JP2005270723A - アルデヒド類捕獲剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れたアルデヒド捕獲能を有するとともに、装置や設備の金属部分における腐蝕や錆の発生を抑制するアルデヒド類捕獲剤を提供すること。
【解決手段】 亜硫酸塩及び重亜硫酸塩の少なくとも一方と、ベンゾトリアゾール化合物類とを含有することを特徴とするアルデヒド類捕獲剤、及びこのアルデヒド類捕獲剤で、アルデヒド類を揮散しうる建材を処理することを特徴とする建材からのアルデヒド類の除去方法。亜硫酸塩及び重亜硫酸塩(合計重量)とベンゾトリアゾール化合物類との重量比は100:1から70:30の範囲であることが好ましい。
【解決手段】 亜硫酸塩及び重亜硫酸塩の少なくとも一方と、ベンゾトリアゾール化合物類とを含有することを特徴とするアルデヒド類捕獲剤、及びこのアルデヒド類捕獲剤で、アルデヒド類を揮散しうる建材を処理することを特徴とする建材からのアルデヒド類の除去方法。亜硫酸塩及び重亜硫酸塩(合計重量)とベンゾトリアゾール化合物類との重量比は100:1から70:30の範囲であることが好ましい。
Description
本発明は、アルデヒド類捕獲剤、建材からのアルデヒド類の除去方法及びアルデヒド類低揮散性建材に関するものである。
パーティクルボード、木質繊維板、集成材等の木質建築材料の製造には、ホルムアルデヒド系接着剤が使用されており、建築物となった後にも建材から微量のホルムアルデヒドが放散する。放散したホルムアルデヒドは、住人の健康に悪影響を与える所謂シックハウス症候群の原因ではないかと推定されている。
従来、この問題の解決手段として、放散を抑えるためにアルデヒド類と反応する尿素化合物を上記建築材料にさらに塗布したり、吹き付けることが行なわれている。
また、アルデヒド類と反応したり付加物を形成する亜硫酸塩や重亜硫酸塩を、建築材料に塗布したり、吹き付けることも行なわれている。
また、アルデヒド類と反応したり付加物を形成する亜硫酸塩や重亜硫酸塩を、建築材料に塗布したり、吹き付けることも行なわれている。
また、尿素、亜硫酸塩及び無機性リン酸塩の少なくとも3成分を含有するアルデヒド類捕集剤も提案されている(特許文献1参照)。
しかし、尿素はアルデヒドと反応し放散する量を減らす効果はあるが、僅かずつ徐徐にアルデヒドを再放出し、ある程度の量以下に減らすことができない。また温度が高くなると再放出が早く起こる。
亜硫酸塩や重亜硫酸塩は、完全にアルデヒドと付加体を形成するため、高い捕獲能を有し再放出の問題は無い。ただ、これらは、建築材料へ塗布、吹き付け、乾燥する際に使う装置や設備の金属部分に接触すると、その金属部分が腐蝕し、錆を生じる問題がある。また、製造設備の腐蝕・錆を防止する添加剤として、一般に知られている燐酸塩類や硝酸塩類は、亜硫酸塩や重亜硫酸塩を用いた際に発生する錆に対しては、防錆効果が不十分である問題がある。
本発明の目的は、優れたアルデヒド捕獲能を有するとともに、装置や設備の金属部分における腐蝕や錆の発生を抑制するアルデヒド類捕獲剤を提供することである。
亜硫酸塩や重亜硫酸塩は、完全にアルデヒドと付加体を形成するため、高い捕獲能を有し再放出の問題は無い。ただ、これらは、建築材料へ塗布、吹き付け、乾燥する際に使う装置や設備の金属部分に接触すると、その金属部分が腐蝕し、錆を生じる問題がある。また、製造設備の腐蝕・錆を防止する添加剤として、一般に知られている燐酸塩類や硝酸塩類は、亜硫酸塩や重亜硫酸塩を用いた際に発生する錆に対しては、防錆効果が不十分である問題がある。
本発明の目的は、優れたアルデヒド捕獲能を有するとともに、装置や設備の金属部分における腐蝕や錆の発生を抑制するアルデヒド類捕獲剤を提供することである。
上記問題点を解消するために、本発明では次の構成をとった。
すなわち、本発明は、亜硫酸塩及び重亜硫酸塩の少なくとも一方と、ベンゾトリアゾール化合物類とを含有することを特徴とするアルデヒド類捕獲剤である。
すなわち、本発明は、亜硫酸塩及び重亜硫酸塩の少なくとも一方と、ベンゾトリアゾール化合物類とを含有することを特徴とするアルデヒド類捕獲剤である。
また、本発明は、アルデヒド類を揮散しうる建材を、上記アルデヒド類捕獲剤で処理することを特徴とする、建材からのアルデヒド類の除去方法も提供する。
