JP2005270810A - 濾過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多数の濾過器がヘッダ管により連結された構造を有し、その多数の濾過器に均一に逆洗圧力を作用させることが可能であり、濾過器の逆洗時に十分な洗浄効果を得ることができる濾過装置を提供する。
【解決手段】フィルタエレメント及びケーシングからなる濾過器52を多数備え、原液供給ヘッダ管60、濾液回収ヘッダ管62、及び原液回収ヘッダ管64等のヘッダ管58によって、複数の濾過器52が並列的に連結されたフィルタストリング82が構成され、濾液回収集合管84によって少なくとも2列のフィルタストリング82が更に並列的に連結された構造を有するとともに、その濾液回収集合管84が濾液回収ヘッダ管62に比して高い位置に配置された濾過装置50。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体中の懸濁物質や病原性微生物等の有害物質を除去するために用いられる濾過装置に関し、詳しくは、フィルタエレメントがケーシング内に内蔵されてなる濾過器を多数備え、その多数の濾過器が配管によって相互に連結された構造を有する濾過装置に関する。
近年、世界的な水不足に加えて、クリプトスポリジウムやO−157をはじめとする病原性微生物の問題が深刻化しており、安全性が高く高品質の水を簡易に製造し得る浄水プロセスが求められている。多孔質体を濾材とするフィルタエレメントを用いた精密濾過(MF:Micro filtration)や限外濾過(UF:Ultra filtration)は、簡便な操作により液体中の懸濁物質や病原性微生物等の有害物質を効果的に除去し得る浄水プロセスとして注目を集めている。精密濾過や限外濾過に用いられるフィルタエレメントとしては、樹脂やセラミック等の多孔質体からなる隔壁を有し、その隔壁によって、液体の流路となるセルが形成された構造のものが汎用されている。
例えば、中空糸膜フィルタは、中空糸を濾材とし、これを多数本集合させたフィルタエレメントであり、多孔質樹脂からなるキャピラリー状の隔壁を有し、その隔壁によって中心部を貫通するセルが形成された構造となっている。この構造においては、被処理液体(原液)を所定の圧力で中空糸の外部に供給すると、液体は多孔質樹脂からなる隔壁を透過して中空糸の中心部を貫通するセル内に流入する。この際、隔壁において懸濁物質や病原性微生物等の有害物質が除去され、セル内に流入した液体を浄化された処理済液体(濾液)として回収することができる。即ち、中空糸膜フィルタにおいては、隔壁によって形成されたセルが濾液を流通させる濾液流路として利用されている。
また、図1に示すモノリス状フィルタ2は、セラミック多孔質体を濾材とし、液体の流路方向が平行となるように多数のセル3が形成されたフィルタエレメントである。このフィルタエレメントは、セラミック多孔質体からなる格子状の隔壁を有し、その隔壁によって区分された多数のセル3が形成されたハニカム構造となっている。この構造においては、被処理液体(原液)を所定の圧力で多数のセル3の内部に供給すると、液体はセラミック多孔質体からなる隔壁を透過してセル外に流出する。この際、隔壁において懸濁物質や病原性微生物等の有害物質が除去され、セル外、ひいてはモノリスの外部に流出した液体を浄化された処理済液体(濾液)として回収することができる。即ち、図1に示すモノリス状フィルタ2においては、隔壁によって形成されたセル3が原液を流通させる原液流路として利用されている。
上記のフィルタエレメントを精密濾過や限外濾過に用いる際には、フィルタエレメントがケーシング内に内蔵されてなる濾過器の形態で用いられることが多い。上記のフィルタエレメントは、セルを濾液流路として利用するか、原液流路として利用するかの相違はあるものの、いずれも隔壁によって原液流路と濾液流路とが区分された構造を有している。従って、フィルタエレメントをケーシング内に内蔵させ、O−リング等のシール材により、原液流路と濾液流路とを液密的に隔離させる構造とすることによって、濾液のみを分離して回収することが可能となる。通常、このような濾過器では、フィルタエレメントが、液体を鉛直方向に流通させるように、ケーシング内に内蔵されている。
上記のような濾過器は、単独でも濾過機能を有するものであるが、大量の原液を処理することが要請される浄水場や工場等の大規模設備においては、濾過面積、ひいては単位時間・単位濾過面積当たりの透水量(以下、単に「透水量」と記す)を増加させ、処理能力を向上させるために、多数の濾過器が配管によって相互に連結された構造の濾過装置として使用されることが一般的である。例えば、多数の濾過器がヘッダ管により連結された構造の濾過装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−334429号公報
しかしながら、上記のような多数の濾過器がヘッダ管により連結された構造の濾過装置は、濾過面積を増加させ、処理能力を向上させるという観点からは有用な装置であるものの、濾過器の逆洗時に十分な洗浄効果が得られないという問題が生じていた。
上記のような濾過器は、継続的に濾過を行うと、フィルタエレメントの隔壁表面に濾別された懸濁物質等が徐々に堆積するため、透水量は次第に減少してしまう。従って、定期的ないしは不定期に、フィルタエレメントに対し、濾過とは逆方向に(即ち、濾液流路側から原液流路側に向かって)清澄水や洗浄用薬液等を加圧流通させる「逆洗」と称される洗浄操作を行っている。この逆洗により、フィルタエレメントの隔壁表面に堆積した懸濁物質等を剥離させて除去することができ、透水量を当初に近いレベルまで回復させることが可能となる。
ところが、上記のような濾過装置においては、多数の濾過器がヘッダ管により連結された装置構造に起因して、濾過装置を構成する多数の濾過器に均一に逆洗圧力を作用させることが困難であり、各々の濾過器における洗浄効果が不均一になるおそれがあった。同様に、一つの濾過器内においても、フィルタエレメントに形成された多数のセルに均一に逆洗圧力を作用させることが困難であり、各々のセルにおける洗浄効果にもバラツキを生ずる場合があった。
