JP2005269746A - 鉄心材料特性の特定方法とその装置並びにその特定方法により設計された回転機とその設計方法 - Google Patents

鉄心材料特性の特定方法とその装置並びにその特定方法により設計された回転機とその設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005269746A
JP2005269746A JP2004077022A JP2004077022A JP2005269746A JP 2005269746 A JP2005269746 A JP 2005269746A JP 2004077022 A JP2004077022 A JP 2004077022A JP 2004077022 A JP2004077022 A JP 2004077022A JP 2005269746 A JP2005269746 A JP 2005269746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core material
design
iron core
characteristic
rotating machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004077022A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4631298B2 (ja
Inventor
Kunihiro Senda
邦浩 千田
Masayoshi Ishida
昌義 石田
Kenichi Sadahiro
健一 定廣
Hiroaki Toda
広朗 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2004077022A priority Critical patent/JP4631298B2/ja
Publication of JP2005269746A publication Critical patent/JP2005269746A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4631298B2 publication Critical patent/JP4631298B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

【課題】より精度良く回転機の最適化設計を可能とすることを課題としている。
【解決手段】予め決めた鉄心の材料特性及び設計仕様に基づき回転機における鉄心部の局所的な磁気特性を計算すると共に、上記材料特性とされる鉄心材料及び設計仕様にて作製した試験回転機における鉄心部の局所的な磁気特性を測定する。上記局所的な磁気特性についての計算値と測定値との乖離量に基づき、乖離量が所定以下となるまで上記鉄心材料特性を補正し、その補正後の鉄心材料特性を最適化設計で使用する鉄心材料特性とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高効率・高精度を指向した電動機や発電機などの電磁気学的作用を利用した回転機の設計に関する。
電動機や発電機といった電磁気学的作用を利用した回転機は、今日の自動化された社会を構成するために欠くことの出来ない機器といえる。このため、近年のエネルギー損失低減の必要性から、より高効率な回転機が望まれている。また、高精度の制御を行うためにはトルクを高い精度で実現する必要がある。このため、回転機の最適化設計において、損失の最小化やトルクの高精度な予測はますます重要となりつつある。
従来の回転機の設計方法は、概略的な理論や経験に基づいて行われるのが一般的であった。しかし、このような設計法では、電磁気学に基づいた解析的な式から機器の大まかな傾向を見いだすことはできたとしても、具体的な数値を高精度に予測することは不可能であり、最終判断は経験と実験による試行錯誤を必要としていた。
これに対して近年、計算機能力の向上により有限要素法や積分要素法などによる電磁界解析を用いた、回転機の模擬計算(計算機シミュレーション)が可能となり、機器の設計に適用されつつある(非特許文献l及び2参照)。これらの方法を用いて最適化設計を行う場合は、従来から使用されてきた回転機に関する解析的な式から大まかな仕様を決定し、最終的な厳密計算を電磁界解析により実施しつつ上記仕様内容を変更して最終的な仕様を決定するといった方法が一般的である。
ここで、電磁界解析による計算において、網羅的に設計変数を変更して行って最適仕様を求める方法は計算負荷が大きいため、非特許文献1のように、最適解に漸近するように設計変数を探索する方法や、非特許文献2のように、実験計画法に基づいて限られた計算結果から最適解を予測する方法などが提案されている。
また、いずれの設計方法においても、従来にあっては、最適化設計で使用される鉄心の材料特性としては、鉄心材料自体から直接に測定した値か、理論や経験から求めた鉄心材料自体の鉄心材料特性が使用されている。
日野その他、「鉄損解析と形状最適化による高効率モータの設計検討」、電気学会回転機研究資料 RM02−7、平成14年 藤島その他、「最適化計算への応答曲面近似法の適用に関する基礎的検討」、電気学会回転機研究資料 RM02−6、平成14年
以上のように、従来にあっては、計算機上での計算だけで最適な設計仕様を求め、その求めた設計にて実際に回転機を試作して、現実の機器特性を見極めたのちに製品の生産工程に移行する。
磁界解析を用いた設計法では、経験により設計する方法よりも高精度の機器予測が可能であるものの、依然として予測値と現実の値の間には乖離が生じる場合がある。このため、所望の機器特性が得られないことによる再度の仕様変更や再設計といった問題が発生するおそれがある。
このような乖離の原因は、現在の電磁界解析が、鉄心材料の持つ異方性やヒステリシス特性といった実際的な磁気挙動を完全に反映させることが困難であることや、鉄心の材料特性すべてを厳密に数値化することが困難であること、さらにはモータ製造時に鉄心材料に導入される歪などによる影響など、種々の原因があげられる。
このように現在の模擬計算技術は、現実的な種々の因子をすべて考慮したものではなく、理想的かつ単純化された条件下で行わざるを得ないために、回転機特性の厳密な予測が出来ず、回転機の最適化設計に適用した場合に必ずしも最適な解を導出しているとは限らないという問題がある。
本発明は、このような点に着目したもので、より精度良く回転機の最適化設計を可能とすることを課題としている。
発明者らは、モータの固定子内部の局所磁気特性を測定すること、特に探針法を用いて直接測定することで、模擬計算(計算機シミュレーション)では再現出来ない現象を見いだした。図4〜図6に、モータ固定子内部における局所磁束密度ベクトルの軌跡、局所鉄損分布および局所磁束密度分布について、探針法による測定値と、FEM(有限要素法)による計算値との比較を示す。これらの図から明らかなように、
(1)計算では予測できない鉄心内の回転磁束挙動
(2)局所鉄損分布の計算結果との乖離
(3)固定子内部の磁束密度の大きさとその分布の計算との乖離
という現象が少なくとも生じていることが分かった。
これらは、モータ設計を行う上で計算機による模擬計算の結果に誤差をもたらす要因である。発明者らは、各要因に対応した補完を行うことで高精度な設計計算を実施可能と考えた。
