JP2005273026A - ドクターブレードの摩耗防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドクターブレードの摩耗スピードを遅くすることができるとともに、プレスロールに汚れが付着することを防止でき、抄紙のプレス工程の工程管理を容易にすることができるドクターブレードの摩耗防止方法を提供する。
【解決手段】抄紙機のプレスパート2、3におけるプレスロール2a、3bにスプレーノズル6、10からフッ素有機化合物分散液を噴霧する。フッ素有機化合物分散液は、PTFEを3.5質量%、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを0.5質量%、水を95.0重量%、イソプロピルアルコールを1.0重量%含有している。PTFEの平均粒径は0.05μm、最大粒径は0.1μmである。
【選択図】図1
【解決手段】抄紙機のプレスパート2、3におけるプレスロール2a、3bにスプレーノズル6、10からフッ素有機化合物分散液を噴霧する。フッ素有機化合物分散液は、PTFEを3.5質量%、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを0.5質量%、水を95.0重量%、イソプロピルアルコールを1.0重量%含有している。PTFEの平均粒径は0.05μm、最大粒径は0.1μmである。
【選択図】図1
Description
本発明は、抄紙機のプレスパートにおいてプレスロールに付着した汚れを除去するために用いられるドクターブレードの摩耗を防止するためのドクターブレードの摩耗防止方法に関する。
抄紙機におけるプレスパートでは、フェルト上に載せられた多量の水分を含む湿紙が一対のプレスロールによってフェルトとともにプレスされることにより、湿紙が脱水される。この湿紙の脱水工程により、その後の乾燥工程におけるエネルギー消費を大幅に節約することができる。
しかし、湿紙に含まれている原料由来のピッチや、古紙原料に含まれるホットメルトインク、微細繊維、各種添加薬剤等が脱水工程においてプレスロール表面に付着する現象が生じやすい。こうしたプレスロールへの汚れの付着は、最終製品である紙の表面の凹凸の原因となったり、紙に再付着してシミとなったりして、製品の品質を著しく低下させる原因となる。
こうしたプレスロールへの汚れの付着を防止するために、汚れ付着防止剤が使用されることもある。例えば、特許文献1には、水溶性カチオン系重合体と水溶性アニオン系重合体を用いることによって、抄紙工程におけるプレスロールにピッチが付着することを防止する方法が記載されている。
特開2000−34548号公報
また、特許文献2には、抄紙工程において、プレスロールにシリコンオイルを付着させることにより、プレスロールにピッチが付着することを防止する方法が記載されている。
特開2003−213587
しかし、こうした汚れ付着防止剤を用いたとしても、プレスロールへの汚れの付着を完全に防止することは困難である。このため、回転するプレスロールにドクターブレードを圧接することによって、プレスロール表面に付着している汚れを掻き取ることが行われている。こうしてプレスロールにドクターブレードを使用すれば、プレスロールの表面を絶えず清浄な表面に保つことができ、ひいては紙の品質も高いものとなる。
しかしながら、回転するプレスロールにドクターブレードを圧接させた場合、時間とともに徐々にドクターブレードがすり減ってしまう。特に、ロールが岩石や金属等の硬い素材である場合、その傾向が著しい。このため、最終的には、摩耗によって擦り減ったドクターブレードを新品のドクターブレードと交換するため、抄紙機の稼動を停止させなければならなくなる。こうしたドクターブレードの交換に伴う抄紙機の稼動停止は、抄紙コストの高騰化を招来することとなる。
このため、ドクターブレードをプレスロールに押し付ける圧力を小さくし、ドクターブレードの摩耗スピードを遅くすることも考えられる。しかしこれでは、プレスロール表面に付着している汚れを掻き取る作用を充分に奏することができない。
一方、特許文献3にはプレスロールの表面温度より低い融点をもつワックスをプレスロールに供給することにより、プレスロールの汚れ付着や摩耗を防止する方法が記載されている。
特許第3273137号公報
この方法によれば、プレスロールの汚れ付着や摩耗を防止できるのみならず、プレスロールから紙が剥がれやすくなる。このため、プレスロールと紙とが過度に付着し、紙切れ等を生じやすくなるという、紙の過付着現象も防止することができる。
