JP2005271041A - スポット溶接機における冷却媒体の回収方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極の保守点検時に冷却媒体の飛散を防止し工場の環境の悪化を防ぎ、冷却媒体の有効な利用が可能で低コストのスポット溶接機における冷却媒体の回収方法及び装置を提供する。
【解決手段】 電極3の保守点検時に、冷媒循環流路4に設けた冷媒流路6と大気流路7との方向切換弁5を大気流路に切り替えて冷媒循環流路に設けたポンプ13により溶接機内の冷媒循環流路の冷却媒体を吸引して該冷却媒体を冷媒タンク1に回収すると共に溶接機内の冷媒循環流路に大気を進入させるようにしたスポット溶接機における冷却媒体の回収方法及び装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷媒タンクとスポット溶接機の電極間に電極冷却用の冷媒循環流路を形成して循環する冷却媒体により電極を冷却するスポット溶接機における電極の保守点検時の冷媒の回収方法及び装置に関するものである。
従来、冷媒タンクとスポット溶接機の電極間に電極冷却用の冷媒循環流路を形成して循環する冷却媒体により電極を冷却するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、冷却水の供給管路からスポット溶接機の電極を経て冷却水の排水管路に冷却水を流下させて電極を冷却するようにしたものにおいて、電極の保守点検時に、冷却水の供給管路に設けた止水弁(三方弁)を切り替えて該弁に圧縮空気を供給すると共に冷却水の供給を停止し、止水弁からスポット溶接機の電極を経て排水管路に至る間の冷却水を前記圧縮空気により押し出し排水するようにしたものが従来例として説明されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10ー263843号公報 特開平11ー58029号公報
ところで、前記従来技術の前者においては、冷媒タンクとスポット溶接機の電極間に電極冷却用の冷媒循環流路を形成して冷却媒体を循環させるようにしたので、冷却媒体の繰り返し使用が可能であるが、電極の保守点検時における冷却媒体の処理対策が施されていないため、溶接機から電極を取り外した際に該電極部から冷却媒体が工場フロアに飛散する虞れがある。
また、前記従来技術の後者においては、電極の保守点検時における冷却媒体の処理として、圧縮空気を用いて溶接機内の冷却水を排水流路に押し出し排出させるようにしている。しかしながら、この圧縮空気のみでは溶接機内の冷却水を完全に排除することはできず、溶接機から電極を取り外した際に溶接機内に残っている冷却水が溶接機内の残留空気圧によって電極部から工場フロアに飛散する虞れがある。
このように、従来の技術では、電極の保守点検時にいずれも冷却媒体が電極部から工場フロアに飛散することは避けられず、そのため、冷却媒体の使用量の節約が望めないと共に工場フロアを汚して工場の環境不良を起こすという問題がある。
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電極の保守点検時に冷却媒体の飛散を防止し工場の環境の悪化を防ぎ、冷却媒体の有効な利用が可能で低コストのスポット溶接機における冷却媒体の回収方法及び装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明におけるスポット溶接機における冷却媒体の回収方法は、冷媒タンクとスポット溶接機の電極間に電極冷却用の冷媒循環流路を形成して循環する冷却媒体により電極を冷却するスポット溶接機の電極冷却方法において、電極の保守点検時に、冷媒循環流路に設けた冷媒流路と大気流路との方向切換弁を大気流路に切り替えて冷媒循環流路に設けたポンプにより溶接機内の冷媒循環流路の冷却媒体を吸引して該冷却媒体を冷媒タンクに回収すると共に溶接機内の冷媒循環流路に大気を進入させるようにしたことを特徴とするものである。
また、本発明におけるスポット溶接機における冷却媒体の回収装置は、冷媒タンクとスポット溶接機の電極間に電極冷却用の冷媒循環流路を形成して循環する冷却媒体により電極を冷却するスポット溶接機の電極冷却装置において、冷媒循環流路にポンプと、冷媒流路と大気流路との方向切換弁とを配置し、該方向切換弁の大気流路への切換と共に前記ポンプによる冷媒循環流路内の冷却媒体を吸引して冷媒タンクに回収するようにしたことを特徴とするものである。
