JP2005270062A - 育苗箱結束機 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数段に積層された使用済みの育苗箱を円滑に結束する育苗箱結束機を提供することを課題としている。
【解決手段】 育苗箱Dを搬入する搬送装置1と、複数段に積層された育苗箱Dの最上段の育苗箱D1と最下段の育苗箱D2とに締結具2を係止する結束装置3と、上記締結具2を結束装置3に供給する締結具2の供給装置4とからなり、供給装置4によって締結具2を結束装置3に供給し、結束装置3によって最上段の育苗箱と最下段の育苗箱とに締結具2を係止して育苗箱Dを積層状態で結束する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、稲等の苗を育苗する際に使用する育苗箱を、洗浄後に複数段積層された状態で結束する育苗箱結束機に関する。
従来稲等の苗の圃場への植付け後、育苗に使用した育苗箱は回収され、この回収された育苗箱を洗浄し、複数段に積層して結束するシステム(育苗箱洗浄結束装置)が公知となっている(例えば特許文献1参照)。
特開平6−237648号公報
しかし上記育苗箱洗浄結束装置は、育苗箱を効率よく洗浄して複数段に積層する装置は搭載されているが、円滑に且つ効率よく結束する結束装置は搭載されていない。このため積層された育苗箱の最上段の育苗箱と最下段の育苗箱とに手締め用のゴムバンド(PPバンド)を手でかけて、積層状態の育苗箱を締結結束していた。
この場合ゴムを伸ばすために大きな力が必要であるという欠点があった。また育苗箱を使用する場合は、バンドを切って捨てて梱包をばらして使用するため、費用がかかり、環境上問題があった。以上により結束行程を安定して行うことができる育苗箱結束機が望まれていた。
上記課題を解決するための本発明の育苗箱結束機は、育苗箱Dを搬入する搬送装置1と、複数段に積層された育苗箱Dの最上段の育苗箱D1と最下段の育苗箱D2とに締結具2を係止する結束装置3と、上記締結具2を結束装置3に供給する締結具2の供給装置4とを備えたことを第1の特徴としている。
第2に結束装置3とにおける締結具2の係止作業を行う結束部41と、供給装置4における締結具2の供給作業を行う供給部83とを、搬送装置1による育苗箱Dの移動経路を挟む両側にそれぞれ隣接して配置したことを特徴としている。
第3に供給装置4における締結具2の供給作業を行うの供給部83を、搬送装置1による育苗箱Dの移動経路に沿って、複数の締結具2を予めストックし、ストックされた締結具2を順に供給する供給作動を行う構成としたことを特徴としている。
以上のように構成される本発明の構造によると、搬送装置によって搬入される育苗箱が、締結具によって自動的に積層状態で結束されるため、育苗箱の結束作業を機械によって簡単に行うことができるという効果がある。特に育苗箱の移動経路を挟んだ両側にそれぞれ結束装置の結束部と供給装置の供給部を隣接して配置することによって、育苗箱の搬送装置を挟んだ両側を平行作業で結束(締結具の係止)を行うことができ、結束作業の効率化を促進することができるという利点がある。
そして供給装置の供給部を、搬送装置1による育苗箱Dの移動経路に沿って、複数の締結具2を予めストックし、ストックされた締結具2を順に供給する供給作動を行う構成とすることによって、供給装置を搬送装置の流れ方向に交差する方向(幅方向)に配置する必要がなく、使用済み育苗箱の移動から結束までのシステムの幅方向の設置面積が大きくなることを防止することができ、上記システムの配置が容易となる。
図1〜図4は、積層された育苗箱を締結バンドで締結して結束する育苗箱結束機の右側面図,平面図,背面図及び正面図である。該育苗箱結束機Aは、空の育苗箱を洗浄、積層して排出する洗浄システムBの下流側に配置されている。洗浄システムBには積層された育苗箱(積層育苗箱)Dを上流から下流(図1においては右側から左側、つまり前方から後方)に搬送するコンベアCが搬送装置として設けられている。なお洗浄システムBは従来公知であるため詳細な説明は割愛する。
