JP2005272221A - 水蒸気改質器 - Google Patents

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広志 藤木
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純 小宮
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Abstract

【課題】水蒸気改質器の起動停止にともなう改質反応部の熱膨張収縮に起因する改質触媒の圧壊、微粉化を防止し、耐久性が高く、構造が単純で製造、組み立てが容易であり、施工性が高く、また、機器の製造コストを低減でき、経済性を向上できる水蒸気改質器を提供する。
【解決手段】本発明の水蒸気改質器は、多重管からなる水蒸気改質器であって、燃焼によって供給される熱を改質触媒に伝える伝熱管と前記伝熱管とともに改質反応部の周壁を形成する改質反応部周壁形成管とを有し、前記伝熱管の外周または/および前記改質反応部周壁形成管の内周に沿って熱衝撃緩衝材を設けることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は水蒸気改質器に関し、詳しくは、粒状の改質触媒が充填された改質反応部の膨張収縮に起因する改質触媒の圧壊を防止することが可能な水蒸気改質器に関する。
水素は酸水素炎用その他各種用途に供される基礎原料であり、燃料電池用の燃料としても利用される。水素の工業的製造方法としては各種の方法が知られているが、そのうち天然ガスや都市ガス、あるいはLPガス等の炭化水素ガスの変成法は通常、水蒸気改質法により行われる。
従来から、前記水蒸気改質法に用いられる水蒸気改質器には、燃焼炉の内部に複数の反応管チューブを導入するチューブラー方式が広く用いられてきたが、近年、燃料電池などコンパクト性が求められる装置には、複数の管を同心円状に間隔をおいて配置した多重円筒式水蒸気改質器が用いられている。多重円筒式水蒸気改質器には代表的には2つのタイプがある。1つのタイプは、最も内側に配置された第一管の一端にバーナを有し、該第一管と該第一管の外側に配置された第二管との間に粒状の改質触媒を充填した改質反応部を有するタイプであり、別のタイプは、最も内側に配置された第一管の一端にバーナを有し、該第一管と該第一管の外側に配置された第二管の間の空隙部で構成される燃焼排気ガス通路を有し、前記第二管と該第二管の外側に配置された第三管との間に粒状の改質触媒を充填した改質反応部を有するタイプである。
どちらのタイプの水蒸気改質器であっても、該水蒸気改質器の起動停止や負荷変動が繰り返されると、前記改質反応部を包囲する周壁が温度変化に起因して水平方向に膨張収縮し、前記粒状の改質触媒が圧壊され、微粉化するという課題があった。特に、ユーザーの電力需要または給湯需要に応じて頻繁に起動停止や負荷変動を行う家庭用燃料電池システムに用いられる水蒸気改質器においては、かかる改質触媒の圧壊、微粉化の課題が顕著であった。
該課題を解決するために、従来、図16の水蒸気改質器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図16の水蒸気改質器は、多数の粒状の改質触媒が充填された改質反応部を上下に仕切る1或いは複数枚の仕切り板が設置されて、該仕切り板は、鉛直面に沿う断面形状が円弧状を呈して、改質反応部を包囲する周壁の膨張収縮に応じて、弾性変形するように構成されている。
このような構成を有する水蒸気改質器においては、改質反応部を包囲する周壁が温度変化に起因して水平方向に膨張収縮したとしても、仕切り板は、断面円弧状に形成されているので、容易に弾性変形することが可能であり、改質反応部の幅が狭まったときは、更に曲率の小さなU字状に弾性変形する。これに伴って、該仕切り板上に充填されている改質触媒のうち、改質反応部の中央部に存在する一部の改質触媒が、仕切り板中央部の下方への変位と共に、下方への位置ずれを生じる。従って、改質反応部の幅が狭まったとしても、中央部の改質触媒が下方へ逃げることが出来るので、改質触媒が受ける挟圧力は従来よりも小さくなる。又、改質反応部の幅が拡がったとき、これに伴って仕切り板が弾性変形して、元の形状に戻る。これによって、上記中央部の改質触媒が押し上げられ、元の位置に戻ることになる。然も、各仕切り板上の改質触媒は、仕切り板によって下方への移動が阻止されている。従って、改質反応部の膨張収縮の繰り返しによって改質触媒が改質反応部の底部に溜まるおそれはない。
