JP2005270510A - 体外照射型超音波治療装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 骨折などの外傷を超音波的に治療する装置による治療中、確実に超音波が患部に照射されているかどうかを検出することができる超音波骨折治療装置を提供する。
【解決手段】 骨粗鬆症、骨折などを患う患者の患部5に超音波を照射して患部を治療するための超音波治療装置であって、前記超音波治療装置は、前記患部に超音波を照射する超音波照射手段21と、前記超音波照射手段21と患者の患部との間に設ける超音波伝導材4と、前記超音波照射手段21と前記超音波伝導材4との間に設けられ且つ前記超音波照射手段21の表面に貼付された音響的インピーダンス整合層22と、前記記超音波照射手段21から前記音響的インピーダンス整合層22が剥離したことを検出する剥離検出手段とを少なくとも具備する超音波治療装置である。
【選択図】 図2
【解決手段】 骨粗鬆症、骨折などを患う患者の患部5に超音波を照射して患部を治療するための超音波治療装置であって、前記超音波治療装置は、前記患部に超音波を照射する超音波照射手段21と、前記超音波照射手段21と患者の患部との間に設ける超音波伝導材4と、前記超音波照射手段21と前記超音波伝導材4との間に設けられ且つ前記超音波照射手段21の表面に貼付された音響的インピーダンス整合層22と、前記記超音波照射手段21から前記音響的インピーダンス整合層22が剥離したことを検出する剥離検出手段とを少なくとも具備する超音波治療装置である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、患部に超音波を経皮的に照射することにより外傷、特に骨折あるいは様々な筋骨格の障害を治療するための装置に関する。
一般に、特開昭62−284649号公報などに提案されているように、患者の体内に生じた疾患、例えば前立腺疾患などを治療する目的で、患者の肛門から直腸に超音波発信器を備えてプローブを挿入して、体内深部の患部、例えば前立腺などに超音波を照射して患部を加温することで患部の治療を促進することが行なわれている。このような従来技術においては、患部の体内深部に超音波発信器を挿入することができるという利点を活かして、患部にできるだけ近い位置で超音波を照射することが行なわれており、これと同時に、超音波照射による患部の加温状態を直接プローブに具備させた温度検出手段によって監視することで患部温度を適切に制御しようとすることが行なわれている。
また、このような体内深部に超音波発信器を備えたプローブを挿入して体内で超音波を発振して照射する方式とは別に、従来より人あるいは動物が骨折した場合に、骨折箇所に超音波を体外から照射して骨折の治療を促進することが行なわれている。このとき、適切な周波数の超音波を選定して、これを適当なパラメータ、例えば適切なパルス振幅とパルス繰返し照射周期とを有する超音波パルスに調整したりして、適当な期間にわたって患部に近接した適切な位置から超音波を照射すると、骨折や骨挫傷の自然治癒が速められることも認められている。また、特表2002−506701号公報に記載のように、骨粗鬆症を患う初老の人のように自然治癒能力が低下したために骨移植を必要とする場合、あるいは寝たきりになったりするような骨折を起こした患者に対しても、このような超音波治療法が効果を有することが認められている。
ところが、前記特開昭62−284649号公報に記載されている従来技術は、患者の患部に近い体内温度を測定するために温度検出手段を設けて患部の加温状態を監視しようとするものであるから、このような方式とは異なる特表2002−506701号公報に記載のような体外照射式の超音波治療器においては、患者の体温を測定することに何等のメリットもないため、このような目的で温度検出手段を設けることの意義はほとんどない。事実、体外照射型の超音波治療器においては、温度検出手段を設けられていないのが現状である。
