JP2004154304A - 超音波治療装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】骨折などの外傷を超音波的に治療する装置による治療中、確実に超音波が患部に照射されているかどうかを検出することができる超音波骨折治療装置を提供する。
【解決手段】骨粗鬆症、骨折などを患う患者の患部5に超音波を照射して患部を治療するための超音波治療装置であって、前記超音波治療装置は、前記患部に超音波を照射する超音波照射手段21と、前記超音波照射手段21と患者の患部との間に設ける超音波伝導材4と、前記超音波照射手段21と前記超音波伝導材4との間に設けられ且つ前記超音波照射手段21の表面に貼付された音響的インピーダンス整合層22と、前記記超音波照射手段21から前記音響的インピーダンス整合層22が剥離したことを検出する剥離検出手段とを少なくとも具備する超音波治療装置である。
【選択図】 図2
【解決手段】骨粗鬆症、骨折などを患う患者の患部5に超音波を照射して患部を治療するための超音波治療装置であって、前記超音波治療装置は、前記患部に超音波を照射する超音波照射手段21と、前記超音波照射手段21と患者の患部との間に設ける超音波伝導材4と、前記超音波照射手段21と前記超音波伝導材4との間に設けられ且つ前記超音波照射手段21の表面に貼付された音響的インピーダンス整合層22と、前記記超音波照射手段21から前記音響的インピーダンス整合層22が剥離したことを検出する剥離検出手段とを少なくとも具備する超音波治療装置である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患部に超音波を経皮的に照射することにより外傷、特に骨折あるいは様々な筋骨格の障害を治療するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人あるいは動物が骨折した場合に、骨折箇所に超音波を照射すると、骨折を治療することが可能であることが知られている。その際、適当なパラメータ、例えば超音波周波数、パルス繰返し周期とパルス振幅を有する超音波パルスを適当な期間、患部に近接した適当な位置から照射することにより、例えば骨折や骨挫傷の自然治癒が速められることが認められている。また、本欄の最後に掲載した特許文献1に記載のように、骨粗鬆症を患う初老の人のように自然治癒能力が低下したために骨移植を必要とする場合、あるいは寝たきりになったりするような骨折を起こした患者に対しても、このような超音波治療法は効果を有することが認められている。
【0003】
しかしながら、超音波骨折治療装置から照射される超音波の出力強度が弱い上に、超音波という性質上、超音波が照射されているか否かを患者が認識することが困難である。このために、正常に動作しているときはもちろん、出力強度が更に低下したとしても、患者は出力強度の違いを感じ取ることができない。そのため、機器が故障を起こして超音波が出力されなくなっても、患者は機器が故障しているとは知らずにそのまま治療を続けてしまう恐れがある。
【0004】
そこで、超音波照射手段から適切な出力強度を有する超音波が患者の患部へ確実に照射されているか否かを患者自身が確認できることが要求される。このような要求に応えるために、本欄の最後に掲載した特許文献2において、超音波照射手段に入力される電圧と電流の位相差を常時監視する方式が提案されている。ここで、この特許文献2に提案されている従来技術について、以下に説明する。
【0005】
先ず、前記特許文献2に提案されている従来技術では、超音波信号の生成回路ならびに超音波照射手段間で電力の伝達損失をなくすためにインピーダンスの整合を行って、整合回路を含めた前記超音波照射手段のインピーダンスが実質的に実成分のみとなるようにインダクタンス成分(イマジナリー成分)がゼロ若しくはゼロに近い値を持つように調整する。
【0006】
このような状態を維持しておくと、次に、前記超音波照射手段が何らかのトラブルを起こして超音波の出力に異常をきたすと、インダクタンス成分(イマジナリー成分)がゼロ若しくはゼロに近い値を持つように調整された前記超音波照射手段のインピーダンスが変化する。このために、整合回路を含めた前記超音波照射手段にはインダクタンス成分が現れる。その結果、超音波信号の生成回路ならびに前記超音波照射手段間のインピーダンス整合性が満たされなくなり、超音波信号の生成回路から超音波照射手段へは所定の電力が送信されたにもかかわらず、前記超音波照射手段にはインダクタンス成分の電力が送信されないために充分に電力が供給されなくなって、超音波の出力強度が低下する。これを電圧と電流との間の位相差という観点から見てみると、両者間の位相差が正常時に比べてはるかに増大するという結果として現れる。
【0007】
そこで、前記電圧と電流間の位相差を検出する手段を超音波骨折治療装置内に設けておき、正常な状態における初期の位相差と、トラブルが発生した状態での位相差を比較すれば、その位相差から超音波照射手段の異常を検知することができる。また、前記超音波照射手段から照射される超音波の出力強度がどの程度低下しているのかを監視できる。
【0008】
確かに、この従来技術によれば、超音波信号の生成回路と超音波照射手段間で超音波が照射されていることを確認することができる。しかしながら、このような確認ができたとしても、超音波照射手段と患者の患部との間に何らかの問題が発生して、この部分で超音波が遮断されていたとしたら何の意味ももたないこととなる。この点に関しては、前記従来技術においても、超音波は音響インピーダンスが異なる部位では反射が生じるために、前記超音波照射手段を患者の皮膚に単に接触させるだけでは反射が大きく、体内に超音波が充分に伝播しないという問題があるのを認識している。
【0009】
したがって、この問題を解決するために、前記従来技術では、患者の患部にまで超音波を充分に伝播させるために、超音波伝導ゲルのような超音波伝導材を前記超音波照射手段表面に塗布し皮膚に接触させる必要があることを指摘した上で、この超音波伝導材の有無を確認することを提案している。具体的には、超音波照射手段の患部接触部表面に前記超音波伝導材を検出するための端子を設け、この端子間の抵抗変化を検出することにより、前記超音波伝導材の存在を検出することが提案されている。
【0010】
ところが、通常の超音波治療装置では、超音波照射に用いる超音波照射手段と前記超音波伝導材との間に音響的インピーダンス整合層が設けられ、これによって超音波照射手段と前記超音波伝導材間での音響的インピーダンスの差に起因する内部反射を低減することが行われる。しかしながら、この音響的インピーダンス整合層は長期間の使用により、その一部が剥離することがあるという前記特許文献2が全く認識しない新たな問題が発生した。
【0011】
もし、このような新たな問題が発生すると、剥離部分で超音波が反射してしまうため、超音波出力は低下してしまうが、前述の従来技術においては、このような音響的インピーダンス整合層の一部が剥離したことを検知することについては、全く新たな問題であるために、当然のことながら何等の言及もない。
【0012】
しかしながら、音響的インピーダンス整合層の剥離というような事態が生じると、超音波照射手段から照射される超音波の出力強度が弱いこととあいまって、患者の患部に充分に超音波が照射されず、その治療効果も期待できないというすでに述べた事態を惹起することは言うまでもない。