そしてまた、冷媒循環流路の冷媒タンクへの排出側に冷媒循環用のポンプを配置し、前記冷媒タンクの吐出側に冷媒流路と大気流路の方向切換弁を配置したことを特徴とするものである。
また、冷媒循環流路の冷媒タンクへの排出側に冷媒流路と大気流路の方向切換弁を配置し、前記冷媒タンクの吐出側に冷媒循環用の可逆動ポンプを配置したことを特徴とするものである。
本発明におけるスポット溶接機における冷却媒体の回収方法及び装置では、電極の保守点検時に、冷媒循環流路に設けた冷媒流路と大気流路との方向切換弁を大気流路に切り替えて冷媒循環流路に設けたポンプにより溶接機内の冷媒循環流路の冷却媒体を吸引して該冷却媒体を冷媒タンクに回収すると共に溶接機内の冷媒循環流路に大気を進入させるようにしたので、溶接機内に循環している冷却媒体は、電極の保守点検時にポンプの吸引力によってほとんど全てが冷媒タンクに回収されて、溶接機の次回の運転動作時に電極の冷却に有効に使用される。そして、溶接機内の冷媒循環流路には大気を進入されていることから、溶接機から電極を取り外しても冷媒循環流路内は大気圧或は負圧状態にあり残留冷却媒体があってもこれが電極部から飛散することがない。したがって、工場の環境の悪化を防ぎ、冷却媒体の有効な利用が可能で低コストのスポット溶接機における冷却媒体の回収方法及び装置となる。
添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図1は本発明に係るスポット溶接機における冷却媒体の回収方法及び装置を実施する冷却媒体の流れを示す要部の回路図である。
図1において、1は冷媒タンク、2は電極3を備えたスポット溶接機であり、冷媒タンク1とスポット溶接機2の電極3間には電極冷却用の冷却媒体の冷媒循環流路4が形成されている。
5は前記冷媒循環流路4に設けた方向切換弁であり、該方向切換弁5は冷媒流路6と大気流路7を備えたものであり、これら冷媒流路6と大気流路7を適宜選択することにより冷媒循環流路4に冷却媒体を流すか大気を進入させかの動作を行うのである。そして、該方向切換弁5の大気流路7の入口にはフィルタ8と逆止弁9とを介して大気が供給されるようになっている。なお、方向切換弁5は手動切換弁或は電磁切換弁のいずれを用いてもよい。
10は送風器11と熱交換器12とからなるラジエ―タであり、電極3で加熱された冷却媒体を冷やすためのものである。
13はモ―タ14とカップリング15を備えたポンプであり、該ポンプ13はモ―タ14の駆動により動作し、前記冷媒循環流路4内の冷却媒体を前記冷媒タンク1に戻し且つ冷媒タンク1内の冷却媒体を前記方向切換弁5に送るようにしている。なお、16はラジエ―タ10とポンプ13との間に配置された逆止弁,17は冷媒タンク1から方向切換弁5へ冷却媒体を送る管の入口の冷媒タンク1内に設けたストレ―ナである。
以上のような構成からなり、スポット溶接機2を動作し、その電極3を冷却媒体で冷却するときには、ポンプ13を駆動して、冷媒循環流路4内の冷却媒体を該ポンプ13で吸引し、その冷却媒体を冷媒タンク1内に吐出し、冷媒タンク1内の冷却媒体を方向切換弁5を介して冷媒循環流路4内に循環させることにより電極3が冷却される。
そして、スポット溶接機2の動作を停止しその電極3の保守点検時には、先ず,方向切換弁5を大気流路7に切り替えて、フィルタ8と逆止弁9とを介して大気が方向切換弁5の大気流路7から冷媒循環流路4内に進入可能の状態とすると共に冷媒タンク1からの循環冷却媒体を方向切換弁5でストップさせることにより、冷媒循環流路4内の冷却媒体はポンプ13で吸引されてポンプ13から冷媒タンク1に排出されて該冷媒タンク1に回収され、また冷媒循環流路4内は冷却媒体の減少により前記方向切換弁5からの大気が容易に進入する。
冷媒循環流路4内の冷却媒体の回収がほぼ終了した状態で、ポンプ13の駆動を停止してから、スポット溶接機2の電極3を溶接機2から取り外した場合,冷媒循環流路4内はほとんど大気圧か負圧の空気が充満しており、仮に少量の冷却媒体が残留していても、この残留している冷却媒体は噴出能力を有しないものとなっているため、電極3の取り外しによる冷却媒体の飛散現象は発生しない。
このような冷却媒体の回収方法及び装置では、電極3の取り外しによる冷却媒体の飛散現象は発生しないため工場の環境の悪化が防がれ、冷却媒体は確実に冷媒タンク1に回収されてその有効な利用が可能となる。