なお、このような体外照射型の超音波骨折治療装置に限らず、それ以外の一般の超音波骨折治療装置においては、照射される超音波の出力強度が弱いこととあいまって、超音波という性質上、超音波が実際に患部に照射されているか否かを患者が認識することが困難である。このために、正常に動作しているときはもちろん、超音波の出力強度が低下したとしても、患者は出力強度の違いを感じ取ることができない。そのため、機器が故障を起こして超音波が出力されなくなったり、あるいは出力が低下したりしても、患者は気付かずにそのまま治療を続けてしまう恐れがある。
さらには、前述の体外照射型の超音波治療器においては、このような機器の故障や能力低下による超音波の出力低下や出力停止とは別に、超音波を発生させるための超音波振動子自体が周囲の温度変化によって電気特性が変化してしまって、そのために超音波出力が変化してしまうという問題がある。たとえば、夏場と冬場の温度差などの季節要因によって周囲の温度変化が生じると、超音波の出力もこれに対応して変動してしまうという問題がある。しかしながら、治療を目的として人体などに超音波を照射する場合においては、治療効果を上げるためにその照射強度などが変化しないように超音波出力を厳密に管理して、これを維持することが要求される。
以上に述べた従来技術が有する問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、体外照射型の超音波治療装置において、超音波を発生させるための超音波振動子が周囲の温度変化によって電気特性が変化してしまって、そのために超音波出力が変化してしまうという問題を解消して、周囲の温度変化に左右されずに、常に安定した出力を維持することができる超音波治療装置を提供することにある。
ここに、以上に述べた課題を解決するための請求項1に係る本発明として、「骨粗鬆症、骨折などの患部に超音波を体外から照射する超音波振動子を具備する超音波照射手段と、前記超音波照射手段の使用温度を検出する温度検出手段と、前記超音波照射手段から照射される超音波出力を制御するための制御信号を送出する駆動制御手段と、使用が予定される温度範囲に渡って基準となる超音波出力が前記記超音波照射手段から照射されるように前記制御信号の実験で求めた値を所定の温度間隔で記憶する記憶手段と、前記温度検出手段によって検出された温度情報に基づいて前記記憶手段から必要な制御信号値を取り出して最適な制御信号値を演算処理して前記駆動制御手段に出力する演算処理手段とを少なくとも具備する体外照射型超音波治療装置」が提供される。
このとき、請求項2に記載の発明のように、「前記超音波振動子が所定電圧を印加すると振動して超音波を発信する圧電セラミックスであって、更に、前記駆動制御手段が前記駆動制御手段から印加された電圧によって前記超音波振動子の出力を制御する手段であることを特徴とする、請求項1記載の体外照射型超音波治療装置」とすることが好ましい。
また、請求項3に記載の発明のように、「1.3〜2.0MHzのパルス信号からなる超音波を生成するための超音波生成手段を備えたことを特徴とする、請求項1記載の体外照射型超音波治療装置」とすることが望ましい。
従来の体外照射型超音波治療装置では、周囲の温度変化によって影響を受けて超音波出力が変化してしまい、患部に対して所定の出力を有する超音波を安定して照射することができないという問題を有している。これに対して、以上に述べた本発明の体外照射型超音波治療装置によれば、周囲の温度が変化すると、温度検出手段によって変化した温度を検知することができる。このため、従来技術のように患部に照射する超音波出力が温度変化の影響を受けて変動してしまわないように、検知した温度変化に対応して、超音波出力が常に一定になるように制御することができる。したがって、従来技術が有する周囲温度の変化によって超音波出力が影響を受けてしまうという問題を解消することができ、これによって、周囲温度の変化が生じたとしても温度変動に影響されずに、常に安定した一定の基準超音波出力を患部に照射することができるというきわめて顕著な効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の超音波治療装置全体の外観を例示した外観説明図である。この図1において、参照符号1は超音波治療装置の本体部、そして、参照符号2は超音波照射部であり、前記本体部1と前記照射部2とはフレキシブルなケーブル3により接続されている。なお、前記ケーブル3としては、ディジタル信号と同様に比較的低い周波数あるいは光信号を送ることができるマルチコンダクター・ケーブルを好適に使用することができる。また、このようなケーブル3としては、同軸ケーブルあるいは適合する他の形式の電磁的にシールドされたケーブルでもよい。
