JP2005272384A - 低比重リポタンパクの酸化変性防止剤および抗アテローム性動脈硬化剤 - Google Patents

低比重リポタンパクの酸化変性防止剤および抗アテローム性動脈硬化剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
優れたLDLの酸化抑制効果を有する抗アテローム性動脈硬化剤を提供することにある。
【解決手段】
下記式(1)で示されるジンゲロール類縁体および/または下記式(2)で示されるジンゲジオール類縁体を含有することを特徴とするLDL酸化抑制剤、および抗動脈硬化剤である。
【化1】
Figure 2005272384

【化2】
Figure 2005272384

(式(1)および式(2)中のR1は、炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R3は炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を示し、Aは炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ジンゲロールおよびジンゲジオールと類似の化学構造を有する化合物の用途に関するものであり、当該化合物は、低比重リポタンパク(LDL)の酸化の防止する性能を有しており、抗アテローム性動脈硬化剤として使用することができる。
動脈硬化症の発症及び進行は、LDLの酸化変性と深く関連することが知られている。アテローム性動脈硬化の初期病変部にはコレステロールを蓄積して泡沫細胞化したマクロファージが内皮細胞下に沈着している病理像が認められ、マクロファージの泡沫細胞化が動脈硬化病変形成の重要なステップであると考えられている。泡沫細胞に蓄積しているコレステロールの供給源は循環しているLDLである。この分子機序として、マクロファージ細胞膜上の、LDL受容体とは異なる受容体(スカベンジャー受容体)を介して酸化LDLをはじめとする変性LDLが飽和されることなく細胞内に取り込まれることといわれている。このような泡沫細胞病変は、さらに血管平滑筋細胞の内膜への遊走・増殖を伴った複雑な病変へと進行し、血管の内膜を狭めることになる。
一方、動脈硬化病変は血管内皮細胞機能障害に対して惹起される慢性炎症反応を基盤として形成されるともとらえられている(例えば、非特許文献参照1および非特許文献2参照)。これは血管内皮細胞に障害を引き起こす内皮障害因子が作用すると、内皮細胞の機能変化が生じ、単球、マクロファージの関与によって動脈硬化に進行するというものである。内皮障害因子としては、高血圧、喫煙、高脂血症、感染、酸化ストレスなどがあげられる。酸化LDLはマクロファージのみならず血管内皮細胞に作用することが知られており(例えば非特許文献3参照)、白血球接着分子や平滑筋増殖因子などの発現や、一酸化窒素を介する内皮依存性血管拡張反応の抑制、あるいはアトポーシスの誘導に関与している。このように酸化LDLはマクロファージに対してのみならず血管内皮にも作用して動脈硬化発症のトリガーとなるため、LDLの酸化変性の防止が肝要である。
また高血圧症患者においては、血中LDLの易酸化性が亢進していることが報告されている(たとえば非特許文献4など参照)。たとえば、正常血圧者に比べて高血圧症患者は、血管内皮細胞で大量の活性酸素が産生されていること(たとえば非特許文献5など参照)や、白血球が大量の活性酸素を産生すること(たとえば非特許文献6など参照)、活性酸素消去酵素であるスーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD)活性が低下していること(たとえば非特許文献7など参照)などが報告されている。これらの結果から、高血圧症ではLDLなどの酸化変性が血管内皮の障害の進展に関与し、症状の悪化に関与しているものと考えられている。
さらに、糖尿病で起こる高血糖に依存した糖化LDLは酸化を受けやすいことが知られており、糖尿病により引き起こされる諸症状、たとえば糖尿病性大血管障害とも関連が示唆されている。
ジンゲロールに類似した化学構造を有する化合物においてチロシナーゼ活性阻害作用(例えば、特許文献1参照)および過酸化脂質生成抑制作用(例えば、特許文献2参照)が報告されている。
特開2003−342224号公報 国際公開第WO03/099752号 Ross, R., England J. Med., 304, 115-126, 1999 Glass, C.K. et al., Cell, 104, 503-516, 2001 安達栄樹ら、医学のあゆみ、193、p.299、2000年 Maggi,E. et al.,J.Hypertens.11,1103,1993 Jameson,M. et al.,Hypertens.21,280,1993 Kumar KW. et al.,Free Radic.Res.Commun. 19,59,1993 Hunter,GC. et al.,Proc.Soc.Exp.Biol.Med. 196,273,1991
本発明の目的は、上述のような状況をふまえ、優れたLDLの酸化抑制効果を有する抗アテローム性動脈硬化剤を提供することにある。
本発明者らは、食品、医薬品、医薬部外品および化粧品等の分野で使用される生薬中の有効成分であるジンゲロールに類似した化学構造を有する化合物についての研究を行い、当該化合物がLDLの酸化変性を防止する優れた活性をも有しており、動脈硬化症を防ぐのに有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、下記式(1)で示されるジンゲロール類縁体および/または下記式(2)で示されるジンゲジオール類縁体を含有することを特徴とするLDL酸化抑制剤、および抗動脈硬化剤である。
