途あるいは目的に応じて、例えば繊維の曲がる方向に異方性を持たせる、あるいは後述する電子写真装置においてはトナーとの良好な接触性を得るといった場合には、偏平型、多角形、多葉型、中空型、あるいは不定形型などが好ましい。
本発明の繊維は、発明の主旨を損ねない範囲で艶消剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、末端基封止剤等の添加剤を少量保持しても良い。またこれら添加剤は、本発明の繊維を複合繊維となす場合には磁性層および/または保護層のいずれに保持されていても良い。さらに本発明において、本発明の主旨及び他の必要とされる繊維物性を損ねない範囲において、他の磁性材料あるいは導電性材料を含有してもよい。ここで他の導電性材料としては比抵抗値が10000Ω・cm以下1nΩ・cm以上の導電性カーボンブラックや金属等を採用できる。
本発明の繊維は、用いられうる用途にあるいは形状に即して、少なくとも一部にあるいは全部に用いられた織物となす事ができる。ここで例えば1重織物としてはブロード、ボイル、ローン、ギンガム、トロピカル、タフタ、シャンタン、デシンなどの平織、デニム、サージ、ギャバジンなどの綾織、サテン、ドスキンなどの朱子織、バスケット、パナマ、マット、ホップサック、オックスフォードなどのななこ織、グログラン、オットマン、ヘアコードなどの畝織、フランス綾、ヘリンボーン、ブロークンツイルなどの急斜文、緩斜文、山形斜文、破れ斜文、飛び斜文、曲り斜文、飾斜文や、不規則朱子、重ね朱子、拡げ朱子、昼夜朱子や、蜂巣織、ハック織、梨地織、ナイアガラなどが挙げられ、また2枚の織物を合わせて1枚の織物となした2重織物としては、ピケ、フクレ織などの経2重織、ベッドフォードコードなどの緯2重織、風通織、袋織などの経緯2重織などが挙げられ、またパイル織物としては別珍やコールテンなどの緯パイル織や、タオル、ビロード、ベルベットなどの経パイル織などが挙げられ、その他に紗織や絽織などのからみ織物、ドビー織やジャガード織などの紋織物などを挙げることができ、特に後述のブラシローラー用織物あるいは磁場応答性素子の組み込み用途に用いられるものとしてはパイル織物が好ましい。そして該織物を作成するために用いられる本発明の繊維は、生糸、撚糸、加工糸などまた、長繊維(フィラメント)、あるいは短繊維(ステープル)など、繊維の形態については特に制限はない。
また本発明の繊維は、用いられうる用途にあるいは形状に即して、少なくとも一部にあるいは全部に用いられた編物となす事ができる。ここで編物とは天竺やシングルなどの平編、ゴム編やフライスなどのリブ編、リンクスなどのパール編の他、鹿の子、梨地、アコーディオン編、スモールパターン、レース編、裏毛編、片畦編、両畦編、リップル、ミラノリブ、ダブルピケ、等の緯編、あるいはトリコット、ラッセル、ミラニーズなどの経編などを挙げることができ、特に後述のブラシローラー用編物あるいは磁場応答性素子の組み込み用途に用いられるものとしては、裏毛編やあるいはパイル状繊維を編物表面に突出させるための起毛処理を施した編物が好ましい。そして該編物を作成するために用いられる本発明の繊維は生糸、撚糸、加工糸など、また長繊維(フィラメント)、あるいは短繊維(ステープル)など、繊維の形態については特に制限はない。
また本発明の繊維は、用いられうる用途にあるいは形状に即して、少なくとも一部にあるいは全部に用いられた不織布となす事ができる。ここで不織布とはケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、ウォータージェットパンチ(スパンレース)法、スティッチボンド法、フェルト法などの接合あるいは接着方法により形成されたものを挙げることができ、不織布を作成するために用いられる本発明の繊維は生糸、撚糸、加工糸など、また長繊維(フィラメント)、あるいは短繊維(ステープル)など繊維の形態等については特に制限はない。
本発明の繊維が少なくとも一部に用いられてなる前述の織物あるいは編物は、常法の精練、染色、熱セット等の加工を受けてもよく、あるいは前述の不織布であれば、艶付けプレス、エンボスプレス、コンパクト加工、柔軟加工、ヒートセッティングなどの物理的処理加工や、ボンディング加工、ラミネート加工、コーティング加工、防汚加工、撥水加工、帯電防止加工、防炎加工、防虫加工、衛生加工、泡樹脂加工などの化学的処理加工や、その他にマイクロ波応用や、超音波応用、遠赤外線応用、紫外線応用、低温プラズマ応用などの応用処理がなされていても良い。
また本発明の繊維が少なくとも一部に用いられてなる前述の織物、編物、あるいは不織布とは、本発明の繊維と本発明とは異なる合成繊維、半合成繊維、天然繊維など、例えばセルロース繊維、ウール、絹、ストレッチ繊維、アセテート繊維から選ばれた少なくとも1種類の繊維を用いたものであっても良い。具体的に例を挙げると、セルロース繊維としては、綿、麻等の天然繊維、あるいは本発明の球状磁性材料が含有されていない銅アンモニアレーヨン、レーヨン、ポリノジック等が挙げられ、これらセルロース繊維と混用する本発明の繊維の含有率については特に制限はないが、セルロース繊維の風合い、吸湿性、吸水性、制電性などを生かし、かつ本発明の繊維に求められる導電性あるいは用途に応じては磁場応答性を生かすために、0.1〜50%が好ましい。また該混用に用いられるウール、絹は既存のものがそのまま使用でき、これらウール、あるいは絹と混用する本発明の繊維の含有率については、ウールの風合い、暖かみ、かさ高さ、また、絹の風合い、きしみ音を生かし、かつ本発明の繊維の導電性あるいは用途に応じて磁場応答性を生かすために、0.1〜50%が好ましい。また混用に用いられるストレッチ繊維は、特に限定されるものではなく、乾式紡糸または溶融紡糸されたポリウレタン繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維やポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート繊維に代表されるポリエステル系弾性糸等が挙げられ、ストレッチ繊維を用いる混用布帛において、本発明の繊維の含有率は0.1〜50%程度が好ましい。また混用に用いられるアセテート繊維は特に制限されるものではなく、ジアセテート繊維でもトリアセテート繊維でもよく、これらアセテート繊維と混用する本発明の繊維の含有率については、アセテート繊維の風合い、鮮明性、光沢を生かし、かつ本発明の繊維の導電性はあるいは用途に応じては磁場応答性を生かすために、0.1〜50%が好ましい。
これら各種の混用した織物、編物、あるいは不織布について、本発明の繊維の形態、混用方法については特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、混用方法としては経糸または緯糸に用いる交織織物、リバーシブル織物等の織物、トリコット、ラッセル等の編物などが挙げられ、その他交撚、合糸、交絡を施してもよい。
本発明の繊維を少なくとも一部にあるいは全部に用いた織物、編物あるいは不織布は、前述の混用したものも含め、染色されていてもよく、例えば製編、製織後あるいは不織布の場合はウェブを形成し前述の接合あるいは接着方法により形成されたあと、常法により精練、プレセット、染色、ファイナルセットの過程をとることが好ましい。また、本発明の繊維がポリエステル系ポリマで形成されている場合は必要に応じて、精練後、染色前に常法によりアルカリ減量処理されていても良い。なお精練は40〜98℃の温度範囲で行うことが好ましい。特にストレッチ繊維との混用の場合には、布帛をリラックスさせながら精練することが弾性を向上させるのでより好ましい。染色前後の熱セットは一方あるいは両方共省略することも可能であるが、織物、編物あるいは不織布の形態安定性、染色性を向上させるためには両方行うことが好ましい。熱セットの温度としては、120〜190℃、好ましくは140〜180℃であり、熱セット時間としては10秒〜5分、好ましくは、20秒〜3分である。
