JP2005270053A - Urat1遺伝子上の多型を利用した低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法、および創薬のための用途 - Google Patents

Urat1遺伝子上の多型を利用した低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法、および創薬のための用途 Download PDF

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Abstract

【課題】低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法を提供することを課題とする。
【解決手段】URAT1遺伝子上の多型をスクリーニングし、URAT1遺伝子の7種のミスセンス多型変異を同定した。また、該多型と尿酸値との相関解析を行い、R90H、W258StopおよびR477Hの各変異が低尿酸血症の一因となることを示した。該多型変異の有無を指標とすることにより、被検者について、低尿酸レベルに起因する疾患に対する疾患感受性か否かの検査を行うことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は低尿酸レベルに起因する疾患を検査する方法および創薬のための用途に関する。
尿酸はアデノシン、グアノシンといったプリン体の最終産物である。霊長類以外の哺乳動物では、更にユリケース(ウリカーゼ;uricase)により代謝され、水溶性のアラントインとして腎臓より排泄される。霊長類においては、進化の過程でこのユリケースに突然変異が生じ欠損しているため尿酸として腎臓より排泄される。ヒトにおける腎臓内での尿酸の輸送は、再吸収と分泌、分泌後の再吸収と複雑である(非特許文献1参照)。
尿酸代謝は、様々な疾患に結びついている。例えば心血管疾患において、尿酸は、尿酸以外の他の危険因子がコントロールされれば心血管疾患の独立した危険因子とはならないことが多くの研究で明らかになっている(非特許文献2〜5参照)。尿酸値は男性および閉経後の女性で高いが、これはエストロゲンに尿酸排泄性があるためである(非特許文献6参照)。肥満に高尿酸血症が伴うことがしばしばあるが、これはインスリンが近位尿細管でのナトリウムおよび尿酸の再吸収を誘発するためである(非特許文献6参照)。腎疾患患者では糸球体ろ過値(GFR)および尿酸排泄が低下するために尿酸値が高くなる。アルコール摂取は、尿酸の生成亢進および排泄低下を招き、尿酸値の上昇をもたらす(非特許文献7参照)。尿酸レベルは、上記の心血管系危険因子の影響を受けるため、心血管疾患の単なるマーカーに過ぎないとみなされてきた。しかし、実際は人体にとって有益にも有害にもなりうる重要な生体機能がいくつかあることも認識されてきている。
Amesらは、尿酸がヒトにおいて、酸化物質およびラジカルに起因する老化および癌に対して抗酸化防御に働くとの仮説を提唱した(非特許文献8参照)。尿酸はヒト血漿中に存在する最も重要な抗酸化物質の一つである(非特許文献8〜10参照)。霊長類では尿酸値と寿命との間に正の相関があることが報告されている(非特許文献11参照)。
また、尿酸は、体内では有機酸として存在するため、そのトランスポーターは膜12回貫通構造を持つ有機陰イオントランスポーター (Organic anion transporter; OAT) と予想されていた。2002年に遠藤らのグループにより、OATファミリーに属するURAT1(SLC22A12)が尿酸トランスポーターであることが同定された(非特許文献2参照)。この遺伝子産物は近位尿細管の管腔側に存在し、血中尿酸レベルに影響を与える多くの薬物と相互作用のあることも確認されており、URAT1が腎臓における尿酸再吸収の主役であることが確認されている。URAT1における不活性化変異は特発性腎性低尿酸血症の原因になることが示されている(非特許文献12参照)。
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これまでのところ、URAT1遺伝子多型と血清尿酸レベルもしくは低尿酸レベルに起因する疾患との関連性は、知られていなかった。具体的なURAT1遺伝子多型について、これらの関連性を見出すことができれば、該多型を指標とする該疾患ついての検査が可能である。
本発明は、このような状況に鑑みて為されたものであり、その目的は、低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行なった。まず本発明者らは、日本の一般地域住民を代表する疫学コホートを対象として、URAT1遺伝子の多型をスクリーニングし、7種のミスセンス変異(R90H、A226V、R228E、W258Stop、Q312L、D313R(313D-333Pの欠失)およびR477H)を同定した。また遺伝子多型と尿酸値との相関解析を行い、R90H、W258StopおよびR477Hの各変異が低尿酸血症の一因となることを示した。しかし、URAT1遺伝子の一般的多型はいずれも血清尿酸値に影響を及ぼさなかった。
血清尿酸値が低いと、運動に伴う急性腎不全を起こす原因になる可能性がある。反対に尿酸値が高いと内皮機能障害の原因になる可能性がある。血清尿酸値および血清一酸化窒素値は相反的なパターンで日内変動を生じることが報告されている(Kanabrocki EL, Third JL, Ryan MD, et al. Circadian relationship of serum uric acid and nitric oxide. JAMA. 2000;283:2240-2241.)。Waringらは、尿酸の注入によって前腕でのアセチルコリン誘発性血管拡張が低下することを報告している(Waring WS, Webb DJ, Maxwell SRJ. Effect of local hyperuricemia on endothelial function in the human forearm vascular bed. Br J Clin Pharmacol. 2000;49:511.)。このため、高尿酸血症はそれ自体で、高血圧および虚血性心疾患を含む心血管疾患を招く可能性がある。仮にそうであれば、不活性型URAT1アレルは、高血圧および虚血性心疾患の防御に働くと考えられる。しかし、本発明で示したように、不活性型URAT1アレルは高血圧の発生率の低下と相関しなかった。本発明者らの予備的な分析によると、心筋梗塞の被験者516例における258Stopアレルの頻度(1.84%)には、一般地域集団における頻度(2.46%)と有意差がなかった。このことからも、不活性型URAT1アレルは高血圧あるいは虚血性心疾患の防御に関しては中立的と考えられた。
高尿酸血症を起因とする疾患として、例えば痛風がある。これは繰り返し起こる激烈な急性関節炎、腎障害を主症状とする疾患である。URAT1遺伝子の多型変異を調べることにより、高尿酸レベルに起因する疾患(例えば痛風)に罹患しにくいか否か(疾患抵抗性か否か)を判定することも可能である。さらに上記多型は、低尿酸血症のテーラーメイド医療にも有用な多型である可能性が高い。
また、高尿酸血症は動脈硬化の促進因子であるため、心筋梗塞や脳梗塞などの危険因子である。従って、URAT1遺伝子上の3種のSNPsを決定することにより、高尿酸血症を起因とする心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患に罹患しにくいか否か(疾患抵抗性か否か)の判定への利用も期待できる。
多くの薬剤がこのURAT1遺伝子との相互作用を通して血清尿酸レベルに影響を与えていることが知られており、この遺伝型を決める事により、薬剤の副作用としての低尿酸血症の出現し易さを予想できる可能性があり、その場合の対策として尿酸排泄促進剤の利用を制限する指針となる可能性がある。
つまり本発明は、被検者について多型部位の塩基種を決定することを特徴とする、低尿酸レベルに起因する疾患に対して感受性か否かの検査、もしくは、高尿酸レベルに起因する疾患になりにくい素因を有するか否か(高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性か否か)の検査方法に関するものであり、より詳しくは、
〔1〕 被検者について、以下の(a)〜(c)のいずれかの多型部位の塩基種を決定することを特徴とする、低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法、
(a)URAT1遺伝子のエクソン1領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1016位の多型部位(配列番号:31に記載の塩基配列の21位の多型部位)
(b)URAT1遺伝子のエクソン4領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1521位の多型部位(配列番号:34に記載の塩基配列の21位の多型部位)
(c)URAT1遺伝子のエクソン9領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の2177位の多型部位(配列番号:37に記載の塩基配列の19位の多型部位)
〔2〕 多型部位の塩基種が以下のいずれかの場合に、被検者は低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性である、もしくは高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性であるものと判定される、〔1〕に記載の検査方法、