【0013】
【特許文献1】
特表2002−506701号公報
【0014】
【特許文献2】
特開2001−258898号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた従来技術が有する問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、超音波照射手段に貼付する音響的インピーダンス整合層の一部が超音波照射手段から剥離して、超音波を利用して骨折などの治療を行うための必要なエネルギー強度を持つ超音波が患部に一部でも届かないことを防止することにある。そして、音響的インピーダンス整合層に剥離が生じたとしても、これを確実に検知することができる超音波治療装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
ここに、以上に述べた課題を解決するための請求項1に係る本発明として、「骨粗鬆症、骨折などを患う患者の患部に超音波を照射して患部を治療するための超音波治療装置であって、前記超音波治療装置は、前記患部に超音波を照射する超音波照射手段と、前記超音波照射手段と患者の患部との間に設ける超音波伝導材と、前記超音波照射手段と前記超音波伝導材との間に設けられ且つ前記超音波照射手段の表面に貼付された音響的インピーダンス整合層と、前記記超音波照射手段から前記音響的インピーダンス整合層が剥離したことを検出する剥離検出手段とを少なくとも具備する超音波治療装置」が提供される。
【0017】
また、請求項2に係る本発明として、前記剥離検出手段によって前記音響的インピーダンス整合層の剥離が検出されたり、あるいは前記超音波伝導材が正常に装着されていなかったりした際に、警報を発生する警報発生手段を備えた請求項1記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0018】
また、請求項3に係る本発明として、剥離検出手段が、前記音波照射手段に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記音響的インピーダンス整合層の剥離を判断するための電流値を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶された電流値から音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する剥離判断手段とから少なくともなる請求項1記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0019】
また、請求項4に係る本発明として、前記記憶手段が、前記音響的インピーダンス整合層の剥離がなく且つ前記超音波伝導材を装着した場合と装着しない場合にそれぞれ係る第1電流値(A)と第2電流値(B)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態と装着しない状態で前記超音波照射手段にそれぞれ流れる第3電流値(X)と第4電流値(Y)とを少なくとも記憶する記憶領域を有する請求項3記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0020】
また、請求項5に係る本発明として、請求項2記載の前記剥離判断手段が、前記第1電流値(A)、前記第2電流値(B)、前記第3電流値(X)、そして、前記第4電流値(Y)から(B−A)値と(Y−X)値とを演算比較して、(Y−X)<(B−A)である場合に音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する手段である請求項4記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0021】
また、請求項6に係る発明として、請求項2記載の前記剥離判断手段が、前記第3電流値(X)、そして、前記第4電流値(Y)から前記記憶手段で予め記憶された所定値(C)と(Y−X)値とを演算比較して、(Y−X)<所定値(C)である場合に音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する手段である請求項4記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0022】
そして、請求項7に係る本発明として、前記音響的インピーダンス整合層の剥離がなく且つ前記超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(A)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(X)とを記憶する記憶手段と、前記電流値(A)と前記電流値(X)とを比較し、X値がA値より大きかった場合に超音波伝導材が正常に装着されていないと判断する超音波伝導材の装着判別手段とを少なくとも具備する請求項2記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0023】
さらに、請求項8に係る発明として、予め設定された所定値(D)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(X)とを記憶する記憶手段と、前記所定値(D)と前記電流値(X)とを比較し、X値がD値より大きかった場合に超音波伝導材が正常に装着されていないと判断する超音波伝導材の装着判別手段とを少なくとも具備する請求項2記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の超音波治療装置全体の外観を例示した外観説明図である。この図1において、参照符号1は超音波治療装置の本体部、そして、参照符号2は超音波照射部であり、前記本体部1と前記照射部2とはフレキシブルなケーブル3により接続されている。なお、前記ケーブル3としては、ディジタル信号と同様に比較的低い周波数あるいは光信号を送ることができるマルチコンダクター・ケーブルを好適に使用することができる。また、このようなケーブル3としては、同軸ケーブルあるいは適合する他の形式の電磁的にシールドされたケーブルでもよい。
【0026】
次に、前記本体部1と照射部2の詳細について、図2を参照しながら説明する。この図2において、参照符号4は超音波伝導材、そして、参照符号5は患者の患部をそれぞれ示している。なお、超音波伝導材4は、患部5に塗布して人体あるいはペットなどの動物の体内へ部超音波が伝播しやすくするためのものであって、通常、ゼリー状を呈している。また、本体部1は各種の処理を行うマイクロ・コンピューター(MPU)などの中央演算処理装置(以下、“CPU”と略記する)10を有しており、水晶発信器などからなる公知のクロック回路11から発信されるクロックに同期して、ROMやRAMなどの半導体メモリー、CD−ROM、フロッピーディスク、あるいはハード・ディスクなどからなる記憶手段12に記憶されたプログラムに基づいて各種の処理、例えば、後述する超音波照射手段21の照射制御などを行ったりする。
【0027】
更に、前記本体部1には、テンキーなどの入力手段16を備えており、この入力手段16から必要に応じて前記CPU10に各種の指令を出したりして、必要なデータを入力することができる。また、表示手段17は、患者に装置の使用手順を示したり、装置の状態を示したりするなどの必要な情報を表示するために設けられており、通常、液晶ディスプレイが好適に使用される。