このような状況では、逆洗による洗浄効果が不十分なものとなり易いため、i)フィルタエレメントが本来的に有している濾過面積を有効に活用することができず、透水量が設計値より減少する、ii)一度逆洗を行っても、短時間のうちに透水量が再度減少してしまい、頻繁な逆洗を余儀なくされる、といった種々の不具合を生ずる点において好ましくない。
以上説明したように、現在のところ、多数の濾過器がヘッダ管により連結された構造を有し、かつ、濾過器の逆洗時に十分な洗浄効果を得ることができる濾過装置は未だ開示されておらず、そのような濾過装置を創出することが産業界から切望されている。本発明は、上述のような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、多数の濾過器に、或いはフィルタエレメントに形成された多数のセルに、均一に逆洗圧力を作用させることが可能であり、濾過器の逆洗時に十分な洗浄効果を得ることができるという、従来のものと比較して有利な効果を奏する濾過装置を提供するものである。
本発明者等は、上述の課題を解決するべく鋭意研究した結果、多数の濾過器がヘッダ管により連結された構造の濾過装置においては、ヘッダ管内部にエアが残留し易く、そのエアによって形成されるエア溜まりが逆洗圧力を減衰させるために、濾過器の逆洗時に十分な洗浄効果が得られないことを見出した。そして、ヘッダ管によって、複数の濾過器が並列的に連結されたフィルタストリングを構成し、少なくとも2列のフィルタストリングを、集合管によって更に並列的に連結した構造とすることに加え、その集合管をヘッダ管に比して高い位置に配置するという新規な構成によって、上記課題を解決し得ることに想到して、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の濾過装置を提供するものである。
[1] 多孔質体からなる隔壁を有し、前記隔壁によって、液体の流路となるセルが形成されたフィルタエレメント、及び前記フィルタエレメントを内蔵し得るケーシングからなり、前記フィルタエレメントが、液体を鉛直方向に流通させるように、前記ケーシング内に内蔵されてなる濾過器、を多数備えた濾過装置であって、前記ケーシングは、前記フィルタエレメントに被処理液体(原液)を供給し得る原液供給口、前記フィルタエレメントから処理済液体(濾液)を送出し得る濾液送出口、及び前記フィルタエレメントから前記原液を排出し得る原液排出口が形成されたものであり、多数の前記濾過器を相互に連結する配管として、前記ケーシングの前記原液供給口に連結させ得る複数の開口部を有する原液供給ヘッダ管と、前記ケーシングの前記濾液送出口に連結させ得る複数の開口部を有する濾液回収ヘッダ管と、前記ケーシングの前記原液排出口に連結させ得る複数の開口部を有する原液回収ヘッダ管と、前記濾液回収ヘッダ管に連結させ得る、少なくとも2つの開口部を有する濾液回収集合管とを備え、前記原液供給ヘッダ管、前記濾液回収ヘッダ管、及び前記原液回収ヘッダ管によって、複数の前記濾過器が並列的に連結されたフィルタストリングが構成され、前記濾液回収集合管によって、少なくとも2列の前記フィルタストリングが更に並列的に連結された構造を有するとともに、前記濾液回収集合管が、前記濾液回収ヘッダ管に比して高い位置に配置された濾過装置。
[2] 多孔質体からなる隔壁を有し、前記隔壁によって、液体の流路となるセルが形成されたフィルタエレメント、及び前記フィルタエレメントを内蔵し得るケーシングからなり、前記フィルタエレメントが、液体を鉛直方向に流通させるように、前記ケーシング内に内蔵されてなる濾過器、を多数備えた濾過装置であって、前記ケーシングは、前記フィルタエレメントに被処理液体(原液)を供給し得る原液供給口、前記フィルタエレメントから処理済液体(濾液)を送出し得る濾液送出口、及び前記フィルタエレメントから前記原液を排出し得る原液排出口が形成されたものであり、多数の前記濾過器を相互に連結する配管として、前記ケーシングの前記原液供給口に連結させ得る複数の開口部を有する原液供給ヘッダ管と、前記ケーシングの前記濾液送出口に連結させ得る複数の開口部を有する濾液回収ヘッダ管と、前記ケーシングの前記原液排出口に連結させ得る複数の開口部を有する原液回収ヘッダ管と、前記原液回収ヘッダ管に連結させ得る、少なくとも2つの開口部を有する原液回収集合管とを備え、前記原液供給ヘッダ管、前記濾液回収ヘッダ管、及び前記原液回収ヘッダ管によって、複数の前記濾過器が並列的に連結されたフィルタストリングが構成され、前記原液回収集合管によって、少なくとも2列の前記フィルタストリングが更に並列的に連結された構造を有するとともに、前記原液回収集合管が、前記原液回収ヘッダ管に比して高い位置に配置された濾過装置。
[3] 前記配管として、前記原液回収ヘッダ管に連結させ得る、少なくとも2つの開口部を有する原液回収集合管を更に備え、前記原液回収集合管が、前記原液回収ヘッダ管に比して高い位置に配置された上記[1]に記載の濾過装置。
[4] 前記フィルタエレメントが、セラミック多孔質体からなるとともに、液体の流路方向が平行となるように多数のセルが形成されたモノリス状のフィルタエレメントである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の濾過装置。
[5] 前記濾液回収集合管及び/又は前記原液回収集合管が、エア抜き用のドレンバルブを備えたものである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の濾過装置。
本発明の濾過装置は、多数の濾過器に、或いはフィルタエレメントに形成された多数のセルに、均一に逆洗圧力を作用させることが可能であり、濾過器の逆洗時に十分な洗浄効果を得ることができるという、従来のものと比較して有利な効果を奏するものである。
