JP2005267943A - オーディオプラグ - Google Patents

Abstract

【課題】 プラグ本体をチャンネルプラグを備えた差込み部から離脱可能にすることによってプラグに無理な応力がかかるのを回避して、プラグやケーブルとプラグとの接続部の破損や損傷、機能低減を回避することができるオーディオプラグを提供する。
【解決手段】 オーディオプラグ１は、ヘッドセットに繋がるケーブル３に接続されたプラグ本体２と、ジャック７３に差込み可能なチャンネルプラグ３０，３１を有し装着状態においてジャック７３からプラグ本体２へとオーディオ信号を伝達可能なアダプタ２０とを備えている。アダプタ２０はプラグ本体２に対して磁力に基づいて着脱可能であるので、ケーブル３から磁力以上の力が作用したときには、アダプタ２０をジャック７３に残したままプラグ本体２がアダプタ２０から離脱するので、ケーブル３の接続部５に過大な力が作用して接触不良や断線を生じることがない。
【選択図】 図３

Description

この発明は、例えば乗物に備わるオーディオ設備を利用するときにジャックに差し込んで利用されるオーディオプラグに関する。

従来、航空機等の乗物において、ヘッドセットを使って音楽や映画の音声鑑賞をする場合には、イヤフォンやヘッドフォンを耳や頭に装着し、イヤフォンやヘッドフォンのスピーカ部から延びるケーブルの端部に設けられるプラグを座席又はその近傍に付設されているジャックに接続して、ヘッドセットを利用している。図４には、ヘッドセットに含まれる２本プラグ型式から成る従来のオーディオプラグの一例が示されている。図４（ａ）は２本プラグ型式のオーディオプラグの平面図、同（ｂ）は正面図である。図４に示すオーディオプラグ８０は、可撓性のケーブル８３が保護ブッシュの形態を取る接続部８５を介して剛性の高いプラグ本体８２の端部に接続されている。プラグ本体８２には、ステレオ用に２本のチャンネルプラグ、即ち互い対して平行な左用のチャンネルプラグ８６と右用のチャンネルプラグ８７がプラグ本体８２に対して垂直に突出している。

図５には、１本プラグ型式から成る従来のオーディオプラグの一例が示されている。図５（ａ）は１本プラグ型式のオーディオプラグの平面図、同（ｂ）は正面図である。図５に示すオーディオプラグ９０においては、図４に示すオーディオプラグ８０と同等な部位には同じ符号を付して再度の説明を省略する。１本のチャンネルプラグ９１においては、根元側が左チャンネル接点部９２であって、軸方向の先端側が右チャンネル接点部９３であり、両チャンネル接点部９２，９３は絶縁カラー９４，９５で区切られている。

上記の乗物用ヘッドセットは、周囲の乗客に迷惑をかけることなく音声を鑑賞するには適したものであるが、ヘッドセットの中には、片チャンネルが聞こえない或いはノイズが入る現象が発生することがある。この現象の主な原因は、剛性の高いプラグ本体と撓み易いケーブルとの接続部に生じる接触不良・断線であると考えられる。こうした不具合の原因は、その殆どが乗客がプラグをヘッドセットを頭に付け且つケーブルをジャックに繋いだまま席を立とうとするか、或いはケーブルに荷物等によって大きな力が作用するなど、ジャックに差し込まれたままのプラグにケーブルから無理な力が働くことにある。即ち、ジャックに接続されたプラグは適正に引き抜かない限り外れない構造となっているので、プラグをジャックから無理に外そうとするときにはケーブルのプラグへの接続部に過大な応力がかかり、接触不良や断線を生じさせるものと推察される。

プラグ及びヘッドフォン並びにヘッドフォンの保持方法として、ヘッドフォンを二つの受話部、両受話部を繋ぐベルト、両受話部に繋がるケーブル及びケーブルの端部に設けられておりジャックに差込み可能なプラグから構成し、プラグの長手方向の中間位置に胴体部を所定の幅で設けておき、ジャックにプラグを差し込んだ状態でこの胴体部にベルトを引っ掛けることにより、プラグを利用してヘッドフォンを保持する方法が提案されている（特許文献１参照）。