Figure 2005272384
式(1)中のR1は、炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R3は炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を示し、Aは炭素数1〜4のアルキレン基を示す。
Figure 2005272384
式(2)中のR1は、炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R3は炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を示し、Aは炭素数1〜4のアルキレン基を示す。
本発明のジンゲロール類縁体および/またはジンゲジオール類縁体はLDLの酸化変性を強力に抑制することから、アテローム性動脈硬化症を予防したり、改善することができる。
○式(1)で示されるジンゲロール類縁体について
式(1)において、R1は炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ぺプチル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、およびステアリル基等が例示できる。当該アルキル基としては、直鎖アルキル基が好ましく、さらに天然界に存在するジンゲロールの構造を考慮すると、R1の炭素数は偶数であることが好適である。具体的には、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、およびデシル基が好適なものとして例示できる。
式(1)において、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、好ましくはメチル基またはエチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
式(1)において、R3は炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基あり、好ましくはメチル基またはエチル基である。
式(1)において、Aは炭素数1〜4のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基またはブチレン基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
式(1)で示されるジンゲロール類縁体は、例えば、化学合成または天然由来の式(3)で示されるショウガオール類にメタノールまたはエタノール等のアルコールを付加させることにより、容易に調製することができる。
Figure 2005272384
式(3)中のR1は炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基を示し、R2およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェノール性水酸基の保護基を示し、Aは炭素数1〜4のアルキレン基を示す。ただし、R2およびR4が同時に炭素数1〜4のアルキル基であることはない。
式(3)のR2およびR4におけるフェノール性水酸基の保護基は、下記に説明する式(3)へのメタノールまたはエタノール等のアルコールの付加反応の触媒として使用するアルカリ触媒存在下で除去可能な保護基が好ましい。そのような保護基としては、シリル型保護基、およびアシル型保護基等が例示される。具体的には、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、およびトルオイル基等が例示される。原料コスト、保護基の導入および脱保護反応の簡便性等を考慮すると、フェノール性水酸基の保護基としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、またはトルオイル基が好ましい。
式(3)へのメタノールまたはエタノール等のアルコールの付加反応は、触媒の存在下に実施するのが好ましく、とりわけ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルコキシド(例えばナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシド等)、および/または水素化ナトリウム等のアルカリ触媒を好適に使用することができる。使用する触媒量は、式(3)におけるR2およびR4の構造および触媒の種類により異なるが、0.05〜10化学当量が好ましく、更に好ましくは0.1〜5化学当量である。触媒の使用量が少なすぎる場合は反応の進行が遅くなることがあり、使用量が多すぎる場合は反応後の処理に多量の中和剤が必要となる場合がある。
本付加反応は溶媒を用いても良く、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、N,N−ジメチルプロピレンウレア、水、およびこれらの混合溶媒等を好適に使用することができる。なお、本付加反応の溶媒としては、式(3)に付加させるアルコールを溶媒として用いても良い。
本付加反応の温度は、−20〜100℃が好ましく、更に好ましくは0〜80℃である。反応温度が低すぎる場合は反応の進行が遅い場合があり、また、反応温度が高すぎる場合は副反応が進行することがある。