【0028】
次に、警報発生手段18としては、超音波治療装置になんらかの異常が発生した場合に異常が発生したことを使用者に警報を発生して知らせるものであって、ブザーを鳴らしたり、発光ダイオード(LED)を点滅させたりするなどの方法が通常採用される。なお、通信手段19は、必要に応じて外部の関連機器と接続して保守点検に使用したり、記憶装置に記憶された関連情報からなるデータを読み出してこれらデータを送信したりするなどの役割を果たす。
【0029】
そして、前記本体部1は、超音波治療を行うための装置であるから、この目的を達成するための手段として、1.3〜2.0MHzのパルス信号からなる超音波を生成するための超音波生成手段15を備え、超音波照射手段21へ駆動制御手段13を介して接続されている。ここで、前記駆動制御手段13は、患者の体外より経皮的に患部5に照射して骨折などを治療するために必要な最適状態に超音波を制御して音響的インピーダンス整合層22へ供給する役割を果たす。
【0030】
なお、前記超音波照射手段21としては、PZTなどの圧電セラミックスが用いられる。そして、その表面には前記音響的インピーダンス整合層22が貼り付けられる。その際、患者の患部5には超音波伝導材4が設けられ、この超音波伝導材4を介して超音波照射手段21に貼付された音響的インピーダンス整合層22と接続される。このとき、前記超音波伝導材4がある時、超音波照射手段21で発生した超音波は、音響的インピーダンス整合層22と超音波伝導材4を経由して患部5へ照射されるため、超音波照射手段21を駆動制御する駆動制御手段13はこのとき超音波照射手段21が示す電気的インピーダンスに合わせ、その伝播効率が最大になるように設計されることは言うまでもない。
【0031】
ここで、前記音響的インピーダンス整合層22と超音波伝導材4が設けられる理由を簡単に説明すると、超音波は音響インピーダンスが異なる部位で反射する性質を有するため、前記超音波照射手段21を皮膚に単に接触させるだけでは反射が大きく、患者の体内に超音波が伝播しないからである。したがって、患者の体内に超音波を良好に伝播させるためには、超音波を良く伝導する材料を設ける必要が生じ、このためにゲル状の超音波伝導材4を前記超音波照射手段21と患部5の表面に塗布して皮膚に接触させる必要がある。また、超音波照射手段21は、通常、前述のように圧電セラミックスなどで形成されているが、この圧電セラミックスと人体とでは、音響インピーダンスが大きく異なる。このために、ゲル状の超音波伝導材4を直接圧電セラミックスに接触させた場合にも音響的インピーダンスの不整合が生じるために、音響的インピーダンス整合層22が設けられ、骨折箇所などの患部5へ超音波が良好に伝播するように配慮して設計されている。
【0032】
以上に説明した本発明の超音波治療装置の全体構成の詳細を知った上で、以下に本発明が一大特徴とする「音響的インピーダンス整合層22の剥離を検出する剥離検出手段(図示せず)」について説明する。
【0033】
本発明者は、鋭意検討の結果、超音波照射手段21から音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じると、患部5と音響的インピーダンス整合層22との間に超音波伝導材4を塗布した時に超音波照射手段21に流れる電流値と、塗布していない場合に流れる電流値の差が正常時と比較して異常時には小さくなるのを見出した。したがって、この現象を利用すれば、超音波照射手段21からの音響的インピーダンス整合層22の剥離が検出できることを知見した。そこで、これを具現化するための手段として、剥離検出手段の一部を構成する電流検出手段14を設け、電流検出手段14によって超音波照射手段21に流れる電流値を検出して実際に音響的インピーダンス整合層22の剥離を検証できることを実証した。
【0034】
ここで、前記電流値は交流値であり、そのまま使用してもよいが、より安定した測定を行うため、整流した直流値を好ましく使用する。
【0035】
そこで、以下、前記剥離検出手段について、音響的インピーダンス整合層の剥離を検出するための処理の流れを図示した図3を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の剥離検出手段は、前記音波照射手段21に流れる電流値を検出する電流検出手段14と、前記音響的インピーダンス整合層22の剥離を判断するための電流値を記憶するための記憶手段12と、前記記憶手段12に記憶された電流値から音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じたと判断する剥離判断手段(図示せず)を含んで構成される。
【0036】
まず、音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じる前の正常時に超音波伝導材4を塗布した状態で、超音波照射手段21に流れる電流値を電流検出手段14によって測定し、図示しないA/D変換手段によってディジタル値に変換した後記憶手段12に第1電流値(A)として予め記憶しておく(S01ステップ)。また、超音波伝導材4を塗布しない状態だけが異なる前記ステップS01と同様の条件下で電流検出手段14によって超音波照射手段21に流れる電流値を測定した後、A/D変換を行い記憶手段12に第2電流値(B)として予め記憶しておく(S02ステップ)。
【0037】
次に、治療都度に使用者に超音波を照射する患部5に超音波伝導材4を塗布してもらった状態で、超音波照射手段21に流れる電流値を電流検出手段14によって検出して、A/D変換した後に、記憶手段12に第3電流値(X)として記憶する(S03ステップ)。また、使用者に患部5から超音波伝導材4を除去してもらった状態で超音波照射手段21に流れる電流値を電流検出手段14によって検出して、A/D変換した後に、記憶手段12に第4電流値(Y)として記憶手段12に記憶する(S04ステップ)。
【0038】
ただし、治療に当たって使用者に対して、このような剥離を確認する操作が超音波治療装置を使用するたびに毎回要求するようにしても良いが、このような操作は使用者にとっては煩雑である。したがって、剥離が発生しても、治療効果に影響しない頻度で実施しても差し支えない。例えば、治療の度にこのような操作を要求するのではなく、使用者が5回超音波治療装置を使用したら、一回だけこのような操作を行うようにしても良い。また、患者の患部5に超音波伝導材4を塗布して超音波を患部5に発信する治療を開始直後あるいは治療中に記憶手段12に予め組み込まれた監視プログラムを作動させて、超音波照射手段21へ流れる電流を電流検出手段14によって所定のサンプリング間隔で検出して、検出した電流値の変化をCPU10によって絶えずチェックするようにしてもよい。そうすれば、電流値が正常な値から逸脱したことが検出できるため、このような場合に、音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じているか否かを自動的に検出することもできる。その際、異常が検出された場合には、前記警報発生手段によってブザーを鳴らしたり、LEDを点滅させたりして、使用者に異常を警報するようにしておくことは、本発明においては好ましい態様である。
【0039】