ここで、上記(l)の回転磁束とは、鉄心を構成する鋼板の平面内の磁束密度が一方向以外の成分を有しながら変化する場合に対応しており、周期的な磁化を生じる回転機では磁束密度ベクトルの基点を原点とし、ベクトルの先端の軌跡を励磁1周期に渡って描いたときに円または楕円状に回転して描かれる形状、もしくはこれらに高周波の成分が重畳された形状となることから、このように命名されているものである。回転磁束は、回転機のティースとヨークの接合部やティース先端部といった磁束の向きが変化する部分で発生することは従来から知られていたが、従来では磁束の向きの変化が予想されなかったティースの中央部のような部分でも何らかの原因で回転磁束が発生していることを局所磁気測定により発明者らは確認している。回転磁束下では交番の磁束変化に比べて鉄損が大きくなることが知られている(なお、回転磁束下での鉄損は回転鉄損と呼ばれている。)。したがって、回転磁束挙動が正確に把握出来ていない場合は回転機の鉄損を正確に予測できず、効率を最大化するような最適化において誤差を生じる。また、鉄心材料の異方性と強く関連している回転磁束挙動は、モータのトルク脈動にも影響していると考えられるため、回転磁束挙動が正確に見積もられていない場合は、トルク脈動も正確に予測できないと考えられる。
特に、一方向性電磁鋼板や二方向性電磁鋼板のような磁気異方性の大きい材料を回転機の鉄心として用いた場合は、磁気異方性の影響が強くなるので、回転磁束の影響を正確に電磁界解析に反映させることが精度の高い結果を得るうえで重要となる。
従来、鉄心材料そのものの回転磁束や回転鉄損を測定するための方法は種々検討されており、この結果を回転機の電磁界解析に反映させることが検討されているが、回転機に組まれた状態での鉄心各部分に生じるような、例えば加工歪等の影響を逐次考慮することは困難である。また、ヒステリシス特性まで考慮した鉄心材料の回転磁束特性の厳密なデータベース化は困難であるため、たとえばヒステリシス特性が鉄心の形状等を介して回転磁束挙動に影響するような場合は、計算精度を低下させる要因となる。
このように、電磁鋼板そのものの回転磁束挙動を材料レベルで測定し、これを回転機の電磁界解析に反映させて最適化設計を行うことは原理的には正しい方法であるものの、これを厳密かつ高速に実施する方法は確立されていないのが現状である。
これに対し、本願発明者らは、対象とする回転機の一次モデルを試作し、この回転機の鉄心内部の磁束密度、とくに回転磁束の挙動を局所的に実測し、電磁界解析の計算結果がもっとも実測に近づくように鉄心材料特性データを変更・補正することで、実際の回転機の特性を正確に計算することが可能であるとの着想のもとに本発明に至った。
つまり、本発明は、従来の一般的な計算機シミュレーション(模擬計算)では困難であった異方性、ヒステリシス等といった材料特性の寄与を実験値を用いて補正することで、高精度な回転機設計を実現可能な鉄心材料特性を提供するものである。
また、今日の設計において、回転機の損失のうちのかなりの部分は鉄心で発生する損失(鉄損)で占められていることから、鉄心部に着目して上記補正をするものである。
すなわち、本発明のうち請求項1に記載した発明は、鉄心材料特性及び設計仕様に基づいて回転機の最適化設計を行う際に使用される上記鉄心材料特性の特定方法であって、
予め決めた鉄心の材料特性及び設計仕様に基づき回転機における鉄心部の磁気特性を計算すると共に、上記材料特性とされる鉄心材料及び設計仕様にて作製した試験回転機における鉄心部の局所的な磁気特性を測定し、上記磁気特性についての計算値と測定値との乖離量に基づき、上記鉄心材料特性を補正し、その補正後の鉄心材料特性を上記最適化設計で使用する鉄心材料特性とすることを特徴とするものである。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記乖離量が所定値以下になるまで、上記鉄心材料特性の補正及び上記鉄心部の磁気特性の計算を繰り返すことを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、同一の材料特性とされる鉄心材料を使用して、複数の設計仕様について、それぞれ上記請求項1又は請求項2に記載の方法で各設計仕様毎の鉄心材料特性を特定することで、上記各設計仕様と補正後の鉄心材料特性との組を予め求めておき、
上記予め求めた各設計仕様と補正後の鉄心材料特性との組に基づいて、作製する回転機の設計仕様と同じ若しくは近い上記設計仕様での補正後の鉄心材料特性を求め、その求めた鉄心材料特性を、最適化設計で使用する鉄心材料特性とすることを特徴とする鉄心材料特性の特定方法を提供するものである。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した構成に対し、上記設計仕様は、少なくとも鉄心部仕様及び駆動条件仕様であることを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、上記鉄心材料特性のうち補正される変数は、鉄心材料の磁化曲線に関わる変数、及び鉄心材料の鉄損特性に関わる変数の少なくとも一方であることを特徴とするものである。
次に、請求項6に記載した発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した構成に対し、上記鉄心部の磁気特性の測定は、探針法による局所的な磁束密度測定により行うことを特徴とするものである。
次に、請求項7に記載した発明は、上記請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した特定方法で特定した鉄心材料特性を使用して回転機の最適化設計を行うことを特徴とする回転機の設計方法を提供するものである。
次に、請求項8に記載した発明は、上記請求項7の設計方法によって決定された設計仕様に基づき製造されたことを特徴とする回転機を提供するものである。
次に、請求項9に記載した発明は、上記請求項7の設計方法を用いて製造することを特徴とする回転機の製造方法を提供するものである。
次に、請求項10に記載した発明は、予め決定した鉄心の材料特性及び設計仕様の情報と、その材料特性とされる鉄心材料及び上記設計仕様にて作製した試験回転機を使用し測定にて求めた鉄心部の局所的な測定磁気特性とが入力され、その入力された情報に基づき最適化された鉄心の材料特性を求める鉄心材料特性特定装置であって、
上記入力された鉄心の材料特性及び設計仕様の情報に基づき、予め決められた電磁界解析の計算方式で計算して鉄心部の局所的な磁気特性を求める磁気特性演算手段と、その磁気特性演算手段が求めた局所的な磁気特性と入力した局所的な磁気特性との乖離量に基づき上記鉄心の材料特性を変更する特性変更手段と、を備え、上記磁気特性演算手段と特性変更手段を、上記乖離量が所定値以下となるまで交互に実行することを特徴とするものである。
次に、請求項11に記載した発明は、上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の特定方法によって、予め使用される鉄心材料及び設計仕様毎に補正後の鉄心材料特性を演算し、その鉄心材料及び設計仕様と補正後の鉄心材料特性の各データを格納したデータベースを用意し、
対象とする最適化設計に係る鉄心材料及び設計仕様の情報が入力されると、上記データベースのデータに基づき、入力された鉄心材料及び設計仕様に対応する鉄心材料特性を求める材料特性決定手段を備えることを特徴とする鉄心材料特性特定装置を提供するものである。
本発明によれば、モータの仕様のうち、その複雑な挙動を模擬計算で正確に取り扱うことが困難な鉄心材料特性について、試験機で測定したつまり実機状態に近い状態で測定した局所的なデータに基づいて補正することで、回転機に組み込まれた状態での実際の鉄心内部の局所的な磁気挙動を正確に模擬計算出来る。その補正した鉄心材料特性を使用することで、最適化設計における模擬計算の計算量が莫大なものとならずに、より精度良く実際の回転機の最適化設計を行うことが可能となる。