本反応時間は条件により異なるが、通常、数10分間〜数時間である。
式(3)から式(1)への本反応終了後は、溶媒抽出、またはカラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法により、式(1)で示されるジンゲロール類縁体を得ることができる。
式(3)で表わされる化合物を化学合成する場合には、例えば下記式(4)で表わされる化合物と下記式(5)で表わされる化合物とを原料として下記式(6)で表わされる化合物を調製し、さらに式(6)から「HX」を脱離させることにより合成できる。
X−CH2−CH=CH−R1 (4)
式(4)中、R1は炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基であり、またXはベンゼンスルホニル基またはトルエンスルホニル基である。
Figure 2005272384
式(5)中のR2およびR4は、前記式(3)におけるR2およびR4に対応し、またAも前記式(3)におけるAに対応するものである。
Figure 2005272384
式(6)中のR2およびR4は、前記式(3)におけるR2およびR4に対応し、またAも前記式(3)におけるAに対応するものである。R1は炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基であり、またXはベンゼンスルホニル基またはトルエンスルホニル基である。
式(4)で表わされる化合物は、K.Inomata,et al.,Chem.Lett.,931(1985)等の文献に記載の合成方法により、合成することができる。
式(4)のR1は、炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基である。このアルキル基としては、原料入手の容易性および式(4)で示される化合物の合成収率から炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基であり、好ましくは、直鎖の炭素数1〜18のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ぺプチル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、およびステアリル基等が例示できる。さらに、天然界に存在するショウガオール類の構造を考慮すると、R1の炭素数は偶数であることが好適である。具体的には、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、およびデシル基等が例示できる。
また、式(5)で表わされる化合物は、G.Solladie,et al.,J.Org.Chem.,58,2181(1993)等の文献に記載の合成方法により、合成することができる。
式(5)のR2およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェノール性水酸基の保護基を示す。そしてこれらは同じでも異なっていても良い。
式(5)のR2およびR4の炭素数1〜4のアルキル基としては、炭素数1〜3が好ましく、更に好ましくはメチル基である。
式(5)のR2およびR4のフェノール性水酸基の保護基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基、ベンジル基、アリル基、トリメチルシリル基、およびt−ブチルジメチルシリル基等が例示される。
フェノール性水酸基への保護基の導入および脱保護反応の簡便性および原料コスト等を考慮すると、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、またはトルオイル基が好ましく、中でも、イソブチロイル基またはベンゾイル基が好適である。
式(5)のAは、炭素数1〜4のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基またはブチレン基であり、更に好ましくはエチレン基である。
式(6)で表わされる化合物は、式(4)で表わされる化合物にアルキル金属化合物を作用させた後、さらに式(5)で表わされる化合物を反応させることにより、合成することができる。すなわち、アルキル金属化合物が式(4)で表わされる化合物を攻撃し、置換基−Xが結合している炭素から水素原子を引き抜くことにより、式(4)で表わされる化合物に基づく炭素アニオンが生成する。その後、反応系に式(5)で表わされる化合物を添加すると、前記炭素アニオンが、式(4)で表わされる化合物中のアルデヒド基と反応して、式(6)で表わされる化合物が合成できる。
当該アルキル金属化合物としては、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、およびフェニルリチウム等のアルキルリチウム化合物、n−ブチルマグネシウムクロリド、s−ブチルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムブロミド、s−ブチルマグネシウムブロミド、およびt−ブチルマグネシウムブロミド等のグリニャール化合物、並びに金属リチウムおよび金属ナトリウム等のアルカリ金属類を例示することができ、n−ブチルリチウム、n−ブチルマグネシウムクロリド、またはn−ブチルマグネシウムブロミドを好適に使用することができる。
当該アルキル金属化合物の使用量は、基本的には式(4)で示される化合物に対し、0.7〜1.3化学当量が好ましく、さらに好ましくは、0.9〜1.1化学当量である。
