JP2005269146A - ステレオ復調回路 - Google Patents

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Koji Saito
康二 齋藤
Yutaka Hirakoso
豊 平社
Masaaki Taira
正明 平
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Abstract

【課題】ステレオを感じる中音域のセパレーションを保持するとともに、ノイズを感じる高音域のセパレーションを制御するステレオ復調回路を提供する。
【解決手段】ステレオ信号における主チャンネル信号と副チャンネル信号に基づいて、L信号とR信号を生成して出力するマトリクス回路を有するステレオ復調回路において、前記副チャンネル信号を入力し、前記副チャンネル信号の所定の周波数より高い周波数を当該周波数が高くなるにつれて減衰する減衰回路を、前記マトリクス回路の前段に備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ステレオ復調回路に関する。
FMステレオは、FM放送の高音質伝送を生かすとともに、一つの電波でステレオ放送と、モノラル放送との両立性を保っている。
この両立性のため送信側は、ステレオ信号におけるL信号とR信号をマトリクス処理した(L+R)信号と(L−R)信号を生成し、さらに、(L−R)信号を38kHzの複搬送波で変調した信号と、(L+R)信号と、ステレオ放送を識別するために用いられる19kHzのパイロット信号とを混合したステレオ複合信号を生成して送信している。
FM受信機においてステレオ復調回路は、受信信号の検波によって復調されたステレオ複合信号から、主チャンネル信号(L+R:以下、主チャンネル信号とする)と、副チャンネル信号(L−R:以下、副チャンネル信号とする)を抽出し、さらに、主チャンネル信号と副チャンネル信号とのマトリクス処理を行いL信号とR信号を分離して出力する。
このL信号とR信号の分離の度合いを分離度(以下、セパレーションとする)と呼ぶ。例えば、FM受信機における左側から右側へのセパレーション(Sl)は、L信号のみによる左側の出力をLl、L信号のみによる右側の出力をRlとすると、
Sl=20logLl/Rl(dB)
で表される。セパレーションが小さいとステレオの特性が生かされず、臨場感が減少してしまう。
セパレーションを大きくするには、マトリクス処理において主チャンネル信号と副チャンネル信号の大きさが一致していることが必要であるが、実際にはステレオ複合信号から生成される副チャンネル信号は、後述するように主チャンネル信号の大きさの1/2となる。
そこで、従来のステレオ復調回路では、主チャンネル信号と副チャンネル信号の大きさを合わせてセパレーション特性を大きくするため、ステレオ復調回路の前段の副チャンネル信号側に信号の大きさを増幅する増幅器を設けて副チャンネル信号の大きさを調整している(例えば、特許文献1参照)。
例えば、ステレオ復調回路で主チャンネル信号と副チャンネル信号によって生成されるL信号の出力L(OUT)は、
L(OUT)=(L+R)+α{1/2・(L―R)}
となる。αは増幅回路の増幅率であり、主チャンネル信号と副チャンネル信号の大きさを合わせるため通常2に近い値が設定されている。
なお、この増幅回路の増幅率αを調整することによって、セパレーションの大きさを制御することが可能である。例えば、(L+R)と(L−R)の位相が合っていると仮定すると、α=2では、L(OUT)が2Lとなり、Rの項が消えるのでセパレーションが大きくなる。0<α<2の場合は、L(OUT)にRの項が消えずに残る。よって、この場合にはαが小さくなるに従ってセパレーションが小さくなる。またα=0ではL(OUT)がL+Rとなるので、セパレーションが0となり主チャンネル信号のみが出力される。
特開平9−36821号公報
図9は、従来のステレオ復調回路のセパレーション特性の一例を説明するための図である。この横軸の周波数の帯域において、中音域(例えば1kHz)は聴感上ステレオを感じる音域であり、高音域(例えば7kHz)は聴感上ノイズを感じる音域である。また、図9の実線は、増幅率αが2に近い場合のセパレーション特性であり、点線は、ノイズ感を低減するため増幅率αを小さくした場合のセパレーション特性である。
同図では、増幅率αを小さくして7kHzのセパレーションを、30dBから10dBに小さくしている。一方、このとき中音域である1kHzのセパレーションも同時に40dBから20dBに小さくなる。その結果、7kHzのセパレーションが小さくなることでノイズ感は減少するが、同時にステレオ感も損なわれてしまう。