以下、本発明の濾過装置を実施するための最良の形態について具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明者は、本発明の濾過装置を開発するに際し、まず、従来の濾過装置において、濾過器の逆洗時に十分な洗浄効果が得られない理由を検討した。以下、フィルタエレメントとしてセラミック製のモノリス状フィルタを内蔵した濾過器の例により、図面を用いて具体的に説明する。
図2〜図6は、多数の濾過器12がヘッダ管18により連結された構造を有する濾過装置10の模式図である。このような濾過装置10は、水張り運転、濾過運転、逆洗運転という運転サイクルで使用されている。
水張り運転とは、濾過運転を行うに先立って、濾過器12(フィルタエレメント14、及びケーシング16)、並びにヘッダ管18の内部に存在するエアを原液ないしは濾液で置換し、エアを系外に排出するために行われる運転操作である。水張り運転時には、図2に示すように、バルブ28,34,38を開放し、バルブ26,30,32を閉鎖した状態で、原液供給ヘッダ管20から原液を複数の濾過器12に分配して供給する。この操作により、原液はフィルタエレメント14の原液流路を経由して、原液排出ヘッダ管24に集束され、原液ドレン配管36に排出される。また、各フィルタエレメント14の隔壁を透過した濾液は、ケーシング16の内部空間(濾液流路)を経由して、濾液回収ヘッダ管22に集束され、濾液ドレン配管40に排出される。
濾過運転時には、図3に示すように、バルブ32を開放し、バルブ26,28を閉鎖した状態で、原液供給ヘッダ管20から原液を複数の濾過器12に分配して供給する。この操作により、原液はフィルタエレメント14の隔壁を透過する際に濾過され、その濾液はケーシング16の内部空間(濾液流路)を経由して、濾液回収ヘッダ管22に集束され、回収される。
逆洗運転時には、まず、図4に示すように、バルブ26,28,30,32,34,38を閉鎖した状態で、濾液回収ヘッダ管22から逆洗用の清澄水を複数の濾過器12に分配して供給する。この際、清澄水は、例えば450kPaといった高圧で供給される。
次いで、図5に示すように、バルブ26を瞬時に開放する。この操作により、フィルタエレメント14の濾液流路側と原液流路側に差圧が生じ、ケーシング16の内部空間(濾液流路)に貯留されていた清澄水はフィルタエレメント14の隔壁を透過して、フィルタエレメント14の原液流路に流入する。この際、フィルタエレメント14の隔壁表面に堆積した懸濁物質等が隔壁表面から遊離させられるとともに、逆洗排水は、原液供給ヘッダ管20に集束され、排出される。
更に、図6に示すように、バルブ28を開放し、逆洗用の圧縮エアを原液排出ヘッダ管24から複数の濾過器12に分配して供給する。この際、圧縮エアは、例えば200kPaといった高圧で供給される。この操作により、フィルタエレメント14の隔壁表面から遊離させられた懸濁物質等を逆洗排水や圧縮エアとともに一気に押し流す。この逆洗排水は、フィルタエレメント14の原液流路を経由して、原液供給ヘッダ管20に集束され、逆洗排水として排出される。
上記のような運転サイクルにおいては、水張り運転時に、濾過器12やヘッダ管18の内部に存在するエアは系外に排出されていると考えられていた。しかしながら、本発明者が詳細に検討を行った結果、実際には、この操作のみでは濾過器12やヘッダ管18の内部に存在するエアが完全には系外に排出され難いという知見を得た。具体的には、濾過器12の上方に配置される濾液回収ヘッダ管22、及び原液排出ヘッダ管24については、内部エアの完全な排出が困難であり、エア溜まりが形成され易いことが判明した。
より具体的に説明すると、多数の濾過器がヘッダ管により連結された構造を有する濾過装置にあっては、水張り運転の際に、全ての濾過器に対して均等に原液を供給し、各濾過器の水位レベルをばらつかせることなく水張りを行うことは困難である(例えば、原液供給ヘッダ管の末端側に連結される濾過器ほど原液の供給が遅れ易いため、水張り時の水位レベルは低くなる傾向にあると考えられる)。従って、他の濾過器より原液の供給が遅れた濾過器、ないしはその近傍の配管内部には、多量のエアが残存し、エア溜まりを形成し易い状態にあるといえる。
このように、従来の濾過装置においては、ヘッダ管内部にエア溜まりが少なからず存在していた。このエア溜まりは、逆洗時の清澄水や圧縮エアの圧力を減衰させ、その作用を減少させるため、濾過器の逆洗時に十分な洗浄効果が得られない原因となっていた。また、このエア溜まりは、ヘッダ管内部に不均一に存在しているため、多数の濾過器に、或いはフィルタエレメントに形成された多数のセルに、均一に逆洗圧力を作用させることが困難となる原因ともなっていた。
そこで、本発明においては、図7及び図8に示すように、原液供給ヘッダ管60、濾液回収ヘッダ管62、及び原液回収ヘッダ管64等のヘッダ管58によって、複数の濾過器52が並列的に連結されたフィルタストリング82を構成し、少なくとも2列のフィルタストリング82を、濾液回収集合管84によって更に並列的に連結された構造とすることに加え、その濾液回収集合管84を濾液回収ヘッダ管62に比して高い位置に配置することとした。例えば、濾液回収ヘッダ管62にL字配管(エルボ)を連結することにより配管を上方に立ち上げ、その末端に濾液回収集合管84を連結する構造とする。
エアはより低所側から高所側に逃げる性質を有しているため、上記のような構造によれば、水張り運転時に、濾液回収ヘッダ管62内部のエア溜まりを、少なくとも濾液回収集合管84にまで確実に抜くことができる。即ち、濾液回収ヘッダ管62の内部に存在するエアを完全に近い形で排出することができ、ヘッダ管58内部のエア溜まりに起因する種々の不具合を効果的に防止することが可能となる。