以上に述べた準備ステップが完了すると、前記記憶手段12から第1電流値(A)、第2電流値(B)、第3電流値(X)、そして、第4電流値(Y)をCPU10に読み出して、(B−A)値と(Y−X)値とを演算処理した後、剥離判断手段(図示せず)によって(B−A)値と(Y−X)値とを比較する音響的インピーダンス整合層22の剥離判断処理を行う(S05ステップ)。
【0040】
そして、(Y−X)<(B−A)である場合(S06ステップ)には、剥離が発生しているとして警報発生手段18によって警報を発生する処理を行う(S07ステップ)。そして、治療を停止する(S08ステップ)と共に、正常な超音波照射手段と交換するなどの処置を行う。これに対して、(Y−X)>(B−A)である場合には、音響的インピーダンス整合層22に剥離がないと判断(S09ステップ)して、超音波治療装置は正常に機能しているとして治療を開始する(S09ステップ)。
【0041】
なお、多数の超音波治療装置を製造する際に、上記電流値(A)と電流値(B)は、超音波照射手段毎でばらつきが大きくなることがあり、このような場合にはこれらの値(A値とB値)は、超音波治療装置毎に記憶することが望ましい。逆に、ばらつきが小さい場合、超音波治療装置毎に記憶させることなく、(B−A)の統計をとって求めた所定値(C)を予め記憶手段に記憶しておき、(Y―X)<Cにより、剥離を判断することが好適であることは明らかである。
【0042】
以上は、本発明の一大特徴とする音響的インピーダンス整合層22が超音波照射手段21から剥離したことを検出する剥離検出手段についての説明であるが、本発明はこの他にも前記と同様の原理によって、超音波伝導材4が正常に患部に装着できているかどうかを検出することもできる。そこで、この超音波伝導材4の装着の有無を検出するための装着判別手段について、図4に示したフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0043】
まず、超音波伝導材4の装着の有無を検出するための装着判別手段(図示せず)においては、前記音響的インピーダンス整合層22の剥離などがない正常時に超音伝導材4を塗布した状態で、超音波照射手段21に流れる電流値(A)を電流検出手段14によって測定し、測定した電流値(A)をA/D変換した後、記憶手段12に記憶しておく(S21ステップ)。そして、治療時に、前記S21ステップと同様の条件で超音波照射手段21に流れる電流値(X)を電流検出手段14によって測定し、測定した電流値(X)をA/D変換した後、記憶手段12に記憶する(S22ステップ)。
【0044】
次に、超音波伝導材4が正常に装着されているかどうかを判別する装着判別手段(図示せず)によって、前記電流値(X)と前記電流値(A)とを比較する(S23ステップ)。もし、このとき、前記装着判別手段による比較によって、前記電流値(X)が前記電流値(A)より大きいと判別された場合には、超音波伝導材4が正常に装着されていないと判断する(S24ステップ)。そして、超音波伝導材4が正常に装着されていないとして警報発生手段18によって警報を発生する処理を行い(S25ステップ)、治療を停止する(S26ステップ)と共に、超音波伝導部材4の装着を点検して、正常に装着して前記S22の処理ステップに戻る。
【0045】
これに対して、前記S23ステップにおいて、前記電流値(X)と前記電流値(A)とを比較して、前記電流値(X)が前記電流値(A)以下である場合には、超音波伝導材4が正常に装着されていると前記装着判別手段によって判断し治療を開始する。なお、これらの処理は全てCPU10によって記憶手段12に記憶されたデータに基づいて自動的に行なわれる。
【0046】
なお、付言するならば、上記電流値(A)は超音波照射手段のばらつきが大きい時に、超音波照射手段毎に記憶することが望ましく、ばらつきが小さい場合、電流値Bの統計値として、所定値(D)を予め記憶手段に記憶しておき、X>Dにより、超音波伝導材が異常装着であると判断することが好適であることは上記の記載から容易に類推できるであろう。
【0047】
【発明の効果】
以上、正常に動作しているときでも超音波骨折治療装置から照射される超音波は弱い超音波出力強度であって、しかも、音響的インピーダンス整合層22に剥離が生じたような場合のように超音波の出力強度が低下したとしても、使用者はその出力強度の違いを感じ取ることはできないが、以上に述べた本発明によって、このようなトラブルを確実に検出できる。したがって、音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じても、新たな超音波照射手段21と交換することができる。また、超音波伝導材4が正常に装着されていない場合も簡単かつ確実に検知でき、正常な装着状態を常に維持することができるために、適切な超音波が患者の患部に照射されず、期待した治療効果が得られないといったような事態を回避できるというきわめて顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波治療装置の外観を例示した外観説明図である。
【図2】本発明の超音波治療装置の全体構成を説明するために模式的に例示した全体構成図である。
【図3】音響的インピーダンス整合層の剥離を検出するための処理の流れを説明したフローチャートである。
【図4】超音波伝導材の装着の有無を検出するための処理の流れを説明したフローチャートである。
【符号の説明】
1 超音波治療装置の本体部
2 超音波治療装置の照射部
3 ケーブル
4 超音波伝導材
5 患者の患部
10 中央演算処理装置(CPU)
11 クロック回路
12 記憶手段
13 駆動制御手段
14 電流検出手段
15 超音波生成手段
16 入力手段
17 表示手段
18 警報発生手段
19 通信インターフェイス
21 超音波照射手段
22 音響的インピーダンス整合層
【発明の属する技術分野】
本発明は、患部に超音波を経皮的に照射することにより外傷、特に骨折あるいは様々な筋骨格の障害を治療するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人あるいは動物が骨折した場合に、骨折箇所に超音波を照射すると、骨折を治療することが可能であることが知られている。その際、適当なパラメータ、例えば超音波周波数、パルス繰返し周期とパルス振幅を有する超音波パルスを適当な期間、患部に近接した適当な位置から照射することにより、例えば骨折や骨挫傷の自然治癒が速められることが認められている。また、本欄の最後に掲載した特許文献1に記載のように、骨粗鬆症を患う初老の人のように自然治癒能力が低下したために骨移植を必要とする場合、あるいは寝たきりになったりするような骨折を起こした患者に対しても、このような超音波治療法は効果を有することが認められている。
【0003】
しかしながら、超音波骨折治療装置から照射される超音波の出力強度が弱い上に、超音波という性質上、超音波が照射されているか否かを患者が認識することが困難である。このために、正常に動作しているときはもちろん、出力強度が更に低下したとしても、患者は出力強度の違いを感じ取ることができない。そのため、機器が故障を起こして超音波が出力されなくなっても、患者は機器が故障しているとは知らずにそのまま治療を続けてしまう恐れがある。
【0004】