上記育苗箱結束機Aは、積層育苗箱Dを、洗浄システムBのコンベアC側から受け入れ、所定の結束位置αに搬入し、結束後に下流側に排出する育苗箱搬送装置1と、結束用の締結具である締結バンド2を最上段の育苗箱D1と最下段の育苗箱D2とに係止して積層育苗箱Dを結束する結束装置3と、該結束装置3に締結バンド2を供給する供給装置4とから構成されている。育苗箱搬送装置1と結束装置3と供給装置4は、キャスタ6を備えた架台上7に一体的に構成され、育苗箱結束機Aを全体で移動させることができる。
育苗箱搬送装置1の構造について説明する。図5〜図8に示されるように、育苗箱搬送装置1は架台7に上下昇降自在に支持された搬送チェンユニット8から構成されている。搬送チェンユニット8には、ガイド9が設けられている。ガイド9はコンベアCから供給される積層育苗箱Dの左右両側面に摺接する前後一対のガイド棒11からなる。
各ガイド棒11の前端部は外側に湾曲又は屈曲して開いている。これによりコンベアCからの積層育苗箱Dを、所定の範囲の位置ずれを許容して受け入れ、受け入れた積層育苗箱Dを両ガイド棒11で両側方において挟み、積層育苗箱Dの左右位置を位置決めする。両ガイド棒11によって位置決めされた育苗箱Dは搬送チェンユニット8によって下流方向Xに向かって直線状の移動軌跡で搬送される。
搬送チェンユニット8は、搬送用の搬送チェン12と該搬送チェン12のスプロケット13を支持するチェンフレーム14とを備えている。上記ガイド棒11はチェンフレーム14側に取付られている。チェンフレーム14の前後両端側には上記スプロケット13を軸支する支軸16が回転自在に軸支されている。
各支軸16の両端側に上記スプロケット13が軸支されている。スプロケット13は、前後一対をなす。搬送チェン12は一対をなす2つのスプロケット13の間に掛けまわされ、チェンフレーム14の左右に2つ設けられている。後側の支軸16の略中央には駆動スプロケット17が軸支されている。チェンフレーム14側にはサブフレーム18を介してモータ19が固定されている。
上記モータ19の駆動軸には出力スプロケット21が設けられている。該出力スプロケット21と駆動スプロケット17とは駆動チェン22を介して伝動連結されている。モータ19の駆動によって左側の支軸16が回転駆動され、これにより両搬送チェン12が回転駆動される。両搬送チェン12は積層育苗箱Dの最下段の育苗箱D2の底面と接する。搬送チェンユニット8は、両搬送チェン12の回転駆動により積層育苗箱Dを下流方向Xに向かって搬送する。
チェンフレーム14には搬送チェン12によって下流方向Xに向かって搬送される積層育苗箱Dに当接するストッパ28が設けられている。図9に示されるように、該ストッパ28はチェンフレーム14に揺動自在に軸支されている。またチェンフレーム14には、エアシリンダ29も設けられている。エアシリンダ29のシリンダロッド29aがストッパ28に連結されている。ストッパ28はエアシリンダ29の伸縮駆動によって起立状態S1及び倒伏状態S2に切り換えられる。
ストッパ28は起立状態S1で積層育苗箱Dの下流側端面と当接して積層育苗箱Dを停止させる。積層育苗箱Dはストッパ28との当接によって架台7内の所定の位置に位置決めされる。このストッパ28は、積層育苗箱Dを結束位置αに位置決めする。モータ19は積層育苗箱Dが結束位置αに位置すると停止し、搬送チェン12の駆動を停止させる。
ストッパ28は倒伏状態S2では育苗箱Dと当接しない。結束装置3による結束作業の終了後は、ストッパ28を倒伏状態とし、搬送チェン12を駆動することにより、積層育苗箱Dを育苗箱結束機Aから排出させる。
チェンフレーム14の下方にはブラケット23を介してメインフレーム24が固定されている。メインフレーム24及びチェンフレーム14には複数の軸受26が設けられている。架台7には縦方向にガイドロッド27が設けられている。上記軸受26がガイドロッド27を挟持するようにメインフレーム24及びチェンフレーム14が架台7に支持されている。これによって搬送チェンユニット8はガイドロッド27をガイドとして架台7に対して上下スライド移動可能となっている。