更に、本発明は、アルデヒド類を揮散しうる建材が、上記アルデヒド類捕獲剤で処理されたアルデヒド類低揮散性建材も提供する。
本発明によれば、アルデヒド系接着剤を使って製造された合板、パネル等の木質建築用材料から生じるアルデヒド類の放散を防止し、かつ、合板等の製造に用いる装置や設備の金属部分における腐蝕や錆の発生を防止できる。
本発明のアルデヒド類捕獲剤は、上で述べたとおり、亜硫酸塩及び重亜硫酸塩の少なくとも一方と、ベンゾトリアゾール化合物類とを含有するアルデヒド類捕獲剤である。
亜硫酸塩や重亜硫酸塩は、アルデヒド類と反応させ付加物を形成するために含有させるものであり、ベンゾトリアゾール化合物類は装置や設備の金属部分における錆防止のために含有させるものである。ここで、亜硫酸塩や重亜硫酸塩は単独に用いても両方を用いてもよい。
亜硫酸塩や重亜硫酸塩は、アルデヒド類と反応させ付加物を形成するために含有させるものであり、ベンゾトリアゾール化合物類は装置や設備の金属部分における錆防止のために含有させるものである。ここで、亜硫酸塩や重亜硫酸塩は単独に用いても両方を用いてもよい。
含有させる亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩とベンゾトリアゾール化合物類との配合比(重量比で)は、固形分基準で、好ましくは100:1から70:30の範囲に、より好ましくは100:2から85:15の範囲とする。これにより、アルデヒド類捕獲剤は優れたアルデヒド捕獲能を有し、かつ製造設備の錆・腐蝕を抑えて安定に建築用材料を製造することができる。ベンゾトリアゾール化合物の比率が100:1より少ない場合は防錆効果が短期間しか効かず、70:30より多い場合は、亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩の量が相対的に少なくなるためアルデヒド捕獲能がやや低下する。大量に塗工すればアルデヒド捕獲能は確保できるが、塗布した捕獲剤が十分に木材に浸透せず、表面に粉を発生する等、別の問題を引き起こす懸念がある。
本発明に用いる亜硫酸塩類としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ストロンチューム、亜硫酸バリウム等がある。
また、重亜硫酸塩類としては、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸リチウム、重亜硫酸マグネシウム、重亜硫酸カルシウム、重亜硫酸ストロンチューム、重亜硫酸バリウム、重亜硫酸アンモニウム等がある。
また、重亜硫酸塩類としては、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸リチウム、重亜硫酸マグネシウム、重亜硫酸カルシウム、重亜硫酸ストロンチューム、重亜硫酸バリウム、重亜硫酸アンモニウム等がある。
本発明に用いるベンゾトリアゾール化合物類(防錆剤)としては、ベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ブロモベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール等がある。
亜硫酸塩を用いる場合は、その捕獲能を十分発揮させるためにPHを調節することが有効であり、各種の酸を用いてPHを調節することができる。ただし、強い酸性にすると亜硫酸塩は、亜硫酸ガスを発生して分解し、効果が消滅するためPHは6以上の領域で使用することが望ましい。アルデヒドを捕獲する能力は低PHのほうが強いためPH6〜8の範囲で使用することが好ましい。PHを調整する際に使用する酸としては、水溶性で揮発性の少ない酸が望ましく、例えば、ホウ酸、燐酸、硝酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸等を用いることができる。
重亜流酸塩を用いる場合は、その水溶液は酸性で亜硫酸ガスの臭気がするため、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリでPHを調節することが望ましい。
本発明のアルデヒド類捕獲剤を使用する場合は、水溶液として建築用材料に塗布、噴霧、含浸する等の方法で含有させる。このため木材に十分浸透するように界面活性剤を添加して、含浸性を改良しても良い。また、合板等を製造する際に用いる接着剤に予め添加して木材を加工することも可能である。水への溶解度が低い亜硫酸のアルカリ土類金属塩は、微細に粉砕し水に分散した分散液として使用しても良い。