本発明の繊維は磁場応答性あるいは導電性に優れることから繊維そのものとしても非常に有用で、繊維をそのまま使用することができるが、繊維の一形態として前述の通り0.05〜150mmの長さの短繊維として用いられる。該短繊維はフィラメントを1つの糸条単独であるいは複数の糸条を束ねたトウになして切断されてなるものであり、特に0.1〜10mmの長さの短繊維としたものは、例えば電気植毛加工や吹きつけ加工などの多種多様な方法によって、基盤に接着して植設されてなる植毛体とすることができる。電気植毛加工により植設された繊維は、その50%以上が基盤に対し10度から垂直(すなわち90度)の概ね直立状態に接着される。ここで、発明の主旨を損ねない範囲で、該植毛体となす場合に用いる短繊維には、本発明の繊維からなる短繊維以外に、本発明の繊維ではない他の繊維からなる短繊維を混用して植設しても良い。また該植毛体は、基盤に短繊維を接着して植設してなるものであるが、接着する場合には例えばアクリル系、ウレタン系、またはエステル系の接着剤を用いて接着されることが好ましい。ここで接着剤の層の厚さは1〜500μmであることが好ましく、単層あるいは必要に応じて、複数種の接着剤を混合してもしくは複数層に分けて用いても良い。また植設される基盤としては特に制限されるものではなく、前記植毛体を組み込む装置や用いる接着剤、磁場の強さに応じて適宜採用すればよいが、合成樹脂、天然樹脂、合成繊維、天然繊維、木材、鉱物あるいは金属からなるフィルム、シート、紙、板、布帛などが好適に採用でき、あるいは各種用途の部材そのものである金属加工体、合成もしくは天然樹脂加工体もしくは成形体の基盤に直接植毛しても良い。ここで特に前記接着剤との親和性を高めるために、親水化処理してなる合成もしくは天然樹脂あるいは金属からなるシートが好ましい。そして該基盤が前記フィルム、シート、紙、板、布帛など表裏を形成している素材であれば用途あるいは目的に応じてその表面および裏面の両面に植設することができる。
該植毛体は、その使用方法あるいは用途として、例えば導電性を有するため静電性のブラシ基材として用いることができるほか、用いた繊維の磁場応答性を利用して磁場中で植毛体の特性が変化する磁場応答性素子として利用することができる。すなわち磁場の印加により本発明の磁場応答性に優れた繊維が応答し、植設した短繊維は剛直化するのである。
本発明の繊維を少なくとも一部に用いてなる前述の織物、編物あるいは不織布は、基盤に接着してなる布帛複合体とすることができる。この場合、織物であればパイル織りあるいは処理により織物表面に起毛や糸端があるもの、また編物であればパイル状の繊維起毛があるものもしくは起毛処理してパイルあるいは糸端が編物表面にあるものが後述するブラシ基材あるいは磁場応答性素子においてより機能が高められる場合があり好ましい。接着する場合には例えばアクリル系、ウレタン系、またはエステル系の接着剤を用いて接着されることが好ましい。ここで接着剤の層の厚さは1〜500μmであることが好ましく、単層あるいは必要に応じて、複数種の接着剤を混合してもしくは複数層に分けて用いても良い。また接着される基盤としては特に制限されるものではなく、該布帛複合体を組み込む装置や用いる接着剤、磁場の強さに応じて適宜採用すればよいが、合成樹脂、天然樹脂、合成繊維、天然繊維、木材、鉱物あるいは金属からなるフィルム、シート、紙、板、布帛などが好適に採用でき、あるいは各種用途の部材そのものである金属加工体、合成もしくは天然樹脂加工体もしくは成形体の基盤に直接接着しても良い。ここで特に前記接着剤との親和性を高めるために、親水化処理してなる合成もしくは天然樹脂あるいは金属からなるシートが好ましい。そして該基盤が前記フィルム、シート、紙、板、布帛など表裏を形成している素材であれば用途あるいは目的に応じてその表面および裏面の両面に前述の織物、編物あるいは不織布を接着して布帛複合体となすことができる。
該布帛複合体は、その使用方法あるいは用途として、例えば導電性を有するため静電性のブラシ基材として用いることができるほか、用いた繊維の磁場応答性を利用して磁場中で布帛複合体の特性が変化する磁場応答性素子として利用することができる。すなわち磁場の印加により該布帛複合体に用いた本発明の磁場応答性に優れた繊維が応答し、接着した布帛複合体は剛直化するのである。
本発明の植毛体あるいは布帛複合体は前述の通り磁場中では磁場応答性素子として機能し様々な用途に採用でき、例えば磁場印加により繊維が磁界の方向に並び且つ剛直化することから、一定周期の磁場印加により繊維に運動を付与することが可能、すなわち磁場応答性素子をアクチュエーターとして用いることができる。このアクチュエーターとしては具体的に、磁場応答性素子を動力機構とする運動体であってもよく、あるいは磁場応答性素子上に物が積載された場合に積載された場所の繊維が磁場印加で並び剛直化することで物を移動することができる一種のコンベアーであってもよく、磁場印加で繊維が反応し並び、剛直化し、その後磁場が解放された場合に繊維が非剛直化(軟化)するという磁場応答性素子の一連の磁場に対する応答を運動と見立てて利用された物がアクチュエーターである。
また本発明の植毛体あるいは布帛複合体、すなわち該磁場応答性素子は磁場印加により繊維が磁界の方向に並び且つ剛直化することから、研磨用基材としても用いることができる。
さらに該磁場応答性素子は、流量可変装置に組み込む部材として用いることができる。具体的には植毛体および空間を設けて対峙する1対の磁極からなる流量可変装置であって、磁場応答性素子である植毛体が少なくとも1方の磁極に接していることを特徴とする流量可変装置、あるいは布帛複合体および空間を設けて対峙する1対の磁極からなる流量可変装置であって、磁場応答性素子である布帛複合体が少なくとも1方の磁極に接して居ることを特徴とする流量可変装置である。磁場応答性素子は流量可変装置の空間が液体、気体、あるいは超臨界流体などの流体で満たされた機械部材内で、磁場が印可された時に球状磁性材料が含有された本発明の繊維が剛直化し、これら流体の流量を制御する。これら流体の中で好ましい流体は液体であり、中でも鉱物油などの機械油などを用いた流体が特に好ましく、本発明の繊維は磁場印加された場合、あたかもMR流体のように流体の流量を可変制御しうる。そしてより流量可変性に優れるという点で、磁場応答性素子は2つ用意され、両方の磁極に1つずつ接していることが好ましい。
該流量可変装置は、さらに機械装置の一部として組み込むことが可能であり、特に振動減衰装置の一部として好適に用いることができる。振動減衰装置とは、装置にかかる振動をうち消すために、逆位相の振動周期あるいは振動周期が重なることの無いように違った振動周期となし得る装置であり、例えば免震装置や、車輪を有する乗り物、例えば自動車や飛行機などのサスペンジョンなどが振動減衰装置に相当し、本発明の振動減衰装置は好適に用いられる。。
本発明の繊維は、少なくとも一部あるいは全部に用いることにより衣料となすことができる。衣料となした場合に例えば導電性に優れることで冬季あるいは乾燥時の静電気発生を抑制することができるなど、より快適な着心地となるし、あるいは埃を寄せ付けにくいことから手術衣あるいは半導体製造時の作業衣など防塵衣料を形成しうる。その際には、本発明の繊維を数本ごとにタテ糸および/またはヨコ糸として用いることが好ましい。また副次的な効果として球状磁性材料が含有されていることで繊維の熱伝導性が向上し、着衣時に瞬時に熱を奪う接触冷感素材やあるいは冬季に寒い外部から暖かい室内に入った時すぐに体が温まる温感素材などとして利用できる。
本発明の前記織物および/または編物および/または不織布は、少なくとも一部に用いるかあるいは全部に用いることにより棒状物体に接着して、ブラシローラーを形成できる。ここで用いられる織物および/または編物および/または不織布は、棒状物体に接着する際に、棒状物体の機能的に必要とされる長さ(すなわち巻き幅)分だけカットしたものを一周で巻き付け接着しても良く、あるいは棒状物体の長さの数分の一〜数十分の一の長さの幅にスリット状にカットしたものを棒状物体にスパイラル状に巻き付けて接着しても良い。ここで用いられる接着剤は、用いられる用途あるいは目的に応じて適宜採用すれば良く、アクリル系、エステル系あるいはウレタン系など種々のものを採用でき、また必要に応じて導電性カーボンブラックや金属などの導電性制御剤あるいは鉄、ニッケル、コバルト、モリブデンなどの金属あるいはこれら金属の酸化物あるいはこれらの混合物などの磁性制御剤などが添加されていても良い。ここで接着剤の層の厚さは1〜500μmであることが好ましく、単層あるいは必要に応じて、複数種の接着剤を混合してもしくは複数層に分けて用いても良い。さらに前記織物および/または編物および/または不織布は接着される以前の段階で接着面に10〜1010Ω・cmの比抵抗を有する導電処理剤もしくは導電性シートあるいは導電性膜などの素材を張り合わせてもよい。