一方、濾液回収集合管を濾液回収ヘッダ管と水平(即ち、同じ高さレベル)に配置し、或いは濾液回収ヘッダ管より低い位置に配置した場合、水張り運転を行っても内部のエアが原液や濾液で十分に置換され難いことに加え、ヘッダ管のどの部分にエア溜まりが存在しているかも確認することは至難である。
上記のような効果は、濾液回収ヘッダ管62のみならず、原液回収ヘッダ管64においても享受することができる。即ち、本発明においては、原液供給ヘッダ管60、濾液回収ヘッダ管62、及び原液回収ヘッダ管64等のヘッダ管58によって、複数の濾過器52が並列的に連結されたフィルタストリング82を構成し、少なくとも2列のフィルタストリング82を、原液回収集合管86によって更に並列的に連結された構造とすることに加え、その原液回収集合管86を原液回収ヘッダ管64に比して高い位置に配置することも好ましい形態の一つである。
本発明の濾過装置50は、濾液回収集合管84が、濾液回収ヘッダ管62に比して高い位置に配置され、かつ、原液回収集合管86が、原液回収ヘッダ管64に比して高い位置に配置されたものであることが特に好ましい。このような構造により、濾液回収ヘッダ管62と原液回収ヘッダ管64の双方において内部エアを確実に除去する効果を得ることができる。
本発明の濾過装置によれば、フィルタエレメントが本来的に有している濾過面積を有効に活用することができない、一度逆洗を行っても、短時間のうちに透水量が再度低下してしまい、頻繁な逆洗を余儀なくされる、といった種々の不具合を解消することができる。また、ヘッダ管内部にエアが存在すると、逆洗用の圧縮エアを供給した際にフィルタエレメントが破損する場合があるが、そのような破損を防止することができる。更には、フィルタエレメントの濾液流路側と原液流路側との差圧を正確に測定することができ、濾過差圧を監視しながら適切な逆洗のタイミングを設定することが可能となる、といった効果も享受することができる。
なお、本発明の濾過装置においては、ヘッダ管から除去されたエアが集合管内部に残留し、エア溜まりを形成することも考えられる。但し、本発明の濾過装置は、ヘッダ管に比して集合管を高い位置に配置しているため、エア抜きの効果が高く、集合管内部に存在するエアは極微量である。従って、そのエアにより形成される極微量のエア溜まりが集合管より低い位置に配置されたヘッダ管に逆流すること自体考え難く、万が一ヘッダ管に逆流した場合でも濾過器の逆洗時に洗浄効果を低下させる原因となるおそれは少ない。そして、このような濾過装置では、集合管とヘッダ管の間にバタフライ弁等の弁を設けることが一般的であるため、その弁を閉鎖した状態で逆洗を行うことにより集合管内部のエアがヘッダ管に逆流する事態は確実に防止される。このように、集合管内部のエア溜まりは、ヘッダ管内部のエア溜まりとは異なり、殆ど問題となることはない。
また、本発明の濾過装置は、図7に示すように、濾液回収集合管84と原液回収集合管86の一方ないしは双方に、濾液回収集合管84(又は原液回収集合管86)と原液ドレン配管76(又は濾液ドレン配管80)との連通を制御するエア抜き用のドレンバルブ74,78を備えたものが好ましい。このような構造は、各濾過器52、又は各フィルタストリング82にエア抜き用のドレンバルブを設けた構造と比較して、バルブ数を減らすことができるため、煩雑なエア抜き操作を一つのエア抜きバルブによって行うことが可能となる。従って、浄水場や工場等の大規模設備において使用されるような大型の濾過装置(例えば、10基の濾過器を連結させたフィルタストリングを、更に10列連結させた、合計100基の濾過器からなる濾過装置等)に特に有効である。また、このような構造によれば、装置構成を簡素化することができ、設備コストを低減することも可能となる。
以上説明した本発明の濾過装置は、多数の濾過器と、これらを相互に連結する配管によって構成される。以下、各構成要素の具体的な実施形態の例を示す。
(1)濾過器
本発明にいう「濾過器」は、フィルタエレメント、及びケーシングから構成される。
(i)フィルタエレメント
本明細書において「フィルタエレメント」というときは、多孔質体からなる隔壁を有し、その隔壁によって、液体の流路となるセルが形成されたものを意味する。このようなフィルタエレメントによれば、原液が隔壁を透過してセル内に流入する際に、又は原液が隔壁を透過してセル外に流出する際に、隔壁において懸濁物質や病原性微生物等の有害物質が除去され、セル内に流入した液体ないしはセル外に流出した液体を浄化された処理済液体(濾液)として回収することができる。
フィルタエレメントを構成する材質については特に制限はないが、一般的には、樹脂やセラミックによって構成されたフィルタエレメントが汎用されている。
フィルタエレメントを構成する樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、酢酸セルロース(CA)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が用いられる。中でも、過酸化水素や次亜塩素酸等の洗浄用薬液に対する耐久性が高い、ポリフッ化ビニリデンが好適に用いられる。
フィルタエレメントを構成するセラミックとしては、例えば、アルミナ(Al23)、チタニア(TiO2)、ムライト(Al23・SiO2)、又はジルコニア(ZrO2)等が用いられる。中でも、粒子径が制御された原料を入手し易く、安定なスラリーを形成でき、かつ、耐食性が高い、アルミナが好適に用いられる。セラミックは、機械的強度や耐久性に優れるため信頼性が高く、耐食性が高いため酸やアルカリ等による薬液洗浄の際の劣化が少なく、更には、濾過能力を決定する平均細孔径の精密な制御が可能であるといった様々な利点を有している。従って、フィルタエレメントを構成する材質としては、樹脂よりもセラミックの方が好ましいといえる。
樹脂製のフィルタエレメントとしては、既に説明した中空糸膜フィルタを代表的な例として挙げることができる。中空糸膜フィルタは、中空糸を濾材とし、これを多数本集合させたフィルタエレメントであり、多孔質樹脂からなるキャピラリー状の隔壁を有し、その隔壁によって中心部を貫通するセルが形成された構造を呈している。このような中空糸膜フィルタは、全体として円柱状に形成されたものが多く用いられている。