しかし、この方法では、プレスロールの表面温度に合わせたワックスの融点の管理が必要となり、抄紙のプレス工程における工程管理が難しくなる。また、低融点のパラフィンは一般的に有機物との相溶性が良いため、有機物系の汚れ成分がプレスロール表面に付着したパラフィンに相溶して汚れ易くなるという問題もある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、ドクターブレードの摩耗スピードを遅くすることができるとともに、プレスロールに汚れが付着し難く、抄紙のプレス工程の工程管理を容易に行うことができるドクターブレードの摩耗防止方法を提供することを解決すべき課題としている。
発明者は、上記課題解決のために鋭意研究を行い、アルキル基の水素の一部又は全部がフッ素で置換されたフッ素置換アルキル基を有するフッ素有機化合物をプレスロールに付着させることによって上記課題を解決することができることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のドクターブレードの摩耗防止方法は、多量の水分を含んだ湿紙を一対のプレスロール間に挟んで該湿紙を脱水するとともに、該プレスロールにドクターブレードを圧接させて該プレスロールの付着物の除去を行う抄紙プレス工程において、アルキル基の水素の一部又は全部がフッ素で置換されたフッ素置換アルキル基を有するフッ素有機化合物を該プレスロールに付着させることを特徴とする。
本発明のドクターブレードの摩耗防止方法では、アルキル基の水素の一部又は全部がフッ素で置換されたフッ素置換アルキル基を有するフッ素有機化合物をプレスロールに付着させるため、フッ素置換アルキル基の摩擦力を低減化させる効果によって、ドクターブレードとプレスロールとの摩擦力を著しく軽減させることができる。このため、ドクターブレードの摩耗スピードを遅くさせることができ、プレスロールに対する紙の過付着現象も生じにくくなる。
また、プレスロールの表面がフッ素有機化合物によって覆われるため、汚れとプレスロールとの直接的な接触が妨げられる結果、プレスロールへの汚れの付着量も低減する。
さらには、フッ素有機化合物のプレスロールへの付着による上記効果の効果は、フッ素有機化合物が固体状態であっても発揮されるため、パラフィンをプレスロールに付着させた場合のように、融点を管理する必要もない。このため、抄紙のプレス工程の工程管理が容易となる。
フッ素有機化合物としては、フッ素樹脂やフッ素置換アルキル基を有するリン酸エステル等を挙げることができる。フッ素樹脂としては例えばテトラフルオロエチレンのホモポリマー(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデンオリマー(PVDF)、フッ化ビニルポリマー(PVF)、クロロトリフルオロエチレンのホモポリマー(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ECTFE)等を挙げることができる。また、フッ素置換アルキル基を有するリン酸エステルとしては、〔CF3(CF2)7C2H4O〕3PO、 等を用いることができる。
フッ素有機化合物の形態は粉末状であってもよく、液体状であってもよい。フッ素有機化合物が粉末状である場合、平均粒子径が10μm〜0.005μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましい範囲は1μm〜0.01μmである。平均粒子径が0.005μm未満である場合、プレスロール及びドクターブレード周辺で微細なフッ素有機化合物の飛散が多くなり、作業環境が悪化しやすい。また、フッ素有機化合物の平均粒子径が10μmを超える場合、ドクターブレードの摩耗低減の効果が小さくなるとともに、フッ素有機化合物が紙に付着し、表面特性(例えば紙のサイズ度、吸水度等)に影響を及ぼすおそれがある。さらに、平均粒子径が1μm〜0.01μmの範囲のフッ素有機化合物の粉末は、工業的に大量生産されており、比較的安価で入手しやすい。
フッ素有機化合物をプレスロール表面へ付着させる方法としては、フッ素有機化合物が液体に分散されたフッ素有機化合物分散液をプレスロールに直接噴霧したり塗布したり、注いだりして付着させる方法の他、ドクターブレードや湿紙の表面にフッ素有機化合物分散液を噴霧して間接的にプレスロールにフッ素有機化合物を付着させる方法を用いたり、これら方法を組み合わせて用いたりすることができる。フッ素有機化合物分散液を噴霧して付着させる方法は、フッ素有機化合物のプレスロールの表面への均一な付着を容易に行うことができるため好適である。この場合において、フッ素有機化合物を分散させる液体には、界面活性剤が添加されていることも好ましい。こうであれば、強い疎水性を有すフッ素有機化合物を安定に分散させることが可能となる。界面活性剤の種類について得に限定はないが、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチススルホサクシネートナトリウム等が挙げられる。