本発明の前記短繊維は、少なくとも一部に用いるかあるいは全部に用いることにより棒状物体に接着して植設されてブラシローラーを形成できる。ここで用いられる短繊維は、棒状物体に接着して植設される際に、気体により短繊維を吹き付けても良くあるいは電気植毛加工を行っても良いが、棒状物体の表面に概ね直立したものが効率よく得られることから電気植毛加工により得られることが好ましい。このとき短繊維は、その50%以上が棒状物体の表面において10度から垂直(すなわち90度)の概ね直立状態に接着される。ここで、発明の主旨を損ねない範囲で、用いる短繊維には本発明の繊維からなる短繊維以外に、本発明の繊維ではない他の繊維からなる短繊維を混用して植設しても良い。また接着して植設する際の接着剤は特に制限されるものではなく、例えばアクリル系、ウレタン系、またはエステル系の接着剤が用途あるいは目的に応じて種々選択されて用いられ、ここで接着剤の層の厚さは1〜500μmであることが好ましく、単層あるいは必要に応じて、複数種の接着剤を混合してもしくは複数層に分けて用いても良い。また本発明の短繊維を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着して植設してなる前記ブラシローラーのブラシローラー自体の比抵抗値は10〜1011Ω・cmであることが好ましい。
前述の棒状物体の芯となる主たる材質は、用いられる用途あるいは目的に応じて適切なものを採用すれば良く、金属、合成樹脂、天然樹脂、木材、鉱物などから単独で、もしくは複数種を組み合わせて選ばれるが、後述する電子写真装置に組み込む部材として用いる場合には、主として金属からなることが好ましい。さらに該棒状物体が金属である場合には、該金属の少なくとも一部もしくは必要とする部分の全面を中間層が覆い、その上に前記織物および/または編物および/または不織布が接着されるか、あるいは短繊維が接着して植設されることが好ましい。この中間層として用いられる素材は主としてクッション性を棒状物体に付与する、あるいはブラシ状の繊維の弾性・剛性のみでは達成し得ない場合に補助的に弾性・剛性を担うものであり、後述される例えば清掃装置におけるトナー除去性能、あるいは現像装置におけるトナー付与性能を格段に向上せしめる。そして特に制限されるものではないものの、該中間層には例えばウレタン系素材、エラストマー素材、ゴム素材あるいはエチレン−ビニルアルコール系素材などが好適に用いられる。そして該中間層の厚みは0.05〜10mmであることが好ましく、更に必要に応じて前述の導電性制御剤あるいは磁性制御剤が添加されていても良い。
本発明の前記織物および/または編物および/または不織布を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着してなるブラシローラー、あるいは前記短繊維を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着して植設されてなるブラシローラーは、用いている本発明の繊維自体の磁場応答性あるいは導電性に由来して、清掃装置に好適に組み込まれて用いられる。ここで該清掃装置に組み込まれるブラシローラー自体の比抵抗値は、10〜10Ω・cmであることが好ましく、10〜10Ω・cmであることがより好ましい。清掃装置の中で該ブラシローラーは回転しながら、必要であれば電気を印可あるいは磁場を印可されながら、不要物を捕捉して除去するのであるが、この除去性能が格段に優れるのである。特に制限されるものではないものの、後述の電子写真装置においては、該清掃装置が感光体から不要物のトナーを除去するのであるが、トナーを電気的あるいは磁気的に除去する際に電子写真装置内の環境変化、特に湿度変化などがある場合にもブラシローラーは球状磁性材料を含有した繊維を用いていることから、ブラシローラーの導電性能あるいは非常に低い保磁力は安定しており、結果的に常に安定した感光体からのトナー除去性能を有しており、非常に優れた清掃装置となる。また該ブラシローラーの清掃装置内での用いられ方としては前述の通り感光体にブラシローラーが直接接触して清掃する以外に、感光体を清掃する部材(前記の通りブラシローラーの場合もあれば、あるいは従来技術であればブレード状の部材)を清掃するためのブラシローラーとして、すなわち清掃装置自体を清掃するもの、もしくは回収した不要トナーを別の場所に移送するためのブラシローラーとしても用いられる。この場合は結果的により高性能な清掃装置となる。また本発明の清掃装置には前記本発明のブラシローラーを目的効果に応じて1本用いてもあるいは2本以上の複数本用いても良い。
本発明の前記織物および/または編物および/または不織布を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着してなるブラシローラー、あるいは前記短繊維を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着して植設されてなるブラシローラーは、用いている本発明の繊維自体の導電性に由来して、後述する電子写真装置に用いられうる帯電装置に好適に組み込まれて用いられる。該帯電装置に組み込まれるブラシローラーの比抵抗値は、10〜1010Ω・cmであることが好ましく、10〜10Ω・cmであることがより好ましい。該ブラシローラーを用いてなる帯電装置は、ブラシローラー自体の導電性(比抵抗値)を制御することで用いられ、その際感光体を均一に帯電できることはもとより電子写真装置内の前述環境変化、例えば電子写真装置の稼働中徐々にあるいは季節変化による湿度変化に対してブラシローラーに用いている本発明の球状磁性材料を添加した繊維の比抵抗値は変化しないもしくは非常に変化が小さいため、感光体の帯電斑が起こりにくく、非常に優れた帯電装置となる。加えて該電子写真装置の感光体表面に、清掃が不十分なために残存したトナーがあった場合にも該ブラシローラーは清掃ローラーを兼ねることができるため、現像あるいは印刷時の汚染が無いもしくは殆ど無いため優れており、さらには電子写真装置を小型化する場合には前記清掃装置および帯電装置を個別に設置することなく清掃装置兼帯電装置として省スペース化が図れるため、その点でも優れている。また本発明の帯電装置中には、目的に応じて前記ブラシローラーを1本あるいは2本以上の複数本用いても良い。
本発明の前記織物および/または編物および/または不織布を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着してなるブラシローラー、あるいは前記短繊維を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着して植設されてなるブラシローラーは、用いている本発明の繊維自体の磁場応答性あるいは導電性に由来して、現像装置に好適に組み込まれて用いられる。現像装置は後述の電子写真装置においては、前記帯電装置により一様に帯電された感光体表面にレーザーによって描かれた潜像を顕像化するものであるが、前述のような電子写真装置内の湿度変化の際のブラシローラー自体の比抵抗値斑あるいは磁場応答性斑が無いあるいは殆ど無いことから、顕像化するためのトナーが均一に感光体に供給され顕像化し、得られた現像物あるいは印刷物は汚染あるいは印刷斑の無いもしくは殆ど無い非常に美しいものとなるため優れている。特に該トナーが磁性トナーあるいは金属キャリアーを含むキャリアー含有トナーの場合には、本発明の現像装置は非常に好適に用いられる。