セラミック製のフィルタエレメントとしては、チューブ状フィルタや既に説明したモノリス状フィルタを代表的な例として挙げることができる。チューブ状フィルタは、セラミック多孔質体からなる筒状の隔壁を有し、その隔壁によって区分された、中心部を貫通する単一のセルが形成された構造を呈している。一方、モノリス状フィルタは、セラミック多孔質体からなる格子状の隔壁を有し、その隔壁によって区分された多数のセルが形成されたハニカム構造を呈している。中でも、単位体積当たりの濾過面積が大きく処理能力が高い、モノリス状フィルタが好適に用いられる。
チューブ状フィルタやモノリス状フィルタとしては、セラミック多孔質体からなる隔壁を有し、その隔壁によって、液体の流路となるセルが形成された基材と、隔壁の表面(即ち、セルの内周面)に形成された、基材より平均細孔径が小さいセラミック多孔質体からなる濾過膜とから構成されたものを好適に用いることができる。
このような構造では、専ら濾過膜によって濾過機能が発揮されるため、基材の平均細孔径を大きく構成することができる。従って、隔壁を透過してセル外に流出した液体が基材内部を透過する際の流動抵抗を低減させることができ、透水量を増加させることが可能となる。
濾過膜を構成するセラミック多孔質体の平均細孔径は、要求される濾過性能(除去すべき物質の粒径)により異なるが、精密濾過や限外濾過に用いるフィルタエレメントの場合であれば、0.01〜1.0μm程度である。一方、基材を構成するセラミック多孔質体の平均細孔径は、機械的強度と透水量のバランスを考慮して決定される。通常は、平均細孔径1〜数100μm程度のセラミック多孔質体が基材として用いられる。
基材は、骨材粒子を含む坏土を成形し、乾燥し、焼成する方法等により得ることができ、濾過膜は、基材の隔壁表面に骨材粒子を含むスラリーを成膜し、乾燥し、焼成する方法等により形成することができる。成膜は、ディップ成膜法等の従来公知の成膜法により行うことができるが、ピンホール等の膜欠陥を有効に防止し得る濾過製膜法(特公昭63−66566号公報参照)により行うことが好ましい。
通常、基材や濾過膜の平均細孔径は、これらを構成する骨材粒子の平均粒子径によって制御する。即ち、平均粒子径が大きい骨材粒子を用いれば、平均細孔径が大きい基材や濾過膜を構成することができ、平均粒子径が小さい骨材粒子を用いれば、平均細孔径が小さい基材や濾過膜を構成することができる。
なお、基材と濾過膜との間に、これらの中間の平均細孔径を有するセラミック多孔質体からなる中間膜が少なくとも1層形成されたものも好ましい実施形態の一つである。平均細孔径が大きい基材の隔壁表面に、平均粒子径が小さい骨材粒子を含むスラリーを成膜して濾過膜を形成しようとすると、スラリー中の骨材粒子が基材の細孔内部にまで入り込んでその細孔を閉塞し、透水量の低下を来すおそれがある。上記の構造は、濾過膜形成用スラリー中の骨材粒子を中間膜の表面でトラップすることができるため、基材の細孔内部にまで骨材粒子が入り込む事態を防止することが可能である点において好ましい。
また、上記のような基材と濾過膜とから構成されるモノリス状フィルタとしては、少なくともモノリスの端面(セル開口部以外の部分)が、ガラス等の不透水性材料からなる被膜により被覆されたものを好適に用いることができる(例えば、特開昭61−8106号公報、特開2001−300273号公報参照)。
通常、モノリスの端面には濾過膜が形成されておらず、平均細孔径が大きい基材が露出しているため、その部分から基材内部に浸入した原液が、既に濾過膜を透過して基材内部を流通している濾液に混入してしまう場合がある。上記の構造は、原液が濾液に混入する事態を回避することができ、濾液が汚染されることを防止し得る点において好ましい。
更に、モノリス状フィルタとしては、例えば、図9に示すモノリス状フィルタ2のように、多数のセル3が形成されていることに加え、その長手方向の一部に、並列する一群のセルとモノリス4の外部空間とを連通させる集水スリット5が形成され、その集水スリット5に連通するセル(集水セル)の両端開口部が目封止部材6によって目封止されたものを好適に用いることができる。
モノリス状フィルタにおいては、中心部近傍のセルほど濾液がモノリス外部に流出する際の流動抵抗が大きいため、濾液がモノリス外部に流出する際の流動抵抗が小さい外周部近傍のセルのみが濾過に使用されてしまい、実質的な濾過面積、ひいては透水量が減少することが起こり得る。上記の構造は、中心部近傍のセルから流出した濾液を集水スリット経由でモノリスの外部空間に速やかに流出させることができる。従って、中心部近傍のセルについても有効に活用することができ、実質的な濾過面積、ひいては透水量を大幅に増加させることが可能である。このような構造は、中心部近傍のセルからモノリス外周までの距離が長い、大型のモノリス状フィルタ(例えば、外径180mmφのもの)の場合に特に有効である。なお、集水セルについては、セルの両端開口部を目封止する構造としているため、セル開口部から原液が混入することはない。
集水スリットは、並列する一群のセルをモノリスの外部空間と連通させるように破断することにより形成することができる。セルの破断は、焼成前の成形体、乾燥体の段階で行ってもよいし、焼成後の焼結体の段階で行ってもよい。また、セル開口部の目封止は、例えば、モノリスと同じ材料からなる坏土(目封止材)を目封止すべきセルの開口部に充填した後、乾燥・焼成する方法等により行うことができる。図9に示すように、集水スリット5は、モノリス4の両端面近傍にそれぞれ複数ずつ形成されることが多い。そして、各集水スリット5が、相互に平行するように形成されることが一般的である。