架台7側の前端部分には上下に、左右に亘って支軸31が回転自在に軸支されている。両支軸31には上下一対をなすスプロケット32が左右に2組軸支されている。一対をなすスプロケット32間にはチェン33が巻き回されている。各チェン33は両スプロケット32の間においてメインフレーム24側に連結されている。
下方側の支軸31には端部にスプロケット34が軸支されている。該スプロケット34は架台7に搭載されたモータ36の駆動スプロケット37にチェン38を介して伝動連結されている。モータ36の駆動によって下方側の支軸31が回転駆動され、両チェン33が回転し、搬送チェンユニット8が上下駆動させられる。
モータ36は、搬送チェンユニット8を、上昇状態で洗浄システムBのコンベアCと概ね同じ高さとし、該コンベアCからの育苗箱Dの受け入れを可能とする。また搬送チェンユニット8を、下降状態で本育苗箱結束機A(架台7)の下流側に配置されるストックシステム(図示せず)のコンベアと概ね同じ高さとし、ストックシステムのコンベアに対して結束後の積層育苗箱Dの排出を可能とする。
上記構造により育苗箱搬送装置1は、まず搬送チェンユニット8を上昇させた状態においてストッパ28を起立状態S1として搬送チェン12を駆動し、洗浄システムBから積層育苗箱Dを受け入れる。そしてストッパ28と育苗箱Dとが当接するまで搬送チェン12により積層育苗箱Dを搬入する。
積層育苗箱Dは、洗浄システムBのコンベアCから搬送チェン12に受け継がれ、コンベアCによる搬送経路に引き続き、上流から下流に直線状に搬送され、結束位置αに位置決めされる。そしてこの停止位置(結束位置α)での結束育苗箱Dの結束作業終了後、搬送チェンユニット8を下降させ、ストッパ28を倒伏状態S2とし、搬送チェン12を駆動することによって、結束後の積層育苗箱Dをストックシステムのコンベアに向かって排出する。
なお上記育苗箱搬送装置1の上記作動は、上記各モータ19,36やエアシリンダ29が、育苗箱結束機A側の図示しないシーケンサ等のコントローラにより制御されて実現される。
結束装置3の構造について説明する。図1〜図4に示されるように、結束装置3は、締結バンド2の積層育苗箱Dへの係止作業を行う結束部41と、該結束部41を締結バンド2の締結位置(係止位置)に移動させる結束移動部42とを備える。一対をなす結束部41と結束移動部42とが搬送チェンユニット8を挟んで搬送チェンユニット8の左右両側に配置され、結束装置3が構成されている。
結束装置3は、左右の結束部41が、それぞれ対応する結束移動部42によって移動し、積層育苗箱Dの搬送チェンユニット8を挟んだ両側(左右両辺)に締結バンド2を平行作業で係止し、積層育苗箱Dを左右両辺において締結バンド2で締結して結束する積層育苗箱Dの結束作業を行う。
図10(a),(b)は、締結バンド2単体の側面図及び正面図である。上下両端部に空間Sが形成された8字状をなすゴムバンド2aと、該ゴムバンド2aの上記空間Sに取り付けられて両端に設けられたフック2b,2cとからなる。フック2b,2cは端部が後方に向かって屈曲して、最上段又は最下段の育苗箱D1又はD2に係止するための係止部2dを形成している。上側のフック2bと、下側のフック2cは非対称である。このため締結バンド2には上下が存在し、上側のフック2bが最上段の育苗箱D1に、下側のフック2cが最下段の育苗箱D2に係止される。
図11,図12,図13は、結束部41の右側面図,背面図,平面図である。結束部41は、平面視でコ字状をなす上下方向のフレーム43を備える。該フレーム43には上下方向がスライド方向となるようにスライドユニット44が取り付けられている。スライドユニット44はレール46上をスライド子47がスライドする従来公知のものである。スライドユニット44には上下2つのスライド子47が設けられている。
両スライド子47にはそれぞれにブロック48が取り付けられている。各ブロック48には、左右スライド自在に2本の一対のシャフト49が挿入されている。一対をなす両シャフト49の端部にはブロック51が固定されている。該ブロック51には締結バンド2の係止作業を行う把持部52が設けられている。各ブロック48の上面にはエアシリンダ53が左右方向に取り付けられている。エアシリンダ53のスライダロッド53aはフローティングジョイント54を介して上記ブロック51に連結されている。