このように、従来のステレオ復調回路では、セパレーションを小さくすると、ノイズを感じる高音域とともに他の周波数帯域のセパレーションも小さくなる。よって、ステレオを感じる中音域のセパレーションを保持したまま、ノイズを感じる高音域のセパレーションを小さくすることができなかった。
本発明は、ステレオを感じる中音域(所定周波数)のセパレーションを保持するとともに、ノイズを感じる高音域(所定周波数より高い周波数)のセパレーションを小さくするステレオ復調回路を提供することを目的とする。
本発明に係る主たる発明は、ステレオ信号における主チャンネル信号と副チャンネル信号に基づいて、L信号とR信号を生成して出力するマトリクス回路を有するステレオ復調回路において、前記副チャンネル信号を入力し、前記副チャンネル信号の所定の周波数より高い周波数を当該周波数が高くなるにつれて減衰する減衰回路を、前記マトリクス回路の前段に備えたことを特徴とする。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明によれば、所定周波数のセパレーションを保持するとともに、所定周波数より高い周波数のセパレーションを小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
===FM受信機構成===
図1は、本発明のステレオ復調回路26を使用したFM受信機の構成の一例を示すブロック図である。同図に示すFM受信機は、フロントエンド部100、中間周波増幅部200、FM検波回路24、ステレオ復調回路26、ディエンファシス回路28、30、低周波増幅回路32、34、シグナルメータ(以下、Sメータとする)38を備えている。
フロントエンド部100は、アンテナ1から得られる受信信号を10.7MHzの中間周波信号に周波数変換して出力する。なお、フロントエンド部100は、アンテナ1から受信した受信信号を、特定の周波数帯域だけ選択的に増幅する高周波増幅回路10と、周波数変換に必要な局部発振信号を出力する局部発振回路12と、高周波増幅回路10の出力信号および局部発振回路12から出力される局部発振信号を混合して中間周波信号として出力する混合回路14と、中間周波信号の大きさに応じて高周波増幅回路10の利得を自動的に調節するAGC(Automatic Gain Control)回路16と、を備えている。局部発振回路12は、例えばPLL回路18を備えたPLL周波数シンセサイザが用いられる。PLL周波数シンセサイザは、基準周波数をもとに電圧制御発振回路(不図示)が出力する周波数を位相比較回路(不図示)で比較し、差があれば位相比較回路の差に応じた信号を発生させ、安定した周波数を発生させる。
中間周波増幅部200は、中間周波信号を増幅するとともに所定周波数以外の不要な信号の除去を行う。なお、中間周波増幅部200は、入力した中間周波信号のうち所定周波数以外を除去するフィルタ(不図示)と中間周波信号を増幅する増幅回路(不図示)を有する中間周波増幅回路20と、中間周波増幅回路20から出力された信号のうち所定外の振幅部分を除去するとともにSメータ38に電界強度を示すSメータ信号を出力するリミッター増幅回路22を備えている。
中間周波増幅回路20内のフィルタは、位相特性が音質に与える影響が大きいので、フィルタの通過帯域内で群遅延特性が平坦であることが要求されるが、実際にはフィルタを通過する信号の周波数に応じた位相の遅延が生じている。このフィルタとして、例えばセラミックフィルタが使用される。また、リミッター増幅回路22は受信信号の所定外の振幅部分を除去する働きがあり、受信信号がノイズ等の影響で振幅変化を受けていてもそのノイズ部分が除去されて出力される。
FM検波回路24は、リミッター増幅回路22の出力をFM検波することで、ステレオ複合信号を復調して出力する。このFM検波回路24として、例えば周波数の変化に追従するよう電圧制御発振回路(不図示)をフィードバック制御し、この制御電圧から振幅信号を取り出すPLL検波回路が用いられる。それ以外の検波回路としてフォスター・シーリー型検波回路、レシオ検波回路などがあるが、本発明のステレオ復調回路26には、どの検波方式を適用することも可能である。
Sメータ38は、リミッター増幅回路22からSメータ信号を入力し、受信の強さのレベルをメータやLCDで表示する。また、Sメータ38は、電界強度を示すDC成分(以下S−DCとする)をステレオ復調回路26に出力する。
ステレオ復調回路26は、ステレオ複合信号に含まれる主チャンネル信号と副チャンネル信号を抽出し、さらに主チャンネル信号と副チャンネル信号のマトリクス処理を行うことでL信号とR信号を生成して出力する。またステレオ復調回路26は、Sメータ38から得られる電界強度の大きさに応じてセパレーションを制御する。