また、粒状の改質触媒の圧壊および微粉化を防ぐために、図17の水蒸気改質器が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。図17の水蒸気改質器においては、改質の対象とする燃料が供給される筒状の改質反応部に、筒状の網容器に粒状の改質触媒を充填してなる1或いは複数本の改質触媒カートリッジが、改質反応部の筒軸を包囲して装填され、改質反応部の筒軸方向に積み重なった複数の改質触媒層を形成している。
図17の水蒸気改質器においては、改質反応部の周壁が熱によって膨張、収縮したとしても、改質触媒は、網容器に充填された状態で、改質反応部の内部に、改質反応部の筒軸方向に積み重なった複数の改質触媒層を形成しており、これらの改質触媒層の間には、網容器の網が介在することになるので、改質反応部が熱によって拡がったとしても、各網上に形成された改質触媒層は該網によって保持され、改質反応部の底部へ移動することはない。従って、改質触媒カートリッジの改質触媒が改質反応部の底部に溜まることに起因して改質触媒に作用する力は発生せず、これによって改質触媒の圧壊が防止される。
特開2000-247601号公報 (第1-3頁、第1図) 特開2000-247602号公報 (第1-3頁、第1図)
しかし、特許文献1に記載される従来技術は、粒状の改質触媒の圧壊および微粉化を防ぐという点では有効なものであるが、構造が複雑で製造、組み立てが困難であるため施工性に課題があり、また、機器の製造コストの低減には限界があるため経済性に課題があった。
また、特許文献2に記載される従来技術は、粒状の改質触媒の圧壊および微粉化を防ぐという点では有効なものであるが、図17に示すとおり、隣接する網容器間の空隙のため、改質触媒層に空隙が大きくなり、実質の改質触媒充填量が減少するため、水蒸気改質器が大きくなるという課題があった。また、隣接する網容器間の空隙部において炭化水素ガスと水蒸気が偏流するため、水素を生成するための反応が進まないという課題があった。
更に、前記隣接する網容器間の空隙部を少なくするために、角状の網容器が提案されているが、角状の形状を維持したまま水蒸気改質器内に充填しようとすると網容器を硬質のものにしなければならず、該硬質の網容器は水蒸気改質器内に充填するのが困難であるという課題があった。
本発明の目的は、水蒸気改質器の起動停止にともなう改質反応部の熱膨張収縮に起因する改質触媒の圧壊、微粉化を防止し、水蒸気改質器の耐久性を向上し、構造が単純で製造、組み立てが容易であり、施工性が高く、また、機器の製造コストを低減でき、経済性を向上できる水蒸気改質器を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の水蒸気改質器は、多重管からなる水蒸気改質器であって、バーナの燃焼やいわゆる触媒燃焼等の燃焼によって供給される熱を改質触媒に伝える伝熱管と該伝熱管とともに改質反応部の周壁を形成する改質反応部周壁形成管とを有し、前記伝熱管の外周または/および前記改質反応部周壁形成管の内周に沿って熱衝撃緩衝材を設けることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するために、本発明の水蒸気改質器は、請求項1に記載の水蒸気改質器であって、前記伝熱管に固着した伝熱部材を有し、前記改質反応部周壁形成管の内周に沿って熱衝撃緩衝材を設けることを特徴とする。
ここで、熱衝撃緩衝材とは、前記水蒸気改質器の起動停止や負荷変動によって生じる温度変化にともなって発生する粒状の改質触媒間の圧力を吸収するために必要な弾力性を有する材料を言いう。
前記熱衝撃緩衝材は、シート状であることが好ましい。また、密度は400g/m2以上2000g/m2以下であることが好ましい。また、厚みは0.5ミリメートル以上5ミリメートル以下であることが好ましい。なお、かかる分野の当業者間においては、密度の単位としてg/m2を一般的に使用している。
上記の目的を達成するために、本発明の水蒸気改質器は、前記熱衝撃緩衝材が金属繊維または金属細線で構成されていることが好ましい。更に、該熱衝撃緩衝材が焼結処理を施された金属繊維または金属細線で構成されていることが好ましい。
