JP2005272878A - 表面被覆Ti基サーメットおよびその製造方法並びに切削工具 - Google Patents

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【課題】 表面における耐塑性変形性の向上および硬質被覆層への衝撃よる突発欠損を防止して、耐欠損性および耐摩耗性に優れた表面被覆Ti基サーメットおよびその製造方法並びにこれを用いた切削工具を提供する。
【解決方法】 Tiと、それ以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上との複合金属炭窒化物からなる硬質相を、鉄族金属からなる結合相:10〜20質量%にて結合してなり、内部から表面に向かって結合相濃度が減少して表面から10〜100μmの深さ位置までに極小値をとる第1の表面領域と、次いで該極小値から焼結体表面に向かって結合相濃度が増加して表面での結合相濃度が内部以上となる第2の表面領域とを具備するサーメット母材の表面に、硬質被覆層を被覆した表面被覆Ti基サーメットを作製する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面被覆Ti基サーメットとその製造方法および切削工具に関し、特に、硬度に優れるとともに耐熱衝撃性を有して優れた切削性能を長期に亘って発揮する表面被覆Ti基サーメット製切削工具に関するものである。
従来より、耐摩耗性工具や切削工具用合金としてTiCやTiCNを主成分とするTi基サーメットが開発されており、特に靭性を改善したTiCNを主体とするTi基サーメットが広く用いられている。また、かかるTi基サーメットを母材としてこの表面に硬質被覆層を形成し、部材の耐摩耗性を高めることが行われている。
一方、超硬合金では母材表面における結合相濃度を高めて硬質被覆層の耐衝撃性を高め、硬質被覆層チッピングの発生を防止することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
他方、サーメットにおいても表面領域における結合相の濃度分布を制御することが行われており、特許文献2では、サーメットの表面に80質量%以上が結合相にて構成される表面領域(表層)を備えたサーメットを形成することによって、クラックの進展が抑制されて強度を高めることができると記載されている。
また、特許文献3では、冷却中に窒素ガスを導入することにより、サーメット表面に窒素濃度が高く、かつ結合相濃度が内部よりわずかに高い表面層を存在せしめて表面硬度が高く、母材表面での耐摩耗性と耐塑性変形性を高めたサーメット焼結体を作製する方法が開示されている。
特開平4−120274号公報 特開2001−181775号公報 特表2001−524886号公報
しかしながら、特許文献2のように、単純に表面における結合相の濃度を高めたサーメット母材においては、その表面に硬質被覆層を形成した場合の耐欠損性および耐摩耗性の最適化には対応されておらず、切刃が塑性変形して精密な切削ができなくなったり、繰り返し使用による熱疲労によって硬質被覆層の剥離が発生する等の問題を解消することはできなかった。また、特許文献3のようにサーメット母材の表面に高硬度の表面層を有するサーメット母材であっても、硬質被覆層を有するサーメットに比較すると耐摩耗性の点で劣り、また、この高硬度表面層の表面にさらに硬質被覆層を形成すると、硬質被覆層が衝撃によってチッピングしやすく結果的に耐欠損性が低下するという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、表面に硬質被覆層を形成した表面被覆Ti基サーメットに関して、表面における耐塑性変形性の向上および硬質被覆層への衝撃よる突発欠損を防止して、耐欠損性および耐摩耗性に優れた表面被覆Ti基サーメットおよびその製造方法並びにこれを用いた切削工具を提供することにある。
本発明は、表面に硬質被覆層を形成するサーメット母材について、Tiと、それ以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上との複合金属炭窒化物からなる硬質相を、鉄族金属からなる結合相:5〜20質量%にて結合した組成とし、かつ、内部から表面に向かって結合相濃度が減少して表面から10〜100μmの深さ位置までに極小値をとる高硬度の第1の表面領域と、次いで該極小値から焼結体表面に向かって結合相濃度が増加して表面での結合相濃度が内部以上となる高耐熱衝撃性と硬質被覆層の高付着力とを有する表面構成とすることによって、耐摩耗性および硬質被覆層の耐欠損性が高く、かつ硬質被覆層表面における耐塑性変形性を高めることができることを特徴とする。