ディエンファシス回路28、30は、送信側でプリエンファシスによって強められたL信号とR信号の高域部を、送信側と逆の周波数特性によって減衰し平坦な周波数特性に戻し、低周波増幅回路32、34にそれぞれ出力する。
低周波増幅回路32、34は、入力したL信号とR信号を増幅するとともにスピーカーに必要な電力を供給する。
以上の構成によって受信信号からL信号およびR信号が復調され、L信号に基づいた音声が左のスピーカーから、R信号に基づいた音声が右のスピーカーから出力される。
なお、モノラル放送として受信する場合は、ステレオ復調回路26において、主チャンネル信号のみが選択されて左右のスピーカーから出力される。この場合、主チャンネル信号はL+Rの信号なので、L信号、R信号の両方の情報が出力されることになり、問題は発生しない。
===ステレオ復調回路===
図2は、本発明のステレオ復調回路26の構成の一例を示すブロック図である。
ステレオ復調回路26は、ローパスフィルタ(以下、LPFとする)40、50、バンドパスフィルタ(以下、BPFとする)42、44、副搬送波発生回路46、MIX回路48、ステレオ信号処理回路52を備えている。
LPF40は、FM検波回路24で復調されたステレオ複合信号を入力し、主チャンネル信号を抽出して出力する。
BPF44は、ステレオ複合信号を入力し、19kHzのパイロット信号を抽出して出力する。
副搬送波発生回路46は、入力されたパイロット信号を2倍の38kHzの副搬送波として出力する。
BPF42は、ステレオ複合信号から所定の周波数領域を抽出した信号を出力する。
MIX回路48は、BPF42の出力と副搬送波を乗算しLPF50に出力する。
LPF50は、MIX回路48の出力から副チャンネル信号を抽出して出力する。
ステレオ信号処理回路52は、主チャンネル信号と副チャンネル信号とS−DC信号とを入力し、電界強度に応じてセパレーションを制御したL信号とR信号を生成して出力する。
以上の構成のステレオ復調回路26で、ステレオ複合信号からL信号とR信号が生成される。
次に、ステレオ復調の動作について説明する。
ステレオ復調回路26に入力されるステレオ複合信号をCOMP、主チャンネル信号を(L+R)、副チャンネル信号を(L−R)、副搬送波の周波数をfcとすると、パイロット信号を除いたステレオ複合信号COMPは、
COMP=(L+R)+sin(2π・fc・t)・(L−R)
と表される。このCOMPをLPF40に通すことにより副搬送波成分が取り除かれ主チャンネル信号として(L+R)が得られる。
また、BPFフィルタ42で23〜53kHzの周波数を抽出することによりCOMPからsin(2π・fc・t)・(L−R)が抽出される。MIX回路48で、この抽出された信号に副搬送波sin(2π・fc・t)を乗算すると、
sin(2π・fc・t)・sin(2π・fc・t)・(L−R)
=1/2・(L−R)−1/2cos(4π・fc・t)・(L−R)
となる。この信号をLPF50に通すことによって副搬送波成分が取り除かれ副チャンネル信号として1/2・(L−R)が得られる。このように、ステレオ信号処理回路52に入力される副チャンネル信号は、主チャンネル信号に対して1/2の大きさとなる。
また、周波数変調では、変調信号の周波数に比例して雑音が強くなる三角雑音スペクトラムの特性がある。主チャンネル信号は20Hz〜15kHzの変調周波数であり、副チャンネル信号は23kHz〜53kHzの変調周波数であるので、副チャンネル信号の方が主チャンネル信号よりSN比(Signal to Noise retio)が悪いことになる。
そこで、副チャンネル信号は、ステレオ信号処理回路52で大きさが調整されるとともに、周波数特性の調整が行われ、ノイズ感が小さくなるよう制御される。そしてステレオ信号処理回路52に入力された主チャンネル信号と副チャンネル信号は、マトリクス処理によってL信号とR信号に分離され出力される。
===ステレオ信号処理回路===
図3は、本発明のステレオ復調回路26内のステレオ信号処理回路52の構成の一例を示すブロック図である。
ステレオ信号処理回路52は、ステレオ信号における主チャンネル信号と副チャンネル信号に基づいてL信号とR信号を生成して出力するマトリクス回路53と、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ54、FIRフィルタ56(『減衰回路』)と、S−DC(『電界強度の大きさを示す信号』)から電界強度を検出する電界強度検出回路62と、後述するFIRフィルタ56の乗算係数を電界強度に応じたセパレーション制御量に対応する値に設定するフィルタ係数設定回路64(『乗算係数設定部』)とを備えている。