また、上記の目的を達成するために、本発明の水蒸気改質器は、前記熱衝撃緩衝材が前記伝熱管と同一の材質または前記改質反応部周壁形成管と同一の材質で構成されていることが好ましく、該材質がステンレス鋼(SUS310、SUS316等)、インコネル、インコロイ、鉄鋼であれば更に好ましい。
また、前記金属繊維または前記金属細線の選定に当たっては、700℃程度の高温条件下で水蒸気雰囲気や水素雰囲気に曝されても強度を維持できる焼結処理を施したものであれば更に好ましい。
本発明の水蒸気改質器は、粒状の改質触媒が充填された改質反応部の膨張収縮に起因する改質触媒の圧壊を防止することができるため、耐久性を向上することができる。また、構造が単純であるため製造、組み立てが容易となり、施工性が向上するとともに、機器の製造コストを低減でき、経済性を向上できる。
本発明の水蒸気改質器は、前記伝熱部材によって、バーナの燃焼によって供給される熱を改質反応部に伝える伝熱効率を向上できるだけでなく、溶接等による熱衝撃緩衝材の固着工程を省略でき、施工性を更に向上させることができる。
また、前記伝熱管の外周に沿って設けられた熱衝撃緩衝材が前記金属繊維または金属細線である場合は、弾力性のある他の材料(例えばアルミナ、シリカ等でできたシート状の無機質繊維)よりも熱伝導率が高いため、吸熱反応を伴う前記改質反応部に熱を伝えやすく、水蒸気改質器の効率の低下を防ぐことができる。
更に、本発明の水蒸気改質器の前記熱衝撃緩衝材が前記伝熱管と同一の材質または前記改質反応部周壁形成管と同一の材質で構成されていれば、前記伝熱管または前記改質反応部周壁形成管と同等程度の耐久性があり、水蒸気改質器の耐久性を向上することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。しかし、本発明がこれら実施形態に限定されないことはもちろんである。
〔第一の実施形態〕
図1に第一の実施形態の改質反応部(23)の斜視図を示す。また、図1の一点鎖線における横断面図を図2に示す。第一の実施形態の改質反応部(23)は、高さ100ミリメートルであり、燃焼排気ガスの熱を改質反応部に伝える伝熱管(11)と前記伝熱管(11)とともに改質反応部の周壁を形成する改質反応部周壁形成管(12)とを有している。前記伝熱管(11)には改質触媒を均一に加熱するための伝熱部材(8)が溶接により固着されており、該伝熱部材(8)と前記改質反応部周壁形成管(12)との間には間隙がある。該間隙に、熱衝撃緩衝材(6)が前記改質反応部周壁形成管(12)の内周に沿って設けられている。また、前記伝熱管(11)と前記熱衝撃緩衝材(6)との間隔は約10ミリメートルであり、該間隔に粒状のRu系改質触媒が充填されている。また、前記改質反応部(23)の両端には図示しない多孔板が設置されている。該多孔板によって、改質触媒は層状に支持される。
〔熱衝撃緩衝材の形状材質〕
前記熱衝撃緩衝材(6)は、施工性を考慮し、シート状であることが好ましい。また、炭化水素ガスと水蒸気の吹き抜けを防止するために、密度は400g/m2以上であることが好ましく、また、必要な弾力性を考慮すれば、密度は2000g/m2以下で、厚みは0.5ミリメートル以上であることが好ましい。また、装置全体のコンパクト性を保つために、厚みは5ミリメートル以下であることが好ましい。その他の条件については、前記改質反応部周壁形成管(12)の内周に沿って前記熱衝撃緩衝材(6)を設ける場合と前記伝熱管(11)の外周に沿って前記熱衝撃緩衝材(6)を設ける場合とで、求められる条件が異なる。前記改質反応部周壁形成管(12)の内周に沿って前記熱衝撃緩衝材(6)を設ける場合は、前記の密度の条件を満たせば材質は問わず、金属繊維または金属細線の他、例えばアルミナ、シリカ等でできたシート状の無機質繊維等でも良い。一方、前記伝熱管(11)の外周に沿って前記熱衝撃緩衝材(6)を設ける場合は、金属繊維または金属細線で構成されていることが好ましい。かかる熱衝撃緩衝材としては、金属繊維をフェルト状にしたもの、金属細線を編みこんだもの等がある。また、前記熱衝撃緩衝材(6)が前記伝熱管と同一の材質または前記改質反応部周壁形成管と同一の材質で構成されていることが好ましく、ステンレス鋼(SUS310、SUS316等)、インコネル、インコロイ、鉄鋼であれば更に好ましい。また、前記金属繊維または金属細線が焼結処理を施されていれば、700℃程度の高温条件下で水蒸気雰囲気や水素雰囲気に曝されても強度を維持できるため、更に好ましい。