また、フッ素有機化合物を分散させる液体には、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶液等、フッ素有機化合物を分散することが可能な溶液を適宜選択して用いることができる。液体が水及びアルコールの混合溶媒であれば、水とアルコールとの比率を変えることによって、フッ素有機化合物の分散に最適な液体を選択することができるため好適である。アルコールの種類について特に限定はないが、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等が挙げられる。
以下に本発明を具体化した実施例1、2及び比較例1〜4を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1では、以下の組成のフッ素有機化合物分散液を用いた。
PTFE粉末(平均粒径:0.05μm、最大粒径:0.1μm)0.5質量%
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95.0重量%
イソプロピルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0重量%
実施例1では、以下の組成のフッ素有機化合物分散液を用いた。
PTFE粉末(平均粒径:0.05μm、最大粒径:0.1μm)0.5質量%
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95.0重量%
イソプロピルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0重量%
(実施例2)
実施例2では、以下の組成のフッ素有機化合物分散液を用いた。
〔CF3(CF2)7C2H4O〕3PO・・・・・・・・・・・・・0.5質量%
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95.0重量%
イソプロピルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0重量%
実施例2では、以下の組成のフッ素有機化合物分散液を用いた。
〔CF3(CF2)7C2H4O〕3PO・・・・・・・・・・・・・0.5質量%
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95.0重量%
イソプロピルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0重量%
(比較例1)
比較例1はで、ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム(分子量10,000)水溶液(固形分濃度:30重量%、(株)センカ製)を用いた。
比較例1はで、ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム(分子量10,000)水溶液(固形分濃度:30重量%、(株)センカ製)を用いた。
(比較例2)
比較例2は、単なる水を用いた。
比較例2は、単なる水を用いた。
(比較例3)
比較例3は、以下の組成の溶液を用いた。
シリコン系界面活性剤[ポリジメチルシロキサン・ポリメチル〔ポリ(オキシエチレ ンオキシプロピレン)〕シロキサン共重合体]SILWET L−77(商品名、日 本ユニカー(株)製)・・・・・・・・・・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99.5重量%
比較例3は、以下の組成の溶液を用いた。
シリコン系界面活性剤[ポリジメチルシロキサン・ポリメチル〔ポリ(オキシエチレ ンオキシプロピレン)〕シロキサン共重合体]SILWET L−77(商品名、日 本ユニカー(株)製)・・・・・・・・・・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99.5重量%
(比較例4)
比較例4は、以下の組成の液を用いた。
ポリエチレンワックス「エポレンE−10(融点105℃)」(商品名、ライオン( 株)製・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5重量%
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99.0重量%
比較例4は、以下の組成の液を用いた。