そこで、超音波照射手段から適切な出力強度を有する超音波が患者の患部へ確実に照射されているか否かを患者自身が確認できることが要求される。このような要求に応えるために、本欄の最後に掲載した特許文献2において、超音波照射手段に入力される電圧と電流の位相差を常時監視する方式が提案されている。ここで、この特許文献2に提案されている従来技術について、以下に説明する。
【0005】
先ず、前記特許文献2に提案されている従来技術では、超音波信号の生成回路ならびに超音波照射手段間で電力の伝達損失をなくすためにインピーダンスの整合を行って、整合回路を含めた前記超音波照射手段のインピーダンスが実質的に実成分のみとなるようにインダクタンス成分(イマジナリー成分)がゼロ若しくはゼロに近い値を持つように調整する。
【0006】
このような状態を維持しておくと、次に、前記超音波照射手段が何らかのトラブルを起こして超音波の出力に異常をきたすと、インダクタンス成分(イマジナリー成分)がゼロ若しくはゼロに近い値を持つように調整された前記超音波照射手段のインピーダンスが変化する。このために、整合回路を含めた前記超音波照射手段にはインダクタンス成分が現れる。その結果、超音波信号の生成回路ならびに前記超音波照射手段間のインピーダンス整合性が満たされなくなり、超音波信号の生成回路から超音波照射手段へは所定の電力が送信されたにもかかわらず、前記超音波照射手段にはインダクタンス成分の電力が送信されないために充分に電力が供給されなくなって、超音波の出力強度が低下する。これを電圧と電流との間の位相差という観点から見てみると、両者間の位相差が正常時に比べてはるかに増大するという結果として現れる。
【0007】
そこで、前記電圧と電流間の位相差を検出する手段を超音波骨折治療装置内に設けておき、正常な状態における初期の位相差と、トラブルが発生した状態での位相差を比較すれば、その位相差から超音波照射手段の異常を検知することができる。また、前記超音波照射手段から照射される超音波の出力強度がどの程度低下しているのかを監視できる。
【0008】
確かに、この従来技術によれば、超音波信号の生成回路と超音波照射手段間で超音波が照射されていることを確認することができる。しかしながら、このような確認ができたとしても、超音波照射手段と患者の患部との間に何らかの問題が発生して、この部分で超音波が遮断されていたとしたら何の意味ももたないこととなる。この点に関しては、前記従来技術においても、超音波は音響インピーダンスが異なる部位では反射が生じるために、前記超音波照射手段を患者の皮膚に単に接触させるだけでは反射が大きく、体内に超音波が充分に伝播しないという問題があるのを認識している。
【0009】
したがって、この問題を解決するために、前記従来技術では、患者の患部にまで超音波を充分に伝播させるために、超音波伝導ゲルのような超音波伝導材を前記超音波照射手段表面に塗布し皮膚に接触させる必要があることを指摘した上で、この超音波伝導材の有無を確認することを提案している。具体的には、超音波照射手段の患部接触部表面に前記超音波伝導材を検出するための端子を設け、この端子間の抵抗変化を検出することにより、前記超音波伝導材の存在を検出することが提案されている。
【0010】
ところが、通常の超音波治療装置では、超音波照射に用いる超音波照射手段と前記超音波伝導材との間に音響的インピーダンス整合層が設けられ、これによって超音波照射手段と前記超音波伝導材間での音響的インピーダンスの差に起因する内部反射を低減することが行われる。しかしながら、この音響的インピーダンス整合層は長期間の使用により、その一部が剥離することがあるという前記特許文献2が全く認識しない新たな問題が発生した。
【0011】
もし、このような新たな問題が発生すると、剥離部分で超音波が反射してしまうため、超音波出力は低下してしまうが、前述の従来技術においては、このような音響的インピーダンス整合層の一部が剥離したことを検知することについては、全く新たな問題であるために、当然のことながら何等の言及もない。
【0012】
しかしながら、音響的インピーダンス整合層の剥離というような事態が生じると、超音波照射手段から照射される超音波の出力強度が弱いこととあいまって、患者の患部に充分に超音波が照射されず、その治療効果も期待できないというすでに述べた事態を惹起することは言うまでもない。
【0013】
【特許文献1】
特表2002−506701号公報
【0014】
【特許文献2】
特開2001−258898号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた従来技術が有する問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、超音波照射手段に貼付する音響的インピーダンス整合層の一部が超音波照射手段から剥離して、超音波を利用して骨折などの治療を行うための必要なエネルギー強度を持つ超音波が患部に一部でも届かないことを防止することにある。そして、音響的インピーダンス整合層に剥離が生じたとしても、これを確実に検知することができる超音波治療装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
ここに、以上に述べた課題を解決するための請求項1に係る本発明として、「骨粗鬆症、骨折などを患う患者の患部に超音波を照射して患部を治療するための超音波治療装置であって、前記超音波治療装置は、前記患部に超音波を照射する超音波照射手段と、前記超音波照射手段と患者の患部との間に設ける超音波伝導材と、前記超音波照射手段と前記超音波伝導材との間に設けられ且つ前記超音波照射手段の表面に貼付された音響的インピーダンス整合層と、前記記超音波照射手段から前記音響的インピーダンス整合層が剥離したことを検出する剥離検出手段とを少なくとも具備する超音波治療装置」が提供される。
【0017】
また、請求項2に係る本発明として、前記剥離検出手段によって前記音響的インピーダンス整合層の剥離が検出されたり、あるいは前記超音波伝導材が正常に装着されていなかったりした際に、警報を発生する警報発生手段を備えた請求項1記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0018】
また、請求項3に係る本発明として、剥離検出手段が、前記音波照射手段に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記音響的インピーダンス整合層の剥離を判断するための電流値を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶された電流値から音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する剥離判断手段とから少なくともなる請求項1記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0019】
また、請求項4に係る本発明として、前記記憶手段が、前記音響的インピーダンス整合層の剥離がなく且つ前記超音波伝導材を装着した場合と装着しない場合にそれぞれ係る第1電流値(A)と第2電流値(B)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態と装着しない状態で前記超音波照射手段にそれぞれ流れる第3電流値(X)と第4電流値(Y)とを少なくとも記憶する記憶領域を有する請求項3記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0020】
