JP2005269959A - 乾燥肉様食品及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物性原料、特におからを用いて乾燥肉様食品を製造する方法の提供。
【解決手段】おからをグルタミン酸又はその塩の存在下に麹で発酵し乾燥することにより乾燥肉様食品を製造する。該食品のpHは3.5〜5.5であり、乾燥固形分は35〜95%である。おからの平均粒子径は5〜100ミクロンがよい。麹は豆麹を必須とし、米麹、麦麹、芋麹でもよい。発酵の程度は発酵物を割った時糸を引く程度がよい。麹添加量はおからに対し0.5〜10%、グルタミン酸又はその塩の添加量はおからに対し0.5〜20%がよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、おからを麹菌で発酵し乾燥した乾燥肉様食品及びその製造法に関する。
従来、おからを麹菌を用いて発酵して味噌、醤油、ジャンなどの調味料を製造することが多く試みられている。これらは伝統技術の中で豆やおからに麹を植えて完全発酵するものであり味噌は柔らかい可塑性物質であり、醤油は液体状であり、自体組織を有するものではない。また、納豆は納豆菌を用いて発酵するが組織を有するものではない。例外的に納豆と称しながらも納豆菌でなくて麹菌を用いる納豆がある。例えば、浜松の浜納豆、京都の大徳寺納豆、一休寺納豆、奈良の浄福寺納豆などは黒く、糸引き納豆とは別のもので、味噌に近く、納豆菌ではなく麹で発酵させた塩味の乾燥納豆である。しかしながら組織を有するものではない。
一方、肉を主原料としたジャーキーのような乾燥肉の製造法は多く知られている。例えば、特許文献1には、半乾燥肉とチーズとの重ね合わせ製品が開示されている。また、特許文献2には、繊維状に加工した肉をチーズ類とともに加熱し押し出すことにより、繊維性の良好な繊維状肉、さらにこれを乾燥することにより繊維状乾燥肉を製造することが開示されている。しかし、これらは主原料として植物性素材を用いるものではなく、また麹で発酵するものでもない。その他肉類と植物性蛋白を利用したものとして特許文献3には、繊維状大豆加工品と畜肉を混和し、成型後乾燥する乾燥肉様食品の製造法が開示されている。しかし、植物性素材、特におからを発酵して乾燥肉様食品を製造することは知られていない。特に麹菌を用いて発酵した乾燥肉様食品など知られていない。
特開平9−285270号公報 特開平7−099934号公報 特開昭58−076068号公報
本発明は植物性原料、特に大豆蛋白製造工程で生産されるおからや豆腐製造工程で生産されるおからなどを用いて乾燥肉様食品を製造することを目的とした。
本発明者等は植物性原料のなかでも大豆蛋白や豆腐を製造する工程で副産されるおからを麹を用いて発酵してなんとか組織を形成出来ないか鋭意研究するなかで、グルタミン酸塩を添加することで糸をひくようになり組織を形成でき、これを乾燥することにより乾燥肉様食品を製造できる知見を得て本発明を完成するに到った。即ち、本発明は、おから及びグルタミン酸もしくはその塩を麹で発酵した乾燥肉様食品である。該食品のpHは3.5〜5.5が好ましい。乾燥固形分は35〜95重量%が好ましい。おからの平均粒子径は5〜100ミクロンが好ましい。また、本発明は、おからをグルタミン酸又はその塩存在下に麹で発酵・乾燥することを特徴とする乾燥肉様食品の製造法である。麹は豆麹が適当である。麹は豆麹を必須として米麹、麦麹、芋麹の1種または2種以上から選ばれた麹が好ましい。発酵は好気的に行うことが好ましい。発酵の程度は発酵物を割ったとき糸をひく程度行われたものであればよい。麹をおからに対して0.5〜10重量%用いることが好ましい。グルタミン酸又はその塩のおからに対する量が0.5〜20重量%であることが好ましい。
本発明によりおからから乾燥肉様食品を得ることが可能になったもので、それまで主に餌料などとして利用されたり、廃棄されていたおからの高度利用を可能にしたものであり産業の発達に寄与するものである。
まず、本発明の乾燥肉様食品の製造法について説明する。本発明の乾燥肉様食品はおからとグルタミン酸塩を麹で発酵・乾燥して得ることが出来る。