かかる条件を満たすように、第一の実施形態の前記熱衝撃緩衝材(6)は、日本精線株式会社製のステンレス鋼繊維「ナスロン(登録商標)」、繊維太さ20μm、密度1200 g/m2のフェルト状シートを用いた。厚みは3ミリメートルのものと1ミリメートルのものの2種類を実験に用いた。
〔製作方法〕
前記改質反応部(23)は、前記伝熱管(11)に前記伝熱部材(8)を溶接する工程と、図3に示すように、前記伝熱管(11)と前記熱衝撃緩衝材(6)の間に空隙を設けるように該熱衝撃緩衝材(6)を前記伝熱部材(8) に当接するように設置する工程と、次に該熱衝撃緩衝材(6)の外側に該熱衝撃緩衝材(6)と前記改質反応部周壁形成管(12)の内周が当接するように前記改質反応部周壁形成管(12)を設置する工程と、次に前記改質反応部(23)の一端に図示しない多孔板を設置する工程と、次に前記伝熱管(11)と前記熱衝撃緩衝材(6)との間の空隙に粒状の改質触媒を充填する工程と、次に前記改質反応部(23)の他端に図示しない多孔板を設置する工程からなる改質反応部の製作方法によって製作された。該製作方法によって、溶接等の熱衝撃緩衝材の固着工程を省略でき、施工性を向上させることができた。
〔比較例〕
改質反応部の膨張収縮に起因する改質触媒の圧壊防止に対する第一の実施形態の効果を確認するため、比較例とともに実験を行った。該比較例の改質反応部(23)は、図4に示すように、熱衝撃緩衝材を有さないことを除き、第一の実施形態の改質反応部(23)と同様の構成である。また、前記伝熱管(11)と前記改質反応部周壁形成管(12)との間隔は、約10ミリメートルとした。
〔実験方法〕
前記第一の実施形態の改質反応部と前記比較例の改質反応部とを、電気炉内に入れ、空気雰囲気下で、炉内温度が200℃から800℃になるまで加熱し、800℃から200℃に戻るまで放熱するという加熱-放熱サイクルを繰り返す実験を行った。前記電気炉には、山田電機株式会社のSSF-1530-R型を用いた。
〔実験結果〕
本実施形態では、前記熱衝撃緩衝材(6)の厚さが3ミリメートルの場合も1ミリメートルの場合も、571回の前記加熱-放熱サイクル経過後において、前記改質触媒の圧壊および微粉化が見られなかった。一方、比較例では、157回の前記加熱-放熱サイクル経過後に10パーセントから20パーセントの改質触媒において、改質触媒の一部が欠ける、亀裂が生じるなど何らかの圧壊および微粉化が見られ、300回の前記加熱-放熱サイクル経過後に50パーセントから60パーセントの改質触媒において、同様の圧壊および微粉化が見られた。該実験結果から、本実施形態の改質触媒の圧壊防止効果が確認できた。
〔考察〕
水蒸気改質器の停止時には図2に示すように熱衝撃緩衝材(6)には窪みはなく、水蒸気改質器の稼動時には図5に示すように、熱衝撃緩衝材(6)の一部が窪むような弾性変形をすることによって、粒状の改質触媒間に生じる圧力を熱衝撃緩衝材(6)が吸収するために、改質触媒の圧壊が防止されたと考えられる。
〔実機試験〕
次に、実際の水蒸気改質器(1)による試験を行った。第一の実施形態は、前記第一の実施形態の改質反応部(23)を実機スケールにして組み込んだ水蒸気改質器(1)である。図6に第一の実施形態の縦断面図を示す。図6の一点鎖線における第一の実施形態の横断面図を図7に示す。同心状に間隔を置いて配置された多重管からなる本実施形態の水蒸気改質器(1)は、該水蒸気改質器(1)の最も内側に配置された第一管(13)の一端に該第一管内部を加熱するバーナ(2)を有し、前記第一管(13)と該第一管(13)の外側に配置された前記伝熱管(11)の間の空隙部で構成される燃焼排気ガス通路(21)を有している。前記伝熱管(11)はバーナの設置されていない側の一端で蓋板(4)と接合している。また、改質反応部周壁形成管(12)の外側に配置された第四管(14)もバーナの設置されていない側の一端で蓋板(5)と接合している。更に、水蒸気改質器(1)は、前記伝熱管(11)と前記改質反応部周壁形成管(12)との間に、1本の丸棒を螺旋状に配置した原料混合部(22)と粒状の改質触媒を充填した改質反応部(23)とを有している。