図1は、本発明の超音波治療装置全体の外観を例示した外観説明図である。この図1において、参照符号1は超音波治療装置の本体部、そして、参照符号2は超音波照射部であり、前記本体部1と前記照射部2とはフレキシブルなケーブル3により接続されている。なお、前記ケーブル3としては、ディジタル信号と同様に比較的低い周波数あるいは光信号を送ることができるマルチコンダクター・ケーブルを好適に使用することができる。また、このようなケーブル3としては、同軸ケーブルあるいは適合する他の形式の電磁的にシールドされたケーブルでもよい。
次に、前記本体部1と照射部2の詳細について、図2を参照しながら説明する。この図2において、参照符号4は超音波伝導材、そして、参照符号5は患者の患部をそれぞれ示している。なお、超音波伝導材4は、患部5に塗布して人体あるいはペットなどの動物の体内へ部超音波が伝播しやすくするためのものであって、通常、ゼリー状を呈している。また、本体部1は各種の処理を行うマイクロ・コンピューター(MPU)などの中央演算処理装置(以下、“CPU”と略記する)10を有しており、水晶発信器などからなる周知のクロック回路11から発信されるクロックに同期して、ROMやRAMなどの半導体メモリー、CD−ROM、フレキシブルディスク、あるいはハードディスクなどからなる記憶手段12に記憶されたプログラムに基づいて各種の処理、例えば、後述する超音波照射手段21の照射制御などを行ったりする。
更に、前記本体部1には、テンキーなどの入力手段16を備えており、この入力手段16から必要に応じて前記CPU10に各種の指令を出したりして、必要なデータを入力することができる。また、表示手段17は、患者に装置の使用手順を示したり、装置の状態を示したりするなどの必要な情報を表示するために設けられており、通常、液晶ディスプレイが好適に使用される。また、警報発生手段18としては、超音波治療装置になんらかの異常が発生した場合に異常が発生したことを使用者に警報を発生して知らせるものであって、ブザーなどによって警報音を鳴らしたり、発光ダイオード(LED)を点滅させたり、異常情報を具体的に液晶パネルなどに文字で表示するなどの方法が通常採用される。なお、通信手段19は、必要に応じて外部の関連機器と接続して保守点検に使用したり、記憶装置に記憶された関連情報からなるデータを読み出してこれらデータを送信したりするなどの役割を果たす。
ところで、前記本体部1は、超音波治療を行うための装置であるから、この目的を達成するための手段として、超音波を生成するための超音波生成手段15を備え、超音波照射手段21へ駆動制御手段13を介して接続されている。このとき、超音波生成手段15によって生成される超音波は、特に、1.3〜2.0MHzのパルス信号であることが、骨粗鬆症、骨折などといった骨に係わる疾患を治療する上で効果的であるため好ましい。
また、前記超音波照射手段21としては、所定電圧を印加すると振動して超音波を発信する材料として、水晶、LiNbO3、LiTaO3,Li2B4O7などの圧電単結晶トランスデューサや、チタン酸バリウム、一般にPZTと呼ばれるジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸鉛系などの圧電セラミックストランスデューサなどがあるが、ここでは電気機械結合係数、誘電率が大きく、キュリー点も高いなどの有利な特性を持ち、一般的に最も多く用いられているPZTが超音波振動子として用いられる。
さらに、前記駆動制御手段13は、患者の体外より経皮的に患部5に照射して骨折などを治療するために必要な最適状態に超音波を制御して音響的インピーダンス整合層22へ供給する役割を果たす。したがって、この駆動制御手段13によって、最適な状態に制御された超音波が超音波照射手段から21から患部5へ照射されて治療が行なわれることになる。