本発明で用いるおからは脱脂大豆に加水しスラリーから豆乳画分を抽出した残渣、所謂脱脂おから、また、加水膨潤大豆から豆乳を抽出した後の残渣、所謂おからを用いることが出来る。市販おからは通常300ミクロン以上の粗い粒子径を有するので得られる乾燥肉の発酵に時間がかかり、食感も粗いが、粒子径が5〜100ミクロン、好ましくは20〜60ミクロンの細かく摩砕されたおからを用いると発酵が速いだけでなく得られる乾燥肉の食感がきめ細かく口当たりが良いものとなる。かかる粒子径の細かなおからは粉砕機、コミットロール、マイコロイダーなど公知の粉砕手段、摩砕手段を利用して得ることが出来る。また、おからは通常、中性乃至弱酸性であるが、本発明のおからは弱アルカリ性乃至弱酸性のものも用いることが出来る。
本発明においてグルタミン酸又はその塩が必須である。おからと組み合わせて麹菌で発酵することにより発酵が進むとおから粒子同士が互いに結着して組織を形成する。例えば、発酵が進んだ状態で発酵物を割ると数cm〜十数cmもの長い糸を曳く様子が観察される。かかる粘性物質がおからなどの原料の粒子を結着させて組織を形成させる。発酵が進んだ乾燥肉様食品を食するとグルタミン酸又はその塩特有の味が薄れていやな味がしなくなることから、組織を形成する粘着物質は麹菌のグルタミナーゼなどの酵素がグルタミン酸塩に作用してポリグルタミン酸を形成したのではないかと推察する。本発明においてグルタミン酸又はその塩の添加はおからを発酵した際の粘性物質の産生を促進し、おからを結着して組織を形成する効果がある。
通常、グルタミン酸又はその塩(例えばグルタミン酸ナトリウム)はおからに対して0.5〜20重量%上乗せ、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは、3〜7重量%上乗せが適当である。グルタミン酸又はその塩の添加量が少ないほどおから粒子同士の結着力が弱く組織を作りにくくなる。多いほど組織を作りやすい。ただ、グルタミン酸又はその塩を過剰に添加すると麹が資化して粘性物質を産生しても資化しきれないグルタミン酸又はその塩が残りグルタミン酸又はその塩特有の味が残る傾向にある。以上を考慮すると、グルタミン酸又はその塩のおからに上乗せする割合はおからの3〜5%が最も好適である。例えばおからに対してグルタミン酸又はその塩を1%添加してもおからの固形分が13%であればおからの固形分に対しては約7.7%となる。また、例えばおからに対してグルタミン酸又はその塩を10%添加すれば、おからの固形分が13%であればおからの固形分に対しては約77%となる。また、例えばおからに対してグルタミン酸ソーダを20%添加すれば、同様に、おからの固形分に対しては約154%となる。以上のように水分を多く含むおからに対して乾燥した粉末状のグルタミン酸又はその塩の割合は乾燥固形分比でみると通常調味を目的として添加する割合をはるかに超える量である。
通常おからは水分70〜90重量%含むので麹を添加する場合は脱水したり、粉末状大豆蛋白やその他の植物性原料(小麦粉、小麦ふすま及、穀類の粉、豆類の粉など)を添加して固形分を20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%とすることがより好ましい。なお、おからとグルタミン酸又はその塩を麹で発酵する際に澱粉が共存すると乾燥時のひび割れを防止する効果がある。
以上のようにおから等とグルタミン酸又はその塩の混合物に麹を添加して発酵させる。おから等に麹を混合した最初のpHは、おからと混合する他の原料にもよるが通常、PH6〜8程度、好ましくは7〜8程度とすることが出来る。
水分調整以外に麹を添加して発酵する際に得られる乾燥肉様食品の風味を良好なものにするためにもおからに大豆蛋白、チーズ、クリーム、芋類から選択された1種または2種以上を添加することが好ましい。特に、チーズの添加は発酵により美味しい風味を醸し出す効果に優れ好ましい。チーズは発酵タイプの未加熱熟成タイプが風味の改善効果に優れ好ましく、加熱殺菌されたプロセスチーズなども用いることが出来る。チーズは天然のチーズと所謂フィルドチーズなど植物性油脂とカゼインなどを乳化して乳酸発酵して得られるチーズ様食品も用いることが出来る。本発明においてチーズはおからに対して上乗せで10%程度が最も好適であり、通常1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%が適当である。