また、前記改質反応部周壁形成管(12)の内周に沿って熱衝撃緩衝材(6)が設置されている。なお、前記原料混合部(22)は原料ガス入口(33)側に配置されている。また、水蒸気改質器(1)は、前記改質反応部周壁形成管(12)と第六管(16)との間に、CO変成触媒を充填したCO変成部(24)を有しており、該CO変成部(24)の上部及び下部には多孔板が配置され、該多孔板によって、前記CO変成触媒は層状に支持される。更に、水蒸気改質器(1)は、前記改質反応部周壁形成管(12)と第五管(15)との間に、CO除去触媒を充填したCO除去部(25)を有しており、該CO除去部(25)の上部及び下部には多孔板が配置され、該多孔板によって、前記CO除去触媒は層状に支持される。また、プロセス水管路(7)が前記第五管(15)および第七管(17)の周囲に、らせん状に配置されている。
本実施形態の作用を説明する。前記水蒸気改質器(1)の稼動中には、バーナ(2)が燃焼し、該バーナ(2)の燃焼の結果生じた燃焼排気ガスは、前記第一管(11)中を流れ、蓋板(4)にぶつかって、その後、前記燃焼排気ガス通路(21)を通過し、排気ガス出口(35)から排出される。該燃焼排気ガスの顕熱及び輻射伝熱により、前記改質反応部(23)、前記CO変成部(24)、前記CO除去部(25)等が適切な温度に加熱される。
改質ガスの原料となるプロセス水は、プロセス水入口(31)から導入され、プロセス水管路(7)を流れる間に加熱されてプロセス蒸気となり、該プロセス蒸気はプロセス蒸気入口(32)から前記原料混合部(22)に導入される。また、改質ガスの原料となる都市ガス等の炭化水素系燃料(以下、適宜、原料ガスという)は原料ガス入口(33)から導入され、前記原料混合部(22)において、前記プロセス蒸気と充分に混合された後、前記改質反応部(23)に導入され、該改質反応部(23)において水素リッチなガスに改質される。例えばメタンガスの場合、CH+HO→CO+3Hの反応で改質される。
該水素リッチなガスは、前記CO変成部(24)に導入され、CO+HO→CO+Hの反応によりCOを0.5から1パーセント程度まで低減した後に、添加されたCO除去用空気とともに、前記CO除去部(25)に導入され、2CO+O→2COの反応によりCOの含有量を10ppm程度にまで低減され改質ガスとなる。該改質ガスは改質ガス取出し口(34)から取り出される。
本実施形態の効果を説明するために比較例の構成を説明する。比較例は、第一の実施形態の構成にあった熱衝撃緩衝材(6)がなく、それ以外の構成は第一の実施形態と同一である。
〔実機試験結果〕
第一の実施形態と前記比較例について、都市ガスを燃料として130回の起動停止試験を行ったところ、比較例においては圧壊による改質触媒の割れ、粉化が一部に発生していたのに対し、本実施形態においては圧壊による改質触媒の割れ、粉化はまったく発生しておらず、前記電気炉の実験と同様に、水蒸気改質器の耐久性を高く維持することができるという本実施形態の優れた効果を確認した。また、130回の起動停止試験後に、本実施形態と前記比較例の改質性能を、高位発熱量ベースでの水素製造効率によって比較したところ、第一の実施形態の水素製造効率が84.9%、比較例の水素製造効率が83.5%であり、本実施形態の方が前記比較例よりも1.4ポイント水素製造効率が高かった。なお、水素製造効率とは、改質ガス中の水素発熱量を原料ガスの熱量で除して求められる値である。
〔連続運転試験結果〕
また、起動停止試験とは別に、熱衝撃緩衝材自体の耐久性を確認するため、連続運転試験を行った。約2000時間の改質反応後に、前記熱衝撃緩衝材の状態を確認したところ、熱衝撃緩衝材には、酸化や脆化等の状態変化はほとんど見られず、試験前と同等の弾力性を有していた。
また、本実施形態においては、前記改質反応部(23)の周囲にのみ熱衝撃緩衝材を設け、前記CO変成部(24)と前記CO除去部(25)の周囲に熱衝撃緩衝材を設けなかったが、前記CO変成部(24)と前記CO除去部(25)の周囲に熱衝撃緩衝材を設けても良い。
〔第二の実施形態〕
図8に本発明の水蒸気改質器の第二の実施形態の横断面図を示す。伝熱部材を有さず、伝熱管(11)の外周および改質反応部周壁形成管(12)の内周に熱衝撃緩衝材(6)を設けている構成が第一の実施形態と異なる。その他の構成は第一の実施形態の構成と同様であるので説明は省略する。