ヘッドフォンの取扱いにおいて、プラグに十分な注意が払われる限りはプラグの接触不良や断線が生じる可能性は低いが、乗客が音声鑑賞に浸っている場合には、ヘッドセットのプラグがジャックに接続されていることが意識されなくなり、ヘッドセットを装着した人が頭部の位置を急変させたり離席するなどの乗客の不意の動きによって、ケーブルのプラグ本体への接続部に無理なストレスが生じることは避け難い。チャンネルプラグをジャックから抜くには適正な方向から引き抜き力をさせる必要があるところ、ケーブルからプラグに過大な力が作用しようとした場合には、そうした力が適正な方向に作用する引き抜き力となることは、殆どない。

電気保温給油ポットのような負荷機器においては、電源用のプラグにおいては、電気コードが引っ張られた際に負荷機器からプラグが容易に外れるようにマグネットプラグが用いられている。こうしたマグネットプラグにおいては、プラグ本体に形成されているピン挿入孔の内径に工夫を施すことにより、電気コードの引っ張りでプラグ本体が回動した際に、接続ピンの引っかかりを防止することが提案されている（特許文献２参照）。電源コードをプラグ本体に接続する保護ブッシングの種類を選択することにより、電源の引き出し方向が異なる場合に対応することが提案されている（特許文献３参照）。また、プラグ本体のケースの外面に傾斜面を有する突起を設けて、プラグ傾斜時に傾斜面を機器側のプラグ受けの開口端部に当接させることで、プラグ受けからのプラグの離脱を容易にすることが提案されている（特許文献４参照）。更に、マグネットプラグを器具本体の底部外周面よりも内側に入り込んで器具に接続することにより、マグネットプラグが器具が置かれた周囲の壁面によって外れたり接続不良になることを防止することが提案されている（特許文献５参照）。
特開平２００１−１２８２７７号公報（段落［００１６］〜［００１８］、図３） 特開平５−５４９３２号公報 特開平５−２０５８１１号公報 特開２００２−５６９２９号公報 実用新案登録第２５７０９５０号公報

そこで、ケーブルからプラグに過大な力が作用しようとした場合には、チャンネルプラグはジャックに差し込まれたままに残して、チャンネルプラグが備わる部分からプラグ本体のみを僅かの力で外れさせる点で解決すべき課題がある。

この発明の目的は、例えば航空機等において乗客がヘッドセットのプラグがジャックに接続されていることを忘れていたり意識していないときに、頭部の位置を急変させたり離席するなどの動きをしたときでも、プラグ本体のみをチャンネルプラグを備えた部分から外れさせることによってプラグに無理な応力がかかるのを回避して、プラグやケーブルとプラグとの接続部の破損や損傷、機能低減を回避することができるオーディオプラグを提供することである。

上記の課題を解決するため、この発明によるオーディオプラグは、ヘッドセットに繋がるケーブルに接続されたプラグ本体、及びジャックに差込み可能なチャンネルプラグを有し且つ前記プラグ本体に対して磁力に基づいて着脱可能であると共に装着状態において前記プラグ本体と前記チャンネルプラグとの間でオーディオ信号を伝達可能なアダプタとを備えることから成っている。

このオーディオプラグを利用するときには、ヘッドセットに繋がるケーブルに接続されたプラグ本体に、チャンネルプラグをジャックに差し込む前又は差し込んだ後のアダプタを磁力に基づいて装着する。プラグ本体にアダプタを装着した状態ではプラグ本体とチャンネルプラグとの間でオーディオ信号が伝達可能であるので、ジャックから送られるオーディオ信号はアダプタのチャンネルプラグからプラグ本体及びケーブルを経てヘッドフォン又はイヤフォンに伝達される。チャンネルプラグはジャックに差し込まれて機械的に結合している状態にあるので、アダプタをジャックから引き抜くには引き抜き方向を選択すると共にアダプタに大きな力を直接作用させることが必要である。そのときに要する引き抜き力は、磁力以上の大きさの力である。人がヘッドセットを頭部に装着したままで席を立つなどに起因してケーブルを介してプラグに磁力による吸着力を超える大きな力が作用するときには、アダプタはジャックに差し込まれたままの状態でプラグ本体がアダプタから外れる。したがって、ケーブルのプラグ本体への接続部に過大な力が作用することがない。