また、上述のように、模擬計算で考慮する変数以外にも実際の仕様に影響のある変数が実際には存在するが、本願発明にあっては、その変数量についても上記補正後の鉄心材料特性に吸収されている。つまり、補正後の鉄心材料特性とは、実際の鉄心材料特性に対し、計算上考慮していない他の変数量をも取り込んだ値である。したがって、上記補正後の鉄心材料特性は、当該補正後の鉄心材料特性を求める際に使用した設計仕様と同じ若しくは近い設計仕様において特に信頼性がある。
また、探針法で磁束密度を測定することで、試験機に加工を加えることなく、簡易に磁束密度を測定することができる。
ここで、本発明で重要な点は、局所領域の磁気特性の測定データと計算結果から、回転機に組み込んだ状態での鉄心内部の局所磁気特性を計算するのに適した補正された材料磁気特性を得るというものである。すなわち、このような最適化は、例えば、鉄心の各位置での計算結果と実測結果のずれの平均値を最小化するという指針に基づいて行うことができる。あるいは、鉄心内部をいくつかの部分に区分して、計算と測定のずれの最小化を実施することもできる。鉄心内部を区分して計算結果の補正を行う方法は、たとえば加工歪が鉄心の各部分で異なるような場合に有効である。同様に、局所領域の鉄損に関しても、計算結果とのずれを最小化するように、材料の磁束密度−鉄損の関係を鉄心全体あるいは鉄心内部の部分ごとに変化させることが出来る。
本発明によれば、磁気特性における測定値と計算値との乖離量に基づき鉄心材料特性を補正することで、実際の回転機の鉄心内部の局所磁気特性を精度良く模擬計算するに適した材料磁気特性を得ることが出来る。そして、その求めた補正後の鉄心材料特性を使用して回転機の最適化設計を行うことで、より短時間の計算で且つ精度良く回転機の最適化設計の仕様を求めることが可能となる。
以下に、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
図1は、本実施形態の設計方法の概要を示す図であって、本願の一番の特徴部分である鉄心材料特性の特定段階と、実際の回転機の最適化設計段階との2段階に大きく設計段階は分かれる。
まず、本発明の主な特徴である鉄心材料特性の特定段階の処理手順について図1を参照しつつ説明する。
ステップS1にて、試作機の鉄心材料特性及び設計仕様を決定する。
ここでの試作機は実際の試作回転機にて鉄心部における局所の磁気特性を測定するためのものである。設計仕様の詳細としては、例えば駆動条件、鉄心部の設計仕様(各部分のサイズや比率等)などが挙げられる。試作機の仕様の決定する方法としては、従来存在した仕様をそのまま用いる方法や、従来的な解析式を用いる方法、電磁界解析を用いる方法など、種々の方法が採用可能である。ここで試作機の仕様は目標となる最適解(最適化設計)に近ければ近いほど理想的である。ただし、本発明は実測結果による補正を取り入れた、より精度の高い鉄心材料特性を使用して最適化設計のための計算を行うものであるため、試作機の設計段階では必ずしも厳密な計算を行う必要性はない。
ステップS2では、上記決定した仕様の試作機を駆動した際の鉄心内部の局所的な磁気特性をFEMなどによる電磁界解析を用いた模擬計算で演算する。
一方、ステップS3では、ステップS12で定めた仕様に基づいて実際の回転機を作製し、続いてステップS4にて、これを実際の駆動条件またはこれに近い条件で駆動させた場合の鉄心内部の局所的な磁気特性分布を測定する。ここでの測定は出来るだけ鉄心の全域に渡って行うのがよいが、測定領域が限られる場合は、鉄心の代表的な局所部分のみであってもよい。また、計算で正確に再現出来ない成分を、実測により補正する本発明においては、ここでの局所磁気測定は、r方向(回転機の径方向)とθ方向(回転機の周方向)などの2方向に対して行う二次元局所磁気測定とすることで補正の精度を高めることができる。
ここで、実際の回転機を作製して測定する局所磁気特性の測定値は、試作の都度に回転機を作製することが設計の高精度化の観点から好ましいが、この局所磁気特性における測定値として、複数の設計仕様にて作製した回転機について測定した、複数の局所磁気特性における測定値から、適宜選択したものを用いることにより、設計期間が大幅に短縮されるとともに、従来より高精度の設計が可能となる。
続いてステップS5にて、先に行った電磁界解析の計算結果と局所磁気測定の結果を比較し、両者の乖離量を求め、ステップS6にて、その乖離量が、予め設定した所定の目標値以下になったか否かを評価し、所定の目標値以下になった場合には最適化設計段階に移行するが、乖離量が所定の目標値よりも大きい場合にはステップS7に移行する。
ここで、評価する乖離量の対象としては、局所磁束密度(固定子内部の局所的な部分での磁束密度)や局所鉄損特性(固定子内部の局所的な部分での鉄損)などが考えられる。
なお、上記乖離量目標量は、要求される設計精度に応じて、例えば、乖離量対象量となった磁気特性値の初期値の数%などに設定する。
ステップS7では、ステップS5で求めた乖離量に基づいて、その乖離量が小さくなると思われる方向に、上記鉄心材料の磁化曲線や鉄損等に関連した変数の値を変更することで、鉄心材料特性を補正する。続いて、上記ステップS2に移行して、変更した鉄心材料特性を用いて再び電磁界解析(計算機による計算)を行い、実測結果と比較する(S5、S6)。
ここで、変更する変数としては、たとえば透磁率に関しては、例えば下記(1)式の透磁率行列の各成分やHベクトルとBベクトルの間の角度θが挙げられる。そして、これらを記述する係数や関数形を変更する。鉄損に関する(2)式の係数(c1 、c2 )の変更が可能である。(1)式や(2)式において、Br、Hrはそれぞれ磁束密度、磁界の径成分、Bθ、Hθはそれぞれ磁束密度、磁界の周方向成分である。
Figure 2005269746
ここで、行列成分μは磁界Hの関数、θはHベクトルとBベクトルの間の角度、そして上記式は磁界Hと周波数の関数である。また、上記μやθは、磁化曲線や鉄損に係る変数であり、乖離量に応じて変更される。
W=c1 ・f・Bm1.6 + c2 ・f2 ・Bm2 ・・・(2)
ここで、c1 、c2 は係数Bmは磁束密度ベクトルBの大きさの最大値、fは周波数である。
以上の鉄心材料特性の特定段階の処理によれば、通常の電磁界解析および電磁界解析を用いた最適化計算では上記(1)式や(2)式について、透磁率μや係数c1 、c2 を鉄心材料で測定された値そのままを使用するのに対し、これらを鉄心の局所領域での実測結果と整合するように補正変更することで、回転機に組み込まれた状態での実測値で最適化された鉄心材料特性が求められ、この結果、次段の最適化設計の段階における計算精度を実質的に向上させることが可能である。
実測結果に計算結果を近づけるための材料変数の変更は、何らかの基準に基づいて行ってもよいし、数値をランダムに変化させながら最適解を探してもよい。または、最適解を求めるために繰り返し計算の回数や目標とする計算と測定値の差は、必要に応じて任意に選ぶことが出来る。
素材変数の最適化方法としては、たとえば以下のような手順が考えられる。
まず、素材の磁化曲線を
B=a1 /[a2 +(a3 H+a4 a5+a6 H+a7
:a1 〜a7 は素材によって決まる係数
といった関数で表すと、透磁率μは
μ=μ(H)=(a1 /[a2 +(a3 H+a4 a5+a6 H+a7 )/Hとなる。
次に式(1)について、フィッティングのための係数c11、c12、c21、c22を導入して、
μ11 =c11μ(H)
μ12 =c12
μ21 =c21
μ22 =c22μ(H)とおく。
上記で定めた係数と式(1)のθを用いて初期モデルのモータの磁界解析により計算される局所磁束密度ベクトル軌跡を、Bcalc =(Brcalc、Bθcalc)とし、初期モデル試験モータで実測した局所磁束密度ベクトル軌跡をBmeas =(Brmeas、Bθmeas)とするとき、実測値と計算値の1周期にわたる乖離の平均値を、
Figure 2005269746
とする。