また、大豆蛋白はおからに対して上乗せで通常1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%が適当であり、20%程度が最も好適である。粉末状大豆蛋白を用いる場合には乾燥固形分の割合があがり本発明の乾燥肉様食品の乾燥を速くすることが出来る。本発明においてイモ類は生芋より乾燥芋のほうが好ましく、潰して用いることが出来る。また、粉末状の芋パウダーも用いることが出来る。該芋はおからに対して上乗せで10%程度が最も好適であり、通常1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%とすることが出来る。芋の甘味や本発明の乾燥肉様食品の醤油的な味をマイルドにする効果がある。本発明においてその他の原料として、肉エキス、調肉加水分解調味料などを用いることも出来る。
また、必要によりおからに食塩、グルタミン酸又はその塩以外などのアミノ酸系調味料、核酸系調味料、香料、フレーバー等を添加して肉様風味を付与することも出来る。中でも塩は味噌、醤油などの製造工程でも用いられるように保存性の向上(腐敗防止)、風味向上などの効果があり、本発明においては用いなくても良いが、通常1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%とすることが出来る。通常、味噌とか醤油などより用いる食塩の量は少ないほうが味の点で塩辛くなく好ましい。特にペット用餌として利用する場合には塩の量が制限されるので極力低くすることが適当である。
以上のようにおから及びグルタミン酸又はその塩にその他の原料を添加して水分などを調整して麹を混合して発酵を始める。このときの固形分を20%〜70%、好ましくは30〜60%とすることが適当である。固形分が少ない、換言すれば水分が多いと麹と混合した場合に麹に空気の接触が妨げられて発酵が阻害されたり腐敗するなどして好ましくない。また固形分が高い、換言すれば水分が少ないと、麹の生育速度が遅くなったり、発酵が阻害されるなどして好ましくない。即ち、発酵は適当な水分範囲で空気と十分接触するよう開放系のような好気的な発酵をすることが適当である。味噌や醤油のもろみを作るようなタンクや桶に入れた状態で発酵しても後述するような糸を曳く現象は見られず、おから粒子同士が結着した組織が形成されない。
おからに添加する麹は豆麹、米麹、麦麹、芋麹の1種または2種以上から選ぶことが出来る。本発明において豆麹は必須であり、発酵後の本発明の乾燥肉様食品の組織が滑らかでツルツルと光沢を生じる効果がある。しかし、発酵が進みすぎると醤油的味が生じるので発酵を調整したり後述の米麹などを適当に組み合わせてかかる弊害を防ぐことが出来る。米麹は光沢を促進する効果は劣るものの、色調の変化が極めて少なく、淡い茶色になる効果がある。麦麹、芋麹も米麹と同様な傾向である。従って、これらは色調の調整に好適である。
本発明に用いる麹は、豆麹だけでは、醤油的風味が強く色調も濃い茶褐色となる。また、米麹、麦麹、芋麹をそれぞれ用いたのでは茶色っぽい味噌風味の肉状組織をつくる。従って、豆麹に米麹、麦麹、芋麹を配合することにより、より肉に近い薄い赤色とすることが出来る。また、豆麹、米麹、麦麹、芋麹はそれぞれ微妙に風味が異なり独自の旨みと香りを有するものであり、これらを組み合わせることにより風味をより好ましいものとすることが出来る。また、麹の種類によっておからの発酵の速度や程度が異なる。例えば、豆麹は発酵が早く、おからを軟化させやすく柔らかい発酵物ができるのに対して、米麹、麦麹、芋麹は発酵してもある程度の硬さを有している。この麹のおからに対する発酵の性質を利用して麹の種類を組み合わせることにより、乾燥後の肉様食品の硬さを容易に調製できる。即ち、豆麹を多く利用することによって柔らかい乾燥肉様食品、色調も濃いビーフジャーキー様食品とすることが出来る。また、豆麹の割合を減らしてその他の麹の割合を多くすれば色調も茶色っぽく食感もやや硬いポークジャーキー様とかチキンジャーキー様とすることが出来る。