本発明の前記織物および/または編物および/または不織布を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着してなるブラシローラーあるいは前記短繊維を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着して植設されてなるブラシローラーは、用いている本発明の繊維自体の導電性に由来して、後述する電子写真装置に用いられうる除電装置に好適に組み込まれて用いられる。該除電装置はブラシローラーの導電性(比抵抗値)を小さくすることで非常に優れた除電性能を発現しうるため、用いるブラシローラーの比抵抗値は10〜10Ω・cmであることが好ましい。特に後述する電子写真装置に用いる際には、ブラシローラー表面の無数の繊維が安定かつ均一な除電効果を発現し、通常、除電装置のあとに配設される前記清掃装置での清掃効果をより高めることが可能であるほか、該電子写真装置を小型化する場合には該ブラシローラーを用いることで除電装置兼清掃装置として組み込むことができ非常に優れている。
本発明の前記清掃装置および/または帯電装置および/または現像装置および/または除電装置を用いてなる電子写真装置、具体的にはレーザービームモノクロプリンター、レーザービームカラープリンター、モノクロ複写機、カラー複写機、モノクロまたはカラーファクシミリあるいは多機能型複合機、ワードプロセッサーなどを挙げることができるが、帯電した感光体にレーザーで潜像を描きトナーを用いて顕像化するメカニズムにより現像あるいは印刷を行う装置は、前述の通り本発明の繊維を用いていることから、電子写真装置内の環境変化、特に湿度変化によらず安定した清掃・帯電・現像・除電性能を有し、得られた印刷あるいは現像物はモノクロの場合はもとより、複数種のトナーをかつ多量に用いるカラーの場合は特に非常に美しいものとなる。また前記ブラシローラーの繊維長あるいは含有する球状磁性材料の含有量などを最適化することで、より安定した清掃・帯電・現像・除電性能を有するため、電子写真装置の駆動速度をより高める、すなわち単位時間あたりの印刷あるいは現像速度(枚数)を高めることが可能となる。また本発明の繊維を用いてなる本発明の電子写真装置は、前述の通り、更なる小型化、省スペース化、省電力化を図ることができ、非常に好ましい。
以下実施例により、本発明を具体的かつより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに制限されるものではない。なお実施例中の物性値は以下の方法によって測定した。
A.溶融粘度の測定
(株)東洋精機社製キャピログラフ1Bを用い、窒素雰囲気下、バレル径9.55mm、ノズル長10mm,ノズル内径1mmで、剪断速度10sec−1で測定した。そして5回測定した値の平均値を溶融粘度の測定値とした。なお測定時間については、試料の劣化を防ぐため5回の測定を30分以内で完了した。
B.ガラス転移点(Tg)および融点(Tm)の測定
パーキンエルマー社製示差走査熱量分析装置(DSC−2)を用いて試料10mgで、昇温速度16℃/分で測定した。Tm、Tgの定義は、一旦昇温速度16℃/分で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、約(Tm+20)℃の温度で5分間保持した後、室温まで急冷し、(急冷時間および室温保持時間を合わせて5分間保持)、再度16℃/分の昇温条件で測定した際に、段状の基線のずれとして観測される吸熱ピーク温度をTgとし、結晶の融解温度として観測される吸熱ピーク温度をTmとした。
C.球状磁性材料の平均粒径、形状の確認
(株)ニコン社製、走査型電子顕微鏡ESEM−2700を用いて、加速電圧5kVで、試料を白金−パラジウム蒸着(蒸着膜圧:25〜50オングストローム)処理を行った後、倍率200〜100000倍の任意の倍率で確認した。平均粒径および形状については、観察写真をデジタル撮影し、コンピュータソフトウェアの三谷商事社製WinROOF(バージョン2.3)において粒子の平均面積値を算出し、更に該平均面積値から略円形と判断して球状磁性材料の平均粒径を算出し、また写真中の50個の球状磁性材料粒子において、1つの粒子の最大直径(R)と最小直径(r)を目視判断して計測し、その比(R/r)から円形度を算出し円形度が1.5以下のものを球状とした。
D.繊維の初期引張弾性率、残留伸度、破断強度の測定
オリエンテック社製テンシロン引張試験機(TENSIRON UCT−100)を用い、未延伸糸であれば初期試料長50mm、引張速度400mm/分で、延伸糸であれば初期試料長200mm、引張速度200mm/分でそれぞれ強度および残留伸度を測定し、5回測定した平均値をそれぞれの測定値とした。
E.98℃沸騰水中で15分間の収縮率(沸水収縮率)の算出
延伸糸1mの輪を5本枷取りした束にクリップを1つ留め、束の長さL1を測る(この時、約500mmの長さ)。次に98℃の沸騰水中にゆっくりと下ろして15分間静置し、15分後に取り出して1時間以上風乾する。風乾したのち再度束の長さL2を測定する。収縮率(%)を下式で算出する。
収縮率(%)=(L1−L2)÷L1×100
F.総合評価
磁場応答性、耐熱性、球状磁性材料混和性、工程通過性、の4点について評価した。
まず磁場応答性については、本発明の繊維を5mmの長さに切断した短繊維5gをビニル袋に入れて、株式会社二六製作所製ネオジム磁石(型名NE011(大きさ;外径φ30mm、高さ15mm)、材質N40、表面磁束密度490ミリテスラ)を該短繊維に1分間くっつけて磁化せしめたのち、磁石を離して、電気を通していない電磁石の金属部分に該短繊維をくっつけて、短繊維が磁化されている(磁石となっている)か否かを確認した。磁化されない短繊維は2重丸(優れる)、磁化された短繊維は△(劣る)とした。
耐熱性については、E.項の沸水収縮率で5%未満の場合に2重丸(優れる)、5%以上10%未満を○(良好)、10%以上の場合を△(劣る)とした。
球状磁性材料混和性については、紡糸により得られた未延伸糸を液体窒素中で凍結させ、そのまま折り曲げることで破断(繊維が割れて断糸する)させた後、上記C.項の走査型電子顕微鏡で破断面を観察し、球状磁性材料の凝集状態を観察した。凝集状態で球状磁性材料粒子が5粒以上接しているものを凝集していると判断し、それぞれの観察面が1m以上離れた任意の5つの断面について観察し、1つの断面当たり、平均して10箇所以上の凝集が観察されたものを△(劣る)、10カ所未満の凝集があるもしくは凝集がないものを2重丸(優れる)とした。
工程通過性については、本発明の繊維を切断加工する際の切断刃あるいは工程中のガイドの摩耗を目視で判断し、繊維1kgを切断加工した時点および工程通過において摩耗が見られる場合に△(劣る)、繊維1kgを超えて10kgを切断加工および工程通過において摩耗が見られる場合に○(良好)、繊維10kgを超えた時点でも切断場あるいは工程中のガイド摩耗が見られない場合を二重丸(優れる)とした。
そしてこれら4つの評価項目について、1つでも△の評価となるものは不合格、全く△の評価を受けないものは合格とし、特に合格の中では、全て2重丸となるものを「優」、○の評価を有するものを「良」とした。
G.繊維およびブラシローラーの比抵抗値の測定方法
測定の雰囲気は23℃、湿度55%(以後通常条件と称することがある)で測定すべき試料を少なくとも該雰囲気中に1時間保持した後、測定した。まず繊維の場合、繊維の長さが100mm以上である場合には、繊維束を1000dtexの束にして50mmの長さに切断し、端面に電極を取り付けて測定した。繊維の長さが100mm未満の場合は、長さ10cm(A)、幅2cm、深さ1cmの、Aの両端面に電極を有する絶縁体の容器に、繊維を5kg/cmの圧力で充填して密封したのち測定して、繊維単糸当たりの比抵抗値に換算して求めた。
ブラシローラーの場合は、ブラシローラーを接地した金属板に500gの荷重をかけて押圧し、その状態で棒状物体の一端と金属板との間に1kVの電圧を印可し、その時に流れる電流I[μA]を測定し、1/Iを求めてブラシローラーの比抵抗値とした。また湿度変化における比抵抗値を測定する場合の雰囲気条件は前記通常条件のほか、28℃で湿度85%(高温高湿度条件)、および10℃で湿度15%(低温低湿度条件)の3つの温湿度条件でそれぞれ測定して求めた。
H.球状磁性材料の導電性の測定
JIS C 2525に従い、23℃で測定した。具体的には、球状磁性材料を熔融、焼きなましした厚さ0.5mm、幅10mm、長さ500mmの試験片3つを用いて、それぞれ比抵抗値(体積抵抗率)をそれぞれ求め、得られた3つの測定値の平均値をその球状磁性材料の比抵抗値とした。