式(4)で示される化合物と当該アルキル金属化合物との反応は、非プロトン性の溶媒中で行うことが好ましく、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、N,N−ジメチルプロピレンウレア、およびこれらの混合溶媒等を好適に使用することができる。
式(4)の化合物と当該アルキル金属化合物との反応温度は、−100〜25℃が好ましく、より好ましくは−80〜0℃である。反応温度が低すぎる場合は温度維持にコストがかかり、また、反応温度が高すぎる場合は副反応が進行する恐れがある。
反応時間は条件により異なるが、通常、数分間〜数10分間である。
次いで、式(4)で表わされる化合物とアルキル金属化合物とを反応させて得られる反応液に、式(5)で表わされる化合物を添加すると、式(6)で示される化合物を調製することができる。
式(5)で示される化合物を前記反応物に加える際の反応系の温度は、−100〜25℃が好ましく、−80〜0℃が好適である。反応温度が低すぎる場合は温度維持にコストがかかり、また、反応温度が高すぎる場合は副反応が進行する恐れがある。
本反応時間は条件により異なるが、通常、数分間〜数10分間である。
本反応終了後は、溶媒抽出またはカラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法により、式(6)で示される化合物を単離精製することができる。
式(3)で表わされる化合物は、上記方法等によって製造された式(6)で表わされる化合物を出発原料として製造することができる。すなわち、式(6)で表わされる化合物におけるエチレン性不飽和結合とπ―アリル錯体を形成する金属触媒とを反応させ、得られるπ―アリル錯体と塩基性化合物とを反応させることにより、式(3)で表わされる化合物を合成することができる。即ち、式(6)で表わされる化合物と金属触媒とで形成されたπ―アリル錯体において、水酸基が結合した炭素に結合している水素原子が活性化されており、反応系に共存する塩基性化合物によって容易に引き抜かれる結果、π―アリル錯体が分解し、式(3)で表わされる化合物が生成する。
π―アリル錯体を形成する金属触媒としては、パラジウム錯体を好適に使用することができ、具体的には、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加物、塩化パラジウム(II)/トリフェニルホスフィン混合物、および酢酸パラジウム(II)/トリブチルホスフィン混合物等が例示される。当該金属触媒の使用量は、式(6)で表わされる化合物1molに対して0.0001〜1molが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.1molである。
式(3)で表される化合物を生成するときの上記塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルイミダゾール、およびピリジン等の第三級アミン類が好適であり、使用量は式(6)で表わされる化合物1molに対して0.9mol以上であり、1〜10molの範囲が好適である。なお、かかる塩基性化合物を溶媒として使用しても良い。
上記反応は溶媒の存在下で実施することが好ましく、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、N,N−ジメチルプロピレンウレア、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、およびこれらの混合溶媒等を使用することができ、中でも1,2−ジクロロエタンとアルコール類との混合物が好適である。
式(6)から式(3)で表される化合物を得るときの反応温度は室温〜150℃が好ましくは、更に50〜120℃の範囲が好適である。
この反応時間としては数時間〜数10時間が適当である。
式(3)で表される化合物を得るための反応終了後は、溶媒抽出またはカラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法により、式(3)で表わされる化合物を得ることができる。
式(3)から式(1)の合成は、カルボニル基に隣接する二重結合にOアルキル基を付加させる一般的な反応を用いることができる。即ち、塩基性化合物存在下で該当するアルコールと反応させる、または付加するアルコールのアルコキシドを作用させることで調製できる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、および2−メチル−1−プロパノール等が例示できる。好ましくは、一級アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、および2−メチル−1−プロパノール)が例示でき、更に好ましくはメタノールまたはエタノールである。塩基性化合物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、およびt−ブチルリチウム等が例示でき、アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシドおよびナトリウムエトキシド等付加するアルコールに相当するものが例示できる。
○式(2)で示されるジンゲジオール類縁体について
式(2)で示される化合物は、例えば、前記式(1)で示されるジンゲロール類縁体のカルボニル基を水酸基に還元することにより合成することができる。