本発明において、麹はおからに対して0.5%〜10重量%、好ましくは1〜5重量%用いることが好ましい。麹の添加量が少ないと発酵後のおからの組織は肉様の組織を形成せずボロボロに壊れ好ましくない。また、麹の添加量が多いと発酵は早いものの、発酵後のおからの組織が軟化し過ぎたり組織がなくなるなどするほか、風味的に苦い味がするなど好ましくない。これは麹のプロテアーゼ作用によるものと思われる。
本発明の乾燥肉様食品の形態にもよるが、発酵条件は、麹が生育する温度であれば特に制限しないが通常30〜50℃、好ましくは37℃前後が好適である。発酵時間は麹の種類、発酵温度、おからと混合する他の成分などによって異なるので、適当な時間発酵することが出来、通常1日〜10日とすることが出来、例えば発酵熱によって自然乾燥する場合であれば37℃で4日間発酵することにより自然乾燥して乾燥肉様食品とすることが出来る。発酵が進行し過ぎると味噌のようになり乾燥しても乾燥肉様食品としては適当な歯ごたえがない。また、発酵が不足するとおからが肉様に組織をなさずボロボロになるだけでなく、風味的にも旨みが出ない。発酵熱で自然乾燥する場合であれば、例えば37℃で4日程度発酵すると水分15〜50%程度の柔らかい乾燥肉様食品を得ることが出来る。おからだけの発酵では水分が高く、チーズなどその他の添加物を用いる場合は水分はより少なくなる。それでもpHが3.5〜5.5、好ましくは4〜5程度であるので水分が比較的高くても腐敗することがなく、長期保存が可能である。例えば、発酵熱で自然乾燥しながら発酵が進んで熟成され、おから粒子同士が結着し、発酵物を割ったとき糸をひくようになる過程で、発酵途中で焼肉様の匂いがするようになる。しかし、冷えると醤油様の匂いになるようである。
前述のように、本発明は通常開放系での発酵のような好気的発酵をする。味噌や醤油のような樽やタンクで発酵し難い。もし発酵の初期段階を樽とかタンクのような容器で発酵したとしても、味噌状になる前の発酵段階でトレー等で10cm以下の厚さに成形し、開放系で発酵を継続しながら、乾燥することが必要である。タンクや桶に入れた厚い層のままの状態で発酵を続けると味噌や醤油の香味になってしまい適当でない。
発酵中に麹はおからの粒子間に粘性物質をつくり、これがおから粒子同士を結着させ、乾燥したときに肉状組織を形成する助けをするものと思われる。例えば、本発明の乾燥肉様食品の製造過程で該食品を割ってみると糸をひいているのが見られる。糸の長さは通常2〜3cm、長いときは10cm程度ひくこともある。かかる糸を曳くことがおからなどの粒子を互いに絡み合うように接着させ組織を形成するものと思われる。
この糸を曳く条件は少なくとも発酵過程で空気と十分接触できるような開放系にさらす必要があるものと思われる。例えば、おからその他の原料とグルタミン酸又はその塩の混合物と麹を混合してタンクなどに入れて発酵すると味噌のようになるが糸を曳いていない。しかし、例えば3日目くらいで取り出して板状に伸ばして成形し、開放系で発酵しながら自然乾燥すると糸を曳く現象が見られる。従って、発酵は成形して十分空気と接触できる状態で発酵するほうが麹による糸曳き効果に優れる。
麹以外に粘性の糸をひく納豆菌で同様に試みても発酵した後のおからを乾燥するとボロボロと組織が壊れ乾燥肉様とはならない。納豆菌は煮豆に植菌するとポリグルタミン酸の粘性物質を産生するが、本願発明のおからでは十分栄養源として資化出来ないと推察される。また毛黴の一種であるテンペ菌を用いて同様に試みても納豆菌と同様発酵後乾燥したおからは組織がボロボロと壊れ、肉様組織にはならない。
本発明の乾燥肉様食品は発酵の前又は後で成形することが出来る。おからと麹を混合した後ジャーキーのような形に成形し、そのまま発酵し、発酵熱を利用して乾燥することが出来る。また、おからと麹を混合して発酵した後、成形し、そのまま乾燥するか、発酵を続けながら自然乾燥することも出来る。
