JP2005270985A - 連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】 連続鋳造を用いて鋳型に溶鋼を注湯し、この溶鋼を凝固させて鋳片を製造する際に、鋳型内に溶鋼を注湯する浸漬ノズルに介在物が付着して、ノズル詰まりやノズル閉塞を生じるのを抑制して鋳片の品質向上や鋳造の安定化を図ることができる連続鋳造用浸漬ノズルを提供する。
【解決手段】 溶鋼を鋳型に注湯する筒体と、該筒体に連続して設けられた複数の吐出口を有する浸漬部とからなる連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記浸漬部となる吐出口を含めた筒体の少なくと一部に、炭素含有量が10質量%以下、および/またはSiO2 が10質量%以下からなる炭素レス耐火物の内装体を設け、さらに、前記内装体の上部に、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とする内装体を設けてなることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続鋳造を用いて鋳型に溶鋼を注湯する。この溶鋼を凝固させて鋳片を製造する際に、鋳型内に溶鋼を注湯する浸漬ノズルに介在物が付着して、ノズル詰まりやノズル閉塞を生じるのを抑制して鋳片の品質向上や鋳造の安定化を図ることができる連続鋳造用浸漬ノズルに関するものである。
従来、連続鋳造においては、浸漬ノズルを使用して鋳型内に溶鋼を供給し、凝固させながらピンチロールで所定の速度で引き抜く方法により鋳片を製造している。この浸漬ノズルを使用して鋳型内に溶鋼を注湯する場合、浸漬ノズルの内壁、特に、吐出口近傍にAl2 3 系の介在物が付着、堆積することにより、ノズル詰まり、極端な場合にはノズル閉塞を招いていた。そこで、介在物が付着する要因が耐火物中の炭素、シリカ成分が関与している理由から、例えば実公平7−18467号公報(特許文献1)に記載するように、周方向、あるいは縦方向に目地を配置して炭素を含有しない、例えばアルミナ、シリカ、ジルコン系などの耐火物を内張りするか、または、特開平3−243258号公報(特許文献2)に記載するように、炭素を含まず、SiO2 の含有量が5質量%以下のAl3 3 系、MgO系、ZrO2 系等の耐火物を浸漬ノズルの吐出口近傍に内張りし、耐火物中の炭素やSiO2 成分が溶鋼中のAl成分と反応して生成する網目状のAl2 3 系介在物の付着、堆積を抑制することが行われており、かなりの効果が得られている。
しかしながら、低シリカ、カーボンレス耐火物であっても、脱酸などにより溶鋼中に生成したAl2 3 系介在物が吐出口近傍に付着したり、浸漬ノズルの放熱による溶鋼の温度低下に伴って稼動面に地金が付着し、この地金が付随して、前記Al2 3 系介在物が付着し、吐出口の詰まり、およびこの吐出口の詰まりに起因した溶鋼の吐出流の偏流を生じ、鋳片の表面欠陥や内部欠陥が発生する。
さらに、浸漬ノズルの詰まり防止方法として、浸漬ノズルに、例えば特開昭63−132755号公報(特許文献3)に記載するように、浸漬ノズルの内壁および/または吐出口にCaOを50〜100質量%を含有する石灰質耐火物を所定の厚みでコーティングすることにより、生成したAl2 3 系介在物をCaO−Al2 3 系の低融点化合物にして浸漬ノズルの内壁面から洗い流すことにより、吐出口の詰まりや閉塞を防止する。
また、特開平5−285612号公報(特許文献4)に記載するように、浸漬ノズルの内壁に、CaOを2〜40質量%とSiO2 の含有量が1質量%未満であるアルミナクリンカー、スピネルクリンカー、マグネシアクリンカーの1種以上を含有し、炭素濃度を1質量%以下からなる内装体を装着し、溶鋼のカーボンピックアップの抑制と、溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 系介在物のCaO−Al2 3 系の低融点化合物化を図りながら低CaO成分により耐溶損性を高めてノズル詰まりや閉塞を抑制し、鋳造の安定化、鋳片品質の向上を図ることが行われている。
しかし、前記特許文献3に記載するように、浸漬ノズルでは、溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 介在物と内装体を形成する耐火物中のCaO成分が反応してCaO−Al2 3 系の低融点化合物を形成して溶融するため、特に吐出口において耐火物の溶損が加速されて大きくなる。溶損が大きな耐火物は浸漬ノズルの構造が複雑な吐出口に使用することができない。このように、溶損の大きな耐火物は、内装体が長時間の鋳造に耐えない問題がある。さらに、内装体の溶損の大きな耐火物を使用する場合には、溶融したCaO−Al2 3 系の低融点化合物が鋳型内で凝固しつつある溶鋼中に混入し、鋳片の介在物欠陥の要因となり、鋳片の品質を阻害する。
