JP2005270007A - 安定化酵素及びその製造方法並びにその安定化酵素を用いた材料合成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反応速度、光学選択性に優れ、かつ室温で放置でき、有機溶媒中でも活性を保持する安定化酵素及び酵素の安定化方法を提供すること。また、反応速度、光学選択性に優れた酵素反応を用いた材料合成方法を提供すること。
【解決手段】 酵素の緩衝溶液にイオン性液体を加えた後、凍結乾燥することでイオン性液体でコートした酵素となり、室温で放置可能な、有機溶媒中でも活性を保持する安定化酵素となる。この安定化酵素を材料合成反応に用いることにより、反応速度、光学選択性に優れた材料合成方法が提供できる。イオン性液体の中でも特にBrij−ILを基質アルコールに対して10mol%以下の割合で酵素反応液に加えることが有効である。
【選択図】 なし

Description

本発明は安定化酵素およびその製造方法並びにその安定化酵素を用いた材料合成方法に関する。
イオン性液体は一般にイミダゾリウムなどのカチオンと適当なアニオン(Br-、AlCl4 -、BF4 -、PF6 -など)との組み合わせで構成され、不揮発性、難燃性、高い熱安定性などの優れた性質を持つ。このためイオン性液体は溶媒抽出や化学反応の溶媒として広く研究されている。
一方、高い選択性をもつ酵素反応は工業的利用価値が高く、例えば、リパーゼは温和な条件で幅広い有機化合物基質と反応し、高い純度をもつ光学活性アルコールや光学活性エステルを与えるので、医薬、農薬、食品分野などの材料の合成手段として有用である。
こうしたことから、イオン性液体を酵素反応の溶媒として応用する研究がいくつか報告されている。
例えば、酵素の選択性向上の研究として、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンを含むイオン性液体中でリパーゼによるアルコールの不斉アシル化反応があり、高い光学選択性を示すことが報告されている(非特許文献1、2参照のこと)。しかし、反応率は通常の有機溶媒を用いた場合に比べて劣るか、あるいはほぼ同じという結果に留まっている。
また、超臨界二酸化炭素溶媒で酵素反応を行う場合にイオン性液体が存在すると酵素が安定化するという報告がある(非特許文献3参照のこと)。
さらに、ポリエチレングリコールで処理したリパーゼが、イオン性液体(1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム=ヘキサフルオロホスフェート)中で高い活性を示すことが報告されている(非特許文献4参照のこと)。しかし、この方法ではリパーゼの顕著な安定性向上は報告されていない。
さらに、1−ブチル−2、3−ジメチルイミダゾリウム=テトラフルオロボレートを溶媒に用いればリパーゼを繰り返し使用可能であることが報告されている(非特許文献5参照のこと)。しかし、反応速度、光学選択性をともに大きく向上させることはできていない。
ところで、こうした酵素は、リパーゼなどの加水分解酵素に限らず、一般に、冷蔵庫や冷凍庫など低温で保存しないと失活することが知られており、簡単な処理で安定に酵素を保存する方法が求められている。
T. Itoh, N. Ouchi, S. Hayase, Y. Nishimura, Chem.Lett. 2001, 262. T. Itoh, N. Akasaki, K. Kubo, S. Shirakami, Chem.Lett. 2003, 32, 654. P. Lozano, T. De Diego, J. P. Guegan, M. Vaultier, J. L. Ibora, Biotechnol. Bioeng., 2001, 75, 563. T. Itoh, Y. Nishimura, N. Ouchi, S. Hayase, J.Mol.Catalysis.B:Enzymatic, 2003, 26, 41. T.Maruyama,S.Nagasawa, M.Goto,Biotechnol.Lett.2002, 24, 1341.