I.球状磁性材料の保磁力、飽和磁束密度の測定
JIS C 2504に従い、前記H.と同様に溶融、焼きなましした外径45mm、内径33mm、厚さ1mmの円形断面のリングを3つ作成し、飽和磁束密度と保磁力をそれぞれ求め、得られた3回の測定値の平均値をその球状磁性材料の飽和磁束密度、保磁力とした。
J.球状磁性材料の純度の測定
球状磁性材料として純鉄、純ニッケル、純コバルト、純モリブデンなど単一金属からなる材料を用いる場合の純度の測定は、用いる球状磁性材料を塩酸と硝酸を当量ずつ混和した酸に0.1重量%の濃度で溶解して、用いた球状磁性材料の元素を除くAl,Si,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Pbについて誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析により球状磁性材料中の濃度%を求め、100%から引くことで残りの値を球状磁性材料の純度とした。
K.短繊維の繊維長の測定
長さ20mm以上の短繊維は0.1g/dtexの荷重をかけてノギスを用いて、また20mm未満の短繊維はNIPPON KOGAKU K.K製SHADOW GRAPH Model6を用いて20倍で、短繊維50本の長さを測定し、その平均値を繊維長とした。
参考例1(球状磁性材料添加ポリエステルのエクストルーダを用いた混練による製造)
テレフタル酸166重量部とエチレングリコール75重量部からの通常のエステル化反応によって得た低重合体に、着色防止剤としてリン酸85%水溶液を0.03重量部、重縮合触媒として三酸化アンチモンを0.06重量部、調色剤として酢酸コバルト4水塩を0.06重量部添加して重縮合反応を行い、通常用いられるIV0.70、溶融粘度2050ポイズ(測定温度290℃、10sec−1)のポリエチレンテレフタレート(以下PET)のペレットを得た。
このPETペレットを150℃10時間真空乾燥した後、2軸エクストルーダ(軸長L/軸径D=45)を用いて、溶融したPETに窒素雰囲気下で(株)高純度化学研究所製の鉄(鉄純度99.1%の純元素品、平均粒径2.5μmの球状粉体(上記C.項記載の測定において円形度が1.1以下)、コードFEE06PB)を、混練終了後に得られるポリエチレンテレフタレートと鉄との混合物において鉄分が10重量%、40重量%あるいは60重量%となるように添加/混練した後、吐出されたガットを水道水で冷却したのちカッターで切断し、鉄を10重量%含有した溶融粘度1890ポイズ(測定温度290℃、10sec−1、以下同じ)のポリエチレンテレフタレートと鉄との混合物(以下PET−Fe1)ペレットと、鉄を40重量%含有した溶融粘度1720ポイズのポリエチレンテレフタレートと鉄との混合物(以下PET−Fe2)ペレットと、鉄を60重量%含有した溶融粘度1580ポイズのポリエチレンテレフタレートと鉄との混合物(以下PET−Fe3)ペレットをそれぞれ得た。全ての水準で凝集は見られず、混練性は優れていた。
参考例2(球状磁性材料添加ポリエステルの重合による製造)
テレフタル酸166重量部とエチレングリコール75重量部からの通常のエステル化反応によって得た低重合体に、球状磁性材料として参考例1で用いた鉄をエチレングリコールに10重量%添加した純鉄のエチレングリコールスラリーを、重合終了後に得られるポリエチレンテレフタレートと鉄との混合物において鉄分が60重量%となるように添加した後、着色防止剤としてリン酸85%水溶液を0.03重量部、重縮合触媒として三酸化アンチモンを0.06重量部、調色剤として酢酸コバルト4水塩を0.06重量部添加して重縮合反応を行い、参考例1のポリエチレンテレフタレートとほぼ同じ重合攪拌トルクで重縮合反応を終了し、溶融粘度1520ポイズ(測定温度290℃、10sec−1)のポリエチレンテレフタレートと鉄との混合物(以下PET−Fe4)ペレットを得た。鉄の凝集は見られず、混練性は優れていた。
実施例1
参考例1のPET−Fe3を用いて、プレッシャメルタ型溶融紡糸機で、紡糸温度290℃で孔径が0.3mm、孔数が24個の丸形の孔形状の口金および濾層の目の細かさが20μのフィルタを設置して溶融紡糸を行い、1重量%の付着量となるよう非含水系の処理剤を付着せしめた後、600m/分の引き取り速度で引き取って、1590dtex−24フィラメントの、断面形状が丸形のマルチフィラメントを得た。紡糸中に糸切れは発生せず、紡糸性は優れていた。
そして得られたマルチフィラメントについて延伸を行うに際し、送糸ローラーの送糸速度100m/分、第1ローラーは90℃で送糸速度100m/分、第2ローラーは140℃で送糸速度450m/分、第3ローラーは200℃で送糸速度500m/分として繊維に2段延伸(第1−2ローラー間および第2−3ローラー間)および熱処理(第3ローラー)を施した後、冷ローラーで糸をポリエステルのTg以下に冷却した後に巻き取った。延伸中に0.5回/kgの頻度でローラーへの単糸巻き付きが発生したものの延伸性は良好であった。また延伸糸5kgを切断加工した時点で切断刃の摩耗が見られ、工程通過性は良好であった。糸物性について表1に示す。
Figure 2005273127
比較例1
参考例1において、鉄の代わりに戸田工業(株)製ソフトフェライト粒子(タイプKNS−415、破砕により製造した粒子であって、上記C.項記載の測定において円形度が平均1.8であり、また粒子表面に粒径の10分の1以上の大きさの無数の大きな凹凸を有する、球状とは認められない粉体)を用いて、参考例1と同様に60重量%添加して混練を行った。粒子とポリマとの濡れ性が悪いあるいは粒子が最密充填しないためか、混練性は悪く、凝集が無数に観察された。得られた混合物を用いて実施例1と同様の方法により溶融紡糸を行った。紡糸中に15.5回/kgの頻度で糸切れが発生し、また紡糸機内の流路圧損上昇が起こり、紡糸性は劣っていた。そして得られたマルチフィラメントを用いて実施例1と同様の方法により延伸を行った。延伸中に10.3回/kgの頻度で単糸切れが発生し、また繊維の切断加工において繊維0.5kgを加工した時点で激しい切断刃の摩耗が見られ、また工程中のガイド摩耗も見られ工程通過性は劣っていた。糸物性について表1に示す。
実施例2
参考例1において、(株)高純度化学研究所製の鉄(鉄純度99%以上の純元素品、平均粒径10.8μmの球状粉体(上記C.項記載の測定において円形度が1.1以下)、コードFEE10PB)を用いて、参考例1と同様に40重量%添加して混練を行った。混練性は良好であった。得られた混合物を用いて実施例1と同様の方法により溶融紡糸を行った。紡糸中に1.3回/kgの頻度で糸切れが発生したが紡糸性は良好であった。そして得られたマルチフィラメントを用いて実施例1と同様の方法により延伸を行った。延伸中に単糸巻き付きが2.1回/kgの頻度で発生したものの延伸性は良好であった。また繊維の切断加工時に繊維4.2kgを切断した時点で切断刃の摩耗および工程中のガイド摩耗が見られたが、工程通過性は良好であった。糸物性について表1に示す。
実施例3
1軸エクストルーダを2台備えたエクストルーダ型複合溶融紡糸機でバイメタル型の溶融紡糸を行う際に、磁性層として参考例1のPET−Fe3を、保護層として参考例1のPETをそれぞれ用いて、磁性層:保護層=6:4の複合比率でバイメタル型複合紡糸を行い、その他は実施例1と同様の条件で、1144dtex−24フィラメントの、断面形状がほぼ丸形のバイメタルマルチフィラメントを得た。紡糸中に糸切れは発生せず紡糸性は良好であった。
得られたマルチフィラメントについて実施例1と同様の方法で延伸を行った。延伸中に糸切れは発生せず、延伸性は優れていた。また切断刃摩耗および加工工程中のガイド摩耗は見られず工程通過性は優れていた。糸物性について表1に示す。
実施例4
実施例3の複合溶融紡糸機を用いて芯鞘型の溶融紡糸を行う際に、磁性層として参考例2のPET−Fe4を、保護層として参考例1のPETをそれぞれ用い、磁性層を芯、保護層を鞘として磁性層:保護層=8:2の複合比率で芯鞘型複合紡糸を行い、その他は実施例1と同様の条件で、1330dtex−24フィラメントの、断面形状が丸形の芯鞘マルチフィラメントを得た。紡糸中に糸切れは発生せず紡糸性は優れていた。