(a)URAT1遺伝子のエクソン1領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1016位の多型部位の塩基種がA(配列番号:31に記載の塩基配列の21位の多型部位の塩基種がA)
(b)URAT1遺伝子のエクソン4領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1521位の多型部位の塩基種がA(配列番号:34に記載の塩基配列の21位の多型部位の塩基種がA)
(c)URAT1遺伝子のエクソン9領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の2177位の多型部位の塩基種がA(配列番号:37に記載の塩基配列の19位の多型部位の塩基種がA)
〔3〕 被検者について、以下の(a)〜(c)のいずれかに記載のアミノ酸変異、もしくは該アミノ酸変異に相当するURAT1遺伝子上のDNA変異が検出された場合に、低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性であるものと判定する工程を含む、低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法、
(a)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の90位のアルギニンがヒスチジンへ置換されたアミノ酸変異
(b)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の258位のトリプトファンにて翻訳が終結するアミノ酸変異
(c)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の477位のアルギニンがヒスチジンへ置換されたアミノ酸変異
〔4〕 低尿酸レベルに起因する疾患が低尿酸血症、または急性腎不全疾患である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の検査方法、
〔5〕 〔1〕に記載の多型部位を含むDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチド、
〔6〕 〔5〕に記載のオリゴヌクレオチドを含む、低尿酸レベルに起因する疾患を検査するための試薬、
〔7〕 〔1〕に記載の多型部位を含むDNAを増幅するためのプライマーオリゴヌクレオチドを含む、低尿酸レベルに起因する疾患を検査するための試薬、
〔8〕 低尿酸レベルに起因する疾患が低尿酸血症である、〔6〕または〔7〕に記載の試薬、に関する。
本発明者らはURAT1遺伝子の遺伝子多型R90H、W258StopおよびR477Hの各変異と、低尿酸レベルとの関連性について示した。
これらの遺伝子多型を明らかにすることにより、1) 血清尿酸レベルに関する個人的傾向を明らかにできるだけでなく、2) 低尿酸レベルに起因する疾患に対する感受性の判定、3) 動脈硬化によって引き起こされる心筋梗塞や脳梗塞などの疾患になりにくい素因を有するか否か(疾患抵抗性か否か)の判定、をすることが可能になった。
さらには、これらの遺伝子の発現を調節することにより血清尿酸レベルを調節することが期待できるため、この遺伝子をターゲットとした創薬の可能性も考えられる。
本発明により、低尿酸レベルと関連するURAT1遺伝子上の多型部位上の塩基種(遺伝子型)が明らかになったことにより、当業者に過度の負担を強いることなく、低尿酸レベルに起因する疾患に関する検査を行うことができる。
本発明者らによって、URAT1遺伝子のエクソン1、エクソン4、およびエクソン9の各領域において、低尿酸レベルに関連する多型が同定された。該遺伝子における多型部位の塩基種を決定することによって、被検者について低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性であるか否か、あるいは、高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性であるか否かについて、検査を行うことが可能である。
本発明はまず被検者について、以下の(a)〜(c)の多型部位の塩基種を決定することを特徴とする、低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法を提供する。
(a)URAT1遺伝子のエクソン1領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1016位の多型部位
(b)URAT1遺伝子のエクソン4領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1521位の多型部位
(c)URAT1遺伝子のエクソン9領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の2177位の多型部位
なお、URAT1遺伝子の各エクソン領域は配列番号:1に記載の塩基配列において、以下の領域にそれぞれ相当する。エクソン1領域:1〜1148位、エクソン4領域:1409〜1578位、エクソン9領域:2143〜2346位。
本発明において、「低尿酸レベルに起因する疾患の検査」とは、より具体的には、低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性か否かの検査もしくは該疾患に罹患しているか否かの検査、または、高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性か否か(高尿酸レベルに起因する疾患になりにくい素因を有するか否か)の検査を指す。
本発明における「低尿酸レベル」とは、血清中の尿酸値が正常である場合と比較して、低い状態を指す。一方、「高尿酸レベル」とは、血清中の尿酸値が正常である場合と比較して、高い状態を指す。体内における尿酸の生産量(合成量)と排泄量のバランスが崩れ、生産量(合成量)が低下あるいは排泄量が増加すると、低尿酸血症が起こる原因となる。反対に尿酸の生産量(合成量)が増加あるいは排泄量が低下すると、高尿酸血症が起こる原因となる。
本発明において「低尿酸レベルに起因する疾患」とは、血清中の尿酸値の低下に伴って引き起こされる種々の疾患を指す。本発明において「低尿酸レベルに起因する疾患」としては、例えば、低尿酸血症、または急性腎不全(好ましくは、運動に伴う急性腎不全(運動誘発性急性腎不全))等を挙げることができる。また、本発明において「高尿酸レベルに起因する疾患」とは、血清中の尿酸値の上昇に伴って引き起こされる種々の疾患を指す。「高尿酸レベルに起因する疾患」としては、例えば、高尿酸血症、動脈硬化性疾患(例えば、心筋梗塞、脳梗塞)、痛風等を挙げることができる。
本発明における「感受性」とは、被検者が低尿酸レベルに起因する疾患に罹患し易い体質であることを言う。また、「抵抗性」とは、被検者が高尿酸レベルに起因する疾患に罹患しにくい体質である(罹患しにくい素因を有する)ことを言う。例えば、痛風になりにくい体質である、または利尿剤を投与しても高尿酸血症になりにくい体質である、ことも、上記「抵抗性」に含まれる。利尿剤の中には副作用として高尿酸血症を引き起こすものがあるが、本方法によって高尿酸レベルに起因する疾患に疾患抵抗性であると判定される被検者は、利尿剤によって引き起こされる高尿酸血症になりにくいと判定することができ、利尿剤の利用の指針となることが期待される。
本発明のヒトURAT1遺伝子の塩基配列を配列番号:1に、該塩基配列によってコードされるタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:2に示す。なお、URAT1遺伝子(タンパク質)は、SLC22A12遺伝子(タンパク質)とも呼ばれる。
なお、本発明の遺伝子の全塩基配列、もしくは任意の部分配列、および該遺伝子によってコードされるタンパク質のアミノ酸に関するデータは、当業者においては、例えば、公共の遺伝子情報ウェブサイト(NCBI (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)等)を利用して、適宜取得することが可能である(NCBIアクセッション番号:NM_144585)。
本発明の好ましい態様においては、上記多型部位の塩基種が以下の(a)〜(c)のいずれかの場合に、被検者は低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性である、もしくは高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性であるものと判定される検査方法である。
(a)URAT1遺伝子のエクソン1領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1016位の多型部位の塩基種がA(アデニン)
(b)URAT1遺伝子のエクソン4領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1521位の多型部位の塩基種がA(アデニン)
(c)URAT1遺伝子のエクソン9領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の2177位の多型部位の塩基種がA(アデニン)
なお、DNAは通常、互いに相補的な二本鎖DNA構造を有している。従って、本明細書においては、便宜的に一方の鎖におけるDNA配列を示した場合であっても、当然の如く、当該配列(塩基)に相補的な配列も開示したものと解釈される。当業者にとって、一方のDNA配列(塩基)が判れば、該配列(塩基)に相補的な配列(塩基)は自明である。従って、例えば、配列番号:1に記載の塩基配列の1016位の部位に対応する該配列の相補鎖上の部位について、塩基種がT(チミン)である場合も、被検者は低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性である、もしくは高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性であるものと判定される。なお本明細書中において、上記(a)〜(c)に記載の多型部位を、(a)は「G269A」(もしくは、「C269T」)、(b)は「G2191A」、(c)は「G8391A」と記載する場合がある。