なお、この実施例では、冷媒循環流路4の冷媒タンク1への排出側に冷媒循環用のポンプ13を配置し、前記冷媒タンク1の吐出側に冷媒流路6と大気流路7の方向切換弁5を配置したものを示した。
図2は本発明の他の実施例を示すものであり、この実施例ではポンプとして可逆動ポンプを採用した以外は先の実施例と実質的に同一であるので、同一部材には同一符号を付してその説明を省略する。
図2において、20は可逆動ポンプであり、該ポンプ20は冷媒タンク1の吐出側に配置され、冷媒循環流路4の冷媒タンク1への排出側には冷媒流路6と大気流路7の方向切換弁5が配置されている。なお、21はパイロット付逆止弁である。
そして、スポット溶接機2を動作し、その電極3を冷却媒体で冷却するときには、ポンプ20を駆動して、冷媒タンク1内の冷却媒体を該ポンプ20により冷媒循環流路4内に送り、電極3を通り方向切換弁5の冷媒流路6を介して冷却媒体を冷媒タンク1内に戻すように冷却媒体を循環させることで、電極3が冷却される。
また、スポット溶接機2の動作を停止しその電極3の保守点検時には、先ず,方向切換弁5を大気流路7に切り替えて、大気が方向切換弁5の大気流路7から冷媒循環流路4内に進入可能の状態とすると共に可逆動ポンプ20を逆転させることにより、冷媒循環流路4内の冷却媒体はポンプ20で吸引されてポンプ20から冷媒タンク1に排出されて該冷媒タンク1に回収され、また冷媒循環流路4内は冷却媒体の減少により前記方向切換弁5からの大気が容易に進入する。
冷媒循環流路4内の冷却媒体の回収がほぼ終了した状態で、ポンプ20の駆動を停止してから、スポット溶接機2の電極3を溶接機2から取り外した場合,冷媒循環流路4内はほとんど大気圧か負圧の空気が充満しており、仮に少量の冷却媒体が残留していても、この残留している冷却媒体は噴出能力を有しないものとなっているため、電極3の取り外しによる冷却媒体の飛散現象は発生しない。
このような冷却媒体の回収方法及び装置でも、電極3の取り外しによる冷却媒体の飛散現象は発生しないため工場の環境の悪化が防がれ、冷却媒体は確実に冷媒タンク1に回収されてその有効な利用が可能となる。
なお、本発明で使用される冷却媒体としては水は当然のこととして、水に代えて錆止液或は不凍液等を用いてもよい。
図1は本発明に係るスポット溶接機における冷却媒体の回収方法及び装置を実施する冷却媒体の流れを示す要部の回路図である。 図2は他の実施例の冷却媒体の流れを示す要部の回路図である。
符号の説明
1 冷媒タンク
2 スポット溶接機
3 電極
4 冷媒循環流路
5 方向切換弁
6 冷媒流路
7 大気流路
13 ポンプ
20 可逆動ポンプ

Claims (4)

  1. 冷媒タンクとスポット溶接機の電極間に電極冷却用の冷媒循環流路を形成して循環する冷却媒体により電極を冷却するスポット溶接機の電極冷却方法において、電極の保守点検時に、冷媒循環流路に設けた冷媒流路と大気流路との方向切換弁を大気流路に切り替えて冷媒循環流路に設けたポンプにより溶接機内の冷媒循環流路の冷却媒体を吸引して該冷却媒体を冷媒タンクに回収すると共に溶接機内の冷媒循環流路に大気を進入させるようにしたことを特徴とするスポット溶接機における冷却媒体の回収方法。
  2. 冷媒タンクとスポット溶接機の電極間に電極冷却用の冷媒循環流路を形成して循環する冷却媒体により電極を冷却するスポット溶接機の電極冷却装置において、冷媒循環流路に、ポンプと、冷媒流路と大気流路との方向切換弁とを配置し、該方向切換弁の大気流路への切換と共に前記ポンプによる冷媒循環流路内の冷却媒体を吸引して冷媒タンクに回収するようにしたことを特徴とするスポット溶接機における冷却媒体の回収装置。
  3. 冷媒循環流路の冷媒タンクへの排出側に冷媒循環用のポンプを配置し、前記冷媒タンクの吐出側に冷媒流路と大気流路の方向切換弁を配置したことを特徴とする請求項2記載のスポット溶接機における冷却媒体の回収装置。
  4. 冷媒循環流路の冷媒タンクへの排出側に冷媒流路と大気流路の方向切換弁を配置し、前記冷媒タンクの吐出側に冷媒循環用の可逆動ポンプを配置したことを特徴とする請求項2記載のスポット溶接機における冷却媒体の回収装置。
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