式(1)のカルボニル基を水酸基に還元する還元剤としては、特に限定されるものではないが、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、および水素化ホウ素ナトリウム等の水素化金属類を好適に使用することができる。水素化金属類を用いる場合の好適な使用量は、水素化金属類の種類および式(1)におけるR2の構造により異なる。例えば、式(1)におけるR2が炭素数1〜4のアルキル基で還元剤として水素化リチウムアルミニウムを用いる場合は、式(1)で示されるジンゲロール類縁体1モルに対して、水素化リチウムアルミニウム0.5〜3モルを使用するのが好適である。また、R2が水素原子である場合は、還元剤を1化学当量程度を増加させて行うことが良い。
式(1)のカルボニル基を水酸基に還元する本反応は溶媒を用いても良く、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、およびこれらの混合溶媒等を好適に使用することができる。
還元剤として水素化金属類を使用する場合の本反応温度は、−30〜100℃が好ましく、−10〜80℃が好適である。反応温度が低すぎる場合は反応時間が長くなる恐れがあり、また反応温度が高すぎる場合は副反応が進行する恐れがある。
式(1)のカルボニル基を水酸基に還元する本反応時間は条件により異なるが、通常、数10分間〜数時間である。
本還元反応終了後は、溶媒抽出またはカラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法により、式(2)で示されるジンゲジオール類縁体を得ることができる。
式(1)で示されるジンゲロール類縁体および式(2)で示されるジンゲジオール類縁体は、LDLの酸化を抑制することからLDLの酸化変性が関与する疾病の治療剤、症状改善剤、および抑制剤等として使用することができる。例えば、式(1)および/または式(2)は動脈硬化症の治療、症状改善または発症抑制等に用いることができる。
医薬品として用いる場合は、本発明の化合物を単独か或いは製薬上受け入れられる腑形剤又は担体や他の添加剤と共に各種の製剤形態に調合され使用される。その割合および性質は選ばれる化合物の溶解度及び化学的性質、選ばれた投与経路、及び標準の製剤学的慣用法によって決定される。腑形剤又は担体は固体、半固体、又は液体物質であることができ、これらは活性成分のビヒクル又は担体としての役目をすることができる。適当な腑形剤又は担体は製剤学の分野で一般的なものである。製剤組成物は経口又は非経口の使用のために適合化することができ、錠剤、カプセル、座薬、溶液、懸濁液などの形態で患者に投与することができる。
製剤組成物は経口的、例えば不活性希釈剤または食べることのできる担体と共に投与できる。これらはゼラチンカプセル中に包むか又は錠剤に圧縮することができる。経口投与を行うためには、本発明の化合物は腑形剤と共に混入させることができ、錠剤、トローチ、カプセル、エルキシル、懸濁液、シロップ、ウエハース、チューインガムなどの形態で使用できる。錠剤、トローチ、カプセルなどは一つ又はそれ以上の助剤を含有することができる。助剤とは、結合剤、(例えば微結晶セルロース、トラガカントゴム、ゼラチン)、腑形剤(例えば、澱粉、乳糖)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、プライモゲル、コーンスターチ)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックス)、滑剤(例えば、コロイド状二酸化シリコン)、甘味剤(例えば、ショ糖、サッカリン)、及び香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジフレーバー)などである。投与単位形がカプセルであるときには上記の種類の物質に加えて液体担体(例えば、ポリエチレングリコール、脂肪族油)を含有させることができる。他の投与単位系は投与単位の物理的形態を変更する他の物質(例えば、コーティング)を含有させることができる。このように錠剤又は座薬は、糖、シェラック又は他の腸溶皮剤で被覆することができる。シロップは活性成分のほか、甘味剤としてショ糖及びある種の防腐剤、染料及び着色及び香味剤を含有させることができる。
非経口投与を行うためには、本発明の化合物は溶液又は懸濁液中に混入できる。溶液又は懸濁液は一つまたはそれ以上の助剤を含有することができる。助剤とは滅菌希釈剤(例えば、注射用水、塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール類、グリセリン、プロピレングリコール、他の合成溶媒)、抗細菌剤(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラペン)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、重亜硫酸ナトリウム)、キレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸)、緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩)、及び毒性を調製するための薬剤(例えば、塩化ナトリウム、デキストロース)などである。非経口製剤はアンプル、使い捨て注射、またはガラス又はプラスチック製の複数投与のバイアル中に封入することができる。
<実施例>
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、Tsはp−トルエンスルホニル基を示す。