また、請求項5に係る本発明として、請求項2記載の前記剥離判断手段が、前記第1電流値(A)、前記第2電流値(B)、前記第3電流値(X)、そして、前記第4電流値(Y)から(B−A)値と(Y−X)値とを演算比較して、(Y−X)<(B−A)である場合に音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する手段である請求項4記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0021】
また、請求項6に係る発明として、請求項2記載の前記剥離判断手段が、前記第3電流値(X)、そして、前記第4電流値(Y)から前記記憶手段で予め記憶された所定値(C)と(Y−X)値とを演算比較して、(Y−X)<所定値(C)である場合に音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する手段である請求項4記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0022】
そして、請求項7に係る本発明として、前記音響的インピーダンス整合層の剥離がなく且つ前記超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(A)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(X)とを記憶する記憶手段と、前記電流値(A)と前記電流値(X)とを比較し、X値がA値より大きかった場合に超音波伝導材が正常に装着されていないと判断する超音波伝導材の装着判別手段とを少なくとも具備する請求項2記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0023】
さらに、請求項8に係る発明として、予め設定された所定値(D)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(X)とを記憶する記憶手段と、前記所定値(D)と前記電流値(X)とを比較し、X値がD値より大きかった場合に超音波伝導材が正常に装着されていないと判断する超音波伝導材の装着判別手段とを少なくとも具備する請求項2記載の超音波治療装置が望ましく提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の超音波治療装置全体の外観を例示した外観説明図である。この図1において、参照符号1は超音波治療装置の本体部、そして、参照符号2は超音波照射部であり、前記本体部1と前記照射部2とはフレキシブルなケーブル3により接続されている。なお、前記ケーブル3としては、ディジタル信号と同様に比較的低い周波数あるいは光信号を送ることができるマルチコンダクター・ケーブルを好適に使用することができる。また、このようなケーブル3としては、同軸ケーブルあるいは適合する他の形式の電磁的にシールドされたケーブルでもよい。
【0026】
次に、前記本体部1と照射部2の詳細について、図2を参照しながら説明する。この図2において、参照符号4は超音波伝導材、そして、参照符号5は患者の患部をそれぞれ示している。なお、超音波伝導材4は、患部5に塗布して人体あるいはペットなどの動物の体内へ部超音波が伝播しやすくするためのものであって、通常、ゼリー状を呈している。また、本体部1は各種の処理を行うマイクロ・コンピューター(MPU)などの中央演算処理装置(以下、“CPU”と略記する)10を有しており、水晶発信器などからなる公知のクロック回路11から発信されるクロックに同期して、ROMやRAMなどの半導体メモリー、CD−ROM、フロッピーディスク、あるいはハード・ディスクなどからなる記憶手段12に記憶されたプログラムに基づいて各種の処理、例えば、後述する超音波照射手段21の照射制御などを行ったりする。
【0027】
更に、前記本体部1には、テンキーなどの入力手段16を備えており、この入力手段16から必要に応じて前記CPU10に各種の指令を出したりして、必要なデータを入力することができる。また、表示手段17は、患者に装置の使用手順を示したり、装置の状態を示したりするなどの必要な情報を表示するために設けられており、通常、液晶ディスプレイが好適に使用される。
【0028】
次に、警報発生手段18としては、超音波治療装置になんらかの異常が発生した場合に異常が発生したことを使用者に警報を発生して知らせるものであって、ブザーを鳴らしたり、発光ダイオード(LED)を点滅させたりするなどの方法が通常採用される。なお、通信手段19は、必要に応じて外部の関連機器と接続して保守点検に使用したり、記憶装置に記憶された関連情報からなるデータを読み出してこれらデータを送信したりするなどの役割を果たす。
【0029】
そして、前記本体部1は、超音波治療を行うための装置であるから、この目的を達成するための手段として、1.3〜2.0MHzのパルス信号からなる超音波を生成するための超音波生成手段15を備え、超音波照射手段21へ駆動制御手段13を介して接続されている。ここで、前記駆動制御手段13は、患者の体外より経皮的に患部5に照射して骨折などを治療するために必要な最適状態に超音波を制御して音響的インピーダンス整合層22へ供給する役割を果たす。
【0030】
なお、前記超音波照射手段21としては、PZTなどの圧電セラミックスが用いられる。そして、その表面には前記音響的インピーダンス整合層22が貼り付けられる。その際、患者の患部5には超音波伝導材4が設けられ、この超音波伝導材4を介して超音波照射手段21に貼付された音響的インピーダンス整合層22と接続される。このとき、前記超音波伝導材4がある時、超音波照射手段21で発生した超音波は、音響的インピーダンス整合層22と超音波伝導材4を経由して患部5へ照射されるため、超音波照射手段21を駆動制御する駆動制御手段13はこのとき超音波照射手段21が示す電気的インピーダンスに合わせ、その伝播効率が最大になるように設計されることは言うまでもない。
【0031】
ここで、前記音響的インピーダンス整合層22と超音波伝導材4が設けられる理由を簡単に説明すると、超音波は音響インピーダンスが異なる部位で反射する性質を有するため、前記超音波照射手段21を皮膚に単に接触させるだけでは反射が大きく、患者の体内に超音波が伝播しないからである。したがって、患者の体内に超音波を良好に伝播させるためには、超音波を良く伝導する材料を設ける必要が生じ、このためにゲル状の超音波伝導材4を前記超音波照射手段21と患部5の表面に塗布して皮膚に接触させる必要がある。また、超音波照射手段21は、通常、前述のように圧電セラミックスなどで形成されているが、この圧電セラミックスと人体とでは、音響インピーダンスが大きく異なる。このために、ゲル状の超音波伝導材4を直接圧電セラミックスに接触させた場合にも音響的インピーダンスの不整合が生じるために、音響的インピーダンス整合層22が設けられ、骨折箇所などの患部5へ超音波が良好に伝播するように配慮して設計されている。
【0032】
以上に説明した本発明の超音波治療装置の全体構成の詳細を知った上で、以下に本発明が一大特徴とする「音響的インピーダンス整合層22の剥離を検出する剥離検出手段(図示せず)」について説明する。
【0033】