得られたマルチフィラメントについて実施例1と同様の方法で延伸を行った。延伸中に単糸巻き付きや糸切れは発生せず、延伸性は優れていた。また切断刃摩耗および加工工程中のガイド摩耗は見られず工程通過性も優れていた。糸物性について表1に示す。
実施例5
参考例1でPETを用いる代わりに、東レ株式会社製ナイロン6樹脂「アミラン(登録商標)」(タイプCM1017)を用いて、鉄を60重量%となるように添加・混練した以外は参考例1と同様の方法により鉄を60重量%含有した溶融粘度2530ポイズ(測定温度260℃、10sec−1)のナイロン6と鉄との混合物(以下Ny6−Fe3)ペレットを得た。
そして実施例4と同様の方法で芯鞘型複合紡糸を行う際に、磁性層として前述のNy6−Fe3を、保護層として参考例1のPETにイソフタル酸を5モル%、イソフタル酸のスルホン酸ナトリウム塩誘導体を5モル%それぞれ共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート(以下PET−IS、IV0.55)を用いて、紡糸温度280℃で、その他は実施例1と同様の条件で芯鞘型複合紡糸を行い、1180dtex−24フィラメントの、断面形状が丸形の芯鞘マルチフィラメントを得た。紡糸中に糸切れは発生せず、紡糸性は優れていた。
得られたマルチフィラメントについて実施例1と同様の方法で延伸を行った。延伸中に単糸巻き付きや糸切れは発生せず、延伸性は優れていた。また切断刃摩耗および加工工程中のガイド摩耗は見られず工程通過性も優れていた。糸物性について表1に示す。
実施例6〜9
実施例4と同様の芯鞘複合紡糸を行うに際し、磁性層、保護層をそれぞれ参考例1にて作成したものを用いて表1のとおり組み合わせた。具体的には、実施例6では芯の磁性層にPET−Fe3を、鞘の保護層にPET−Fe1をそれぞれ組み合わせ、実施例7では芯の磁性層にPET−Fe2を、鞘の保護層に純鉄を添加していないPETをそれぞれ組み合わせ、実施例8では芯の磁性層にPET−Fe2を、鞘の保護層にPET−Fe1をそれぞれ組み合わせ、実施例9では鞘の磁性層にPET−Fe3を、芯の保護層にPETをそれぞれ組み合わせた。その他紡糸条件、延伸条件については実施例4と同様の方法で行った。実施例9のみ、切断加工時に繊維9kgを加工した時点で切断刃に摩耗が見られたが、工程通過性は良好であった。得られた延伸糸の糸物性などについて表1に示す。
実施例10
参考例1で、PETを用いる代わりに、参考例1のPETにイソフタル酸を15モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−I,IV0.70)を、また鉄の代わりに(株)高純度化学研究所製のニッケル(ニッケル純度99%以上の純元素品、平均粒径2.7μmの球状粉体(上記C.項記載の測定において円形度が1.1以下)、コードNIE02PB)を用いた以外は参考例1と同様の方法によりニッケルを60重量%含有した溶融粘度1850ポイズ(測定温度290℃、10sec−1)のPET−Iとニッケルとの混合物(以下PET−I−Ni)ペレットを得た。
そして実施例4と同様の方法で芯鞘型複合紡糸を行う際に、磁性層として前述のPET−I−Niを、保護層として三井化学株式会社製高密度ポリエチレン(ハイゼックス(登録商標)、7000F)を用いて、紡糸温度290℃で、その他は実施例1と同様の条件で芯鞘型複合紡糸を行い、1090dtex−24フィラメントの、断面形状が丸形の芯鞘マルチフィラメントを得た。紡糸中に糸切れは発生せず、紡糸性は優れていた。
得られたマルチフィラメントについて実施例1と同様の方法で延伸を行った。延伸中に単糸巻き付きや糸切れは発生せず、延伸性は優れていた。また切断刃摩耗および加工工程中のガイド摩耗は見られず工程通過性も優れていた。糸物性について表1に示す。
実施例11
実施例4,5において得られた繊維を用いて、それぞれ0.5、1.0、2.0、4.0mm程度の長さの短繊維に切断したのち、日産化学工業株式会社製コロイダルシリカ「スノーテックスOS(登録商標)」で処理して繊維の比抵抗値を調製した。
得られた短繊維を用いて、東レ株式会社製ポリエステルフィルム「ルミラー(登録商標)QT33(厚さ100μm)」に大日本インキ化学工業株式会社製アクリル酸エステル系接着剤DICNAL K−1500(K−1500の100重量%に対し、増粘剤としてDICNAL VS−20を2重量%使用;以下「接着剤A」と称することがある)を約100μmの厚さでフィルムの片面に塗布し、接着剤を塗布したフィルムの片面に電気植毛加工を施し、植毛体(磁場応答性素子A1〜A8)を作成した。植毛性(植毛の成功の度合い)については、ほぼ直立している(2重丸)、寝ている繊維が少し見られる(○)、半数程度繊維が寝ている(△)、直立しているものが少ない(×)と視覚的に判断して評価し、表2に示した。
Figure 2005273127
また作成した磁場応答性素子の裏側(フィルムの植毛していない側)より磁石を近づけ、植毛した繊維が磁場により剛性化するか(磁場応答性)について触感で判断し、剛性が増したものについて○、不明確なものについて△と評価した。
また実施例4、5において得られた繊維それぞれを用いてパイル織物、シングルトリコット編物を各々作成した後起毛処理したものをそれぞれ作成し、前記同様接着剤Aを用いて前述のポリエステルフィルムに接着して、それぞれ布帛複合体(磁場応答性素子B、磁場応答性素子C)を作成した。前述同様磁場応答性を確認したところ、B,Cともに剛性が増した(評価は○)。
実施例12
実施例11にて作成した磁場応答性素子A1〜A8,BおよびCを用いて、図1に示すような流量可変装置を作成した。すなわち、空間を設けて対峙する一対の電磁石2の一方の面(磁極)に、実施例11で用いた接着剤で該磁場応答性素子1を張りつけ、磁場応答性素子を張り付けていないもう一方の磁極2’を、直立した繊維がほぼ接するぎりぎりまで近づけ、固定し、空間を鉱物油3で満たし、空間の両端はピストン4で閉じた。
磁場を印加しない状態では磁場応答性素子A1〜A8,B,C共にピストンにより鉱物油3は流動した。実施例4および5の繊維長0.5mmの短繊維を用いた磁場応答性素子A1およびA5、および磁場応答性素子B,Cについては、1.40テスラの磁場を印加すると、ピストンを押し込むには磁場印加前よりも大きな力を必要とした。さらに実施例4および5の繊維長約1.0mm,2.0mm,4.0mmの各水準の短繊維を用いた磁場応答性素子A2〜A4,A6〜A8については、1.40テスラの磁場を印加するとピストンを押し込むことができないほど非常に大きな力を必要とした。また鉱物油の代わりに、鉱物油よりも粘性の小さな純水を用いて空間を満たし同様に磁場を印加して検討したところ、磁場の印加前と印加後で、より大きな流動性の変化が見られた。
更に、ピストンを周期的に押し引きする周期的な動作を発生させる装置をピストンの両端に取り付け(図示せず)、かつ同様の磁場の印加にもピストンと同様の周期を発生させる装置を取り付け、磁場印加の位相を遅らせて動作させたところ、A1〜A8、B、C全ての水準でピストンの動きを阻害する動き、すなわち振動を減衰する効果が見られ、該流量可変装置を一部に用いた装置は、振動減衰装置として機能した。
実施例13
実施例11で作成した磁場応答性素子A1〜A8、B、Cの上に直径10mmのガラス玉を載せ、磁場応答性素子の裏側より棒状のネオジム系磁石(1.40テスラ)をガラス玉の直下に当て、動かすことで、繊維が剛性化して直立し、ガラス玉を動かすことができた。
実施例14