更に、前記超音波照射手段21の表面には前記音響的インピーダンス整合層22が貼り付けられ、患者の患部5には超音波伝導材4が塗布されて、この超音波伝導材4を介して超音波照射手段21に貼付された音響的インピーダンス整合層22と接続される。したがって、超音波照射手段21で発生した超音波は、音響的インピーダンス整合層22と超音波伝導材4を経由して患部5へ照射されることとなるため、超音波照射手段21を駆動制御する駆動制御手段13はこのとき超音波照射手段21が示す電気的インピーダンスに合わせ、その伝播効率が最大になるように設計されることは言うまでもない。
ここで、前記音響的インピーダンス整合層22と超音波伝導材4が設けられる理由を簡単に説明すると、超音波は音響インピーダンスが異なる部位で反射する性質を有するため、前記超音波照射手段21を皮膚に単に接触させるだけでは反射が大きく、患者の体内に超音波が伝播しないからである。したがって、患者の体内に超音波を良好に伝播させるためには、超音波を良く伝導する材料を設ける必要が生じ、このためにゲル状の超音波伝導材4を前記超音波照射手段21と患部5の表面に塗布して皮膚に接触させる必要がある。
また、超音波照射手段21は、通常、前述のように圧電セラミックスなどで形成されているが、この圧電セラミックスと人体とでは、音響インピーダンスが大きく異なる。このために、ゲル状の超音波伝導材4を直接圧電セラミックスに接触させた場合にも音響的インピーダンスの不整合が生じるために、音響的インピーダンス整合層22が設けられ、骨折箇所などの患部5へ超音波が良好に伝播するように配慮して設計されている。
しかしながら、このような配慮をしても、本発明が対象とするような体外照射型の超音波治療器においては、超音波治療器の故障による超音波の出力低下や出力停止とは別に、超音波照射手段21を構成する超音波振動子自体が周囲の温度変化によって電気特性が変化してしまって、そのために超音波出力が変化してしまうという問題がある。このため、例えば夏場と冬場の温度差などの季節要因によって周囲の温度変化が生じると、超音波の出力もこれに対応して変動してしまうという問題があることは既に背景技術欄で述べたとおりである。そこで、本発明においては、前記照射部2に超音波照射手段21と共に、「熱電対やサーミスタなどからなる温度検出手段20を付設し、この温度検出手段20によって超音波照射手段21が使用される際の周囲温度を検出して、検出した温度情報に基づいて、常に安定した超音波を患部5に照射すること」を一大特徴とするものである。以下、この点について、図3を参照しながら詳細に説明する。
図3は、超音波振動子として、PZTタイプの圧電セラミックスを使用した際の超音波出力の温度依存性を測定したグラフであって、縦軸に超音波出力(mW:ミリワット)、横軸に温度(℃)を採った、周囲温度に対する超音波出力の変化を表したグラフである。
なお、本超音波出力の測定は、1993年6月に医用超音波機器技術委員会によって制定されたEIAJ ET−9001規格「天秤法による超音波出力測定方法」を用いて測定したものである。
なお、本超音波出力の測定は、1993年6月に医用超音波機器技術委員会によって制定されたEIAJ ET−9001規格「天秤法による超音波出力測定方法」を用いて測定したものである。
なお、このグラフに示した例においては、室温(23℃としている)で測定した場合の超音波出力は、118mWとなっており、通常はこの出力を基準として使用する。しかしながら、例えば、温度が10℃にまで低下すると超音波出力は上昇して136mWとなり、逆に温度が40℃にまで上昇すると超音波出力は102mWにまで低下する。
このように、超音波出力が周囲温度の影響を受けて変動するのは、超音波照射手段21を構成する超音波振動子が温度変化によって電気特性が変化するためであって、超音波振動子の電気特性が変化すると、前記駆動制御手段13との間の電気的な整合性が崩れて、その結果として超音波出力も変動してしまうからである。そうすると、前述のように、音響的インピーダンス整合層22と超音波伝導材4とを用いて超音波照射手段21から照射される超音波が、適正な出力で患部5に確実に照射されるようにしても、肝心の超音波照射手段21を構成する超音波振動子が周囲温度による影響でその超音波出力が変化してしまうことになってしまう。