このオーディオプラグにおいて、前記オーディオ信号を伝達するため、前記プラグ本体は第１チャンネル接点が設けられた凸部を備えており、前記アダプタには、前記プラグ本体への前記装着状態において前記凸部が嵌入する凹部が形成されており、前記凹部には前記凸部が嵌入した状態で前記第１チャンネル接点が接触可能な第２チャンネル接点を設けることができる。ジャックからプラグ本体へオーディオ信号を伝達するために、プラグ本体とアダプタとには接点構造を備える必要がある。この接点構造の一形態として、プラグ本体には第１チャンネル接点が突出して設けられる凸部を備え、これに対応して、アダプタには第２チャンネル接点が設けられる凹部を形成することができる。アダプタのプラグ本体への記装着状態においては、凹部に凸部が嵌入し、第１チャンネル接点が第２チャンネル接点と接触する。なお、凹部の形状は凸部の形状と相補的とすることが好ましい。

このオーディオプラグにおいて、前記プラグ本体には前記オーディオ信号をステレオで伝達するための左右の前記第１チャンネル接点がそれぞれ設けられた二つの前記凸部が互いに離間して設けられており、前記アダプタには前記二つの凸部に対応して二つの前記凹部が形成されており、前記凹部には前記左右の第１チャンネル接点とそれぞれ接触可能な左右の前記第２チャンネル接点を別に設けることができる。オーディオ信号をステレオで伝達するための左右のチャンネル接点は、プラグ本体において互いに離間した位置にそれぞれ個別に設けた凸部と、それに対応してアダプタに個別に形成された凹部に設けることができる。

このオーディオプラグにおいて、前記プラグ本体には前記オーディオ信号をステレオで伝達するための左右の前記第１チャンネル接点が同心環状に設けられた一つの前記凸部を設け、前記アダプタには前記一つの凸部に対応して一つの前記凹部を形成し、前記凹部には前記左右の第１チャンネル接点とそれぞれ接触可能な左右の前記第２チャンネル接点を同心環状に設けることができる。オーディオ信号をステレオで伝達するための左右のチャンネル接点は、プラグ本体とアダプタにおいて、一つの凸部とそれに対応した一つの凹部に同心環状に区別して設けることができる。例えば、凸部を先端が尖った円錐形とし、凹部を相補的な底側ほど窄んだ円錐形の窪みに形成した場合には、アダプタに対するプラグ本体の装着自体が簡単で且つ装着方向は円錐形の軸線の回りに任意の方向とすることができ、アダプタに対するプラグ本体の装着動作が極めて簡便になる。

このオーディオプラグにおいて、前記凸部の先端部及び前記凹部の底部のいずれか一方に磁石を配置し、残る他方に前記磁石が磁着可能な磁性部材を配置することができる。アダプタをプラグ本体に装着した状態では、凸部の先端部及び凹部の底部のいずれか一方に配置した磁石が相手側の磁性部材に磁着し、磁力の大きさの範囲内でアダプタのプラグ本体への装着状態が保持される。

このオーディオプラグにおいて、前記プラグ本体及び前記アダプタの前記装着状態において互いに面するいずれか一方側の環状壁に磁石を配置し、他方の環状壁に前記磁石が磁着可能な磁性部材を配置することができる。アダプタをプラグ本体に装着した状態では、互いに面するいずれか一方側の環状壁に配置された磁石が相手側の環状壁に配置されている磁性部材に磁着し、磁力の大きさの範囲内でアダプタのプラグ本体への装着状態が保持される。