<合成例1>
○ベンゾイル基保護の[6]−ショウガオール(式(10))の合成
下記式(7)化合物および下記式(8)化合物を用いて下記式(9)化合物を調製した。さらに上記式(9)化合物をパラジウム触媒存在下で、脱Ts化することにより、下記式(10)で表わされる化合物を合成した。
具体的な合成法を以下に示した。
Figure 2005272384
Figure 2005272384
Figure 2005272384
Figure 2005272384
50mlのテトラヒドロフランに3.46g(13.7mmol)の式(7)化合物を溶かし、ドライアイス/アセトンで−78℃に冷却した。この溶液に、1.50Mのn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液9.10ml(13.7mmol)を滴下した。そして同温度で20分間攪拌後、50mlのテトラヒドロフランに3.49g(13.0mmol)の式(8)化合物を溶かした溶液を滴下した。滴下後、同温度で10分間攪拌後、徐々に昇温した。反応溶液の温度が−10℃になったところで、メタノール2mlを加えて反応を停止させた。この反応混合物に飽和食塩水30mlを加えて攪拌後、有機層を分取した。水層を酢酸エチル30mlで抽出し、合せた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、淡黄色の高粘度液状の化合物5.79g(収率79%)を得た。
本品の重クロロホルム中で測定した1H−NMRスペクトルのケミカルシフト値は、0.72−0.89(3H,m)、0.98−1.24(4H,m)、1.52−2.04(4H,m)、2.45(3H,s)、2.82−2.94(2H,m)、3.16−3.64(1H,m)、3.79(3H,s)、4.04−4.65(2H,m)、5.03−5.85(2H,m)、6.70−6.84(2H,m)、6.96−7.05(1H,m)、7.32(2H,d)、7.45−7.75(5H,m)、8.20(2H,d)であった。
また、赤外線吸収スペクトル(KBrペレット法)で吸収があった波数(cm-1)は、3520,2950,2930,2870,1740,1600,1510,1450,1280,1260,1200,1140,1120,1080,1060,1020,710であった。
さらに、元素分析の結果は、炭素69.22%、水素6.55%であった。以上の分析により、得られた化合物が式(9)化合物であることを確認した。
1,2−ジクロロエタン39g、イソプロピルアルコール13gおよびグリセリン13gの混合溶媒に1.31g(2.51mmol)の式(9)化合物を溶かし、これにトリエチルアミン1.05ml(7.53mmol)、トリフェニルホスフィン39.5mg(0.151mmol)、およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム87.0mg(0.0753mmol)を加えてバス温100℃で18時間攪拌した。つぎに、溶媒等を留去した後、蒸留水50ml、飽和食塩水20mlおよび酢酸エチルエステル50mlを加えて分配し、有機層を分取した。この抽出後の水層を酢酸エチルエステル20mlで再抽出した。合せた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、酢酸エチルエステルとn−ヘキサンとの混合溶媒による再結晶を行い、無色結晶性の化合物603mg(収率63%)を得た。
本品の重クロロホルム中で測定した1H−NMRスペクトルのケミカルシフト値は、0.91(3H,t)、1.25−1.60(6H,m)、2.21(2H,q)、2.85−3.00(4H,m)、3.82(3H,s)、6.16(1H,d)、6.79−6.94(3H,m)、7.05(1H,d)、7.45−7.68(3H,m)、8.20(2H,d)であった。
また、本品の赤外線吸収スペクトル(KBrペレット法)で吸収があった波数(cm-1)は、2950,2930,2870,1730,1660,1600,1510,1470,1450,1420,1270,1200,1150,1060,710であった。
さらに、本品のCHN元素分析の結果は、炭素75.56%、水素7.70%であった。
以上の分析により、得られた化合物が上記式(10)で表わされる化合物であることを確認した。
<合成例2>
○ジンゲロール類縁体式(11)の合成
上述の合成例1で得た式(10)で表わされる化合物に水酸化ナトリウムの存在下でメタノールを付加させるとともに、ベンゾイル基の除去を行い、本発明のジンゲロール類縁体の1例である下記式(11)を合成した。
Figure 2005272384
式(10)で表わされる化合物330mg(0.867mmol)をイソプロピルアルコール2mlに溶解した後、メタノール8mlおよび1N水酸化ナトリウム水溶液0.9mlを加え、室温で2時間攪拌した後、0.5N塩酸2mlを加えて反応を停止させた。反応液中のメタノールを留去した後、飽和食塩水25mlを加え、酢酸エチルエステル25mlで2回抽出した。これらの酢酸エチルエステルを合わせ無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。この濃縮物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーにより精製し、無色液状の化合物191mg(71%)を得た。
