JPH0215192A - アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸
化皮膜の新規な封孔処理方法に関する。

従来の技術とその問題点 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜は多
孔質であるためそのままでは耐食性、耐汚染性が著しく
劣るという欠点をもつ。そこでこの欠点を補うために通
常陽極酸化皮膜には封孔処理が施される。

封孔処理方法としては、加圧水蒸気による方法沸騰水に
よる方法、酢酸ニッケル等の金属塩水溶液中で沸騰状態
で行なう方法などがあり、従来から行なわれている。こ
れらの処理方法のうち加圧水蒸気法は設備的に大型の材
料の処理が困難であり、沸騰水法は耐食性が不十分であ
り、酢酸ニッケル等の金属塩法は封孔浴の安定性が悪く
しかも陽極酸化皮膜表面に粉吹きを生じやすいという欠
点をもっている。またこれらの処理方法は共通して高温
長時間の処理を必要とするため、エネルギコスト及び設
備費が高くなり作業環境にもよくない。

これに対して近年ニッケル塩とフッ化物を主成分とする
低温封孔剤が開発された。しかしながらこの種の低温封
孔剤による被処理物は封孔処理直後の耐食性が悪く、安
定した耐食性を得るためには封孔処理後数時間ないし数
日のエージングを必要とするという実用上好ましからざ
る性質をもっている。

問題点を解決するための手段 本発明者は、上記封孔処理方法の問題点を解消すべく鋭
意研究した結果、アルミニウム及びアルミニウム合金の
陽極酸化皮膜をフッ化チタン塩及び水溶性亜鉛化合物を
含む水溶液中で低温処理することにより、従来の沸騰水
封孔に比へ格段にすぐれた耐食性を上記陽極酸化皮膜に
付与することができ、しかもその耐食性は封孔直後から
発現することを見出した。

発明の構成 本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸
化皮膜を、フッ化チタン塩及び水溶性亜鉛化合物を溶解
した水溶液中で低温処理することを特徴とする上記陽極
酸化皮膜の封孔処理方法に係る。

本発明の処理対象であるアルミニウム又はその合金の陽
極酸化皮膜としては常法により形成される皮膜のいずれ
でもよく、例えば硫酸法、シュウ酸法、リン酸法、クロ
ム酸法等により形成される一次電解皮膜のみならず、二
次電解により形成されるものも含まれる。

本発明におけるフッ化チタン塩としては、フッ化チタン
カリウム、フッ化チタンナトリウム等のアルカリ金属塩
と、フッ化チタンアンモニウム塩を挙げることができ、
これらの少なくとも１種を用いる。フッ化チタン塩の濃
度は特に限定されるものではないが、チタン金属に換算
して通常０゜２〜２９／、ｉｌ程度が好ましい。濃度が
０．２ＳＪ／ρより低い場合は、十分な耐食性が得られ
にくくまた２ｙ／ｆｌよりも高い場合耐食性には悪影響
はみられないか封孔浴の安定性が若干悪くなる傾向にあ
るので実用上は上記濃度範囲が適当である。

本発明にあける水溶性亜鉛化合物としては、具体的には
フッ化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、ケイフッ化亜鉛、ホ
ウフッ化亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられるがこれらに限定
されるものではない。これら水溶性亜鉛化合物は単独で
は低温封孔剤としての効果を発揮するものではないが、
フッ化チタン塩と併用することによりフッ化チタン塩の
封孔性能をさらに向上させる働きをもつ。水溶性亜鉛化
合物の濃度は特に限定されるものではないが、効果と経
済性を考慮するならば亜鉛金属として０゜０５〜１．２
ｓ／ρ程度が適当である。

本発明で用いるフッ化チタン塩及び水溶性亜鉛化合物の
水溶液には、必要に応じて界面活性剤を適量添加しても
よい。界面活性剤を添加することによりぬれか良くなり
均一な封孔処理皮膜になるという利点が得られる。上記
界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩
、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシ
エヂレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニールエーテル等のノニオン系界面活性剤
を挙げることができる。

また、本発明方法によって処理されたアルミニウム及び
アルミニウム合金の陽極酸化皮膜には、低温処理のため
か粉吹きはほとんどみられないかさらに万全を期するた
めに既知の粉吹き防止剤を上記封孔処理液に添加しても
よい。粉吹き防止剤としては、具体的にはりゲニンスル
ホン酸塩、スルホサリチル酸塩、ホスホン酸塩、デキス
トリン芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物等が挙げら
れる。

本発明においては、封孔処理を低温で行うことを必須と
する。即ち本発明によれば、通常２０〜６０℃程度、好
ましくは２５〜４０°Ｃ程度という低温下で上記水溶液
中に陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム又はアルミ
ニウム合金を浸漬することによって封孔処理が行なわれ
る。処理温度が２０℃未満では十分な耐食性が得られず
、また６０′Ｃを越えると処理皮膜の耐食性は向上する
ものの皮膜表面が虹色を呈するようになり、封孔浴の安
定性も低下するので好ましくない。封孔処理時間は特に
限定されず、封孔浴濃度、処理温度、又は陽極酸化皮膜
の膜厚等に応じて適宜決定すれば良いが、通常５〜３０
分程度とするのが適当である。

実　　施　　例 次に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。

実施例　１ アルミニウム板（ＪＩＳ　　Ａ１１００）を常法に従い
アルカリ脱脂、酸洗浄をした。これを１５％硫酸水溶液
中で温度２１±１°Ｃ１電流密度２０ｍＡ／ｃｍ２の条
件で１５分間陽＠酸化を行った。次にこれを第１表に示
した種々の封孔浴で処理を行ないその耐食性及び封孔度
を調べた。その結果も同時に第１表に示す。

第 表 注Ｉ　　ＪＩＳ　Ｈ８６８１−１９８０３，１，アルカ
リ滴下試験性２　　ＪＩＳ　Ｈ８６８３−１９７９３，
２，リン酸クロム酸水溶液浸漬試験 実施例　２ 実施例１と同様の操作で陽極酸化したアルミニウム板を
第２表に示した封孔浴てそれぞれ３０℃で１５分間封孔
処理を行ない、封孔処理後室温で一定時間エージングし
た後の皮膜の耐食性及び封孔度を調ぺた。その結果を同
時に第２表に示す。

第 表 以上の実施例から、本発明方法により処理されたアルミ
ニウムの陽極酸化皮膜は、低温処理にもかかわらず優れ
た耐酸性及び封孔度を示し、エジングも必要ないことが
分かる。

（以　上） 特許出願人　　日本染化工業株式会社 ＝１０

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化皮
   膜を、フッ化チタンカリウム、フッ化チタンナトリウム
   及びフッ化チタンアンモニウムの中から選ばれた少なく
   とも１種類と、水溶性亜鉛化合物を溶解した水溶液中で
   低温処理することを特徴とする上記陽極酸化皮膜の封孔
   処理方法。
2. （２）処理温度が２０〜６０℃である特許請求の範囲第
   （１）項に記載の方法。