ここで、ωは局所磁束密度ベクトルの回転角度であり、0〜2πの範囲で上式による積分を行う。
ここで、測定位置の番号1〜NでのΔBの平均値を<ΔB>とし、
さらに、<ΔB>の許容値を、測定点番号1〜Nでの磁束密度の最大値の平均値<Bm>の3%とする。
すなわち、<ΔB>/<Bm> < 0.03を目標条件とする。
次に、係数c11、c12、c21、c22とθをc11=c12=1,c12=c21=0の初期値から手動若しくは自動でそれぞれわずかに増加もしくは減少させて上記<ΔB>/<Bm>を逐次計算し、上記目標条件を満たす組み合わせ(c11、c12、c21、c22、θ)を求める。θの初期値は、素材の二次元磁気測定の結果得られるθを用いるのがよく、通常25%程度である。
以上のようにして求められる透磁率行列をモータの電磁解析に適用し、これにより回転機の最適化設計を行うことによって、従来より精度の高い模擬計算いよりモータ特性の向上を図ることが可能となる。
次に、最適化段階の処理(最適化設計)について説明する。
上述の処理で求めた、補正された、すなわち材料変数が変更済みの最適化された鉄心材料特性を用いる以外は、従来の最適化のための設計法と同じである。すなわち、上記求めた補正後の鉄心材料特性を用いて、当該鉄心材料特性以外の回転機の各部分のサイズや比率等の変数を変化させながら最適化計算(電磁界解析)を行い、予め設定された所定の目標特性が達成される回転機設計仕様を求める(S8〜S15)。
そして、その求めた設計仕様及び上記評価した鉄心材料によって実際の回転機を作製する。
以上の処理によって回転機を設計すると、現実の磁性材料の複雑な磁気的挙動を単純化した磁気特性曲線を用いた場合にも、便宜的に正確な結果が得られることから、より精度良く回転機の最適化設計を行うことができる。すなわち、従来よりも高精度に回転機の計算機シミュレーションと最適化設計が実施可能であるため、高い回転機特性を精度良く得ることが可能である。
本発明の方法は、実際には複雑なために計算上の取扱いが困難な電磁鋼板の磁気特性に関し、計算結果の精度を便宜的に向上させるために、単純化した特性曲線に補正を加えるため、計算で考慮されていない未知の変数量があるが、その変数量を上記鉄心材料特性に取り込ませることによって精度良く回転機の最適化設計を行うことが可能となる。なお、試作機の加工方法と実施の回転機の加工方法を同じにすれば、加工歪のような作製時の未知の変数量も鉄心材料特性に取り込まれることとなる。
ここで、鉄心材料特性の特定段階での試作機の仕様と、最適化段階の実際の回転機の仕様とは同一若しくは近いものを選択することが好ましい。上述のように鉄心材料特性に対し未知の変数量(加工歪などによる誤差など)も含まれるので、両者の仕様が近いほど補正後の鉄心材料特性の信頼性が向上する。
また、上記説明では、最適化設計を行うたびに、鉄心材料特性の補正のための試作機を作製するようにしているが、これに限定されない。同一の鉄心材料からなる鉄心材料について、複数の異なった設計仕様(鉄心部仕様もしくは駆動条件仕様の異なった複数の設計仕様)毎に、予め上記鉄心材料特性の特定段階の処理を施して補正後の鉄心材料特性を求めてデータベース化等を行っておき、その複数の設計仕様から、実際の設計仕様に近い設計仕様(すなわち、所望する回転機の目標特性値との差が所定値以下となる回転機が得られる設計仕様)に対応する補正後の鉄心材料特性を適宜選択して使用して、回転機の最適化設計仕様を求めるようにしても良い。この場合には、設計期間が大幅に短縮される。
ここで、予め求めた複数の鉄心材料特性から選択するとしているが、実施モータの設計仕様と同じ設計仕様が無い場合に、その実際の設計仕様に近い2以上の設計仕様に対応する複数の補正された鉄心材料特性の平均値を用いて対応する設計仕様の鉄心材料特性を決めても良い。
または、予め求めた複数の鉄心材料特性と設計仕様の組に基づき、鉄心材料特性を設計仕様の関数式やグラフ等としておき、その関数式等を使用して使用する鉄心材料特性を演算して特定するようにしても良い。
また、本発明の適用範囲は電磁気学的作用に基づいた回転機(電動機、発電機)であれば適用可能である。電動機には、ブラシ付き直流モータ、ブラシレスDCモータ、誘導モータ、リラクタンスモータ等があるが、これらのいずれにも適用可能である。この中でブラシレスDCモータは高効率であることから近年重要視されつつあり、モータ効率向上に寄与する本発明の適用はきわめて有用性が高い。また、発電機については、界磁を電磁石で行うタイプや永久磁石を用いるもの、スイッチトリラクタンスモータに発電機能を持たせたものなど種々存在するが、いずれについても適用可能である。
計算機による回転機特性の計算は、解析的な方法や有限要素法、積分要素法など従来から知られたいずれの方法も適用可能であるが、局所領域の測定結果を用いて計算上の変数を補正することを考慮した場合には、計算機による回転機特性の計算方法としては局所領域の磁気特性が計算可能なものである必要がある。また、材料の磁気特性の非線形性はもとより、二次元特性、鉄損特性等の計算が一定の精度で実施可能なものである必要がある。
局所磁気特性の実測に供する試作回転機は、前述のように、従来存在した仕様のものをそのまま用いる方法や、従来的な解析的な方法、電磁界解析等を用いる方法、これらに適当な最適化手法を用いる場合など、種々が採用可能である。さらに、数種の典型的な回転機での実測結果を、特定の設計課題以前に得ておき、この結果に基づいて補正・変更した材料特性を使用して新規な最適化の設計を行ってもよい。この場合、事前に得ていた典型的な回転機でのデータが新規設計に適用可能であるかどうかは、典型的な回転機と新規回転機の仕様や要求特性がどれだけ近いかに依存しているが、従来手法と比べれば高い精度での模擬計算が可能である。
計算結果と実験結果を比較する際の量としては、局所領域の磁束密度の挙動や鉄損とするのがよい。これらの局所的な量の総体が回転機のトルクや効率を形成しているからである。また、上記量に関する乖離量を所定の値以下とするために行う補正は、透磁率行列や鉄損曲線などの変数を変更するのがよい。
また、上記の計算値と実測値との乖離量を小さくしていく際は、回転数やトルクなどの使用条件が設計する回転機とほぼ同じ条件で行うのがよいが、回転数やトルクなどが広い範囲で使用される場合は、乖離量の評価を使用条件での平均値や重み付け平均値で行うのがよい。
鉄心材料特性に関する変数の変更は、鉄心全体にわたる平均値を用いて行ってもよいし、鉄心内部をいくつかの領域に区切って、各部分ごとに異なった変数を与えてもよい。
鉄心内部の局所的な磁束密度の測定にあたっては、従来から用いられている探りコイル法を用いてもよいし、探針法や、ロゴスキーコイル法などいずれも適用可能である。これらの方法の中で非破壊かつ迅速な多点測定が可能である点において探針法がもっとも優れた方法である。また、二次元的な回転磁束挙動が従来の電磁界解析では正確に予測できない点から、局所磁束密度の実測も二次元で行うことが好ましい。探針法による回転機鉄心内部での局所磁気測定に関する模式図を図2に示す。探針法による回転機固定子内部の局所磁気測定法についてはすでに特開2000−352579号公報にて開示している。この探針法は特に、十分に薄い磁性材料において磁束密度の測定精度が保証されるものであるが、板状磁性体を積層したタイプの鉄心であればその効果が発揮される。
局所鉄損を評価する場合は、探針法で局所領域の磁束密度を測定するとともに、二本の探針の中央部にホール素子などの磁界検出センサを置いて鋼板表面の磁界を測定し、局所領域の磁束密度と磁界から局所鉄損を求める方法が、精度と迅速性において優れている。この方法による局所鉄損測定では、磁束密度測定と同様に直交する二方向の鉄損成分を測定し、これらの和をとることで局所鉄損を得ることが出来る。このように、探針と磁界検出素子からなる測定プローブによれば、局所領域の磁束密度、磁界、鉄損を迅速に測定することが可能であり、本発明の有用性を高めることが可能である。局所鉄損の測定法としてはこの外、局所的な温度上昇を測定する方法もあり、本発明への適用が可能である。