本発明の検査方法の好ましい態様においては、上記(a)〜(c)のような塩基種が被検者についてヘテロ(ヘテロ型)で検出されればよい。即ち、本発明においては、被検者の一方の染色体について上記の多型部位の塩基種を決定すればよい。また、本発明においては、被検者の対となる二本の染色体について上記の多型部位の塩基種を決定することによって、検査を行うこともできる。ホモ(ホモ型)で上記塩基種が検出された被検者については、より高い確度で判定を行うことが可能である。例えば、ホモで上記塩基種が検出された被検者の場合は、ヘテロで検出された場合と比較して、より低尿酸レベルに起因する疾患に対して感受性である可能性が高い。
本発明の検査方法の別の態様においては、上記(a)〜(c)のいずれかの多型部位の遺伝子型(genotype)を決定することを特徴とする方法である。
一般に染色体は、二本ずつ対をなして存在することから、1つの多型部位に相当するDNA部位も、一組の染色体において通常、二箇所存在する。本発明の多型部位における塩基種の決定とは、この中の少なくとも一箇所を決定することを指す。一般的に「遺伝子型」とは、対立遺伝子、あるいは、注目している遺伝子座の対立遺伝子の存在状態を言う。即ち、「遺伝子型」とは、ある遺伝子座における遺伝子(塩基種)の組み合わせを指す。本明細書においては遺伝子型を表現する場合、x/x(xは塩基種)のように記載する。配列表中にてxを「-」と記載する場合、塩基が欠失していることを表す。
上記方法においては、下記の遺伝子型が検出された場合に、被検者は低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性である、もしくは高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性であるものと判定される。
(a)URAT1遺伝子のエクソン1領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1016位の多型部位の遺伝子型がA/A
(b)URAT1遺伝子のエクソン4領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1521位の多型部位の遺伝子型がA/A
(c)URAT1遺伝子のエクソン9領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の2177位の多型部位の遺伝子型がA/A
また、本発明においては、上記の(a)〜(c)の塩基種もしくは遺伝子型の少なくとも一つについて検出されればよいが、上記の(a)〜(c)の中から複数の(組み合わせからなる)塩基種もしくは遺伝子型を検出することによっても本発明の検査を好適に実施することができる。
また、上記(a)〜(c)の多型は、URAT1タンパク質において、それぞれ以下のアミノ酸変異を伴うものである。
(a’)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の90位のアルギニンがヒスチジンへ置換されたアミノ酸変異
(b’)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の258位のトリプトファンにて翻訳が終結するアミノ酸変異
(c’)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の477位のアルギニンがヒスチジンへ置換されたアミノ酸変異
本発明の検査は、上記アミノ酸変異、もしくは該アミノ酸変異に相当するURAT1遺伝子上のDNA変異を検出することによっても、実施することができる。
即ち、本発明の別の態様においては、上記の(a’)〜(c’)のアミノ酸変異、もしくは該アミノ酸変異に相当するURAT1遺伝子上のDNA変異が検出された場合に、低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性、もしくは高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性であるものと判定される検査方法を提供する。
当業者であれば、任意のタンパク質(ポリペプチド)について、そのアミノ酸配列の決定を行うことは可能である。例えば、被験者から、URAT1タンパク質を含むサンプルを調製し、市販のプロテイン・シークエンサーを用いて、上記(a’)〜(c’)のアミノ酸変異を有するか否かについて、調べることができる。
また、被検者について、上記(a’)〜(c’)のアミノ酸変異に相当するURAT1遺伝子上のDNA変異を検出することによっても、本発明の上記方法を実施することができる。
アミノ酸は、3塩基を一組とするコドンによってコードされており、通常、アミノ酸は複数のコドンによってコードされている。従って、本発明における、上記(a’)〜(c’)のアミノ酸変異に相当するDNA変異は必ずしも、一つのDNA部位における1種類の塩基置換に限定されない。即ち、本発明においては、上記(a)〜(c)に記載の塩基種以外の塩基変異が検出される、あるいは、上記(a)〜(c)に記載のDNA部位以外の部位において変異が検出される場合であっても、上記(a’)〜(c’)のアミノ酸変異に相当するDNA変異が検出されれば、疾患に感受性もしくは抵抗性か否かについて検査を行うことが可能である。
尚、当業者においては、本明細書において開示された塩基配列および多型部位に関する情報から、適宜、該多型部位に相当する実際のゲノム上の位置を知ることは容易である。例えば、公開されているゲノムデータベース等と照会することにより、本発明の多型部位のゲノム上の位置を知ることができる。即ち、配列表に掲げた塩基配列とゲノム上の実際の塩基配列との間に若干の塩基配列の相違がみられた場合であっても、配列表に掲げた塩基配列を基にゲノム配列と相同性検索等を行うことにより、本発明の多型部位について、実際のゲノム上の位置を正確に知ることが可能である。また、ゲノム上の位置が特定できない場合でも、本明細書に記載の配列表および多型部位についての情報から、本発明に記載の検査を行うことは容易である。
本発明の多型部位における塩基種の決定は、当業者においては種々の方法によって行うことができる。一例を示せば、本発明の多型部位を含むDNAの塩基配列を直接決定することによって行うことができる。この方法においては、まず、被検者からDNA試料を調製する。本発明においてDNA試料は、例えば被検者の血液、皮膚、口腔粘膜、手術により採取あるいは切除した組織または細胞、検査等の目的で採取された体液等から抽出した染色体DNA、あるいはRNAを基に調製することができる。
本方法においては、次いで、本発明の多型部位を含むDNAを単離する。該DNAの単離は、本発明の多型部位を含むDNAにハイブリダイズするプライマーを用いて、染色体DNA、あるいはRNAを鋳型としたPCR等によって行うことも可能である。
本方法においては、次いで、単離したDNAの塩基配列を決定する。単離したDNAの塩基配列の決定は、当業者においては、DNAシークエンサー等を用いて容易に実施することができる。
本発明の多型部位は、通常、その部位の塩基種のバリエーションが既に明らかになっている。本発明における「塩基種の決定」とは、必ずしもその多型部位についてA、G、T、Cのいずれかの塩基種であるかを判別することを意味するものではない。例えば、ある多型部位について塩基種のバリエーションがAまたはGであることが判明している場合には、その部位の塩基種が「Aでない」もしくは「Gでない」ことが判明すれば充分である。
予め塩基のバリエーションが明らかにされている多型部位について、その塩基種を決定するための様々な方法が公知である。本発明の塩基種の決定のための方法は、特に限定されない。例えば、PCR法を応用した解析方法として、TaqMan PCR法、AcycloPrime法、およびMALDI-TOF/MS法等が実用化されている。またPCRに依存しない塩基種の決定法としてInvader法やRCA法が知られている。更にDNAアレイを使って塩基種を決定することもできる。以下にこれらの方法について簡単に述べる。ここに述べた方法は、いずれも本発明における多型部位の塩基種の決定に応用できる。
[TaqMan PCR法]
TaqMan PCR法の原理は次のとおりである。TaqMan PCR法は、アレルを含む領域を増幅することができるプライマーセットと、TaqManプローブを利用した解析方法である。TaqManプローブは、このプライマーセットによって増幅されるアレルを含む領域にハイブリダイズするように設計される。
TaqManプローブのTmに近い条件で標的塩基配列にハイブリダイズさせれば、1塩基の相違によってTaqManプローブのハイブリダイズ効率は著しく低下する。TaqManプローブの存在下でPCR法を行うと、プライマーからの伸長反応は、いずれハイブリダイズしたTaqManプローブに到達する。このときDNAポリメラーゼの5'-3'エキソヌクレアーゼ活性によって、TaqManプローブはその5'末端から分解される。TaqManプローブをレポーター色素とクエンチャーで標識しておけば、TaqManプローブの分解を、蛍光シグナルの変化として追跡することができる。つまり、TaqManプローブの分解が起きれば、レポーター色素が遊離してクエンチャーとの距離が離れることによって蛍光シグナルが生成する。1塩基の相違のためにTaqManプローブのハイブリダイズが低下すればTaqManプローブの分解が進まず蛍光シグナルは生成されない。
多型に対応するTaqManプローブをデザインし、更に各プローブの分解によって異なるシグナルが生成されるようにすれば、同時に塩基種の判定を行うこともできる。例えば、レポーター色素として、あるアレルのアレルAのTaqManプローブに6-carboxy-fluorescein(FAM)を、アレルBのプローブにVICを用いる。プローブが分解されない状態では、クエンチャーによってレポーター色素の蛍光シグナル生成は抑制されている。各プローブが対応するアレルにハイブリダイズすれば、ハイブリダイズに応じた蛍光シグナルが観察される。すなわち、FAMまたはVICのいずれかのシグナルが他方よりも強い場合には、アレルAまたはアレルBのホモであることが判明する。他方、アレルをヘテロで有する場合には、両者のシグナルがほぼ同じレベルで検出されることになる。TaqMan PCR法の利用によって、ゲル上での分離のような時間のかかる工程無しで、ゲノムを解析対象としてPCRと塩基種の決定を同時に行うことができる。そのため、TaqMan PCR法は、多くの被検者についての塩基種を決定できる方法として有用である。
本発明においては、多型部位の塩基種の決定に、TaqMan PCR法を好適に用いることができる。その際使用されるプライマーおよびプローブとしては、特に制限されないが、例えば、後述の実施例に記載のオリゴヌクレオチド(配列番号:38〜109)を好適に使用することができる。
[AcycloPrime法]
PCR法を利用した塩基種を決定する方法として、AcycloPrime法も実用化されている。AcycloPrime法では、ゲノム増幅用のプライマー1組と、多型検出用の1つのプライマーを用いる。まず、ゲノムの多型部位を含む領域をPCRで増幅する。この工程は、通常のゲノムPCRと同じである。次に、得られたPCR産物に対して、ゲノム検出用のプライマーをアニールさせ、伸長反応を行う。ゲノム検出用のプライマーは、検出対象となっている多型部位に隣接する領域にアニールするようにデザインされている。
このとき、伸長反応のためのヌクレオチド基質として、蛍光偏光色素でラベルし、かつ3'-OHをブロックしたヌクレオチド誘導体(ターミネータ)を用いる。その結果、多型部位に相当する位置の塩基に相補的な塩基が1塩基だけ取りこまれて伸長反応が停止する。ヌクレオチド誘導体のプライマーへの取りこみは、分子量の増大による蛍光偏光(Fluorescence polarization;FP)の増加によって検出することができる。蛍光偏光色素に波長の異なる2種類のラベルを用いれば、特定のSNPsが2種類の塩基のうちのいずれであるのかを特定することができる。蛍光偏光のレベルは定量することができるので、1度の解析でアレルがホモかヘテロかを判定することもできる。
[MALDI-TOF/MS法]
PCR産物をMALDI-TOF/MSで解析することによって塩基種の決定を行うこともできる。MALDI-TOF/MSは、分子量をきわめて正確に知ることができるため、タンパク質のアミノ酸配列や、DNAの塩基配列のわずかな相違を明瞭に識別することができる解析手法として様々な分野で利用されている。MALDI-TOF/MSによる塩基種の決定のためには、まず解析対象であるアレルを含む領域をPCRで増幅する。次いで増幅産物を単離してMALDI-TOF/MSによってその分子量を測定する。アレルの塩基配列は予めわかっているので、分子量に基づいて増幅産物の塩基配列は一義的に決定される。
MALDI-TOF/MSを利用した塩基種の決定には、PCR産物の分離工程などが必要となる。しかし標識プライマーや標識プローブを使わないで、正確な塩基種の決定が期待できる。また複数の場所の多型の同時検出にも応用することができる。
[IIs型制限酵素を利用したSNPs特異的な標識方法]
PCR法を利用した更に高速な塩基種の決定が可能な方法も報告されている。例えば、IIs型制限酵素を利用して多型部位の塩基種の決定が行われている。この方法においては、PCRにあたり、IIs型制限酵素の認識配列を有するプライマーが用いられる。遺伝子組み換えに利用される一般的な制限酵素(II型)は、特定の塩基配列を認識して、その塩基配列中の特定部位を切断する。これに対してIIs型の制限酵素は、特定の塩基配列を認識して、認識塩基配列から離れた部位を切断する。酵素によって、認識配列と切断個所の間の塩基数は決まっている。従って、この塩基数の分だけ離れた位置にIIs型制限酵素の認識配列を含むプライマーがアニールするようにすれば、IIs型制限酵素によってちょうど多型部位で増幅産物を切断することができる。
IIs型制限酵素で切断された増幅産物の末端には、SNPsの塩基を含む付着末端(conhesive end)が形成される。ここで、増幅産物の付着末端に対応する塩基配列からなるアダプターをライゲーションする。アダプターは、多型変異に対応する塩基を含む異なる塩基配列からなり、それぞれ異なる蛍光色素で標識しておくことができる。最終的に、増幅産物は多型部位の塩基に対応する蛍光色素で標識される。
前記IIs型制限酵素認識配列を含むプライマーに、捕捉プライマー(capture primer)を組み合わせてPCR法を行えば、増幅産物は蛍光標識されるとともに、捕捉プライマーを利用して固相化することができる。例えばビオチン標識プライマーを捕捉プライマーとして用いれば、増幅産物はアビジン結合ビーズに捕捉することができる。こうして捕捉された増幅産物の蛍光色素を追跡することにより、塩基種を決定することができる。
[磁気蛍光ビーズを使った多型部位における塩基種の決定]
複数のアレルを単一の反応系で並行して解析することができる技術も公知である。複数のアレルを並行して解析することは、多重化と呼ばれている。一般に蛍光シグナルを利用したタイピング方法では、多重化のために異なる蛍光波長を有する蛍光成分が必要である。しかし実際の解析に利用することができる蛍光成分は、それほど多くない。これに対して、樹脂等に複数種の蛍光成分を混合した場合には、限られた種類の蛍光成分であっても、相互に識別可能な多様な蛍光シグナルを得ることができる。更に、樹脂中に磁気で吸着される成分を加えれば蛍光を発するとともに、磁気によって分離可能なビーズとすることができる。このような磁気蛍光ビーズを利用した、多重化多型タイピングが考え出された(バイオサイエンスとバイオインダストリー, Vol.60 No.12, 821-824)。
磁気蛍光ビーズを利用した多重化多型タイピングにおいては、各アレルの多型部位に相補的な塩基を末端に有するプローブが磁気蛍光ビーズに固定化される。各アレルにそれぞれ固有の蛍光シグナルを有する磁気蛍光ビーズが対応するように、両者は組み合わせられる。一方、磁気蛍光ビーズに固定されたプローブが相補配列にハイブリダイズしたときに、当該アレル上で隣接する領域に相補的な塩基配列を有する蛍光標識オリゴDNAを調製する。
アレルを含む領域を非対称PCRによって増幅し、上記の磁気蛍光ビーズ固定化プローブと蛍光標識オリゴDNAをハイブリダイズさせ、更に両者をライゲーションする。磁気蛍光ビーズ固定化プローブの末端が、多型部位の塩基に相補的な塩基配列であった場合には効率的にライゲーションされる。逆にもしも多型のために末端の塩基が異なれば、両者のライゲーション効率は低下する。その結果、各磁気蛍光ビーズには、試料が当該磁気蛍光ビーズに相補的な塩基種であった場合に限り、蛍光標識オリゴDNAが結合する。
磁気によって磁気蛍光ビーズを回収し、更に各磁気蛍光ビーズ上の蛍光標識オリゴDNAの存在を検出することにより、塩基種が決定される。磁気蛍光ビーズは、フローサイトメーターでビーズ毎に蛍光シグナルを解析できるので、多種類の磁気蛍光ビーズが混合されていてもシグナルの分離は容易である。つまり、多種類の多型部位について、単一の反応容器で並行して解析する「多重化」が達成される。
[Invader法]
PCR法に依存しないジェノタイピングのための方法も実用化されている。例えば、Invader法では、アレルプローブ、インベーダープローブ、およびFRETプローブの3種類のオリゴヌクレオチドと、クリバーゼ(cleavase)と呼ばれる特殊なヌクレアーゼのみで、塩基種の決定を実現している。これらのプローブのうち標識が必要なのはFRETプローブのみである。
アレルプローブは、検出すべきアレルに隣接する領域にハイブリダイズするようにデザインされる。アレルプローブの5'側には、ハイブリダイズに無関係な塩基配列からなるフラップが連結されている。アレルプローブは多型部位の3'側にハイブリダイズし、多型部位の上でフラップに連結する構造を有する。
一方インベーダープローブは、多型部位の5'側にハイブリダイズする塩基配列からなっている。インベーダープローブの塩基配列は、ハイブリダイズによって3'末端が多型部位に相当するようにデザインされている。インベーダープローブにおける多型部位に相当する位置の塩基は任意で良い。つまり、多型部位を挟んでインベーダープローブとアレルプローブとが隣接してハイブリダイズするように両者の塩基配列はデザインされている。
多型部位がアレルプローブの塩基配列に相補的な塩基であった場合には、インベーダープローブとアレルプローブの両者がアレルにハイブリダイズすると、アレルプローブの多型部位に相当する塩基にインベーダープローブが侵入(invasion)した構造が形成される。cleavaseは、このようにして形成された侵入構造を形成したオリゴヌクレオチドのうち、侵入された側の鎖を切断する。切断は侵入構造の上で起きるので、結果としてアレルプローブのフラップが切り離されることになる。一方、もしも多型部位の塩基がアレルプローブの塩基に相補的でなかった場合には、多型部位におけるインベーダープローブとアレルプローブの競合は無く、侵入構造は形成されない。したがってcleavaseによるフラップの切断が起こらない。
FRETプローブは、こうして切り離されたフラップを検出するためのプローブである。FRETプローブは5'末端側に自己相補配列を有し、3'末端側に1本鎖部分が配置されたヘアピンループを構成している。FRETプローブの3'末端側に配置された1本鎖部分は、フラップに相補的な塩基配列からなっていて、ここにフラップがハイブリダイズすることができる。フラップがFRETプローブにハイブリダイズすると、FRETプローブの自己相補配列の5'末端部分にフラップの3'末端が侵入した構造が形成されるように両者の塩基配列がデザインされている。cleavaseは侵入構造を認識して切断する。FRETプローブのcleavaseによって切断される部分を挟んで、TaqMan PCRと同様のレポーター色素とクエンチャーで標識しておけば、FRETプローブの切断を蛍光シグナルの変化として検知することができる。
なお、理論的には、フラップは切断されない状態でもFRETプローブにハイブリダイズするはずである。しかし実際には、切断されたフラップとアレルプローブの状態で存在しているフラップとでは、FRETに対する結合効率に大きな差が有る。そのため、FRETプローブを利用して、切断されたフラップを特異的に検出することは可能である。
Invader法に基づいて塩基種を決定するためには、アレルAとアレルBのそれぞれに相補的な塩基配列を含む、2種類のアレルプローブを用意すれば良い。このとき両者のフラップの塩基配列は異なる塩基配列とする。フラップを検出するためのFRETプローブも2種類を用意し、それぞれのレポーター色素を識別可能なものとしておけば、TaqMan PCR法と同様の考え方によって、塩基種を決定することができる。
Invader法の利点は、標識の必要なオリゴヌクレオチドがFRETプローブのみであることである。FRETプローブは検出対象の塩基配列とは無関係に、同一のオリゴヌクレオチドを利用することができる。従って、大量生産が可能である。一方アレルプローブとインベーダープローブは標識する必要が無いので、結局、ジェノタイピングのための試薬を安価に製造することができる。
[RCA法]
PCR法に依存しない塩基種の決定方法として、RCA法を挙げることができる。鎖置換作用を有するDNAポリメラーゼが、環状の1本鎖DNAを鋳型として、長い相補鎖を合成する反応に基づくDNAの増幅方法が、Rolling Circle Amplification(RCA)法である(Lizardri PM et al.,Nature Genetics 19, 225, 1998)。RCA法においては、環状DNAにアニールして相補鎖合成を開始するプライマーと、このプライマーによって生成する長い相補鎖にアニールする第2のプライマーを利用して、増幅反応を構成している。
RCA法には、鎖置換作用を有するDNAポリメラーゼが利用されている。そのため、相補鎖合成によって2本鎖となった部分は、より5'側にアニールした別のプライマーから開始した相補鎖合成反応によって置換される。例えば、環状DNAを鋳型とする相補鎖合成反応は、1周分では終了しない。先に合成した相補鎖を置換しながら相補鎖合成は継続し、長い1本鎖DNAが生成される。一方、環状DNAを鋳型として生成した長い1本鎖DNAには、第2のプライマーがアニールして相補鎖合成が開始する。RCA法において生成される1本鎖DNAは、環状のDNAを鋳型としていることから、その塩基配列は同じ塩基配列の繰り返しである。従って、長い1本鎖の連続的な生成は、第2のプライマーの連続的なアニールをもたらす。その結果、変性工程を経ることなく、プライマーがアニールすることができる1本鎖部分が連続的に生成される。こうして、DNAの増幅が達成される。
RCA法に必要な環状1本鎖DNAが多型部位の塩基種に応じて生成されれば、RCA法を利用して塩基種の決定をすることができる。そのために、直鎖状で1本鎖のパドロックプローブが利用される。パドロックプローブは、5'末端と3'末端に検出すべき多型部位の両側に相補的な塩基配列を有している。これらの塩基配列は、バックボーンと呼ばれる特殊な塩基配列からなる部分で連結されている。多型部位がパドロックプローブの末端に相補的な塩基配列であれば、アレルにハイブリダイズしたパドロックプローブの末端をDNAリガーゼによってライゲーションすることができる。その結果、直鎖状のパドロックプローブが環状化され、RCA法の反応がトリガーされる。DNAリガーゼの反応は、ライゲーションすべき末端部分が完全に相補的でない場合には反応効率が著しく低下する。従って、ライゲーションの有無をRCA法で確認することによって、多型部位の塩基種の決定が可能である。
RCA法は、DNAを増幅することはできるが、そのままではシグナルを生成しない。また増幅の有無のみを指標とするのでは、アレル毎に反応を行わなければ、通常、塩基種を決定することができない。これらの点を塩基種の決定のために改良した方法が公知である。例えば、モレキュラービーコンを利用して、RCA法に基づいて1チューブで塩基種の決定を行うことができる。モレキュラービーコンは、TaqMan法と同様に、蛍光色素とクエンチャーを利用したシグナル生成用プローブである。モレキュラービーコンの5'末端と3'末端は相補的な塩基配列で構成されており、単独ではヘアピン構造を形成する。両端付近を蛍光色素とクエンチャーで標識しておけば、ヘアピン構造を形成している状態では蛍光シグナルが検出できない。モレキュラービーコンの一部を、RCA法の増幅産物に相補的な塩基配列としておけば、モレキュラービーコンはRCA法の増幅産物にハイブリダイズする。ハイブリダイズによってヘアピン構造が解消されるため、蛍光シグナルが生成される。
モレキュラービーコンの利点は、パドロックプローブのバックボーン部分の塩基配列を利用することによって、検出対象とは無関係にモレキュラービーコンの塩基配列を共通にできる点である。アレル毎にバックボーンの塩基配列を変え、蛍光波長が異なる2種類のモレキュラービーコンを組み合わせれば、1チューブで塩基種の決定が可能である。蛍光標識プローブの合成コストは高いので、測定対象に関わらず共通のプローブを利用できることは、経済的なメリットになる。
これらの方法はいずれも多量のサンプルを高速にジェノタイピングするために開発された方法である。MALDI-TOF/MSを除けば、通常、いずれの方法にも何らかの形で標識プローブなどを用意する必要がある。これに対して、標識プローブなどに頼らない塩基種決定法も古くから行われている。このような方法の一つとして、例えば、制限酵素断片長多型(Restriction Fragment Length Polymorphism/RFLP)を利用した方法やPCR-RFLP法等が挙げられる。
RFLPは、制限酵素の認識部位の変異、あるいは制限酵素処理によって生じるDNA断片内における塩基の挿入または欠失が、制限酵素処理後に生じる断片の大きさの変化として検出できることを利用している。検出対象となる多型を含む塩基配列を認識する制限酵素が存在すれば、RFLPの原理によって多型部位の塩基を知ることができる。
標識プローブを必要としない方法として、DNAの二次構造の変化を指標として塩基の違いを検出する方法も公知である。PCR-SSCPでは、1本鎖DNAの二次構造がその塩基配列の相違を反映することを利用している(Cloning and polymerase chain reaction-single-strand conformation polymorphism analysis of anonymous Alu repeats on chromosome 11. Genomics. 1992 Jan 1; 12(1): 139-146.、Detection of p53 gene mutations in human brain tumors by single-strand conformation polymorphism analysis of polymerase chain reaction products. Oncogene. 1991 Aug 1; 6(8): 1313-1318.、Multiple fluorescence-based PCR-SSCP analysis with postlabeling.、PCR Methods Appl. 1995 Apr 1; 4(5): 275-282.)。PCR-SSCP法は、PCR産物を1本鎖DNAに解離させ、非変性ゲル上で分離する工程により実施される。ゲル上の移動度は、1本鎖DNAの二次構造によって変動するので、もしも多型部位における塩基の相違があれば、移動度の違いとして検出することができる。
その他、標識プローブを必要としない方法として、例えば、変性剤濃度勾配ゲル(denaturant gradient gel electrophoresis: DGGE法)等を例示することができる。DGGE法は、変性剤の濃度勾配のあるポリアクリルアミドゲル中で、DNA断片の混合物を泳動し、それぞれの不安定性の違いによってDNA断片を分離する方法である。ミスマッチのある不安定なDNA断片が、ゲル中のある変性剤濃度の部分まで移動すると、ミスマッチ周辺のDNA配列はその不安定さのために、部分的に1本鎖へと解離する。部分的に解離したDNA断片の移動度は、非常に遅くなり、解離部分のない完全な二本鎖DNAの移動度と差がつくことから、両者を分離することができる。
具体的には、まずPCR法等によって多型部位を含む領域を増幅する。増幅産物に、塩基配列がわかっているプローブDNAをハイブリダイズさせて2本鎖とする。これを尿素などの変性剤の濃度が移動するに従って徐々に高くなっているポリアクリルアミドゲル中で電気泳動し、対照と比較する。プローブDNAとのハイブリダイズによってミスマッチを生じたDNA断片では、より低い変性剤濃度位置でDNA断片が一本鎖になり、極端に移動速度が遅くなる。こうして生じた移動度の差を検出することによりミスマッチの有無を検出することができる。
更にDNAアレイを使って塩基種を決定することもできる(細胞工学別冊「DNAマイクロアレイと最新PCR法」,秀潤社,2000.4/20発行,pp97-103「オリゴDNAチップによるSNPの解析」,梶江慎一)。DNAアレイは、同一平面上に配置した多数のプローブに対してサンプルDNA(あるいはRNA)をハイブリダイズさせ、当該平面をスキャンすることによって、各プローブに対するハイブリダイズが検出される。多くのプローブに対する反応を同時に観察することができることから、例えば、多数の多型部位について同時に解析するには、DNAアレイは有用である。
一般にDNAアレイは、高密度に基板にプリントされた何千ものヌクレオチドで構成されている。通常これらのDNAは非透過性(non- porous)の基板の表層にプリントされる。基板の表層は、一般的にはガラスであるが、透過性(porous)の膜、例えばニトロセルロースメンブレムを使用することもできる。
本発明において、ヌクレオチドの固定(アレイ)方法として、Affymetrix社開発によるオリゴヌクレオチドを基本としたアレイが例示できる。オリゴヌクレオチドのアレイにおいて、オリゴヌクレオチドは通常インビトロ(in vitro)で合成される。例えば、photolithographicの技術(Affymetrix社)、および化学物質を固定させるためのインクジェット(Rosetta Inpharmatics社)技術等によるオリゴヌクレオチドのインサイチュ合成法が既に知られており、いずれの技術も本発明の基板の作製に利用することができる。
オリゴヌクレオチドは、検出すべきSNPsを含む領域に相補的な塩基配列で構成される。基板に結合させるヌクレオチドプローブの長さは、オリゴヌクレオチドを固定する場合は、通常10〜100ベースであり、好ましくは10〜50ベースであり、さらに好ましくは15〜25ベースである。更に、一般にDNAアレイ法においては、クロスハイブリダイゼーション(非特異的ハイブリダイゼーション)による誤差を避けるために、ミスマッチ(MM)プローブが用いられる。ミスマッチプローブは、標的塩基配列と完全に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとのペアを構成している。ミスマッチプローブに対して、完全に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドはパーフェクトマッチ(PM)プローブと呼ばれる。データ解析の過程で、ミスマッチプローブで観察されたシグナルを消去することによって、クロスハイブリダイゼーションの影響を小さくすることができる。
DNAアレイ法によるジェノタイピングのための試料は、被検者から採取された生物学的試料をもとに当業者に周知の方法で調製することができる。生物学的試料は特に限定されない。例えば被検者の血液、末梢血白血球、皮膚、口腔粘膜等の組織または細胞、涙、唾液、尿、糞便または毛髪から抽出した染色体DNAから、DNA試料を調製することができる。判定すべき多型部位を含む領域を増幅するためのプライマーを用いて、染色体DNAの特定の領域が増幅される。このとき、マルチプレックスPCR法によって複数の領域を同時に増幅することができる。マルチプレックスPCR法とは、複数組のプライマーセットを、同じ反応液中で用いるPCR法である。複数の多型部位を解析するときには、マルチプレックスPCR法が有用である。
一般にDNAアレイ法においては、PCR法によってDNA試料を増幅するとともに、増幅産物が標識される。増幅産物の標識には、標識を付したプライマーが利用される。例えば、まず多型部位を含む領域に特異的なプライマーセットによるPCR法でゲノムDNAを増幅する。次に、ビオチンラベルしたプライマーを使ったラベリングPCR法によって、ビオチンラベルされたDNAを合成する。こうして合成されたビオチンラベルDNAを、チップ上のオリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションの反応液および反応条件は、基板に固定するヌクレオチドプローブの長さや反応温度等の条件に応じて、適宜調整することができる。当業者は、適切なハイブリダイゼーションの条件をデザインすることができる。ハイブリダイズしたDNAを検出するために、蛍光色素で標識したアビジンが添加される。アレイをスキャナで解析し、蛍光を指標としてハイブリダイズの有無を確認する。
上記方法をより具体的に示せば、被検者から調製した本発明の多型部位を含むDNA、およびヌクレオチドプローブが固定された固相、を取得した後、次いで、該DNAと該固相を接触させる。さらに、固相に固定されたヌクレオチドプローブにハイブリダイズしたDNAを検出することにより、本発明の多型部位の塩基種を決定する。
本発明において「固相」とは、ヌクレオチドを固定することが可能な材料を意味する。本発明の固相は、ヌクレオチドを固定することが可能であれば特に制限はないが、具体的には、マイクロプレートウェル、プラスチックビーズ、磁性粒子、基板などを含む固相等を例示することができる。本発明の「固相」としては、一般にDNAアレイ技術で使用される基板を好適に用いることができる。本発明において「基板」とは、ヌクレオチドを固定することが可能な板状の材料を意味する。また、本発明においてヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが含まれる。
上記の方法以外にも、特定部位の塩基を検出するために、アレル特異的オリゴヌクレオチド(Allele Specific Oligonucleotide/ASO)ハイブリダイゼーション法が利用できる。アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)は、検出すべき多型部位が存在する領域にハイブリダイズする塩基配列で構成される。ASOを試料DNAにハイブリダイズさせるとき、多型によって多型部位にミスマッチが生じるとハイブリッド形成の効率が低下する。ミスマッチは、サザンブロット法や、特殊な蛍光試薬がハイブリッドのギャップにインターカレーションすることにより消光する性質を利用した方法等によって検出することができる。また、リボヌクレアーゼAミスマッチ切断法によって、ミスマッチを検出することもできる。
本発明はまた、上記多型部位を含むDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを提供する。
本発明の上記オリゴヌクレオチドの好ましい態様としては、
(a)URAT1遺伝子のエキソン1領域に存在する多型部位であって、配列番号:31に記載の塩基配列の21位の多型部位、
(b)URAT1遺伝子のエキソン4領域に存在する多型部位であって、配列番号:34に記載の塩基配列の21位の多型部位、
(c)URAT1遺伝子のエキソン9領域に存在する多型部位であって、配列番号:37に記載の塩基配列の19位の多型部位、
を含むDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドである。
本発明のオリゴヌクレオチドは、低尿酸レベルに起因する疾患を検査するための試薬として利用できる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、本発明の上記の多型部位を含むDNAに特異的にハイブリダイズするものである。ここで「特異的にハイブリダイズする」とは、通常のハイブリダイゼーション条件下、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、サムブルックら,Molecular Cloning,Cold Spring Harbour Laboratory Press,New York,USA,第2版1989に記載の条件)において、他のタンパク質をコードするDNAとクロスハイブリダイゼーションを有意に生じないことを意味する。特異的なハイブリダイズが可能であれば、該オリゴヌクレオチドは、検出する遺伝子もしくは該遺伝子の近傍DNA領域における、上記の塩基配列に対し、完全に相補的である必要はない。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件としては、具体的には、通常「1xSSC、0.1% SDS、37℃」程度の条件であり、より厳しい条件としては「0.5xSSC、0.1% SDS、42℃」程度の条件であり、さらに厳しい条件としては「0.2xSSC、0.1% SDS、65℃」程度の条件を例示することができる。但し、上記SSC、SDSおよび温度の条件の組み合わせは例示であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する上記若しくは他の要素(例えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーション反応時間など)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
該オリゴヌクレオチドは、上記本発明の検査方法におけるプローブやプライマーとして用いることができる。該オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いる場合、その長さは、通常15bp〜100bpであり、好ましくは17bp〜30bpである。プライマーは、本発明の上記の多型部位を含むDNAの少なくとも一部を増幅しうるものであれば、特に制限されない。
本発明は、本発明の多型部位を含む領域を増幅するためのプライマー、および多型部位を含むDNA領域にハイブリダイズするプローブを提供する。
本発明において、多型部位を含む領域を増幅するためのプライマーには、多型部位を含むDNAを鋳型として、多型部位に向かって相補鎖合成を開始することができるプライマーも含まれる。該プライマーは、多型部位を含むDNAにおける、多型部位の3'側に複製開始点を与えるためのプライマーと表現することもできる。プライマーがハイブリダイズする領域と多型部位との間隔は任意である。両者の間隔は、多型部位の塩基の解析手法に応じて、好適な塩基数を選択することができる。たとえば、DNAチップによる解析のためのプライマーであれば、多型部位を含む領域として、20〜500、通常50〜200塩基の長さの増幅産物が得られるようにプライマーをデザインすることができる。当業者においては、多型部位を含む周辺DNA領域についての塩基配列情報を基に、解析手法に応じたプライマーをデザインすることができる。本発明のプライマーを構成する塩基配列は、ゲノムの塩基配列に対して完全に相補的な塩基配列のみならず、適宜改変することができる。
本発明のプライマーには、ゲノムの塩基配列に相補的な塩基配列に加え、任意の塩基配列を付加することができる。例えば、IIs型の制限酵素を利用した多型の解析方法のためのプライマーにおいては、IIs型制限酵素の認識配列を付加したプライマーが利用される。このような、塩基配列を修飾したプライマーは、本発明のプライマーに含まれる。更に、本発明のプライマーは、修飾することができる。例えば、蛍光物質や、ビオチンまたはジゴキシンのような結合親和性物質で標識したプライマーが各種のジェノタイピング方法において利用される。これらの修飾を有するプライマーも本発明に含まれる。
一方、本発明において、多型部位を含む領域にハイブリダイズするプローブとは、多型部位を含む領域の塩基配列を有するポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができるプローブを言う。より具体的には、プローブの塩基配列中に多型部位を含むプローブは本発明のプローブとして好ましい。あるいは、多型部位における塩基の解析方法によっては、プローブの末端が多型部位に隣接する塩基に対応するように、デザインされる場合もある。従って、プローブ自身の塩基配列には多型部位が含まれないが、多型部位に隣接する領域に相補的な塩基配列を含むプローブも、本発明における望ましいプローブとして示すことができる。
言いかえれば、ゲノムDNA上の本発明の多型部位、または多型部位に隣接する部位にハイブリダイズすることができるプローブは、本発明のプローブとして好ましい。本発明のプローブには、プライマーと同様に、塩基配列の改変、塩基配列の付加、あるいは修飾が許される。例えば、Invader法に用いるプローブは、フラップを構成するゲノムとは無関係な塩基配列が付加される。このようなプローブも、多型部位を含む領域にハイブリダイズする限り、本発明のプローブに含まれる。本発明のプローブを構成する塩基配列は、ゲノムにおける本発明の多型部位の周辺DNA領域の塩基配列をもとに、解析方法に応じてデザインすることができる。
本発明のプライマーまたはプローブは、それを構成する塩基配列をもとに、任意の方法によって合成することができる。本発明のプライマーまたはプローブの、ゲノムDNAに相補的な塩基配列の長さは、通常15〜100、一般に15〜50、通常15〜30である。与えられた塩基配列に基づいて、当該塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを合成する手法は公知である。更に、オリゴヌクレオチドの合成において、蛍光色素やビオチンなどで修飾されたヌクレオチド誘導体を利用して、オリゴヌクレオチドに任意の修飾を導入することもできる。あるいは、合成されたオリゴヌクレオチドに、蛍光色素などを結合する方法も公知である。
本発明はまた、本発明の低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法に使用するための試薬(キット)を提供する。本発明の試薬(キット)は、本発明の上記プライマーおよび/またはプローブを含む。低尿酸レベルに起因する疾患の検査においては、上記の多型部位を含むDNAを増幅するためのプライマーおよび/またはプローブを用いる。
本発明の試薬には、塩基種の決定方法に応じて、各種の酵素、酵素基質、および緩衝液などを組み合わせることができる。酵素としては、DNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、あるいはIIs制限酵素などの、上記の塩基種決定方法として例示した各種の解析方法に必要な酵素を示すことができる。緩衝液は、これらの解析に用いる酵素の活性の維持に好適な緩衝液が、適宜選択される。更に、酵素基質としては、例えば、相補鎖合成用の基質等が用いられる。
更に本発明の試薬には、多型部位における塩基が明らかな対照を添付することができる。対照は、予め多型部位の塩基種が明らかなゲノム、あるいはゲノムの断片を用いることができる。ゲノムは、細胞から抽出されたものでもよいし、細胞あるいは細胞の分画を用いることもできる。細胞を対照として用いれば、対照の結果によってゲノムDNAの抽出操作が正しく行われたことを証明することができる。あるいは、多型部位を含む塩基配列からなるDNAを対照として用いることもできる。具体的には、本発明の多型部位における塩基種が明らかにされたゲノム由来のDNAを含むYACベクターやBACベクターは、対照として有用である。あるいは多型部位に相当する数百ベースのみを切り出して挿入したベクターを対照として用いることもできる。
さらに、本発明における試薬の別の態様は、上記の多型部位を含むDNAとハイブリダイズするヌクレオチドプローブが固定された固相からなる、検査薬である。
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕 試験集団およびDNA分析
健康被験者93例、低尿酸血症(<3mg/dl)の被験者24例および高尿酸血症(>8mg/dl)の被験者12例を対象に、プロモーター領域(最長-2.0kb)および全エクソンのシークエンシングを行い、URAT1における遺伝子多型をスクリーニングした。プライマー配列を表1に示す。
Figure 2005270053
遺伝子型の決定は、吹田スタディに登録され継続追跡している被験者1875例を対象として、遺伝分析に関して書面によるインフォームド・コンセントを得た上で、TaqMan法によって行った。吹田スタディの選択基準およびデザインは、以前に記載されている(Mannami T, Konishi M, Baba S, et al. Prevalence of asymptomatic carotid atherosclerotic lesions detected by high-resolution ultrasonography and its relation to cardiovascular risk factors in the general population of a Japanese city: the Suita Study. Stroke. 1997;28:518-525.,Iwai N, Baba S, Mannami T, et al. Association of a sodium channel alfa subunit promoter variant with blood pressure. J Am Soc Nephrol. 2002;13:80-85.)。試験プロトコールは国立循環器病センターの倫理委員会の承認を得た。表3にTaqManに用いたプローブおよびプライマーを示す。表中に配列番号も示す。
健康被験者93例におけるURAT1の配列解析により、プロモーター領域内の8種の多型とエクソン領域内の20種の多型が明らかになった(表2および図1)。
Figure 2005270053
上記表2中、塩基数はATGより数えた。本発明者らはTaqManシステムによってSNPsを解析した。上段の表は、健康被検者93例より、下段の表は低尿酸血症の被検者24例より得たものである。
Figure 2005270053
低尿酸血症の24例における配列解析からは、さらに7種のミスセンス変異が判明した(表2下段ならびに図1、2および3:R90H、A226V、R228E、W258Stop、Q312L、D313R(313D-333Pの欠失)およびR477H)。興味深いことに、配列解析の対象に選択した低尿酸血症の24例のうち、258Stopに関して11例がヘテロ型であり、2例がホモ型であった(表2)。
〔実施例2〕 ミスセンス変異に関する相関解析
ミスセンス変異はすべて低尿酸血症の被験者で検出された。これらの変異が低尿酸血症の原因か否かを確認するために、これらのミスセンス変異が尿酸値に及ぼす影響を、相関解析によって調べた。
尿酸値はキット(酵素法、ウリカラー-リキッド、小野薬品工業株式会社)を用いて測定した。
なお、各値は平均±SDとして表す。統計解析はすべてJMP統計パッケージ(SAS Institute, Inc)を用いて行った。多重回帰分析により、尿酸値は性別、body mass index(BMI)、年齢、血漿クレアチニン(Cr)およびアルコール消費量によって決定されることが示された。このため、性別、BMI、年齢、Crおよびアルコール消費量を調整することにより、尿酸値の残差を算出した。
A226V、R228E、Q312LおよびD313R(313D-333Pの欠失)のマイナーアレル頻度は極めて低く、集団全体(被験者1875例またはアレル3750個)で1例のみであった。これらの変異は低尿酸血症の例で検出されたが、これらの変異が実際に低尿酸血症の原因であるか否かを結論づけることはできない。しかし20アミノ酸の欠失(D313R)が、URAT1タンパク質の不活性化をもたらし、低尿酸血症の原因である可能性は高いと考えられる。226V変異は258Stopアレルに関してホモ型の被験者1例から検出されたため、A226V変異の生理的意義は評価できなかった。313L変異は313R(20アミノ酸欠失型)アレル上でのみ検出された。
R90HおよびR477Hの各変異がヘテロ型である被験者(それぞれ14例および5例)は、野生型の遺伝子型を有する者よりも血清尿酸値が有意に低かった(それぞれp<0.0001、表4)。
Figure 2005270053
上記表4中、各値は平均(SD)である。N(M);被験者の数(男性被験者の数)、UA;尿酸(mg/dl)、Res-UA;性別、年齢、BMI、クレアチニンおよびアルコールに関して調整した尿酸値の残差、HUD;尿酸低下療法を受けている被験者の数、HU;高尿酸血症の被験者の数、BMI;body mass index(kg/m2)、Cre;クレアチニン(mg/dl)、HTN;高血圧の被験者の数
これらの2種の変異を有する被験者の平均尿酸値は、258Stopに関してヘテロ型である被験者と同程度であったため、90Hおよび477Hの各変異はURAT1タンパク質を完全に不活性化すると思われる。
W258Stop変異は以前に報告されており、切断型輸送体には輸送活性がないことが示されている(Enomoto A, Kimura H, Chairoungdua A, et al. Molecular identification of a renal urate-anion exchanger that regulates blood urate levels. Nature. 2002;417:447-452.)。この変異に関してヘテロ型またはホモ型の被験者は、野生型の遺伝子型を有する者よりも血清尿酸値が有意に低かった(それぞれp<0.0001、表4)。複合的なヘテロ型変異(258Stopおよび90H)と考えられるものを有し、尿酸値が258Stopアレルに関してホモ型の被験者と同程度である被験者が1例認められた(表4)。
興味深い所見の1つとして、258Stop変異が日本人に極めて高い頻度でみられた。被験者1875例中にヘテロ型が83例(複合ヘテロ型を含む)、ホモ型が3例認められた。258Stopのアレル頻度は2.37%と算出された。
不活性型SLC22A12アレルの頻度(2.96%)が予想外に高かったことは、これらの変異が少なくともヒトにとって有害ではないことを示唆するものである。
〔実施例3〕 その他の表現型およびURAT1変異
尿酸には直接的な生体機能がいくつかあることが認識されている。このため7種の変異をそれぞれ有する被験者と有しない被験者との間で種々の表現型を比較した。
表4に示す通り、高血圧、血漿クレアチニン値、年齢、BMIのいずれに関しても2群間に有意差は認められなかった。
特発性腎性低尿酸血症は運動誘発性急性腎不全と相関することが報告されている(Kikuchi Y, Koga H, Yasutomo et al. Patients with renal hypouricemia with exercise-induced acute renal failure and chronic renal dysfunction. Clin Nephrol. 2000;53:467-472.)。しかし、不活性型URAT1アレルを有する被験者のクレアチニン値は正常であった。不活性型URAT1アレルに関するホモ型が4例認められたが(期待数は1であった)、この4例の被験者の腎機能は正常であった。運動誘発性急性腎不全の発生率も特に高いとは思われなかった。むしろ、高尿酸血症は痛風および腎結石と相関することが知られており、これらの不活性型URAT1変異はヒトにとって有益な可能性がある。
本発明者らが検討した被験者1875例のうち8例は尿酸値が2.0mg/dl未満であった。この8例の被験者のうち4例は本明細書において報告した不活性型変異に関してホモ型[3例はホモ型(258Stop)、1例は複合ヘテロ型(258Stop+80H)]であり、2例はヘテロ型(258Stop)であった。残りの2例における低尿酸血症の原因は、本明細書で報告した変異からは説明できなかった。
さらに本発明では、不活性型SLC22A12アレルを有する被験者の平均年齢は、不活性型SLC22A12アレルを有しない被験者と有意差がなかった。遺伝子型頻度にハーディ・ワインベルグ平衡からの偏りはみられなかった。不活性型SLC22A12アレルを有する被験者は生涯を通じて尿酸値が低いため、尿酸値の低値は寿命の短さとは相関しないと思われる。
〔実施例4〕 一般的多型に関する相関解析
URAT1の一般的多型の影響についても調べた。連鎖不平衡に基づき、一般的多型を6つの異なる群(表5)に分類し、6群のそれぞれを代表する遺伝子型を決定した。
多型間の連鎖不平衡(R二乗値)は、SNPAlyze統計パッケージ(Dynacom)を用いて算出した。
Figure 2005270053
R90H、R477HおよびW258Stopの各変異は影響が大きいことから、これらの変異を有する被験者は以下の相関解析から除外した。R228EおよびD313R(+Q312L)変異(低尿酸血症例のみで検出)の影響はまだ明確でないため、これらの変異を有する被験者も除外した。
表6に、尿酸値および尿酸値残差に対する一般的多型の影響を示す。
遺伝子型と尿酸値残差との関連は、一元配置ANOVAによって分析した。被験者が尿酸低下薬による治療を受けている場合、または尿酸値が7.0mg/dl以上である場合には高尿酸血症と分類した。
Figure 2005270053
これらの6つの多型はいずれも血清尿酸値に影響を及ぼさなかった。p値の補正にはボンフェローニの方法を用い、6(分析した多型の数)の乗算によって行った。
URAT1遺伝子の多型を示す図である。URAT1遺伝子の概略図の上に多型の部位を示した。矢印は多型の部位を示す。多型部位を表す数字は表2の数字と対応している。 URAT1遺伝子におけるミスセンス変異を示す図である。ミスセンス変異の部位を、尿酸-陰イオン輸送体の予想されるタンパク質構造の上に示した。1〜12の数字は膜貫通ドメインを示す。 ミスセンス変異の配列を示す図である。ミスセンス変異の周辺の配列を示した。矢印は変異部位を示す。 図3の続きの図である。

Claims (8)

  1. 被検者について、以下の(a)〜(c)のいずれかの多型部位の塩基種を決定することを特徴とする、低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法。
    (a)URAT1遺伝子のエクソン1領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1016位の多型部位
    (b)URAT1遺伝子のエクソン4領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1521位の多型部位
    (c)URAT1遺伝子のエクソン9領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の2177位の多型部位
  2. 多型部位の塩基種が以下のいずれかの場合に、被検者は低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性である、もしくは高尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患抵抗性であるものと判定される、請求項1に記載の検査方法。
    (a)URAT1遺伝子のエクソン1領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1016位の多型部位の塩基種がA
    (b)URAT1遺伝子のエクソン4領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の1521位の多型部位の塩基種がA
    (c)URAT1遺伝子のエクソン9領域に存在する多型部位であって、配列番号:1に記載の塩基配列の2177位の多型部位の塩基種がA
  3. 被検者について、以下の(a)〜(c)のいずれかに記載のアミノ酸変異、もしくは該アミノ酸変異に相当するURAT1遺伝子上のDNA変異が検出された場合に、低尿酸レベルに起因する疾患に対して疾患感受性であるものと判定する工程を含む、低尿酸レベルに起因する疾患の検査方法。
    (a)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の90位のアルギニンがヒスチジンへ置換されたアミノ酸変異
    (b)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の258位のトリプトファンにて翻訳が終結するアミノ酸変異
    (c)URAT1タンパク質のアミノ酸配列であって、配列番号:2に記載のアミノ酸配列の477位のアルギニンがヒスチジンへ置換されたアミノ酸変異
  4. 低尿酸レベルに起因する疾患が低尿酸血症、または急性腎不全疾患である、請求項1〜3のいずれかに記載の検査方法。
  5. 請求項1に記載の多型部位を含むDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチド。
  6. 請求項5に記載のオリゴヌクレオチドを含む、低尿酸レベルに起因する疾患を検査するための試薬。
  7. 請求項1に記載の多型部位を含むDNAを増幅するためのプライマーオリゴヌクレオチドを含む、低尿酸レベルに起因する疾患を検査するための試薬。
  8. 低尿酸レベルに起因する疾患が低尿酸血症である、請求項6または7に記載の試薬。
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