このオーディオプラグは、航空機、鉄道車両、船舶、キャンピングカー等の乗物に備わるオーディオ設備に設けられているジャックに差し込んで適用可能である。航空機、鉄道車両、船舶、キャンピングカー等の乗物においては、オーディオプラグが故障した場合、適切な設備のあるところでなければその修理が困難である。したがって、これらの乗物のオーディオ設備用に用いられるオーディオプラグを、本発明のものとすることで、故障しにくくすることができ、修理や交換の作業量やコスト軽減に寄与することができる。

この発明によるオーディオプラグは、上記のように構成されているので、例えば航空機等の乗物の場合、その乗客がヘッドセット等のプラグがジャックに接続されていることを忘れていたり意識していないときに、頭部の位置を急変させたり離席するなどの動きをしてプラグ本体とアダプタとの間で磁石の保持力を超える力が作用したときには、プラグ本体のみがチャンネルプラグを備えた部分から外れる。したがって、プラグに無理な応力がかかるのが回避され、オーディオプラグのケーブルとプラグ本体との接続部が破損や損傷をしたり、接続不良等の機能低減が生じるのを回避することができる。

以下、添付した図面に基づいて、この発明によるオーディオプラグの実施例を説明する。図１はこの発明によるオーディオプラグの一実施例を示す図であって、（ａ）はオーディオプラグの平面図、（ｂ）はアダプタが外れた状態で示すオーディオプラグの正面図、（ｃ）はアダプタの平面図、（ｄ）はアダプタの正面図、及び（ｅ）はアダプタを接続した状態で示すオーディオプラグの正面図である。

図１に示す実施例では、オーディオプラグ１は、左右のチャンネルをそれぞれ分離した２本プラグ型式に構成されている。オーディオプラグ１は、ヘッドフォンやイヤフォン（図示せず）に延びるケーブル３に接続されたプラグ本体２と、プラグ本体２に着脱可能なアダプタ２０を備えている。図１（ａ）及び（ｂ）に示すように、プラグ本体２は、例えば合成樹脂製とすることができ、高さの低い円柱部４と、円柱部４から一体的に延びてケーブル３の接続部を覆う保護ブッシング５とから成っている。

プラグ本体２のアダプタ２０装着側において平坦に形成された一側壁６には、僅かに隆起した平面円形の台座部７が形成されていると共に、台座部７に垂直に突出する凸部１０，１１が互いに離間した位置に個別に設けられている。凸部１０，１１は、それぞれ直径と高さが同じであるが、後述するようにアダプタ２０から離脱し易くするため高さの低い円柱構造を有している。オーディオ信号としてのステレオ音声信号を伝達するために、凸部１０，１１には、それぞれ左右の第１チャンネル接点１２，１３が電気的に接続可能な導電性接点として設けられている。凸部１０，１１の先端部には、アダプタ２０に磁気的に着脱可能とするために先端部に設けられた磁性接点部１４，１４が設けられている。

図１（ｃ）及び（ｄ）に示すように、アダプタ２０は、乗物の座席又はその近傍に付設されるジャック（図３参照）に差し込むことを可能にするとともにプラグ本体２に着脱可能に取り付けることができる構造を備えている。アダプタ２０は、非電導性の合成樹脂製でありプラグ本体２に着脱可能な着脱部２１とジャックに差し込まれる差込み部２２とを備えている。

着脱部２１は、プラグ本体２の一側壁６に設けられている台座部７や凸部１０，１１と相補的な構造を有している。即ち、着脱部２１は、プラグ本体２をアダプタ２０に取付け可能にするために、プラグ本体２の一側壁６に当接する環状の平坦壁２３を備えると共に、平坦壁２３には台座部７が嵌入可能な円形の窪み部２４と、窪み部２４内に凸部１０，１１に対応する位置と大きさを持って個別に開口する凹部２５，２６とが形成されている。凹部２５，２６には、オーディオ信号としてのステレオ音声信号を伝達するために、それぞれ、左右の第１チャンネル接点１２，１３接触可能な導電性接点としての第２チャンネル接点２７，２８が設けられている。アダプタ２０のプラグ本体２への装着状態において、プラグ本体２の凸部１０，１１がアダプタ２０の凹部２５，２６にそれぞれ嵌入し、凸部１０，１１に設けられている第１チャンネル接点１２，１３が凹部２５，２６に設けられている第２チャンネル接点２７，２８に接触する。凹部２５，２６の底部には磁性部材２９とが設けられており、凸部１０，１１が嵌入した状態で、凸部１０，１１の先端部に設けられている磁性接点部１３と磁気的に吸着し、プラグ本体２とアダプタ２０とを磁着保持する。なお、磁性部材２９に代えて、磁性接点部１４の磁着面の磁性と反対極性を持ち磁性接点部１４に吸着可能な磁性接点部を設けることもできる。