本発明者は、鋭意検討の結果、超音波照射手段21から音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じると、患部5と音響的インピーダンス整合層22との間に超音波伝導材4を塗布した時に超音波照射手段21に流れる電流値と、塗布していない場合に流れる電流値の差が正常時と比較して異常時には小さくなるのを見出した。したがって、この現象を利用すれば、超音波照射手段21からの音響的インピーダンス整合層22の剥離が検出できることを知見した。そこで、これを具現化するための手段として、剥離検出手段の一部を構成する電流検出手段14を設け、電流検出手段14によって超音波照射手段21に流れる電流値を検出して実際に音響的インピーダンス整合層22の剥離を検証できることを実証した。
【0034】
ここで、前記電流値は交流値であり、そのまま使用してもよいが、より安定した測定を行うため、整流した直流値を好ましく使用する。
【0035】
そこで、以下、前記剥離検出手段について、音響的インピーダンス整合層の剥離を検出するための処理の流れを図示した図3を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の剥離検出手段は、前記音波照射手段21に流れる電流値を検出する電流検出手段14と、前記音響的インピーダンス整合層22の剥離を判断するための電流値を記憶するための記憶手段12と、前記記憶手段12に記憶された電流値から音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じたと判断する剥離判断手段(図示せず)を含んで構成される。
【0036】
まず、音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じる前の正常時に超音波伝導材4を塗布した状態で、超音波照射手段21に流れる電流値を電流検出手段14によって測定し、図示しないA/D変換手段によってディジタル値に変換した後記憶手段12に第1電流値(A)として予め記憶しておく(S01ステップ)。また、超音波伝導材4を塗布しない状態だけが異なる前記ステップS01と同様の条件下で電流検出手段14によって超音波照射手段21に流れる電流値を測定した後、A/D変換を行い記憶手段12に第2電流値(B)として予め記憶しておく(S02ステップ)。
【0037】
次に、治療都度に使用者に超音波を照射する患部5に超音波伝導材4を塗布してもらった状態で、超音波照射手段21に流れる電流値を電流検出手段14によって検出して、A/D変換した後に、記憶手段12に第3電流値(X)として記憶する(S03ステップ)。また、使用者に患部5から超音波伝導材4を除去してもらった状態で超音波照射手段21に流れる電流値を電流検出手段14によって検出して、A/D変換した後に、記憶手段12に第4電流値(Y)として記憶手段12に記憶する(S04ステップ)。
【0038】
ただし、治療に当たって使用者に対して、このような剥離を確認する操作が超音波治療装置を使用するたびに毎回要求するようにしても良いが、このような操作は使用者にとっては煩雑である。したがって、剥離が発生しても、治療効果に影響しない頻度で実施しても差し支えない。例えば、治療の度にこのような操作を要求するのではなく、使用者が5回超音波治療装置を使用したら、一回だけこのような操作を行うようにしても良い。また、患者の患部5に超音波伝導材4を塗布して超音波を患部5に発信する治療を開始直後あるいは治療中に記憶手段12に予め組み込まれた監視プログラムを作動させて、超音波照射手段21へ流れる電流を電流検出手段14によって所定のサンプリング間隔で検出して、検出した電流値の変化をCPU10によって絶えずチェックするようにしてもよい。そうすれば、電流値が正常な値から逸脱したことが検出できるため、このような場合に、音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じているか否かを自動的に検出することもできる。その際、異常が検出された場合には、前記警報発生手段によってブザーを鳴らしたり、LEDを点滅させたりして、使用者に異常を警報するようにしておくことは、本発明においては好ましい態様である。
【0039】
以上に述べた準備ステップが完了すると、前記記憶手段12から第1電流値(A)、第2電流値(B)、第3電流値(X)、そして、第4電流値(Y)をCPU10に読み出して、(B−A)値と(Y−X)値とを演算処理した後、剥離判断手段(図示せず)によって(B−A)値と(Y−X)値とを比較する音響的インピーダンス整合層22の剥離判断処理を行う(S05ステップ)。
【0040】
そして、(Y−X)<(B−A)である場合(S06ステップ)には、剥離が発生しているとして警報発生手段18によって警報を発生する処理を行う(S07ステップ)。そして、治療を停止する(S08ステップ)と共に、正常な超音波照射手段と交換するなどの処置を行う。これに対して、(Y−X)>(B−A)である場合には、音響的インピーダンス整合層22に剥離がないと判断(S09ステップ)して、超音波治療装置は正常に機能しているとして治療を開始する(S09ステップ)。
【0041】
なお、多数の超音波治療装置を製造する際に、上記電流値(A)と電流値(B)は、超音波照射手段毎でばらつきが大きくなることがあり、このような場合にはこれらの値(A値とB値)は、超音波治療装置毎に記憶することが望ましい。逆に、ばらつきが小さい場合、超音波治療装置毎に記憶させることなく、(B−A)の統計をとって求めた所定値(C)を予め記憶手段に記憶しておき、(Y―X)<Cにより、剥離を判断することが好適であることは明らかである。
【0042】
以上は、本発明の一大特徴とする音響的インピーダンス整合層22が超音波照射手段21から剥離したことを検出する剥離検出手段についての説明であるが、本発明はこの他にも前記と同様の原理によって、超音波伝導材4が正常に患部に装着できているかどうかを検出することもできる。そこで、この超音波伝導材4の装着の有無を検出するための装着判別手段について、図4に示したフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0043】
まず、超音波伝導材4の装着の有無を検出するための装着判別手段(図示せず)においては、前記音響的インピーダンス整合層22の剥離などがない正常時に超音伝導材4を塗布した状態で、超音波照射手段21に流れる電流値(A)を電流検出手段14によって測定し、測定した電流値(A)をA/D変換した後、記憶手段12に記憶しておく(S21ステップ)。そして、治療時に、前記S21ステップと同様の条件で超音波照射手段21に流れる電流値(X)を電流検出手段14によって測定し、測定した電流値(X)をA/D変換した後、記憶手段12に記憶する(S22ステップ)。
【0044】
次に、超音波伝導材4が正常に装着されているかどうかを判別する装着判別手段(図示せず)によって、前記電流値(X)と前記電流値(A)とを比較する(S23ステップ)。もし、このとき、前記装着判別手段による比較によって、前記電流値(X)が前記電流値(A)より大きいと判別された場合には、超音波伝導材4が正常に装着されていないと判断する(S24ステップ)。そして、超音波伝導材4が正常に装着されていないとして警報発生手段18によって警報を発生する処理を行い(S25ステップ)、治療を停止する(S26ステップ)と共に、超音波伝導部材4の装着を点検して、正常に装着して前記S22の処理ステップに戻る。