〔第三の実施形態〕
図9に本発明の水蒸気改質器の第三の実施形態の横断面図を示す。伝熱部材を有さず、改質反応部周壁形成管(12)の内周に熱衝撃緩衝材(6)を設けている構成が第一の実施形態と異なる。その他の構成は第一の実施形態の構成と同様であるので説明は省略する。
〔第四の実施形態〕
図10に本発明の水蒸気改質器の第四の実施形態の横断面図を示す。伝熱部材を有さず、伝熱管(11)の外周に熱衝撃緩衝材(6)を設けている構成が第一の実施形態と異なる。その他の構成は第一の実施形態の構成と同様であるので説明は省略する。
第二の実施形態乃至第四の実施形態においても、第一の実施形態と同様の試験をした結果、第一の実施形態と同様に、圧壊による改質触媒の割れ、粉化はまったく発生しておらず、水蒸気改質器の耐久性及び効率を高く維持することができるという優れた効果を確認した。
〔別タイプの実機による試験〕
最も内側に配置された第一管の一端にバーナを有し、該第一管と該第一管の外側に配置された第二管との間に粒状の改質触媒を充填した改質反応部を有するタイプの水蒸気改質器に、前記第一の実施の形態から第四の実施の形態の改質反応部(23)を実機スケールにして組み込んだ、図11乃至図15に示すような水蒸気改質器を用いて前記実機試験と同様の試験をした結果、圧壊による改質触媒の割れ、粉化はまったく発生していなかった。
本発明は、水素の工業的製造方法の1つである水蒸気改質法に用いる水蒸気改質器に適用できる。
第一の実施形態の改質反応部の斜視図である。 第一の実施形態の改質反応部の一点鎖線における停止時の横断面図である。 熱衝撃緩衝材の設置工程図である。 第一の実施形態の改質反応部の一点鎖線における稼動時の横断面図である。 比較例の改質反応部の横断面図である。 第一の実施形態の縦断面図である。 第一の実施形態の横断面図である。 第二の実施形態の横断面図である。 第三の実施形態の横断面図である。 第四の実施形態の横断面図である。 別のタイプの水蒸気改質器の縦断面図である。 別のタイプの水蒸気改質器に組み込まれた第一の実施形態の横断面図である。 別のタイプの水蒸気改質器に組み込まれた第二の実施形態の横断面図である。 別のタイプの水蒸気改質器に組み込まれた第三の実施形態の横断面図である。 別のタイプの水蒸気改質器に組み込まれた第四の実施形態の横断面図である。 従来技術の水蒸気改質器の図である。 従来技術の水蒸気改質器の図である。
符号の説明
1・・・水蒸気改質器
2・・・バーナ
3、4、5、37、38・・・蓋板
6・・・熱衝撃緩衝材
7・・・プロセス水管路
8・・・伝熱部材
9・・・断熱材
11・・・燃焼排気ガスの熱を改質反応部に伝える伝熱管
12・・・伝熱管11とともに改質反応部の周壁を形成する改質反応部周壁形成管
13乃至17・・・管
21・・・燃焼排気ガス通路
22・・・原料混合部
23・・・改質反応部
24・・・CO変成部
25・・・CO除去部
31・・・プロセス水入口
32・・・プロセス蒸気入口
33・・・原料ガス入口
34・・・改質ガス取出し口
35・・・排気ガス出口
36・・・改質燃料入口

Claims (4)

  1. 多重管からなる水蒸気改質器であって、燃焼によって供給される熱を改質触媒に伝える伝熱管と該伝熱管とともに改質反応部の周壁を形成する改質反応部周壁形成管とを有し、前記伝熱管の外周または/および前記改質反応部周壁形成管の内周に沿って熱衝撃緩衝材を設けることを特徴とする水蒸気改質器。
  2. 請求項1に記載の水蒸気改質器であって、前記伝熱管に固着した伝熱部材を有し、前記改質反応部周壁形成管の内周に沿って熱衝撃緩衝材を設けることを特徴とする水蒸気改質器。
  3. 前記熱衝撃緩衝材が金属繊維または金属細線で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水蒸気改質器。
  4. 前記熱衝撃緩衝材が前記伝熱管と同一の材質または前記改質反応部周壁形成管と同一の材質で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の水蒸気改質器。
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