アダプタ１０の差込み部２２は、従来のオーディオプラグに備わるチャンネルプラグと同じ構造である。即ち、差込み部２２は、互いに平行な電導性金属から成る左チャンネルプラグ３０と右チャンネルプラグ３１とを備えている。乗物の設備に設けられるジャックは２個のプラグ差し込み穴を備える従来と同じ構造を有しているので、左右のチャンネルプラグ３０，３１は、図４に示した従来のチャンネルプラグと同じ構造を有している。

プラグ本体２をアダプタ１０に装着するときには、凸部１０，１１をそれぞれ凹部２５，２６に嵌入させると共に、一側壁６を平坦壁２３に当接させるまで台座部７を窪み部２４に入り込ませる。この状態が図１（ｅ）に示されている。図１（ｅ）においては、同（ｃ）（ｄ）に示した第１チャンネル接点１２，１３が第２チャンネル接点２７，２８と接触し、磁性接点部１４が磁性接点部２９と磁気的に吸着される。こうした装着によって、アダプタ２０からプラグ本体２へオーディオ信号を伝達することができる接点構造が得られる。プラグ本体２はアダプタ１０に対して磁気的に結合されているだけであるので、乗客がヘッドセットを付けたままで席を立つなどしてプラグ本体２がケーブル３から磁力を超えるような大きな力で引っ張られると、プラグ本体２はアダプタ２０から離脱する。したがって、ケーブル３とプラグ本体２との接続部には無理な応力が作用することがないので、接触を悪化させることがない。

図２に基づいて、この発明によるオーディオプラグの別の実施例を説明する。図２（ａ）はこの発明によるオーディオプラグの別の一実施例を示す平面図、（ｂ）は（ａ）に示すオーディオプラグのアダプタが外れた状態で示す正面図、（ｃ）はアダプタの平面図、（ｄ）はアダプタの正面図、及び（ｅ）はアダプタを接続した状態で示すオーディオプラグの正面図である。図２に示すオーディオプラグ４０において、プラグ本体４２の基本的な構造は図１に示すオーディオプラグ１のプラグ本体２の構造と同等であるので、各部位には同じ符号を用いることで重複する説明を省略する。

プラグ本体４２には環状フランジ４３が備わると共に、アダプタ５０装着側には、環状壁４４を残して先端が尖った円錐状に突出する一つの凸部４５が設けられている。凸部４５には、オーディオ信号をステレオで伝達するため、左右の第１チャンネル接点として、互いに同心環状に配置された左用の第１チャンネル接点４６と右用の第１チャンネル接点４７が形成されている。第１チャンネル接点４６，４７を互いに絶縁するため、同心状に配置された環状の絶縁カラー４８，４９が設けられている。また、フランジ４３の環状壁４４は、装着されたアダプタ５０を磁着するために磁石で形成されている。