成形は発酵物或いは発酵前のものをプレスで板状に延ばし適当な形状に切断することが出来る。或いは打ち出し成形機などを用いてジャーキーの大きさに成形することも出来る。また、押し出し機を用いて連続的に成形することも出来る。押し出し機は1軸でも2軸でも用いることが出来る。製造される乾燥肉様食品は食べるに適当な大きさであればよく、塊であれば食するときに切ってもよい。しかし、通常は、厚さ1〜20mm、好ましくは3-15mm、より好ましくは5〜10mm程度が食べやすく適当である。ペットフードなどに用いる場合はペットが食べやすい大きさに成形することが適当である。
発酵した後の乾燥は、発酵を開放系で自然乾燥する状態で発酵した場合には更に乾燥する必要はないが、十分に乾燥していない場合や目的により更なる乾燥を要求される場合には乾燥機を用いて乾燥することが出来る。通常、乾燥後の固形分が40〜60重量%では柔らかく、それを超えて90重量%になると硬くなる。従って、柔らかいものはそのままジャーキー様として食することが出来、硬いものはペット用餌などとして利用することが出来る。
次に、本発明の乾燥肉様食品について説明する。本発明の乾燥肉様食品はおから及びグルタミン酸又はその塩を麹で発酵した乾燥肉様食品である。
本発明の乾燥肉様食品のpHは3.5〜5.5、好ましくは4〜5で、麹の発酵によりpHが低下したものであるり、酸性であるので保存にも好適である。本発明の乾燥肉様食品の乾燥固形分は35〜95重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜85重量%である。乾燥固形分40重量%以下では柔らかく、これ以上になるとだんだん硬くなる。本発明の乾燥肉様食品は、おから粒子同士が発酵過程で産生される粘着物質で結着され、組織を構成するものである。本発明の乾燥肉様食品の製造過程で該食品を割ってみると組織間に糸をひいているのが見られる。糸の長さは通常2〜3cm、長いときは10cm程度ひくこともある。本発明のおからは粒径の大きい市販おからでもよいが、好ましくは微細おから(平均粒子径が5〜100ミクロン)が食感が滑らかで好ましい。
以下本発明の実施例を説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
実施例1(湿潤微細おからの利用例)
豆乳の製造工程で得られた微細おから(平均粒子径35ミクロン、水分87%、pH7.5)に対して上乗せで、グルタミン酸ソーダを1%、食塩3%を添加し豆麹(ビオック株式会社)を2%添加してトレイに5ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日経過後で表面が黒ずみ、pHは4.8であった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きがみられた。2日後にはpHは4.5であり、おから粒子同士が結着して繊維状の組織となっていた。風味は醤油的な旨味がしてアミノ酸が生成されていることが考えられる。4日目には固形分が65%となり、ジャーキー様の組織、硬さを示した。
実施例2(乾燥おからの使用例)
乾燥粉末おから(平均粒子径ミクロン、水分4%、pH6.8)に4倍量水を加え、粘稠性を有するおからを調製した。これに、グルタミン酸ソーダをこの含水させたおからに対して1%、食塩3%を添加し豆麹(ビオック株式会社)を1%、米麹1%を添加してトレイに3ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日目で表面が黒ずみ、pHは4.7であった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きがみられた。2日後にはpHは4.4であり、おから粒子同士が結着して繊維状の組織となっていた。風味は醤油と味噌を混ぜた風味がしてアミノ酸が生成されていることが考えられる。4日目には固形分が73%となり、ジャーキー様の組織、硬さを示した。
実施例3(湿潤微細おからと乾燥おからを混合)