回転機の最適化段階での目標値としては、モータのトルク、トルク脈動、効率など回転機にとって重要であり、電磁界解析により計算可能ないずれの数値ともできる。一般に効率やトルクは最大化する方向で、トルク脈動は最小化する方向で最適な設計が得られる。また、トルクやトルク脈動、効率等を一定範囲内とする条件で回転機のサイズを最小化しようとするような最適化についても本発明は有用である。
回転機設計の最適化のために変更される仕様としては、鉄心のサイズ、形状や巻線の巻き数、結線方法など鉄心そのものに関する項目の他、回転機の駆動・制御方法等も含まれる。
「実施例1」
図3に示す8極12スロットの集中巻き表面磁石型ブラシレスDCモータ(出力300W、直径160mm)において、下記の手順にて回転磁束挙動を厳密に評価したモータの最適化設計を行った。
1)JISグレード35A300の無方向性電磁鋼板を鉄心材料として用い、過去の同種のモータの仕様(鉄心材料特性及び設計仕様)に基づき試作モータを設計した。
2)このモータ仕様に関して計算機上で二次元静磁場解析による有限要素法(FEM)の模擬計算を行い、局所領域の磁束密度の挙動を計算した。
3)上記1)の仕様によって局所磁気特性測定用の試験モータを試作した。この際、ティース内部の磁束密度が、探針法によって測定出来るようにティース部の巻線は嵩上げした。
4)上記3)の試験モータの局所磁束密度を探針法にて二次元測定した。
5)測定点P(r、θ)[但しr、θは径方向および周方向]における局所領域の磁束密度の計算結果をBcal =( Brcal 、 Bθcal ) 、実測結果をBmeas=( Brmeas、 Bθmeas) とし、計算値と実測値の乖離量ΔBを下記式とするとき、
ΔB=|{(Brcal 2 +(Bθcal 2 1/2
−{(Brmeas2 +(Bθmeas2 1/2
実測点すべてに渡る乖離量△Bの平均値<△B>が乖離量目標値以下となるなるように変数(θ、μ11、μ12、μ21、μ22)を適宜変えて計算した。ここでこれらの変数の計算方法としては、材料の透磁率をμとするとき、μ11=μ22=μ、μ12=μ21=0としてまずθを計算し、実測結果と合うθを求めたのち、θを固定してμ11=μ22=μ、μ12=μ21=0から少しずつ値をずらしながら<△B>を乖離量目標値以下とする値(関数)(μ11、μ22、μ12、μ21)を求めた。
続けて、これらの変数:θ、μ11、μ22、μ12、μ21を用いた駆動電圧波形入力による電磁界解析を計算機上で行い、この結果から上記(2)式に基づいて鉄損を計算し、モータ効率を最大化するようにモータ設計の最適化を行った。最適化計算にあたってはステータ外径を一定とし、図3に示した変数(ヨーク幅a、ティース幅b、ティース先端の角度c、ギャップ長d、隣接するティース先端間の距離e)を変更した。
上記モータ設計の最適化によって得られた最適化設計に従ってモータを製作した。その製作したモータを使用して測定した最大効率を、従来法および最適化前の試験モータとを表1に示す。ここで従来法とは、材料磁気特性の変更・補正をいっさい行わずに電磁界解析から求めた最適計算とした。
Figure 2005269746
この表1のように、本発明に基づく補正後の鉄心材料特定を使用して最適化設計を行うと、従来法では得られない高い効率が得られているのが分かる。
「実施例2」
図3に示した8極12スロットの集中巻き表面磁石型ブラシレスDCモータ(出力300W、直径160mm)において、下記の手順にて回転磁束挙動を厳密に評価したモータの最適化設計を行った。
1)JISグレード35A300の無方向性電磁鋼板を鉄心材料として用い、過去の同種のモータの仕様(鉄心材料特性及び設計仕様)に基づき試作モータを設計した。
2)このモータ仕様に関して計算機上で二次元静磁場解析による有限要素法(FEM)の模擬計算を行い、局所領域の磁束密度の挙動を計算した。
3)上記1)の仕様に基づき局所磁気特性測定用の試験モータを試作した。この際、ティース内部の磁束密度が測定出来るようにティース部の巻線は嵩上げした。
4)上記3)の試験モータの局所磁束密度を探針法にて二次元測定した。
5)測定点P(r、θ)[但しr、θは径方向および周方向]における局所領域の磁束密度の計算結果をBcal =( Brcal 、 Bθcal ) 、実測結果をBmeas=( Brmeas、 Bθmeas) とし、計算値と実測値の乖離量ΔBを下記式とするとき、
ΔB=|{(Brcal 2 +(Bθcal 2 1/2
−{(Brmeas2 +(Bθmeas2 1/2
実測点すべてに渡る乖離量△Bの平均値<△B>が乖離量目標値以下となるなるように変数(θ、μ11、μ12、μ21、μ22)を計算した。ここでこれらの変数の計算方法としては、材料の透磁率をμとするとき、μ11=μ22=μ、μ12=μ21=0としてまずθを計算し、実測結果と合うθを求めたのち、θを固定してμ11=μ22=μ、μ12=μ21=0から少しずつ値をずらしながら<△B>を乖離量目標値以下とする値(関数)(μ11、μ22、μ12、μ21)を求めた。
続けて、これらの変数:θ、μ11、μ22、μ12、μ21を用いた駆動電圧波形入力による電磁界解析を計算機上で行い、モータの効率とトルクを計算し、モータ効率92%以上、トルク2Nmの条件でトルク脈動を最小化するようにモータ設計の最適化を行った。ここで、トルク脈動量は下記(3)式にて定義した。
トルク脈動量[%]
={(平均トルクからのずれの絶対値の平均値)/平均トルク}×100・・・(3)
最適化計算にあたってはステータ外径を一定とし、図3に示した変数(ヨーク幅a、ティース幅b、ティース先端の角度c、ギャップ長d、隣接するティース先端間の距離e)を変更した。
上記モータ設計の最適化によって得られた最適化設計に従ってモータを製作した。その製作したモータを使用して測定したトルク脈動量と、従来法および最適化計算前の試験機で測定したトルク脈動量とを表2に示す。ここで従来法とは材料磁気特性の変更・補正をいっさい行わずに電磁界解析から求めた最適計算とした。
Figure 2005269746
この表2から分かるように、本発明の適用により解析精度が向上し、これによりトルク脈動の少ないモータが設計可能となっている。
「実施例3」
8極48スロットの分布巻き・埋め込み磁石型ブラシレスDCモータ(出力10kW、直径200mm)において、下記の手順にて回転磁束挙動を厳密に評価したモータの最適化設計を行った。
1)JISグレード35A250の無方向性電磁鋼板を鉄心材料として用い、過去の同種のモータの仕様に基づき試作モータを設計した。
2)このモータ仕様に関して計算機上で有限要素法(FEM)による模擬計算を行い、局所領域の磁束密度の挙動を計算した。
3)上記1)の仕様のモータから局所磁気特性測定用の試験モータを試作した。この際、ティース内部の局所鉄損が測定出来るようにティース部の巻線は嵩上げした。
4)上記3)の試験モータの局所鉄損を探針法にて測定した。この際、回転数を1000〜5000rpmの範囲で500rpm刻みにて変化させ、トルクを20〜50Nmの範囲で10Nm刻みにて変化させ、それぞれの回転数・トルク条件にてモータ効率の測定および探針法とホール素子からなるプローブによる局所磁気測定を行った。
5)測定点P(r、θ)[r、θは径方向および周方向]における局所領域の鉄損を下式により計算した。
W=∫{Σ(c1 ・fi ・Bi 1.6 +c2 ・fi 2 ・Bi 2 )}dv ・・・(4)