ポリエチレンワックス「エポレンE−10(融点105℃)」(商品名、ライオン( 株)製・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5重量%
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム・・・・・・・0.5質量%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99.0重量%
<抄紙試験>
抄紙機を用いて抄紙試験を行った。この抄紙機は、図1に示すように、多量の水分を含んだ湿紙1を脱水するための第1プレスパート2と、第1プレスパート2によってある程度脱水された湿紙1をさらに脱水するための第2プレスパート3とを備えている。
抄紙機を用いて抄紙試験を行った。この抄紙機は、図1に示すように、多量の水分を含んだ湿紙1を脱水するための第1プレスパート2と、第1プレスパート2によってある程度脱水された湿紙1をさらに脱水するための第2プレスパート3とを備えている。
第1プレスパート2には、セラミック製のセンターロール2aと、センターロール2aに対面する二つのプレスロール2b、2cとが設けられている。プレスロール2b、2cにはそれぞれフェルト4、5が架けられており、湿紙1はフェルト4、5とともにプレスロール2b、2cと、センターロール2aとの間をプレスされながら通過するようになっている。センターロール2aと対面する位置には、カーボンスチール製で幅が76mmのドクターブレード6が設置されている。ドクターブレード6は、板状で片面を刃物状に研磨され、その先端がセンターロール2aの表面に圧接されている。ドクターブレード6の後端は、ドクターブレード6の刃面とセンターロール2aの表面とのなす角度が常に一定の角度になるとともに、一定圧でセンターロール2aに圧接するように、ブレード押さえ板6aで固定されている。ドクターブレード6の位置からセンターロール2aの回転方向と逆方向へ少し進んだ位置には、スプレーノズル7がセンターロール2aに対面して設置されている。スプレーノズル7は図示しないコンプレッサによってドクターブレードの摩耗防止剤をスプレー可能とされている。スプレーノズル7は、均等扇型ノズル、広角扇型ノズル、片扇型ノズル、空円錐ノズル、充円錐型ノズル、充角錐型ノズル、直進ノズル等の各種ノズルから適宜選択して使用される。
また、第2プレスパート2には、プレスロール3aとプレスロール3bとが対面して設けられており、プレスロール3aにはフェルト8が架けられている。湿紙1はフェルト8とともにプレスロール3aとプレスロール3bとの間をプレスされながら通過するようになっている。プレスロール3bに対面する位置には、ドクターブレード9及びスプレーノズル10が設置されている。ドクターブレード9及びスプレーノズル10の構造は第1プレスパート2の場合と同様とされており、説明を省略する。
以上のように構成された抄紙機では、ワイヤパートから供給された湿紙1はフェルト4に貼り付けられた状態で移動し、湿紙1に含まれている水分がフェルト4に移行する。そしてセンターロール2aとプレスロール2b及びセンターロール2aとプレスロール2cによって2度圧縮され、湿紙1及びフェルト4、5に含まれている水分が除去される。この際、湿紙1と直接接触するプレスロール2aの表面には、湿紙1に含まれている原料由来のピッチや、古紙原料に含まれるホットメルトインク、微細繊維、各種添加薬剤等が付着する。こうした付着物は、ドクターブレード6によって掻き取られる。そして、湿紙1はフェルト8に張り付いた状態で第2プレスパート3に移動し、プレスロール3a、3bによって圧縮されて更なる脱水が行われる。ここでも、湿紙1と直接接触するプレスロール3bの表面の付着物がドクターブレード9によって掻き取られる。第2プレスパート3において水分が少なくされた湿紙1はフェルト8と分離され、次の乾燥工程へ向かう。
上記抄紙機を用い、スプレーノズル7、10から上記実施例1及び比較例1、2の組成の液を噴霧しながら湿紙1のプレス工程を行った。そして一定期間運転後、抄紙機を止めて、ドクターブレード6を取り外し、ドクターブレード6の幅を測定し、磨耗損失量を測定した。
<結果>
表1から、実施例のドクターブレードの摩耗スピードは、比較例1、2と比べて、きわめて遅いことが分かる。
表1から、実施例のドクターブレードの摩耗スピードは、比較例1、2と比べて、きわめて遅いことが分かる。
これは、実施例1ではスプレーノズル7から噴霧されたフッ素有機化合物分散液中に分散されているPTFE粉末がセンターロール2aに付着し、ドクターブレード6とセンターロール2aとの摩擦力を低減させるためである。
また、プレスロール2aの表面の目視観察により、実施例1では比較例1、2と比較し、明らかに付着物の量が少なかった。