フレーム43の上下端部にはエアシリンダ56,57が取り付けられている。上方側のエアシリンダ56のスライダロッド56aは、フローティングジョイント58を介して上方側のブロック48に連結されている。下方側のエアシリンダ57のスライダロッド57aは、フローティングジョイント59を介して下方側のブロック48に連結されている。
上記構造により、上下のエアシリンダ56,57の作動によってブロック48をレール53に沿って上下スライドさせることができ、両ブロック48に設けられるエアシリンダ53の作動によって両ブロック51を左右スライドさせることができる。把持部52はブロック48のスライドによって上下に、ブロック51のスライドによって左右に移動する。
各ブロック48にスライド自在に挿入された一対の両シャフト49の他端にはブラケット61を介してカムフォロア62が取り付けられている。フレーム43には、上下にそれぞれカム板63,64が設けられている。上方側のカムフォロア62が、上方側のカム板63のカム面63aに接し、下方側のカムフォロア62が、下方側のカム板64のカム面64aに接する。
エアシリンダ53のスライダロッド53aをフリー(中立)にして、エアシリンダ56又は57によってブロック48を上下スライドさせると、カムフォロア62がカム面63a又は64aに沿い、把持部52は上下スライドしながらながら、カム面63a及び64aの形状に応じて左右スライドし、積層育苗箱Dに近接したり、積層育苗箱Dから離れたりする。
結束部41は、カム面63a及び64aに沿った上下の把持部52の移動によって、まず結束移動部1により供給装置4側に移動して締結バンド2を把持して取り出し、次に結束移動部1により図2に示される締結位置PS又はPBに移動し、締結バンド2の係止作業を行い、結束位置αに位置する積層育苗箱Dの結束作業を行う。
結束移動部1の構成について説明する。図14,図15,図16は、結束移動部1の右側面図,正面図,平面図である。架台7上には脚66を介してベースフレーム67が固定されている。ベースフレーム67の前後両側にはプレート68が固定されている。両プレート68の間にはガイドロッド69が設けられている。ガイドロッド69にはスライド自在にブッシュ71が外嵌されている。ブッシュ71には底板72が固定されている。
後側のプレート68にはエアシリンダ73が固定されている。エアシリンダ73のスライダロッド73aには連結体74を介して底板76が連結されている。底板76には左右に外側板76及び内側板77が固定されている。外側板76及び内側板77は固定ロッド78によって連結固定されている。
外側板76と内側板77との間にはガイドシャフト79も設けられている。ガイドシャフト79にはブッシュ81がスライド自在に外嵌されている。ブッシュ81は結束部41のフレーム43に固定されている。外側板76と内側板77との間にはロッドレスシリンダ82が設けられている。ロッドレスシリンダ82のスライダ82aは結束部41のフレーム43に固定されている。
以上のように結束部41は、結束移動部1のガイドシャフト79にスライド自在に支持されて架台7に取り付けられている。結束移動部1は、結束部41を、エアシリンダ73の駆動によって底板72と一体的に前後移動させるとともに、ロッドレスシリンダ82の駆動によって外側板76と内側板77との間で、ガイドシャフト79に沿って左右移動させる。
図17に示されるようにエアシリンダ73が設けられているプレート68の反対側のプレート68には、ストッパ75が調節可能に設けられている。底板72には当接体70が設けられており、当接体70がストッパ75に当接することによって、底板72、つまり結束部41の位置決めが行われる。ストッパ75は、左右の結束部41がそれぞれ締結位置PS又はPBに位置決めされるように調節される。