ここで、前記結合相濃度の極小値Mが、前記サーメット母材の内部における結合相濃度Mに対する比(M/M)で0.5〜0.8となること、および前記サーメット母材の表面における結合相濃度Mが、前記サーメット母材の内部における結合相濃度Mに対する比(M/M)で1.5〜3.0となることが、硬質被覆層表面の耐塑性変形性および耐欠損性を高める点で望ましい。
また、表面から結合相濃度が極小値を取るまでの前記第2の表面領域において、前記硬質相の平均粒径が1μm以下の粒子で構成されることが、サーメット表面における耐塑性変形性の点で望ましい。
さらに、前記サーメット内部において、前記結合相のうち少なくとも80モル%以上がCoであることが、サーメットの熱伝導を高め、かつ熱収縮による熱疲労を小さくできるとともに、前記硬質被覆層を化学蒸着法にて成膜した場合においても硬質被覆層がNiやFeの存在によって異常粒成長して不均一となることなく硬度および耐摩耗性の高い硬質被覆層を均一に形成できる点で望ましい。
また、本発明の表面被覆Ti基サーメットの製造方法は、TiCN粉末、それ以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上の炭化物粉末、窒化物粉末、炭窒化物粉末の少なくとも1種、鉄族金属粉末を、前記粉末のうちの炭素成分の含有量/鉄族金属粉末の比率が0.2〜0.3の割合となるように調合して混合した混合粉末を成形し、真空もしくは0.1Pa以下の不活性雰囲気中で室温から1200℃まで加熱し、1200℃から0.7〜2℃/minの昇温速度で1250〜1350℃まで昇温し、次いで、不活性ガスを0.5Pa〜7kPa導入した雰囲気で5〜10℃/minの昇温速度で1400〜1550℃まで昇温し、所定時間保持後、冷却したサーメット母材の表面に、硬質被覆層を成膜するものである。
また、本発明の切削工具は、被削材に切刃を当てて加工するものであって、上記表面被覆Ti基サーメットからなる。
本発明の表面被覆Ti基サーメットは、表面に硬質被覆層を形成するサーメット母材について、Tiと、それ以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上との複合金属炭窒化物からなる硬質相を、鉄族金属からなる結合相:5〜20質量%にて結合した組成とし、かつ、内部から表面に向かって結合相濃度が減少して表面から10〜100μmの深さ位置までに極小値をとる高硬度の第1の表面領域と、次いで該極小値から焼結体表面に向かって結合相濃度が増加して表面での結合相濃度が内部以上となる高耐熱衝撃性と硬質被覆層の高付着力とを有する表面構成とすることによって、耐摩耗性および硬質被覆層の耐欠損性が高く、かつ硬質被覆層表面における耐塑性変形性を高めることができる。
本発明の表面被覆Ti基サーメットは、Tiと、それ以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上との複合金属炭窒化物からなる硬質相を、鉄族金属からなる結合相:5〜20質量%にて結合してなり、内部から表面に向かって結合相濃度が減少して表面から10〜100μmの深さ位置までに極小値をとる第1の表面領域と、次いで該極小値から焼結体表面に向かって結合相濃度が増加して表面での結合相濃度が内部以上となる第2の表面領域とを具備するサーメット母材の表面に、硬質被覆層を被覆したことを特徴とし、これによって、耐摩耗性が高く、硬質被覆層の付着力および耐欠損性にも優れ、かつ硬質被覆層表面における耐塑性変形性を高めることができる。
ここで、結合相の含有量が5質量%より少なくなるとサーメット母材自体の耐欠損性が急激に低下してしまう。逆に結合相の含有量が20質量%より多くなるとサーメット母材自体の耐塑性変形性および耐摩耗性が急激に低下してしまう。また、前記第2の表面領域が表面から10μmより薄いと、硬質被覆層の耐衝撃性が悪化して硬質被覆層にチッピングが発生しやすくなりサーメット表面における耐欠損性が低下する。逆に、前記第2の表面領域が表面から100μmを超えると硬質被覆層表面が母材とともに塑性変形してしまう。さらに、前記第1の表面領域が存在しないとサーメット表面の耐欠損性が低下してしまう。