また、特許文献4に記載する浸漬ノズルでは、浸漬ノズルの内装体に含まれるCaO成分が溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 介在物のCaO−Al2 3 系の低融点化合物化を形成することを意図したものであるため、低CaO成分の耐火物であっても内装体を構成する耐火物からCaO成分が溶出して溶損が起こることを解消できない。一方、溶損を抑制するために、低CaO成分組成にすると、前述したカーボンレス耐火物と同様に、Al2 3 系介在物や地金の付着が発生し、吐出口の詰まり、およびこの吐出口の詰まりに起因した溶鋼の吐出流の偏流を生じ、鋳片の表面欠陥や内部欠陥が発生するという問題を解消することが出来ない。
実公平7−18467号公報 特開平3−243258号公報 特開昭63−132755号公報 特開平5−285612号公報
上述のような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、浸漬ノズルに従来から使用されているカーボンレス耐火物において、溶鋼と耐火物成分の反応による炭素ピックアップの抑制、Al2 3 介在物の生成抑制効果が良好であり、耐火物そのものが耐溶損性に優れており、吐出口などの複雑な構造部位の材質として最適であることに着目し、この特性を発現しつつ、溶鋼の温度低下や脱酸生成物のAl2 3 介在物の付着を抑制することが実現できれば本来のカーボンレス耐火物の機能を極限に発現することができると共に、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物からなる内装体と組み合わせることにより、Al2 3 介在物の低融点化による融液層の生成によりノズル詰まりや閉塞を確実に防止でき、安定した連続鋳造を行うことが可能であることを知見し、この知見により達成できたことにある。
その発明の要旨とするところは、
(1)溶鋼を鋳型に注湯する連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記浸漬ノズルの吐出口を含めた内孔の少なくと一部に、炭素含有量が10質量%以下、および/またはSiO2 が10質量%以下からなるカーボンレス耐火物の内装体を設け、さらに、前記内装体の上部に、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とする内装体を設けてなることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
(2)前記(1)に記載のドロマイトクリンカーを配合した耐火物がドロマイトクリンカーを60質量%以上含むことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
(3)前記(1)に記載のドロマイトクリンカーを配合した耐火物の炭素濃度が10質量%以下であることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
(4)炭素レス耐火物とドロマイトクリンカーを配合した耐火物の間にMgOを含有するモルタルを介して装着していることを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の連続鋳造用浸漬ノズルにある。
以上述べたように、本発明により溶鋼に含まれるAlや脱酸生成物であるAl2 3 を予めドロマイト内装体に含まれるCaOと反応せしめて、Al2 3 −CaO系の低融点化合物にするので、ノズルの内壁面への介在物の付着や堆積を防止することができ、ノズル詰まりや閉塞を防止することができる。また、浸漬ノズルを用いた溶鋼の鋳造において、最も重要な吐出口の形状を安定して維持しながらノズル詰まりや閉塞を防止して鋳造を安定化でき、鋳片の品質の向上や鋳造の生産性を高めることができる。さらには、耐溶損性、強度などに応じて耐火物を張り分け、かつそれぞれの機能を発現することにより、Al2 3 系介在物や地金付着、堆積を抑制できる。その結果、浸漬ノズルの筒部から吐出口の全体にわたって使用が可能になり、ノズル全体のAl2 3 系介在物や地金付着の対応が可能になる等極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、浸漬ノズルの内壁と吐出口近傍に内装する内装体について、強度、および耐溶損性が必要な吐出口にカーボンレス耐火物を内装し、その上方の内壁に、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とする内装体を配置したことにある。そして、浸漬ノズルを介して溶鋼を鋳型に注湯する際に、溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 介在物とドロマイト耐火物中のCaO成分を反応させ、稼動面にCaO−Al2 3 系の低融点化合物化からなる融液層を形成する。この溶融したCaO−Al2 3 系の低融点化合物化を筒内を下降する溶鋼流によって洗い流されてカーボンレス耐火物を内張りした吐出口近傍に流下する。
この時点では、ほとんどのAl2 3 介在物は低融点の化合物に改質されており、しかも、融液化しているので、カーボンレス耐火物の稼動面に付着、堆積することなく鋳型内に流下する。当然、カーボンレス耐火物の稼動面においてもAl2 3 介在物生成の抑制、炭素ピックアップの抑制作用が発現され、溶鋼中のAl成分と耐火物との反応によるAl2 3 介在物の生成もさらに抑制される。また、ドロマイト耐火物は、前述したように、その稼動面にCaO−Al2 3 系の低融点化合物化からなる融液層を形成し、Al2 3 介在物や地金付着、堆積を抑制し、同時に、ドロマイトクリンカー中のMgO粒が融液層の背面に析出して、すなわちMgOリッチ層ができ、相反する浸漬ノズルの耐溶損性を向上するという優れた作用を発現することができる。ここでMgOリッチ層とは、本発明者らが新たに知見した現象であり、連続鋳造ノズルの少なくとも溶鋼と接触する部位の耐火物としてCaOを含むドロマイトクリンカーを使用した場合、溶鋼と接触中にドロマイトクリンカー中のCaOは付着した溶鋼中Al2 3と反応して消費されるが、ドロマイトクリンカー中のMgOは溶鋼と接触している稼動面に残留して濃縮し、MgO含有量が50%以上のMgOがリッチな層を形成する。この層をMgOリッチ層と称し、この層が形成されることによって耐食性、耐溶損性が改善される。
また、吐出口の近傍に内張りしたカーボンレス耐火物は、逆に、溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 介在物と浸漬ノズル本体に含まれる成分との反応(特に、炭素、珪素)を抑制し、しかも、耐火物そのものが耐溶損性に優れているため、過酷で複雑な吐出口近傍の内張りであっても、その構造を維持することができ、溶鋼の鋳造過程におけるノズル吐出口の形状をも安定して維持することができるので、偏流のない良好な吐出流を形成することができる。
さらに、吐出口近傍とその上部にドロマイト内装体を組み合わせることで、浸漬ノズル全体の介在物や地金の付着、堆積を抑制し、詰まりや閉塞に起因する鋳造上の問題を解消することができる。ここで、浸漬ノズルに内装するカーボンレス耐火物の炭素濃度が10質量%を超えると、耐火物中の炭素成分が酸化され、SiO2 成分も酸化されてSiOガスとなり、溶鋼中のAlと反応し、網目状のAl2 3 の生成を招いたり、特に、炭素成分は、溶鋼中の炭素のピックアップを生じて極低炭素鋼の溶製に支障となる。
ドロマイト耐火物の組成において、CaOの含有量が25質量%未満(MgOで言うと70質量%を超える場合)になると、溶鋼中のAl、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 介在物と反応するCaO成分が不足し、稼動面にCaO−Al2 3 系の低融点化合物の形成が悪くなり、ノズル詰まりや閉塞を生じる。一方、CaO含有量が65質量%を超えると(MgOで言うと25質量%未満の場合)と溶鋼中のAl、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 介在物と耐火物中のCaO成分が反応して稼動面に融液層が形成されて、溶鋼流により流下する際に、稼動面から背面側に後退しながら形成される耐溶損性に優れたMgOリッチ層の生成が悪くなって耐火物の溶損が大きくなる。その結果、浸漬ノズルの寿命の低下、過剰に生成した低融点化合物であるCaO−Al2 3 系の酸化物が溶鋼中に混入し、その一部が鋳片に残留して鋳片の品質を阻害することになる。
上記の理由から、ドロマイト耐火物を構成する耐火材料として少なくとも60質量%のドロマイトクリンカーを配合することにより、耐火物を構成するCaO群の中にMgOが存在するため、稼動面におけるAlの酸化、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 介在物の浸潤により稼動面にCaO−Al2 3 系の低融点化合物の融液層を形成し、付着、堆積を抑制すると共に、融液層、およびその近傍のMgO粒子が稼動面の融液層から後退するようにして背面(融液層の背面)にMgOリッチ層を形成することができる。この作用は、CaO群の中にMgOが存在するドロマイトクリンカーを使用することにより発現することが可能になる。ドロマイトクリンカーの配合量が60質量%未満では、前記稼動面で起きる融液層の形成とその背面にMgOリッチ層を生成することができず、結果として、浸漬ノズルの溶損による寿命の低下やノズル詰まり、閉塞などの問題が生じることになる。
ドロマイト耐火物に含まれる炭素は、タール、ピッチ、結合剤であるフェノール樹脂などからの炭素であり、その濃度は10質量%以下にすることにより、ドロマイト耐火物の骨材の結合を良好にして耐火物強度の担保と、過剰な炭素による溶鋼の炭素ピックアップを抑制することができる。この理由から、炭素濃度は、0.5〜6質量%にするとより好ましい。また、炭素レス耐火物は、アルミナ質、ジルコニア質、MgO質など一般に使用されている耐火物を使用でき、炭素の含有量及びシリカの含有量は10質量%以下にしており、これ等の成分は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下にすると良い。
以下、本発明について図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る内装体を装着した浸漬ノズルの断面図である。図1において、浸漬ノズル1は、アルミナグラファイト質からなる筒状体2からなり、この筒状体2の下方には左右対称に構成した吐出口4が穿孔されている。そして、浸漬部となる、この吐出口4、およびその上方側には、内側に炭素含有量が10質量%以下からなるカーボンレス耐火物からなる10mmの厚さのカーボンレス耐火物内装体5が図示しない目地を介して内張りされている。さらに、カーボンレス耐火物からなる内装体5の上方には、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物であって、その耐火物に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOが25〜70質量%とを主成分とする厚みが10mmのドロマイト質内装体6が図示しない空目地を介して装着されている。その内径Dは70mmのものを形成する。なお、符号3は、底部を示す。
図2は、本発明に係る浸漬ノズルを用いる連続鋳造装置の一部概略図である。この図に示すように、連続鋳造装置7は溶鋼8を図示しない取鍋から注湯して溜めるタンディッシュ9とタンディッシュ9の下部に取り付けられた浸漬ノズル1を設けている。そして、このような構成された浸漬ノズル1は、1000〜1200℃の温度で予熱され、その直後に、タンディッシュ9に設けられたスライディングノズル装置の下に取り付けられる。
そして、タンディッシュ9から1530〜1570℃の溶鋼がスライディングノズルを開操作することにより、溶鋼の注湯が開始され、溶鋼が浸漬ノズル1の筒状体2を加熱しながら、流下して吐出口4から鋳型10内に流出する。鋳型10内では、通常の連続鋳造と同様に、鋳型10による溶鋼8の冷却と、その下方に配置された鋳片の支持セグメントに布設し二次冷却水ノズルからの散水による冷却により、溶鋼8を凝固させて凝固シェル11を形成しながら鋳片12として連続して引き抜きが行われる。符号13はパウダーを示す。
ここで、浸漬ノズル1の筒状体2の内部を流下し、吐出口4から鋳型10内に注湯される溶鋼中には、成分として含有されるAl、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 系酸化物が存在し、Al成分が酸化されて生成したAl2 3 系酸化物、脱酸生成物であるAl2 3 系酸化物からなるAl2 3 系介在物が浸漬ノズル1の溶鋼との接触面である稼動面に付着、堆積する。しかし、本発明では、浸漬ノズル1の稼動面が最初に溶鋼と接触する部位に、ドロマイト質からなる耐火物のドロマイト質内装体6を内張りしているので、溶鋼中のAl2 3 系の酸化物とドロマイト質内装体6に含まれるCaO成分が反応して低融点化合物を生成し、その稼動面に僅か数十μの融液層を形成し、稼動面からAl2 3 系介在物を溶鋼の流れに随伴して除去し、介在物や地金の付着、堆積を防止することができる。
しかも、融液層の背面に融液層に存在するMgO成分(粒子)が後退するようにして融液層の背面に耐溶損性に優れたMgOリッチ層を形成する。この際に稼動面には、このリッチ層の粒子間をCaO成分が拡散して稼動面でのAl2 3 系の酸化物とCaO成分の反応による低融点化合物を生成および融液層の生成を持続することができる。このように、ドロマイト耐火物のドロマイト質内装体6を溶鋼と最初に接する部位に内張りしているので、溶鋼成分と耐火物に含まれる炭素成分や珪酸成分の反応を抑制して溶鋼中のAl成分の酸化反応に起因するAl2 3 系介在物の生成を抑制することによって表面にAl2 3 系介在物や地金の付着や堆積を抑制するメカニズムであるカーボンレス耐火物からなる内装体5を通過するAl2 3 介在物は、予め低融点化合物を形成し、融液化しているので、カーボンレス耐火物内装体5の通過時にカーボンレス耐火物内装体5の稼動面に付着するのを防止することができる。
そして、浸漬ノズル1の内装体を機能に応じて適材適所、すなわち、吐出口は角度、開口面を安定して置く必要からカーボンレス耐火物内装体5を内張りし、浸漬ノズルの上部はドロマイト耐火物を使用して最適位置での内張りをすることにより、Al2 3 系の酸化物の低融点化、再生成の抑制を組み合わせた相乗作用により難付着のノズル詰まりの無い浸漬ノズルを提供することが出来るものである。