次に供給装置4の構成について説明する。図1〜図4に示されるように、供給装置4は前後の各結束部41に対応して搬送チェンユニット8の左右に配置される2つの供給部83から構成されている。各供給部83は対応する結束部41の後方に隣接して、積層育苗箱Dの前述の直線状の搬送経路に沿って配置されている。供給部83と結束部41との間で、搬送経路に沿って上流方向Xに向かって締結バンド2の供給作業が行われる。
図18,図19(a),(b),(c)は、供給部83の右側面図、背面図、右側面図のA−A断面図、右側面図のB−B断面図である。固定ハンガ84が、フレーム86及びブラケット87を介してスタンド88に固定されている。スタンド88は架台7に支持されている。
フレーム86には、エアシリンダ89が前後方向に固定されている。エアシリンダ89のシリンダロッド89aにフローティングジョイント91を介してブラケット92が連結されている。エアシリンダ89の駆動によってブラケット92は前後にスライドする。ブラケット92とフレーム86との間には、スライドガイド97が設けられ、ブラケット92のスライドをガイドする。
固定ハンガ84には前後方向に並んで複数の突起93が設けられている。各突起93間に締結ベルト2のフック2bを掛けることができ、つまり隣接する突起93によって締結ベルト2のストック部94が構成される。締結ベルト2は上方側のフック2bがストック部94に掛けられる。これにより締結ベルト2は育苗箱Dの移動経路に沿って前後方向に上方側のフック2bを上にして並んでストックされる。
最前方のストック部94は結束部41が締結ベルト2を取り出すための取出し部94aをなす。取出し部94aに配される締結ベルト2を結束部41が取り出す。ただし図20に示されるように、供給部83の初期設定状態では取出し部94aに締結ベルト2のフックは行われない。後述するように取出し部94aに移動した締結ベルト2が結束部41によって取り出される。
ブラケット92には、ガイドロッド98が上下スライド自在に支持されている。またブラケット92には、エアシリンダ99が上下方向に取り付けられている。ブラケット92には、ブッシュ101が取り付けられている。ガイドロッド98はブッシュ101内に挿通されている。ガイドロッド98の下端側には抜け止めのカラー102が取り付けられている。
各ガイドロッド98の上端部には一本の可動ハンガ103が固定されている。エアシリンダ99のスライダロッド99aはジョイント100を介して可動ハンガ103に連結されている。可動ハンガ103の前後長さは固定ハンガ84より短い長さとなっている。ガイドロッド98には、可動ハンガ103とブッシュ101との間に位置してシャフトホルダ104が設けられている。
可動ハンガ103側には、上記固定ハンガ84の突起に対応した位置に突起106が設けられている。固定ハンガ84に掛けられた締結ベルト2は、可動ハンガ103の突起106の間に位置する。可動ハンガ103はエアシリンダ89の伸縮駆動によってブラケット92と一体的に前後にスライドし、エアシリンダ99の伸縮駆動によってブラケット92に対して上下にスライド移動する。
図20に示されるように、初期設定状態では、可動ハンガ103は取出し部94aに対応する位置には存在せず、上端が固定ハンガ84の上端より上方に突出しないように配置されている。可動ハンガ103は、上記上下及び前後方向のスライド移動によって取出し部94aに結束部41への供給用の締結バンド2を移動させる。可動ハンガ103側には角棒107が設けられている。該角棒107が妨げになって締結バンド2の下方側のフック2cをストック部94に掛けることはできず、角棒107によって締結バンド2の上下の掛け間違いを防止することができる。
次に結束部43、結束移動部42、供給部41による締結バンド2の把持から締結に至る作動を順に説明する。なお上記各部の作動は、各部のエアシリンダ等が、育苗箱結束機A側の図示しないシーケンサ等のコントローラにより制御されて実現される。