本発明の目的は、この様な状況に鑑み、反応速度、光学選択性に優れた安定化酵素を提供することである。
本発明の安定化酵素は、酵素反応の反応溶液中にイオン性液体を添加すること、又は、酵素反応を発現する酵素を溶解した緩衝液中にイオン性液体を加えること、により得られ、安定性、反応速度、選択性を向上させた酵素となり、例えば、室温で長時間失活せず、有機溶媒中で高い反応性と選択性を持つ。
本発明の安定化酵素は、前記酵素の有効成分である酵素タンパクが溶解されてなる緩衝液中に酵素タンパクに対して例えば、等モル以上の前記イオン性液体を加えた後、凍結乾燥することで得られ、非常に安定である。
また、本発明の安定化酵素は、酵素を含む反応溶液中にイオン性液体を酵素反応の基質に対して例えば、10mol%以下の割合で添加することで形成されて成り、容易に形成され得る。
前記イオン性液体としては、Brij−ILが好ましく用いられ、また、酵素がリパーゼ類である場合に有効である。
本発明の安定化酵素を用いた材料合成反応は、優れた反応速度、選択性を併せ持つものとなる。
本発明の安定化酵素の製造方法によれば、室温や有機溶媒中では容易に失活してしまう酵素を、容易かつ効率的に安定化することができ、また製造された安定化酵素は、室温で長時間保存できるものとなる。また、本発明の安定化酵素を用いた製造方法により、目的化合物、特に光学活性な有機化合物を、高効率かつ選択的に生産できる。
本発明に好ましく用いられるイオン性液体のカチオンとしては、イミダゾリウムカチオン(化1)、ピリジニウムカチオン(化2)、ピロリジニウムカチオン(化3)、アンモニウムカチオン(化4)、トリアジン誘導体カチオン(化5)が挙げられる。
Figure 2005270007
Figure 2005270007
Figure 2005270007
Figure 2005270007
Figure 2005270007
ただし、(化1)〜(化5)において、R1〜R17はそれぞれH、C、F、O、Nのうち少なくとも1種類の原子を含む置換基または水素である。
一方、本発明に好ましく用いられるイオン性液体のアニオンとしては、BF4 -、PF6 -、NO3 -、RCOO-、RSO3 -、NH2CHRCOO-、RSO4 -(ここでRはH、C、F、O、Nのうち少なくとも1種類の元素を含む置換基または水素である)が挙げられる。
特に、イミダゾ−ルまたはその誘導体のカチオン(化1)と(化6)で表される硫酸またはその誘導体のアニオン(ここでn=3〜20であり、R18は炭素原子1〜30個のアルキル基)からなるイオン性液体が本発明に用いるイオン性液体として優れている。
Figure 2005270007
本発明は、例えば、酵素タンパクを溶解した緩衝液中に酵素に対して等モル以上のイオン性液体を加えて凍結乾燥し、室温で保存できるイオン性液体処理酵素を調製する方法である。また、本発明は、酵素を含む溶液にイオン性液体を基質に対して例えば10mol%以下の割合で添加する方法である。このような材料合成方法を用いることにより、酵素の反応速度、選択性を良好に向上させることができる。
例えば、1‐ブチル−2、3ジメチルイミダゾリウムカチオンとBrij−56から誘導したアルキル硫酸アニオンからなるイオン性液体をリパーゼの溶液に加えれば、大きな安定化、反応加速、選択性向上を実現することができる。
本発明の製造方法により製造した安定化酵素を材料合成方法として用いた場合、例えば酵素としてリパーゼを用い、基質として、ラセミ体2−フェニルエタノール((±)ー1)及び酢酸ビニルを用いた合成反応においては、相対速度1.5%conv./h以上の反応性、E値140以上の光学選択性得られ、また、この安定化酵素は室温で3日間以上失活しない安定性を持つ。
(Brij−ILの合成)
図1の(1)及び(2)に示す反応スキームにより、イオン性液体であるBrij‐ILを合成した。
二口ナスフラスコにBrij‐56 54.64g(80mmol)、及びアミド硫酸 3.88g(40mmol)を入れ、110℃で24時間加熱した後、室温で放置冷却したところ、淡黄白色固体が得られた。これが図1の(1)の反応スキームである。
これに1−ブチルー2,3−ジメチルイミダゾリウム=クロリド 7.54g(40mmol)の乾燥アセトン溶液60mlを加えて50℃で24時間攪拌した。続いて、得られたアセトン溶液をセライト濾過して塩化アンモニウムを除き、さらにアセトンで4回洗浄を行った。次に、洗浄したアセトン溶液に活性炭を加えて10分間室温で攪拌したのちセライト濾過した。濾液を中性の活性アルミナ(タイプI)を充填したカラムに通し、得られたアセトン溶液を濃縮乾固し、これを60℃、1Torrで24時間減圧して溶媒を除去したところ、灰白色固体 13.6gが得られた。得られた灰白色固体の融点は35〜37℃であり、IRおよび1H NMR、13C NMR測定の結果は以下の通りとなった。これより得られた灰白色個体はBrij−ILと同定された。これが図1の(2)の反応スキームである。
IR(neat) 2916,2851,1468,1350(SO2逆対称伸縮),1252, 1115(SO2,対称伸縮),951,845 cm-1.