また、マトリクス回路53は、主チャンネル信号と副チャンネル信号に基づいてL信号を出力する加算回路58と、主チャンネル信号と副チャンネル信号に基づいてR信号を出力する減算回路60とを備えている。
FIRフィルタ54、56は、後述するように遅延回路と、乗算係数を有する乗算回路と、加算回路とで構成され、この乗算係数の設定値によって、信号の大きさ、及び位相、及び周波数特性の調整を行うことができる。FIRフィルタ54は、主チャンネル信号を入力し位相を調整して出力する。FIRフィルタ56は、副チャンネル信号の大きさを調整するとともに、副チャンネル信号の所定周波数より高い周波数を当該周波数が高くなるにつれて減衰する。
なおFIRフィルタ56は、乗算係数を自動的に決定するアルゴリズム部をさらに有する適応フィルタを用いてもよい。この場合、乗算係数が自動的に設定されることによって副チャンネル信号の増幅率も調整できるので副チャンネル信号の増幅回路は不要となる。
主チャンネル信号は、FIRフィルタ54に入力され、位相が調整された後に加算回路58および減算回路60に入力される。副チャンネル信号は、FIRフィルタ56に入力され、主チャンネル信号と等しい大きさに調整されるとともに、所定の周波数、例えば1kHz以上の周波数が電界強度に応じて小さくなるように制御される。FIRフィルタ56から出力された副チャンネル信号は、加算回路58および減算回路60に入力される。そして加算回路58に入力された各信号の加算処理によってL信号が生成される。また、減算回路58に入力された各信号の減算処理によってR信号が生成される
なお、本発明の実施の形態では、FIRフィルタ56を適応フィルタとすることで、自動的に乗算係数を設定できるようにしたが、増幅回路を用いて副チャンネル信号の増幅率の調整を行ってもよい。また、FIRフィルタ56には、他のローパスフィルタの周波数特性を持つフィルタ、例えばIIR(Infinite Impulse Response)フィルタを用いてもよい。
===FIRフィルタ===
図4は、FIRフィルタ54、56の構成を示すブロック図である。
FIRフィルタ54、56は、入力信号(Xn:nはサンプル数)をサンプリングの周期単位ごと(『所定期間』)に信号を遅延して出力する遅延回路D1〜D(k−1)と、入力信号および遅延回路D1〜D(k−1)の出力と対応した任意の乗算係数を有し、入力した信号に乗算係数を乗算して出力する乗算回路A1〜Akと、乗算回路A1〜Akの出力を加算してその和を出力する加算回路80とを備えている。ここで、kはフィルタ次数であり、2以上の整数である。
遅延回路D(k−1)は、入力信号Xnに対してn−(k−1)のサンプリング周期分遅延した信号を出力する。例えば入力信号Xnのとき、D1はXn−1を出力し、D2はXn−2を出力する。
入力信号Xnおよび遅延回路D1〜D(k−1)からの出力であるXn−1〜Xn−(k−1)は、対応する乗算回路A1〜Akで乗算係数a1〜akがそれぞれ乗算された後に加算回路80で全て加算されて出力される。例えば、乗算係数a1が1でそれ以外は0の場合には入力Xnに対し出力Xnとなり位相はそのままである。また乗算係数a2が1でそれ以外は0の場合には入力Xnに対し出力Xn−1となり1サンプル周期位相の遅れた値が出力される。
以上説明したように、FIRフィルタ54、56は、乗算回路A1〜Akの乗算係数a1〜akの設定値に応じて、入力信号を任意の位相に調整して出力することができる。
また、FIRフィルタ54、56は、乗算係数a1〜akの設定によって周波数特性及び信号の大きさを調整することができる。例えばFIRフィルタ56は、乗算係数a1〜akの設定によって、低い周波数が通過する通過域と高い周波数が通過しない範囲の阻止域とを有するローパスフィルタの特性とすることができる。
以下、図5、図6を使ってFIRフィルタ56の乗算係数と、フィルタの周波数特性について説明する。
図5は、FIRフィルタ56をローパスフィルタとする場合の乗算係数の設定を説明するための図である。同図は、FIRフィルタ56をk=10の10次フィルタとして、カットオフ周波数を7kHzとした場合の一例である。カットオフ周波数とは、信号の通過域と阻止域との境目の周波数のことであり、周波数特性において通過域のフラットな部分から、例えば3dB分減衰した周波数である。図5において、縦軸は乗算係数a1〜a10の各設定値であり、この乗算係数はインパルスを入力した場合の出力の大きさに対応している。横軸はインパルス入力時のサンプル数であり、乗算回路A1〜A10にそれぞれ対応している。
