JP2005269522A - 直接変調型気流スピーカ及びスピーカユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の直接変調型気流スピーカは、駆動源1と、駆動入力装置2と、音響用パルセータ3と、この音響用パルセータ3を保護する保護カバー4とからなる。音響用パルセータ3は、発泡ポリスチレンにより形成し、表面をウレタン系材料でコートされたものであり、パルセータ本体の回転端面の一部を展開した基盤部31と、発音に積極的に寄与する正位相面32と、非発音面で通常回転面に対し垂直に設けられた逆位相面33とから構成されている。
【選択図】図1
Description
以上の態様では、音声発生手段を、軽量かつ高剛性に作成できる。
以上の態様では、例えば、グラスウール等からなる吸音部材によって逆位相波を吸音することができるため、紡錘型音響管を設けていても、実用上やむを得ず発生する逆位相波を効率よく吸音することが可能となる。
以上の態様では、音声発生手段の開口部に紡錘型音響管が接続されていることにより、この逆位相面を無限小化できる。これにより、逆位相面が回転方向に対する加減速により発音面となるのを防止し、直接変調型気流スピーカの一重音源化を達成することができる。
以上の態様では、特に音声信号が低音領域である場合に有効である。すなわち、低音は波長が長いため、例えば単に吸音部材を表面に貼り付けただけでは、十分な低音の吸収は期待できない。しかしながら、本発明のように、紡錘型音響管を音声発生手段の外周部から中心に向かって巻回して配置することによって、音響迷路現象により非発音面化することが可能となる。
以上の態様では、紡錘型音響管の長さが、波長の1/4であれば、その波長は紡錘型音響管の吸音能力が最低再生周波数まで確保でき、これにより、逆位相音の発生を防止することが可能となる。
以上の態様では、複数の逆位相発生面をまとめて一本の音響管で処理することにより、音声吸収手段の制作が容易となる。
以上の態様では、音声発生手段の一部を、発泡性プラスチックまたは発泡性硬質ポリウレタンにより形成したことにより、軽量かつ高剛性な音声発生手段が得られる。
以上の態様では、閉管型音響管の長さが、波長の1/4であれば、その波長までは管状閉音響管の内部共鳴と開口部の吸音材により打ち消しあうことができ、これにより、逆位相音の発生を防止することが可能となる。
以上の態様では、複数の逆位相発生面をまとめて一本の音響管で処理することにより、音声発生手段の制作が容易となる。
以上の態様では、軽量かつ高剛性な音声発生手段が得られる。
以上の態様では、音声発生手段の一部を、発泡性硬質プラスチックにより形成し、その表面をウレタン系材料等のガラス転移点の低い素材でコートすることにより、不要な可聴音の発生を防止することが可能である。
以上の態様では、請求項1から13のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカが小型化に伴って音圧が低下することに鑑み、複数のスピーカを配置することによって、所望の音圧を確保し、大音量再生の手段を提供することが可能である。特に、本発明が低音専用である場合には、再生波長が長いため、音源の物理的広がりによる位相の違いは実用上無視でき、単純に音量のみが増加させることが可能である。
以上の態様では、請求項1から13のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカを同軸で背中合わせに配置する事により結果として偶力を打ち消しあうことができる。いわゆる二重反転式プロペラと同様、お互いに反力を打ち消し合うため不要な反動が最小限とすることが可能である。
以上の態様では、請求項1から13のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカを遅延回路と併用して分散配置することによって、例えば、10個のスピーカを使用した場合には、より均一な音圧分布を持つ再生音場が構成出来る。
〔1−1.構成〕
本実施形態における直接変調型気流スピーカの全体構成は、上記従来のスピーカと同様である。すなわち、本実施形態の直接変調型気流スピーカは、図11に示すように、駆動源1と、駆動入力装置2と、音響用パルセータ3と、この音響用パルセータ3を保護する保護カバー4とからなる。駆動源1は、超音波モータであり、駆動入力装置2より音声信号で変調された回転入力を受ける。スタンバイ時には、一定の速度で回転し、駆動入力装置2からの音声信号に応じて回転速度を変化させながら一定の方向に回転する。音響用パルセータ3は、この駆動源1の回転力、すなわち音声信号に応じた回転速度で可変的に回転する。
次に、上記のような基本的な構成からなる音響用パルセータ3の作用を、具体的な実施例を示しつつ説明する。
具体的な実施例として示す音響用パルセータ3は、図1の斜視図または図2の透視図に示すような構成からなり、直径30cm、厚さは最大部分で10cmであり、羽根は4本で各羽根は基盤部31から正位相面32の頂点にかけて、30度〜45度の傾きをなしている。また、回転端面に於ける基盤部分は3cmである。また、発泡ポリスチレンにより形成し、表面をウレタン系材料でコートすることにより不要な可聴音発生を防いでいる。
以上のように、本実施形態によれば、音響用パルセータ3の逆位相面33に開口部34を設け、さらにこの開口部34に紡錘型音響管35を接続することによって、この逆位相面33を無限小化できる。このため、逆位相面33が回転方向に対する加減速によって発音面となるのを防止することができ、直接変調型気流スピーカの一重音源化を達成することが可能となる。
本発明第2の実施形態は、第1の実施形態における音響用パルセータ3の構成に改良を加えたものである。なお、他の構成に関しては、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態の音響用パルセータ3は、図2の透視図あるいは図6の平面図に示すように、第1の実施形態おける紡錘型音響管35に代えて、より製作の容易な管状閉音響管36を用いたものである。すなわち、音響用パルセータ3の個々の逆位相面33には、開口部34が設けられており、この開口部34に対して管状閉音響管36が接合部を介して接続され、開口部34との接合部と離間するにしたがって、4本の紡錘型の管が開口部34の位置から、基盤部31の外周に沿って重畳的に敷設され、さらに各々中心に向って巻回して構成されている。また、この音響管36の直線状の長さは、最低再生周波数の波長の1/4となるように構成されている。