本発明のアルデヒド類捕獲剤には、他の捕獲剤、例えば、尿素、エチレン尿素、エチレンジウレア等の尿素類化合物等を併用しても良い。
本発明のアルデヒド類捕獲剤が捕獲するアルデヒド類(対象物)は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒド等を含む多くのアルデヒド化合物である。
以下に、実施例及び比較例にて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
フェノールホルムアルデヒド系樹脂接着剤を用いて製造した合板を基準試料(比較例1)とした。また同様に製造した合板に表1に示す実施例及び比較例のアルデヒド類捕獲剤の10%水溶液をクエン酸又は水酸化ナトリウムでPHを約7に調整し、30g/m2となるよう噴霧器で塗布、乾燥した。
フェノールホルムアルデヒド系樹脂接着剤を用いて製造した合板を基準試料(比較例1)とした。また同様に製造した合板に表1に示す実施例及び比較例のアルデヒド類捕獲剤の10%水溶液をクエン酸又は水酸化ナトリウムでPHを約7に調整し、30g/m2となるよう噴霧器で塗布、乾燥した。
それぞれの合板各5cm角を200mlの内容量を有するガラス容器に密封し30℃の恒温槽にいれ24時間後にアルデヒド検知管にて測定し、基準試料(比較例1)の値を100%としてアルドヒドの減少した比率を捕獲能(%)として算出した。
防錆試験は、以下のように行なった。表1で示したアルデヒド類捕獲剤それぞれの合板へ塗布する前の(重)亜硫酸ソーダ約10%水溶液をクエン酸又は水酸化ナトリウムでPH7に調整した水溶液を約5ml試験管に取り、この溶液に軟鉄製の釘を浸漬する。恒温槽で60℃に加温し3時間後の変化を目視で観察する。釘の光沢、変色により錆の発生を評価した。
なお、表1中の欄中のNa,Kは、Na塩,K塩を示す。BTはベンゾトリアゾールの略であり、数字は重量%を示す。
表2中、○は光沢が保たれ錆が発生しない良好な状態、△は表面が灰黒色に着色し錆が発生している状態、×は表面が黒く変色し錆に覆われた状態、を各々示す。
表2の結果は、本発明のアルデヒド類捕獲剤は優れたアルデヒド捕獲能を有し、かつ接触する金属材料に錆の発生を引き起こすことの無い、優れたアルデヒド類捕獲剤であることを示している。また、従来防錆剤として知られていたリン酸化合物に比べても、ベンゾトリアゾール化合物類が優れていることを示している。
Claims (4)
- 亜硫酸塩及び重亜硫酸塩の少なくとも一方と、
ベンゾトリアゾール化合物類とを含有することを特徴とするアルデヒド類捕獲剤。 - 亜硫酸塩及び重亜硫酸塩(合計重量)とベンゾトリアゾール化合物類との重量比が100:1から70:30の範囲である、請求項1記載のアルデヒド類捕獲剤。
- アルデヒド類を揮散しうる建材を、請求項1又は2記載のアルデヒド類捕獲剤で処理することを特徴とする、建材からのアルデヒド類の除去方法。
- アルデヒド類を揮散しうる建材が、請求項1又は2記載のアルデヒド類捕獲剤で処理されたアルデヒド類低揮散性建材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004084665A JP2005270723A (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | アルデヒド類捕獲剤 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
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JP2008162237A (ja) * | 2007-01-05 | 2008-07-17 | Ipposha Oil Ind Co Ltd | 木質板の製造方法 |
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2004
- 2004-03-23 JP JP2004084665A patent/JP2005270723A/ja active Pending
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