<90°剥離試験>
上記実施例1及び比較例3〜5の組成の液を用い、剥離試験を行った。すなわち、フリーネス400(CSF:カナディアンスタンダード)のLBKPを使用し、TAPPI式手抄シートマシンにて、坪量70g/m2の手抄シートを作成し、作成した手抄シートを幅1.5cm×長さ28cmの短冊状に切り、試験片とする。そして、この試験片を実施例1のフッ素有機化合物分散液及び比較例3〜5に係る噴霧液に10秒間浸漬した後、ステンレス板上に載せ、0.5kg/cm2の圧力で10秒間プレス脱水を行う。その後、引っ張り試験機(ストログラM−50 東洋精機製作所製)にセットし、50mm/minのスピードで90°剥離試験を行い、引張力の最大値を剥離力として評価を行った。この剥離力の小さいものほどプレスロールから紙が剥がれやすくなるため、紙の過付着現象も生じにくくなる。結果を表2に示す。
上記実施例1及び比較例3〜5の組成の液を用い、剥離試験を行った。すなわち、フリーネス400(CSF:カナディアンスタンダード)のLBKPを使用し、TAPPI式手抄シートマシンにて、坪量70g/m2の手抄シートを作成し、作成した手抄シートを幅1.5cm×長さ28cmの短冊状に切り、試験片とする。そして、この試験片を実施例1のフッ素有機化合物分散液及び比較例3〜5に係る噴霧液に10秒間浸漬した後、ステンレス板上に載せ、0.5kg/cm2の圧力で10秒間プレス脱水を行う。その後、引っ張り試験機(ストログラM−50 東洋精機製作所製)にセットし、50mm/minのスピードで90°剥離試験を行い、引張力の最大値を剥離力として評価を行った。この剥離力の小さいものほどプレスロールから紙が剥がれやすくなるため、紙の過付着現象も生じにくくなる。結果を表2に示す。
<結果>
表2から、実施例1及び実施例2の90°剥離力は、比較例3〜5に比べて剥離力が小さいことがわかる。
表2から、実施例1及び実施例2の90°剥離力は、比較例3〜5に比べて剥離力が小さいことがわかる。
本発明のドクターブレードの摩耗防止方法は、抄紙機のプレスパートにおいて好適に用いることができる。
6、9…ドクターブレード
1…湿紙
2a、3b…プレスロール
1…湿紙
2a、3b…プレスロール
Claims (8)
- 多量の水分を含んだ湿紙を一対のプレスロール間に挟んで該湿紙を脱水するとともに、該プレスロールにドクターブレードを圧接させて該プレスロールの付着物の除去を行う
抄紙プレス工程において、アルキル基の水素の一部又は全部がフッ素で置換されたフッ素置換アルキル基を有するフッ素有機化合物を該プレスロールに付着させることを特徴とするドクターブレードの摩耗防止方法。 - フッ素有機化合物はフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1記載のドクターブレードの摩耗防止方法。
- フッ素有機化合物はフッ素置換アルキル基を有するリン酸エステルであることを特徴とする請求項1記載のドクターブレードの摩耗防止方法。
- フッ素有機化合物が粉末状である場合、平均粒子径は10μm〜0.005μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のドクターブレードの摩耗防止方法。
- フッ素有機化合物が粉末状である場合、平均粒子径は1μm〜0.01μmの範囲であることを特徴とする請求項4記載のドクターブレードの摩耗防止方法。
- プレスロール表面へのフッ素有機化合物の付着は、該フッ素有機化合物が液体に分散されたフッ素有機化合物分散液を噴霧することにより行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のドクターブレードの摩耗防止方法。
- 液体にはフッ素有機化合物を分散させるための界面活性剤が添加されていることを特徴とする請求項6記載のドクターブレードの摩耗防止方法。
- 液体は水とアルコールとの混合溶媒であることを特徴とする請求項6又は7記載のドクターブレードの摩耗防止方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007064699A2 (en) * | 2005-11-30 | 2007-06-07 | Eveready Battery Company, Inc. | Razor blade and method of making it |
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2004
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