次に、上記のような基本的な構成からなる音響用パルセータ3の作用を、具体的な実施例を示しつつ説明する。
本実施形態における実施例として示す音響用パルセータ3は、図2に示す基本的構成において、直径60cm、厚さは最大で20cmであり、羽根は4本で、回転端面における基盤部分は5cmである。また、発泡ポリスチレンにより成型し、表面はウレタン仕上げとした。
以上のような本実施形態によれば、第1の実施形態における紡錘型音響管35に代えて、製作が容易な管状閉音響管36を用いることによって、紡錘型音響管を用いる場合と比べてより実用的な音響用パルセータ3を提供することが可能となる。一般的に、この管状閉音響管36の底部は逆位相音発生面となるため、非発音型の紡錘型音響管35の代替物として発音型管状閉音響管36を用いることは不可能であるが、本実施形態においてはこの底部を回転中心部に配置しているため、事実上角加速度をなくすことができ実質上非発音型となる為、これにより逆位相波の反射の発生を防止することができる。
本発明は、上記のような実施の形態に限定されるものではなく、例えば、次のような実施の形態も含む。すなわち、上述したパルセータ3内部における管状閉音響管36の巻回方法としては、上記の態様に限られず、図7の透視図に示すように、音響管36を1本で構成し、最も外周の管に対して、4つの羽根を接続し、順次中心に向って巻回するように構成することも可能である。また、図7では、管状閉音響管36の態様のみを示しているが、もちろんこれを紡錘型音響管35によって、同様に巻回して構成することも可能である。
2…駆動入力装置
3…パルセータ
3…音響用パルセータ
4…保護カバー
31…基盤
32…正位相面
33…逆位相面
34…開口部
35…紡錘型音響管
36…管状閉音響管
37…吸音部材
38…閉塞端部
Claims (17)
- 音声信号に応じて駆動信号に変更する駆動入力手段と、
前記駆動信号に応じて回転変調駆動する駆動手段と、
前記駆動手段から回転力を受け、回転する音声発生手段とを備えた直接変調型気流スピーカにおいて、
前記音声発生手段は、発音面となる正位相波発生面と、この正位相波と非対称的に設けられた逆位相波発生面とを備え、
前記逆位相波発生面には、開口部が設けられるとともに、当該開口部は逆位相波放出量を音響的に低減させる管へと接続されていることを特徴とする直接変調型気流スピーカ。 - 前記音声発生手段の少なくとも一部は、発泡性プラスチックまたは発泡性硬質ポリウレタンにより成形したことを特徴とする請求項1記載の直接変調型気流スピーカ
- 前記開口部には、逆位相放出量を減少させる吸音部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の直接変調型気流スピーカ。
- 前記管は、紡錘型音響管であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカ。
- 前記紡錘型音響管は、前記音声発生手段の外周部から中心に向かって巻回して配置されていることを特徴とする請求項4記載の直接変調型気流スピーカ。
- 前記開口部を含む紡錘型音響管の長さを、最低再生周波数の波長の1/4としたことを特徴とする請求項5記載の直接変調型気流スピーカ。
- 前記正位相面と前記逆位相発生面とは複数設けられ、
前記複数の逆位相発生面における各開口部には、共通の紡錘型音響管が接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカ。 - 前記紡錘型音響管の少なくとも一部は、発泡性プラスチックまたは発泡性硬質ポリウレタンにより成形したことを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカ
- 前記管は、管状閉音響管で構成され、
この管状閉音響管は、前記音声発生手段の外周部から中心に向かって巻回して配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカ。 - 前記開口部を含む管状閉音響管の長さを最低再生周波数の波長の1/4としたことを特徴とする請求項9記載の直接変調型気流スピーカ。
- 前記正位相面と前記逆位相発生面とは複数設けられ、
前記複数の逆位相発生面における各開口部には、共通の管状閉音響管が接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカ。 - 前記管状閉音響管の少なくとも一部は、発泡性プラスチックまたは発泡性硬質ポリウレタンにより成形したことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカ。
- 請求項2、8又は12記載の直接変調型気流スピーカにおいて、発泡性プラスチックを使用した場合に、該発泡性プラスチックの表面にガラス転移点の低い素材からなる部材を配したことを特徴とする請求項2、8又は12記載の直接変調型気流スピーカ。
- 請求項1から13のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカを複数設け、
それらを同一の音声信号により駆動することを特徴とする直接変調型気流スピーカユニット。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカを二重に設け、
それらを同軸上に反転させて配置したことを特徴とする直接変調型気流スピーカユニット。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカが再生空間内に複数配置され、
それらを主音源からの音波到達時間に合わせて同一音声信号を再生することを特徴とする直接変調型気流スピーカユニット。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の直接変調型気流スピーカが再生空間内に複数配置され、
それらを前記再生空間の低音残響時間を所定の特性に制御することを特徴とする直接変調型気流スピーカユニット。
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