実施例1と同じ微細おから100重量部に実施例2と同じ乾燥粉末おからを20重量部を混合し、これに対しグルタミン酸ソーダを1%、食塩3%を上乗せ添加し、市販プロセスチーズ(雪印株式会社製「雪印北海道チーズ」)を5%加えて豆麹(ビオック株式会社)を1%、米麹1%、麦麹1%を添加してトレイに5ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日目で表面が黒ずみ、pHは4.8であった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きがみられた。2日後にはpHは4.2であり、おから粒子同士が結着して繊維状の組織となっていた。風味は醤油味とチーズ味を混ぜた風味がしてアミノ酸が生成されていることが考えられる。4日目には固形分が80%となり、ジャーキー様の組織、硬さを示した。
実施例4(分離大豆蛋白の併用)
実施例1と同じ微細おからに粉末状分離大豆蛋白(不二製油株式会社製「フジプロAL」)を20%上乗せし、グルタミン酸ソーダを1%、食塩3%を添加しビーフエキス(協和発酵株式会社製「ビーフエキス調味剤」)を1%加えて豆麹(ビオック株式会社)を1%、米麹1%、麦麹1%を添加してトレイに5ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日目で表面が黒ずみ、pHは4.8であった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きがみられた。2日後にはpHは4.2であり、おから粒子同士が結着して繊維状の組織となっていた。風味は醤油味とチーズ味を混ぜた風味がしてアミノ酸が生成されていることが考えられる。4日目には固形分が82%となり、ジャーキー様の組織、硬さを示した。
実施例5(グルタミン酸ソーダを振らした例)
実施例1と同じ微細おからに豆麹(ビオック株式会社)を2%添加し、食塩を3%添加、グルタミン酸ソーダを4%又は7%添加してトレイに3ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日後で表面が黒ずみ、グルタミン酸ソーダ4%添加したものはpHは4.7で、グルタミン酸ソーダ7%添加したものはpHは4.8であった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きがみられた。2日後にはグルタミン酸ソーダ4%添加したものはpHは4.5であり、グルタミン酸ソーダ7%添加したものはpHは4.6であった。両者ともおから粒子同士が結着して繊維状の組織となっていた。
風味は醤油味がしてアミノ酸が生成されていることが考えられる。4日目にはグルタミン酸ソーダ4%添加したものは固形分が68%、グルタミン酸ソーダ7%添加したものは70%となり、ジャーキー様の組織、硬さを示した。
比較例1(麹が少ない場合)
実施例1と同じ微細おからにグルタミン酸ソーダを基質に対して1%、食塩2%を添加しプロセスチーズを3%加えて豆麹(ビオック株式会社)を0.3%を添加してトレイに3ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日目で表面が黒ずんではいるが、組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きは見られなかった。4日目には固形分が67%であったが乾燥してひび割れており、肉状組織は作らなかった。
比較例2(麹が多い場合)
実施例1と同じ微細おからにグルタミン酸ソーダを基質に対して1%、食塩3%を添加しプロセスチーズを10%加えて豆麹(ビオック株式会社)を13%を添加してトレイに5ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日目で表面が黒ずんで醤油味が強く辛くて食されるものではなかった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きは見られ肉状組織はできていた。
比較例3(テンペ菌の場合)
実施例1と同じ微細おからにグルタミン酸ソーダを基質に対して1%、食塩3%を添加しプロセスチーズを10%加えてテンペ菌(秋田今野商店)を0.5%を添加してトレイに3ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。表面にくもの巣状の白カビはできたが結着力が弱く肉状組織は作らなかった。
比較例4(納豆菌の場合)
実施例1と同じ微細おからにグルタミン酸ソーダを基質に対して1%、食塩3%を添加しプロセスチーズを10%加えて納豆(成瀬醗酵化学研究所)を0.5%を添加してトレイに3ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。納豆風味、糸ひきはあるものの肉状組織は作らなかった。
実施例6(塩多い例)
実施例1と同じ微細おからに豆麹(ビオック株式会社)を2%添加し、食塩を5%添加、グルタミン酸ソーダ1%添加してトレイに3ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日目で表面が黒ずみ、pHは4.8であった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きがみられた。2日後にはpHは4.5であり、おから粒子同士が結着して繊維状の組織となっていた。風味は醤油味がしてアミノ酸が生成されていることが考えられる。4日目には水分が67%となり、ジャーキー様の組織、硬さを示した。
実施例7 (グルタミン酸量かなり多い場合)
実施例1と同じ微細おからに豆麹(ビオック株式会社)を2%添加し、食塩を3%添加、グルタミン酸ソーダ10%添加してトレイに3ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日目で表面が黒ずみ、pHは4.8であった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きがみられた。2日後にはpHは4.5であり、おから粒子同士が結着して繊維状の組織となっていた。風味は醤油味がしてアミノ酸が生成されていることが考えられる。4日目には水分が55%となり、ジャーキー様の組織、硬さを示した。
実施例8 (グルタミン酸が多過ぎた例)
実施例1と同じ微細おからに豆麹(ビオック株式会社)を2%添加し、食塩を3%添加、グルタミン酸ソーダ11%添加してトレイに3ミリの厚みに延ばし37℃で4日間醗酵乾燥した。この間1日目で表面が黒ずみ、pHは4.8であった。組織を見ると納豆状の粘り気のある糸引きがみられた。2日後にはpHは4.5であり、おから粒子同士が結着して繊維状の組織となっていた。しかし風味はグルタミン酸ソーダ味が強くジャーキー味とはかけ離れていた。
本発明によりおからを主原料とした乾燥肉様食品が可能になったものである。おからに限らず植物性繊維と植物性蛋白を主成分とする素材であれば同様に麹を用いて発酵することにより乾燥肉様食品が製造できる可能性がある。また、肉と本発明の乾燥肉様食品を組み合わせてハイブリッド食品とすることも出来る。肉のコレステロールなどの軽減に効果がある。

Claims (11)

  1. おから及びグルタミン酸もしくはその塩を麹で発酵した乾燥肉様食品。
  2. 食品のpHが3.5〜5.5である請求項1の乾燥肉様食品。
  3. 乾燥固形分が35〜95重量%である請求項1または請求項2の乾燥肉様食品。
  4. おからの平均粒子径が5〜100ミクロンである請求項1〜請求項3のいずれかの乾燥肉様食品。
  5. おからをグルタミン酸又はその塩の存在下に麹で発酵・乾燥することを特徴とする乾燥肉様食品の製造法。
  6. 麹が豆麹である請求項5の製造法。
  7. 麹が豆麹を必須として米麹、麦麹、芋麹の1種または2種以上から選ばれた請求項5の製造法。
  8. 発酵を好気的に行う請求項5の製造法。
  9. 発酵の程度が発酵物を割ったとき糸をひく程度行われたものである請求項5の製造法。
  10. 麹をおからに対して0.5〜10重量%用いる請求項5の製造法。
  11. グルタミン酸又はその塩のおからに対する量が0.5〜20%である請求項5の製造法。
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JP7441567B1 (ja) 2023-04-04 2024-03-01 Agro Ludens株式会社 穀物タンパク質組成物で麹を固体培養した食肉様麹菌体とその製造方法

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