チューブ状フィルタやモノリス状フィルタの形状については、その濾過機能を阻害しない限りにおいて特に制限はない。全体的な形状としては、例えば、図1に示すような円柱状の他、四角柱状、又は三角柱状等の形状が挙げられる。中でも、押出成形がし易く、焼成変形が少なく、ケーシングとのシールが容易な円柱状が好適に用いられる。精密濾過や限外濾過に用いる場合には、外径30〜180mmφ程度、長さ150〜2000mm程度の円柱状とすることが好ましい。
セル形状(液体の流通方向と直交する断面における形状)としては、例えば、図1に示すような円形セルの他、四角形セル、六角形セル、又は三角形セル等の形状が挙げられる。中でも、逆洗の際に、隔壁表面に堆積した懸濁物質等を剥離させて除去することが容易な円形セルが好適に用いられる。精密濾過や限外濾過に用いる場合には、セル径1〜5mmφ程度の円形セルとすることが好ましい。
(ii)ケーシング
本明細書において「ケーシング」というときは、フィルタエレメントを内蔵し得る容体を意味する。即ち、ケーシングには内部空間が形成されており、その内部空間にフィルタエレメントを内蔵し得るように構成されている。上記の如く、フィルタエレメントとしては、柱状のものが汎用されることから、ケーシングは、これらの柱状体を内蔵し得る筒状に構成されることが多い。例えば、円柱状のフィルタエレメントを用いる場合には、円筒状のケーシングが好適に用いられる。
例えば、図10に示すように、ケーシング102には、液体を鉛直方向に流通させるように、フィルタエレメント104が内蔵されて濾過器100が構成される。例えば、フィルタエレメントとして、円柱状のモノリス状フィルタを用いる場合であれば、そのモノリス状フィルタは、セルが鉛直方向に向かって開口するように縦置き式に内蔵されることになる。このような濾過器においては、原液をフィルタエレメントの下端側から供給し、上端側に向かって流通させる際に濾過が行われる(いわゆる上向流濾過)。
また、ケーシング102には、その内部空間と連通するように、フィルタエレメント104に原液を供給し得る原液供給口106、フィルタエレメント104から濾液を送出し得る濾液送出口108、及びフィルタエレメント104から原液を排出し得る原液排出口110という3種類の開口部が形成されている。これらの開口部にはフランジを付設し、配管と容易に連結させることが可能な構造とすることが一般的である。
原液供給口は、フィルタエレメントに原液を供給するための開口部であり、逆洗排液を排出する際にも利用される。この原液供給口は、付設されたフランジを介して原液供給ヘッダ管の一つの開口部に連結される。上向流濾過を行う濾過器においては、原液をフィルタエレメントの下端側から供給するため、図10に示すように、原液供給口106はケーシング102の下端側に形成されることが多い。
濾液送出口は、フィルタエレメントから濾液を送出するための開口部であり、逆洗用清澄水を供給する際にも利用される。この濾液送出口は、付設されたフランジを介して濾液回収ヘッダ管の一つの開口部に連結される。ケーシング内のエア抜きを容易にする観点から、図10に示すように、ケーシング102の上端側に濾液送出口108を形成することが好ましい。
原液排出口は、フィルタエレメントから原液を排出するための開口部であり、逆洗用圧縮エアを供給する際にも利用される。フィルタエレメントから排出される原液としては、水張り運転時のドレン排水の他、クロスフロー運転(フィルタエレメントに対して原液を循環流通させながら連続的に濾過を行う方法)時の循環原液等が挙げられる。
この原液排出口は、付設されたフランジを介して原液回収ヘッダ管の一つの開口部に連結される。上向流濾過を行う濾過器においては、原液をフィルタエレメントの上端側から排出するため、図10に示すように、原液排出口110はケーシング102の上端側に形成されることが一般的である。
なお、ケーシングは一体的に構成されている必要はなく、幾つかの部材により構成されていてもよい。例えば、図10に示すケーシング102のように、中空筒状のケーシング本体112と、その上端に装着される上部キャップ114と、下端に装着される底部キャップ116とから構成されたものが挙げられる。このケーシング102においては、ケーシング本体112の上端部近傍に濾液送出口108が、上部キャップ114の頂部に原液排出口110が、底部キャップ116の下端部に原液供給口106が形成されている。
ケーシングを幾つかの部材により構成する場合には、フランジを利用してそれらの部材を連結させることが好ましい。この際、連結させる各部材間には、図10に示すように、ゴム等の弾性材からなるO−リング118,120やリング状の平パッキン等のシール材を介在させ、液密性を確保した状態で各部材を連結することが好ましい。例えば、連結させる両部材のフランジに沿ってシール材を配置し、フランジのシール材配置部分より外周側に各々ボルト穴を設け、ボルトとナットにより固定する方法等が挙げられる。この際、シール材の配置を容易とし、確実な固定を行うべく、フランジにシール材を配置・固定するための凹溝を設けてもよい。
ケーシングは、不透水性で耐食性が高い材質により構成することが好ましい。樹脂製のフィルタエレメントの場合には樹脂製のケーシング等が、セラミック製のフィルタエレメントの場合にはステンレス製のケーシング等が好適に用いられる。
(iii)濾過器
濾過器を構成する際には、原液流路と濾液流路とをシール材により液密的に隔離させた状態でフィルタエレメントをケーシング内に内蔵する構造とすることが必要である。その構造は特に限定されないが、通常は、フィルタエレメント両端面の外縁部に沿って、セル開口部を閉塞しないようにシール材を配置し、そのシール材をケーシングの一部に当接させる構造が採用される。
このシール材の形状、構造、材質等は特に限定されるものではなく、例えば、ゴム等の弾性材からなるO−リングやリング状の平パッキン等であってもよい。O−リングやリング状の平パッキンを、フィルタエレメントの端面における外縁部に沿って、複数のセル開口部の全てを取り囲むように配置することにより、上記2つの機能を担保することができる。