ここで、fi はFFT解析による磁束密度波形の各調波成分の周波数、Bi は磁束密度波形の各調波成分の波高値、Σは十分高次までの調波成分での和であり、∫{ }dvはステータ全体に関する和とした。c1 、c2 は材料に依存した係数である。埋め込み磁石型モータの場合、表面磁石型モータに比べて回転子内部でも損失が発生するが固定子鉄損に比べて小さいため、ここでは無視した。
続いて、局所鉄損の計算値と実測値の乖離量を、(1)ティース先端部分、(2)ティース部分、(3)ティースとヨークの接合部分、(4)ヨーク部分に分けて下記(5)式により求めた。
△W= |Wcal −Wmeas | ・・・(5)
ここで、Wcal : (4)式に基づいた計算による鉄損
meas :図2の局所磁気測定プローブを用いて測定した局所鉄損
である。
続いて、上記(l)〜(4)の部分ごとに△Wの平均値<△W>を求め、これを乖離量目標値以下とするような変数(c1 、c2 )を各部分ごとに求めた。ここで、これらの変数の計算方法としては、(4)式のc1 、c2 の値を少しずつずらしながら(1)〜(4)の各部分の<△W>を乖離量目標値以下とするような値(c1 、c2 )を求めた。
続いて、補正後の鉄心材料特性の変数であるc1 、c2 を用いて電磁界解析によるモータ設計の最適化を行った。最適化計算にあたってはステータ外径を一定とし、図3に示した変数を変更した(モータ仕様は図3と異なるが変数の決め方は同じである)。
このようにして本願発明を適用して求めた最適化設計時の効率および計算値と予測値との誤差を、従来法での結果とともに表3に示す。ここで従来法とは材料磁気特性の変更・補正をいっさい行わずに電磁界解析から求めた最適計算とした。
Figure 2005269746
表3に示されるように、本発明による方法で設計したモータでは従来の最適化手法で得られるよりも高い平均効率が得られている。
次に、第2実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、補正後の最適化された鉄心材料特性を演算する鉄心材料特性特定装置10の例を説明するものである。
本装置は、図7に示すように、予め決めた鉄心材料特性及び設計仕様と、試験機で測定した鉄心部の測定磁気特性とがデータとして入力される。入力された各データは記憶部10Aに格納される。なお、鉄心材料特性は式として後述の特性変更手段10Dに設定され、実際には、その鉄心材料特性を表す式の変数値が装置に入力される。設計仕様についても同様である。
この鉄心材料特性特定装置10は、記憶部10A、磁気特性演算手段10B、特性変更手段10D、及び比較評価部10Cを備える。
磁気特性演算手段10Bは、記憶部10Aに格納されている鉄心材料特性及び設計仕様のデータを使用して、上述に述べたような公知の電磁気界解析に基づく模擬計算を行い磁気特性のうちの比較評価する計算値を求め比較評価部10Cに出力する。
評価比較部では、磁気特性演算手段10Bから入力した計算値と測定磁気特性とを比較し、両者の乖離量を演算し、その乖離量が予め決められている乖離量目標値以下か否かを判定し、乖離量目標値以下であれば、記憶部10Aに格納してある鉄心材料特性を補正後の最適化した鉄心材料特性として、不図示の表示部やデータベースなどに出力する。一方、乖離量が予め決められている乖離量目標値より大きければ、その乖離量を特性変更手段10Dに出力する。
特性変更手段10Dでは、鉄心材料特性のうちの予め決められている変数を変更し、記憶部10Aに格納し直し、磁気特性演算手段10Bに再計算指令を送る。なお、変更量は、一定でも良いし、乖離量に応じて変更量を決めても良い。
上記構成の鉄心材料特性特定装置10では、予め決めた鉄心材料特性及び設計仕様と、試験機で測定した鉄心部の測定磁気特性とを入力するだけで、最適化した鉄心材料特性を得ることが可能となる。
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、補正後の最適化された鉄心材料特性を特定する鉄心材料特性特定装置12の例を説明するものである。
本装置は、図8に示すように、予め決めた鉄心材料を特定するデータ及び設計仕様とが入力され、データベース11を参照して補正後の最適化した鉄心材料特性を出力する。
ここで、データベース11には、第2実施形態のような装置その他の方法で求めた、鉄心材料毎の、各設計仕様データ及び上記補正後の鉄心材料特性データを少なくとも含むテーブルからなるデータが予め格納されている。
そして、上記鉄心材料特性特定装置12は、入力した鉄心材料に対応するテーブルをデータベース11中から検索すると共に、そのテーブル内における、入力した設計仕様と同一若しくは近いデータに対応するテーブルを取得する。
続いて、入力した設計仕様と同じ設計仕様データのテーブルがあれば、そのテーブルの補正後の鉄心材料特性を出力する。
一方、入力した設計仕様と同じ設計仕様データのテーブルが無ければ、その入力した設計仕様に近い設計仕様データのテーブルを複数選択し、その選択したテーブル内の鉄心材料特性から所定の演算方式(平均値を取るなど)で補完して鉄心材料特性を演算し、その演算した鉄心材料特性を出力する。
上記構成の鉄心材料特性特定装置12では、予め決めた鉄心材料特性及び設計仕様と、試験機で測定した鉄心部の測定磁気特性とを入力するだけで、最適化した鉄心材料特性を得ることが可能となる。
また、最適演算の度に試験機を作製して測定した磁気特性を求めていない分だけ、モータ仕様の特性期間が短縮される。
本発明によれば、従来よりも高い精度での回転機特性の予測が可能となり、これを設計最適化に適用することで従来よりも効率、トルク特性等に優れた回転機を得ることができる。
本発明に基づく第1実施形態に係る設計手順を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る探針法の状態を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る実施例の鉄心仕様を示す図である。 局所磁束密度ベクトルの軌跡を示す図である。 局所鉄損の分布を示す図である。 局所磁束密度の分布を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る鉄心材料特性装置の例を示す構成図である。 本発明に基づく第3実施形態に係る鉄心材料特性装置の例を示す構成図である。
符号の説明
10 鉄心材料特性特定装置
10A 記憶部
10B 磁気特性演算手段
10C 比較評価部
10D 特性変更手段
11 データベース
12 鉄心材料特性特定装置

Claims (11)

  1. 鉄心材料特性及び設計仕様に基づいて回転機の最適化設計を行う際に使用される上記鉄心材料特性の特定方法であって、
    予め決めた鉄心材料特性及び設計仕様に基づき回転機における鉄心部の磁気特性を計算すると共に、上記材料特性とされる鉄心材料及び設計仕様にて作製した試験回転機における鉄心部の局所的な磁気特性を測定し、上記磁気特性についての計算値と測定値との乖離量に基づき、上記鉄心材料特性を補正し、その補正後の鉄心材料特性を上記最適化設計で使用する鉄心材料特性とすることを特徴とする鉄心材料特性の特定方法。
  2. 上記乖離量が所定値以下になるまで、上記鉄心材料特性の補正及び上記鉄心部の磁気特性の計算を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載した鉄心材料特性の特定方法。
  3. 同一の材料特性とされる鉄心材料を使用して、複数の設計仕様について、それぞれ上記請求項1又は請求項2に記載の方法で各設計仕様毎の鉄心材料特性を特定することで、上記各設計仕様と補正後の鉄心材料特性との組を予め求めておき、
    上記予め求めた各設計仕様と補正後の鉄心材料特性との組に基づいて、作製する回転機の設計仕様と同じ若しくは近い上記設計仕様での補正後の鉄心材料特性を求め、その求めた鉄心材料特性を、最適化設計で使用する鉄心材料特性とすることを特徴とする鉄心材料特性の特定方法。