一方、前記結合相濃度の極小値Mが、前記サーメット母材の内部における結合相濃度Mに対する比(M/M)で0.5〜0.8となること、および最表面結合相濃度Msが結合相濃度Mに対する比(M/M)で1.5〜3.0となることが、サーメット母材表面における塑性変形を極力小さくできるとともに、第2の表面領域の深さを所定範囲に調整することができ、結果的に硬質被覆層表面の耐塑性変形性および耐欠損性が向上する点で望ましい。
ここで、表面から結合相濃度が極小値を取るまでの前記第2の表面領域において、前記硬質相の平均粒径が1μm以下の粒子で構成されることが、サーメット母材表面における耐衝撃性および耐塑性変形性の点で望ましい。また、この第2の表面領域における硬質相の構成元素は、50質量%以上がTiからなることが硬質被覆層との密着性を高める点で望ましい。
なお、前記硬質相の平均粒径が2μm以下であることが、サーメットの硬度および強度を高めて、サーメットの耐摩耗性を向上させる点で望ましい。
さらに、前記サーメット内部において、前記結合相のうち少なくとも80モル%以上がCoであることが、サーメットの熱伝導および熱収縮による熱疲労を防止できるとともに、前記硬質被覆層を化学蒸着法にて成膜した場合においても硬質被覆層が異常粒成長して不均一となることなく硬度および耐摩耗性の高い硬質被覆層を形成できる点で望ましい。
なお、本発明によれば、上記Ti基サーメット母材の表面に、周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、Al、cBN、ダイヤモンドやDLC等の硬質炭素から選ばれる少なくとも1種の硬質被覆層、特に、(Ti,M1−x)(C1−y)(ただし、MはTi以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属、Al、Siのうちの1種以上、0<x≦1,0≦y≦1)で表わされる硬質被覆層を単層または2層以上の複層被覆してなる。本発明によれば、上述したように前記硬質被覆層を化学蒸着法にて成膜した場合においても硬質被覆層が異常粒成長して不均一となることなく均一な硬度および耐摩耗性の高い硬質被覆層を形成できることから耐摩耗性の高い安定した耐欠損性を有する均一な膜質の硬質被覆層を形成することができる。
また、サーメット母材中のW元素の濃度が、第1または第2の表面領域において、前記結合相濃度が極小値を取る深さで極大値をとり、その極大値をWM、W元素の表面から1mm以上の深さにおける内部含有量をWとしたとき、WM/W=1.2〜2.0となることが、サーメット母材および硬質被覆層表面での耐塑性変形性を高める点で望ましい。
なお、本発明において、上記サーメット基体の表面と内部における金属元素濃度を測定するには、サーメット断面について波長分散型電子分光分析(EPMA(WDS))にて各元素分布を測定することによって特定することができ、サーメット基体の表面(10μm以内)から内部にわたって元素濃度の深さ方向の分布を測定し、元素濃度がバラツキの範囲内で一定となるまでの元素濃度分布によって判定することができる。本発明では表面からの深さが1000μmの地点での深さ2μmの範囲内における元素濃度の平均値を、内部における元素濃度と規定する。また、表面領域の厚みもサーメット基体の表面から内部に向かって元素濃度の深さ方向の分布から求めることができ、内部の元素濃度に対していずれかの元素濃度が測定データの振幅バラツキを相殺した平均値をプロットしたチャートマップにおいて濃度が変化した地点を表面領域の始まりと特定できる。
さらに、本発明の表面被覆Ti基サーメットの母材は、硬質相として、Tiと、Ti以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上、特にW、Zr、V、Ta、Nb、Mo、Cr、Hfの群から選ればれる少なくとも1種との複合金属炭窒化物からなり、特に、硬質相は、Ti(TiCN)からなる芯部と、Tiと、W、Mo、TaおよびNbのうちの1種以上との複合化合物からなる周辺部とから構成される2重有芯構造、または3重有芯構造をなしていることが、粒成長制御効果を有しサーメット基体が微細で均一な組織となるとともに、結合相との濡れ性に優れてサーメットの高強度化に寄与する点で望ましい。なお、サーメット内部における硬質相の平均粒径rは、耐欠損性の向上の点で2μm以下、特に1μm以下であることが望ましい。
なお、上述したTi基サーメットは、耐摩耗部材等への応用も可能であるが、特に被削材に切刃を当てて加工する切削工具として好適に利用可能である。
(製造方法)
次に、上記本発明のサーメット製切削工具を作製する方法について説明する。
まず、TiCN粉末、それ以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上の炭化物粉末、窒化物粉末、炭窒化物粉末の少なくとも1種、鉄族金属粉末からなる混合粉末を準備する。ここで、本発明によれば、前記粉末のうちの炭素成分の含有量/鉄族金属粉末の比率が0.2〜0.3の割合となるように調合して混合することが重要であり、上記炭素成分の含有量/鉄族金属粉末の比率が上記範囲から外れるとサーメットの焼結状態が変化して上述した組織を形成することが難しくなる。
また、本発明によれば、表面領域の結合相の濃度分布を制御するためにはTiCN原料粉末として平均粒径1.0μm以下、特に0.7μm以下の粉末を、鉄族金属原料粉末として平均粒径2.0μm以下、特に1.0μm以下の原料粉末を用いることが望ましく、これに加えて後述する焼成条件にて焼成することにより前述の表面領域を有するサーメットを作製することができる。
次に、上記混合粉末を所定形状に成形した後、成形し、真空もしくは0.1Pa以下の不活性雰囲気中で室温から1200℃まで加熱し、1200℃から0.7〜2℃/minの昇温速度Aで温度A:1250〜1350℃まで昇温し、次いで、不活性ガスを0.5Pa〜7kPa導入した雰囲気で5〜10℃/minの昇温速度Bで焼成温度B:1400〜1550℃まで昇温し、所定時間維持後、冷却することによりサーメット母材を焼成する。ここで、昇温速度A、Bを上記範囲に制御することによって、焼結体組織の制御が可能となる。
そして、得られたサーメット基体に対して所望により研磨等の表面加工処理した後、化学的蒸着法または物理的蒸着法等のコーティング法を用いて硬質被覆層を単層または2層以上被覆することにより、本発明の表面被覆サーメットを作製することができる。
原料粉末として、平均粒径0.7μmのTiCN粉末と、いずれも0.5〜2μmのTiN粉末、TaC粉末、NbC粉末、WC粉末、ZrC粉末、VC粉末、および平均粒径0.5μmのNi粉末、Co粉末を用い、これら原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで54時間湿式混合し、乾燥した。
次に、上記混合粉末を用いて、成形圧98MPaでプレス成形し、この成形体を各焼成温度Aまで2〜15℃/minで制御しながら昇温した後、表1の焼成条件で昇温して焼成温度Bで2時間焼成し、表1に示す条件で冷却してCNMG120408形状のサーメット焼結体を作製した。なお、試料No.10については、冷却時に窒素1気圧(0.1MPa)雰囲気中、1200℃で20時間熱処理した後室温まで冷却した。
得られたサーメット製切削工具に対して、断面について、サーメット基体の表面近傍について走査型電子顕微鏡(SEM)に付随の波長分散型電子分光分析法(EPMA)を用いて、表面から50μm深さまでを5μm深さ×500μmの領域ごとで面分析し、50〜400μm深さまでを20μm深さ×500μm、400〜1000μm深さまでを100μm深さ×500μmで測定して各領域における結合相濃度を測定し、これをマッピングして表面領域の厚みを定量化するとともに、深さ1000μmでの値:M(内部における結合相濃度)、表面領域の結合相濃度の極小値:ML、最表面の結合相濃度:MSを測定し、さらに内部濃度M基準に対する上記表面領域の結合相濃度の比(ML/M)、(MS/M)を表示した。
また、サーメットをダイヤモンド砥石によって加工し、表1に示す種類の硬質被覆層を被着形成した後、下記条件にて切削性能を評価した。また、各試料について走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行い、7000倍の写真任意5箇所について市販の画像解析ソフトを用いて7mm×7mmの領域で画像解析を行い、硬質相(第1硬質相、第2硬質相)の存在状態を確認した。結果は表2に示した。
さらに、得られた切削工具について、下記切削条件A、Bにて切削評価を行った。結果は表2に耐摩耗性および耐欠損性として表記した。
切削条件A(耐摩耗性試験)
被削材:SCM435
切削速度:250m/min
送り:0.30mm/rev
切込み:2.0mm
切削時間:30分
切削油:エマルジョン(湿式)
評価項目:試験後の逃げ面摩耗幅
切削条件B(耐欠損性試験)
被削材:S45C
被削材:4本溝入り丸棒
切削速度:100m/min
送りおよび切削時間:0.1mm/revで10秒間切削後、送りを0.05mm/revずつ上げて各10秒間ずつ切削(最大送り0.5mm/revまで)
切込み:2mm
評価項目:欠損するまでの総切削時間
Figure 2005272878
Figure 2005272878
表1、2に示される結果から、本発明の範囲内である試料No.1〜6では、いずれも連続切削および断続切削のいずれでも摩耗が少なく、突発欠損が発生することなく優れた切削特性を示している。これに対して、原料粉末中の炭素成分含有量/結合金属粉末の比率pが0.2〜0.3から外れる試料No.8では、第1の表面領域が形成されず、靭性が低くて突発欠損が発生してしまった。また、焼成工程Aの昇温速度Aが所定の範囲から外れる試料No.7では、第2の表面領域が形成されず、耐塑性変形性が低くて突発欠損が発生してしまった。さらに、焼成工程Bの雰囲気および昇温速度が所定範囲から外れる試料No.9では、第2の表面領域の深さが100μmを超え、耐塑性変形性が悪化した。さらには、冷却中に窒素熱処理を施した試料No.10では硬質被覆層を形成しないために摩耗の進行が速かった。

Claims (8)

  1. Tiと、それ以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上との複合金属炭窒化物からなる硬質相を、鉄族金属からなる結合相:5〜20質量%にて結合してなり、内部から表面に向かって結合相濃度が減少して表面から10〜100μmの深さ位置までに極小値をとる第1の表面領域と、次いで該極小値から焼結体表面に向かって結合相濃度が増加して表面での結合相濃度が内部以上となる第2の表面領域とを具備するサーメット母材の表面に、硬質被覆層を被覆した表面被覆Ti基サーメット。
  2. 前記結合相濃度の極小値Mが、前記サーメット母材の内部における結合相濃度Mに対する比(M/M)で0.5〜0.8となる請求項1記載の表面被覆Ti基サーメット。
  3. 前記サーメット母材の表面における結合相濃度Mが、前記サーメット母材の内部における結合相濃度Mに対する比(M/M)で1.5〜3.0となる請求項1または2記載の表面被覆Ti基サーメット。
  4. 前記表面から結合相濃度が極小値を取るまでの第2の表面領域において、前記硬質相の平均粒径が1μm以下の粒子で構成される請求項1乃至3のいずれか記載の表面被覆Ti基サーメット。
  5. 前記サーメット内部において、前記結合相のうち少なくとも80モル%以上がCoである請求項1乃至4のいずれか記載の表面被覆Ti基サーメット。
  6. 前記硬質被覆層が化学蒸着法にて成膜された請求項5記載の表面被覆Ti基サーメット。
  7. TiCN粉末、それ以外の周期律表4a、5aおよび6a族金属のうちの1種以上の炭化物粉末、窒化物粉末、炭窒化物粉末の少なくとも1種、鉄族金属粉末を、前記粉末のうちの炭素成分の含有量/鉄族金属粉末の比率が0.2〜0.3の割合となるように調合して混合した混合粉末を成形し、真空もしくは0.1Pa以下の不活性雰囲気中で室温から1200℃まで加熱し、1200℃から0.7〜2℃/minの昇温速度で1250〜1350℃まで昇温し、次いで、不活性ガスを0.5kPa〜7kPa導入した雰囲気で5〜10℃/minの昇温速度で1400〜1550℃まで昇温し、所定時間保持後、冷却したサーメット母材の表面に、硬質被覆層を成膜する表面被覆Ti基サーメットの製造方法。
  8. 被削材に切刃を当てて加工する切削工具であって、請求項1乃至6のいずれか記載の表面被覆Ti基サーメットからなることを特徴とする切削工具。
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