但し、フィルタエレメントとして、モノリス状フィルタを用いる場合には、図10に示すように、シール材として、シールキャップ122,124を用いることが好ましい。本明細書において「シールキャップ」というときは、フィルタエレメントのような柱状体の端部に被着させて用いられるキャップ状のシール材を意味する(例えば、特開平10−184919号公報参照)。このようなキャップ状のシール材は、O−リングやリング状の平パッキンと比較して、フィルタエレメントに簡便かつ確実に固定可能であることに加え、高い液密性を確保できる点において好ましい。
図11(a)及び図11(b)は、シールキャップの一の実施の形態を模式的に示す説明図であり、図11(a)が上面図、図11(b)が図11(a)のA−A’断面図である。図11(a)及び図11(b)に示すシールキャップ122は、ゴム等の弾性材から構成された、断面L字状を呈する環状部材であり、垂直方向に延出する胴部122bと、水平方向に延出する頂部122aとからなり、中央開口部122cを有している。
図12(a)及び図12(b)は、シールキャップの使用状態を模式的に示す説明図であり、図12(a)が上面図、図12(b)が図12(a)のA−A’断面図である。図12(a)及び図12(b)に示すように、シールキャップ122は、胴部122bがモノリス状フィルタ2の外周面2aに、頂部122aがモノリス状フィルタ2の端面に、各々密着するように、モノリス状フィルタ2の端部に被着させて用いられる。中央開口部122cは、モノリス状フィルタ2の多数のセル3が全て露出するように形成されており、全てのセル3を有効に利用することができるように構成されている。
図10に示す濾過器100においては、原液を底部キャップ116の原液供給口106からフィルタエレメント104のセル内に所定の圧力で供給すると、その原液は、セルを区画する隔壁を透過する際に濾過され、フィルタエレメント104の外周面から、フィルタエレメント104の外周面104aとケーシング本体112の内周面112aとの間に形成される空間126に濾液として流出する。この濾液は、空間126内に貯留されていき、最終的にはケーシング本体112の濾液回収口108から回収される。
通常、濾過器100は、上部キャップ114頂部の原液排出口110をバルブ等で閉塞することにより、デッドエンド型の濾過器として用いられる。但し、原液排出口110と原液供給口106を配管等で連結させ、原液が濾過器100内を循環するように構成することにより、クロスフロー型の濾過器として用いることもできる。
(2)配管
本発明の濾過装置は、多数の濾過器を相互に連結する配管を備える。この配管としては、原液供給ヘッダ管、濾液回収ヘッダ管、原液回収ヘッダ管、並びに、濾液回収集合管及び/又は原液回収集合管が挙げられる。
上記のヘッダ管、及び集合管は、濾過器や他の配管に液体を分配して供給し、又は濾過器や他の配管から液体を集束させて回収するための配管である。これらの配管はいずれも、主管から構成され、その主管に複数の開口部が形成されている。主管の複数の開口部には枝管が付設される場合がある。そして、主管の両端開口部、及び複数の開口部(又は枝管の開口部)にはフランジを付設し、濾過器や他の配管と容易に連結させることが可能な構造とすることが一般的である。
(i)原液供給ヘッダ管
原液供給ヘッダ管は、ケーシングの原液供給口に連結させ得る複数の開口部が形成されたヘッダ管である。このヘッダ管は、原液供給源から送液される原液を複数の濾過器に分配して供給するためのものであり、複数のフィルタエレメントからの逆洗排液を集束させて回収する際にも利用される。この原液供給ヘッダ管の複数の開口部は、通常、付設されたフランジを介して濾過器を構成するケーシングの原液供給口に連結される。
(ii)濾液回収ヘッダ管
濾液回収ヘッダ管は、ケーシングの濾液送出口に連結させ得る複数の開口部が形成されたヘッダ管である。このヘッダ管は、複数のフィルタエレメントからの濾液を集束させて回収するためのものであり、逆洗用の清澄水や洗浄用薬液を複数のフィルタエレメントに分配して供給する際にも利用される。この濾液回収ヘッダ管の複数の開口部は、通常、付設されたフランジを介して濾過器を構成するケーシングの濾液送出口に連結される。
(iii)原液回収ヘッダ管
原液回収ヘッダ管は、ケーシングの原液排出口に連結させ得る複数の開口部が形成されたヘッダ管である。このヘッダ管は、水張り運転時のドレン排水を集束させて回収するためのものであり、逆洗用の圧縮エアを複数のフィルタエレメントに分配して供給する際にも利用される。この原液回収ヘッダ管の複数の開口部は、通常、付設されたフランジを介して濾過器を構成するケーシングの原液排出口に連結される。
(iv)濾液回収集合管
濾液回収集合管は、濾液回収ヘッダ管に連結させ得る、少なくとも2つの開口部が形成された集合管である。この集合管は、少なくとも2本の濾液回収ヘッダ管からの濾液を集束させて回収するためのものであり、逆洗用の清澄水を少なくとも2本の濾液回収ヘッダ管に分配して供給する際にも利用される。この濾液回収集合管の少なくとも2つの開口部は、通常、付設されたフランジを介して濾液回収ヘッダ管(主管)の両端開口部の一方に連結される。
(v)原液回収集合管
原液回収集合管は、原液回収ヘッダ管に連結させ得る、少なくとも2つの開口部が形成された集合管である。この集合管は、少なくとも2本の原液回収ヘッダ管からのドレン排水等を集束させて回収するためのものであり、逆洗用の圧縮エアを、少なくとも2本の原液回収ヘッダ管に分配して供給する際にも利用される。この原液回収集合管の少なくとも2つの開口部は、通常、付設されたフランジを介して原液回収ヘッダ管(主管)の両端開口部の一方に連結される。
本発明の濾過装置は、飲料水・工業用水の製造、医薬・食品分野、又は下水、産業排水の浄化等の広範な分野において、液体中の懸濁物質や病原性微生物等の有害物質を除去するために用いられる。特に、大量の原液を処理することが要請され、多数の濾過器を連結して使用することが必要とされる、浄水場や工場等の大規模な濾過設備において好適に用いることができる。