そこで、本発明においては、前記超音波照射手段21に温度検出手段20を付設して周囲温度(使用温度)を検出し、このとき検出した周囲温度(使用温度)に基づいて、超音波出力が基準値になるように駆動制御手段13によって、超音波出力が適正な出力値を常に維持するように適切な電圧を印加して制御するのである。以下、この本発明の一大特徴を詳細に説明する。
先ず、本発明においては、周囲温度(使用温度)に関する情報を取得する必要がある。そこで、本発明では周囲温度(使用温度)を検出するための温度検出手段20を必須の構成要件とし、この温度検出手段20によって検出した周囲温度(使用温度)を読み書き自在のRAMなどの半導体メモリーやハードディスクなどの記録媒体などからなる前記記憶手段12に送って、ここに一旦記憶させる。このとき、基準となる超音波出力(例えば、室温23℃における超音波出力118mW)を選定し、この基準出力118mWに対して、温度変化に伴って変移する超音波出力を実験によって図3に例示したグラフのような関係を求める。
なお、超音波振動子の出力は、個体差が大きく、温度変化に対する超音波振動子の出力特性は、線形的に変化したり、非線形的に変化したりする。そこで、対象とするそれぞれの超音波振動子に対して、図3に示したようなグラフを実験により求め、更に、その時に駆動制御手段13から超音波照射手段21を構成する超音波振動子にどの程度の制御信号(超音波振動子に印加する電圧値)を伝達すれば、基準となる超音波出力がアウトプットされるかを求めておく必要がある。
なお、駆動制御手段13から超音波振動子に伝達する制御信号(超音波振動子に印加する電圧値)については、例えば、5℃刻み、10℃刻みといった間隔で設定した温度変化に対して、超音波振動子の最適な超音波出力を実験により求めておけばよい。ただし、各超音波骨折治療器に対してそれぞれ付設される超音波振動子については、個体毎の特性差が大きいという理由から、工場出荷時に超音波骨折治療器毎に最適値を実験によって求め、これによって、全ての超音波骨折治療器で基準出力の超音波が照射されるように調整することが好ましいことは言うまでもない。
このとき、前述のよう5℃刻み、10℃刻みといった間隔で設定した温度変化に対して、前記駆動制御手段13から超音波振動子に伝達する制御信号(超音波振動子に印加する電圧値)をどの程度の大きさにするかは、実験により決定されることは既に述べたとおりである。そこで、このようにして各刻み値における温度において、前記駆動制御手段13から超音波振動子に印加する電圧値を前述のように実験によって求めて、求めた電圧値をテーブルとして前記記憶手段12に記憶させておく。
そうすると、温度検出手段20によって周囲温度が検出されると、テーブルとして記憶した電圧値から必要なデータを取り出して、その温度において最適な電圧値を線形補間あるいは最小自乗法による関数補間などの適切な補間方法を使用し、CPU10により演算処理することによって、最適な電圧値を求めることができる。そして、このようにして演算処理によって求めた最適な電圧値を駆動制御手段13から常に超音波振動子へ伝達するようにしておけば、超音波振動子からは周囲温度の変動に影響されることなく、常に基準値に近い超音波出力が患部5に照射されることになる。
したがって、たとえ夏場や冬場といった季節的な要因などで周囲温度が変動したとしても、本発明の超音波照射手段21は、温度検出手段20を備えているから、この温度検出手段20によって周囲温度を検出することができる。そして、このようにして検出した温度情報に基づいて、CPU10によって演算された適切な制御電圧値が駆動制御手段13から超音波振動子に伝達され、最適な超音波出力となるように超音波振動子の出力を常に一定に調整することが可能となる。したがって、超音波振動子から患部5に対して常に安定して一定出力の超音波が照射されることとなる。
なお、前述の実施態様においては、温度検出手段20から得られた温度情報に基づき、記憶手段12に記憶されたテーブルを参照して、このテーブルにある値を用いて超音波振動子に伝達する制御信号(印加電圧値)を算出し、算出した制御信号を駆動制御手段13から超音波照射手段21を構成する超音波振動子へと一方的に伝達して、超音波振動子の出力を最適値に制御する方式を採用した。何故ならば、このような制御方式は、装置構成を簡単かつ安価にできるという利点を有するからである。