まず把持部52の構造について説明する。図21(a),(b)は上方側の把持部52の背面図及びA矢視図、図22は把持部52の背面図である。以下上方側の把持部52に基づいて説明する。ただし下方側の把持部52は、上方側の把持部52に対して上下が反対になる以外は同一構造であるため説明を割愛する。
把持部52は、板状のベース(ベース板)107とアーム108、爪部109、ゲージ111とから構成されている。ベース板107は結束部41のブロック51に垂直(レール方向)に固定されている。アーム108はベース板107に対して先端側が下方に向くように傾斜して取り付けられている。爪部109はアーム108の先端に、アーム108の軸心に対して垂直に取り付けられている。
ゲージ111はアーム108の前後に突出し、上面111aがアーム108の軸心に平行に沿っている。これにより爪部109はベース板107から所定距離離反し、ベース板107に対して上端側が開くような状態に傾斜して取り付けられる。
次に各部の作動について説明する。まず供給部41が、エアシリンダ99を伸び作動させ、可動ハンガ103を、上端が固定ハンガ84の上端より上方に位置するように上方に移動させる。これにより全ての締結ベルト2が可動ハンガ103の突起106間に支持され、可動ハンガ103側に掛けかえられる。
そしてエアシリンダ89を伸び作動させ、可動ハンガ89をストック部94の1ピッチ分前方に移動させ、エアシリンダ99を縮作動させ、可動ハンガ103を、上端が固定ハンガ84の上端より下方に位置するように下方に移動させる。これにより全ての締結ベルト2が1ピッチずつ前方に移動した状態で固定ハンガ84側に掛けかえられ、つまり結束部41による取出し候補の締結ベルト2−1が取出し部94aに移動させられ、図18の状態となる。
次に結束移動部1が、把持部52が供給部83の取出し部94aと向き合うように、エアシリンダ73によって結束部3を移動させる。このとき結束部3の下方側の把持部52は初期位置としてPDに位置し、下方側の把持部52のカムフォロア62はb−1に位置している。
そして下方側の把持部52のカムフォロア62がb−2に位置するように下方側の把持部52のエアシリンダ53を伸び作動させる。これにより取出し部94aに位置する締結バンド2の下方側の空間Sに下方側の把持部52が挿入される。
一方上方側の把持部52は、初期位置としてPUに位置し、上方側の把持部52のカムフォロア62はa−1に位置している。そして当該カムフォロア62がa−2に位置するように上方側の把持部52のエアシリンダ53を伸び作動させる。これにより取出し部94aに位置する締結バンド2の上方側の空間Sに上方側の把持部52が挿入される。
上記状態から上方側の把持部52のカムフォロア62がa−2からa−3に位置するようにエアシリンダ56を縮作動させ、締結バンド2を引き伸ばす。その後上方側のカムフォロア62がa−3からa−4に、下方側のカムフォロア62がb−2からb−1に移動するように、両エアシリンダ53を縮作動させる。
以上により把持部52のアーム108が締結バンド2の空間Sに挿入され、締結バンド2が、引き伸ばされた状態で、上下の爪部109とベース板107との間に把持され、把持後に両把持部52が締結バンド2を把持した状態のまま供給部83から離れる方向に移動する。
このときアーム108が前述のようにブロック51に対して傾斜して取り付けられているため、特に締結バンド2を引き伸ばすと、図23に示されるように、締結バンド2のフック2b,2cの後面2Xと底面2Yとが把持部52の爪部109とアーム108に沿い、且つ締結バンド2のフック2b、2cの端部がゲージ111と当接する。
これにより締結バンド2のフック2b,2cは、把持部52の爪部109に略平行に沿うような姿勢、つまり締結バンド2は、フック2b及び2cの先端部(上端部又は下端部)が搬送チェンユニット8側に向い、係止部2dが把持部52の爪部109より搬送チェンユニット8側に位置するように傾斜した状態に安定して維持されて把持部52に把持される。
なお把持部52の爪部109が前述のように傾斜していることにより、上記のような把持部52による締結バンド2の把持時に、爪部109と供給部83側とが当接することはなく、締結バンド2の取り出し作業は円滑に行われる。
