JP2005269906A - インキュベータ装置 - Google Patents

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Hidekazu Hayashibara
秀和 林原
Hiroshi Horimoto
浩 堀本
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Abstract

【課題】反応容器内の反応混合物の温度を、短時間で、且つ正確に制御する。
【解決手段】反応容器10と、温度コントローラ12と、該温度コントローラの熱を反応容器に伝導させるための熱伝導部材(40)を含むインキュベータ装置において、反応容器上面に載置される、反応混合物の温度を外気と遮断するための断熱部材(20)と、各部材の密着性を増すための加圧手段(30、32)とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、微量な反応混合物の温度を、短時間で、且つ、正確に制御するためのインキュベータ装置に関する。
酵素反応等に用いるインキュベータ装置として、図1(分解斜視図)及び図2(断面図)に示す如く、反応混合物を収容するための複数の孔11を有する基板からなる反応容器(マイクロプレートとも称する)10と、該反応容器10の温度を変化させるための、例えばペルチエ素子等でなる温度コントローラ12とを備えたインキュベータ装置において、反応容器10と温度コントローラ12の間に、グラファイトシートのような柔軟な熱伝導性樹脂製シート14を介在させることで、温度コントローラ12と反応容器10の間の熱伝導を促進させることが特許文献1に記載されている。
特開平9−322755号公報
しかしながら、従来のインキュベータ装置は、(1)反応容器10が例えばポリスチレン樹脂の成形品であり、反応混合物を収納しても30〜40g程度と軽量なため、熱伝導性樹脂製シート14や温度コントローラ12との密着が不十分となって、熱伝導性樹脂製シート14と反応容器10との接触熱抵抗値が高くなる。又、(2)結露によって、コンタミネーション(汚染)が生じるのを防止するために、上部に温度コントローラ16を設けると、コストが上昇する。更に、(3)結露を防止するために上部に隙間を設けると、反応混合物の温度が外気へ逃げてしまうために、反応混合物の温度制御に長時間を要するだけでなく、反応容器10の中心付近に位置する孔よりも外周付近に位置する孔の方が外気へ温度移行し易いため、反応容器10内の各孔において温度差が生じ、外側の孔の方が内側の孔より温度が低くなる等の問題点を有していた。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、反応混合物の温度を、短時間で、且つ正確に制御できるようにすることを課題とする。
本発明は、反応容器と、温度コントローラと、該温度コントローラの熱を反応容器に伝導させるための熱伝導部材を含むインキュベータ装置において、反応容器上面に載置される、反応混合物の温度を外気と遮断するための断熱部材と、各部材の密着性を増すための加圧手段とを備えることにより、前記課題を解決したものである。
又、前記反応容器側面からの伝導させるための側面熱伝導手段を更に備えることにより、反応容器側面から熱が逃げるのを防いだものである。
又、前記熱伝導部材を高熱伝導板材とし、前記側面熱伝導手段を高熱伝導性シートとしたものである。
又、前記加圧手段を蓋としたものである。
又、前記蓋に、ばね等の弾性部材を配設して、加圧を確実にしたものである。
又、前記弾性部材と断熱部材の間に、樹脂板材と支持板材を介挿したものである。
本発明によれば、反応容器を上部から加圧することで、反応容器と温度コントローラの接触熱抵抗値が小さくなり、熱の伝導効率を向上して、温度変化の時間を短縮することができる。又、反応容器上面に断熱部材を載置したので、コンタミネーション(汚染)を防止するための上部温度コントローラを設ける必要がなく、コストダウンが図れる。
特に、側面熱伝導手段を設けた場合には、対流による外気との熱交換を利用して、温度コントローラの熱を伝導することができ、反応容器内の複数孔の温度差が減少される。
又、蓋を設けた場合には、蓋の側面を下まで回り込ませることによって、側面から逃げる熱を防止することができ、温度の均一化を図ることができる。
更に、蓋に弾性部材を配設した場合には、加圧を確実に行なうことができる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態は、図3(分解斜視図)及び図4(断面図)に示す如く、図1及び図2に示した従来例と同様のインキュベータ装置において、反応容器10の上面に載置された、反応混合物の温度を外気と遮断するための、例えば発泡ウレタン製の断熱板20と、該断熱板20の上に載置された、加圧による断熱板20の潰れや樹脂板材24の撓みを防止するための、例えば熱が伝わりにくいステンレス板製の支持板22と、該支持板22の上に載置された、断熱用の、例えばABS樹脂製の樹脂板材24と、該樹脂板材24の上から反応容器10と温度コントローラ12を下面に備えた熱伝導板40の上面に押し付けて、これらを密着させるための加圧手段である、例えば透明アクリル樹脂製の箱型の蓋30、及び、その内側に配置されたばね32と、従来例の熱伝導性樹脂製シート14の代わりに配設される、例えば熱が伝わり易いアルミニウム板や銅板製の熱伝導板40と、該熱伝導板40と反応容器10の間に挿入され、反応容器10の側面を覆うように配置された、例えばグラファイトシートでなる高熱伝導性シート42と、を備えたものである。
前記高熱伝導性シート42としては、例えば厚み方向は銅の1/10、面方向は銅の2倍の熱伝導率を有する、異方性のグラファイトシートを用いることができる。なお、特許文献1と同様に、熱伝導性シリコンシートを用いることもできる。
このような構成で、樹脂板材24の上から箱型の蓋30を被せて、ばね32により加圧することで、各部材の密着度が増し、接触熱抵抗値が低くなるため、温度コントローラ12から反応容器10への熱伝導効率が上昇する。又、高熱伝導性シート42の端部が反応容器10の側面を覆うようにされているので、反応容器10の外周付近に位置して外気に近い孔であっても、反応容器10の中心付近に位置する孔と同様に熱を均一に伝導することができる。更に、断熱板20により熱の分散を防ぐと共に、支持板22により、加圧による断熱板20の潰れ防止や樹脂板材24の撓み防止が行なわれている。
本実施形態においては、ばね32を介して反応容器10を加圧しているので、加圧を確実に行なうことができる。なお、ばね32の代わりにゴム等の他の弾性体を用いたり、ばね32を省略し、蓋30を樹脂板材24に直接被せることで、上部構造物の重量や支持板22の重量(100g程度)により、加圧の効果を得ることもできる。
本実施形態においては、又、蓋30を透明アクリル製としているので、中の様子を外部から観測することができる。なお、蓋30を不透明とすることも可能である。
本発明の適用対象は、図3に示す反応容器を有するインキュベータに限定されない。断熱板20や、熱伝導板40や、支持板22の材質も、それぞれ、発泡ウレタンや、アルミニウム、銅や、ステンレスに限定されない。又、樹脂板材24の材質もABS樹脂に限定されない。
特許文献1に記載された従来のインキュベータ装置の構成を示す分解斜視図 同じく断面図 本発明の実施形態の構成を示す分解斜視図 同じく断面図
符号の説明
10…反応容器
12…温度コントローラ
20…断熱板
22…支持板
24…樹脂板材
30…蓋
32…ばね
40…熱伝導板
42…高熱伝導性シート

Claims (6)

  1. 反応容器と、温度コントローラと、該温度コントローラの熱を反応容器に伝導させるための熱伝導部材を含むインキュベータ装置において、
    反応容器上面に載置される、反応混合物の温度を外気と遮断するための断熱部材と、
    各部材の密着性を増すための加圧手段と、
    を備えたことを特徴とするインキュベータ装置。
  2. 前記反応容器側面からの熱を伝導させるための側面熱伝導手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のインキュベータ装置。
  3. 前記熱伝導部材が高熱伝導板材であり、前記側面熱伝導手段が高熱伝導性シートであることを特徴とする請求項2に記載のインキュベータ装置。
  4. 前記加圧手段が蓋であることを特徴とする請求項1に記載のインキュベータ装置。
  5. 前記蓋に弾性部材が配設されていることを特徴とする請求項4に記載のインキュベータ装置。
  6. 前記弾性部材と断熱部材の間に、樹脂板材と支持板材が介挿されていることを特徴とする請求項5に記載のインキュベータ装置。
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