しかしながら、本発明においては、このような実施態様とは別に、超音波振動子からの出力を受信する受信部(図示せず)を設けて、この受信部によって検出された出力をCPU10にフィードバックして駆動制御手段13へ伝達する適切な制御信号を演算処理して、演算処理した制御信号を駆動制御手段13にインプットすることによって、駆動制御手段13から超音波振動子へ伝達する電圧値を制御することもできる。そうすると、超音波振動子からの出力が常に基準出力値の上限と下限との範囲内に入るようにフィードバック制御されるから、経時変化などの影響によって超音波振動子の電気特性が変化してもこの変化に追随できるようにすることができる。
以上に述べた本発明の体外照射型の超音波治療装置は、周囲温度が変化しても常に安定かつ一定の超音波出力を保証することができる。このために、変動のない常に安定した一定の超音波出力を患部に照射することができる超音波治療器として、人や動物などの骨折治療などに好適に利用可能である。
1 超音波治療装置の本体部
2 超音波治療装置の照射部
3 ケーブル
4 超音波伝導材
5 患者の患部
10 中央演算処理装置(CPU)
11 クロック回路
12 記憶手段
13 駆動制御手段
14 電流検出手段
15 超音波生成手段
16 入力手段
17 表示手段
18 警報発生手段
19 通信インターフェイス
20 温度検出手段
21 超音波照射手段
22 音響的インピーダンス整合層
2 超音波治療装置の照射部
3 ケーブル
4 超音波伝導材
5 患者の患部
10 中央演算処理装置(CPU)
11 クロック回路
12 記憶手段
13 駆動制御手段
14 電流検出手段
15 超音波生成手段
16 入力手段
17 表示手段
18 警報発生手段
19 通信インターフェイス
20 温度検出手段
21 超音波照射手段
22 音響的インピーダンス整合層
Claims (3)
- 骨粗鬆症、骨折などの患部に超音波を体外から照射する超音波振動子を具備する超音波照射手段と、前記超音波照射手段の使用温度を検出する温度検出手段と、前記超音波照射手段から照射される超音波出力を制御するための制御信号を送出する駆動制御手段と、使用が予定される温度範囲に渡って基準となる超音波出力が前記記超音波照射手段から照射されるように前記制御信号の実験で求めた値を所定の温度間隔で記憶する記憶手段と、前記温度検出手段によって検出された温度情報に基づいて前記記憶手段から必要な制御信号値を取り出して最適な制御信号値を演算処理して前記駆動制御手段に出力する演算処理手段とを少なくとも具備する体外照射型超音波治療装置。
- 前記超音波振動子が所定電圧を印加すると振動して超音波を発信する圧電セラミックスであって、更に、前記駆動制御手段が前記駆動制御手段から印加された電圧によって前記超音波振動子の出力を制御する手段であることを特徴とする、請求項1記載の体外照射型超音波治療装置。
- 1.3〜2.0MHzのパルス信号からなる超音波を生成するための超音波生成手段を備えたことを特徴とする、請求項1記載の体外照射型超音波治療装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015036045A (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-23 | 株式会社泉技研 | 骨質改善のための超音波音響システム及び超音波音響機器の作動方法 |
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2004
- 2004-03-26 JP JP2004091269A patent/JP2005270510A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015036045A (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-23 | 株式会社泉技研 | 骨質改善のための超音波音響システム及び超音波音響機器の作動方法 |
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