アダプタ５０には、凸部４５が嵌入可能な円柱部５１と、円柱部５１から延びてジャックへ差し込まれる差込み部６０とから成っている。円柱部５１には、凸部４５に対応した位置に凸部４５と相補的な底側ほど窄んだ円錐形の窪みとして、一つの凹部５２が形成されている。凹部５２の周囲は環状壁５３となっており、磁石で形成された環状フランジ４３の環状壁４４が磁着可能な磁性部材で形成されている。ステレオオーディオ信号を伝達するため、凹部５２には、その壁面において、左右用の同心環状に配置された左用の第２チャンネル接点５６と右用の第２チャンネル接点５７とが設けられている。第２チャンネル接点５６，５７を絶縁するために、第１チャンネル接点側の絶縁カラー４８，４９に対応して絶縁カラー５８，５９が設けられている。凸部４５と凹部５２を相補的な円錐形とすることにより、アダプタ５０に対するプラグ本体４２の装着自体が簡単となり、且つ装着方向は円錐形の軸線の回りに任意の方向とすることができるので、アダプタ５０に対するプラグ本体４２の装着動作が極めて簡便になる。

アダプタ５０には、ジャックに差し込むための差込み部６０が設けられている。差込み部６０は、図５に示す１本プラグ型式から成る従来と同様のチャンネルプラグ６１から成っており、チャンネルプラグ６１は、左右のチャンネル接点が軸方向に絶縁カラー６４，６５で区切られており、根元側が左チャンネル接点部６２であり、先端側が右チャンネル接点部６３である。オーディオプラグ４０において、アダプタ５０の凹部５２の底部に磁石を配置し、プラグ本体４２の凸部４５に磁石が磁着可能な磁性部材を配置することもできる。

オーディオプラグ４０において、アダプタ５０とプラグ本体４２とを装着状態にすると、図２（ｅ）に示すように、互いに面するプラグ本体４２側の環状壁４４とアダプタ５０側の環状壁５３とは磁石と磁着可能な磁性部材とによって磁着し、磁力の大きさの範囲内でアダプタ５０のプラグ本体４２への装着状態が保持される。この状態では、プラグ本体４２側の第１チャンネル接点４６，４７はアダプタ５０側の第２チャンネル接点５６，５７と接点を形成し、プラグ本体４２側の絶縁カラー４８，４９はアダプタ５０側の絶縁カラー５８，５９と当接するので、ジャック側からのステレオオーディオ信号は、アダプタ５０側からプラグ本体４２を経てケーブル３に伝達される。ケーブル３側から磁石の力以上の大きな力がオーディオプラグ４０に作用すると、図１に示すオーディオプラグ１と同様に、プラグ本体４２はアダプタ５０から外れるので、接続部５に過大なストレスが加わることはない。

図３は、航空機用の座席にこの発明によるオーディオプラグを適用する様子を示す説明図である。図３に示すように、座席（一部のみを示す）７０の肘掛け７１の側面部７２には、オーディオ信号取り出し用にジャック７３が設けられている。図１に示す形態を備えたオーディオプラグ１が用いられており、オーディオをヘッドフォンやイヤフォンで聞くときには、プラグ本体２をアダプタ２０に装着した状態でアダプタ２０をジャック７３に差し込むか、或いはアダプタ２０をジャック７３に差し込んだ状態でプラグ本体２をアダプタ１０に装着する。アダプタ２０とプラグ本体２とを保持している磁力以上の大きな力がケーブル３から作用したときには、アダプタ２０はジャック７３内に差し込まれた状態で取り残されたまま、プラグ本体２がアダプタ２０から離脱する。したがって、ケーブル３のプラグ本体２への接続部５に過大な力が作用せず、接触不良や断線等の不具合が発生するのを防ぐことができる。

上記の実施例においては、乗物として航空機を挙げたが、本発明によるオーディオプラグはこれに限ることなく、乗物としては、キャンピングカーや、鉄道車両、レジャー用ヨット等の乗物、或いは乗物以外にも簡易宿泊施設等の省スペースが追求される設備において適用可能であることは明らかである。

この発明によるオーディオプラグの一実施例を示す図である。 この発明によるオーディオプラグの別の実施例を示す図である。 航空機用の座席にこの発明によるオーディオプラグを適用する様子を示す説明図である。 従来のオーディオプラグの一例を示す図である。 従来のオーディオプラグの別の例を示す図である。