フィルタエレメントの一の実施の形態を模式的に示す斜視図である。 濾過装置の運転方法(水張り運転)を模式的に示すブロック図である。 濾過装置の運転方法(濾過運転)を模式的に示すブロック図である。 濾過装置の運転方法(逆洗運転)を模式的に示すブロック図である。 濾過装置の運転方法(逆洗運転)を模式的に示すブロック図である。 濾過装置の運転方法(逆洗運転)を模式的に示すブロック図である。 本発明の濾過装置の一の実施形態を示すブロック図である。 本発明の濾過装置の一の実施形態を模式的に示す側面図である。 フィルタエレメントの別の実施の形態を示す斜視図である。 濾過器の一の実施の形態を模式的に示す側面断面図である。 シールキャップの一の実施の形態を模式的に示す説明図であり、図11(a)が上面図、図11(b)が図11(a)のA−A’断面図である。 シールキャップの使用状態を模式的に示す説明図であり、図12(a)が上面図、図12(b)が図12(a)のA−A’断面図である。
符号の説明
2…モノリス状フィルタ、3…セル、4…モノリス、5…集水スリット、6…目封止部材、10,50…濾過装置、12,52…濾過器、14…フィルタエレメント、16…ケーシング、18,58…ヘッダ管、20,60…原液供給ヘッダ管、22,62…濾液回収ヘッダ管、24,64…原液排出ヘッダ管、26,28,30,32,34,38…バルブ、36,76…原液ドレン配管、40,80…濾液ドレン配管、74,78…ドレンバルブ、82…フィルタストリング、84…濾液回収集合管、86…原液回収集合管、100…濾過器、102…ケーシング、104…フィルタエレメント、104a…外周面、106…原液供給口、108…濾液送出口、110…原液排出口、112…ケーシング本体、112a…内周面、114…上部キャップ、116…底部キャップ、118,120…O−リング、122,124…シールキャップ、122a…頂部、122b…胴部、122c…中央開口部、126…空間。

Claims (5)

  1. 多孔質体からなる隔壁を有し、前記隔壁によって、液体の流路となるセルが形成されたフィルタエレメント、及び前記フィルタエレメントを内蔵し得るケーシングからなり、前記フィルタエレメントが、液体を鉛直方向に流通させるように、前記ケーシング内に内蔵されてなる濾過器、を多数備えた濾過装置であって、
    前記ケーシングは、前記フィルタエレメントに被処理液体(原液)を供給し得る原液供給口、前記フィルタエレメントから処理済液体(濾液)を送出し得る濾液送出口、及び前記フィルタエレメントから前記原液を排出し得る原液排出口が形成されたものであり、
    多数の前記濾過器を相互に連結する配管として、前記ケーシングの前記原液供給口に連結させ得る複数の開口部を有する原液供給ヘッダ管と、前記ケーシングの前記濾液送出口に連結させ得る複数の開口部を有する濾液回収ヘッダ管と、前記ケーシングの前記原液排出口に連結させ得る複数の開口部を有する原液回収ヘッダ管と、前記濾液回収ヘッダ管に連結させ得る、少なくとも2つの開口部を有する濾液回収集合管とを備え、
    前記原液供給ヘッダ管、前記濾液回収ヘッダ管、及び前記原液回収ヘッダ管によって、複数の前記濾過器が並列的に連結されたフィルタストリングが構成され、前記濾液回収集合管によって、少なくとも2列の前記フィルタストリングが更に並列的に連結された構造を有するとともに、前記濾液回収集合管が、前記濾液回収ヘッダ管に比して高い位置に配置された濾過装置。
  2. 多孔質体からなる隔壁を有し、前記隔壁によって、液体の流路となるセルが形成されたフィルタエレメント、及び前記フィルタエレメントを内蔵し得るケーシングからなり、前記フィルタエレメントが、液体を鉛直方向に流通させるように、前記ケーシング内に内蔵されてなる濾過器、を多数備えた濾過装置であって、
    前記ケーシングは、前記フィルタエレメントに被処理液体(原液)を供給し得る原液供給口、前記フィルタエレメントから処理済液体(濾液)を送出し得る濾液送出口、及び前記フィルタエレメントから前記原液を排出し得る原液排出口が形成されたものであり、
    多数の前記濾過器を相互に連結する配管として、前記ケーシングの前記原液供給口に連結させ得る複数の開口部を有する原液供給ヘッダ管と、前記ケーシングの前記濾液送出口に連結させ得る複数の開口部を有する濾液回収ヘッダ管と、前記ケーシングの前記原液排出口に連結させ得る複数の開口部を有する原液回収ヘッダ管と、前記原液回収ヘッダ管に連結させ得る、少なくとも2つの開口部を有する原液回収集合管とを備え、
    前記原液供給ヘッダ管、前記濾液回収ヘッダ管、及び前記原液回収ヘッダ管によって、複数の前記濾過器が並列的に連結されたフィルタストリングが構成され、前記原液回収集合管によって、少なくとも2列の前記フィルタストリングが更に並列的に連結された構造を有するとともに、前記原液回収集合管が、前記原液回収ヘッダ管に比して高い位置に配置された濾過装置。
  3. 前記配管として、前記原液回収ヘッダ管に連結させ得る、少なくとも2つの開口部を有する原液回収集合管を更に備え、
    前記原液回収集合管が、前記原液回収ヘッダ管に比して高い位置に配置された請求項1に記載の濾過装置。
  4. 前記フィルタエレメントが、セラミック多孔質体からなるとともに、液体の流路方向が平行となるように多数のセルが形成されたモノリス状のフィルタエレメントである請求項1〜3のいずれか一項に記載の濾過装置。
  5. 前記濾液回収集合管及び/又は前記原液回収集合管が、エア抜き用のドレンバルブを備えたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の濾過装置。
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