さらに、ドロマイト耐火物のドロマイト質内装体6は、強度が弱く、膨張特性が大きくなるために、吐出口4に内装するには異常溶損やスポーリングなどにより欠損する場合があり、この場合に吐出口4の内径が変動し、この結果、吐出流の偏流を招き、鋳造が不安定になり鋳片の品質が低下する。しかし、この吐出口4部では溶鋼成分と反応せず、かつ、耐溶損性、高強度のカーボンレス耐火物内装体5を適用することにより、長時間の鋳造に十分対応することができ、ノズルの寿命を向上して安定鋳造を可能にし、鋳片の品質向上、生産性の向上が達成できる。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
図3は、従来例と本発明例のノズル詰まり指数との関係を示す図である。この図に示す従来例1は、アルミナ・グラファイト質の耐火物(AG質)からなる耐火物で浸漬ノズルを構成し、内面もそのAG質である。また、従来例2は、外側をアルミナ・グラファイト(AG)質の筒状にし、内張りにカーボンレス耐火物の内装体のみを配置した場合である。これに対し、本発明例の浸漬ノズルは、外筒をアルミナ・グラファイト(AG)質からなる耐火物とし、その内側に内装する内装体を浸漬部である吐出口およびその近傍上部に装着する部位に、カーボンレスの内装体を配置し、さらに、その上部にドロマイト耐火物からなる内装体を内張りしたものである。これらの浸漬ノズルをタンディッシュの上ノズルに連通したスライディングノズル(図示せず)に嵌合してアルミキルド溶鋼を鋳型に浸漬ノズルを使用して注湯を行った。そして、鋳型内での冷却と支持セグメントの布設した二次冷却吹ノズルからの散水により、溶鋼を凝固させて鋳片を製造した。
鋳型内に溶鋼を注湯する際の浸漬ノズルのノズル詰まりについて調査した結果を図3に示す。この図に示すように、通常のアルミナ・グラファイト(AG)質を使用した従来例1の場合のノズル詰まり指数が1.0であり、また、外側をアルミナ・グラファイト(AG)質の筒状にし、内張りにカーボンレス耐火物の内装体のみを配置した従来例2の場合のノズル詰まり指数は0.7である。これに対し、本発明例の浸漬ノズルでは、ノズル詰まり指数が0.15に大幅に低減することができ、ノズルの使用回数の向上を図ることができる。
図4は、従来例と本発明の品質欠陥発生指数との関係を示す図である。この図に示すように、従来例1および従来例2では、鋳片の品質欠陥発生指数が1.0、0.6と高くなり、悪い結果であった。これに対し、本発明例の外筒をアルミナ・グラファイト(AG)質からなる耐火物とし、その内側に内装する内装体を浸漬部である吐出口およびその近傍上部に装着する部位に、カーボンレスの内装体を配置し、さらに、その上部にドロマイト耐火物からなる内装体を内張りしたものの鋳片の品質欠陥発生指数が0.1と良好な結果が得られたことが分かる。
本発明に係る内装体を装着した浸漬ノズルの断面図である。 本発明に係る浸漬ノズルを用いる連続鋳造装置の一部概略図である。 従来例と本発明例のノズル詰まり指数との関係を示す図である。 従来例と本発明例の品質欠陥発生指数との関係を示す図である。
符号の説明
1 浸漬ノズル
2 筒状体
3 底部
4 吐出口
5 カーボンレス耐火物内装体
6 ドロマイト質内装体
7 連続鋳造装置
8 溶鋼
9 タンディッシュ
10 鋳型
11 凝固シェル
12 鋳片
13 パウダー
特許出願人 新日本製鐵株式会社 他1名
代理人 弁理士 椎 名 彊 他1

Claims (4)

  1. 溶鋼を鋳型に注湯する連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記浸漬ノズルの吐出口を含めた内孔の少なくとも一部に、炭素含有量が10質量%以下、および/またはSiO2 が10質量%以下からなるカーボンレス耐火物の内装体を設け、さらに、前記内装体の上部に、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とする内装体を設けてなることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. 請求項1に記載のドロマイトクリンカーを配合した耐火物がドロマイトクリンカーを60質量%以上含むことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  3. 請求項1に記載のドロマイトクリンカーを配合した耐火物の炭素濃度が10質量%以下であることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  4. 炭素レス耐火物とドロマイトクリンカーを配合した耐火物の間にMgOを含有するモルタルを介して装着していることを特徴とする請求項1〜3に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
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