【0045】
これに対して、前記S23ステップにおいて、前記電流値(X)と前記電流値(A)とを比較して、前記電流値(X)が前記電流値(A)以下である場合には、超音波伝導材4が正常に装着されていると前記装着判別手段によって判断し治療を開始する。なお、これらの処理は全てCPU10によって記憶手段12に記憶されたデータに基づいて自動的に行なわれる。
【0046】
なお、付言するならば、上記電流値(A)は超音波照射手段のばらつきが大きい時に、超音波照射手段毎に記憶することが望ましく、ばらつきが小さい場合、電流値Bの統計値として、所定値(D)を予め記憶手段に記憶しておき、X>Dにより、超音波伝導材が異常装着であると判断することが好適であることは上記の記載から容易に類推できるであろう。
【0047】
【発明の効果】
以上、正常に動作しているときでも超音波骨折治療装置から照射される超音波は弱い超音波出力強度であって、しかも、音響的インピーダンス整合層22に剥離が生じたような場合のように超音波の出力強度が低下したとしても、使用者はその出力強度の違いを感じ取ることはできないが、以上に述べた本発明によって、このようなトラブルを確実に検出できる。したがって、音響的インピーダンス整合層22の剥離が生じても、新たな超音波照射手段21と交換することができる。また、超音波伝導材4が正常に装着されていない場合も簡単かつ確実に検知でき、正常な装着状態を常に維持することができるために、適切な超音波が患者の患部に照射されず、期待した治療効果が得られないといったような事態を回避できるというきわめて顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波治療装置の外観を例示した外観説明図である。
【図2】本発明の超音波治療装置の全体構成を説明するために模式的に例示した全体構成図である。
【図3】音響的インピーダンス整合層の剥離を検出するための処理の流れを説明したフローチャートである。
【図4】超音波伝導材の装着の有無を検出するための処理の流れを説明したフローチャートである。
【符号の説明】
1 超音波治療装置の本体部
2 超音波治療装置の照射部
3 ケーブル
4 超音波伝導材
5 患者の患部
10 中央演算処理装置(CPU)
11 クロック回路
12 記憶手段
13 駆動制御手段
14 電流検出手段
15 超音波生成手段
16 入力手段
17 表示手段
18 警報発生手段
19 通信インターフェイス
21 超音波照射手段
22 音響的インピーダンス整合層
Claims (8)
- 骨粗鬆症、骨折などを患う患者の患部に超音波を照射して患部を治療するための超音波治療装置であって、前記超音波治療装置は、前記患部に超音波を照射する超音波照射手段と、前記超音波照射手段と患者の患部との間に設ける超音波伝導材と、前記超音波照射手段と前記超音波伝導材との間に設けられ且つ前記超音波照射手段の表面に貼付された音響的インピーダンス整合層と、前記記超音波照射手段から前記音響的インピーダンス整合層が剥離したことを検出する剥離検出手段とを少なくとも具備する超音波治療装置。
- 前記剥離検出手段によって前記音響的インピーダンス整合層の剥離が検出されたり、あるいは前記超音波伝導材が正常に装着されていなかったりした際に、警報を発生する警報発生手段を備えた請求項1記載の超音波治療装置。
- 前記剥離検出手段が、前記超音波照射手段に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記音響的インピーダンス整合層の剥離を判断するための電流値を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶された電流値から音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する剥離判断手段とから少なくともなる請求項1記載の超音波治療装置。
- 前記記憶手段が、前記音響的インピーダンス整合層の剥離がなく且つ前記超音波伝導材を装着した場合と装着しない場合にそれぞれ係る第1電流値(A)と第2電流値(B)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態と装着しない状態で前記超音波照射手段にそれぞれ流れる第3電流値(X)と第4電流値(Y)とを少なくとも記憶する記憶領域を有する請求項3記載の超音波治療装置。
- 請求項2記載の前記剥離判断手段が、前記第1電流値(A)、前記第2電流値(B)、前記第3電流値(X)、そして、前記第4電流値(Y)から(B−A)値と(Y−X)値とを演算比較して、(Y−X)<(B−A)である場合に音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する手段である請求項4記載の超音波治療装置。
- 請求項2記載の前記剥離判断手段が、前記第3電流値(X)、そして、前記第4電流値(Y)から前記記憶手段で予め記憶された所定値(C)と(Y−X)値とを演算比較して、(Y−X)<所定値(C)である場合に音響的インピーダンス整合層の剥離が生じたと判断する手段である請求項4記載の超音波治療装置。
- 前記音響的インピーダンス整合層の剥離がなく且つ前記超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(A)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(X)とを記憶する記憶手段と、前記電流値(A)と前記電流値(X)とを比較し、X値がA値より大きかった場合に超音波伝導材が正常に装着されていないと判断する超音波伝導材の装着判別手段とを少なくとも具備する請求項2記載の超音波治療装置。
- 予め設定された所定値(D)と、超音波治療時における超音波伝導材を装着した状態で前記超音波照射手段に流れる電流値(X)とを記憶する記憶手段と、
前記所定値(D)と前記電流値(X)とを比較し、X値がD値より大きかった場合に超音波伝導材が正常に装着されていないと判断する超音波伝導材の装着判別手段とを少なくとも具備する請求項2記載の超音波治療装置。
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JP2002322273A JP2004154304A (ja) | 2002-11-06 | 2002-11-06 | 超音波治療装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014161434A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Fukuda Denshi Co Ltd | 超音波骨折治療器 |
US9649511B2 (en) | 2011-03-31 | 2017-05-16 | Katsunori Nonogaki | Method of irradiating supersonic waves |
-
2002
- 2002-11-06 JP JP2002322273A patent/JP2004154304A/ja active Pending
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