実施例11において得られた実施例4由来の短繊維4種(繊維長が各々0.51、1.02、1.98、4.03mm)を用いて、実施例11の接着剤Aを用いて、棒状物体A(金属棒のみ)および棒状物体B(金属棒に導電性カーボンブラックを5%添加したウレタン製中間層(厚さ1.5mm)で金属棒端部2cmを残して覆った物)にそれぞれ電気植毛加工を施して(棒状物体Bには中間層部分のみに施して)、未接着短繊維を棒状物体から掃きとった後、ブラシローラーを得た(棒状物体Aで短繊維の繊維長が短い順にブラシローラーA1,A2,A3,A4、同様に棒状物体BについてもB1,B2,B3,B4とする)。また実施例11のパイル織物を棒状物体Bに接着、植設してブラシローラーCを得た。棒状物体Aで繊維長1.02mmのブラシローラーA2,棒状物体Bで繊維長1.02mmのブラシローラーB2の通常条件での比抵抗値は、それぞれ105.1Ω・cm、107.6Ω・cmであった。そしてブラシローラーB2の湿度変化における比抵抗値変化を測定したところ、106.6Ω・cm(高温高湿度)−107.6Ω・cm(通常条件)−107.6Ω・cm(低温低湿度)であった。すなわち本発明の繊維を用いたブラシローラーは比抵抗値斑が湿度変化においても1桁と小さく優れていた。ブラシローラーCについても同様に比抵抗値変化を測定したところ、106.1Ω・cm(高温高湿度)−107.0Ω・cm(通常条件)−107.1Ω・cm(低温低湿度)と、ブラシローラーB2と同様に比抵抗値斑が湿度変化においても1桁と小さく優れていた。
実施例15
実施例14において得られたブラシローラーA2を除電装置および清掃装置に、ブラシローラーB2を帯電装置にそれぞれ組み込んで配設したモノクロレーザープリンターを長時間連続印刷(1分間あたり10枚印刷・排出)を行い、プリンター中の湿度変化と共に印刷性を確認したところ、印刷開始1000枚程度でプリンター中の湿度は初期の62%から22%まで低下し、更に10000枚程度印刷した時点では18%まで低下したものの、印刷枚数が20000枚を越えた時点であっても印刷の鮮明性、トナー清掃性などは優れていた。またブラシローラーCをB2と入れ替えて同様に検討したところ、やはり印刷枚数が30000枚を越えた時点であっても印刷の鮮明性、トナー清掃性などは優れていた。
実施例16
実施例4において得られた繊維を用いて、1つは緯糸のみに用いて平織りした物からYシャツを作成した(衣料1)。もう1つは経糸および緯糸全てに実施例4において得られた繊維を用いてYシャツを作成した(衣料2)。無作為に選んだ男性10名のモニター着衣テストを行ったところ衣料1および衣料2共に全員が「着衣すると冷たく感じる(接触冷感がある)」と回答し、更に「衣料1に比べ衣料2の方がより接触冷感が強い」と回答した。
本発明の繊維を少なくとも一部に用いてなる織物は、前述の通り非常に優れた磁場応答性あるいは導電性を有する繊維を用いることから、織物全体に該繊維を用いる場合はもとより、織物の一部に該繊維を用いた場合であっても優れた磁場応答性、導電性能あるいは電気を逃がすことの出来る性能(換言すれば静電性能)を有する織物となるため、各種資材用途、例えば幕やカーテン、人体の静電気が発生しやすい自動車、鉄道、航空機など乗り物のシート、壁材や敷物、布団、毛布、敷布などの寝具などに用いることができ優れている。
本発明の繊維を少なくとも一部に用いてなる編物は、前述の織物と同様に磁場応答性、導電性能あるいは静電性能を有する編物となるため各種資材用途、例えば建物の壁材や絨毯などの敷物、自動車、鉄道航空機などの乗り物のシート、壁材、敷物乗り物用シートあるいはその敷物、布団、毛布、敷布などの寝具などに用いることができ優れている。
本発明の繊維を少なくとも一部に用いてなる不織布は、前述の織物や編物と同様に磁場応答性、導電性あるいは静電性能を有する不織布となるため、前述の織物や編物の用途と同様の資材として用いることができるほかに、厚みが必要な、例えば隔壁材や梱包物、クッションなど静電気の発生を嫌う装置、部屋の周辺部材用資材として広く用いることができ優れている。
そして本発明の繊維からなる短繊維や、織物、特にパイル織物や編物あるいは不織布の更に別の用途としては、これらを用い、基盤に植設することで、磁場応答性素子を形成することができる。該磁場応答性素子は、流量可変装置の一部として組み込むことで磁場の印加により液体あるいは気体といった流体の流量を制御しうる、すなわちMR流体に類似した機能性流体素子として機能しうるほかに、該流量制御を利用した振動減衰装置としても作用しうる。
また該磁場応答性素子は、MR流体に類似した機能性素子としての用途のほかにも、磁場の変化で繊維の剛性が変化することを利用して研磨用基材として用いることができる。
また該磁場応答性素子は、磁場を印加することで繊維が直立するという作用を付与しうることから、この繊維自身の動作を利用して、物体移動用アクチュエーターとして利用が可能である。
本発明の繊維を少なくとも一部に用いてなる衣料は、磁場応答性および導電性に優れた繊維を用いることから、着衣時の静電気発生を抑制し、体外に逃がすことが出来るため、特に静電気の発生を嫌う半導体産業の作業着やあるいは静電気が発生しがたいことから埃を寄せ付けないため防塵衣として用いた場合に有用であるほか、熱伝導性の優れる球状磁性材料を用いるため、体外に熱を放散することができる接触冷感衣類や、あるいは逆に冷えた身体にすぐに体外からの熱を取り込みうる接触温感衣類などとして、例えばこれらの機能を必要とされるスポーツ衣料(ゴルフウェア、ゲートボール、野球、テニス、サッカー卓球、バレーボール、バスケットボール、ラグビー、アメリカンフットボール、ホッケー、陸上競技、トライアスロン、スピードスケート、アイスホッケーなどのユニフォーム)や幼児、婦人、年輩者の衣料、その他にもアウトドア衣料(靴、カバン、サポーター、靴下、登山着)などに好適に用いることができる。
本発明の前記織物および/または前記編物および/または前記不織布を少なくとも一部に用いて接着してなるブラシローラーは、磁場応答性あるいは導電性を有する繊維を少なくとも一部に用いることから電気的作用あるいは磁気的作用を利用することで効率的に不要物を除去あるいは必要とされる物質を付与する機能を有するため優れている。
本発明の前記短繊維を用いてなるブラシローラーは、磁場応答性あるいは導電性を有する繊維を少なくとも一部に用いることから、前述と同様に電気的作用あるいは磁気的作用を利用することで効率的に不要物を除去あるいは必要とされる物質を付与する機能を有するほかに、短繊維の繊維長を制御することでブラシローラーの繊維植設密度あるいはブラシローラーの前記除去性能あるいは付与性能を目的に応じて容易に制御できるため優れている。特に植設される棒状物体が主として金属からなる場合は、本発明の繊維中の球状磁性材料中の導電性を制御することでブラシローラー自体の導電性(比抵抗値)を制御可能であるし、さらには棒状物体が金属および金属の少なくとも一部を覆う中間層とからなる場合には中間層の材質や厚さなどを制御することでクッション性を付与しうるため、ブラシローラー自体の前記除去性能あるいは付与性能を格段に向上せしめることができ優れている。
本発明の前記ブラシローラーを用いてなる清掃装置は、ブラシローラー自体が回転することで不要物を除去し清掃する場合には非常に除去性能に優れる。例えば後述の電子写真装置などではトナーなどを磁気的あるいは電気的に除去しうる際に電子写真装置内の環境変化、特に湿度変化などがあった場合にもブラシローラーの導電性能が変動することがない、あるいは非常に保磁力の低い球状磁性材料を含有しうるため、常に安定した除去性能を有しており優れている。また本発明の前記ブラシローラーは該清掃装置に於いて、対象となる物質、例えば後述の電子写真装置に於いては感光体に直接接触して清掃を行うほかにも、清掃活動を行う部材自身から不要物を除去して清掃装置自体を清掃するための部材としても有用であり、結果的に高性能な清掃装置となる。
本発明の前記ブラシローラーを用いてなる帯電装置は、ブラシローラー自体の導電性(比抵抗値)を制御することで用いられるもので、例えば後述の電子写真装置などで感光体を一様に帯電させるブラシローラーとして用いられる際に感光体を均一に帯電できることはもとより電子写真装置内の環境変化例えば電子写真装置の稼働中あるいは季節変化による湿度変化に対してもブラシローラー自体の比抵抗値は変化しないもしくは非常に変化が小さいため、感光体の帯電斑が発現しにくいため非常に優れている。加えて該電子写真装置の前記感光体に清掃が不十分なために残存したトナーがあった場合にも該ブラシローラーは清掃ローラーとしての機能を兼ねることができるため、現像あるいは印刷時の汚染が無いもしくは殆ど無く優れているほか、電子写真装置を小型化する場合には前記清掃装置および該帯電装置を個別に設置せずに、兼用すなわち清掃装置兼帯電装置として該ブラシローラーのみで適用しうるため非常に優れている。