符号の説明

１ オーディオプラグ ２ プラグ本体
３ ケーブル ４ 円柱部
５ 保護ブッシング ６ 一側壁
７ 台座部 １０，１１ 凸部
１２ 左用の第１チャンネル接点 １３ 右用の第１チャンネル接点
１４ 磁性接点部
２０ アダプタ ２１ 着脱部
２２ 差込み部 ２３ 平坦壁
２４ 窪み部 ２５，２６ 凹部
２７ 右用の第２チャンネル接点 ２８ 右用の第２チャンネル接点
２９ 磁性部材
３０ 左チャンネルプラグ ３１ 右チャンネルプラグ
４０ オーディオプラグ ４２ プラグ本体
４３ 環状フランジ ４４ 環状壁
４５ 凸部
４６ 左用の第１チャンネル接点 ４７ 右用の第２チャンネル接点
４８，４９ 絶縁カラー
５０ アダプタ ５１ 円柱部
５２ 凹部 ５３ 環状壁
５６ 左用の第２チャンネル接点 ５７ 右用の第２チャンネル接点
５８，５９ 絶縁カラー
６０ 差込み部 ６１ チャンネルプラグ
６２ 左チャンネル接点部 ６３ 右チャンネル接点部
６４，６５ 絶縁カラー
７０ 座席 ７１ 肘掛け
７２ 側面部 ７３ ジャック
８０ オーディオプラグ ８２ プラグ本体
８３ ケーブル ８５ 接続部
８６ 左用チャンネルプラグ ８７ 右用チャンネルプラグ
９０ オーディオプラグ ９１ チャンネルプラグ
９２ 左チャンネル接点部 ９３ 右チャンネル接点部
９４，９５ 絶縁カラー

Claims (7)

1. ヘッドセットに繋がるケーブルに接続されたプラグ本体、及びジャックに差込み可能なチャンネルプラグを有し且つ前記プラグ本体に対して磁力に基づいて着脱可能であると共に装着状態において前記プラグ本体と前記チャンネルプラグとの間でオーディオ信号を伝達可能なアダプタとを備えることから成るオーディオプラグ。
2. 前記オーディオ信号を伝達するため、前記プラグ本体は第１チャンネル接点が設けられた凸部を備えており、前記アダプタには、前記プラグ本体への前記装着状態において前記凸部が嵌入する凹部が形成されており、前記凹部は前記凸部が嵌入した状態で前記第１チャンネル接点が接触可能な第２チャンネル接点が設けられていることから成る請求項１に記載のオーディオプラグ。
3. 前記プラグ本体には前記オーディオ信号をステレオで伝達するための左右の前記第１チャンネル接点がそれぞれ設けられた二つの前記凸部が互いに離間して設けられており、前記アダプタには前記二つの凸部に対応して二つの前記凹部が形成されており、前記凹部には前記左右の第１チャンネル接点とそれぞれ接触可能な左右の前記第２チャンネル接点が個別に設けられていることから成る請求項２に記載のオーディオプラグ。
4. 前記プラグ本体には前記オーディオ信号をステレオで伝達するための左右の前記第１チャンネル接点が同心環状に設けられた一つの前記凸部が設けられており、前記アダプタには前記一つの凸部に対応して一つの前記凹部が形成されており、前記凹部には前記左右の第１チャンネル接点とそれぞれ接触可能な左右の前記第２チャンネル接点が同心環状に設けられていることから成る請求項２に記載のオーディオプラグ。
5. 前記凸部の先端部及び前記凹部の底部のいずれか一方に磁石が配置されており、残る他方に前記磁石が磁着可能な磁性部材が配置されていることから成る請求項２に記載のオーディオプラグ。
6. 前記プラグ本体及び前記アダプタの前記装着状態において互いに面するいずれか一方側の環状壁に磁石が配置されており、他方の環状壁に前記磁石が磁着可能な磁性部材が配置されていることから成る請求項２に記載のオーディオプラグ。
7. 航空機、鉄道車両、船舶、キャンピングカー等の乗物に備わるオーディオ設備に設けられているジャックに差し込んで適用可能な請求項１に記載のオーディオプラグ。
   
   

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