1H NMR (500 MHz, 溶媒CDCl3) 0.80 (3H, t, J=7.4 Hz), 0.88 (3H, t, J= 7.3 H
z), 1.10-1.30 (32H, m), 1.29-1.31 (2H, m), 1.47-1.50 (4H, m), 1.70-1.73 (2H, m), 2.61 (3H, s), 3.36 (4H, t, J= 5.1 Hz), 3.49-3.62 (34H, m), 3.81 (3H, s), 4.00 (2H, t, J=5.1 Hz), 4.07 (2H, t, J=7.8 Hz), 7.31 (1H, s), 7.45 (1H, s)
13C NMR (125 MHz, 溶媒CDCl3) 9.48, 13.20, 13.77, 19.23, 22.30, 25.73, 28.9
8, 29.11, 29.23, 29.31, 31.35, 31.54, 35.06, 48.01, 61.20, 65.78, 69.68, 69.05, 70.19, 71.12, 72.26, 120.17, 122.65, 143.57 ppm
(実施例1)
図2に示す反応スキームにより、酵素であるリパーゼによる反応を実施した。
基質として、ラセミ体2−フェニルエタノール((±)ー1)を50mg(0.41mmol)、酢酸ビニルを55mg(0.6mmol)、溶媒としてジイソプロピルエーテル(2.0ml)、そして酵素としてリパーゼ(Lipase PS)を925mg(50wt%)、ビーカーに入れて、さらにそこに添加物としてイオン性液体であるBrij−ILを37mg(0.04mmol:ラセミ体2−フェニルエタノール((±)ー1)に対して10mol%)加えて35℃で攪拌した。
反応をガスクロマトグラフィーで追跡し、生成したアセタートと残るアルコールの比率がほぼ1:1になった時点で酢酸エチルを反応溶液に加えて反応を停止し、即座にセライト濾過して酵素を除去し、ろ液を減圧濃縮したのちシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製して(R)−体アセタート2(図2中の(R)ー2)と(S)−体アルコール3(図2中の(S)ー3)を単離した。
得られた(R)−体アセタート2と(S)−体アルコール3の光学純度(ee2、ee3)を高速液体クロマトグラフィー(カラム・Chiralcel OD、溶媒・ヘキサン:イソプロピルアルコール=8:1)により決定し、これらの値から転化率c(%conversion)を以下の数式1により算出した。
Figure 2005270007
算出した転化率c(%conversion)を反応時間(time)で割った値を相対速度(relative rate)と定義し、この相対速度の値により酵素活性の評価を行った。この場合の相対速度は2.3%conversion/time(h)であった。
また、以下の数式2によりEを定義し、Eの値により光学選択性の評価を行った。この場合のE値は200より大きな値であった。結果を表1にまとめる。
Figure 2005270007
表1において、
aは単離収率、
bは高速液体クロマトグラフィーにより決定(カラム・Chiralcel OD、溶媒・ヘキサン:イソプロピルアルコール=8:1)される光学純度、
cは(R)−2および(R)−3の光学純度(ee2、ee3)から数式1により計算される値、
dはガスクロマトグラフィー結果より決定される反応時間2時間に対する%conv./h、
eは文献(C. -S. Chen, Y. Fujimoto, G. Girdauskas, and C. J. Sih, J. Am. Chem. Soc., 1982, 102, 7294.)に基づき数式2により計算される値である。
全くエナンチオ選択性が無い場合はE=1となり、実用可能な系でのE値は20以上であり、また、完璧なエナンチオ選択性を示す場合はE値が100以上となる。
Figure 2005270007
(実施例2)
酵素反応の溶媒として、実施例1において用いたジイソプロピルエーテルの代わりに、実施例2ではヘキサンを用い、他の条件は実施例1と同じにした。
その結果を表1に示す。実施例2では、相対速度は1.7%conversion/time(h)であり、E値は480より大きくなった。従って、溶媒がヘキサンの場合でもBrij−ILを添加した系では高い反応速度、光学選択性を示すことが判った。
(比較例1)
比較例1では、実施例1においては添加したBrij−ILを添加せずに酵素反応を行ない、他の条件は実施例1と同じにした。
その結果を表1に示す。比較例1では、相対速度は1.4%conversion/time(h)、E値は9であった。溶媒にジイソプロピルエーテルを用いた場合には、Brij−ILを添加しなければ反応速度、光学選択性とも低いことが判った。
(比較例2)
比較例2では、実施例2においては添加したBrij−ILを添加せずに酵素反応を行ない、他の条件は実施例1と同じにした。
その結果を表1に示す。比較例2では、相対速度は0.9%conversion/time(h)、E値は130であった。溶媒にヘキサンを用いた場合にもBrij−ILを添加しなければ反応速度、光学選択性とも低いことが判った。
表1に示すように、系にBrij−ILを添加しない場合には、相対速度、光学選択性ともに低くなった。すなわちBrij−ILの添加は、リパーゼによるアルコールのアシル化反応の反応加速、光学選択性向上に極めて効果的である。
(実施例3)