FIRフィルタ56をローパスフィルタとする場合、乗算係数a1〜a10は、例えば図5のように、a6が最大値で、その前後の係数が対称の傾斜をもって減少するような値に設定される。
図6は、図5の乗算係数a1〜a10が設定されたFIRフィルタ56の周波数特性を示している。図6の横軸は周波数、縦軸は周波数の減衰量である。図6に示すように周波数が1kHzでは周波数の減衰が無いのに対し、7kHzでは約5dB減衰している。7kHz以上ではさらに減衰量が大きくなる。なお、FIRフィルタ56の設定値によってこの7kHzの減衰量を任意の値に設定でき、カットオフ周波数も変更できる。例えば、図5においてa6の値をさらに大きくして傾斜を急にした場合、図6のカットオフ周波数が大きくなり、逆にa6の値を小さくして傾斜を滑らかにした場合、カットオフ周波数が小さくなる。
このようにFIRフィルタ56の乗算係数a1〜akの設定によって、FIRフィルタ56をローパスフィルタとして機能させることができる。
===セパレーション特性===
本発明のステレオ復調回路26のセパレーション特性について図7、図8を用いて説明する。
図7は、S−DCから得られる電界強度と7kHzのセパレーション制御量の関係の一例を示す図である。セパレーション制御量は、フィルタ係数設定回路64によってFIRフィルタ56の乗算係数が変更されることで制御される。また、副チャンネル側のFIRフィルタ56の7kHz周波数の減衰量が0dBであるとき、7kHzのセパレーションは30dBであることにする。
一般に電界強度が強ければノイズ感が小さく、電界強度が弱くなるにつれてノイズ感が大きくなる。そこで、電界強度が強(例えば、60dBμV以上)の場合、7kHzのセパレーションを30dBのままとする。このときFIRフィルタ56の周波数特性は変化しない。
電界強度が中(例えば、20〜60dBμV)の場合(『予め定められた範囲』)、ステレオ復調回路26は、電界強度が弱くなるにつれてセパレーションを小さくする。このときFIRフィルタ56の乗算係数a1〜akには、フィルタ係数設定回路64によって電界強度に応じた値が設定され、FIRフィルタ56は、ローパスフィルタとして機能する。
電界強度が弱(例えば、20dBμV以下)では、セパレーションを0とする。この場合モノラル受信となり、このときFIRフィルタ56の乗算係数は、フィルタ係数設定回路64によってすべて0に設定される。
このようにステレオ復調回路26は、電界強度の大きさに応じてセパレーション特性を変更することで、受信状態に応じたノイズ感の低減を行うことができる。
図8は、本発明のステレオ復調回路26を用いたセパレーション特性の一例を示す図である。電界強度が強のときのセパレーション特性を実線で、および電界強度が中のときのセパレーション特性を点線でそれぞれ示している。
同図に示すように、ステレオ復調回路26は、電界強度が強から中と変化した場合に、ノイズを感じる7kHzのセパレーションを30dBから10dBに減衰している。このときFIRフィルタ56の乗算係数a1〜akには、例えば図5に示す値が設定され、FIRフィルタ56は図6の周波数特性をもつローパスフィルタとして機能している。なお、このとき図6に示すように1kHzの周波数の減衰量は無いので、7kHzのセパレーションを減衰しても1kHzのセパレーションは変化しないことになる。
このように本発明のステレオ復調回路26では、ノイズ感を小さくするため7kHzのセパレーションを30dBから10dBに小さくても、1kHzのセパレーションは40dBのままで変化しない。よって、ステレオ感を損なうことなくノイズ感を小さくすることができる。
以上説明したように、本発明のステレオ復調回路は、FIRフィルタ56によって副チャンネル信号の周波数特性を調整することで、聴感上ステレオを感じる中音域、例えば1kHzのセパレーションを保持したまま、ノイズを感じる高音域、例えば7kHzのセパレーションを制御することができる。このときSN比が悪い副チャンネル信号の高音域を減衰することで効率よくノイズを低減することができる。
また、主チャンネル信号と周波数特性を調整した副チャンネル信号との加算、減算によって、ノイズ感を感じる高音域、例えば7kHzのセパレーションを小さくしたL信号、R信号を生成できる。
さらに、FIRフィルタ56の簡素な構成で副チャンネル信号を任意のローパスフィルタの周波数特性とすることができ、セパレーションの減衰量を、FIRフィルタ56の乗算係数の設定によって容易に制御することができる。
また、電界強度の強さに応じてセパレーションの減衰量を調整することができ、電界強度が弱くなり所定の範囲となったときに電界強度に応じたセパレーションの減衰量に制御することができる。