  4. 上記設計仕様は、少なくとも鉄心部仕様及び駆動条件仕様であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した鉄心材料特性の特定方法。
  5. 上記鉄心材料特性のうち補正される変数は、鉄心材料の磁化曲線に関わる変数、及び鉄心材料の鉄損特性に関わる変数の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した鉄心材料特性の特定方法。
  6. 上記鉄心部の局所的な磁気特性の測定は、探針法による局所的な磁束密度測定により行うことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した鉄心材料特性の特定方法。
  7. 上記請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した特定方法で特定した鉄心材料特性を使用して回転機の最適化設計を行うことを特徴とする回転機の設計方法。
  8. 上記請求項7の設計方法によって決定された設計仕様に基づき製造されたことを特徴とする回転機。
  9. 上記請求項7の設計方法を用いて製造することを特徴とする回転機の製造方法。
  10. 予め決定した鉄心の材料特性及び設計仕様の情報と、その材料特性とされる鉄心材料及び上記設計仕様にて作製した試験回転機を使用し測定にて求めた鉄心部の局所的な測定磁気特性とが入力され、その入力された情報に基づき最適化された鉄心の材料特性を求める鉄心材料特性特定装置であって、
    上記入力された鉄心の材料特性及び設計仕様の情報に基づき、予め決められた電磁界解析の計算方式で計算して鉄心部の局所的な磁気特性を求める磁気特性演算手段と、その磁気特性演算手段が求めた局所的な磁気特性と入力した局所的な磁気特性との乖離量に基づき上記鉄心の材料特性を変更する特性変更手段と、を備え、上記磁気特性演算手段と特性変更手段を、上記乖離量が所定値以下となるまで交互に実行することを特徴とする鉄心材料特性特定装置。
  11. 上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の特定方法によって、予め使用される鉄心材料及び設計仕様毎に補正後の鉄心材料特性を演算し、その鉄心材料及び設計仕様と補正後の鉄心材料特性の各データを格納したデータベースを用意し、
    対象とする最適化設計に係る鉄心材料及び設計仕様の情報が入力されると、上記データベースのデータに基づき、入力された鉄心材料及び設計仕様に対応する鉄心材料特性を求める材料特性決定手段を備えることを特徴とする鉄心材料特性特定装置。
JP2004077022A 2004-03-17 2004-03-17 回転機の設計方法及び回転機の製造方法 Expired - Fee Related JP4631298B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004077022A JP4631298B2 (ja) 2004-03-17 2004-03-17 回転機の設計方法及び回転機の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004077022A JP4631298B2 (ja) 2004-03-17 2004-03-17 回転機の設計方法及び回転機の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005269746A true JP2005269746A (ja) 2005-09-29
JP4631298B2 JP4631298B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=35093699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004077022A Expired - Fee Related JP4631298B2 (ja) 2004-03-17 2004-03-17 回転機の設計方法及び回転機の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4631298B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009526927A (ja) * 2006-01-20 2009-07-23 エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー ねじ連結部群の評価方法及びシステム
JP2012135128A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Jfe Steel Corp モータの鉄損解析方法、モータの鉄心用材料選定方法、モータの製造方法、モータ、およびモータ鉄心
JP2012244683A (ja) * 2011-05-17 2012-12-10 Jfe Steel Corp モータ鉄心用材料の選定方法
JP2013021766A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Jfe Steel Corp モータ特性解析方法
JP2013119295A (ja) * 2011-12-07 2013-06-17 Jfe Steel Corp ハイブリッド自動車用モータの性能解析方法
WO2021095861A1 (ja) * 2019-11-15 2021-05-20 日本製鉄株式会社 ステータコア、回転電機、ステータコアの設計方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02189485A (ja) * 1989-01-19 1990-07-25 Tokyo Electric Co Ltd 永久磁石の特性評価方法とその装置
JPH11146689A (ja) * 1997-11-11 1999-05-28 Sanyo Electric Co Ltd モータ解析装置
JP2000352579A (ja) * 1999-06-10 2000-12-19 Kawasaki Steel Corp 電動機固定子鉄心の動的磁気特性測定装置および測定方法
JP2002006009A (ja) * 2000-06-16 2002-01-09 Nissan Motor Co Ltd モータ損失の解析方法及びその命令を格納した情報媒体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02189485A (ja) * 1989-01-19 1990-07-25 Tokyo Electric Co Ltd 永久磁石の特性評価方法とその装置
JPH11146689A (ja) * 1997-11-11 1999-05-28 Sanyo Electric Co Ltd モータ解析装置
JP2000352579A (ja) * 1999-06-10 2000-12-19 Kawasaki Steel Corp 電動機固定子鉄心の動的磁気特性測定装置および測定方法
JP2002006009A (ja) * 2000-06-16 2002-01-09 Nissan Motor Co Ltd モータ損失の解析方法及びその命令を格納した情報媒体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009526927A (ja) * 2006-01-20 2009-07-23 エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー ねじ連結部群の評価方法及びシステム