Lipase PS(Amano) 1gを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2、10ml)に溶かして3500rpmで5min.間遠心分離を行い、セライトを沈殿させた。
次に、上澄み液を50mlフラスコにとり即座に液体窒素で凍結し、減圧しつつ室温まであげて凍結乾燥法で溶媒を留去して乾燥し、これを対象用Native Lipase PSとした(収量289mg)。
アルゴン雰囲気下で、30mlフラスコに、Native Lipase PSを7.5mg、ジイソプロピルエーテルを3.0ml、Brij−ILを36.6mg(0.04mmol)、入れて室温で3日間放置した後、実施例1と同様の酵素反応を行った。結果を表2に示す。酵素活性は強く、反応は極めて早かった。
表2において、
aは35℃で2時間攪拌し、ガスクロマトグラフィーで検定した結果に基づく値である。生成物である2−フェニルエチルアセタートと基質である2−フェニルエタノールのガスクロマトグラムの面積比はあらかじめ標品を測定することで検定した。転換率は基質がアセタートに転換された割合を重量百分率で示したものである。
Figure 2005270007
(比較例3)
アルゴン雰囲気下、30mlフラスコに、Lipase PSを25mg(Clite担持とする、実施例3の結果から、289mg/1gが酵素タンパクとされるため、酵素量は約7.5mgに相当)、ジイソプロピルエーテルを3.0ml、入れて室温で3日間放置した後、実施例1と同様の酵素反応を行った。結果を表2に示す。反応は極めて遅く、10時間で転化率が数%conv.であった。Brij−ILを加えないLipase PSは3日間の室温放置で活性が著しく失われることが判った。
(比較例4)
アルゴン雰囲気下,30mlフラスコに、Native Lipase PSを7.5mg、ジイソプロピルエーテルを3.0ml、入れて室温で3日間放置した後、実施例1と同様の酵素反応を行った。結果を表2に示す。酵素は完全に失活していた。つまり、Brij−ILを加えないNative Lipase PSは3日間の室温放置で活性が完全に失われることが判った。
上記実施例3、比較例3、及び比較例4の結果から、Brij−ILを添加したNative Lipase PSは3日間の室温放置の後も活性が保たれることがわかった。これに対して、比較例3及び比較例4では、Brij−ILを加えていないので、3日間室温で放置すると酵素活性は著しく低下した。
(実施例4)
Lipase PS(Amano) 1g を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2、10ml)に溶かして3500rpmで5min.間遠心分離を行い、セライトを沈殿させた。
次に、上澄み液を50mlフラスコにとり、この溶液にBrij−ILを29mg加えて溶解した。ついで、即座にこれを液体窒素で凍結し、減圧しつつ室温まであげて凍結乾燥法で溶媒を留去して乾燥し、これをBrij−IL−coated Lipase PSとした(収量297mg)。
アルゴン雰囲気下、30mlフラスコに、Brij−IL−coated Lipase PSを7.5mg、ジイソプロピルエーテルを3.0ml、入れて室温で3日間放置した後、実施例1と同様の酵素反応を行った。結果を表2に示す。酵素活性は極めて強く、2時間反応時の反応速度では、比較例3に示したジイソプロピルエーテル中で室温で3日間放置した市販Lipase PS(Clite担持)の反応速度の2600倍もの大きな反応速度を示した。つまり、Brij−IL−coated Lipase PSでは室温で3日間放置後も活性が保たれることが判った。
Brij−ILの合成スキーム。 Lipase PSによる、ラセミ体2−フェニルエタノール((±)−1)および酢酸ビニルを反応基質とする酵素反応の反応スキーム。

Claims (7)

  1. 酵素反応に用いられる安定化酵素であって、該酵素反応の反応溶液中にイオン性液体を添加すること、又は、該酵素反応を発現する酵素を溶解した緩衝液中にイオン性液体を加えること、により得られる安定化酵素。
  2. 請求項1に記載の安定化酵素であって、前記酵素の有効成分である酵素タンパクが溶解されてなる緩衝液中に前記酵素タンパクに対して等モル以上の前記イオン性液体を加えた後、凍結乾燥することで得られることを特徴とする安定化酵素。
  3. 請求項1に記載の安定化酵素であって、前記酵素を含む前記反応溶液中に前記イオン性液体を前記酵素反応の基質に対して10mol%以下の割合で添加することで形成されて成ることを特徴とする安定化酵素。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の安定化酵素であって、前記イオン性液体がBrij−ILであることを特徴とする安定化酵素。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の安定化酵素であって、前記酵素がリパーゼ類であることを特徴とする安定化酵素。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の安定化酵素の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の安定化酵素を用いた材料合成方法。
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