なお、本発明のステレオ復調回路26をFM受信機に適用すると電界強度に応じてノイズ感を低減するFMステレオ受信を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば主チャンネル側のFIRフィルタ54を使用しなくてもよい。またSメータ38以外によって電界強度を検出してもよい。例えば、中間周波増幅回路20で中間周波信号のレベル検波を行うことによって電界強度を検出してもよい。
本発明のステレオ復調回路を使用したFM受信機のブロック図である。 本発明のステレオ復調回路の構成を示すブロック図である。 本発明のステレオ復調回路内のステレオ信号処理回路の構成を示すブロック図である。 FIRフィルタの構成を示すブロック図である。 FIRフィルタの乗算係数の設定を説明するための図である。 FIRフィルタの周波数特性を説明するための図である。 本発明のステレオ復調回路のセパレーション制御量と電界強度の関係を示す図である。 本発明のステレオ復調回路のセパレーション特性を説明するための図である。 従来のステレオ復調回路のセパレーション特性を説明するための図である。
符号の説明
10 高周波増幅回路 12 局部発振回路
14 混合回路 18 PLL回路
20 中間周波増幅回路 22 リミッター増幅回路
24 FM検波回路 26 ステレオ復調回路
28、30 ディエンファシス回路 32、34 低周波増幅回路
38 Sメータ
40、50 ローパスフィルタ 42、44 バンドパスフィルタ
46 副搬送波発生回路 48 MIX回路
52 ステレオ信号処理回路 53 マトリクス回路
54、56 FIRフィルタ
58 加算回路 60 減算回路
62 電界強度検出回路 64 フィルタ係数設定回路
100 フロントエンド部 200 中間周波増幅部

Claims (6)

  1. ステレオ信号における主チャンネル信号と副チャンネル信号に基づいて、L信号とR信号を生成して出力するマトリクス回路を有するステレオ復調回路において、
    前記副チャンネル信号を入力し、前記副チャンネル信号の所定の周波数より高い周波数を当該周波数が高くなるにつれて減衰する減衰回路を、前記マトリクス回路の前段に備えたことを特徴とするステレオ復調回路。
  2. 前記マトリクス回路は、
    前記主チャンネル信号と前記副チャンネル信号に基づいてL信号を出力する加算回路と、
    前記主チャンネル信号と前記副チャンネル信号に基づいてR信号を出力する減算回路と、
    を備え、
    前記減衰回路の出力は、前記加算回路および前記減算回路に入力されることを特徴とする請求項1に記載のステレオ復調回路。
  3. 前記減衰回路は、
    入力信号を所定期間経過後に出力する複数の遅延回路と、
    前記複数の遅延回路の出力に対応した乗算係数がそれぞれ設定される複数の乗算回路と、
    前記複数の乗算回路の出力を加算して出力する加算回路と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載のステレオ復調回路。
  4. 前記乗算回路の前記乗算係数を、電界強度の大きさを示す信号に応じた値に設定する乗算係数設定部を備えたことを特徴とする請求項3に記載のステレオ復調回路。
  5. 前記乗算係数設定部は、
    前記電界強度が予め定められた範囲であるときの前記信号に応じて前記乗算係数を設定することを特徴とする請求項4に記載のステレオ復調回路。
  6. 前記ステレオ信号は、FM受信信号であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のステレオ復調回路。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014502442A (ja) * 2010-11-05 2014-01-30 セミコンダクター アイディアズ トゥー ザ マーケット(アイ ティー オー エム)ビー ヴィ ステレオ信号に含まれているノイズを減少させる方法、その方法を用いるステレオ信号処理デバイス及びfm受信器

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JP2014502442A (ja) * 2010-11-05 2014-01-30 セミコンダクター アイディアズ トゥー ザ マーケット(アイ ティー オー エム)ビー ヴィ ステレオ信号に含まれているノイズを減少させる方法、その方法を用いるステレオ信号処理デバイス及びfm受信器

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