JP2012135128A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Jfe Steel Corp モータの鉄損解析方法、モータの鉄心用材料選定方法、モータの製造方法、モータ、およびモータ鉄心
JP2012244683A (ja) * 2011-05-17 2012-12-10 Jfe Steel Corp モータ鉄心用材料の選定方法
JP2013021766A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Jfe Steel Corp モータ特性解析方法
JP2013119295A (ja) * 2011-12-07 2013-06-17 Jfe Steel Corp ハイブリッド自動車用モータの性能解析方法
WO2021095861A1 (ja) * 2019-11-15 2021-05-20 日本製鉄株式会社 ステータコア、回転電機、ステータコアの設計方法
JPWO2021095861A1 (ja) * 2019-11-15 2021-05-20
CN114667661A (zh) * 2019-11-15 2022-06-24 日本制铁株式会社 定子铁芯、旋转电机、定子铁芯的设计方法
TWI769583B (zh) * 2019-11-15 2022-07-01 日商日本製鐵股份有限公司 定子鐵芯、旋轉電機、定子鐵芯之設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4631298B2 (ja) 2011-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Parreira et al. Obtaining the magnetic characteristics of an 8/6 switched reluctance machine: from FEM analysis to the experimental tests
Torkaman et al. Static, dynamic, and mixed eccentricity faults diagnosis in switched reluctance motors using transient finite element method and experiments
Amrhein et al. Induction machine modeling approach based on 3-D magnetic equivalent circuit framework
JP6206608B1 (ja) 電磁場解析装置、電磁場解析方法、およびプログラム
Barros et al. Automatic characterization system of switched reluctance machines and nonlinear modeling by interpolation using smoothing splines
Maroufian et al. Torque characterization of a synchronous reluctance machine using an analytical model
Fratila et al. Iron loss calculation in a synchronous generator using finite element analysis
JP2011243126A (ja) 電磁機器の最適設計システム
JP4631298B2 (ja) 回転機の設計方法及び回転機の製造方法
KhajueeZadeh et al. Development of a hybrid reference model for performance evaluation of resolvers
CN106602953B (zh) 基于磁场定向准确性的感应电机转子时间常数的验证方法
Zagirnyak et al. Taking stator cores properties into account when induction motors vibration parameters are calculated
Duan et al. A useful multi-objective optimization design method for PM motors considering nonlinear material properties
Mejuto et al. Thermal modelling investigation of heat paths due to iron losses in synchronous machines
Lorenz Electrical machine iron loss predictions-A unique engineering approach utilizing transient finite element methods-Part 1: Theory and calculation method
Faiz et al. Loss prediction in switched reluctance motors using finite element method
Zhang et al. Numerical iron loss calculation of a new axial flux machine with segmented-armature-torus topology
JP6441661B2 (ja) 特性テーブル作成装置及びコンピュータプログラム
Fontchastagner et al. Efficient design using successive analytical subproblems method: Application to axial magnetic couplings
Torkaman et al. Hybrid method of obtaining degrees of freedom for radial airgap length in SRM under normal and faulty conditions based on magnetostatic model
Smaka Fast analytical model for switched reluctance machines
Lee Structural design optimization of electric motors to improve torque performance
Wolnik Alternate computational method for induction disk motor based on 2D FEM model of cylindrical motor
Faiz et al. Electromagnetic modeling of switched reluctance motor using finite element method
Jun et al. Design process of spoke-type PM motor using six sigma process with tolerance design

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101019

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4631298

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees