JP2005269828A - ハイブリッドシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャパシタ蓄電装置21の蓄電量が規定値を上回っている場合は、第1切換スイッチ30aを入状態とするとともに第2切換スイッチ30bを切状態とし、キャパシタ蓄電装置21によってモータジェネレータ11からの発電電力の蓄電及びモータジェネレータ11への電力の供給を行い、キャパシタ蓄電装置21の蓄電量が、前記規定値を下回った場合は、第1切換スイッチ30aを切状態とするとともに第2切換スイッチ30bを入状態とし、バッテリ28からモータジェネレータ11への電力の供給を行う。
【選択図】図1
Description
そこで、本発明においては、ハイブリッドシステムにおける蓄電装置として、電気二重層キャパシタを用いるとともにバッテリを併設し、これらキャパシタ蓄電装置及びバッテリを、走行状況や作業状況に応じて使用することにより、モータによるトルクアシスト性能及び発電機による電力回生性能を向上するとともに、モータによる長時間のトルクアシストを可能とするハイブリッドシステムを提供する。
また、第1切換スイッチ及び第2切換スイッチ設け、これらを所定に制御することにより、バッテリからモータへの電力の供給を行う際に、バッテリからキャパシタ蓄電装置に瞬時に過大な電流が流れ込むのを防ぐことができるので、内部抵抗が低いキャパシタ蓄電装置の破壊・故障を防止して保護することができる。そして、キャパシタ蓄電装置の再充電を行う際には、発電機からの発電電力がバッテリへ供給されることがないので、キャパシタ蓄電装置の充電を効率良く行うことが可能となる。
図1は本発明に係るハイブリッドシステムの構成の一例を示す図、図2は定電流制御回路の構成を示す図、図3は定電流制御回路による定電流制御の制御フローを示す図、図4は均等制御回路の構成を示す図、図5はバッテリ電圧の変化を示す図、図6は蓄電システム部の他の構成を示す図、図7はバッテリとキャパシタ蓄電装置それぞれの充放電特性を示す図である。
なお、本実施例においては、モータ及び発電機の機能を兼ね備えたモータジェネレータ11を有するハイブリッドシステムを用いて説明するが、これに限定されず、モータと発電機とを別々に備えた構成のハイブリッドシステム等においても本発明の効果を得ることができる。つまり、本発明は、エンジンにかかる負荷に応じて、エンジンをアシストするモータへのバッテリからの電力の供給、及び発電機によるバッテリの蓄電を行うことを可能とするハイブリッドシステムにおいて適用可能である。
本ハイブリッドシステムは、エンジン2の出力軸部の駆動を、エンジン2とモータとして機能するモータジェネレータ11との両方により可能としている。前記出力軸部から取り出された駆動力は、クラッチ部や動力伝達装置などを介して、自動車や作業機などにおける走行部や各種作業部などの負荷7に伝達される。
また、モータジェネレータ11は、モータまたは発電機として機能するものであり、モータとして機能することによって負荷7を駆動するエンジン2のトルクアシストを行い、発電機として機能することによってその発電電力及び負荷7側の慣性力などによる回生発電を蓄電装置へと蓄電する。
前記インバータコンバータ12は、インバータまたはコンバータとして機能するものであり、入力される電力を直流または交流に変換するとともに、所定の電圧及び周波数に変換するものである。
前記蓄電システム部20は、昇降圧チョッパ22、キャパシタ蓄電装置21、及びバッテリ28を備えており、後述するように、蓄電システム部20が有する各作動態様に応じて作動する。
以上のエンジン2、インバータコンバータ12、及び昇降圧チョッパ22は、制御手段としてのシステムコントローラ1と通信接続されており、該システムコントローラ1によって本ハイブリッドシステムが制御される構成となっている。
モータジェネレータ11をモータとして作動させる場合には、キャパシタ蓄電装置21またはバッテリ28から電力が供給される。キャパシタ蓄電装置21またはバッテリ28から供給される電力は、昇降圧チョッパ22を介してインバータコンバータ12に入力される。この際、昇降圧チョッパ22は昇圧チョッパとして機能し、キャパシタ蓄電装置21またはバッテリ28から供給される電力の電圧を所定の電圧に昇圧してインバータコンバータ12に出力する。このとき、インバータコンバータ12はインバータとして機能して、入力された電力を所定に変換し、この変換された電力をモータジェネレータ11に供給する。
このように、モータジェネレータ11がモータとして作動することにより、その駆動力が、エンジン2のクランク軸と連結しているモータジェネレータ11の駆動軸からエンジン2に伝達されトルクアシストが行われる。
この場合、キャパシタ蓄電装置21及びバッテリ28は、昇降圧チョッパ22を介することなくインバータコンバータ12に接続され、キャパシタ蓄電装置21及びバッテリ28の蓄電容量はモータとして作動するモータジェネレータ11のモータ出力に対応したものとなる。
蓄電システム部20は、発電機として作動するモータジェネレータ11からの発電電力の蓄電及びモータとして作動するモータジェネレータ11への電力の供給を行うキャパシタ蓄電装置21と、インバータコンバータ12への直流電圧供給及びキャパシタ蓄電装置21に対する充放電制御を行う昇降圧チョッパ22と、モータとして作動するモータジェネレータ11への電力の供給を行うバッテリ28とを備えている。
なお、前述したように、ハイブリッドシステムにおいて昇降圧チョッパ22を用いない構成とする場合、この蓄電システム部20においては、昇降圧チョッパ22によるキャパシタ蓄電装置21の制御機能と同様の機能を有する制御手段を別途設けるか、または、システムコントローラ1に、昇降圧チョッパ22によるキャパシタ蓄電装置21の制御機能を備える構成とする。
第1切換スイッチ30a及び第2切換スイッチ30bは、機械式スイッチ、またはパワートランジスタ等の半導体素子から構成されるものであり、システムコントローラによってその入切が制御される。
第1切換スイッチ30aは、キャパシタ蓄電装置21への通電の入切を行うためのスイッチであり、第2切換スイッチ30bは、バッテリ28への通電の入切を行うためのスイッチである。
電流・電圧センサ25は、昇降圧チョッパ22とキャパシタ蓄電装置21との間の電流の検出、及びキャパシタ蓄電装置21のキャパシタ電圧やバッテリ28のバッテリ電圧の検出をするものであり、この電流・電圧センサ25によって検出された電流値・電圧値は、昇降圧チョッパ22に入力される。
定電流制御回路100について説明する。
定電流制御回路100は、キャパシタに通電される電流値を常に規定値に制御するための制御回路である。
そして、このように、キャパシタ蓄電装置21に通電される電流値を常に規定値に設定することで、過大な電流がキャパシタ蓄電装置21に流れ込み、キャパシタが破壊されることを防止しようとするものである。
定電流制御回路100は、複数のキャパシタモジュール21a・21bによって構成されるキャパシタ蓄電装置21に並列に接続されており、これにより、負荷側に配される昇降圧チョッパ22の入出力端子に対し、キャパシタ蓄電装置21と、定電流制御回路100とが並列接続されている。
図2において、昇降圧チョッパ22からは、電流値IMAXの電流が出力され、端子110aにて分流されて、電流値Ioの電流がキャパシタ蓄電装置21へ供給され、電流値IDSの電流が定電流制御回路100に供給される(IMAX≒Io+IDS)。
また、101は電流制御素子としてのMOSFETであり、端子110aにおいて分流される電流の電流値IDSが、MOSFET101の制御入力電圧としてのゲートソース電圧VGSの値に応じて変更設定されるようになっている。なお、端子110aは、昇降圧チョッパ22のプラス端子と、キャパシタ蓄電装置21のプラス端子との間に配される端子である。
また、前記システムコントローラ1(図1参照)より、制御電圧SVが入力されるようになっている。
また、102は第一反転増幅器であり、該第一反転増幅器102には、制御電圧SVの分圧Vaと、端子110bにおける電圧Vbが入力される。なお、端子110bは、昇降圧チョッパ22のマイナス端子と、キャパシタ蓄電装置21のマイナス端子との間に配される端子である。
また、103はキャパシタ蓄電装置21に直列接続される定電圧素子としてのシャント抵抗であり、該シャント抵抗103と、キャパシタ蓄電装置21に流れる電流の電流値Ioによって、電圧Vbが決定されることになる。ここで、シャント抵抗103(抵抗値r)を用いているのは、電流値Ioのバラツキを少なくするためである。
また、104は第二反転増幅器であり、該第二反転増幅器104には、第一反転増幅器102の出力電圧VOPと、グランド電圧が入力される。
そして、以上の第一反転増幅器102、第二反転増幅器104により、該シャント抵抗103の電圧電圧Vbと制御電圧SV(の分圧Va)の電圧比較回路を構成することとし、第二反転増幅器104の出力を、前記MOSFET101の制御入力電圧となるゲートソース電圧VGSとすることとしている。
このフローでは、システムコントローラ1から定電流制御回路100に入力する制御電圧SVを設定する(低下させる、又は、上昇させる)ことにより、電圧Vbを設定し、この電圧Vbと、シャント抵抗103によって決定される電流値Ioが規定値に設定されることを示している。
まず、電流値Ioが規定値よりも増加した場合において、該電流値Ioが規定値に補正されるフローについて説明する。
電流値Ioが規定値よりも増加し、電圧Vbが設定された制御電圧SVの分圧Vaよりも大きくなると(ステップ401)、第一反転増幅器102における出力電圧VOPが低下し(ステップ402)、第二反転増幅器104の出力であるゲートソース電圧VGSが上昇される(ステップ403)。そして、このゲートソース電圧VGSの上昇により、MOSFET101を通過する電流の電流値IDSが増加され(ステップ404)、この電流値IDSの増加によって、キャパシタ蓄電装置21に流れる電流の電流値Ioが減少する(ステップ405)。
そして、電流値Ioが減少すると、シャント抵抗103の抵抗値によって定まる電圧Vbの値が低下し(ステップ406)、制御電圧SVによって決定される分圧Vaと電圧Vbが略同一に設定される(ステップ407)。
以上のようにして、電流値Ioが規定値よりも増加した場合においては、電圧Vbは分圧Vaと略同一になるまで低下され、結果として、電流値Ioが規定値に補正されることになる。つまり、電流値Ioが規定値に設定されることになる。
そして、電流値Ioが増加すると、シャント抵抗103の抵抗値によって定まる電圧Vbの値が上昇し(ステップ416)、制御電圧SVによって決定される分圧Vaと電圧Vbが略同一に設定される(ステップ407)。
以上のようにして、電流値Ioが規定値よりも減少した場合においては、電圧Vbは分圧Vaと略同一になるまで上昇され、結果として、電流値Ioが規定値に補正されることになる。つまり、電流値Ioが規定値に設定されることになる。
つまり、図2の定電流制御回路100によれば、制御電圧SVの設定によってキャパシタ蓄電装置21に流れる電流値Ioを規定値として設定することが可能となり、また、該規定値に電流値Ioを制御する(定電流に制御する)ことが可能となるものである。
そして、キャパシタ蓄電装置21に通電される電流値が常に規定値となるよう制御されることによれば、各キャパシタモジュール21a・21bに過大な電流が流れ込み、キャパシタ蓄電装置21が破壊することを防止できる。
また、昇降圧チョッパ22より過充電となった場合においても、端子110aにおいて、電流値IDSの電流を定電流制御回路100に逃がすことができ、キャパシタ蓄電装置21の故障を防止できる。
次に、均等制御回路200について説明する。
均等制御回路は、キャパシタ蓄電装置21において直列接続される各キャパシタモジュールの端子間電圧を均等にするための制御回路である。
そして、このように、直列接続される各キャパシタモジュールの端子間電圧を均等にすることで、特定のキャパシタモジュールの端子間電圧を高くし、充電効率を低下させてしまうといった不具合を防ごうとするものである。また、これにより、充放電を繰り返しても、特定のキャパシタモジュールの端子間電圧が耐電圧を超えてしまうといった不具合の発生を防ごうとするものである。
均等制御回路200は、キャパシタ蓄電装置21において互いに直列接続されるキャパシタモジュール21a・21bに対し、それぞれ、分流回路200a・200bを設けることで構成されるものである。
この分流回路200a・200bは、電流値Itの電流をそれぞれ端子120a・120bにおいて分流することにより、キャパシタモジュール21a・21bに入力される電流の電流値Ioutの大小を制御しようとするものである。
図4に示すごとく、キャパシタモジュール21a・21bは、キャパシタ蓄電装置21として昇降圧チョッパ22に並列接続されるものであり、昇降圧チョッパ22の端子間電圧が充電電圧VMAXとして設定され、各キャパシタモジュール21a・21bの端子間電圧の合計が、充電電圧VMAXに相当するものとなっている。
なお、各キャパシタモジュール21a・21bの端子間電圧が均一になるものが望ましい状態である。
端子120a・120bにおいて分流される電流のうち、電流値Ioutの電流がキャパシタモジュール21a・21bに供給され、電流値Itの電流が分流回路200a・200bに分流されるものとしている。
ここで、132a・132bは、電流制御素子としてのMOSFETであり、該MOSFET132a・132bにより電流値Ioutの大きさが決定されるようになっている。このMOSFET132a・132bは、各キャパシタモジュール21a・21bに対して並列に接続される。
また、MOSFET132a・132bへの制御入力電圧としてのゲートソース電圧VGSは、電圧比較回路となる誤差増幅器133a・133bの出力電圧であり、該ゲートソース電圧VGSは基準電圧VREFと、検出抵抗134a・135a・134b・135bの分圧VRとの比較によって決定される。
また、136a・136bは、定電圧素子としてのツェナダイオードであり、各キャパシタモジュール21a・21bに対して並列に接続される。このツェナダイオード136a・136bによって、キャパシタモジュール21a・21bの自己放電が回避されるとともに、各キャパシタモジュール21a・21bの過充電(過電圧)が回避されるようになっている。つまり、該ツェナダイオード136a・136bは、設定電圧よりも高くなると導通する性質を有するため、自己放電防止と、過電圧防止の機能を果たすこととなっている。
このうち、まず、分流回路200aの動作について説明すると、キャパシタモジュール21aの充電が進行し、キャパシタ電圧が増加すると、分圧VRが増加することになる。そして、これにより、誤差増幅器133aの出力、即ち、ゲートソース電圧VGSが大きくなり、MOSFET132aを流れる電流の電流値Itが増加する。そして、電流値Itが増加すると、端子120aにおいて、キャパシタモジュール21a側に分流される電流の電流値Ioutが減少されることになる。
このようにキャパシタ電圧によって、電流値Ioutの増減が制御されるものであり、キャパシタ電圧が低い場合、つまり、充電量が少ない場合には、電流値Ioutが増加されてすばやく充電され、満充電に近づくにつれキャパシタ電圧が高くなると、電流値Ioutが減少されて、過充電が行われないようになる。そして、キャパシタモジュール21aが最終的に満充電となった場合には、キャパシタモジュール21aへの電流供給が終了されることになる。このようにして、キャパシタ電圧が常に一定に保持されることとなる。
また、以上は、キャパシタモジュール21bにおける分流回路200bの動作についても同様である。つまり、キャパシタ蓄電装置21が2個以上のキャパシタモジュールを有する場合、各キャパシタモジュールにおいて同様の分流回路が設けられるものである。
この場合では、分流回路200aの制御によって、キャパシタモジュール21aへの電流供給が行われることがないため、キャパシタモジュール21aにて過充電がされることがない。
他方、この分流回路200aによる制御の間、キャパシタモジュール21bへの充電が行われることになり、キャパシタモジュール21bが満充電の状態に到達されることになる。
尚、図4に示すように、ダイオード220を設けることにより、キャパシタモジュール21bが先に満充電となった場合において、該キャパシタモジュール21b側に流れる電流を、キャパシタモジュール21aに供給させる構成してもよい。
そして、過充電が防止される、つまりは、キャパシタ電圧が、耐電圧よりも低く維持されることにより、キャパシタモジュール21a・21bの加熱・破損・故障を防止することができるようになる(過充電保護)。
また、最終的には、両キャパシタモジュール21a・21bが均等に満充電されるので、充放電を繰り返した場合においても、キャパシタ蓄電装置21全体として高い出力密度(規定の出力密度)を維持することができ、即応性が高いといったキャパシタ特有のメリットを十分に生かすことができる。
本作動態様においては、トルクアシストを行うモータジェネレータ11への電力の供給は、主としてキャパシタ蓄電装置21によって行われる。そして、このキャパシタ蓄電装置21の蓄電量が、予め設定される規定値を下回った場合は、キャパシタ蓄電装置21からモータジェネレータ11への電力の供給を停止し、バッテリ28によってモータジェネレータ11への電力の供給を行う。
Q=CVC2/2 ・・・(1)
つまり、キャパシタ蓄電装置21の蓄電量Qはキャパシタ蓄電装置のキャパシタ電圧VCから把握することができ、キャパシタ電圧VCがキャパシタ蓄電装置21の耐電圧である場合に、キャパシタ蓄電装置21の満充電状態を示すこととなる。この式(1)に基づき、キャパシタ蓄電装置21の蓄電量Qは、前記電流・電圧センサ25によって検出されるキャパシタ電圧VCと、キャパシタ蓄電装置21の静電容量Cとから算出される。前記規定値QNは、例えば、キャパシタ電圧VCがキャパシタ蓄電装置21の耐電圧の1/2の時の蓄電量に設定される。
また、ここで第1切換スイッチ30aを切状態とするのは、バッテリ28からモータジェネレータ11への電力の供給を行うために第2切換スイッチ30bを入り状態とすることにより、バッテリ28からキャパシタ蓄電装置21へ瞬時に過大な電流が流れ込むのを防止するためである。
本作動態様においては、トルクアシストを行うモータジェネレータ11への電力の供給は、主としてバッテリ28によって行われる。そして、バッテリ28のバッテリ電圧が、予め設定される規定値を一定以上の変化率で下回った場合は、キャパシタ蓄電装置21によってモータとして作動するモータジェネレータ11への電力の供給を行う。
これらバッテリ電圧VBAT及びその勾配Sは、システムコントローラ1にて、予め設定されている規定値VN(例えば、45V)及びSN(例えば、10V)を上回っているか下回っているかがそれぞれ判断される。つまり、システムコントローラ1には予め規定値VN及びSNが設定されており、システムコントローラ1において、電流・電圧センサ25によって検出されるバッテリ28のバッテリ電圧VBATと前記規定値VNとが比較され、バッテリ28のバッテリ電圧VBATが規定値VNを上回っているか下回っているかが常に判断されている。また、前述のようにして一定時間毎に算出されるバッテリ電圧VBATの勾配Sと前記規定値SNとが比較され、勾配Sが規定値SNを上回っているか下回っているかが一定時間毎に判断されている。
すなわち、急激にエンジン2に対して高い負荷がかかった場合、この負荷に応じてモータジェネレータ11はトルクアシストを行うため、バッテリ28からモータジェネレータ11へ大電流を瞬時に供給する必要があり、バッテリ28では瞬時の放電を行う必要がある。しかし、バッテリ28はこのような瞬時の大電流の供給を行う際、その出力の限界に達すると、図5に示すように、バッテリ電圧VBATの急激な降下(電圧ドロップ)を引き起こす。そして、このバッテリ28の電圧ドロップは、システムの誤作動や停止の原因となる。そこで、バッテリ28の電圧ドロップを防止するため、エンジン2に急激に高い負荷がかかった場合は、モータジェネレータ11への電力の供給をキャパシタ蓄電装置21により行うのである。
ここで、第2切換スイッチ30bは、入状態のままでも切状態としてもよい。つまり、エンジン2に急激に高い負荷がかかりバッテリ28の電圧が低下することによってキャパシタ蓄電装置21によるモータジェネレータ11への電力の供給が行われるので、バッテリ28側の電圧の方がキャパシタ蓄電装置21側よりも電圧が低くなり、バッテリ28からキャパシタ蓄電装置21への電流の流れ込みが生じないからでる。しかし、キャパシタ蓄電装置21の安全をより確実なものとするためには、第2切換スイッチ30bは切状態とする方が望ましい。
なお、本構成の蓄電システム部20は、図1に示すものと略同一であるため、図1に示すものと同一の用途及び機能を有する装置などについては、同一の符号を付してその説明を省略し、構成の異なる部分については作動態様の説明に沿って説明する。
図7は、キャパシタ蓄電装置21及びバッテリ28において、同様の電気量の充放電を繰り返した場合のキャパシタ電圧VC及びバッテリ電圧VBATをそれぞれ示したグラフである。この図からわかるように、キャパシタ蓄電装置21は充放電を繰り返す度にキャパシタ電圧VCが低下して行くのに対し、バッテリ28のバッテリ電圧VBATは、放電した際や充電された際には低下または上昇するが、その都度定電圧に戻り、バッテリ電圧VBATとしては常に定電圧を保つ。このようなキャパシタ蓄電装置21及びバッテリ28それぞれが有する充放電特性を利用し、バッテリ28によってキャパシタ蓄電装置21の充電を行う。つまり、このようなキャパシタ蓄電装置21及びバッテリ28それぞれの有する充放電特性により、キャパシタ蓄電装置21及びバッテリ28間では、キャパシタ蓄電装置21の方が必ず電圧が低くなるため、この電圧差を利用することにより、バッテリ28によってキャパシタ蓄電装置21の充電を随時行うようにする。そして、このバッテリ28からキャパシタ蓄電装置21への充電電流を制御するために、前記第2定電流制御回路100aを設けるのである。
このようなバッテリ28によるキャパシタ蓄電装置21の充電は、トルクアシストを行っているモータジェネレータ11に対してキャパシタ蓄電装置21が電力を供給している最中にも行うことができる。この場合、例えば、エンジン2の高負荷状態が長時間継続し、キャパシタ蓄電装置21によるモータジェネレータ11への電力の供給が長時間にわたるとき等において、バッテリ28によりキャパシタ蓄電装置21を充電しながら、キャパシタ蓄電装置21によるモータジェネレータ11への電力の供給を続けることが可能となる。
すなわち、図6に示すように、キャパシタ蓄電装置21とバッテリ28との通電を保持した状態でキャパシタ蓄電装置21のモータジェネレータ11側との通電の入切を行える位置に第3切換スイッチ30cを設ける。そして、バッテリ28によってキャパシタ蓄電装置21の充電を行う際にはこの第3切換スイッチ30cを切状態とする。なお、この第3切換スイッチ30cは、機械式スイッチ、またはパワートランジスタ等の半導体素子から構成されるものであり、システムコントローラによってその入切が制御される。
こうすることにより、バッテリ28によるキャパシタ蓄電装置21の充電が行われている間は、キャパシタ蓄電装置21のモータジェネレータ11との通電を断つのである。つまり、キャパシタ蓄電装置21は充電効率が高いという特性を有しているため、バッテリ28による充電を短時間に行うことができるので、バッテリ28によるキャパシタ蓄電装置21の充電が行われる際、第3切換スイッチ30cを一旦切状態とし、キャパシタ蓄電装置21の充電が完了した時点で、再び第3切換スイッチ30cを入状態に戻してキャパシタ蓄電装置21のモータジェネレータ11側とを通電させるようにする。
このように、第3切換スイッチ30cを設け、この第3切換スイッチ30cの入切を前述したように制御することにより、バッテリ28によるキャパシタ蓄電装置21の充電が効率の良いものとなる。
2 エンジン
11 モータジェネレータ
21 キャパシタ蓄電装置
28 バッテリ
30a 第1切換スイッチ
30b 第2切換スイッチ
30c 第3切換スイッチ
100 定電流制御回路(第1定電流制御回路)
100a 第2定電流制御回路
Claims (3)
- エンジンと、該エンジンをアシストするモータと、これらを制御する制御手段と、前記エンジンを駆動源とする発電機とを備えるハイブリッドシステムにおいて、
前記発電機からの発電電力の蓄電及び前記モータへの電力の供給を行うキャパシタ蓄電装置と、前記発電機から前記キャパシタ蓄電装置への充電電流の定電流制御を行う定電流制御回路と、前記モータへの電力の供給を行うバッテリと、前記制御手段により制御され前記キャパシタ蓄電装置への通電の入切を行う第1切換スイッチと、前記制御手段により制御され前記バッテリへの通電の入切を行う第2切換スイッチとを備え、
前記キャパシタ蓄電装置の蓄電量が、予め設定される規定値を上回っている場合は、前記第1切換スイッチを入状態とするとともに前記第2切換スイッチを切状態とし、該キャパシタ蓄電装置によって前記発電機からの発電電力の蓄電及び前記モータへの電力の供給を行い、
前記キャパシタ蓄電装置の蓄電量が、予め設定される規定値を下回った場合は、前記第1切換スイッチを切状態とするとともに前記第2切換スイッチを入状態とし、前記バッテリから前記モータへの電力の供給を行うことを特徴とするハイブリッドシステム。 - 前記バッテリのバッテリ電圧が、予め設定される規定値を上回っている場合は、前記第1切換スイッチを切状態とするとともに前記第2切換スイッチを入状態とし、該バッテリによって前記発電機からの発電電力の蓄電及び前記モータへの電力の供給を行い、
前記バッテリのバッテリ電圧が、予め設定される規定値を下回り、かつ、単位時間当たりの電圧低下率が、予め設定される規定値よりも大きくなった場合は、前記第1切換スイッチを入状態とし、前記キャパシタ蓄電装置から前記モータへの電力の供給を行うことを特徴とする請求項1記載のハイブリッドシステム。 - エンジンと、該エンジンをアシストするモータと、これらを制御する制御手段と、前記エンジンを駆動源とする発電機とを備えるハイブリッドシステムにおいて、
前記発電機からの発電電力の蓄電及び前記モータへの電力の供給を行うキャパシタ蓄電装置と、前記発電機から前記キャパシタ蓄電装置への充電電流の定電流制御を行う第1定電流制御回路と、前記キャパシタ蓄電装置の充電を行うバッテリと、該バッテリから前記キャパシタ蓄電装置への充電電流の定電流制御を行う第2定電流制御回路とを備え、
前記キャパシタ蓄電装置のキャパシタ電圧が、前記バッテリのバッテリ電圧より低下した場合は、該バッテリによって前記キャパシタ蓄電装置の充電を行うことを特徴とするハイブリッドシステム。
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