一方結束部41は上記のように締結バンド2を把持した後は、結束移動部1によって移動し、右側面側の結束部41が締結位置PSに、左側面側の結束部41が締結位置PBにそれぞれ位置決めされる。係止部2dは、締結バンド2の両フック2b,2cが上記のように傾斜しているため、把持部52の爪部109より育苗箱D1又はD2側に突出する。左右の結束部41の締結位置PSとPBは、図2に示されるように、結束位置αに位置決めされた積層育苗箱Dの前後方向の中心に対して、それぞれ前後に偏位して設定されている。
これにより前後方向の中央にリブがあるような育苗箱が積層されている場合も、該リブを避けて締結バンド2を係止することができる。その他締結バンド2による締結の荷重が前後に分散するため、積層育苗箱Dの結束状態が安定する。
左右の結束部41は各々まず上方側の把持部52に対しては、上方側の把持部52のカムフォロア62がa−4からa−5に移動するように、エアシリンダ56を縮作動させる。これにより締結バンド2の上方側のフック2bが積層育苗箱Dの最上段の育苗箱D1より上方に位置する。
次にカムフォロア62がa−5からa−6に移動するように上方側の把持部52のエアシリンダ53を伸び作動させる。これにより上方側のフック2bの係止部2dが、最上段の育苗箱D1の上方位置において、該育苗箱D1より奥側に位置する。
その後エアシリンダ53のスライダロッド53aを中立とし、エアシリンダ56を伸び作動させると、カムフォロア62がカム面63aに当接するa−7までは、把持部52は左右方向に移動することなく下方に移動する。
これにより把持部52の爪部109は積層育苗箱Dに当接することなく下方に移動し、爪部109より育苗箱D側に位置する係止部2dが最上段の育苗箱D1の前壁又は後壁に嵌り、上記フック2bが最上段の育苗箱D1の上端部と係合する。
そしてカムフォロア62がカム面63aに当接するa−7の状態からは、カムフォロア62がカム面63aに沿ってa−8まで移動する。その後エアシリンダ53を縮駆動させながら下降させ、カムフォロア62をa−4に移動させる。これにより把持部52は締結バンド2に対して斜めに外側に退避し、締結バンド2の上方側の空間Sから離反し、締結バンド2の把持が解除される。
そしてa−4以降はカムフォロア62とカム面63aとの当接が解除されることによって、把持部52は左右方向に移動することなくカムフォロア62がa−1に位置するまで下方に移動し、初期位置復帰する。以上により締結バンド2の上方側のフック2bが最上段の育苗箱D1の上端に係止される。
一方下方側の把持部52に対しては、まずカムフォロア62がb−1からb−3に移動するように、エアシリンダ57を縮作動させる。これにより締結バンド2の下方側のフック2cが、最下段の育苗箱D2における締結位置の下端縁より下方に位置する。
次にカムフォロア62がb−3からb−4に移動するように下方側のエアシリンダ53を伸び作動させる。これにより下方側のフック2cの係止部2dが、最下段の育苗箱D2における締結位置の下端縁より下方位置において、該育苗箱D2より奥側に位置する。
その後エアシリンダ53のスライダロッド53aを中立とし、エアシリンダ57を伸び作動させると、下方側の把持部52のカムフォロア62がカム面64aに当接するb−5までは、下方側の把持部52は左右方向に移動することなく上方に移動する。
これにより把持部52の爪部109は積層育苗箱Dに当接することなく上方に移動し、爪部109より育苗箱D側に位置する係止部2dが最下段の育苗箱D2の前壁又は後壁に嵌り、上記フック2cが最下段の育苗箱D2の下端部と係合する。
そしてカムフォロア62がカム面64aに当接するb−5の状態からは、カムフォロア62がカム面64aに沿ってb−6まで移動する。b−6以降はカムフォロア62とカム面64aとの当接が解除されるため、エアシリンダ53を縮作動させ、カムフォロア62がb−1に位置するまで把持部52を上方に移動させ、把持部52は初期位置復帰する。
これにより把持部52は締結バンド2に対して斜めに外側に退避し、締結バンド2の下方側の空間Sから離反し、締結バンド2の下側の把持が解除される。