本発明の前記ブラシローラーを用いてなる現像装置は、前述の帯電装置での効果と同様にブラシローラー自体の比抵抗値および繊維の磁場応答性を駆使して用いられるもので、例えば後述の電子写真装置等で感光体に描かれた静電潜像にトナーを付着させる際に、前述のような湿度変化などの環境変化の際のブラシローラー自体の比抵抗値斑あるいは磁場応答性斑が無いもしくは殆ど無いことから、トナーが均一に感光体に供給され顕像化し、得られた現像物あるいは印刷物は汚染の無いもしくは殆ど無い非常に美しいものとなり優れている。
本発明の前記ブラシローラーを用いてなる除電装置は、繊維中に含有される球状磁性材料の含有量を制御してブラシローラーの導電性(比抵抗値)を小さくすることで、非常に優れた除電性能を有するブラシローラーとなるため有用である。特に後述の電子写真装置に用いる際には、無数の毛(繊維)からなるブラシローラーが安定かつ均一な除電効果を有していることから除電装置のあとに配設される前記清掃装置での清掃効果をより高めることが可能であるほか、該電子写真装置を小型化する場合には該ブラシローラーを用いることで除電装置兼清掃装置として組み込むことができ非常に優れている。
本発明の前記清掃装置および/または帯電装置および/または現像装置および/または除電装置を用いてなる電子写真装置、具体的にはレーザービームプリンター、複写機、ファクシミリ、多機能型複合機、あるいはワードプロセッサーなど帯電した感光体にレーザーで潜像を描きトナーを用いて顕像化するメカニズムにより現像あるいは印刷を行う装置は、前述の通り電子写真装置内の環境変化によらず安定した清掃・帯電・現像・除電性能を有していることから、得られた印刷あるいは現像物は非常に美しいものとなる。また前記ブラシローラーの繊維長あるいは含有する球状磁性材料の含有量などを最適化することで、より安定した清掃・耐電・現像・除電性能を有するため、電子写真装置の駆動速度をより高める、すなわち単位時間あたりの印刷あるいは現像速度(枚数)を高めることが可能となり非常に好ましい。
本発明において、磁場応答性素子を有する流量可変装置の一例である。
符号の説明
1.磁場応答性素子
2.電磁石
3.鉱物油および鉱物油を満たした空間
4.流量を発生させるピストン
5.ピストンの動作(押し引きの)方向

Claims (38)

  1. 飽和磁束密度が0.5テスラ以上の球状磁性材料を含有する、繊維形成能を有するポリマからなる繊維。
  2. 平均粒径が5μm以下の球状磁性材料であることを特徴とする、請求項1記載の繊維。
  3. 保磁力が1000A/m以下の球状磁性材料であることを特徴とする請求項1または2記載の繊維。
  4. 20〜90重量%の球状磁性材料を含有する磁性層と、球状磁性材料の含有量が20重量%未満である保護層とからなる複合繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維。
  5. 磁性層が芯成分、保護層が鞘成分であり、かつ磁性層が5〜95体積%の芯鞘型複合繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の繊維。
  6. 球状磁性材料が純度98%以上の鉄および/またはニッケルおよび/またはコバルトであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の繊維。
  7. 98℃沸騰水中で15分間保持した際の収縮率が10%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の繊維。
  8. 残留伸度が5〜30%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の繊維。
  9. 初期引張弾性率が15cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の繊維。
  10. 繊維形成能を有するポリマが、融点が150℃以上のポリエステル系ポリマおよび/またはポリアミド系ポリマおよび/またはポリオレフィン系ポリマおよび/またはポリアクリロニトリル系ポリマであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の繊維。
  11. 比抵抗値が10〜10Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の繊維。
  12. 破断強度が0.5cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の繊維。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項記載の繊維からなる比抵抗値が10〜10Ω・cmの短繊維。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項記載の繊維からなる繊維長が0.05〜150mmの短繊維。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項記載の繊維および/または短繊維を少なくとも一部に用いた織物。
  16. パイル織りであることを特徴とする請求項15記載の織物。
  17. 請求項1〜14のいずれか1項記載の繊維および/または短繊維を少なくとも一部に用いてなる編物。
  18. 裏毛編からなる編物および/または起毛処理によりパイル状繊維が編物表面にある編物であることを特徴とする請求項17記載の編物。
  19. 請求項1〜14のいずれか1項記載の繊維および/または短繊維を少なくとも一部に用いてなる不織布。
  20. 請求項13または14記載の短繊維を少なくとも一部に用い、基盤に接着して植設されてなる植毛体。
  21. 請求項15〜19のいずれか1項記載の織物および/または編物および/または不織布を少なくとも一部に用い、基盤に接着してなる布帛複合体。
  22. 請求項20記載の植毛体および空間を設けて対峙する1対の磁極からなる流量可変装置であって、磁場応答性素子である植毛体が少なくとも1方の磁極に接していることを特徴とする流量可変装置。
  23. 請求項21記載の布帛複合体および空間を設けて対峙する1対の磁極からなる流量可変装置であって、磁場応答性素子である布帛複合体が少なくとも一方の磁極に接していることを特徴とする流量可変装置。
  24. 請求項22または23記載の流量可変装置を少なくとも一部に用いてなる振動減衰装置。
  25. 請求項20記載の植毛体を少なくとも一部に用いたアクチュエーター。
  26. 請求項21記載の布帛複合体を少なくとも一部に用いたアクチュエーター。
  27. 請求項20記載の植毛体を少なくとも一部に用いた研磨用基材。
  28. 請求項21記載の布帛複合体を少なくとも一部に用いた研磨用基材。
  29. 少なくとも請求項1〜14のいずれか1項記載の繊維および/または短繊維を一部に用いてなる衣料。
  30. 請求項15〜19のいずれか1項記載の織物および/または編物および/または不織布を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着してなるブラシローラー。
  31. 請求項13または14記載の短繊維を少なくとも一部に用い、棒状物体に接着して植設されてなるブラシローラー。
  32. 棒状物体が主として金属からなることを特徴とする、請求項30または31記載のブラシローラー。
  33. 棒状物体が主として金属および金属の少なくとも一部を覆う中間層とからなることを特徴とする、請求項30または31記載のブラシローラー。
  34. 請求項30〜33のいずれか1項記載のブラシローラーを用いてなる清掃装置。
  35. 請求項30〜33のいずれか1項記載のブラシローラーを用いてなる帯電装置。
  36. 請求項30〜33のいずれか1項記載のブラシローラーを用いてなる現像装置。
  37. 請求項30〜33のいずれか1項記載のブラシローラーを用いてなる除電装置。
  38. 請求項34記載の清掃装置および/または請求項35記載の帯電装置および/または請求項36記載の現像装置および/または請求項37記載の除電装置を用いてなる電子写真装置。
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