JP2005272904A - アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明が解決しようとする問題点は、6価クロムの如き毒性を有せず、水溶性処理が可能で、耐食性の高い表面処理を施したアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を陽極酸化処理する工程と、セリウム(Ce)(III)を含む水溶液中で2次電解する工程と、ランタン(La)、セリウム(Ce)の中から選択された1以上のpH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液で封孔処理する工程とを含むことを特徴とするアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。
【選択図】 無し
【解決手段】 アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を陽極酸化処理する工程と、セリウム(Ce)(III)を含む水溶液中で2次電解する工程と、ランタン(La)、セリウム(Ce)の中から選択された1以上のpH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液で封孔処理する工程とを含むことを特徴とするアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。
【選択図】 無し
Description
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法特に陽極酸化処理皮膜の2次電解と封孔処理の改良に関するものである。
従来アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法として、硫酸或いは蓚酸など電解液を用いて陽極酸化処理を施し、ついで、この表面の微細孔を封孔処理することが行われている。また、アルミニウム又はアルミニウム合金は、6価クロムを含んだ溶液に浸漬する化成処理としての防錆方法等があり、塗装の密着性がよく、耐食性もあり、低コストである点から広く使用されていた。しかしながら近時は、クロムの使用は、人体への悪影響もあり、環境上好ましくないとの見地から使用が禁止される状況にあり、これに変わる代替技術の出現が待望されている。
特開2003−119594号公報
本発明が解決しようとする問題点は、6価クロムの如き毒性を有せず、水溶性処理が可能で、耐食性の高い表面処理を施したアルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を処理するに際して、封孔処理材として、クロムと同じ遷移金属であるモリブデン、タングステン及びセリウムに着目し、種々検討した。その結果、セリウムが水溶性で塩素を含まないで使用できるため環境に対して悪影響がなく好ましいこと、pHが極端な塩基性でなく水溶性であること、レイティングナンバーが大きく、全腐食面積率が小さいことから非常に優れた耐食性を有し、セリウムを皮膜を介し素材に強固に付着して設けることができることを見出した。特に、アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を陽極酸化した後、セリウムを含む水溶液中で2次電解をするときは、後のランタン、セリウムの中から選択された1以上の金属塩の水溶液で封孔処理する工程の効果を最高に生かすことができることを見出した。
なお、陽極酸化処理を公知の手段で、例えば、アルミニウム或いはアルミニウム合金を25重量%の硫酸浴中にて10℃内外で、電流密度3A/dm2の直流で、15分間電解すれば良い。
なお、陽極酸化処理を公知の手段で、例えば、アルミニウム或いはアルミニウム合金を25重量%の硫酸浴中にて10℃内外で、電流密度3A/dm2の直流で、15分間電解すれば良い。
すなわち、本発明は、アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を陽極酸化処理する工程と、ランタン(La)、セリウム(Ce)(III)の中から選択された1以上のpH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液で、封孔処理する工程とを含むことを特徴とするアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項1)
アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を陽極酸化処理する工程と、セリウム(III)を含む水溶液中で2次電解する工程と、ランタン、セリウムの中から選択された1以上のpH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液で、封孔処理する工程とを含むことを特徴とするアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項2)
セリウム(Ce)(III)を含む水溶液中で2次電解において、セリウム(Ce)(III)を0.001〜0.04Mを含む水溶性塩の水溶液中で、処理物に負の成分が含まれる電流を流すことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項3)
2次電解の電流密度を、0.05〜1.0A/dm2、電解時間30秒〜10分としたことを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項4)
ランタン(La)、セリウム(Ce)(III)の中から選択された1以上の水溶性塩の水溶液で、封孔処理する工程として、90℃以上、pH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液を用いて5〜30分間封孔処理することを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項5)
ランタン(La)、セリウム(Ce)(III)の中から選択された1以上の水溶性塩の水溶液の中に、非イオンの曇点100℃以上の界面活性剤を1〜5ml添加することを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項6)
アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を陽極酸化処理する工程と、セリウム(III)を含む水溶液中で2次電解する工程と、ランタン、セリウムの中から選択された1以上のpH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液で、封孔処理する工程とを含むことを特徴とするアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項2)
セリウム(Ce)(III)を含む水溶液中で2次電解において、セリウム(Ce)(III)を0.001〜0.04Mを含む水溶性塩の水溶液中で、処理物に負の成分が含まれる電流を流すことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項3)
2次電解の電流密度を、0.05〜1.0A/dm2、電解時間30秒〜10分としたことを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項4)
ランタン(La)、セリウム(Ce)(III)の中から選択された1以上の水溶性塩の水溶液で、封孔処理する工程として、90℃以上、pH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液を用いて5〜30分間封孔処理することを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項5)
ランタン(La)、セリウム(Ce)(III)の中から選択された1以上の水溶性塩の水溶液の中に、非イオンの曇点100℃以上の界面活性剤を1〜5ml添加することを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。(請求項6)
本発明は上記の方法で処理するために、塩水中でも耐食性の高いアルミニウム或いはアルミニウム合金の陽極酸化物の改良を達成したものである。
本発明は、陽極酸化処理に加えて、ランタン(La)、セリウム(Ce)(III)の中から選択された1以上のpH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液で、封孔処理することで、高度の塩水耐食性を達成した。特にセリウム(III)を含む水溶液中で予め2次電解して上記の封孔処理することにより最高の防食効果が得られたものである。
なお、本発明は勿論比較例においても陽極酸化、2次電解、封孔処理の各工程のあとでは、通常水洗乾燥が行われる。
また、本発明で、水溶性塩とは、硫酸塩、酢酸塩が代表的であるが、これに限定されるものではない。
なお、本発明は勿論比較例においても陽極酸化、2次電解、封孔処理の各工程のあとでは、通常水洗乾燥が行われる。
また、本発明で、水溶性塩とは、硫酸塩、酢酸塩が代表的であるが、これに限定されるものではない。
本発明において用いられるアルミニウム或いはアルミニウム合金は、例えば展伸用アルミニウム合金及びダイカスト用アルミニウム合金等いずれのものでも良い。
実施例1
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液中で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。
次にセリウム(III)を0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液中で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。
次にセリウム(III)を0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
実施例2
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。
次にランタン(La)を0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。
次にランタン(La)を0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
実施例3
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む酢酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。
次にランタン(La)、セリウム(Ce)(III)を各々0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む酢酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。
次にランタン(La)、セリウム(Ce)(III)を各々0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
実施例4
材質A2017アルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。
次にセリウム(Ce)(III)を0.04M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質A2017アルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。
次にセリウム(Ce)(III)を0.04M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
実施例5
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、2次電解すること無しに、次にセリウム(Ce)(III)を0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら陽極酸化処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、2次電解すること無しに、次にセリウム(Ce)(III)を0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら陽極酸化処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
実施例6
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、2次電解すること無しに、次にランタン(La)を0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら陽極酸化処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、2次電解すること無しに、次にランタン(La)を0.02M含むpH5.0の水溶液を90℃以上の温度に保持しながら陽極酸化処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
実施例7
実施例3で作成したテストピースにウレタン塗装(20μm)とクリア塗装(10μm)を施したものにクロスカット試験を行い、塩水噴霧試験2000Hを行った。
その結果、腐食の進行はクロスカット部から片側0.5mm以下であった。なお、五番目テープ密着試験を行ったが、塗装剥がれは生じなかった。
実施例3で作成したテストピースにウレタン塗装(20μm)とクリア塗装(10μm)を施したものにクロスカット試験を行い、塩水噴霧試験2000Hを行った。
その結果、腐食の進行はクロスカット部から片側0.5mm以下であった。なお、五番目テープ密着試験を行ったが、塗装剥がれは生じなかった。
比較例1
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。次に酢酸・ニッケル水溶液(濃度0.02mol)を90℃以上の温度に保持して2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。次に酢酸・ニッケル水溶液(濃度0.02mol)を90℃以上の温度に保持して2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
比較例2
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に2次電解をすること無しに0.02Mの酢酸ニッケル水溶液を90℃以上の温度に保持しながら陽極酸化処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に2次電解をすること無しに0.02Mの酢酸ニッケル水溶液を90℃以上の温度に保持しながら陽極酸化処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