上記締結バンド2の下側の把持の解除によって、上下両把持部52により締結バンド2の把持が解除される。上下両把持部52は、両把持部52の間の距離を短縮しながら締結バンド2から退避して把持の解除を行うため、退避時に締結バンド2の伸縮を行わせることはなく、簡単に且つ安定して締結バンド2から離反し、退避時に誤って締結バンド2と育苗箱D1又はD2との係合を解除するという不都合も防止される。
以上に示される工程を経て積層育苗箱Dは結束部41によって結束作業が行われ、締結バンド2により締結されて結束される。結束部41はカム板63,64によって把持部52の移動を行わせる構造となっているため、供給部83からの締結バンド2の取り出しのための移動や、締結バンド2の係止のための移動、締結バンド2の係止後の退避のための移動等を安定して行うことができ、作動精度が高い。
また結束部41が、締結バンド2の取出しから締結バンド2からの退避までを、上記のような比較的簡単なロジックで行うため、締結ミス等も防止される。なお供給部83が、積層育苗箱Dの移動軌跡に沿って設けられるストック部94から、積層育苗箱Dの移動軌跡に沿って締結バンド2を順に取出し部94aに送り出すように構成され、結束部41と供給部83との間で行われる締結バンドのやり取りが、積層育苗箱Dの移動軌跡に沿って前後方向に一直線状に行われる。
このため供給部83を結束部41に対して積層育苗箱Dの移動軌跡に対して交差する方向(左右方向)に配置する必要がないため、育苗箱結束機の左右幅方向のサイズが巨大化することなく、本育苗箱結束機の幅方向の設置面積は小さくて済む。これにより本育苗箱結束機の配置を容易に行うことができる。
育苗箱結束機の右側面図である。 育苗箱結束機の平面図である。 育苗箱結束機の背面図である。 育苗箱結束機の正面図である。 育苗箱搬送装置の右側面図である。 育苗箱結束機の背面図である。 育苗箱結束機の正面図である。 育苗箱結束機の平面図である。 ストッパ部分の右側面図である。 (a)は締結バンド単体の正面図、(b)は締結バンド単体の側面図である。 結束部の右側面図である。 結束部の背面図である。 結束部の平面図である。 結束移動部の右側面図である。 結束移動部の正面図である。 結束移動部の平面図である。 結束移動部のエアシリンダ部分の要部右側面図である。 供給部の右側面図である。 (a)は供給部の背面図、(b)は供給部の右側面図のA−A断面図、(c)は供給部の右側面図のB−B断面図である。 締結ベルトがフックされた状態の供給部の右側面図である。 (a)は、上方側の把持部の背面図、(b)はA矢視図である。 上方側の把持部の左側面図である。 締結バンドの係止直前から係止状態を示す把持部の背面図である。
符号の説明
1 育苗箱搬送装置(搬送装置)
2 締結バンド(締結具)
3 結束装置
4 供給装置
41 結束部
83 供給部
D 積層育苗箱(育苗箱)

Claims (3)

  1. 育苗箱(D)を搬入する搬送装置(1)と、複数段に積層された育苗箱(D)の最上段の育苗箱(D1)と最下段の育苗箱(D2)とに締結具(2)を係止する結束装置(3)と、上記締結具(2)を結束装置(3)に供給する締結具(2)の供給装置(4)とを備えた育苗箱結束機。
  2. 結束装置(3)における締結具(2)の係止作業を行う結束部(41)と、供給装置(4)における締結具(2)の供給作業を行う供給部(83)とを、搬送装置(1)による育苗箱(D)の移動経路を挟む両側にそれぞれ隣接して配置した請求項1の育苗箱結束機。
  3. 供給装置(4)における締結具(2)の供給作業を行うの供給部(83)を、搬送装置(1)による育苗箱(D)の移動経路に沿って、複数の締結具(2)を予めストックし、ストックされた締結具(2)を順に供給する供給作動を行う構成とした請求項1又は2の育苗箱結束機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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