本品の重クロロホルム中で測定した1H−NMRスペクトルのケミカルシフト値は、0.89(3H,t)、1.20−1.83(8H,m)、2.34−2.89(6H,m)、3.28(3H,s)、3.57−3.70(1H,m)、3.86(3H,s)、5.49(1H,s)、6.63−6.73(2H,m)、6.81(1H,d)であった。
また、本品の赤外線吸収スペクトル(KBrペレット法)で吸収があった波数(cm-1)は、3400,2930,2860,1710,1600,1510,1460,1450,1430,1370,1270,1230,1090,1030であった。
さらに、本品の元素分析の結果は、炭素69.80%、水素8.98%であった。
以上の分析により、得られた化合物が式(11)化合物であることを確認した。
<合成例3>
○ジンゲジオール類縁体式(12)の合成
合成例2で得られた式(11)化合物を還元して、本発明のジンゲジオール類縁体の一例である下記式(12)を合成した。
Figure 2005272384
式(11)化合物154mg(0.5mmol)のテトラヒドロフラン5ml溶液を水素化リチウムアルミニウム19mg(0.5mmol)のテトラヒドロフラン1ml溶液中に滴下し、室温で16時間攪拌した。つぎに、蒸留水5ml、0.5N塩酸2mlを滴下し、酢酸エチル10mlで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲル薄層クロマトグラフィーにより精製し、無色液状の化合物 146mg(94%)を得た。
本品の重クロロホルム中で測定した1H−NMRスペクトルのケミカルシフト値は、0.89(3H,t)、1.20−1.87(12H,m)、2.52−2.81(2H,m)、3.30−3.55(4H,m)、3.72−4.00(4H,m)、5.55(1H,s)、6.65−6.75(2H,m)、6.81(1H,d)であった。また、本品の赤外線吸収スペクトル(KBrペレット法)で吸収があった波数(cm-1)は、3390,2930,2860,1600,1510,1460,1450,1430,1370,1270,1230,1080,1030であった。
さらに、本品の元素分析の結果は、炭素69.74%、水素9.47%であった。
以上の分析により、得られた化合物が式(12)化合物であることを確認した。
○LDLの酸化抑制効果の測定
式(11)で表わされるジンゲロール類縁体および式(12)で表わされるジンゲジオール類縁体を用いて、LDLの酸化抑制効果を測定した。
<LDLの取得>
以下の手順で試験に用いるLDLを取得した。
(1)1mg/mlのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む10mMのPBS(pH7.4)を調製した。
(2)(1)と、ヒトplasma(比重1.24)をチューブ内に重層した後、100,000rpm、70分間、10℃の条件で遠心分離(遠心器:Beckman社製TL−100)し、LDL画分を分取した。
(3)LDL画分を透析膜に充填し、100μMのEDTAを含む10mMのPBSを用いて4℃で1晩透析した。なおこの透析において、LDLの酸化剤として銅イオンを使用する場合はEDTAを含まないPBSを使用した。
(4)透析後、LDLを回収し、BCA試薬(PIERCE社製)でタンパク量を測定した。
<脂溶性ラジカル開始剤により誘導されるLDL酸化の抑制試験>
LDL溶液は、上記で調製したLDLを10mMのPBS(pH7.4、EDTA含む)で0.25mgタンパク質/mlに調製した。
試料溶液は、被験試料をアセトニトリルに溶解した後、各濃度に調製した。
酸化剤溶液は、2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile)(和光純薬製)をアセトニトリルに溶解し10mMに調製した。
LDL溶液1.0mlに対して、試料溶液を10μl、および酸化剤溶液を10μl添加した。これらを混和した後、37℃で保持した。反応生成物を定量するために、反応開始(0時間)から反応溶液を経時的に100μlずつサンプリングした。
<銅イオンにより誘導されるLDL酸化の抑制試験>
LDL溶液は、上記で調製したLDLを10mMのPBS(pH7.4)で0.25mgタンパク質/mlに調製した。
試料溶液は、被験試料をアセトニトリルに溶解した後、各濃度に調製した。
酸化剤溶液は、塩化銅(II)をPBSに溶解し500μMに調製した。
LDL溶液1.0mlに対して、試料溶液を10μl、および酸化剤溶液を10μl添加した。これらを混和した後、37℃で保持した。反応生成物を定量するために、反応開始(0時間)から反応溶液を経時的に100μlずつサンプリングした。
<抽出および分析方法>
上記でサンプリングした反応液100μlに対して、クロロホルム/メタノール(2:1)混合液を200μl加えて1分間撹拌した後、14,000rpmで3分間遠心分離(eppendolf社製、centrifuge5410)した。クロロホルム層から125μlサンプリングし、窒素雰囲気下、125μlのメタノールと置換し、後記するHPLC分析に供した。
HPLCシステムは、ポンプ;日本分光製PU980、検出器;日本分光製UV−970およびMD−910を使用した。
コレステロールエステル酸化物の測定は、カラム;LC−18(25cm×4.6φmm×5μm)、移動相;アセトニトリル/イソプロピルアルコール/水=44/54/2の混合溶液、流速;1ml/min、検出;UV234nmの条件にて実施した。本条件下で、コレステロールエステル酸化物は保持時間約15分であった。
ホスファチジルコリン酸化物の測定は、カラム;LC−SI(25cm×4.6φmm×5μm)、移動相;メタノール/t−ブチルアルコール/40mMリン酸二水素ナトリウム水溶液=60/30/10の混合溶液、流速;1ml/min、検出;UV234nmの条件にて実施した。本条件下で、ホスファチジルコリン酸化物は保持時間約13分であった。
2,2'-Azobis(4-methoxy-2,4-dimethylvaleronitrile)により誘導されるLDLの酸化に対する本発明の化合物の効果を図1〜図4に示す。
図1は、本発明の化合物の最終濃度10μMにおけるホスファチジルコリンの酸化の経時変化を、図2は同じく最終濃度10μMにおけるコレステロールエステルの酸化の経時変化である。
図3は、本発明の化合物の濃度を変化させた場合の4時間後におけるホスファチジルコリンの酸化に対する効果を示している。図4は、本発明の化合物の濃度を変化させた場合の、4時間後におけるコレステロールエステルの酸化に対する効果を示している。
次に銅イオンにより誘導されるLDLの酸化に対する本発明の化合物の効果を図5および図6に示す。
図5は、本発明の化合物の最終濃度10μMにおけるホスファチジルコリンの酸化の経時変化を、図6は、本発明の化合物の最終濃度10μMにおけるコレステロールエステルの酸化の経時変化である。
式(11)で表わされる化合物および式(12)で表わされる化合物は、いずれの酸化剤を用いた場合でも、LDLの酸化を強く抑制していることがわかる。
本発明のジンゲロール類縁体および/またはジンゲジオール類縁体は、LDLの酸化を抑制することからLDLの酸化変性が関与する疾病の治療剤、症状改善剤、および抑制剤等として使用することができる。例えば、式(1)および/または式(2)は動脈硬化症の治療、症状改善または発症抑制等に用いることができる。
脂溶性ラジカル開始剤により誘導されるホスファチジルコリンの酸化を本発明の化合物が抑制する効果。抑制効果を経時的に表示。 脂溶性ラジカル開始剤により誘導されるコレステロールエステルの酸化を本発明の化合物が抑制する効果。抑制効果を経時的に表示。 脂溶性ラジカル開始剤により誘導されるホスファチジルコリンの酸化を本発明の化合物が抑制する効果。各濃度による抑制効果を表示。 脂溶性ラジカル開始剤により誘導されるコレステロールエステルの酸化を本発明の化合物が抑制する効果。各濃度による抑制効果を表示。 銅イオンにより誘導されるホスファチジルコリンの酸化を本発明の化合物が抑制する効果。抑制効果を経時的に表示。 銅イオンにより誘導されるコレステロールエステルの酸化を本発明の化合物が抑制する効果。抑制効果を経時的に表示。
符号の説明
図1、図2、図5および図6の横軸:酸化剤処理開始からの経時時間(分)。
図3および図4の横軸:本発明の化合物の検定時の濃度(μM)。
図1、図3および図5の縦軸:ホスファチジルコリン酸化物の濃度(μM)。
図2、図4および図6の縦軸:コレステロールエステル酸化物の濃度(μM)。
図1、図2および図6の「●」はコントロールを示し、図5の「◆」はコントロールを示す。
図1、図2、図5および図6の「○」は式(11)化合物による活性を示す。
図1、図2、図5および図6の「△」は式(12)化合物による活性を示す。
図3および図4の黒塗りカラムは式(11)化合物による活性を示し、グレーカラムは式(12)の化合物による活性を示す。但し、図3および図4の試料濃度が0μMのカラムは、コントロールを示す。

Claims (2)

  1. 式(1)で示されるジンゲロール類縁体および/または式(2)で示されるジンゲジオール類縁体を含有することを特徴とする低比重リポタンパクの酸化抑制剤。
    Figure 2005272384
    (式(1)中のR1は、炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R3は炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を示し、Aは炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
    Figure 2005272384
    (式(2)中のR1は、炭素数1〜18の分岐を有してもよいアルキル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R3は炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を示し、Aは炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
  2. 上記式(1)で示されるジンゲロール類縁体および/または式(2)で示されるジンゲジオール類縁体を含有することを特徴とする抗動脈硬化症剤。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH05208929A (ja) * 1991-05-31 1993-08-20 Merrell Dow Pharmaceut Inc 血中コレステロール低下剤及び抗アテローム性動脈硬化症剤としてのジンジャロール及びジンジャージオール誘導体類
WO2003099752A1 (fr) * 2002-05-27 2003-12-04 Toagosei Co., Ltd. Analogues de gingerol et leur utilisation

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