比較例3
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。次に90℃以上の温度に保持したpH8.5のアンモニア水の温水溶液中に2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。次に90℃以上の温度に保持したpH8.5のアンモニア水の温水溶液中に2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
比較例4
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。次に90℃以上の温度に保持した純水中に2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
材質ADC12のアルミニウム合金を用い、アルカリ脱脂を5分間行った後、硫酸300g/lを含む水溶液で10μmの陽極酸化処理を行い、次に0.002Mのセリウム(Ce)(III)を含む硫酸塩水溶液中で2次電解をした。2次電解の電流は、負の成分が含まれる電流を流した。この際の電流密度は0.05A/dm2、電解時間は5分とした。次に90℃以上の温度に保持した純水中に2次電解処理物を浸漬して20分間封孔処理を行った。
上記本発明の実施例と比較例とについて、JIS Z 2371による中性塩水噴霧試験を240時間行いレイティングナンバと全腐食面積率を調べた。その結果は表1のとおりである。
これによれば、少なくともランタン・セリウムのいずれかによる封孔処理をしたものは、耐食性が高まり、特に2次電解をセリウム塩で行ったものは、更に耐食性が良いことが認められた。その結果は表1の比較試験データに示すとおりである。
なお、セリウム塩は耐食性が良いが、ランタン塩水溶液はpHの変動が少なく、耐食性に優れた封孔処理をなし得ることが認められた。
更に、2次電解に用いるセリウム塩の水溶液はセリウム(Ce)0.001〜0.04Mが好ましい。0.001Mよ少ないと2次電解によるセリウム塩の付着が不十分となり、0.04Mより多いと、高価なセリウム(Ce)を無駄にする結果となるので好ましくない。
また、封孔処理に使用されるランタン(La)・セリウム(Ce)のいずれか若しくは両者を共用する場合0.001M〜0.04Mが好ましく、0.001Mよ少ないと2次電解によるセリウム塩の付着が不十分となり、0.04Mより多いと、高価なセリウム(Ce)を無駄にする結果となるので好ましくない。
2次電解に使用される負成分が含まれる電流は、交流若しくは負の直流、若しくは交直重畳、PRの電流が用いられる。そして、電流密度は0.05〜1.0A/dm2,電解時間は30秒〜10分で十分である。
これによれば、少なくともランタン・セリウムのいずれかによる封孔処理をしたものは、耐食性が高まり、特に2次電解をセリウム塩で行ったものは、更に耐食性が良いことが認められた。その結果は表1の比較試験データに示すとおりである。
なお、セリウム塩は耐食性が良いが、ランタン塩水溶液はpHの変動が少なく、耐食性に優れた封孔処理をなし得ることが認められた。
更に、2次電解に用いるセリウム塩の水溶液はセリウム(Ce)0.001〜0.04Mが好ましい。0.001Mよ少ないと2次電解によるセリウム塩の付着が不十分となり、0.04Mより多いと、高価なセリウム(Ce)を無駄にする結果となるので好ましくない。
また、封孔処理に使用されるランタン(La)・セリウム(Ce)のいずれか若しくは両者を共用する場合0.001M〜0.04Mが好ましく、0.001Mよ少ないと2次電解によるセリウム塩の付着が不十分となり、0.04Mより多いと、高価なセリウム(Ce)を無駄にする結果となるので好ましくない。
2次電解に使用される負成分が含まれる電流は、交流若しくは負の直流、若しくは交直重畳、PRの電流が用いられる。そして、電流密度は0.05〜1.0A/dm2,電解時間は30秒〜10分で十分である。
なお、セリウムで2次電解において、負の成分が含まれる電流を流す。負の成分が含まれる電流とは、交流、負の直流、交直重畳、PRの電流を指す。又封孔処理液に、非イオンの曇点100℃以上の界面活性剤例えばポリオキシエチレンを1〜5ml添加することにより水酸化物の沈殿をいくらかでも遅くすることが出きるので、好ましい。
また、陽極酸化処理は硫酸、蓚酸、クロム酸、りん酸などの適宜な濃度のものを使用することで、多孔質の2〜100μmの酸化皮膜が形成され、2次電解でセリウム(Ce)がその皮膜内に付着し、セリウム(Ce)等による封孔処理をより効果的なものとすることができる。
また、陽極酸化処理は硫酸、蓚酸、クロム酸、りん酸などの適宜な濃度のものを使用することで、多孔質の2〜100μmの酸化皮膜が形成され、2次電解でセリウム(Ce)がその皮膜内に付着し、セリウム(Ce)等による封孔処理をより効果的なものとすることができる。
本発明は、簡単な方法で、耐食性の処理ができるので、従来の6価クロムのような公害を発生する金属を使用することなく、6価クロムの表面処理とほぼ同等の表面処理を達成したものであり、特に塩水に耐食性のある表面処理を達成することができるので、アルミニウム又はアルミニウム合金の応用分野を拡大する可能性がある。
Claims (6)
- アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を陽極酸化処理する工程と、ランタン(La)、セリウム(Ce)(III)の中から選択された1以上のpH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液で封孔処理する工程とを含むことを特徴とするアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。
- アルミニウム或いはアルミニウム合金の表面を陽極酸化処理する工程と、セリウム(III)を含む水溶液中で2次電解する工程と、ランタン(La)、セリウム(Ce)(III)の中から選択された1以上のpH5.0〜7.0の水溶性塩の水溶液で封孔処理する工程とを含むことを特徴とするアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。
- セリウム(Ce)(III)を含む水溶液中で2次電解において、セリウム(Ce)(III)を0.001〜0.04Mを含む水溶性塩の水溶液中で、処理物に負の成分が含まれる電流を流して2次電解することを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。
- 2次電解の電流密度を、0.05〜1.0A/dm2、電解時間30秒〜10分としたことを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。
- ランタン、セリウム(III)の中から選択された1以上の金属塩の水溶液で、封孔処理する工程として、90℃以上、pH5.0〜7.0のランタン、セリウム(III)の水溶性塩の水溶液を用いて5〜30分間封孔処理することを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。
- ランタン、セリウム(III)の中から選択された1以上の水溶性塩の水溶液の中に、非イオンの曇点100℃以上の界面活性剤を1〜5ml添加することを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム或いはアルミニウム合金の表面処理方法。
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